JPH0541464B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、レール車両用の走行機構であつて、
少なくとも２つの輪軸が設けられていて、該輪軸
の輪軸軸受けが、該輪軸軸受けと堅く結合された
連結装置を介して互いに結合されており、連結装
置が規定の範囲において可撓性を有し、輪軸軸受
けが、縦方向及び横方向又はいずれか一方の方向
において小さなばね強さを有する１次弾性体を介
して、荷重を支持するボギー台車に対してばね緩
衝されている形式のものに関する。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第2920114号明
細書（特開昭54−155516号公報に相当）に基づい
て公知の上記形式の走行機構では、ボギー台車に
おいて走行特性を改善するために輪軸が互いに連
結されている。この公知の走行機構では、荷重を
支持するボギー台車枠に付加的に連結装置が設け
られ、この連結装置は２つのＶ字形部分から成
り、両Ｖ字形部分は輪軸軸受けと堅く結合されて
いて、ボギー台車中心においてフレキシブルなユ
ニツト（結合板及びゴムパツド）によつて相互に
結合されている。これによつて、荷重を支持する
部分と輪軸を案内する機構とは完全に分けられて
いる。この場合、輪軸の案内は輪軸を互いに結合
するための付加的な連結装置によつて引き受けら
れるので、１次弾性体は乗心地の良さという観点
に従つて、比較的やわらかく設計することができ
る。しかしながらこの公知の走行機構には次のよ
うな欠点がある。すなわちこの公知の走行機構で
は、２つのＶ字形部分から成る連結装置とボギー
台車中心との間の結合箇所における強度が不十分
であることに基づいて、輪軸間における所望の連
結が達成されず、ひいては高速走行時に車両の脱
線するおそれがある。

ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の走
行機構を改良して、荷重を支持するボギー台車枠
と輪軸軸受けとの間のやわらかい連結の結果とし
て上記部分相互の制御不能な運動に基づく脱線の
おそれを生ぜしめることなしに、極めて高い速度
に至るまで安定した走行を行うことができる走行
機構を提供することである。

この課題を解決するために本発明の構成では、
連結装置がそれ自体でまとまつている構成部材と
して形成されており、該構成部材がその形状付与
及び材料特性又はそのいずれか一方によつて、所
定の弾性特性及び振動減衰特性又はいずれか一方
の特性を与えられており、連結装置を形成する構
成部材が連結フレームであり、該連結フレームが
中空箱形成形体として形成されており、ボギー台
車の縦方向の中心平面を中心にして対称的に２つ
の縦げたが設けられていて、両縦げたがボギー台
車中心と輪軸との間の範囲において２つの横げた
によつて結合されており、縦げたが円弧状に湾曲
していて、端部において輪軸と連結されており、
一次弾性体が輪軸と、荷重を支持するボギー台車
枠もしくは車体との間の結合部材として、縦方向
及び横方向又はいずれか一方の方向においてC_p
＜２・10⁶N／ｍのばね定数を有している。

連結装置をまとまつた構成部材として形成する
ことによつて、１つのユニツトにおいて弾性特性
及び振動減衰特性又はいずれか一方の特性を１つ
にまとめることが可能になり、ひいては弾性及び
振動減衰のために付加的な部材が不要になる。そ
してこの弾性特性及び振動減衰特性又はいずれか
一方の特性を要求に応じて自由に、つまり、寸法
設定に関して強度に対する要求に支配されひいて
はその特性を恣意に変化させることのできない荷
重を支持する構成部材とは無関係に形成すること
ができる。さらにまた連結装置を本発明のように
構成することによつて同時に、縦方向及び横方向
又はいずれか一方の方向においてやわらかい１次
弾性体が可能になり、この場合に脱線防止能力が
低下することはない。それというのは、１次弾性
体のやわらかい弾性特性にもかかわらず輪軸は連
結装置によつて確実に案内されているからであ
る。

また、特殊な形状付与及び材料の選択によつ
て、連結装置に所望の弾性特性及び振動減衰特性
を与えることができるだけでなく、同時に摩耗の
発生を回避することもできる。

