JPH0535371B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、薬局等での調剤作業における薬剤の
定量秤り取りに使用する電子天びんに関する。

(ロ) 従来技術 定量秤り取り作業に用いる電子天びんとして、
設定された秤取目標値を表示するとともに、その
目標値に対する秤量値の差をアナログ的に表示す
る等して、常に目標値と比較しながら秤り取りを
行えるような天びんが既に発案されている。この
ような電子天びんを調剤作業に用いることによ
り、薬剤の秤量ミスは大巾に低減されている。し
かし、斯る電子天びんでは、単一の薬剤ごとの秤
り取りのミスを防止することはできても、１枚の
処方箋の調剤、すなわち処方作業を１つの作業単
位として考えれば、複雑種の薬剤を順を追つて秤
り取つてゆくので、上述のように各個の秤取重量
に関する情報のみを表示するだけでは、処方能率
が悪くミスへの対処が容易ではないと考えられ
る。

(ハ) 目的 本発明の目的は、処方監査機能を持つ機器を主
体とする調剤システムにおいて端末的に使用され
る天びんとして、１つの処方箋に関して処方開始
から処方終了までの間、個々の薬剤の秤量監査の
みならず、調剤システムによる処方箋単位での処
方監査結果を表示し、あるいは調剤作業者から秤
量のやり直しや処方やり直し等の指示を同システ
ムに対して供給することができ、もつて調剤作業
のミスをより確実に防止し、かつ、能率的な調剤
作業を行うことのできる調剤天びんを提供するこ
とにある。

(ニ) 構成 上記の目的を達成するための構成を第１図に示
す基本概念図を参照しつつ説明すると、本発明の
調剤天びんは、処方箋情報に基づいて調剤すべき
各薬剤の重量情報を順次出力するとともに、入力
された重量データと上記処方箋情報とを照合して
その結果を出力する処方監査機能を有する外部機
器ａに接続するための天びんであつて、外部機器
ａからの重量情報および照合結果を入力するため
の入力ポートｂと、皿上荷重を検出する荷重検出
部ｃと、その荷重検出部ｃからのデータに基づく
秤量値を表示する第１のデジタル表示装置ｄと、
外部機器ａから供給された重量情報を秤取目標値
として表示する第２のデジタル表示装置ｅと、秤
取目標値に対する秤量値の差を演算する演算手段
ｆと、その演算結果お表示するアナログ表示装置
ｇと、調剤作業での状況に応じて外部機器ａに対
して支持を与えるためのキー入力装置ｈと、その
キー操作に基づく情報および上記秤量値を外部機
器ａに出力するための出力ポートｉと、外部機器
ａからの照合結果に基づいて、秤直し、次薬の秤
取り、および処方終了等の支持を表示するメツセ
ージ表示装置ｊと、入力ポートｂ、キー入力装置
ｈおよび演算手段ｆからの信号を処理して、出力
ポートｉおよび各表示装置に対して情報を供給す
る情報処理手段ｋを備えたことによつて特徴づけ
られる。

(ホ) 実施例 本発明の実施例を、以下、図面に基づいて説明
する。

第２図は本発明実施例のシステム構成を示すブ
ロツク図である。また、第３図は本発明実施例の
外観斜視図、第４図はその表示部１０の拡大正面
図である。

荷重検出部１は受け皿１ａ上の荷重を検出して
その検出データを制御部２に供給する。制御部２
はマイクロコンピユータによつて構成され、各種
演算やプログラムの実行および各周辺装置の制御
を行うCPU２ａ、プログラム等が書き込まれた
ROM２ｂおよび上述の検出データや演算結果等
を記憶するエリアを有したRAM２ｃを備えてお
り、これらは互にバスラインによつて接続されて
いる。

制御部２には、秤り直しや処方全体のし直し等
の支持を入力する為のキー入力装置３、外部機器
からの処方情報等を入力する為の入力ポート４、
秤量値やキー入力装置３からの指示を外部機器に
出力するための出力ポート５、荷重検出部１から
のデータに基づく秤量値をデジタル表示する秤量
値表示器６、外部機器からの処方情報に基づく秤
取目標値をデジタル表示する秤取目標値表示器
７、その秤取目標値に対する秤量値の差を表示す
るアナログ表示器８、および各種情報や指示を表
示するメツセージ表示器９が接続されている。

