JPH0567592U - 自転車収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、駐輪した自転車の前輪の車軸の外
側突出部分を掛止めると共に前輪の前方を固定した状態
でほぼ起立状に立ち上げて、収納占有面積を可及的に狭
めた自転車収納装置を提供するにある。 【構成】 設置面に固定されて上方へ延びてガイドレー
ルとなる支持柱部１を設け、該支持柱部１に沿ってラン
ナー部３を昇降動自在に設け、該ランナー部３に前輪の
左右側方を覆う前輪保持部２を設ける、上記ランナー部
３をロープ４で牽引可能に連結して支持柱部１に沿って
昇降させると共に所望位置でロック可能として、自転車
を起立姿勢で収納させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自転車を起立させることにより省スペースでの自転車の収納を可 能とした自転車収納装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の駐輪装置として、自転車用の収納スペースを効率的に活用する ため種々構成が開示されている。 しかし、自転車を単に平行に収納する場合は、前輪から後輪に至る長さに相応 する間隔を設けて自転車を駐輪するので前後方向にスペースセービングを図るこ とができないという欠点があった。 そこで、自転車の先端を持ち上げる構成があるが、更に省スペースを図るには 自転車を起立状に吊り下げる必要がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は上記事情に鑑みて鋭意研究の結果創案されたものであって、その主 たる課題は、駐輪した自転車の前輪の車軸の外側突出部分を掛止めると共に前輪 の前方を固定した状態でほぼ起立状に立ち上げて、収納占有面積を可及的に狭め た自転車収納装置を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、この考案では、 自転車の前輪を固定して吊り上げ、自転車を略起立姿勢で収納する自転車収納 装置であって、 設置面に固定されて上方へ延びてガイドレールとなる支持柱部を設ける、 該支持柱部に沿って昇降動自在に設けられたランナー部を設ける、 該ランナー部に連結されて前輪の左右側方を覆う前輪保持部を設ける、 上記ランナー部を牽引可能に連結して支持柱部に沿って昇降させると共に所望 位置でロック可能とした昇降制御手段を設ける、 上記前輪保持部が、自転車の前輪の車軸の外側突出部分と係合する係合受部と 、該係合受部での係合時に前輪の前端側を解放可能に左右方向に挟圧する前輪ロ ック部とを有してなる、 という技術的手段を講じている。

【０００５】

【作用】

自転車の前輪を前輪保持部に挿入し、その車軸の外側突出部分を係合受部に掛 止め、前輪を位置決めする。 次いで、前輪ロック部で位置決めされた前輪の前端側を固定する。 そして、昇降制御手段で、ランナーを介して前輪を固定した前輪保持部を支持 柱部に沿って上昇させ、所定位置でロックする。 これにより自転車は前輪が前輪保持部に固定された状態で起立状に保持され収 納される。 また、昇降制御手段でロックを解除すると、ランナーが支持柱部に沿って下降 し、これと連動して前輪保持部及びこれに固定された前輪が下降し、収納前の姿 勢まで戻すことができる。 そして、前輪ロック部を解放し、係合受部から前輪の車軸の外側突出部分を外 せば、自転車を取り出すことができる。

【０００６】

【実施例】

以下にこの考案の自転車収納装置の好適実施例を図面を参照しつつ説明する。 図１及び図２に示す自転車収納装置は、設置面の前方に立設された支持柱部１ に昇降自在に前輪保持部２を装備している。 即ち、前後に平行に延びるベースフレーム１１、１２と両者間を一体に連接す るクロスフレーム１３が設置面Ｇに固定される。

【０００７】 この前方のベースフレーム１１上に等間隔で支持柱部１が多数立設されている 。 本実施例では、左右に隣接する支持柱部１が前方へ傾斜する前傾姿勢の支持柱 部（図中の説明上、１Ａとする）と、後方へ傾斜する後傾姿勢の支持柱部（１Ｂ とする）とが交互に設けられており、後述の収納時に自転車のハンドルが衝合し ないようになっている。 なお、この各支持柱部１の上端には、後方へ水平に延出して天井の支持枠とな る上枠部１４が連設されている。

【０００８】 次ぎに、前輪保持部２は、図３以降に明瞭なように、その前方にランナー部３ を有しており、該ランナー部３は支持柱部１内に滑動自在に内蔵されている。 即ち、支持柱部１は、中空が断面蟻溝状のガイドレールからなっており（図３ 参照）、ランナー部３が摺動自在に内蔵されている。 このランナー部３は、断面チャンネル状のベース部３１と、その上下に左右一 対に設けられた車輪部３２、３２とからなって、該車輪３２、３３が支持柱部１ の後壁内面を滑動して昇降動自在となっている。 なお、図中１５は、ランナー部３の下端を、図中実線で示す待機位置にて保持 するために支持柱部１内に固設されて、ランナー部３と衝合するストッパである 。

