JPH05333725A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH05333725A
JPH05333725A JP4164226A JP16422692A JPH05333725A JP H05333725 A JPH05333725 A JP H05333725A JP 4164226 A JP4164226 A JP 4164226A JP 16422692 A JP16422692 A JP 16422692A JP H05333725 A JPH05333725 A JP H05333725A
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耕一 谷川
Kimio Nakahata
公生 中畑
Kazuro Ono
和朗 小野
Hideo Nanataki
秀夫 七瀧
Akihiko Takeuchi
竹内  昭彦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1の画像担持体1上に形成された画像を中
間転写体20上に転写した後、第2の画像担持体24上
に更に転写する画像形成装置について、転写画像の乱れ
を防ぐこと、簡単な機構構成にすること。 【構成】 前記中間転写体20が中抵抗の弾性ローラで
あること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は転写式の画像形成装置、
即ち、第1の画像担持体上に作像プロセスにより目的の
画像情報の可転写画像(顕像)を形成担持させ、該可転
写画像を第2の画像担持体上に転写させて画像形成物を
出力させる、或は第1の画像担持体上に形成担持させた
可転写画像を、一旦、中間転写体上に転写させた後第2
の画像担持体上に更に転写させて画像形成物を出力させ
る、複写機・プリンタ・ファックス等の画像形成装置に
関する。
【0002】上記において、第1の画像担持体は例えば
電子写真感光体・静電記録誘電体・磁気記録磁性体等で
ある。
【0003】作像プロセスは例えば電子写真プロセス・
静電記録プロセス・磁気記録プロセス等である。
【0004】第2の画像担持体は例えば転写材・記録紙
・印刷紙等の紙葉体である。
【0005】
【従来の技術】図21に中間転写体を用いた画像形成装
置の一例の概略を示した。本例の画像形成装置は電子写
真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機或い
はレーザービームプリンタ)である。
【0006】.1は第1の画像担持体としての繰り返
して使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下、
感光ドラムと記す)であり、矢示の時計方向に所定の周
速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0007】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器
(コロナ放電器)2により所定の極性・電位に一様に帯
電処理され、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿
画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気
デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービーム
を出力するレーザースキャナによる走査露光系など)に
よる画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の
第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静
電潜像が形成される。
【0008】次いでその静電潜像が第1現像器41(マ
ゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナーM
(着色荷電粒子)により現像される。このとき第2〜第
4の現像器42・43・44(シアン・イエロー・ブラ
ックの各現像器)は作動−オフになっていて感光ドラム
1には作用せず、上記第1色のマゼンタトナー画像は上
記第2〜第4の現像器42〜44により影響を受けな
い。
【0009】5は中間転写体としてのエンドレスの中間
転写ベルトであり、導電ローラ6、2個のターンローラ
71・72の3本のローラ6・71・72間に懸回張設
してあり、導電ローラ6はベルト5を感光ドラム1に対
して所定の押圧力をもって圧接した状態に保持してお
り、感光ドラム1と中間転写ベルト5との間には転写部
としての転写ニップ部Nが形成されている。
【0010】中間転写ベルト5は矢示の反時計方向に感
光ドラム1と同じ周速度を持って回転駆動されており、
導電ローラ6には第1のバイアス電源61から感光ドラ
ム1上の形成担持トナー画像のトナー帯電極性(本例で
はマイナス)とは逆極性(プラス)の転写バイアスが印
加されている。中間転写ベルト5はポリエステル・ポリ
エチレン等の誘電体フィルム、背面を導電体を裏打ちし
た複合層タイプの誘電体フィルムなどである。
【0011】而して感光ドラム1の面に形成担持された
上記第1色のマゼンタトナー画像が転写ニップ部Nを通
過する過程で導電ローラ6に対する印加転写バイアスで
転写ニップ域に形成された電界によって回転中間転写ベ
ルト5の外面に対して順次に中間転写されていく。
【0012】中間転写ベルト5に対する第1色のマゼン
タトナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面はクリ
ーニング装置14により清掃される。
【0013】以下同様に、 .回転感光ドラム1に対する帯電→第2の色成分像
(例えばシアン成分像)に対応した画像露光3→第2現
像器42(シアン現像器)のシアントナーCによる現像
→形成された第2色であるシアントナー画像の中間転写
ベルト5への転写→感光ドラム1面のクリーニング装置
14による清掃、 .回転感光ドラム1に対する帯電→第3の色成分像
(例えばイエロー成分像)に対応した画像露光3→第3
現像器43(イエロー現像器)のイエロートナーYによ
る現像→形成された第3色であるイエロートナー画像の
中間転写ベルト5への転写→感光ドラム1面のクリーニ
ング装置14による清掃、 .回転感光ドラム1に対する帯電→第4の色成分像
(例えばブラック(黒)成分像)に対応した画像露光3
→第4現像器44(ブラック現像器)のブラックトナー
Bによる現像→形成された第4色であるブラックトナー
画像の中間転写ベルト5への転写→感光ドラム1面のク
リーニング装置14による清掃、 以上の〜の作像・転写サイクルが順次に実行される
ことにより、回転中間転写ベルト5の外面に対して、上
記4つのトナー画像(マゼンタ・シアン・イエロー・ブ
ラックの各トナー画像)が順次に重畳転写されて目的の
カラー画像に対応した合成カラートナー画像(鏡像)が
形成される。
【0014】次いで、給紙カセット9から給紙ローラ1
0によって第2の画像担持体としての転写材(紙葉体)
24が1枚宛分離搬送されてレジスタローラ対11・転
写ガイド12を経て転写ニップ部Nに対して所定のタイ
ミングで給送される。
【0015】また導電ローラ6に対するバイアス電源が
第1の電源61から第2のバイアス電源62に切り換え
られて中間転写ベルト5上の転写合成カラートナー画像
のトナーと同極性(−)のバイアスが導電ローラ6に印
加されることで、転写ニップ部Nに対して給送された上
記の転写材24の面に中間転写ベルト5上の転写合成カ
ラートナー画像が順次に転写されていく。
【0016】転写ニップ部Nを通って中間転写ベルト5
上のトナー画像の転写を受けた転写材24は搬送ガイド
13を経て定着器15へ導入されて所定に加熱温調され
た定着ローラ16と加圧ローラ17とにより加熱・加圧
されてトナー画像の定着処理を受け、カラー画像形成物
として出力される。
【0017】8は中間転写ベルト5に対するクリーニン
グ装置であり、常時は該ベルト5に対して非作用状態に
保持されているが、転写材24に対するトナー画像転写
を終えると、該ベルト5の外面に対して該クリーニング
装置8が作用動作することにより該ベルト5の外面が清
掃される。
【0018】図22は第1の画像担持体としての回転感
光ドラム1面に形成担持させた可転写トナー画像を転写
ローラ23により第2の画像担持体としての転写材24
に転写させるタイプの画像形成装置の一例の該略図であ
る。前述図21の画像形成装置と共通する構成機器・部
材・部分については同じ符号を付して再度の説明を省略
する。
【0019】2Aは感光ドラム1面を一様に帯電処理す
る1次帯電器としての接触帯電ローラである。2Bは該
帯電ローラ2Aに対する帯電バイアス印加用電源であ
る。
【0020】本例の画像形成装置はレーザービームプリ
ンタであり、感光ドラム1は帯電ローラ2Aにより負極
性の一様帯電が行われ、その帯電面に対して不図示のレ
ーザースキャナにより目的の画像情報の時系列電気デジ
タル画素信号に対応して変調されて出力されるレーザー
ビームの走査露光3がなされる。これにより感光ドラム
1面のレーザービーム走査露光3がなされた部分の負電
荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0021】次いでこの感光ドラム1面が負極性のトナ
ーtを収容した反転現像器4により反転現像され、図2
3のように感光ドラム1面の露光除電部にトナーtが付
着してトナー画像ta が形成される。
【0022】転写ローラ23は、芯金23aと、その外
周にローラ状に同心一体に設けた導電性弾性体層23b
からなるローラであり、感光ドラム1に所定の押圧力を
もって圧接し、感光ドラム1と同じ周速度をもって順回
転する。
【0023】感光ドラム1と転写ローラ23との転写ニ
ップ部Nに、給紙カセット9内から給紙ローラ10によ
り1枚宛分離搬送された転写材24がレジスタローラ1
1・転写ガイド12を経て所定のタイミングで給送さ
れ、また転写ローラ23に対してバイアス電源23Aか
ら前記負極性トナーとは逆極性(+)の転写バイアス電
圧が印加されて転写ニップ部Nに形成される電界の作用
で感光ドラム1面側のトナー画像が図23のように転写
材24面側へ転写tb される。
【0024】つまり転写ニッブ部Nに給送された転写材
24の転写ローラ23に対向する側に正電荷が充電さ
れ、転写材24と感光ドラム1の間にトナーtを転写材
24側に吸引する方向の静電界が形成されて、トナーt
は転写材24が転写ニップ部Nを通過すると同時に感光
ドラム1面側から転写材24面側に転写tb される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