本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲第２
項から第４項に記載してある。

次に図面につき本発明の実施例を説明する。

第１図には高速レール車両用のボギー台車が側
面図で示されている。ボギー台車は２次弾性体と
して働く空気ばね１を介して車体２（一部だけを
図示）を緩衝している。空気ばね１はグースネツ
ク状に形成されたボギー台車縦ばり３に支持され
ていて、ボギー台車縦ばり３自体は１次ばね４を
介して輪軸軸受け５に支承されている。輪軸軸受
け５は各１つの板ばねリンク６を介して弾性的に
ボギー台車縦ばり３と結合されている。この場合
輪軸軸受け５と板ばねリンク６との結合がゴム部
材７を介して弾性的に行われているのに対して、
ボギー台車縦ばり３における枢着はのこ歯結合８
を介して剛性的に行われている。輪軸軸受け５の
枢着部の縦方向及び横方向又はいずれか一方にお
けるばね定数は従来の形式では板ばねリンク６及
び結合要素端部の特殊な構成によつてのみ生ぜし
められるのに対して、本発明によれば、輪軸軸受
け５が特別な形状及び寸法を有する連結フレーム
９を介して連結されていて、この結果安定限界も
しくは制限速度に、輪軸の従来の枢着形式におい
ては不可能であつたような作用が与えられること
によつて、輪軸間の付加的な結合が生ぜしめられ
る。

図面には示されていない別の実施例において
は、構造上の理由から連結フレーム９と輪軸軸受
け５との接続が不可能な場合には、車軸を取り囲
んでいる付加的な軸受けケーシングに連結フレー
ム９を連結させることが可能である。

連結フレーム９は中空箱形成形体として構成さ
れていて、ねじ１０によつて直接輪軸軸受け５と
結合されている。中空箱形成形体として構成され
た連結フレーム９の形状付与及び寸法設定によつ
て、連結部のばね定数が広い範囲において変化可
能であること及び互いに連結された質量に適合可
能であることは容易に推察することができる。連
結部に可動の部分が設けられていないので、連結
部に摩耗が生じることはまつたくなく、また手入
れも不要である。車体２とボギー台車枠１１との
結合は自体公知の形式で、短リンク１２として構
成されたリンクによつて行われる。この短リンク
１２はゴムリンク１３ａと第２のブラケツト１５
とを介して横ばり１４に結合され、他方の端部で
はゴムリンク１３ｂと第１のブラケツト１６とを
介して車体２のピン１７に結合されている。

１次ばね４とこの１次ばね４に対して力学的に
見て直列に接続されているゴム部材７とから成る
１次弾性体は、縦方向（輪軸の走行方向）におい
ても横方向（輪軸の走行方向に対して直角な方
向）においてもC_p＜２・10⁶N／ｍのばね強さで
構成され得る。なぜならば輪軸間の脱線不能な案
内は連結フレーム９によつて保証されるからであ
る。

第２図には連結フレーム９を備えたボギー台車
が平面図で示されている。連結フレーム９は個々
の輪軸軸受け５を相互に結合している。連結フレ
ーム９は、ボギー台車の縦方向の中心平面Ａを中
心にして対称的でかつ円弧状に形成された２つの
縦げた１８ａ，１８ｂに分けられている。両縦げ
た１８ａ，１８ｂは台車の横方向の中心平面Ｂを
中心にして対称的に横げた１９ａ，１９ｂによつ
て互いに結合されている。縦方向の中心平面Ａに
おいて走行方向に短リンク１２が配置されてお
り、この短リンク１２は、ピン１７を介して該ピ
ン１７の上に位置している車体２（第１図参照）
をボギー台車の横ばり１４と結合していて、ボギ
ー台車の横方向運動可能性及び旋回可能性を過度
に阻止することなく、引張り力及び衝撃力を伝達
する。ボギー台車の横方向遊びは、遊びｗを備え
たピン１７とゴム緩衝器２１とを有する制限スト
ツパ２０によつて規定される。

第３図には横方向の中心平面Ｂにおいて断面さ
れたボギー台車半部が示されている。車体２は空
気ばね１及び補助兼非常ばね２３を介してボギー
台車縦ばり３に支承されている。ボギー台車縦ば
り３は横ばり１４によつて対向して位置している
他方のボギー台車縦ばり３と結合されている。ボ
ギー台車中心において車体２は引張り力及び衝撃
力を伝達するためにピン１７及び短リンク１２を
介して横ばり１４と結合されている。横方向運動
はゴム緩衝器２１によつて制限される。レール上
縁２４と横ばり１４との間の高さには、輪軸軸受
け５を互いに弾性的に結合する連結フレーム９が
位置している。

連結フレーム９の構造形式に関して言えば、図
面には多数の実施例のうちの１つが示されている
にすぎない。連結フレーム９は例えば、繊維強化
されたプラスチツクを材料とするプレートとして
構成されていてもよい。

