JPH05221355A - 二段式駐輪装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スライダをガイドするガイドレールの形状と
２本のスプリングを連結してこの各スプリングにてスラ
イダの引出と傾動時に作動させ、力の弱い婦女子にとっ
ても容易に操作でき、かつ安全性を向上させる。 【構成】 支柱１にて所要高さに略水平に支持された支
持桿３の長手方向にガイドレール１６および支持桿先端
にガイドローラ６とを設ける。この支持に桿摺動自在に
スライダ４を設け、、このスライダと支持桿間に、かつ
スプリング台車１８をその中間に備えたスプリング１
２，２０を張設する。そして支持桿のガイドレール１６
の基端部側にヘ字形の低位部１６ａを形成し、このガイ
ドレールにスライダ４に設けたガイドロ−ラ１５を嵌挿
し、支持桿先端側のガイドローラ６をスライダ側のガイ
ドレール７に嵌挿する。前記スプリング２０の一端を支
持桿側に、他端１２をスライダ下面に配設したガイドロ
ッド１１に摺動可能に係止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、手動にて操作される二
段式自転車の駐車装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在、自転車公害防止対策として自転車
駐車場が整備されつつあり、狭い場所において多数の自
転車を収納する手段の一つとして手動二段式自転車駐車
装置が注目されている。この手動二段式自転車駐車装置
においては、地上１ｍ位の上段の格納位置に自転車を持
ち上げる方法に主な問題がある。この方法には人力によ
る押上を容易ならしめるため重錘又はスプリング等によ
る補助的動力を使用する場合と、該補助的動力を使用し
ない場合とがあるが、何れの場合も自転車を下方で固定
し、上方に持ち上げる手段としてスライダが用いられ
る。このスライダには、その姿勢保持のための金物、あ
るいは補助的動力をスライダに伝達するための金物が取
り付けられるが、これらは自転車の格納状態ではスライ
ダをその上に支持する支持桿の上方に配置されているの
が通例である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】またこのような方式で
はスライダは自転車を乗せるに十分な長さ以上に長くす
る必要があり、これが必然的に土地面積に対する自転車
の収納効率を低下させる原因となっている。そしてこの
収納効率の改良を図るためには、種々の金物が増加し、
構造複雑で高価となる欠点がある。さらには上段側のス
ライダはその引出時、重量によって急激に落下しやす
く、力の弱い婦女子にとっては操作がむずかしく、また
危険が伴うことがある。

【０００４】本発明はスライダをガイドするガイドレー
ルの形状と２本のスプリングを連結してこの各スプリン
グにてスライダの引出と傾動時に作動させ、力の弱い婦
女子にとっても容易に操作でき、かつ安全性を向上させ
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたもので、支柱にて所要高さに略水平に
支持された支持桿とこの支持桿の長手方向に設けたガイ
ドレールおよび支持桿先端に設けたガイドローラとを介
して摺動自在に設けたスライダと、このスライダと支持
桿間に張設され、かつスプリング台車をその中間に備え
たスプリングとよりなり、支持桿のガイドレールの基端
部側にヘ字形の低位部を形成し、このガイドレールにス
ライダに設けたガイドレールを嵌挿し、支持桿先端側の
ガイドローラをスライダ側のガイドレールに嵌挿すると
共に、前記スプリングの一端を支持桿側に、他端をスラ
イダ下面に配設したガイドロッドに摺動可能にして係止
してなることを要旨とする。

【０００６】

【作用】支持桿上に配設されたスライダを引き出すと
き、まず弱い方のスプリングが引き伸ばされるので、軽
く引き出すことができる。そしてほぼ定められた位置ま
で引き出されると、このスプリングに台車を介して連結
された強いスプリングが作用するため、引き出されたス
ライダを支持桿先端のガイドレールを中心として旋回さ
せるとき、この強いスプリングの引張力にてスライダは
緩やかに旋回し、安全が図れる。またスライダに設けた
ガイドローラは支持桿側のガイドレールに沿って移動す
るが、このガイドレールは基端側で低くなっているた
め、スライダを押し込んだとき、振動やいたずらによ
り、みだりに引き出されることなく、格納状態での安全
性が向上する。