【０００９】 このランナー部３には、昇降制御手段の一例として示すロープ４１の下端が連 結されている。 このロープ４１は、支持柱部１に沿って上方へ延び、支持柱部１と上枠部１４ とのコーナーに軸支された第１滑車４２に掛け渡されて方向を転換して上枠部１ ４に沿って後方へ延び、上枠部１４の後方に軸支された第２滑車４３に掛け渡さ れて後方で垂下しており、下端にハンドル４４を連結している。

【００１０】 また、上部枠１４でロープ４１が垂下する開口には、ロープ４１を所望位置で 緊締するロック部４５が設けられている。 このロック部４５は、ブライダーの昇降操作紐をロックするのに用いられる傾 動式の係止爪を備えた公知の傾動式ロック機構となっているが、その他のロック 手段を用いてもよい。 従って、ハンドル４４を下向きに牽引することにより第１及び第２滑車４２、 ４３を介してロープ４１を引き上げランナー部３を上昇動させることができ、所 定位置でロック部４５を介してランナー部３を固定することができる。

【００１１】 次ぎに、上記ランナー部３には前輪保持部２の前端が固定されて、支持柱部１ の後方へ突出している。 この前輪保持部２は、横断面略コ字状のプレートからなっており、その左右側 板２１に左右一対の傾動板５と、前輪ロック部６とを設けている。 傾動板５は、略３角形のプレートからなって、下端が前輪保持部２の左右側板 ２１に枢着Ｐ５されている。

【００１２】 また、傾動板５には弧状の長孔５３が穿設されており、左右側板２１から内方 へ突出する軸５１が嵌合されており、傾動板５の傾動角度を規制している。 この傾動板５の上端には、自転車の前輪の車軸の外側突出部分を係合するＵ溝 状の係合受部５２が形成されている。 なお、図中５４は傾動板５のガイド用の斜辺である。

【００１３】 次に、前輪ロック部６は、ゴムからなる左右一対の弾性パッド６０と、該弾性 パッド６０を押圧する作動枠７と、作動枠７を操作する操作ロッド８とからなっ ている。 即ち、前輪保持部の左右側板２１の前方寄りの上縁にそれぞれ切欠２３が形成 されており、該切欠２３を内側から塞ぐようにゴム材からなる柱状の弾性パッド ６０が取着されている。

【００１４】 上記切欠２３の外側で弾性パッド６０を覆うように作動枠７が配置されている 。 該作動枠７は、左右側板２１とそれぞれ平行に延びる立上がり、切欠２３近傍 位置から徐々に内側へ幅狭方向へ傾斜する左右対称の押圧傾斜部７１と、上端で 前方へコ字状に屈曲して押圧傾斜部７１を連接する車輪受枠部７２とからなって いる。 この作動枠７は、基端を前輪保持部の左右側板２１の前方下方に枢着Ｐ８した 操作ロッド８の中途位置に枢着Ｐ７されている。

【００１５】 上記操作ロッド８は、延出端にグリップ８１を設けたレバー状となっており、 枢着位置近傍で、側板２１（図示例では左側の側板）と操作ロッド８との間に取 着されたスプリングＳによって、中間のデッドラインを越えて実線で示すロック 解除位置と仮想線で示すロック位置にそれぞれ付勢させるよう構成されている。 また、図１に示す支持柱部１の上部の所定位置には、ロック作動突部８２が突 設されている。

【００１６】 このロック作動突部８２は、収納時に上昇してきた作動枠７の車軸受枠部７２ と衝合する位置に突出されており、ロープ４１の牽引力でロック作動突部８２と 衝合した車軸受枠部７２が押し下げられ、作動枠７を介して操作ロッド８を図４ で仮想線で示すロック位置まで変位させることができる。 なお、図中９は、前輪保持部２の後方で、断面略Ｕ状からなって、前輪保持部 ２の延長上に漸次後方へ下降傾斜する車輪導入レール部である。

【００１７】 上記構成からなっているので、自転車の収納時には、車輪導入レール部９に前 輪を嵌込み前進させる。 次いで、前輪の車軸の外側突出部分Ｂを傾動板５の斜辺５４にガイドさせなが ら係合受部５２に突入させる。 そして、昇降操作手段のハンドル４４を引き下げると、ロープ４１が牽引され てランナー部３を支持柱部１に沿って引き上げ、該ランナー部３と一体の前輪保 持部２も上昇する。