(I) 前述図21の装置のように中間転写体として誘電体
材料のベルト5を用いた装置には次のように欠点があっ
た。
【0026】a)転写時の画像乱れ 電気的に絶縁性の中間転写ベルト5上に第1の画像担持
体としての感光ドラム1面側の形成担持トナー画像を転
写させるには導電ローラ6への転写バイアスの印加電圧
を大きくせねばならず、転写ニップ部N及びその前後の
空間には強い電界が生じる。
【0027】そのため、転写ニップ部Nの前(転写ニッ
プ部Nよりも転写材搬送方向上流側)で感光ドラム1上
のトナー画像が中間転写ベルト5に吸引されて本来の画
像回りに所謂「とびちり」が生じることがある。
【0028】また、絶縁性の中間転写ベルト5と感光ド
ラム1、又は絶縁性の中間転写ベルト5と転写材24と
の間に摩擦により静電気が発生し、中間転写ベルト5上
に剥離放電マークが生じて画像を乱すことがある。
【0029】更には、強電界を得るために第1又は第2
のバイアス電源61・62から導電ローラ6への印加電
圧を大きくすると、中間転写ベルト5中に存在すること
のあるピンホール等の微小欠陥部を通じて電流がリーク
し、中間転写ベルト5や感光ドラム1を損傷させること
がある。
【0030】このような電流リークが生じると、中間転
写体としてのベルト5へのトナー画像転写が行なえなく
なり、中間転写ベルト5に転写されたトナー画像に部分
的な欠落が生じる。
【0031】b)中間転写ベルト5面のクリーニング 中間転写ベルト5が絶縁性であるため、中間転写ベルト
5側から転写材24側へトナー画像転写を行なう際にト
ナーをベルト5から転写材24側へ反発するバイアス電
圧を第2のバイアス電源62から導電ローラ6へ印加し
ても100%のトナーが中間転写ベルト5側から転写材
24側へ移行せず、転写残りトナーが生じる。
【0032】この転写残りトナーをベルト5面から除去
清掃するためにクリーニング装置8の配設が必要であ
り、更には該クリーニング装置8を所定のタイミングで
ベルト5面に対して接離制御させねばならず、複雑な機
構を必要とする。
【0033】c)ベルト駆動機構 中間転写ベルト5はローラ6・71・72間に懸回張設
されてターンローラ71・72により回転駆動される
が、ベルト5は回動に伴いローラ6・71・72の軸方
向の一方に片寄り移動を生じるのが普通であり、そのた
め例えばローラ71を軸方向に傾けるように制御してベ
ルト5の片寄り移動を補正する機構を設ける必要があ
り、装置機構が複雑化する。
【0034】そこで本発明は上記a)〜c)のような問
題点のない、中間転写体を用いたタイプの画像形成装置
を提供することを第1の目的とする。
【0035】(II)また、中間転写体であるベルト5に感
光ドラム1上のトナー画像を転写すると、図24に示し
たようにベルト5上に転写されたトナー画像T上に所謂
「中抜け部」aが発生しやすい。これは感光ドラム1表
面がトナーに対する付着力を持つためで、ベルト5のト
ナー付着力が乏しいほど発生し易い傾向がある。
【0036】一方、第1〜第4色の全てのトナー画像の
順次重畳転写過程を経た中間転写ベルト5側から転写材
24側にトナー画像を転写する際にも同様なことが言
え、前述のものとは逆にベルト5のトナー付着力が乏し
いほど中抜けは発生しにくい傾向がある。
【0037】従ってこのような中間転写体5を用いる画
像形成装置においてはトナー付着力に関して適切な表面
層を持った中間転写体が存在せず、中抜け部aのない画
像を転写材24上に形成することは困難となっていた。
【0038】そこで本発明は上記のような中抜け部aの
ない画像を得ることができる、中間転写体を用いたタイ
プの画像形成装置を提供することを第2の目的とする。
【0039】(III) 前述図22・図23の装置のように
第1の画像担持体としての感光ドラム1面側の形成担持
トナー画像ta を、導電性弾性体23bを有し、転写バ
イアスを印加した転写ローラ23で第2の画像担持体と
しての転写材24に転写させる、或いは中間転写体に担
持させたトナー画像を転写ローラで転写材に転写させる
ものにおいては次のような問題点がある。
【0040】即ち前述図23を例にして説明すると、第
2の画像担持体としての転写材24はその材質に応じて
107 〜1014Ω・cmの抵抗率を有しており絶縁体と
見做される挙動を示し、転写ローラ23から転写材24
に付与された電荷(図23では正電荷)は容易に減衰せ
ず、転写材24の感光ドラム対向面(以下、表面と称
す)と、転写ローラ対向面(以下、背面と称す)に誘起
された電荷は中和されにくい。
【0041】更に、転写ニップ部Nから転写材24が排
出される際に剥離帯電により転写材24は全体として正
又は負に帯電されるが、転写材24の表面及び背面に誘
起された電荷による鏡映力も作用して、転写材24は転
写ニップ部Nから排出される際に感光ドラム1と転写ロ
ーラ23の両者から吸引力を受ける。
【0042】従来、感光ドラム1の半径rD に比べて転
写ローラ23の半径rT は小さい rT <rD ものが知られているが、このように転写ニップ部Nにお
ける転写ローラ23の曲率1/rT が感光ドラム1の曲
率1/rD よりも大きい 1/rD <1/rT 場合は上記の吸引力と転写材24自体の剛性が相俟っ
て、転写材24は感光ドラム1側に吸引されつつ転写ニ
ップ部Nより排出される。
【0043】従って転写材24の描く搬送軌跡は転写ニ
ップ部Nの接線0よりも感光ドラム1側に偏ったものと
なる。
【0044】特に、転写材24の自由端である先端部分
や後端部分は感光ドラム1に吸引される傾向にあり、坪
量60〜80gr/m2 の比較的軽い転写材24の場合
に、先端部や後端部が搬送経路上の近傍にある物体、例
えばクリーニング装置14(図22)の底部に摺擦して
木端(こば)が汚れたり、更には画像域の画像乱れを生
じたり、甚しい場合には感光ドラム1から先端が十分に
分離されずにクリーニング装置14に突入してジャムを
発生するなどの不具合を生じることがあった。特に感光
ドラム1の直径が60mmを越えて、曲率1/rD が小
さい場合、低湿環境下でこのような転写材分離不良現象
が発生し易かった。
【0045】本発明は上記の問題を解消した、転写式の
画像形成装置を提供することを第3の目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする画像形成装置である。
【0047】(1)第1の画像担持体上に形成された画
像を中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に
更に転写する画像形成装置において、前記中間転写体が
中抵抗の弾性ローラであることを特徴とする画像形成装
置。
【0048】(2)中間転写体から第2の画像担持体へ
の画像転写が第1の画像担持体と中間転写体の接触部に
おいてなされることを特徴とする(1)に記載の画像形
成装置。
【0049】(3)第1の画像担持体上に形成された画
像を中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に
更に転写する画像形成装置において、前記中間転写体が
中抵抗の弾性ローラであり、第1の画像担持体上に形成
された画像を複数回中間転写体としての中抵抗の弾性ロ
ーラに転写した後第2の画像担持体に一括して転写する
第1モードと、第1の画像担持体上に形成された画像を
直接に第2の画像担持体に転写する第2のモードを選択
的に実行でき、前記第1のモードにおける中間転写体と
しての中抵抗の弾性ローラが、前記第2のモードにおい
て転写ローラとして作用することを特徴とする画像形成
装置。
【0050】(4)第1の画像担持体上に形成された画
像を中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に
更に転写する画像形成装置において、前記中間転写体が
中抵抗の弾性ローラであり、第1の画像担持体上に形成
された第1の画像を中間転写体としての前記中抵抗の弾
性ローラに一旦転写した後第1の画像担持体上に第2の
画像を形成し、第2の画像担持体を第1の画像担持体と
中間転写体の為す接触部に導入して、第2の画像担持体
の両面に第1の画像と第2の画像を各々同時に転写する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0051】(5)第1の画像担持体上に形成された画
像を中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に
更に転写する画像形成装置において、前記中間転写体の
面移動速度が第1の画像担持体の面移動速度と異なるこ
とを特徴とする画像形成装置。
【0052】(6)中間転写体の面移動速度が第2の画
像担持体の面移動速度と異なることを特徴とする(5)
に記載の画像形成装置。
【0053】(7)第1の画像担持体上に形成された画
像を中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に
更に転写する画像形成装置において、前記中間転写体が
中抵抗の弾性ローラであり、中間転写体から第2の画像
担持体への画像転写が第1の画像担持体と中間転写体の
接触部においてなされ、第1の画像担持体の上に形成さ
れた画像を中抵抗のローラで構成された中間転写体上へ
転写する際には、第1の画像担持体に対して中間転写体
より印加する転写バイアスを定電流Iとなる様に制御
し、このときの電圧値VT をもとに、中間転写体上の画
像の第2の画像担持体上への再転写時に中間転写体に印
加するバイアス電圧値Vを決定することを特徴とする画
像形成装置。
【0054】(8)中抵抗のローラで構成された中間転
写体上に転写された画像を第2の画像担持体上に再転写
する際に、中間転写体に印加するバイアス電圧を前記電
圧値VT を用いて、次の転写電圧算定式(A) |V|=a・|VT |+b・・・・・(A) aおよびbは定数(ゼロを含む)で算出される電圧値V
に定電圧制御することを特徴とする(7)に記載の画像
形成装置。
【0055】(9)中抵抗のローラで構成された中間転
写体上に転写された画像を第2の画像担持体上に再転写
する際に、中間転写体に印加するバイアス電圧を前記電
圧値VT を用いて、次の転写電圧算定式(A) |V|=a・|VT |+b・・・・・(A) aおよびbは定数(ゼロを含む)で算出される電圧値V
に定電圧制御すること、および(A)式において電圧値
|VT |の値を所定の基準電圧値と比較させ、その結果
により定数a及びbを最適な値に変更制御することを特
徴とする(7)に記載の画像形成装置。
【0056】(10)画像形成装置が両面画像形成機能
または多重画像形成機能を有する場合において、前記転
写電圧算定式(A)の定数a,bが、第1面あるいは第
1回目の画像形成実行モードと第2面あるいは第2回目
の画像形成実行モードといったモードの違いに基いて適
正な値に変更制御されることを特徴とする(8)または
