JPH0569813A - 車両のアンチスキツドブレーキ装置 - Google Patents

車両のアンチスキツドブレーキ装置

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JPH0569813A
JPH0569813A JP23507091A JP23507091A JPH0569813A JP H0569813 A JPH0569813 A JP H0569813A JP 23507091 A JP23507091 A JP 23507091A JP 23507091 A JP23507091 A JP 23507091A JP H0569813 A JPH0569813 A JP H0569813A
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JP
Japan
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control
speed
vehicle body
wheel
brake pedal
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Withdrawn
Application number
JP23507091A
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English (en)
Inventor
Toru Onaka
徹 尾中
Kazutoshi Nobumoto
和俊 信本
Toshiaki Tsuyama
俊明 津山
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車両の制動時において、ABS制御を意図的に
且つ簡単に中止できるようにする。 【構成】車輪速と疑似車体速とに基づいて制動圧調節手
段を制御する制御手段34を設けて、車輪速が目標とす
る減速度で減速するよう若しくは目標とするスリップ率
で減速するようにする一方、ブレーキペダル26の踏込
量が所定踏込量以上になったときには、上記制御手段3
4による制御を制御規制手段43によって中止せしめる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のアンチスキッドブ
レーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のアンチスキッドブレーキ装置は、
基本的には、車輪速が目標とする減速度で減速するよう
に、若しくは目標とするスリップ率で減速するように、
車輪に付与する制動圧を増減制御(以下、これを必要に
応じて単にABS制御という)することにより、制動時
における車輪のロックないしはスキッド状態の発生を防
止し、方向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で停
止させるものである。
【0003】上記制動圧の制御については種々の提案が
あり、例えば、特開昭62−241757号公報には、
ブレーキペダルの踏込を検出するブレーキセンサがオン
になったときに、通常は対地速度センサで検出される車
体速度に基づいて上記制動圧制御を行ない、上記ブレー
キセンサの故障時には車輪速センサで検出される車両の
4輪の車輪速に基づいて疑似車体速を設定し、この疑似
車体速を用いて上記制動圧制御を行なう、という提案が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ABS
制御は、上述の如く制動時における車輪のロックないし
はスキッドを防止して制動性を高めるものであるが、制
動時であっても車輪をロックせしめる方が良い場合があ
る。すなわち、砂利道や新雪路では路面と車両のタイヤ
との間の喰付きが比較的大きく、且つロックした車輪が
上記砂利や雪を前方へ押していく関係でこの砂利や雪が
車輪前方に溜まり、所謂くさび効果を生ずるため、車輪
がロックした方が車両が早く停止する結果となる。
【0005】これに対して、従来のアンチスキッドブレ
ーキ装置を備えた車両では、路面の状況の如何に拘ら
ず、ブレーキペダルを踏んで車輪がロックし出すと、基
本的にはそのロックを防止する方向で制御が実行され
る。従って、上述の如き砂利道や新雪路においては、ア
ンチスキッドブレーキ装置を備えている車両の方が該装
置を備えていない車両よりもかえって制動距離が長くな
