JPH05311259A - 鉛電解アノードスライムの湿式処理方法 - Google Patents

鉛電解アノードスライムの湿式処理方法

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JPH05311259A
JPH05311259A JP11847792A JP11847792A JPH05311259A JP H05311259 A JPH05311259 A JP H05311259A JP 11847792 A JP11847792 A JP 11847792A JP 11847792 A JP11847792 A JP 11847792A JP H05311259 A JPH05311259 A JP H05311259A
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slime
lead
leaching
solution
sulfuric acid
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Shuichi Oto
修一 大戸
Naomi Sasahara
直見 笹原
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Nikko Kinzoku KK
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Nikko Kinzoku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉛電解アノードスライムの有価物を湿式処理
により回収する。 【構成】 (a)鉛電解アノードスライムに付着してい
る珪弗酸分を希硫酸もしくは水で洗浄し;(b)含銅硫
酸酸性溶液中で空気酸化してアノードスライム中の銅を
浸出し;(c)銅スライムを苛性ソーダ溶液にて浸出
し;(d)(c)の脱硫酸スライムを珪弗酸溶液にして
Pb,Sb及びBiを溶出し;Au及びAgを含有する
浸出スライムから分離し、(e)(c)の脱硫酸スライ
ムの珪弗酸溶出液に含まれるSbイオン及びBiイオン
を金属鉛により置換処理し、(f)(e)の鉛置換処理
後の後液に含まれる鉛イオンを電解採取し、電解後液を
(d)の硫酸スライムの溶解用珪弗酸溶液として用いる
か、あるいは(e)の鉛置換処理後液を硫酸で処理して
Pbを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛電解アノードスライ
ム(以下単に「アノ−ドスライム」という)の湿式処理
による有価物回収方法に関するものであり、さらに詳し
く述べるならば鉛電解工程で産出するアノードスライム
から銅、金、銀、アンチモン、ビスマス及び鉛などを回
収する有価物回収方法に関するものである。上記した有
価物を回収するためには従来乾式法が行われていたが、
本発明は湿式法によりこれら有価物を回収する方法に関
するものである。本発明が有価物回収の対象とするアノ
ードスライムは、典型的には、Cu:2〜5wt%、A
u:0.3〜1.0wt%、Ag:10〜17wt%、
Sb:19〜27wt%、Bi:19〜29wt%、P
b:8〜15wt%(%は固形分に対する重量%)を含
有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の乾式法では、アノードスライムを
電気炉及び溶殿炉で還元溶解して得られた還元メタルを
灰吹き法により酸化してまずSbを揮発除去し、さらに
酸化させてBi及びCuをPbO滓中に濃縮しAu−A
g合金を得、Bi及びCuを含有するPbO滓を電気炉
中で還元して粗Biを得るなどの一連の乾式法によりS