(9)に記載の画像形成装置。
【0057】(11)第1の画像担持体に形成した画像
を他の画像担持体に転写手段で転写する画像形成装置に
おいて、転写手段がバイアス電圧を付与された導電性弾
性体を有する転写ローラであり、該転写ローラは第1の
画像担持体に押圧されて第1の画像担持体との間に転写
ニップ部を形成しており、該転写ローラの曲率(1/
r;rは半径)が、第1の画像担持体の曲率よりも小さ
いことを特徴とする画像形成装置。
【0058】(12)他の画像担持体が紙葉体であり、
該紙葉体の先端及び後端に対応するバイアス電圧が該紙
葉体の画像域に対応するバイアス電圧よりも絶対値にお
いて小さくされてなることを特徴とする(11)に記載
の画像形成装置。
【0059】(13)転写ローラの周長が紙葉体の長さ
より大きく、該紙葉体の先端が該転写ローラ表面の定位
置に当接するようにし、該定位置及びその近傍の転写ロ
ーラ表面が絶縁性の材質で構成されていることを特徴と
する(11)に記載の画像形成装置。
【0060】(14)転写ローラを中間転写体とし、第
1の画像担持体上に毎度色の異なる画像を形成して、該
画像を繰返して該転写ローラ上に中間転写して多重像と
した後に紙葉体に一括して該多重像を転写することを特
徴とする(11)乃至(13)の何れかに記載の画像形
成装置。
【0061】
【作用】
a)中間転写体を中抵抗とすることで、中間転写体に印
加する転写バイアス電圧を、第1の画像担持体との転写
ニップ部及びその前後の空間に強い電圧を生じさせるこ
となく、また中間転写体にピンホール等の微小欠陥部が
あっても電流リークを生じさせることのない適度の電圧
に設定して、とびちり等の画像乱れを生じさせることな
く良好に中間転写を実行させることができる。
【0062】中間転写体を中抵抗とすることで、クリー
ニングバイアスの印加によって中間転写体上の転写残り
画像分を十分に離脱させて転写後の中間転写体をクリー
ニング状態にすることが可能となり、中間転写体に対す
る特別なクリーニング装置の配備を必要とせず、装置構
成を簡略化できる。
【0063】中間転写体をローラ体とすることにより、
ベルト体である場合におけるような複雑なベルト片寄り
防止機構の配備を必要とせず、装置構成を簡略化でき
る。
【0064】b)中間転写体の面移動速度を第1の画像
担持体の面移動速度と異ならせる、また中間転写体の面
移動速度を第2の画像担持体の面移動速度と異ならせる
ことで、その速度差により第1の画像担持体面から中間
転写体側へ、また中間転写体側から第2の画像担持体側
へ画像を拭い取るような剪断力が作用することにより転
写効率が向上して「中抜け」のない画像転写を行わせる
ことができる。
【0065】c)第1の画像担持体上の画像を中抵抗の
中間転写体へ転写する際には、第2の画像担持体を介さ
ず画像のみを転写するので、転写時の第2の画像担持体
のサイズ等を考慮にいれないで良いので、定電流バイア
ス制御が可能である。また、定電流バイアス制御による
と、第1の画像担持体に一定の電流を流す電圧を印加す
るので、中間転写体の環境等による抵抗変動に関係な
く、第1の画像担持体から中間転写体へ良好な画像を転
写することができる。
【0066】さらに、中間転写体上の画像を第2の画像
担持体に転写する際には、前記の転写電圧算定式(A)
で算出される電圧値Vをもって中間転写体を転写時に定
電圧制御することを基本とし、更に(A)式中の電圧|
T |の値を所定の基準電圧値と比較させて定数aおよ
びbを変更制御させてVを補正し、その補正電圧値Vに
て定電圧制御することで、その算定電圧値Vは中間転写
体および第2の画像担持体の抵抗値が環境変動に伴い大
幅に変動していても常に最適な転写性が得られるように
なり、また、転写性に対するマージンが広くとれるよう
になる。
【0067】また、両面画像形成機能や多重画像形成機
能を有する画像形成装置では、前記算定式(A)の定数
変更条件に、第1面(または第1回目)の画像形成実行
モードと、第2面(または第2回目)の画像形成実行モ
ードとのモードの違いを考慮させて定数a、bを変更制
御させることで上記の両モード間での転写性に差を生じ
させることなく、両モード時とも常に安定した転写性を
得ることができる。
【0068】d)転写ローラの曲率を第1の画像担持体
の曲率よりも小さくすることで、転写ニップ部から出て
くる他の画像担持体(第2の画像担持体)は曲率の小さ
い転写ローラ側に偏った分離軌跡で送り出されるように
なり、第1の画像担持体に吸引されることによる第2の
画像担持体面上の転写画像の他物との摺擦乱れや、分離
不良によるジャムの発生が防止される。
【0069】転写ローラの転写バイアスをシーケンス制
御して第2の画像担持体の先端部或は後端部のバイアス
値を弱くする構成、転写ローラの表面の一部に絶縁部を
設け、そこに第2の画像担持体の先端部を当接させるよ
うにする構成により、第2の画像担持体の転写ニップ部
からの排出時の分離を容易にすることができ、分離不良
による第2の画像担持体の先端部や後端部の木端汚れ,
画像の乱れ,ジャム等の発生を防止することができる。
【0070】
【実施例】
A.以下の第1乃至第4の実施例は前記特許請求の範囲
の請求項1乃至同4に記載の発明についての実施例であ
り、前記第1の目的(転写時の画像乱れの防止、装置構
成の簡素化等)を達成したものである。
【0071】<第1の実施例>(図1) 図1は中間転写体として前述図21の画像形成装置にお
いて中間転写ベルト5に代えて中抵抗の弾性ローラ(中
間転写ローラ)20を使用した画像形成装置例の概略構
成図である。前述図21の画像形成装置と共通の構成機
器・部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略
する。
【0072】本例の中間転写ローラ20は、パイプ状の
芯金21と、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層2
2からなる。
【0073】中抵抗の弾性体層22は、シリコンゴム・
テフロンゴム・クロロプレンゴム・ウレタンゴム・EP
DMなどの弾性材料に、カーボンや酸化亜鉛などの金属
酸化物を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10
5 〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドある
いは発泡肉質の層である。
【0074】本例の画像形成装置はA4サイズの転写材
(紙葉体)24を縦送りして用いるもので、中間転写ロ
ーラ20の周長はそのA4サイズ転写材24の長さより
も若干大きい314mm(ローラ外径100mm)に設
定してある。弾性体層22は肉厚を8mm、アスカーC
硬度で20°〜40°の範囲に設定した。
【0075】この中間転写ローラ20は感光ドラム1に
対して並行に軸受させて感光ドラム1の下面部に接触さ
せて配設してあり、感光ドラム1と同じ周速度で矢示の
反時計方向に回転する。
【0076】25は中間転写ローラ20に対して並行に
軸受させて中間転写ローラ20の下面部に接触させて配
設した転写ローラであり、中間転写ローラ20と同じ周
速度で矢示の時計方向に回転する。
【0077】この転写ローラ25は芯金ローラ26と、
その外周に形成した薄層の離型層27からなり、離型層
27は本例ではPFA・PTFE等のフッ素樹脂を用
い、20〜100μmの厚さとした。
【0078】感光ドラム1に対する第1〜第4色のトナ
ー画像の順次形成プロセスは前述図21の装置の場合と
同じである。トナーは非磁性の体積平均粒径5〜8μの
1成分トナーであり、固有電荷量−8〜−18μc/g
rの負極性トナーを用いた。
【0079】感光ドラム1から中間転写ローラ20の外
周面への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写は中
間転写ローラ20の芯金21に該中間転写ローラに対す
る第1のバイアス電源61からトナーとは逆極性(+)
の転写バイアスが印加された状態で実行される。その印
加電圧は本例の場合+2KV〜+5KVである。
【0080】感光ドラム1から中間転写ローラ20への
第1〜第4色のトナー画像の順次転写実行過程におい
て、転写ローラ25の芯金26には転写ローラに対する
第2のバイアス電源29からトナーと同極性(−)のバ
イアス電圧が印加されている。このバイアス電圧により
転写ローラ25から中間転写ローラ20へとトナー画像
を反発する電界が生じて、転写ローラ25に中間転写ロ
ーラ20側のトナー画像が転移することが阻止される。
【0081】感光ドラム1上のトナー画像が中間転写ロ
ーラ20に転写される場合、非画像部の電位はトナー画
像部電位と異なっており、芯金21の電位を基準とした
場合、非画像部との電位差がトナー画像部との電位差よ
りも大きいために転写電流は非画像部により多く流れ
る。
【0082】この傾向は中間転写ローラ20の抵抗値が
低い場合に顕著に生じ、例えば非画像部への電流値がト
ナー画像部への電流値の2倍以上となる場合には、非画
像部の電界がトナー画像に影響を及ぼして、トナー画像
が周辺に「とびちり」を生じてしまう。つまり、低抵抗
のローラ20は中間転写体には適していない。
【0083】反対に高抵抗のローラの場合にはバイアス
電源61の形成できる電界が余りに小さくなり、中間転
写自体が損なわれてしまう。
【0084】従って、105 〜1011Ω・cm、好まし
くは107 〜1010 Ω・cmの範囲の中抵抗のローラ
が中間転写体には好適である。この範囲の体積抵抗値の
弾性体積22を用いれば、+2〜+5KVを芯金21に
印加することにより、上述した適正な転写電流値を設定
することが出来る。
【0085】感光ドラム1側から中間転写ローラ20側
へ順次に重畳転写された第1〜第4色のトナー画像の転
写材24への転写は、給紙カセット9側から中間転写ロ
ーラ20と転写ローラ25との圧接ニップ部nに所定の
タイミングで転写材24が給送されると共に、転写ロー
ラ25の芯金26に対するバイアス電源が第2のバイア
ス電源29から第1のバイアス電源28に切り換り、芯
金26に対してトナーと逆極性(+)の転写バイアスが
印加される。この転写バイアスは中間転写ローラ20の
芯金21に対してバイアス電源61から印加されている
トナーと逆極性(+)のバイアスよりも絶対値が大きく
なるようにしてあり、この転写バイアスにより中間転写
ローラ20側のトナー画像が中間転写ローラ20と転写
ローラ25との圧接ニップ部nに給送された転写材24
側に転写されていく。トナー画像転写を受けた転写材2
4は定着器15へ導入される。
【0086】転写材24が圧接ニップ部nを通過する
と、中間転写ローラ20の芯金21及び転写ローラ25
の芯金26に対するバイアス電源がそれぞれトナーと同
極性(−)のバイアスを印加する第2のバイアス電源6
2,29に切り換えられる。