アナログ表示器８は、複数個の表示素子を連続
的に直線上に配列して構成され、制御部２の指令
によつて各表示素子を順次点灯又は消灯して、全
体として棒グラフ状のアナログ表示を行うよう構
成されている。このアナログ表示器８による表示
の仕方は、中央部に設けられた０点指標８ａを中
心とする所定の重量範囲を表示領域として、秤取
目標値に対する秤量値の過不足（差）を表示する
よう構成されている。

メツセージ表示器９は、LEDランプを用いて
その発光面に文字抜きしたフイルムを貼り、
LEDランプが点灯したときにその文字が表示さ
れるよう構成されている。このメツセージ表示器
９には、秤量開始を作業者に指示する”WEIGH
“ランプ９ａ、秤量値が秤取目標値の許容範囲内
に入つたことを報知する“OK”ランプ９ｂ、単
一の薬剤についての秤り直しを指示する
“PART AGAIN”ランプ９ｃ、処方作業を最初
からし直す旨を指示する“ALL AGAIN”ラン
プ９ｄ、および１つの処方箋に関して秤量作業が
終了した旨を報知する“END”ランプ”９ｅが
設けられている。

キー入力装置３には、秤量作業者が自ら秤り直
しの必要を感じたときにその旨を入力する為のキ
ー、すなわち、単一の薬剤についての秤り直しを
入力する為の“PART”キー３ａ、処方作業の
当初からの秤り直しを入力する為の“WHOLE”
キー３ｂが備えられ、また、現在処理中の処方箋
についてこれをキヤンセルしたい場合にその旨を
入力する為の“END”キー３ｃが備えられてい
る。

次に、第５図に示すフローチヤートに基づいて
作用を説明する。

まず、入力ポート４に接続された外部機器か
ら、処理すべき処方箋に記載の薬剤の秤取目標値
が入力される。その値は秤取目標値表示器７によ
つてデジタル表示される。同時に、制御部２にお
いて秤取目標値に応じた許容誤差範囲が、秤取目
標値×所定％という形で算出される。その算出が
終了すると、メツセージ表示器９の“WEIGH”
ランプ９ａを点灯して秤量開始のメセージを表示
する。この状態で受け皿１ａ上に薬剤を載せてい
つて秤量を開始すると、制御部２は荷重検出部１
からの検出データを読み取り、秤量値を秤量値表
示器６にデジタル表示するとともに、その値と、
秤量目標値との差をアナログ表示器８に表示す
る。また、秤量値が上述の如く算出された秤取目
標値に対する許容誤差範囲に入つているかどうか
の判別を行い、入るまで次々と所定の時間ごとに
秤量値を読み込んだ判別を繰り返す。秤量値が許
容誤差の範囲内に入つたと判断すると、もう一度
所定時間をおいて秤量値を読み込み、再度判別を
行い、同様に範囲内である場合にメツセージ表示
器９の“OK”ランプ９ｂを点灯してその旨を報
知する。作業者はこのランプの点灯によつて秤取
完了を知ることになる。このときの秤量値は出力
ポートを介して外部機器に送信される。外部機器
においてそのデータを監査、処理し、処方箋記載
の次の薬剤の秤量に移る場合には、その秤取目標
値が入力ポート４を介して制御部２に供給され、
同様な手順が繰り返される。１つの処方箋につい
ての秤量動作が終了したときには、外部機器から
の指令によつて、メツセージ表示器９の“END”
ランプ９ｅが点灯され、キー入力装置３の
“END”キー３ｃの操作を指示する。この
“END”キー３ｃを押すと、出力ポート５を介し
て外部機器にその旨の信号が送信され、これによ
つてその処方箋についての処方作業の終了が確認
され、次の処方箋に関する作業に移行する。

出力ポート５からの情報を外部機器において監
査した結果、秤り直しの必要ありとされた場合、
その旨の信号が入力ポート４から入力され、単一
の薬剤についての秤り直しであればメツセージ表
示器９の“PART AGAIN”ランプ９ｃが、処
方箋の最初からの秤り直しの場合には、“ALL
AGAIN”ランプ９ｄが点灯される。なお、この
ような秤り直しを指示するランプ９ｃおよび９ｄ
の点灯時には、例えば最初の数秒間だけランプを
点滅させるとともにブザー音を発して作業者に強
く知らせるよう構成してもよい。