【００１８】 前輪保持部２の上昇により、作動枠７の車軸受枠部７２が支持柱部１に突設さ れたロック作動突部８２と衝合する。 更にロープが牽引されると、作動枠７は下降し、押圧傾斜部７２が切欠２３を 介して弾性パッド６０を押すので、前輪のタイヤ部分が左右の弾性パッド６０に よって挟圧、固定される。 またこれと連動して操作ロッド８もロック位置まで傾動する。

【００１９】 上記操作では、自動的に車輪のロックを行なったが、手動により、操作ロッド ８を下向きに押し下げて、同様に前輪をロックしてもよい。 そしてロック部４５でロープ４１を固定し、自転車の起立姿勢を保持して収納 を完了する。 自転車を取り出す際には、ハンドル４４を一端引き下げてロック部４５のロッ クを解除すると、自転車の自重によりロープ４１は引き下げられ、ランナー部３ が下向きに摺動し、ストッパ１５と衝合する待機位置まで下降する。

【００２０】 この状態で、操作ロッド８を引き上げれば、押圧傾斜部７２が上昇して弾性パ ッド６０から離反させる。 そして係合受部５２から前輪の車軸の外側突出部分を外すことにより、前輪の 拘束は完全に解かれるので、車輪導入レール部９から自転車を引出すことができ る。 また、支持柱部１は、図２に示すように隣接する支持柱部が立設角度を交互に 前後方向にずらせて傾斜して設置されているので、隣合う自転車のハンドル部分 が衝合することがなく、左右方向にもスペースをとられることがない。

【００２１】

【考案の効果】

この考案の自転車収納装置では、自転車のサイズの違いに拘らずほぼ一定位置 に配置してある前輪の車軸位置を係止位置として位置決めして、車輪の前端側を 固定するようにしたので、自転車を吊り上げて起立状に収納することができる。 これにより、前後方向の収納スペースを大幅に狭めることができ極めて有益で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の自転車収納装置の実施例を示す側面
図である。

【図２】図１の立設角度の異なる支持柱部を用いた場合
の側面図である。

【図３】前輪保持部の平面図である。

【図４】前輪保持部の側面図である。

【図５】前輪保持部の背面図である。

【符号の説明】

１ 支持柱部 ２ 前輪保持部 ３ ランナー部 ４ ロープ ５ 傾動板 ６ 前輪ロック部 ７ 作動枠 ８ 操作ロッド ９ 車輪導入レール部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車の前輪を固定して吊り上げ、自転
   車を略起立姿勢で収納する自転車収納装置であって、 設置面に固定されて上方へ延びてガイドレールとなる支
   持柱部と、 該支持柱部に沿って昇降動自在に設けられたランナー部
   と、 該ランナー部に連結されて前輪の左右側方を覆う前輪保
   持部と、 上記ランナー部を牽引可能に連結して支持柱部に沿って
   昇降させると共に所望位置でロック可能とした昇降制御
   手段とからなり、 上記前輪保持部が、自転車の前輪の車軸の外側突出部分
   と係合する係合受部と、該係合受部での係合時に前輪の
   前端側を解放可能に左右方向に挟圧する前輪ロック部と
   を有してなることを特徴とする自転車収納装置。
2. 【請求項２】 係合受部が、前輪保持部に枢着されて所
   定範囲で傾動する傾動板の上部に凹設されてなることを
   特徴とする請求項１に記載の自転車収納装置。
3. 【請求項３】 前輪ロック部が、前輪保持部に左右一対
   に固定された弾性パッドと、該一対の弾性パッドの外側
   と衝合し上方に向かって漸次幅狭に傾斜する作動枠と、
   基端を前輪保持部に枢着し中途部で上記作動枠を連結し
   後方の延出部分に操作部を設け、上記作動枠が弾性パッ
   ドと離反する上方の解放位置と上記作動枠が弾性パッド
   を挟圧する下方のロック位置とに変位可能に設けられた
   操作ロッドとからなることを特徴とした請求項１に記載
   の自転車収納装置。
4. 【請求項４】 支持柱部が左右に隣接して複数設けられ
   ており、隣接する支持柱部が立設角度を交互に前後方向
   にずらせて傾斜してなることを特徴とする請求項１に記
   載の自転車収納装置。
5. 【請求項５】 前輪保持部の後方で、断面略Ｕ状からな
   って、前輪保持部の延長上に漸次後方へ下降傾斜する車
   輪導入レール部が設けられてなることを特徴とする請求
   項１に記載の自転車収納装置。