【0087】このバイアス切り換えにより中間転写ロー
ラ20面の転写残りトナーが感光ドラム1面側へ戻され
てクリーニング装置14に回収されることで中間転写ロ
ーラ20面は清掃される。
【0088】転写ローラ25面に付着したトナーも中間
転写ローラ20面に戻され、更に感光ドラム1面に戻さ
れてクリーニング装置14に回収されることで転写ロー
ラ25の清掃もなされる。
【0089】このように中間転写ローラ20は弾性層2
2が中抵抗であるためトナーと同極性のバイアス印加
(クリーニングバイアス)によって転写残りトナーを感
光ドラム1面側に十分に戻し転移させてクリーニング状
態にすることができ、特別なクリーニング装置の配備を
必要とせず、装置構成を簡略化できる。
【0090】また中間転写ローラ20の駆動は芯金21
と一体的に設けたギヤ(不図示)に依っており、中間転
写体がベルト5(図21)である場合のようにベルト片
寄り防止機構のような複雑な構成は必要とせず、装置構
成を簡略化できる。
【0091】<第2の実施例>(図2〜図4) 前記第1の実施例の装置(図1)では中間転写ローラ2
0から転写材24へのトナー画像の転写は中間転写ロー
ラ20とこれに圧接して設けた転写ローラ25との圧接
ニップ部nに転写材24を給送して行なわせたが、本実
施例では図2のように感光ドラム1と中間転写ローラ2
0との転写ニップ部Nに対して転写材24を給送して行
わせるものであり、転写ローラ25の配設は不要とな
る。
【0092】感光ドラム1側から中間転写ローラ20側
への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写は中間転
写ローラ20の芯金21に対して第1のバイアス電源6
1からトナーと逆極性(+)の転写バイアスが印加され
ることで実行される。
【0093】中間転写ローラ20側から給送転写材24
側へのトナー画像の転写は図3の模型図のように中間転
写ローラ20の芯金21に対するバイアス電源が第1の
バイアス電源61から第2のバイアス電源62に切り換
えられて芯金21にトナーと同極性(−)のバイアス電
圧が印加されることで実行される。
【0094】単色プリントの場合には図4のように、感
光ドラム1側のトナー画像(単色トナー画像)ta を中
間転写ローラ20に転写することなく、感光ドラム1と
中間転写ローラ20との転写ニップ部Nに転写材24を
所定のタイミングで給送し、中間転写ローラ20の芯金
21には第1のバイアス電源61からトナーと逆極性
(+)の転写バイアスを印加することで感光ドラム1側
のトナー画像ta を直接に転写シート24面に転写tb
するようにしてもよく、この場合はプリント工程が短縮
できる。
【0095】感光ドラム1と中間転写ローラ20の間に
転写材24が存在する場合も前記第1の実施例で述べた
トナー画像部と非画像部の転写電流のアンバランス関係
があり、中間転写ローラ20の弾性体層22が中抵抗で
あることにより、良好な転写が達成される。
【0096】図3・図4の何れの場合も転写材24に対
するトナー画像転写終了後の中間転写ローラ20の付着
トナーの除去は該ローラ20の芯金21に対して第2の
バイアス電源62にてトナーと同極性(−)のバイアス
電圧を印加することでローラ20の付着残存トナーが感
光ドラム1側へ戻し転移して感光ドラム1のクリーニン
グ装置14により回収され、ローラ20のクリーニング
がなされる。
【0097】<第3の実施例>(図5) 図5は本実施例の画像形成装置の概略構成図である。本
例の装置は中間転写ローラ20に対するバイアス電源を
第1〜第3と3つ有する。他の構成は前述第2の実施例
装置(図2)と同じである。第1と第2のバイアス電源
61・62は前述第2の実施例装置の場合と同様に、そ
れぞれ、感光ドラム1から中間転写ドラム20へのトナ
ー画像転写時に中間転写ローラ20の芯金21にトナー
と逆極性(+)の転写バイアスを印加する電源と、中間
転写ローラ20から転写材24へのトナー画像転写時に
中間転写ローラ20の芯金21にトナーと同極性(−)
の転写バイアスを印加する電源である。
【0098】第3のバイアス電源63はクリーニングバ
イアス印加電源であり、中間転写ローラ20から転写材
24に対するトナー画像の転写終了後、中間転写ローラ
20の芯金21に対するバイアス電源が第2の電源62
から第3のバイアス電源63に切り換えられて中間転写
ローラ20に対してトナーと同極性(−)のクリーニン
グバイアス電圧が印加されることで中間転写ローラ20
の外周面に残存した転写残りトナーが転写ニップ部Nに
おいて感光ドラム1面側へ戻されて該中間転写ローラ2
0のクリーニングがなされる。感光ドラム1面側へ戻さ
れたトナーはクリーニング装置14で回収されて感光ド
ラム1面もクリーニングされる。
【0099】<第4の実施例>(図6・図7) 本実施例は転写材24の両面にプリント可能な両面プリ
ント画像形成装置である。
【0100】図6において、45・46はそれぞれマイ
ナス極性のトナーを収容したネガ現像器と、プラス極性
のトナーを収容したポジ現像器である。
【0101】感光ドラム1面に対して、まず第1面の画
像情報の潜像形成と、その潜像のネガ現像器45(ポジ
現像器46は不作動に保持)による現像がなされ、その
マイナス極性トナー画像が一旦中間転写ローラ20の外
周面に中間転写される。この中間転写はローラ20の芯
金21に対して第1のバイアス電源61よりプラス極性
のバイアス電圧が印加されることで実行される。
【0102】次いで、感光ドラム1面に対して第2面の
画像情報の潜像形成と、その潜像のポジ現像器46(ネ
ガ現像器45は不作動に保持)による現像がなされる。
【0103】このトナー画像の形成と同期取りされて給
紙カセット9側から感光ドラム1と中間転写ローラ20
との転写ニップ部Nに対して転写材24が給送される。
【0104】給送転写材24が転写ニップ部Nに入る直
前に中間転写ローラ20の芯金21に対するバイアス電
源が第1のバイアス電源61側から第2のバイアス電源
62側に切り換えられて芯金21に対してマイナス極性
のバイアス電圧が印加される。図7のように、これによ
り給送転写材24の第1面(下向き面)に対して中間転
写ローラ20面側に転写担持されているマイナス極性ト
ナー画像tc が、また給送転写材24の第2面(上向き
面)に対して感光ドラム1面側のプラス極性トナー画像
d がそれぞれ転写されていく。
【0105】転写ニップ部Nを出た転写材24は両面に
トナー画像を載せており、トナー画像が他物と擦れない
ように定着器15へ導かれるように、搬送ガイド13は
ファン13aにより上向き気流が生じるように構成され
ている。こうして定着器15へ導かれた転写材24の両
面側のトナー画像がそれぞれ定着処理される。
【0106】このように中間転写体としてローラ20を
利用することで簡単な紙搬送経路で両面プリントを実現
することができる。
【0107】片面プリントモードの場合はネガ現像器4
5又はポジ現像器46の何れかを用いて感光ドラム1面
上にトナー画像を形成し、転写材24を転写ニップ部N
へ給送し、中間転写ローラ20の芯金21にトナーと逆
極性のバイアス電圧を第1又は第2のバイアス電源61
又は62にて印加すればよい。
【0108】このように極性の異なるトナーの転写を行
なう場合にも中間転写体としての中抵抗のローラ20は
安定した転写性能を発揮し、良好な画像が得られる。
尚、以上の説明では1層の弾性層22を備えた中間転写
ローラ20を例示したが、複数層構成の弾性層22或は
弾性層22上に平滑な表面層を形成した構成等を用いる
ことも出来る。
【0109】以上第1〜第4の実施例で説明したよう
に、中抵抗の弾性体ローラ20を中間転写体乃至転写ロ
ーラとして用いることで、転写画像の乱れを防ぎ、かつ
簡単な機構で、中間転写体を用いた画像形成装置を実現
できる。B.以下の第5乃至第8実施例は前記特許請求
の範囲の請求項5及び同6に記載の発明の実施例であ
り、前記第2の目的(トナー画像の中抜け防止)を達成
したものである。
【0110】<第5の実施例>(図8・図9) 図8は本実施例の画像形成装置の構成略図であり、前記
第1の実施例の装置(図1)と大略同じである。
【0111】中間転写ローラ20は、本実施例では、パ
イプ状の芯金21の外周に、アラミド樹脂あるいはポリ
カーボネイト或はフッ素樹脂に微細カーボンまたは金属
粉体を均一に分散させて体積低効率を107 〜1010Ω
・cmに調整した抵抗層22で被覆したものを用いた。
【0112】該中間転写ローラ20の周長は転写材シー
ト24の長さよりも若干大きく設定してあり、本実施例
においては転写材シート24はA4サイズを縦送りして
用いるので、該ローラ20は外径100mm、周長31
4mmとし、抵抗層22は肉厚100μmに設定した。
【0113】転写ローラ25は芯金26の外周にカーボ
ン分散EPDM発泡材(体積抵抗率約109 Ω・cm)
を弾性層27として設けたもので、アスカーC硬度で4
0°以下のものを用いた。
【0114】感光ドラム1側から中間転写ローラ20側
への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写は前述図
1の装置の場合と同様であり、中間転写ローラ20の芯
金21にはバイアス電源61よりトナーとは逆極性
(+)の転写バイアス電圧+2〜+5KVを印加してい
る。
【0115】なお、本実施例ではこの転写過程時では転
写ローラ25を中間転写ローラ20から非接触に離間保
持させて中間転写ローラ20上のトナー画像を乱さない
ようにしている。
【0116】8は中間転写ローラ20に対するクリーニ
ング装置であり、常時は中間転写ローラ20に対して非
接触の非作用状態に保持させてある。
【0117】また中間転写ローラ20は感光ドラム1の
周速度よりも0.5%速く回転させるように構成した。
これにより感光ドラム1上のトナー画像が中間転写ロー
ラ20上に効率よく転写されて「中抜け」が防止され
る。
【0118】感光ドラム1側から中間転写ローラ20側
に順次重畳転写された第1〜第4色のトナー画像の転写
材24への転写は、中間転写ローラ20上のトナー画像
の先端に先行して転写ローラ25が中間転写ローラ20
に当接され、この転写ローラ25の芯金26にバイアス
電源28からトナーと逆極性(+)の転写バイアス電圧
が印加される。
【0119】次いで中間転写ローラ20と転写ローラ2
5との圧接ニップ部nに転写材24が進入して転写材2
4の面に中間転写ローラ20側のトナー画像の転写がな
される。
【0120】転写ローラ25の芯金26に対する転写バ
イアスの適正電圧値は中間転写ローラ20の芯金21に
印加されている転写電圧値によって変化する。
【0121】具体的に転写ローラ25の芯金26に対す
る転写バイアスは中間転写ローラ20の芯金21に印加
している転写バイアスよりも絶対値で2〜4KV程度大
きくすると良好な転写が得られた。