【０００７】

【実施例】以下本発明を図示に示す実施例に基づいて説
明する。手動式駐輪装置は地上面に設けられた下段収納
装置（図示省略）と、支柱１の上部に取り付けられる上
段収納装置Ａとよりなり、下段収納装置は従来より使用
されている構造のものが利用され、この構造は限定され
ることはない。

【０００８】上段収納装置Ａは、上記支柱１上に固定し
た断面コ字形の架台受２に略々水平状に取り付けられた
支持桿３と、該支持桿３の上方位置に摺動自在に支持さ
れ、かつ上部に自転車を載置するスライダ４、並びに該
スライダ４に揺動と引き上げ方向に附勢するための附勢
機構５とを主体として構成される。

【０００９】支持桿３は角パイプまたはリップ溝型鋼に
て形成され、基端下部を支柱１上に架台受２を介して止
着されており、先端内側面には取付軸Ｓを介してスライ
ダ４を案内する左右対をなすガイドローラ６が回動自在
に設けられ、該ガイドローラ６はスライダ４の両側の外
面に設けたコ字状のローラレール７に嵌合され、スライ
ダ４の長手方向の移行と、このガイドローラ６を中心と
して傾起することを許容するも転倒を阻止する。

【００１０】スライダ４は断面凹字状の溝型鋼をもって
構成され、開口部を上方に向けて上記支持桿３上に摺動
自在に配備され、先端には操作用把手８が、また両側上
部には自転車の前輪及び後輪を誘導し、かつ保持するた
めの導設枠１０を、さらに基端側には前輪用受金物９が
取り付けられている。そして、このスライダ４の中央く
ぼみ部４Ａは支持桿３の頂面開口部に挿通され、かつス
ライダ４の中央くぼみ部の外側面に前記ローラレール７
がほぼスライダ４の長手方向にわたって配設され、支持
桿先端内側面に軸支したガイドローラ６が嵌挿されてい
るもので、この状態を図４に詳示する。

【００１１】スライダ４の下面にはその長手方向にわた
ってガイドロッド１１が配設され、このガイドロッド１
１にスライダ旋回用のスプリング（またはガススプリン
グ）１２の先端に設けたスライドガイド１３を摺動自在
に支持されると共に基端側両側、または片側に図３、ま
たは図４に示すようにブラケット１４を下方へ突設さ
せ、このブラケット１４の下端部にガイドローラ１５を
軸支し、このガイドローラ１５を前記支持桿３の内側両
面に、支持桿３の内側両面に支持桿のほぼ全長にわたっ
て配設したガイドレール１６に嵌合支持する。このガイ
ドローラ１５を軸支したブラケット１４は図３に示すよ
うに支持桿２に溶接その他の方法にて固定式にして設け
てもよいし、または図４及び図６，７に示すように支持
桿２に設けた軸１７にて揺動可能に支持することもでき
る。

【００１２】ガイドレール１６は図１、図４に示すよう
に断面コ字形をしており、スライダ４が支持桿３上に平
行にして支持され、未引出状態、すなわち上段自転車の
駐輪状態において、ガイドレール基端側をヘ字形に形成
し、ガイドレールの中央及び先端部位置より低位となる
ようにし、これにより駐輪状態でこのガイドレール１６
の低位部１６ａにてガイドローラ１５を嵌挿支持し、み
だりにスライダ４の引き出し、すなわち移動しないよう
にして安全性を向上させる。

【００１３】また支持桿３の内底面にはスプリング台車
１８用の台車レール１９を配設し、前記スプリング１２
の一端を係止したスプリング台車１８を台車レール１９
に沿って移動可能とする。従ってこの台車レール１９は
断面コ字形のものを、その開口部を互いに対向して２条
平行に配設し、この２条の台車レール１９にスプリング
台車１８の両側に突設したコロ、または車輪１８Ｗを嵌
挿してスプリング台車１８を移動させるようになす。

【００１４】台車レール１９に支持されるスプリング台
車１８にはさらに別のスプリング２０の一端が係止され
ている。従って２本のスプリング１２と２０とはスプリ
ング台車１８の前部と後部とに係止して対向し、かつ双
方のスプリングの引張力を等しくしてもよいが、スプリ
ング１２を２０に比べ強くする。これにより支持桿上を
摺動して引き出されたスライダ４がガイドレール６を中
心にしてスライダ先端側が降下するよう旋回する際、こ
のスライダの重力による旋回力を規制し、スライダ旋回
の安全性を図るようになす。なお、スプリング２０の端
部は支持桿３側に固定されると共に、スプリング台車１
８が予め設定された位置より以上に移動しないようにレ
ール１９にはストッパーが設けられている。