b,Bi,Au,Agなどを分離精製している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって従来の乾式
法では粉塵の発生が避けられない。さらに、各工程にお
ける有価物の分離度が低いために、有価物非分離スライ
ムを前工程へ戻して処理を繰り返す繰返し量が多くな
り、またこのために金銀の停滞日数が長くなる、などの
問題がある。したがって、本発明の目的は上記欠点を回
収した有価物を効率的に回収することができる分離精製
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者は検討を重ねた結果、鉛電解アノードスライ
ムから銅及び金銀を分離する第一の発明として、鉛電解
アノードスライムに付着している珪弗酸分を希硫酸もし
くは水で洗浄した後、含銅硫酸酸性溶液中で空気酸化し
て前記鉛電解アノードスライム中のCuを浸出するとと
もに、Cuをスライム中のAu、Ag、Sb、Bi及び
Pbから分離して脱銅スライムを得、この脱銅スライム
を苛性ソーダ溶液にリパルプしそして攪拌浸出すること
により硫酸分を溶出分離し、前記硫酸分の溶出分離によ
り残存した脱硫酸スライムを珪弗酸溶液にリパルプしそ
して攪拌浸出することにより、Pb,Sb及びBiを溶
出し、Au及びAgを含有する浸出スライムから分離す
る方法、さらにSb及びBiを分離する第二の発明とし
て、第一の発明の処理の後に、脱硫酸スライムの珪弗酸
溶出液に含まれるSbイオン及びBiイオンを金属鉛に
より置換処理してSb及びBiを置換メタルとして回収
する方法、及びさらにPbを回収する第三の発明とし
て、第二の発明の処理の後に、鉛置換処理後の後液に含
まれる鉛イオンを硫酸で処理してPbを回収する方法の
発明を完成した。
【0005】以下本発明の構成を説明する。鉛電解は珪
弗酸浴中で実施されるために、アノードスライムには珪
弗酸が付着している。このアノードスライムをそのまま
硫酸浸出工程に送ると、Sb,Biなどが溶出されるの
で、珪弗酸を除去するためにアノードスライムを予め洗
浄することが必要である。洗浄には希硫酸溶液または水
を使用する。ただし、水洗浄を行うと珪弗酸が加水分解
してSiO2 が沈殿するので、希硫酸の使用が好まし
い。希硫酸溶液の濃度は特に限定されないが、遊離硫酸
濃度が3〜10g/Lの範囲内にあることが好ましい。
なお洗浄後のアノードスライムは銅の浸出工程に、また
水洗液はPb+2及びH2 SiF6 を含有しているので、
これらを有効利用するために鉛電解工程に戻す。
【0006】上述のように珪弗酸洗浄を行った後に硫酸
浸出を行う。アノードスライムを構成するAu,Ag,
Sb,Bi,Cuなどの有価物はほとんどがメタリック
状であるので、アノードスライムを硫酸溶液によりリパ
ルプして、液温が典型的には40℃以上、好ましくは6
0℃以上の条件下で空気を吹き込みながら浸出処理する
ことにより、Cuを90wt%以上の回収率で効率的に
浸出することができる。また、Au,Ag,Sb,B
i,Pbなどの有価物はアノードスライム中に残存す
る。
【0007】空気吹き込み量は、パルプ1L当たり毎分
0.5L/L/min以上が好ましい。より好ましい空
気吹き込み量は3L/L/min以上であり、Cu浸出
率をさらに高めることができる。銅浸出液中の硫酸(H
2 SO4 )濃度は30〜60g/Lであることが好まし
い。
【0008】上記浸出液に含有されるCu2+は電解採取
により回収する。Cu2+の電解条件は通常のものであ
る。なお電解浴中のCu2+濃度は一般に5〜30g/L
であり、この場合の電流効率は80〜95%である。
【0009】本発明の好ましい実施態様によると、電解
採取により脱銅された銅浸出後液の一部を硫酸浸出工程
に戻すことにより、浸出液中のCu+2濃度を高め、銅浸
出速度を高めることができる。