ることが考えられ、装置本来の目的に沿わない。もちろ
ん、その対策としてアンチスキッドブレーキ装置をドラ
イバーの意思によって不作動にするマニュアルスイッチ
を設けることも考えられるのであるが、該スイッチの場
合、事前のマニュアル操作を要するから、車両を急停車
させたい場合には間に合わず、また、上記スイッチの操
作忘れにより、制動時にABS制御が実行されたり実行
されなかったりして、好ましくない。
【0006】すなわち、本発明の課題は、車両の制動時
において上記ABS制御を意図的に且つ簡単に中止でき
るようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、ドライバーの意思によってブレーキペダル
が通常の踏込領域よりもさらに大きく踏み込まれたとき
に、ABS制御を中止せしめるようにするものである。
【0008】すなわち、上記課題を解決するための第1
の手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、疑似の
車体速を設定する疑似車体速設定手段と、車輪の制動圧
を調節する制動圧調節手段と、車輪速が目標とする減速
度で減速するよう若しくは目標とするスリップ率で減速
するよう上記車輪速検出手段によって検出される車輪速
と上記疑似車体速設定手段により設定される疑似車体速
とに基づいて上記制動圧調節手段を制御する制御手段と
を備えた車両のアンチスキッドブレーキ装置であって、
さらに、ブレーキペダルの踏込量が所定踏込量以上にな
ったときに上記制御手段による制御を中止せしめる制御
規制手段を備えていることを特徴とするものである。
【0009】上記課題を解決する第2の手段は、上記疑
似車体速設定手段が、上記車輪速検出手段によって検出
される車輪速に基づいて疑似車体速を設定する第1設定
手段と、上記車輪速検出手段によって検出される車輪速
の減速度が所定値を越えるときに、上記第1設定手段に
よらず、加速度検出手段によって検出される車体減速度
若しくは対地車体速度検出手段によって検出される対地
車体速度に基づいて疑似車体速を設定する第2設定手段
とを備えてなり、上記制御規制手段が、上記ブレーキペ
ダルの踏込量が上記所定踏込量未満になったときに、上
記制御手段に対する制御の中止を解除するものである。
【0010】上記課題を解決する第3の手段は、上記第
1の手段における制御規制手段が、上記ブレーキペダル
の踏込量が所定踏込量以上になったときに、その踏込量
が零になるまで上記制御手段による制御を中止せしめる
ものである。
【0011】上記課題を解決する第4の手段は、上記第
1乃至第3の各手段において、さらに、前輪の転舵を検
出する転舵検出手段を備え、各々の制御規制手段が、上
記ペダル踏込量検出手段により検出されるブレーキペダ
ルの踏込量が所定踏込量以上であり且つ上記転舵検出手
段により検出される前輪の転舵量が所定値以下であると
きに上記制御手段による制御を中止せしめるものであ
る。
【0012】
【作用】上記第1の手段においては、ドライバーが通常
の制動時にはなされないような大きな踏込量でもってブ
レーキペダルを意図的に大きく踏み込んだとき、制御規
制手段によってABS制御が中止される。
【0013】すなわち、上記ブレーキペダルの踏込量が
所定踏込量以下であれば、車輪がロックするような傾向
にあると、車輪速検出手段によって検出される車輪速
と、疑似車体速設定手段により設定される疑似車体速と
に基づいて、制御手段による制動圧調節手段の制御が行
なわれる。この制御は、車輪速が目標とする減速度で減
速するように若しくは目標とするスリップ率で減速する
ようにすることを目的とし、その結果、車輪のロックな
いしはスキッド状態の発生を防止し、方向安定性を失わ
せずに車両を短い制動距離で停止させることができる。
【0014】これに対して、上記ブレーキペダルの踏込
量が所定踏込量以上になったときには、上記制御手段に
よるABS制御が制御規制手段によって中止される。そ
のため、上記ブレーキペダルの大きな踏込に起因して車
輪がロックすることになるが、砂利道や新雪路のような
路面とタイヤとの喰付きが大きい路面やくさび効果を生
ずる路面では、車両が上記ロックによって短い制動距離
で速やかに停止することになる。
【0015】第2の手段においては、制御規制手段によ
ってABS制御を一旦中止しても、ブレーキペダルの踏
込量が上記所定踏込量未満になったときに、ABS制御
を再開せしめるものである。そして、そのために、疑似