秤量作業中において作業者が自ら秤り直しの必
要を感じた場合には、キー入力装置３によつてそ
の旨を割り込ませることができる。すなわち、単
一の薬剤の秤り直しであれば、“PART”キー３
ａ、処方箋の最初からの秤り直しであれば
“WHOLE”キー３ｂを押すと、それぞれ
“PART AGAIN”ランプ９ｃ、“ALL
AGAIN”ランプ９ｄが点灯され、出力ポート５
を介して外部機器にその旨の信号が送信され、上
述の外部機器からの指令時と同様となる。また、
現在処理中の処方箋をキヤンセルしたい場合に
は、“END”キー３ｃを押すと、外部機器におい
てその処方箋について取消処置が実行されるよう
な信号が出力ポート５から送信される。

第６図に本発明の他の実施例の表示器１０′の
拡大正面図を示す。この例では、カラーCRT１
１を設けて、これを複数の領域に区分してそれぞ
れを上述した各表示器に割り当てている。このよ
うに構成すれば各表示の色、形等が任意なものと
なり、表示内容もより豊富なものとすることがで
きる。

(ヘ) 効果 以上のように、本発明によれば、処方監査機能
を持つ外部機器との接続により、処方箋情報に基
づく各薬剤の秤取目標重量が順次自動的に表示さ
れるとともに、当該天びんによる秤取重量が外部
機器に転送され、その秤取重量の処方箋情報との
照合結果の供給を受けて、秤直し、次薬の秤取
り、および処方終了等の指示がメツセージ表示装
置に表示されるから、調剤作業者は、従来のよう
に処方箋を見て各薬剤ごとに一々秤取目標重量を
設定することなく、外部機器からの処方箋情報に
基づいて順次表示される秤取目標重量を見つつ秤
取を行い、かつ、外部機器による秤取重量の監査
結果に基づいて表示される“次薬の測定”、“秤直
し”、あるいは“調剤終了”等のメツセージに従
つて作業を行うことで、能率的にしかも処方箋単
位での監査を受けながら調剤作業を続けることが
でき、調剤作業における精神的な負担が軽減され
る。また、キー入力装置によつて必要に応じて外
部機器に対して例えば秤量のし直し等の指示を与
えることができるから、調剤ミスへの対応範囲が
広くなり、柔軟な対処が可能なシステムを構築す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成を示す機能ブロツク図、
第２図は本発明実施例のシステム構成を示すブロ
ツク図、第３図は本発明実施例の外観斜視図、第
４図はその表示部１０の拡大正面図、第５図は本
発明実施例の作用を示すフローチヤート、第６図
は本発明の他の実施例の表示部の正面図である。 １……荷重検出部、２……制御部、３……キー
入力装置、４……入力ポート、５……出力ポー
ト、６……秤量値表示器、７……秤取目標値表示
器、８……アナログ表示器、９……メツセージ表
示器、１０……表示部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 処方箋情報に基づいて調剤すべき各薬剤の重
   量情報を順次出力するとともに、入力された重量
   データと上記処方箋情報とを照合してその結果を
   出力する処方監査機能を有する外部機器に接続す
   るための天びんであつて、上記外部機器からの重
   量情報および照合結果を入力するための入力ポー
   トと、皿上荷重を検出する荷重検出部と、その荷
   重検出部からのデータに基づく秤量値を表示する
   第１のデジタル表示装置と、上記外部機器から供
   給された重量情報を秤取目標値として表示する第
   ２のデジタル表示装置と、上記秤取目標値に対す
   る上記秤量値の差を演算する演算手段と、その演
   算結果を表示するアナログ表示装置と、調剤作業
   での状況に応じて上記外部機器に対して指示を与
   えるためのキー入力装置と、そのキー操作に基づ
   く情報および上記秤量値を上記外部機器に出力す
   るための出力ポートと、上記外部機器からの照合
   結果に基づいて、秤直し、次薬の秤取り、および
   処方終了等の指示を表示するメツセージ表示装置
   と、上記入力ポート、キー入力装置および演算手
   段からの信号を処理して、上記出カポートおよび
   各表示装置に対して情報を供給する情報処理手段
   を備えたことを特徴とする調剤天びん。 ２ 上記メツセージ表示装置による表示が、文字
   表示とその文字表示の点滅および報知音を連動さ
   せた表示であることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の調剤天びん。 ３ 上記キー入力装置により、処方箋中の単一の
   薬剤の秤り直しと処方箋の最初からの秤り直しの
   指示を与え得るよう構成したことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項又は第２項記載の調剤天び
   ん。