【0010】次に脱銅スライムを苛性ソーダ溶液により
リパルプし、硫酸鉛として存在する硫酸分を脱銅スライ
ムから分離するとともにNa2 SO4 溶液として回収す
る。この結果アノードスライムから、次工程の珪弗酸処
理の効率を低下させる硫酸分を除去し、これを副産物と
して回収することができる。リパルプはスラリー濃度が
100〜200g/LでかつNaOH添加当量が1.1
〜1.6の条件で行うことが好ましい。NaOH添加当
量は次式: PbSO4 (s)+NaOH(aq)=Pb(OH)2
(s)+Na2 SO4 (aq) を想定して算出したものである。
【0011】続いて脱硫酸スライムを珪弗酸溶液により
リパルプし撹拌浸出を行う。これにより、Bi,Sb,
Pbを浸出し、Au,Agをスライム中に残すことがで
きる。リパルプはスラリー濃度が50〜150g/Lで
かつ珪弗酸添加当量が3.5〜5.5の条件で行うこと
が好ましい。ここで、珪弗酸添加当量は次式を想定して
算出したものである。 Pb(OH)2 +H2 SiF6 =PbSiF6 +2H2 O Bi(OH)3 +3H2 SiF6 =Bi2 (SiF63 +3H2 O Sb23 +3H2 O=2H3 SbO3 以上の浸出処理によりアノードスライム中に残されたA
u及びAgを通常の回収工程により回収する。
【0012】一方、上記の浸出処理により得られた含B
i−Sb浸出液を本発明の第二においてはPb置換処理
し、Sb+3及びBi+3を置換メタルとして選択的に沈殿
させる。この置換処理は横形回転置換槽にPb粒子、
塊、片などと含Bi−Sb浸出液を挿入し、置換槽を回
転させながら、Pb粒子などの表面に置換メタルを沈殿
させる方法によることが好ましい。またPbは含Bi−
Sb浸出液の1リットル当り1〜2kgを装入すること
が好ましい。Pb粒子などの表面で置換反応が起こり、
そこに沈殿した置換メタルは掻き落として回収する。一
方、置換後液はPbSiF6 を含有しているので、本発
明の第三においてはPbを回収するため該後液に硫酸を
添加し、PbSO4 として分離し、脱鉛後液は脱硫酸ス
ライムの浸出に使用することができる。Pb電解条件は
通常のものでよく、また電解採取後液を脱硫酸スライム
の浸出に繰り返し使用することにより処理工程をクロー
ズドプロセスとすることができる。
【0013】上記の置換後液からPbを回収するにはP
b電解採取方法によることもできる。
【0014】Pb粒などから掻き落とした置換メタルは
加熱溶解して、好ましくは500℃で空気を溶融Sb−
Biに吹き込むことにより、高品質の酸化アンチモンを
揮発回収することができる。次にこの揮発処理メタルは
電解精製を施し、電気ビスマスを回収することができ
る。
【0015】
【作用】図2は各種アノードスライムを遊離H2 SO4
濃度が100g/L及び50g/Lの硫酸溶液で浸出し
た場合のSb浸出率を示すグラフである。浸出条件は以
下のとおりであった。 パルプ量:1L スラリー濃度:200g/L 浸出時間:6時間 浸出温度:60℃ 空気吹き込み量:2L/min 攪拌速度:1400rpm 攪拌機:浮選鉱機型エアレーター
【0016】使用したスライムは以下のものである。 (a)元スライム、すなわち鉛電解で得られたままのア
ノードスライム(洗浄をしないで水分を含有した状態で
のSb浸出率を調査する比較例) (b)乾燥スライム(洗浄をしないで乾燥をした場合の
Sb浸出率を調査する比較例) (c)硫酸洗浄スライム(6g/L−H2 SO4 溶液で
アノードスライムを洗浄した本発明の好ましい実施態
様) (d)水洗スライム(水でアノードスライムを洗浄した
本発明の実施態様) Sb浸出率を示す図2より、銅浸出に先立って予め行う
硫酸洗浄または水洗浄がSbの浸出液中への移行を防止
するのに有効であることが分かる。