車体速設定手段として、車輪速に基づいて疑似車体速を
設定する第1の設定手段の他に、車体減速度若しくは対
地車体速度に基づいて疑似車体速を設定する第2の設定
手段を設けているものである。
【0016】すなわち、ABS制御を中止した場合、車
輪速が大きく低下して車輪のロックに至ることになる。
その場合、車輪速に基づいて疑似車体速を設定すると、
該疑似車体速は実質的零になり、実際の車体速からかけ
離れたものになる。従って、ブレーキペダルの踏込量が
所定踏込量未満になってABS制御を再開させても、疑
似車体速が低すぎる関係で制動圧は下がらず、車輪はロ
ックしたままになり、実質的な再開ができない。
【0017】これに対して、本手段の場合、車輪速の減
速度が大きい場合には、第2の設定手段により、車体減
速度若しくは対地車体速度に基づいて疑似車体速が設定
されるから、ABS制御を中止している間でも実際の車
体速に近い疑似車体速を生成することができる。その結
果、ABS制御の再開時には、車輪速が疑似車体速より
も低すぎるとして、制動圧の減少制御が実行され、車輪
のロックが解消されることになる。
【0018】従って、上記ABS制御の中止により車体
速を低減せしめた後に、例えば、旋回走行に移行する場
合、所期のABS制御を再開させて車輪のスキッドを防
止することがてきる。
【0019】第3の手段においては、ブレーキペダルの
踏込量が所定踏込量以上になってABS制御が一旦中止
された後は、上記ブレーキペダルの踏込量が所定踏込量
未満になってもABS制御が再開されないから、偶発的
にブレーキペダルの踏込が戻された際に、ドライバーの
意思に反して車輪に付与している制動圧が低下すること
を防止することができる。
【0020】第4の手段においては、転舵検出手段によ
り前輪の転舵が検出されているときには、ブレーキペダ
ルの踏込量が所定踏込量以上であっても、ABS制御は
中止されることなく実行が継続されるため、旋回走行時
における車輪のロックないしはスキッドを防止すること
ができる。
【0021】
【発明の効果】従って、上記第1の手段によれば、ブレ
ーキペダルの踏込量が所定踏込量以上になったときにA
BS制御を中止せしめる制御規制手段を備えているか
ら、ブレーキペダルを踏み込んでいるときに、つまり制
動時に途中でドライバーの意思によってABS制御を直
ちに且つ簡単に中止せしめることができ、砂利道や新雪
路での車両の制動距離を短縮させることができる。
【0022】また、第2の手段によれば、車輪速に基づ
いて疑似車体速を設定する第1の設定手段の他に、車体
減速度若しくは対地車体速度に基づいて疑似車体速を設
定する第2の設定手段を設けて、ブレーキペダルの踏込
量が所定踏込量未満になったときにABS制御の中止を
解除するようにしたから、実際の車体速に近い疑似車体
速でもってABS制御を再開することができ、ABS制
御を一旦中止した後に途中で例えば旋回走行に移る場合
に、車輪のスキッドを防止して走行安定性を高めること
ができる。
【0023】第3の手段によれば、ブレーキペダルの踏
込量が所定踏込量以上になったときには、該ブレーキペ
ダルの踏込量が零になるまでABS制御を中止するよう
にしたから、ドライバーの意思によってABS制御が一
旦中止された後に、偶発的にブレーキペダルの踏込が戻
された場合でも上記制御中止状態を継続せしめることが
き、ドライバーの意思に反して車輪に付与している制動
圧が低下することを防止することができる。
【0024】第4の手段によれば、さらに、前輪の転舵
を検出する転舵検出手段を設け、ブレーキペダルの踏込
量が所定踏込量以上であり且つ上記転舵検出手段により
検出される前輪の転舵量が所定値以下であるときにAB
S制御を中止するようにしたから、旋回走行時にも拘ら
ず車輪がロックした状態になることを防止することがで
きる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0026】<実施例の全体構成>図1には実施例の全
体構成が示されている。すなわち、この実施例に係る車
両は、左右の前輪11,12が従動輪、左右の後輪1
3,14が駆動輪とされ、エンジン15の出力トルクが
自動変速機16からプロペラシャフト17、差動装置1
8及び左右の駆動軸19,20を介して左右の後輪1
3,14に伝達されるように構成されている。
【0027】上記各車輪11〜14には、これらの車輪
と一体的に回転するディスク21a〜24aと、制動圧
の供給を受けてディスク21a〜24aの回転を制動す