【0122】本実施例では中間転写ローラ20から転写
材24にトナー画像を転写する際に中間転写ローラ20
の芯金21に印加する電圧を+500Vにしているた
め、転写ローラ25の芯金26に印加する電圧を3KV
に設定した。
【0123】また本実施例では転写ローラ25の周速度
は中間転写ローラ20の周速度に比較して更に0.5%
速く回転させて転写材24の搬送速度を中間転写ローラ
20の周速度より速くしている。これによって中間転写
ローラ20側から転写材24側へのトナー画像の転写も
効率よく転写されて中抜けが防止される。
【0124】従って、感光ドラム1から中間転写体20
を経て転写材24に至るまで中抜けを防止したトナー画
像転写が可能となる。
【0125】なお、本実施例では感光ドラム1上のトナ
ー画像は転写材24上で1.5%程度シート搬送方向に
関して伸びたものとなるが、感光ドラム1上に形成する
潜像を予め1.5%縮めた形態にすることで印字倍率を
調整している。
【0126】ここで、本実施例で行っている周速度差に
よる中抜け防止効果を説明する。感光ドラム1の周速度
を100としたときの中間転写ローラ20の周速度と中
抜けのレベルを表したものを図9に示す。図より明らか
なように中抜けのレベルが周速度差を設けることによっ
て改善されることがわかる。これはトナー画像を拭い取
るような剪断力が作用することにより転写効率が向上す
るものと考えられる。このような傾向は転写ローラ25
と転写材24との間においても同様の傾向があり、本実
施例ではこの結果を基に感光ドラム1に対する中間転写
ローラ20の周速度と中間転写ローラ20に対する転写
ローラ25の周速度とを、それぞれ0.5%速くして画
像形成を行い、良好な結果を得た。
【0127】<第6の実施例>本実施例は前記第5の実
施例の画像形成装置(図8)において、中間転写ローラ
20の周速度を感光ドラム1のそれより1%遅くし、転
写ローラ25の周速度は中間転写ローラ20より1.5
%速くしている。これによる効果は中間転写時及び転写
時の中抜けを防止すると共に、トナー画像の縮み或は伸
びを補正する効果を持つことにある。
【0128】つまり、感光ドラム1上に形成されたトナ
ー画像は中間転写ローラ20に転写される際、周速度差
のために1%縮んで転写像が形成される。この画像を転
写材24に転写する際に転写ローラ25を1.5%速く
回転させると、転写材24は中間転写ローラ20と、よ
り摩擦力の大きい転写ローラ25との間で実際には中間
転写ローラ20よりもおよそ1%速い速度で搬送される
ことになり、最終的に転写材24に形成される画像が感
光ドラム1上に形成されたものと等倍のものにすること
ができる。そしてこの作用のために、比較的大きな周速
度差を設けることが可能となり、中抜け防止効果もそれ
に応じて強力になる利点がある。
【0129】<第7の実施例>(図10) 図10は本実施例の画像形成装置の構成略図であり、転
写材24に対するトナー画像の転写を感光ドラム1と中
間転写ローラ20との転写ニップ部Nで行なうもので、
前記第2の実施例の装置(図2)と大略同じである。
【0130】前述図3・図4の模型図のように中間転写
ローラ20から転写材24への4色カラートナー画像の
転写モード、及び感光ドラム1から転写材24への単色
トナー画像の直接転写モードの何れも実行できる。
【0131】中間転写ローラ20の弾性層22は107
〜1010Ω・cmの体積抵抗率を持つ。
【0132】本実施例では中間転写体として弾性ローラ
20を用いることにより転写ニップ部Nでの転写材24
の搬送も可能にして装置の小型化を実現しているが、中
間転写体であるローラ20の周速度を感光ドラム1のそ
れに比べて0.5%遅くすることにより、中間転写ロー
ラ20と転写材24との間にも速度差が発生して中間転
写時及び転写時の中抜けを防止することができる。これ
は単色転写の場合にも有効であるが、特に4色転写の動
作時には転写材24上に形成される画像の伸びを小さく
できるという利点もある。
【0133】また、本実施例の更なる発展例として、4
色転写における中間転写時と転写時で中間転写体の周速
度を変化させることも中抜けを防止し且つ印字精度を確
保する上で効果的である。
【0134】例えば中間転写時に中間転写ローラ20の
周速度を感光ドラム1に比較して0.5%速くし、転写
時に1%速くする。これにより、前記第6の実施例に記
したのと同様な理由で、転写材24上の画像は感光ドラ
ム1上のものに略等しくできる。そして転写時の転写材
24の搬送速度との周速度差も十分与えられるため、中
抜け防止効果も大きくなる。
【0135】<第8の実施例>(図11) 図11は本実施例の画像形成装置の構成略図であり、前
記第7の実施例の装置(図10)との比較において中間
転写ローラ20の径が小さい点に特徴がある。
【0136】即ち、本実施例は中間転写時及び転写時に
感光ドラム1と中間転写体20、中間転写体20と転写
材24とに速度差を与えたときに発生する画像の伸び縮
みを利用して中間転写体であるローラ20の周長を転写
材24の長さより短くしているところに特徴がある。
【0137】つまり、4色中間転写時に中間転写ローラ
20の周速度を感光ドラム1に比較して50%の速さに
して中抜けを防ぐと共に、中間転写ローラ20上に画像
を50%の大きさに圧縮することを可能にしている。
【0138】転写材24に転写する際にはレジスタロー
ラ11によって転写ニップ部Nに転写材24を感光ドラ
ム1と等速に送り込みトナー画像を元の大きさに展開す
る。この時、転写材24と中間転写ローラ20との間に
は中間転写時速度差があるため中抜けは防止される。
【0139】一般に、中間転写体としてローラ20を用
いる場合、ローラ20の周長としては転写材24の長さ
以上が求められるが、本実施例によれば中間転写ローラ
20の周長を半分、つまり直径を半分にすることが可能
となり、装置の小型化が図れるという利点がある。
【0140】A4サイズ縦送りの場合、中間転写ローラ
20としては通常100mmの直径が必要であり、分離
の面でも困難であったが、本実施例の手段を用いれば中
間転写ローラ20の直径を50mmと小径化できて曲率
によって分離が容易となり、ジャム等の搬送不良も減ら
すことが可能となった。
【0141】以上説明したように、第1の画像担持体に
形成された画像を中間転写体に転写した後、第2の画像
担持体に更に転写する画像形成装置において、該中間転
写体の面移動速度を第1の画像担持体の面移動速度と異
なるものにすることで、中抜けの無い中間転写が可能と
なり、更に該中間転写体の面移動速度と第2の画像担持
体の面移動速度と異なるものにすることにより、中抜け
のない画像を第2の画像担持体上に形成できた。この場
合、中間転写体は前述図21ののようなベルトタイプの
ものであってもよい。
【0142】C.以下の第9乃至第11の実施例は前記
特許請求の範囲の請求項7乃至同10に記載の発明の実
施例であり、前述第1乃至第8の実施例の装置のように
中間転写体として中抵抗のローラ体を用いた装置の更な
る改良発明についての実施例である。
【0143】(1)中間転写体20の中抵抗弾性層22
は、前述したように弾性材にカーボンや金属酸化物等を
添加分散する事によって抵抗を調整している。そのよう
な中抵抗弾性層22は、製造時に抵抗値が振れたり、環
境によって抵抗値が変動する。そのような中抵抗弾性層
22の抵抗値変動が生じても安定した中間転写を行わな
ければならない。
【0144】従来の定電圧制御では、中間転写体20の
抵抗値が高い場合、感光ドラム1に十分な電流を流す事
ができないので、感光ドラム1上のトナー画像を中間転
写体20に十分転写できなくなり、転写不良が発生す
る。また、逆に高湿度環境下において中間転写体20の
抵抗値が低下した場合には適正電流値以上の電流が感光
ドラム1に流れてしまい、ドラムメモリーや転写したト
ナーが再び感光ドラム1に戻ってしまう再転写現象など
が発生してしまう。
【0145】さらに、第1色から第4色のトナー画像を
転写する際の適正転写電圧がそれぞれ違うので制御が困
難であった。
【0146】(2)高湿度環境下では、中間転写体20
の抵抗値が低下するだけでなく、転写材24の抵抗値が
大幅に低下し、中間転写体20上の画像を転写材24上
に転写する際の適正転写電圧が変動する。
【0147】したがって、常湿環境下で適正な転写電圧
でも、転写材24の抵抗が極端に低下する高湿度環境下
ではその転写電圧では強すぎて、転写電流の転写材突き
抜け現象が発生したり、中間転写体20上のトナーの存
在する部分には転写電流が流れにくく、トナーの存在し
ない部分には転写電流が集中してしまい、この結果、画
像の「とびちり」現象が発生することもある。
【0148】また、これらの問題は、中間転写体20の
抵抗が比較的高い場合には、感光ドラム1,中間転写体
20,転写材24を含めた系全体の抵抗値が転写材24
の抵抗に左右されにくいので発生しにくいが、中間転写
体20の抵抗が低い場合には転写材24の抵抗変動に系
全体の抵抗が大きく影響されるので発生しやすくなる。
特に高湿度環境下においては長期の放置により、中間転
写体20の抵抗が1/2〜1/3と大幅に低下する傾向
にあり、この事が上記現象を生じ易くさせるための主た
る原因ともなっている。
【0149】(3)また、画像形成装置が自動両面画像
形成機能や多重画像形成機能等を備えたものである場合
においては、転写材24の第1面(また第1回目)の画
像転写が実行されてその転写画像の定着処理がなされる
ことで、転写材24は水分が蒸発して高抵抗化した状態
となる。
【0150】従って、この転写材24を第2面(または
第2回目)の画像転写のために再び転写部へ挿通する
と、この時の転写材24は上記のように高抵抗化してい
るので、第1面(または第1回目)の画像転写時に良好
な転写が行われる転写電圧よりも第2面(または第2回
目)の画像転写時に良好な転写を行うためには、より大
きな転写電圧を印加しないと転写不良が発生する。
【0151】このC項は、中間転写体として中抵抗のロ
ーラ体を用いた装置について、更に上記の問題点を解消
した発明についての実施例である。
【0152】<第9の実施例>(図12) 図12は本実施例の画像形成装置の構成略図であり、前
述第2の実施例の装置(図2)と大略同じ構成である。
【0153】中間転写体である中間転写ローラ20はパ
イプ状の芯金21上に、EPDM等よりなる弾性体に微
細カーボンまたは金属粉体を均一に分散させて、体積抵
抗率105 〜1011Ω・cmに調整した弾性層22で被
覆したものを使用している。中間転写ローラ20の周長
は転写材24の長さより若干大きくとってあり、本実施
例においては転写材24はA4サイズを縦送りして用い
るので、中間転写ローラ20は外径100mm、周長3
14mmとし、弾性層22は肉厚を8mmとし、アスカ
ーC硬度で30度〜50度の範囲に設定した。
【0154】具体的に、プロセススピード90mm/s