【0017】図3には、珪弗酸洗浄を行ったアノードス
ライムを下記条件で硫酸溶液によりリパルプし、また硫
酸浸出を行った結果を示す。リパルプ条件 パルプ量:1L スラリー濃度:200g/L 遊離硫酸濃度: 50g/L浸出条件 空気吹き込み量:2L/min 浸出温度:60℃ 攪拌機:浮選鉱機型エアレーター 攪拌速度:1400rpm 上記浸出によるCuとSb浸出率の時間変化を図3に示
す。
【0018】図3に示すように硫酸溶液中で空気を吹き
込みながら浸出を行うことによりSbを溶出させること
なくCuを浸出分離することができる。アノードスライ
ム中のPb,Bi,Cuなどはメタリック上で存在して
いる。これらのPb,Bi,CuなどはCuの溶解を妨
げるので、Cuイオンにより一旦酸化を行う。図3にお
いて2時間の浸出で表れるSbのピークは、Cuイオン
の作用によりSbが浸出液中でイオン化していることを
示す。その後アノードスライムからのCuの浸出が始ま
り、浸出液のCu濃度が急速に増大する。
【0019】この脱銅処理により得られる含銅浸出液の
一部を脱銅用硫酸浸出液として繰り返し使用することに
よりCu+2の浸出速度が大幅に高めれられる。この結
果、含銅浸出液のCu+2濃度が高められ、銅電解採取に
おける電流効率が80〜95%に大幅に高められる。
【0020】図4には、硫酸洗浄を行ったアノードスラ
イムを下記条件でNaOH溶液によりリパルプし、また
浸出を行った結果を示す。 スラリー濃度:210g/L 浸出温度:室温 浸出時間:30分 攪拌速度:350rpm 上記浸出の浸出液のNaOH当量と硫酸分浸出率の関係
を図4に示す。図4よりNaOH当量が1.6〜2.2
であると高い硫酸分浸出率となることが分かる。
【0021】図5には、硫酸分の浸出を行いAu,A
g,SbおよびBiを含むスライムを下記条件で珪弗酸
浸出した結果を示す。 スラリー濃度:100g/L 浸出温度:室温 浸出時間:60分 攪拌速度:360rpm 上記浸出の浸出液のH2 SiF6 添加当量とPb,S
i,Sb浸出率の関係を図5に示す。
【0022】図5よりH2 SiF6 添加当量が4以上で
あると各成分とも高浸出率となることが分かる。すなわ
ちこの当量が5を超えると、PbSiF6 の溶解度に余
裕がないため逆にPbの浸出率が急激に低下するが、P
bはAu、Agの回収工程あるいはBi,Sbの回収工
程の何れで分離してもよい。しかしH2 SiF6 添加当
量が7を越えるとH2 SiF6 ガスのため作業環境の汚
染の問題がある。
【0023】図6には、上記の方法で浸出を行って得ら
れた、SbおよびBiを含む浸出液を下記条件でPb置
換処理した結果を示す。 浸出液量:1L 鉛粒量:17×15×15mmの粒を20個 置換温度:室温 回転速度:60rpm 図6より、Sb+3及びBi+3をPb置換により効率良く
メタルとして回収できることが分かる。
【0024】以下、図1のフローチャートを参照して実
施例により本発明を詳しく説明する。
【0025】
【実施例】下記組成のアノードスライムを図1に示すフ
ローチャートにより有価物の回収を行った。また回収に
使用した薬剤は、アノードスライムの重量(水分を含
む)を1kgとして、示す。 (a)アノードスライム組成:Pb:10.0wt%;
Ag:12.8wt%;Au:1.01wt%;Bi:
27.2wt%;Sb:25.2wt%;As:0.5
wt%;Cu:3.52wt%;T.SiF6 :2.1
wt%
【0026】アノードスライムを3Lの水(b)で洗浄
して脱珪弗酸処理した。また別の処理ではアノードスラ
イムを3Lの希硫酸溶液(遊離H2 SO4 濃度:6g/
L)(b)で洗浄した。脱珪弗酸処理後のアノードスラ
イムは800gとなった。またその組成は下記のとお
りであった。
【0027】脱珪弗酸処理後のアノードスライム(c)