るキャリパ21b〜24bとを備えたブレーキ装置21
〜24が設けられている。
【0028】上記ブレーキ装置21〜24を作動せしめ
るためのブレーキ制御システムは、運転者によるブレー
キペダル26の踏込力を増大させる倍力装置27と、こ
の倍力装置27によって増大された力に応じて制動圧を
発生させるマスターシリンダ28とを有する。マスター
シリンダ28から延設された前輪用制動圧供給ライン2
9は左前輪用制動圧供給ライン29aと右前輪用制動圧
供給ライン29bとに分岐し、各々ブレーキ装置21,
22のキャリパ21a,22bに接続されている。上記
左前輪用制動圧供給ライン29aには、電磁式開閉弁3
0aと電磁式リリーフ弁30bとからなる第1バルブユ
ニット30が設けられ、上記右前輪用制動圧供給ライン
29bには、電磁式開閉弁31aと電磁式リリーフ弁3
1bとからなる第2バルブユニット31が設けられてい
る。
【0029】上記マスターシリンダ28から延設された
後輪用制動圧供給ライン32には、電磁式開閉弁33a
と電磁式リリーフ弁33bとからなる第3バルブユニッ
ト33が設けられている。そして、この後輪用制動圧供
給ライン32は、上記第3バルブユニット33の下流側
で左後輪用制動圧供給ライン32aと右後輪用制動圧供
給ライン32bとに分岐し、各々ブレーキ装置23,2
4のキャリパ23a,24bに接続されている。
【0030】すなわち、本実施例は、上記第1バルブユ
ニット30の作動によって左前輪11のブレーキ装置2
1の制動圧を調節する第1チャンネルと、上記第2バル
ブユニット31の作動によって右前輪12のブレーキ装
置22の制動圧を調節する第2チャンネルと、上記第3
バルブユニット33の作動によって左右の後輪13,1
4のブレーキ装置23,24の制動圧を調節する第3チ
ャンネルとを備え、これら各チャンネルは互いに独立し
て制御されるようになっている。そして、上記第1〜第
3のバルブユニット30,31,33が制動圧調節手段
を構成しているものである。
【0031】そして、上記車両は、上記第1〜第3のチ
ャンネルを制御する制御手段と、該制御のための疑似の
車体速を設定する疑似車体速設定手段とを備えたコンピ
ュータよりなる制御ユニット34を備え、さらに、制動
時にドライバーの意思によってABS制御を中止せしめ
るための、ブレーキペダル26の踏込量を検出するため
の圧力センサ41、前輪11,12の転舵を検出するハ
ンドル舵角センサ42及び制御規制手段43を備えてい
る。
【0032】<制御ユニットについて>上記制御ユニッ
ト34は、ブレーキペダル26が踏まれているか否かを
検出するブレーキセンサ35からのブレーキ信号と、各
車輪11〜14の速度を検出する車輪速検出手段として
の車輪速センサ37〜40からの車輪速信号とが入力さ
れ、ABS制御を各チャンネル毎に並行して行なう。す
なわち、制御手段は、上記各車輪11〜14の車輪速と
疑似車体速とに基いて、所定の制御閾値に従って上記バ
ルブユニット30,31,33により各車輪11〜14
の制動圧を増減制御するものであり、上記第1〜第3の
各バルブユニット30,31,33の開閉弁30a,3
1a,33aとリリーフ弁30b,31b,33bとを
デューティ制御によって開閉することにより、制御を実
行する。なお、上記リリーフ弁30b,31b,33b
から排出されたブレーキオイルは、図示しないドレンラ
インによってマスターシリンダ28のリザーバタンクに
戻されるものである。
【0033】以下、上記制御ユニット34について具体
的に説明する。上記疑似車体速Vr は、車輪11〜14
がスリップしているときの車体速度は正確に検出できな
いことから、便宜上の車体速度として設定されるもので
ある。疑似車体速設定手段としては、上記車輪速センサ
37〜40によって検出される車輪速に基いて疑似車体
速Vr を設定する第1設定手段と、加速度センサ43に
よって検出される車体減速度に基づいて疑似車体速Vr
を設定する第2設定手段とが設けられている。
【0034】すなわち、上記第1設定手段は、4輪11
〜14のうちの最高車輪速MaxVwを疑似車体速Vr と
設定するものである。一方、上記第2設定手段は、上記
車輪速センサ37〜40によって検出される最高車輪速
MaxVw の減速度が加速度センサ44によって検出され
る車体減速度g(重力加速度)よりも大きいときに、上
記第1設定手段によらず、上記車体減速度gに基づいて
疑似車体速Vr を設定するものである。