【００１５】通常、本発明駐輪装置において、図２に示
すように上段側に自転車を格納するスライダ４は支持桿
３上に平行にして保持されている。今この上段側に自転
車を格納するには操作用把手８をもって、スライダ４を
手前側に引き出す。これによりガイドローラ５はガイド
レール１６の低位部１６ａよりヘ字形の傾斜面に導か
れ、レール中央部より先端側へ転動移動するとともに支
持桿先端に設けたガイドローラ６を嵌挿したローラレー
ル７によりスライダ４は安定状態を保持して引き出され
る。このスライダの引出量に応じてスプリング２０と１
２は引張される。そしてスプリング台車１８も台車レー
ル１９に沿って移動する。

【００１６】次にこの台車１８が台車レールに設けたス
トッパーに当接すると、台車１８は停止し、一方のスプ
リング２０の引張も停止する。しかしさらにスライダを
引き出すか、またはスライダの重心がガイドローラ６を
中心にしてスライダ先端側に移動するようになってスラ
イダ先端側が重くなるとスライダはガイドローラ６を中
心として旋回し、スライダ先端側が降下し始める。この
ときスプリング台車１８はストッパーにて停止されてい
るので、スプリング１２がさらに引張され、このスプリ
ング１２の引張力とスプリング２０とがスライダ基端側
に作用し、スライダの旋回力に制動力が働くようにな
り、スライダは先端は緩やかに降下する。

【００１７】スライダ旋回時、ガイドローラ１５を備え
たブラケット１４の基部には大きなトルクが作用する。
このトルクを軽減し、スライダの旋回を円滑に行うため
のブラケット１４を軸１７を中心にして揺動させる。こ
の状態を図５と図６に示す。このようにして引き出され
たスライダ上に自転車を乗せた後、再びスライダ先端の
把手を持って持ち上げる。ついで、スライダを押し込
む。このときスプリングに１２，２０の作用にて軽く引
き込まれ、そしてガイドローラ１５がガイドレール１６
に沿って、その低位部に達して収納操作が終了する。

【００１８】

【発明の効果】本発明による時は支持桿上を摺動して出
没するスライダと支持桿との間にスプリング台車を介し
て２本のスプリングを連結して設け、スライダ引出時に
は軽く、そして支持桿先端のガイドローラを中心として
旋回時において、強く前記スプリングの引張力を作用さ
せているので、スライダ引出旋回時も安全であり、しか
も自転車格納時、スライダ持上力も軽減される。さらに
ガイドレール基端側に低位部を設け、ガイドローラとこ
の位置でスライダを保持するので自転車格納状態での安
全性が向上する等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置のスライダを傾斜させて自転車格納
時の説明をする正面図である。

【図２】同格納状態の正面図である。

【図３】スライダ摺動及び旋回時の説明図である。

【図４】支持桿とスライダとの関係を示す拡大断面図で
ある。

【図５】ガイドレールを備えたブラケットを揺動式とし
た実施例の説明図である。

【図６】同スライダ軽動時の説明図である。

【符号の説明】

３ 支持桿 ４ スライダ ６ ガイドローラ ７ ローラレール １１ ガイドロッド １２ スプリング １５ ガイドローラ １６ ガイドレール １８ スプリング台車 １９ 台車レール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支柱にて所要高さに略水平に支持された
   支持桿とこの支持桿の長手方向に設けたガイドレールお
   よび支持桿先端に設けたガイドローラとを介して摺動自
   在に設けたスライダと、このスライダと支持桿間に張設
   され、かつスプリング台車をその中間に備えたスプリン
   グとよりなり、支持桿のガイドレールの基端部側にヘ字
   形の低位部を形成し、このガイドレールにスライダに設
   けたガイドロ−ラを嵌挿し、支持桿先端側のガイドロー
   ラをスライダ側のガイドレールに嵌挿すると共に、前記
   スプリングの一端を支持桿側に、他端をスライダ下面に
   配設したガイドロッドに摺動可能にして係止してなるこ
   とを特徴とする手動式駐輪装置。