ec、感光ドラム1の直径30mmとした。
【0155】50は中間転写ローラ20のバイアス電源
であり、該バイアス電源50は、定電流電源としても、
定電圧電源としても使用する事ができ、さらに極性も変
える事が可能なように構成されている。
【0156】51は中間転写ローラ20のバイアスの電
圧検出手段、52はCPU、53はI/0ポート、54
はメモリ、56はアースである。
【0157】以下に、本実施例の制御を説明する。
【0158】.CPU52によりシーケンス制御を行
い、中間転写ローラ20の芯金21に、本実施例ではI
=4μAの定電流を流す様な電圧VT0を印加して、中間
転写ローラ20を定電流制御して感光でラム1から中間
転写ローラ20へトナー画像を転写する。
【0159】もちろん、第1色から第4色まで転写を重
ねる毎に中間転写ローラ20上のトナー量が増加し、電
圧VT0も増加する。また、1色の画像内でもトナー量に
応じて電圧VT0が変化する。なお、この時の電圧VT0
トナーと逆極性である。
【0160】.したがって、第4色目のトナー像を転
写している時点が、カラー画像全体を合わせた抵抗値を
反映しているものと考えられる。この時の定電流バイア
ス制御時の転写電圧VT0を測定し、この時の平均値[V
T0]を制御に用いる電圧VTとする。
【0161】.定数aとbを予め設定の所定値a1と
b1とした転写電圧算定式(A)に従って測定電圧VT
に対応した適正転写電圧値Vを算出させる。
【0162】 |V|=a・|VT |+b ……(A) そして、中間転写ローラ20上のトナー画像を転写材2
4に転写する際、その算出転写電圧値Vにて中間転写ロ
ーラ20を定電圧制御して転写材24へトナー像の転写
を実行させる。また、この時の転写電圧Vは、トナーと
同極性となるように印加する。
【0163】具体的に、定数aとbを、 a1=1.0、 b1=1.2 とした場合、良好な転写画像を得ることができた。
【0164】また、算定式(A)の定数項bは、転写時
(通紙時)における転写材抵抗による電圧降下を想定し
て設定された項である。
【0165】<第10の実施例>本実施例の画像形成装
置自体は前記第9の実施例と同様であるが、下記のよう
な手順で制御を行う。
【0166】.CPU52によりシーケンス制御を行
い、中間転写ローラ20の芯金21に、本実施例ではI
=4μAの定電流を流す様な電圧VT0を印加して、中間
転写ローラ20を定電流制御して感光ドラム1から中間
転写ローラ20へトナー画像を転写する。
【0167】もちろん、第1色から第4色まで転写を重
ねる毎に中間転写ローラ20上のトナー量が増加し、電
圧VT0も増加する。また1色の画像内でもトナー量に応
じて電圧VT0が変化する。なお、この時の電圧VT0は、
トナーと逆極性である。
【0168】.したがって、第4色目のトナー像を転
写している時点が、カラー画像全体を合わせた抵抗値を
反映しているものと考えられる。この時の定電流バイア
ス制御時の転写電圧VT0を測定し、この時の平均値[V
T0]を制御に用いる電圧VTとする。
【0169】.その測定電圧VT を基準電圧(判定電
圧)V1と比較させる。
【0170】.この比較で|VT |≧V1の場合は通
常の制御、即ち、前記第9の実施例と同様に定数aとb
を予め設定の所定値a1とb1とした前記転写電圧算定
式(A)に従って測定電圧VT に対応した適正転写電圧
値Vを算出させる。
【0171】そして、中間転写ローラ20上のトナー画
像を転写材24に転写する際、その算出転写電圧値Vに
て中間転写ローラ20を定電圧制御して転写材24へト
ナー像の転写を実行させる。また、この時の転写電圧V
はトナーと同極性である。
【0172】.しかし、で|VT |<V1の場合
は、高湿度環境において中間転写体20の抵抗値が低下
し、同時に転写材24の抵抗値も低下して、転写時に転
写電流の転写材突き抜け現象や転写電流過多による「と
びちり」現象が出易い状態になっているものと判断し、
転写電圧算定式(A)で算出される電圧Vが小さめにな
るように定数aとbを適切なa2とb2に変更制御さ
せ、定数a,bを、a2とb2に変更した転写電圧算定
式(A)に従って測定電圧VT に対応した適正転写電圧
値Vを算出させる。
【0173】そして、中間転写ローラ20上のトナー画
像を転写材24に転写する際、その算出転写電圧値Vに
て中間転写ローラ20を定電圧制御して転写材24へト
ナー像の転写を実行させる。また、この時の転写電圧V
はトナーと同極性である。
【0174】具体的に、上記において基準電圧V1=1
KV、算定式(A)の定数aとbを、 a1=1.0、 b1=1.2、 a2=2.2、 b2=0 とした。
【0175】このようにすることで測定電圧VT の絶対
値が1KV(=V1)以上の場合には、上記のように
適正転写電圧値Vの算定、その算定電圧値Vによって中
間転写体20から転写材24への転写時に、中間転写ロ
ーラ20の定電圧制御が実行される。
【0176】測定電圧VT が1KV以下となった場合に
は上記のように転写電圧を弱く出力する適正転写電圧
値Vの算定、その算定電圧値Vによって転写時に、中間
転写ローラ20の定電圧制御が実行される。
【0177】測定電圧VT =1KVにおいては、 a1・|VT |+b1=a2・|VT |=b2 となるために制御電圧の連続が保たれているが、必ずし
も連続になっている必要はない。
【0178】さらに、定数a,bを決定するための判断
基準となる電圧はV1の1つだけでなく、複数個用いて
も良い。
【0179】また、転写電圧算定式(A)の定数項b
は、転写時(通紙時)における転写材抵抗による電圧降
下分を想定して設定された項である。
【0180】従って高温高湿環境下で転写材24が吸湿
して転写材抵抗が低下した場合、この定数項bを小さく
する事によって転写電圧Vの最適化がなされる。
【0181】<第11の実施例>(図13) 図13は本実施例の画像形成装置の構成略図であり、前
述第9の実施例の装置(図12)と大略同じ構成であ
る。
【0182】感光ドラム1上のトナー画像が中間転写ロ
ーラ20上に転写された後、感光ドラム1と中間転写ロ
ーラ20との転写ニップ部Nに挿通されて、第1面に対
する画像転写を受けた転写材24は、定着器15で第1
面転写画像が定着された後、画像形成装置本体下部に取
り付けられた再給送装置80によって、転写材24は矢
印cの経路で反転装置81へと搬送され、反転装置81
により反転されて、矢印dの経路で再び転写ガイド12
に導入され、感光ドラム1と中間転写ローラ20の転写
ニップ部Nに挿通されて転写材24の第2面に対する画
像転写が実行される。なお、反転装置81の作動をオフ
すると、転写材24は反転されずに多重転写が実行され
る。
【0183】このような装置においては前述したよう
に、第2面に対する画像転写のために転写ニップ部Nへ
再給送される第1面画像転写済の転写材24は第1面の
画像定着時の熱によって脱湿されて転写材24の抵抗値
が、第1面の画像転写時よりも高くなってしまう。
【0184】したがって、高湿度下では、第1面に対す
る画像転写時の転写材24は低抵抗化しており、この転
写材24の第1面に対する画像転写時においては、前記
第10の実施例で説明したように転写電圧を下げてやら
ないと転写電圧過多による画像不良が発生する。すなわ
ち、転写材24の第1面の画像転写時と第2面の画像転
写時とでは共に満足する条件がない。
【0185】このような場合には、転写材24の第1面
転写と第2面転写という条件も考慮して各場合において
転写電圧算定式(A)の定数a,bを決定してやれば良
い。
【0186】したがって、前記第10の実施例の〜
の手順によって、第1面に画像形成した後、再給送装置
80により第2面画像形成時には、 .両面画像形成における第2面画像形成モード時の場
合の転写電圧算定式(A)の定数a,bを予め設定の所
定値a3とb3とした転写電圧算定式(A)に従って測
定電圧VT に対応した適正転写電圧Vを算出させる。
【0187】そして、中間転写ローラ20上のトナー像
を転写材24に転写する際、その算出転写電圧値Vにて
中間転写ローラ20を定電圧制御して転写材24へ第2
面画像の転写を実行させる。また、この時の転写電圧V
は、トナーと同極性である。
【0188】上記の制御によって、両面及び多重印字
の場合の転写も良好に実行することが出来る。
【0189】具体的に、 (a)比較用の基準電圧V1=1.0KV (b)|VT |≧V1の場合の第1面画像形成モード時
の転写電圧算定式(A)の定数a,bを a1=1.0、 b1=1.2 (c)|VT |<V1の場合の第1面画像形成モード時
の転写電圧算定式(A)の定数a,bを a2=2.2、 b2=0 (d)両面画像形成における第2面画像形成モード時の
場合の転写電圧算定式(A)の定数a,bを a3=1.0、 b3=1.7 として制御を行なった。
【0190】この結果、前述の高湿度環境下で転写材2
4の抵抗値が低い場合でも転写材24の第1面に対する
画像転写時は、定数a=a2,b=b2となり、前述の
第10の実施例で示したのと同様に、転写電圧過多によ
る転写電流の転写材突き抜けや飛び散り現象を防止する
ことが出来た。
【0191】更に、第1面の転写画像の定着処理で除湿
されて高抵抗化した転写材の第2面に対する画像転写時
は、転写材24の高抵抗化による転写電流不足による転
写不良に対し、定数a=a3,b=b3とすることで、
転写不良の生じない転写電圧とすることが出来た。
【0192】また、算定式(A)の定数項bは、転写時
(通紙時)における転写材抵抗による電圧降下分を想定
して設定された項である。従って、定着器15により転
写材24が脱湿されて転写材抵抗が大きくなった場合、
この定数項bを大きくすることによって転写電圧Vの最
適化がなされると思われる。
【0193】なお上述第9乃至第11の実施例で代表さ
れる前記特許請求の範囲の請求項7〜10に記載の本発
明は上述した高湿度環境下における転写性能の改良に限
定されるものではなく、常湿度や低湿度の環境下におけ
る転写性能の最適化を図ることにも応用できることは言
うまでもない。
【0194】上記請求項7〜10に記載の本発明は、第
1の画像担持体上に形成された画像を、中抵抗のローラ
で構成された中間転写体上に転写した後、第2の画像担
持体上に更に転写する画像形成装置において、中抵抗の
中間転写体の抵抗値や、転写材の抵抗値が環境変動等に
伴い、大幅に変動しても、第1の画像担持体上の画像を
中間転写体上に転写する際には、中間転写体に定電流バ
イアスを印加することで最適な転写性を得ることが出
来、また、中間転写体上の画像を転写材上に転写する際
には、中間転写体に最適電圧を印加して最適な転写性が
得られる。更に、両面または多重画像形成実行時の転写
プロセスにおいても第1面(又は第1回目)と第2面
(又は第2回目)に差が無く、常に安定した転写性が得
られる。D.以下の第12乃至第15の実施例は前記特