【0035】上記両設定手段による疑似車体速Vr の設
定の流れは図2に示されている。すなわち、4輪11〜
14の車輪速及び車体減速度gについてのデータを入力
し、まず、最高車輪速MaxVw の演算を行なう(ステッ
プS1,S2)。そして、第1設定手段においては、最
高車輪速MaxVw が前回設定された疑似車体速Vr (初
回はVr =0)よりも大きいとき、並びに、前回のVr
を基準とする最高車輪速MaxVw の減速量(Vr −Max
Vw )が加速度センサ43により検出される車体減速量
g・Δt・α以下であるときに、最高車輪速MaxVw を
疑似車体速Vrとして設定する(ステップS3〜S
5)。一方、最高車輪速MaxVw の減速量(Vr −Max
Vw)が車体減速量g・Δt・αよりも大きいときは、
第2設定手段により、前回のVr から車体減速量g・Δ
tを差し引いた値を疑似車体速Vr として設定する(ス
テップS5,S6)。なお、Δtはコントロールユニッ
トのサンプリング周期(例えば7ms)である。また、α
は、加速度センサ43の外乱による検出誤差を考慮して
乗ずる定数(>1)である。
【0036】制御手段は、制御閾値設定部を備え、制御
閾値と車輪の加減速度やスリップ率との比較によってフ
ェーズ0(ABS非制御状態)、フェーズI(ABS制
御時における制動圧の減圧状態)、フェーズII(減圧後
の保持状態)、フェーズIII(減圧保持後の急増圧状
態)及びフェーズIV(急増圧後の緩増圧状態)からフェ
ーズを選択し、各フェーズに応じた制動圧制御信号を第
1〜第3のバルブユニット30,31,33に出力する
ようになっている。
【0037】制御閾値の設定は各チャンネル毎に独立し
て行われるものであり、制御閾値としては、以下のもの
がある。 第1車輪減速度閾値G1;フェーズ0からフェーズIへの
移行判定用 第2車輪減速度閾値G2;フェーズIからフェーズIIへの
移行判定用 第1スリップ率閾値S1;フェーズIIからフェーズIII へ
の移行判定用 車輪加速度閾値G3 ;フェーズIII からフェーズIVへ
の移行判定用 第2スリップ率閾値S2;フェーズIVからフェーズIへの
移行判定用 そして、上記制御閾値は、疑似車体速Vr 及び路面の摩
擦係数に応じ、図3に示すように、路面に対する車輪の
横抗力係数μL を過度に低くすることなく、路面と車輪
との間のμを高くできるように、つまりSs の範囲の特
性が得られるように設定される。すなわち、μが高いと
いうことは制動効率が高いということであり、横抗力係
数μL が高いということは、旋回走行での安定性ないし
は操舵性が良いということであるが、上記制動効率と旋
回走行性とは、図3からわかるように両立が難しい。よ
って、上記通常のABS制御ではこの両者ができるだけ
両立するように制御閾値が設定されるものである。
【0038】また、路面のμの検出にあたっては、AB
S非制御時においては高摩擦路面と一律に判定し、AB
S制御に入った後は、車輪減速度と車輪加速度とに基い
て路面のμを検出するものである。すなわち、車輪減速
度が大きく車輪加速度が小さいとき低摩擦路面と判定
し、車輪減速度が小さく車輪加速度が大きいとき高摩擦
路面と判定し、その他のときは中摩擦路面と判定するも
のである。
【0039】車輪の減速度及び加速度は、車輪速の前回
値と今回値との差を上記サンプリング周期Δtで除算
し、その結果を重力加速度に換算して求められる。後輪
13,14の車輪速に関しては、両車輪速のうちの小さ
い方の車輪速が後輪車輪速として選択される。また、ス
リップ率は次式に従って算出される。
【0040】 スリップ率=(1−車輪速÷疑似車体速)×100 従って、上記制御手段により通常は図4に示すような制
動圧の増減制御が行われることになる。
【0041】 すなわち、定速走行状態からブレーキ
ペダル26が踏み込まれると、マスターシリンダ28で
発生した制動圧が増加していき、それに伴って車輪速が
減少していく。 車輪減速度が第1車輪減速度閾値G1よりも大きくな
ると、ABS制御に移行してフェーズIが選択され、制
動圧は所定の減圧態様に従って減少される。 車輪減速度が第2車輪減速度閾値G2よりも小さくな
ると、フェーズIIが選択され、制動圧は減圧状態で保持
される。 上記減圧保持に伴ってスリップ率が減少し、第1ス
リップ率閾値S1を越えると、フェーズIII が選択され、
制動圧の急増加が行われる。 上記急増圧により、車輪加速度が減少し車輪加速度
閾値G3以下になると、フェーズIVが選択され、制動圧の