組成:Pb:10.5wt%;Ag:16.0wt%;
Au:1.26wt%;Bi:34.0wt%;Sb:
31.5wt%;As:0.63wt%;Cu:4.4
wt%;T・SiF6 :0.05wt% 脱珪弗酸処理後の水洗水(d)は容量が3Lであり、組
成は、Pb:5.33g/L;T・SiF6 は6.87
g/Lであった。この水洗水を鉛電解工程に戻した。
【0028】脱珪弗酸処理後のアノードスライム(c)
に100%H2 SO4 (g)を204g添加してリパル
プし、H2 SO4 濃度を50g/Lとした。このアノー
ドスライムパルプに空気(f)を6.5L/minの割
合で6.5時間、総量で2.5m3 吹き込んで銅の浸出
を行った。得られた含銅浸出液(e)は、容量が4Lで
あり、組成が次のとおりであり、浸出率は95%であっ
た。 含銅浸出液(e)組成:Cu:16.6g/L;As:
0.1g/L;Bi:0.3g/L;Sb:0.1g/
L;遊離H2 SO4 :21.0g/L
【0029】含銅浸出液(e)を電解採取し、電着銅
(j)(組成−Cu:99wt%;Bi:0.2wt
%)を33.9g得た。この電着銅(j)は銅製錬工程
に回して、純銅として回収した。一方電解採取工程では
副産物として電解採取後液(i)が4.0L得られ、こ
の組成は以下のとおりであった。 電解採取後液(i)組成:Cu:8.2g/L;As:
0.1g/L;Bi:0.1g/L;Sb:0.1g/
L;遊離H2 SO4 :50g/L
【0030】脱銅スライム(T・SO4 ;13.12w
t%)から脱硫酸することにより次の組成の脱硫酸スラ
イム(k)が得られた。 脱硫酸スライム(k)組成:Cu:0.33wt%;A
g:14.8wt%;Bi:31.6wt%;Sb:2
9.3wt%;As:0.3wt%;Au:1.17w
t%;Pb:9.7wt%;T・SO4 ;0.55wt
【0031】脱硫酸により4LのNa2 SO4 液(組
成:T・SO4 :29.9g/L;Na:30.9g/
L)が得られた。これは排水処理工程に送った。
【0032】脱硫酸スライム(k)にはH2 SiF6
(m)を100%H2 SiF6 に換算して2.5kg添
加して、H2 SiF6 濃度が200g/Lの含Bi浸出
液(n)を8.6L得た。この含Bi浸出液(n)の組
成は下記の通りであった。 含Bi浸出液(n)組成:Bi:29.7g/L;S
b:26.7g/L;Pb:9.0g/L;As:0.
2g/L;f・H2 SiF6 :200g/L
【0033】含Bi浸出液(n)から分離された浸出ス
ライム(g)の組成はPb:0.5wt%;Bi:0.
9wt%;Sb:9.1wt%;Ag:25.0wt
%;Au:5.9wt%;As:0.2wt%であっ
た。この浸出スライム(g)は現状の金銀回収工程に送
りAu,Agを回収した。
【0034】含Bi浸出液(n)に金属Pb(o)を1
000g添加して横型回転炉で置換処理を行った。この
結果494gの置換メタル(p)(組成:Bi:51.
3wtwt%;Sb:45.6wt%;Pb:1.3w
t%)を得た。
【0035】置換メタル(p)及び金属Pb(o)を除
去した後の置換後液(q)は容量が8.6Lであり、そ
の組成は以下のとおりであった。 置換後液(q)組成:Pb:126g/L;f・H2
iF6 :202g/L;Bi:0.2g/L;Sb:
0.5g/L
【0036】置換後液(q)は濃硫酸(x)を添加し、
3.471gの硫酸鉛泥(r)(組成:Pb:31wt
%;Bi:0.05wt%;Sb:0.03wt%)を
得た。この硫酸鉛泥は鉛製錬工程に送り、鉛を回収し
た。一方鉛を分離した後の脱鉛後液(s)は容量が8.
6Lであり、その組成は下記の通りであった。 脱鉛後液(q)組成:Pb:1.0g/L;f・H2
iF6 :87g/L;Bi:0.2g/L;Sb:0.