許請求の範囲の請求項11乃至同14に記載の発明につ
いての実施例であり、前記第3の目的(転写材の転写ニ
ップ部からの排出時の分離容易化、転写時の画像乱れの
防止等)を達成したものである。
【0195】<第12の実施例>(図14) 図14は本実施例装置の要部の拡大断面図であり、前述
図22の画像形成装置の感光ドラム1と転写ローラ23
の転写ニップ部Nに対応する。
【0196】転写ローラ23′の曲率1/r′T は感光
ドラム1の曲率1/r′D よりも小さくなる(1/r′
T <1/r′D )ように設定されており、転写材24が
転写ニップ部Nから排出される時、転写材24は表面の
電荷による感光ドラム1側に吸引する鏡映力とともに背
面の電荷による転写ローラ23′側に吸引する鏡映力を
受けるとともに、転写材24自体の剛性による各々の表
面から離反しようとする力の収支によって、結果的に曲
率の小さい転写ローラ23′側に偏った分離が行われ
る。
【0197】つまり、転写材24の描く軌跡は転写ニッ
プ部Nの接線0に対して転写ローラ23′側に偏ったも
のとなり、クリーニング装置14(図23)の底部に摺
擦したり、突込みジャムが発生することはない。
【0198】なお、転写材24は転写ローラ23′に吸
引されて転写ニップ部Nより排出されるが、転写ニップ
部Nにおいては剛体の感光ドラム1に弾性体の転写ロー
ラ23′が押圧されて上に凹のニップ形状が出来てお
り、転写材24の先端が転写ニップ部Nより排出される
と、後続の転写ニップ部N内にある転写材24の剛性に
より転写ローラ23′の表面から先端が離れるような力
が働くため、転写材24が転写ローラ23に巻き付くこ
とはない。
【0199】(実験例1)感光ドラム1としてアルミニ
ウムの芯金上に有機光半導体(OPC)を塗布した外径
25mmのものを用い、周速(プロセススピード)50
mm/secにて駆動した。1次帯電ローラ2A(図2
2)により−700Vに一様に帯電した後、レーザー光
による走査を行なう露光3を行ない、明部電位−100
Vを得た。現像器4より1成分のトナーtとして電荷量
−12μc/grで、体積平均粒径7μmのものを反転
現像にて感光ドラム1に付与して顕像を得た。
【0200】転写ローラ23′(図14)はステンレス
製の外径20mmの芯金23a上に亜鉛華及びカーボン
を導電材料として分散した発泡EPDMの弾性層23b
を形成して外径40mmとした、硬度30°(アスカー
C)、抵抗109 Ω・cmの中抵抗のローラを用いて総
圧800grにて感光ドラム1に押圧して転写ニップ部
Nを形成した。
【0201】転写ローラ23′の芯金23aには+30
00Vを印加して給紙カセット9より送出させた坪量6
4gr/m2 でA4サイズの転写材24をレジストロー
ラ11により制御して転写ニップ部Nに挿通した処、1
5℃・10%の低湿下にて転写材24の先端部、後端部
ともに感光ドラム1に吸着されることなく分離され、先
端部や後端部の木端汚れや画像の乱れはなく、クリーニ
ング装置14への突込みジャムも発生しなかった。
【0202】<第13の実施例>(図15・図16) 図15及び図16は本実施例の画像形成装置における転
写材24への転写バイアス電圧の制御結果の説明図、及
び制御シーケンス図である。
【0203】本実施例は図14のように感光ドラム1の
曲率1/r′D よりも小さな曲率1/r′T とした転写
ローラ23′を用いた場合に転写材24の先端部又は後
端部の転写バイアス電圧の絶対値を小さくして、転写材
24の転写ニップ部Nからの排出時における感光ドラム
1側及び転写ローラ23′側への鏡映力を小さくするこ
とで、転写材24の分離をよりスムーズに行なえるよう
にするものである。
【0204】図16に示すように、プリント信号がホス
トコンピュータより送信されると感光ドラム1は回転を
スタートし、1次帯電ローラ2(図22)の帯電も同時
にスタートする。
【0205】感光ドラム1の表面電位が安定した時点τ
0 においてレーザーによる走査露光3がスタートする。
転写材24の長さに相当する時間Δτ1 のうち、先端部
相当の時間Δτ2 及び後端部相当の時間Δτ3 には露光
が行なわれず、転写材24の先端部分及び後端部分には
潜像は形成されず、余白部が形成される。現像器4には
現像バイアスが作用して現像が行なわれるが、現像バイ
アスは感光ドラム1の画像域が現像器4に対向する時点
(τ0 +τ4 )からオンし、画像域相当の時間Δτ1
像バイアスは作用してオフされる。
【0206】レジスタローラ11は時点τ5 に回転をス
タートし、転写材24は転写ガイド12を経て、画像域
の先端と転写材24の先端が一致して転写ニップ部Nに
至る。転写材24の先端が転写ニップ部Nに到来した時
点τ6 より転写ローラ23′にバイアスが印加され始め
る。
【0207】転写バイアスは転写材24の長さに相当す
る時間Δτ1 の間印加されるが、先端部及び後端部相当
の時間Δτ7 及びΔτ8 の間には、印加される電圧の値
は弱められる。つまり画像域の転写電圧をVTrとし、先
端部及び後端部の転写電圧V′Trとすれば|V′Tr|<
|VTr|となるようにする。
【0208】V′Trの値は転写ローラ23′の材質及び
形状(曲率1/rT )に応じて転写材24の先端部及び
後端部が転写ローラ23′に吸引されて分離不良を生じ
ない範囲の値とすれば良く、V′Tr=0[V]を含む適
当な値を選べば良い。
【0209】又、先端部と後端部で異なる転写電圧V′
Trを用いてもよい。転写材24の先端部及び後端部には
Δτ2 及びΔτ3 相当の余白が形成されているので、転
写バイアスが弱まっても画像の転写不良は生じず、良好
な分離性能が達成される。図15は転写材24の搬送長
さに則して転写バイアスの強弱の変化の様子を示した説
明図である。
【0210】<第14の実施例>(図17) 本実施例は図17の要部の横断面模型図のように、感光
ドラム1の半径r′Dに対し、転写ローラ23′の半径
r′T は大きく、曲率は 1/r′T <1/r′D となり、感光ドラム1に転写材24が吸引されるよりも
転写ローラ23′に強く吸引されるように配置されてい
る。
【0211】本実施例の特徴は転写ローラ23′の少な
くとも表面の一部に絶縁性の領域18を設けたことであ
る。絶縁性の領域18は導電性弾性層23bの表面にP
TFE・PFA・PET・PVDFなどの離型性の良い
絶縁物をフィルム状にして転写ローラ23′の長手方向
全域を覆うように弾性層23b中に接着埋設することで
得られる。
【0212】転写材24の搬送方向の長さをLとした
時、転写ローラ23′の半径r′T はL≦2πr′T
なるようにして、かつ領域18の周上の長さをlとした
とき 2πr′T −l<L として転写材24の先端部が領域18と一致するように
シーケンス制御する。
【0213】領域18では絶縁体の作用により転写材2
4への転写電荷の付与が弱められるので、鏡映力も小さ
くなり転写材24の先端部分は転写ローラ23′に吸引
されることがなく、転写材24の剛性により先端部は転
写ニップ部Nからスムーズに分離される。
【0214】又上記の範囲に転写ローラ23′の半径
r′T を選ぶと転写材24の後端部も領域18に一致す
るようになり、後端部も良好に分離される。
【0215】<第15の実施例>(図18〜図20) 図18は本実施例の画像形成装置の要部の模型図であ
る。
【0216】本実施例装置において転写ローラ23′は
中間転写体としても機能する。
【0217】転写ローラ23′は芯全23a上に103
〜106 Ω・cmの導電性弾性層23bを形成した上
に、107 〜1011Ω・cmの中抵抗の薄層23cを形
成し、全体として中抵抗の弾性ローラとしたもので、半
径r′T は転写材24の長さをLとしたとき、L<2π
r′T となるようにした。
【0218】感光ドラム1は半径r′D で、曲率は 1/r′T <1/r′D となるように設定されており、前述第1の実施例の装置
(図1)と同様に、感光ドラム1に対する第1〜第4色
のトナー画像の順次形成、及びその第1〜第4色のトナ
ー画像の中間転写体としての転写ローラ23′の外周面
に対する順次重畳転写が実行されて転写ローラ23′の
外周面に合成カラートナー画像が形成される。
【0219】転写ローラ23′の外周面に中間転写され
たトナー画像の転写材24に対する転写は前述第2の実
施例の装置(図2)と同様に、給紙カセット9側から感
光ドラム1と転写ローラ23′の転写ニップ部Nに対し
て転写材24が所定のタイミングで給送され、転写ロー
ラ23′の芯金23aに対してトナーと同極性(−)の
バイアス電圧が第2のバイアス電源62から印加される
ことでなされる。図19はその転写過程の模型図を示し
ている。
【0220】転写ニップ部Nから排出された転写材24
は感光ドラム1に吸引されるよりは転写ローラ23′に
吸引されると共に、転写ニップ部N内の転写材24のク
セが上方に凸となっていることから、転写材24の剛性
により転写ローラ23′から先端部が引剥されるように
促進されて転写材24の分離が容易に行なえる。
【0221】転写ローラ23′は単色画像形成時には図
20に示したように感光ドラム1上のトナー画像ta
直接転写材24上に転写tb するように用いることが出
来る。この場合にも転写材24の転写ニップ部Nからの
分離が容易に行なわれるのは上述したのと同様である。
【0222】(実験例2)感光ドラム1としてアルミニ
ウムの芯金上に有機光半導体(OPC)を塗布した半径
35mmのものを用い、周速100mmで駆動して前記
(実験例1)と同様に潜像を形成し、順次カラートナー
画像を形成した。
【0223】黒・マゼンタ・シアン・イエローのトナー
は非磁性の体積平均粒径が5〜8μの1成分トナーであ
り、固有電荷量−8〜−18μc/grの範囲にある負
極性トナーであり、反転現像によりトナー顕像が得られ
た。
【0224】転写ローラ23′は半径40mmのアルミ
ニウムの芯金23a上にカーボンを分散した抵抗率10
3 Ω・cmの発泡EPDMの層23bを形成し、その上
に酸化スズを含有した抵抗率109 Ω・cmのPVdF
層23cを形成して半径50mmとした中抵抗のものを
用いた。この転写ローラ23′の硬度は35°(アスカ
ーC)であり、感光ドラム1に転写ローラ23′の自重
を含めた総圧1000grで押圧して転写ニップ部Nを
獲た。転写材24として90gr/m2 のA4サイズ
(L=297mm)の普通用紙を用いた。
【0225】各色のトナーを中間転写する際には感光ド
ラム1の芯金は接地されており、転写ローラ23′の芯
金23aには+1000Vを印加した。又転写材24へ
カラートナー画像を転写ローラ23′より転写する際に
は転写ローラ23′の芯金23aには−3000Vを印
加した。
【0226】このようにして、転写ニップ部Nからの転
写材24の分離の際に転写材24が感光ドラム1側に偏
向されることなく、画像の汚れや乱れのない良好な転写
画像が得られた。