緩増加が行われる。 上記緩増圧により、スリップ率が第2スリップ率閾
値S2を越えると、フェーズIが選択される。
【0042】以上の如くして、第1〜第3の各チャンネ
ルにつき、互いに独立して制動圧が増減制御されること
により、各車輪のロックないしはスキッド状態の発生を
防止し、方向安定性を失わせずに車両を短い制動距離で
停止させることになる。
【0043】<ABS制御の中止について>ABS制御
の中止について説明する。すなわち、そのために設けら
れた圧力センサ41は、後輪用制動圧供給ライン32に
通ずる第1室と所定圧(通常の制動時におけるブレーキ
ペダル踏込量を越える大踏込量において発生するプレー
キ液圧)に保たれた第2室とを仕切るダイヤフラムを備
えたダイヤフラム式のものである。そして、この圧力セ
ンサ41は、上記所定圧以上のブレーキ液圧が発生する
と、つまりは所定値Bto以上のブレーキペダル踏込量B
t を検出すると、制御規制手段43にオン信号を出力す
る。
【0044】また、ブレーキペダル26には、上記圧力
センサ41が作動するブレーキ液圧になる直前で、ブレ
ーキペダル26の踏込に抵抗を与えるスプリング等の抵
抗体が設けられている。すなわち、上記抵抗に打ち勝っ
てブレーキペダル26を踏み込んだ場合にのみ上記圧力
センサ41が作動するものであり、上記抵抗体は、AB
S制御の中止にドライバーの明確な意思を要求するため
であり、偶発的なABS制御中止を防止する効を奏す
る。
【0045】また、ハンドル舵角センサ42は、ハンド
ル舵角θの大きさをもって前輪11,12の転舵(つま
りは車両の旋回走行)を検出するものである。
【0046】そうして、制御規制手段43は、ABS制
御中に、上記圧力センサ41からのオン信号を受けると
いう条件と、上記ハンドル舵角センサ42によって検出
されるハンドル舵角の絶対値|θ|が所定値θo 以下で
ある(実質的な直進走行中)という条件とが同時に成立
するときに、上記制御ユニット34の制御手段にABS
制御の中止信号を出力し、上記両条件の少なくとも一方
が成立しないときには、ABS制御実行信号を出力する
ものである。
【0047】上記制御規制手段43の作動の流れは図5
に示されている。すなわち、制御規制手段43は、各種
データを入力し、ABS制御中であれば、ブレーキペダ
ル26の踏込量Bt が所定値Bto以上で且つハンドル舵
角の絶対値|θ|が所定値θo 以下のときに、ABS制
御中止指令を制御手段に出力する(ステップS11〜S
15)。一方、上記ブレーキペダル26の踏込量Bt が
所定値Bto未満のときや、所定値以上であってもハンド
ル舵角の絶対値|θ|が所定値θo を越えるときには、
ABS制御実行指令が出力されることになる(ステップ
S13,S14,S16)。
【0048】従って、上記実施例においては、図6に示
すように、通常のブレーキペダル踏込量の場合、疑似車
体速Vr は、車輪速センサ37〜40で検出される4輪
11〜14の車輪速と、加速度センサ44によって検出
される車体減速度gとに基づいて設定される。そして、
直進走行において、ドライバーによってブレーキペダル
26が大きく踏み込まれると、制御規制手段43の作動
により上記ABS制御が中止され、それに伴って、全車
輪が制動圧の上昇により上記車体減速度gよりも大きな
減速度でもって減速し、ロックするに至る。
【0049】従って、砂利道のようなタイヤと路面との
喰付きが大きく、くさび効果を生ずるような道路におい
ては、上記車輪のロックにより車両は速やかに停止す
る。また、上述のABS制御の中止が行なわれた場合、
車輪の減速度は車体減速度gよりも大きくなるから、疑
似車体速Vr は、上記車輪速によらず、上記制御規制手
段43が作動した頃の疑似車体速Vr を基準として上記
車体減速度gに基づいて設定される。
【0050】そして、このように、ABS制御が中止さ
れた後も、車体減速度gに基づいて実際の車体速に近い
疑似車体速Vr が設定されていくから、途中でブレーキ
ペダル26の踏込を戻し、あるいは旋回走行に移行して
ABS制御が再開された場合には、ロックしている車輪
の速度が第2スリップ率閾値S2を越えているとして、減
圧制御が行なわれ、ロックが解消され、例えば旋回走行
を円滑に行なうことができるようになる。また、上記車
輪のロックが解消された後は、車輪速と車体減速度gと
に基づいて疑似車体速Vr が設定されていくことにな
る。
【0051】なお、上記実施例では、ブレーキ液圧をみ