4g/L この脱鉛後液は脱硫酸スライム(k)浸出用H2 SiF
6 (m)として繰り返し利用した。
【0037】置換メタル(p)は500℃にて溶解後空
気(t)を0.6m3 吹き込んで、酸化アンチモン
(u)を揮発させた。酸化アンチモン(u)は250g
得られ、その組成はSb83.5wt%であり、残部は
Sb23 相当の酸素であった。酸化アンチモンはその
まま外販した。
【0038】揮発残渣である処理メタル(v)は、27
8gであり、その組成はBi:91.1wt%,Sb:
4.0wt%,Pb:4.1wt%であった。この処理
メタル(v)は現行のBi精製工程に送り、純Biを得
た。
【0039】
【発明の効果】
(1)本発明の第一は以上のように構成し鉛電解アノー
ドスライムを湿式で処理し、Cuを回収するので、粉塵
の発生がなく、集塵設備が不要になり作業環境が大幅に
向上した。 さらに、含銅浸出液の電解後液を銅浸出工程に戻すこと
により銅の脱銅工程での銅の除去率が95wt%以上と
高くなり、銅から金銀を分離するためのの繰り返し工程
が少なくなる。 (2)本発明の第二においても鉛電解アノードスライム
を湿式で処理し、Cu,Sb及びBiを回収するので、
粉塵の発生がなく、集塵設備が不要になり作業環境が大
幅に向上した。さらにこれらの有価物の回収効率が高い
ので、アノードスライムの繰り返し量を少なくすること
ができる。 (3)本発明の第三においても鉛電解アノードスライム
を湿式で処理し、Cu,Sb、Bi及びPbを回収する
ので、粉塵の発生がなく、集塵設備が不要になり作業環
境が大幅に向上した。さらにこれらの有価物の回収効率
が高いので、アノードスライムの繰り返し量を少なくす
ることができる。なお、SbとBiを相互に分離するた
めには乾式法によるが、全体の工程ではこの部分だけが
乾式法であるので、上記した利点は依然として顕著であ
る。 (4)上記発明の実施態様として、含銅浸出液の電解後
液を銅浸出工程に戻すことにより銅の脱銅工程での銅の
除去率が95wt%以上と高くなり、銅から金銀を分離
するためのの繰り返し工程が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉛電解アノードスライムの処理フ
ローチャートである。
【図2】各種アノードスライムのSb浸出率を示すグラ
フである。
【図3】CuとSbの浸出率を示すグラフである。
【図4】脱銅スライムの硫酸分浸出率をNaOH添加当
量との関係で示すグラフである。
【図5】脱硫酸スライムの浸出率をH2 SiF6 添加当
量との関係で示すグラフである。
【図6】含Bi浸出液の金属Pbによる置換成績を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22B 30/06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛電解アノードスライムに付着している
    珪弗酸分を希硫酸もしくは水で洗浄した後、含銅硫酸酸
    性溶液中で空気酸化して前記鉛電解アノードスライム中
    のCuを浸出するとともに、Cuをスライム中のAu、
    Ag、Sb、Bi及びPbから分離して脱銅スライムを
    得、この脱銅スライムを苛性ソーダ溶液にリパルプしそ
    して攪拌浸出することにより硫酸分を溶出分離し、前記
    硫酸分の溶出分離により残存した脱硫酸スライムを珪弗
    酸溶液にリパルプしそして攪拌浸出することにより、P
    b,Sb及びBiを溶出し、Au及びAgを含有する浸
    出スライムから分離することを特徴とする鉛電解アノー
    ドスライムの湿式処理方法。
  2. 【請求項2】 前記脱硫酸スライムの珪弗酸溶出液に含
    まれるSbイオン及びBiイオンを金属鉛により置換処
    理してSb及びBiを置換メタルとして回収することを
    特徴とする請求項1記載の鉛電解アノードスライムの湿
    式処理方法。
  3. 【請求項3】 前記鉛置換処理後の鉛イオンを含む後液
    に硫酸を添加してPbを回収し、この脱鉛後液を脱硫酸
    スライムの溶解用珪弗酸溶液として繰り返し使用するこ
    とを特徴とする請求項2記載の鉛電解アノードスライム
    の湿式処理方法。
  4. 【請求項4】 前記含銅硫酸酸性溶出液中での浸出後の
    浸出後液を電解処理して銅を電解採取するとともに、電
    解後液を銅浸出液の少なくとも一部として使用すること
    を特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の
    鉛電解アノードスライムの湿式処理方法。
JP11847792A 1992-04-13 1992-04-13 鉛電解アノードスライムの湿式処理方法 Pending JPH05311259A (ja)

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