【0227】以上説明したように導電性弾性層を有する
転写ローラ23′の曲率1/r′Tを感光ドラム1の曲
率1/r′D よりも小さくする(1/r′T <1/r′
D )ことにより、転写材24の転写ニップ部Nからの分
離を容易に行なうことが出来る。
【0228】尚、第12〜第15の実施例では感光ドラ
ム1と転写ローラ23′の組合せを用いて説明したが、
転写ニップ部Nにおける各々の曲率が問題となるのであ
って第1の画像担持体1としての感光体は必ずしもドラ
ム状である必要はなく、例えばベルト状の感光体を転写
ニップ部において剛体のバックアップローラを用いて一
定の曲率を付与して用いる場合等でも本発明の主旨に含
まれることは明らかである。
【0229】
【発明の効果】中抵抗の弾性体ローラを中間転写体乃至
転写ローラとして用いることで、転写画像の乱れを防
ぎ、かつ簡単な機構で、中間転写体を用いた画像形成装
置を実現できる。
【0230】第1の画像担持体に形成された画像を中間
転写体に転写した後、第2の画像担持体に更に転写する
画像形成装置において、該中間転写体の面移動速度を第
1の画像担持体の面移動速度と異なるものにすること
で、中抜けの無い中間転写が可能となり、更に該中間転
写体の面移動速度と第2の画像担持体の面移動速度と異
なるものにすることにより、中抜けのない画像を第2の
画像担持体上に形成できた。
【0231】第1の画像担持体上に形成された画像を、
中抵抗のローラで構成された中間転写体上に転写した
後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成装置に
おいて、中抵抗の中間転写体の抵抗値や、転写材の抵抗
値が環境変動等に伴い、大幅に変動しても、第1の画像
担持体上の画像を中間転写体上に転写する際には、中間
転写体に定電流バイアスを印加することで最適な転写性
を得ることが出来、また、中間転写体上の画像を転写材
上に転写する際には、中間転写体に最適電圧を印加して
最適な転写性が獲られる。更に、両面または多重画像形
成実行時の転写プロセスにおいても第1面(又は第1回
目)と第2面(又は第2回目)に差が無く、常に安定し
た転写性が得られる。導電性弾性層を有する転写ローラ
の曲率1/r′T を感光ドラム1の曲率1/r′D より
も小さくする(1/r′T <1/r′D )ことにより、
第2の画像担持体の転写ニップ部からの分離を容易に行
なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の画像形成装置の概略図
【図2】 第2の実施例の画像形成装置の概略図
【図3】 中間転写ローラから転写材への合成カラート
ナー画像の転写過程の模型図
【図4】 単色プリントの場合の転写過程の模型図
【図5】 第3の実施例の画像形成装置の概略図
【図6】 第4の実施例の画像形成装置の概略図
【図7】 両面プリントの転写過程の模型図
【図8】 第5の実施例の画像形成装置の概略図
【図9】 中間転写ローラの周速度と画像中抜けのレベ
ルの相関図
【図10】 第7の実施例の画像形成装置の概略図
【図11】 第8の実施例の画像形成装置の概略図
【図12】 第9の実施例の画像形成装置の概略図
【図13】 第11の実施例の画像形成装置の概略図
【図14】 第12の実施例の画像形成装置の要部の模
型図
【図15】 第13の実施例の画像形成装置における転
写材への転写バイアス電圧の制御結果の説明図
【図16】 制御シーケンス図
【図17】 第14の実施例の画像形成装置の要部の模
型図
【図18】 第15の実施例の画像形成装置の概略図
【図19】 中間転写ローラから転写材への合成カラー
トナー画像の転写過程の模型図
【図20】 単色プリントの場合の転写過程の模型図
【図21】 従来の画像形成装置の一例の概略図
【図22】 従来の画像形成装置の他の例の概略図
【図23】 転写ローラ部分の拡大模型図
【図24】 画像中抜け部例の図
【符号の説明】
1 第1の画像担持体としての感光ドラム 20 中間転写ローラ 24 第2の画像担持体としての転写材 23´・25 転写ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 七瀧 秀夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 竹内 昭彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、 前記中間転写体が中抵抗の弾性ローラであることを特徴
    とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 中間転写体から第2の画像担持体への画
    像転写が第1の画像担持体と中間転写体の接触部におい
    てなされることを特徴とする請求項1に記載の画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、 前記中間転写体が中抵抗の弾性ローラであり、 第1の画像担持体上に形成された画像を複数回中間転写
    体としての中抵抗の弾性ローラに転写した後第2の画像
    担持体に一括して転写する第1モードと、第1の画像担
    持体上に形成された画像を直接に第2の画像担持体に転
    写する第2のモードを選択的に実行でき、 前記第1のモードにおける中間転写体としての中抵抗の
    弾性ローラが、前記第2のモードにおいて転写ローラと
    して作用することを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、 前記中間転写体が中抵抗の弾性ローラであり、 第1の画像担持体上に形成された第1の画像を中間転写
    体としての前記中抵抗の弾性ローラに一旦転写した後第
    1の画像担持体上に第2の画像を形成し、第2の画像担
    持体を第1の画像担持体と中間転写体の為す接触部に導
    入して、第2の画像担持体の両面に第1の画像と第2の
    画像を各々同時に転写することを特徴とする画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、 前記中間転写体の面移動速度が第1の画像担持体の面移
    動速度と異なることを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 中間転写体の面移動速度が第2の画像担
    持体の面移動速度と異なることを特徴とする請求項5に
    記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 第1の画像担持体上に形成された画像を
    中間転写体上に転写した後、第2の画像担持体上に更に
    転写する画像形成装置において、 前記中間転写体が中抵抗の弾性ローラであり、 中間転写体から第2の画像担持体への画像転写が第1の
    画像担持体と中間転写体の接触部においてなされ、 第1の画像担持体の上に形成された画像を中抵抗のロー
    ラで構成された中間転写体上へ転写する際には、第1の
    画像担持体に対して中間転写体より印加する転写バイア
    スを定電流Iとなる様に制御し、このときの電圧値VT
    をもとに、中間転写体上の画像の第2の画像担持体上へ
    の再転写時に中間転写体に印加するバイアス電圧値Vを
    決定することを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 中抵抗のローラで構成された中間転写体
    上に転写された画像を第2の画像担持体上に再転写する
    際に、中間転写体に印加するバイアス電圧を前記電圧値
    T を用いて、次の転写電圧算定式(A) |V|=a・|VT |+b・・・・・(A) aおよびbは定数(ゼロを含む)で算出される電圧値V
    に定電圧制御することを特徴とする請求項7に記載の画
    像形成装置。
  9. 【請求項9】 中抵抗のローラで構成された中間転写体
    上に転写された画像を第2の画像担持体上に再転写する
    際に、中間転写体に印加するバイアス電圧を前記電圧値
    T を用いて、次の転写電圧算定式(A) |V|=a・|VT |+b・・・・・(A) aおよびbは定数(ゼロを含む)で算出される電圧値V
    に定電圧制御すること、および(A)式において電圧値
    |VT |の値を所定の基準電圧値と比較させ、その結果
    により定数a及びbを最適な値に変更制御することを特
    徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 画像形成装置が両面画像形成機能また
    は多重画像形成機能を有する場合において、前記転写電
    圧算定式(A)の定数a,bが、第1面あるいは第1回
    目の画像形成実行モードと第2面あるいは第2回目の画
    像形成実行モードといったモードの違いに基いて適正な
    値に変更制御されることを特徴とする請求項8または同
    9に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 第1の画像担持体に形成した画像を他
    の画像担持体に転写手段で転写する画像形成装置におい
    て、 転写手段がバイアス電圧を付与された導電性弾性体を有
    する転写ローラであり、該転写ローラは第1の画像担持
    体に押圧されて第1の画像担持体との間に転写ニップ部
    を形成しており、該転写ローラの曲率(1/r;rは半
    径)が、第1の画像担持体の曲率よりも小さいことを特
    徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】 他の画像担持体が紙葉体であり、該紙
    葉体の先端及び後端に対応するバイアス電圧が該紙葉体
    の画像域に対応するバイアス電圧よりも絶対値において
    小さくされてなることを特徴とする請求項11に記載の
    画像形成装置。
  13. 【請求項13】 転写ローラの周長が紙葉体の長さより
    大きく、該紙葉体の先端が該転写ローラ表面の定位置に
    当接するようにし、該定位置及びその近傍の転写ローラ
    表面が絶縁性の材質で構成されていることを特徴とする
    請求項11に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 転写ローラを中間転写体とし、第1の
    画像担持体上に毎度色の異なる画像を形成して、該画像
    を繰返して該転写ローラ上に中間転写して多重像とした
    後に紙葉体に一括して該多重像を転写することを特徴と
    する請求項11乃至同13の何れかに記載の画像形成装
    置。
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