てブレーキペダルの踏込量を検出するようにしたが、制
御規制手段として、車両のフロアにブレーキペダルの踏
込量が所定踏込量以上になると該ペダルが接触してオン
になるブレーキキックダウンスイッチを設け、該スイッ
チからの信号に基づいてABS制御の規制を行なうよう
にしてもよい。その場合でも、ブレーキペダルが上記ス
イッチに接触する直前で、ブレーキペダルの踏込に抵抗
を与える抵抗体を設けることが望ましい。
【0052】また、疑似車体速設定のための第2設定手
段として、対地車体速度センサを用いる場合、ドップラ
ー式や空間フィルタ式を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のアンチスキッドブレーキ装置の全体構
成図
【図2】疑似車体速設定のフロー図
【図3】スリップ率と摩擦係数、横抗力係数との関係を
示す特性図
【図4】通常のABS制御のタイムチャート図
【図5】ABS制御規制手段の作動を示すフロー図
【図6】ABS制御を中止した後に再開したときの車輪
速及び疑似車体速のタイムチャート図
【符号の説明】
11〜14……車輪 21〜24……ブレーキ装置 26……ブレーキペダル 30,31,33……バルブユニット(制動圧調節手
段) 34……制御ユニット(制御手段,疑似車体速設定手
段) 37〜40……車輪速センサ 41……圧力センサ 42……ハンドル舵角センサ 43……制御規制手段 44……加速度センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪速を検出する車輪速検出手段と、疑似
    の車体速を設定する疑似車体速設定手段と、車輪の制動
    圧を調節する制動圧調節手段と、車輪速が目標とする減
    速度で減速するよう若しくは目標とするスリップ率で減
    速するよう上記車輪速検出手段によって検出される車輪
    速と上記疑似車体速設定手段により設定される疑似車体
    速とに基づいて上記制動圧調節手段を制御する制御手段
    とを備えた車両のアンチスキッドブレーキ装置におい
    て、 ブレーキペダルの踏込量が所定踏込量以上になったとき
    に上記制御手段による制御を中止せしめる制御規制手段
    を備えていることを特徴とする車両のアンチスキッドブ
    レーキ装置。
  2. 【請求項2】上記疑似車体速設定手段は、上記車輪速検
    出手段によって検出される車輪速に基づいて疑似車体速
    を設定する第1設定手段と、上記車輪速検出手段によっ
    て検出される車輪速の減速度が所定値を越えるときに、
    上記第1設定手段によらず、加速度検出手段によって検
    出される車体減速度若しくは対地車体速度検出手段によ
    って検出される対地車体速度に基づいて疑似車体速を設
    定する第2設定手段とを備えてなり、 上記制御規制手段は、上記ブレーキペダルの踏込量が上
    記所定踏込量未満になったときに、上記制御手段に対す
    る制御の中止を解除する請求項1に記載の車両のアンチ
    スキッドブレーキ装置。
  3. 【請求項3】上記制御規制手段は、上記ブレーキペダル
    の踏込量が所定踏込量以上になったときには、該ブレー
    キペダルの踏込量が零になるまで上記制御手段による制
    御を中止せしめる請求項1に記載の車両のアンチスキッ
    ドブレーキ装置。
  4. 【請求項4】前輪の転舵を検出する転舵検出手段を備
    え、 上記制御規制手段は、上記ブレーキペダルの踏込量が所
    定踏込量以上であり且つ上記転舵検出手段により検出さ
    れる前輪の転舵量が所定値以下であるときに上記制御手
    段による制御を中止せしめる請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載のアンチスキッドブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007055595A (ja) * 2005-08-20 2007-03-08 Bayerische Motoren Werke Ag オートバイ用のアンチロック制御機能付きインテグラルブレーキシステム
CN109406171A (zh) * 2018-10-31 2019-03-01 北京华奥汽车服务股份有限公司 一种车辆制动***静动态故障模拟分析仪及其检测方法

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