非常時用の補助ブレーキとしては渦流制動機２
５が設けられている（第４図参照）。

以下は物理的な関連を良好に理解してもらうた
めの記載である。レール車両の台車は、車輪組の
走行面が円錐形に傾斜していることに基づいて軌
条に対して横方向に蛇行運動を行う。「正弦波状
走行」とも呼ばれるこの蛇行運動の減衰は走行速
度と振幅とに関連している。高い摩耗を生ぜしめ
かつ乗り心地を損なう原因となる交番する車輪フ
ランジコンタクトを惹起する運動振幅を伴う走行
状態を回避するために、走行機構は安定限界より
下において運転されることが望まれている。振動
系の振動モードは質量の結合要素によつて、つま
りレール車両では１次及び２次の拘束要素
（Fesselelement）によつて影響される。結合要
素のパラメータ値又は配置形式を変えることによ
つて制限速度、つまり安定限界に対応する走行速
度に影響を与えることができる。結合要素の作用
にとつて決定的なことは、輪軸の移動自由度がど
のように結合されるかである。従来の１次拘束に
よつて、２つの輪軸の自由度は走行機構フレーム
を介して結合されている。

本発明では付加的なフレームによつて輪軸は付
加的に直接連結されているので、これによつて、
従来の輪軸案内においては車体に付加的な連結装
置を使用することなしには不可能であつた、安定
に関して最適な走行機構の設計を実現することが
可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は輪軸を相互に連結する連結フレームを
備えたボギー台車を第２図の−線に沿つて一
部を断面した側面図、第２図は弾性的な連結フレ
ームを備えたボギー台車の平面図、第３図は横方
向中心平面で断面してボギー台車半部を示す図、
第４図は第１図のＺの範囲に設けられた渦流制動
機を示す図である。 １…空気ばね、２…車体、３…ボギー台車縦ば
り、４…１次ばね、５…輪軸軸受け、６…板ばね
リンク、７…ゴム部材、８…のこ歯結合、９…連
結フレーム、１０…ねじ、１１…ボギー台車枠、
１２…短リンク、１３ａ，１３ｂ…ゴムリンク、
１４…横ばり、１５，１６…ブラケツト、１７…
ピン、１８ａ，１８ｂ…縦けた、１９ａ，１９ｂ
…横げた、２０…制限ストツパ、２１…ゴム緩衝
器、２３…補助兼非常ばね、２４…レール上縁、
２５…渦流制動機、Ａ…縦方向の中心平面、Ｂ…
横方向の中心平面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ レール車両用の走行機構であつて、少なくと
   も２つの輪軸が設けられていて、該輪軸の輪軸軸
   受け５が、該輪軸軸受け５と堅く結合された連結
   装置９を介して互いに結合されており、連結装置
   ９が規定の範囲において可撓性を有し、輪軸軸受
   け５が、縦方向及び横方向又はいずれか一方の方
   向において小さなばね強さを有する１次弾性体
   ４，７を介して、荷重を支持するボギー台車枠１
   １に対してばね緩衝されている形式のものにおい
   て、連結装置９が、それ自体でまとまつている構
   成部材として形成されており、該構成部材がその
   形状付与及び材料特性又はいずれか一方によつ
   て、所定の弾性特性及び振動減衰特性又はいずれ
   か一方の特性を与えられており、連結装置９を形
   成する構成部材が連結フレーム９であり、該連結
   フレーム９が中空箱形成形体として形成されてお
   り、ボギー台車の縦方向の中心平面Ａを中心にし
   て対称的に２つの縦げた１８ａ，１８ｂが設けら
   れていて、両縦げた１８ａ，１８ｂがボギー台車
   中心と輪軸との間の範囲において２つの横げた１
   ９ａ，１９ｂによつて結合されており、縦げた１
   ８ａ，１８ｂが円弧状に湾曲していて、端部にお
   いて輪軸と連結されており、１次弾性体４，７が
   輪軸と、荷重を支持するボギー台車枠１１もしく
   は車体２との間の結合部材として、縦方向及び横
   方向又はいずれか一方の方向においてC_p＜２・
   10⁶N／ｍのばね定数を有していることを特徴と
   する、レール車両用の走行機構。 ２ 前記構成部材がその角隅部においてもしくは
   縦げた１８ａ，１８ｂの頂部を介して直接輪軸軸
   受け５と連結されている特許請求の範囲第１項記
   載の走行機構。 ３ 前記構成部材がその角隅部においてもしくは
   縦げた１８ａ，１８ｂの頂部を介して、車軸を取
   り囲む付加的な軸受けケーシングに連結されてい
   る特許請求の範囲第１項記載の走行機構。 ４ 前記構成部材が渦流制動機２５の垂直方向支
   持として利用される特許請求の範囲第１項から第
   ３項までのいずれか１項記載の走行機構。