JPH05311264A - 銅電解アノードスライムの湿式処理による有価物回収方法 - Google Patents

銅電解アノードスライムの湿式処理による有価物回収方法

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JPH05311264A
JPH05311264A JP9020392A JP9020392A JPH05311264A JP H05311264 A JPH05311264 A JP H05311264A JP 9020392 A JP9020392 A JP 9020392A JP 9020392 A JP9020392 A JP 9020392A JP H05311264 A JPH05311264 A JP H05311264A
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silver
leaching
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Shuichi Oto
修一 大戸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 銅電解アノードスライムの湿式処理に際し、
有価物回収後の濾液をそのまま電解工程にもどすことが
でき、かつSe,Teなどの浸出率を高くし、槽の材質
の耐食性の要求を高くしない。 【構成】 アノードスライムを硫酸酸性溶液中で液温が
180℃以上かつ酸素分圧5kg/cm2 以上の酸素富
化ガスによる加圧条件下で浸出処理して浸出液を得、浸
出液に塩素イオンを添加して脱銀し、得られる固形分を
チオ硫酸ナトリウム溶液で溶解した溶液から銀を電解回
収するか、あるいは固形分とソーダ灰の反応物を溶解し
て銀を回収するとともに、脱銀後の硫酸酸性浸出液に銅
を添加してセレンおよびテルルを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅電解精製工程より産
出するアノードスライムからの有価物回収方法に関する
ものであり、さらに詳しく述べるならば湿式法により有
価物である銀、セレン及びテルルを回収する方法に関す
るものである。このアノードスライムは有価物としてA
g,Se,Te,Au,Ptなどを含むが、これらの有
価物を回収するために一般に乾式法が行われている。
【0002】
【従来の技術】従来、上記有価物を含むアノードスライ
ムからSe,Teを分離する精製法として、アノードス
ライムを硫酸化焙焼もしくは酸化焙焼しSeをSeO2
として昇華分離して、得られた焙焼殿物を還元溶解後ソ
ーダ処理し、Teをソーダからみ(Na2 TeO3 )と
して分離する方法が行われていた。しかしながら、この
方法では有価物の回収率が50%程度と低く、しかもS
eO2 ,SO2 などの有害ガスの発生が避けられない。
【0003】一方、アノードスライムから有価物を湿式
法で回収する方法も公知であり、それによると、アノー
ドスライムをH2 SO4 ,FeSO4 などを添加した溶
液中でオートクレーブにより浸出する(日本鉱業会誌、
Vol.84,No.963(1968.7)、第84
6〜851頁、参照)。ここで硫酸鉄は、硫酸に対して
不溶性のNiをアノードスライムからCuとともに溶解
させるための酸化剤であり、不溶性Niが分銀工程で多
量のAu,Agを含んだ半製品となることを避けるもの
である。また、オートクレーブ浸出液からHCl添加に
より分離したAgClをHCl酸性溶液中でFe置換し
Agメタルとする。
【0004】さらに上記方法ではオートクレーブ浸出液
には塩酸を添加して塩化銀を沈殿せしめ、溶解している
SeはSO2 ガスを吹き込んで酸化し粗セレンとして回
収する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公知の有価物湿式回収方法では鉄イオンをアノードスラ
イムの溶解液に添加することにより、Ag,Se,Te
などの有価物を固形分として回収後の濾液(例えば、C
u50g/L,As7g/L,遊離H2 SO4 100g
/Lを含有する)がFe2+,Na等を含むことになり、
濾液を電解工程にそのまま戻すことができず、鉄などの
除去工程が必要になるために工程が複雑となり経済性が
低い。
【0006】またこの公知の方法では、オートクレーブ
浸出液から分離したAgClをHCl酸性溶液中でFe
置換するための反応槽の材質が問題になり、そのための
コストが問題となる。さらに、公知の方法では、Seの
浸出効率が80〜89%と低いという問題がある。Te
の浸出率は70〜80%とやはり同様の問題がある。
【0007】したがって、本発明は有価物回収後の濾液
をそのまま電解工程にもどすことができ、かつSe,T
eなどの浸出率が高く、槽の材質の耐食性の要求が高く
ないとの特徴をもつオートクレーブによる銅電解アノー
ドスライム処理法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アノード
スライムからの有価物回収方法を種々検討を重ねた結
果、Ag,Se,Teの回収方法としては、アノードス
ライムを硫酸酸性溶液中で液温が180℃以上かつ酸素
分圧5kg/cm2 以上の酸素富化ガスによる加圧条件
下で浸出処理して浸出液を得、該浸出液に塩素イオンを
添加して脱銀し、得られる固形分をチオ硫酸ナトリウム
溶液で溶解した溶液から銀を電解採取するか、あるいは
前記固形分とソーダ灰の反応物を溶解して銀を回収する
とともに、脱銀後の硫酸酸性浸出液に銅を添加してセレ
ンおよびテルルを回収することを特徴とする方法の発明
を完成し、
【0009】さらに、Ag,Se,Teを回収し、Se
とTeを分離する方法としては、アノードスライムを硫
酸酸性溶液中で液温が180℃以上かつ酸素分圧5kg
/cm2 以上の酸素富化ガス加圧条件下で浸出処理して
浸出液を得、該浸出液に塩素イオンを添加して脱銀し、
得られる固形分をチオ硫酸ナトリウム溶液で溶解し、得
られる溶液から銀を電解採取するか、あるいは前記固形
分とソーダ灰との反応物を加熱溶解して銀を回収すると
ともに脱銀後の硫酸酸性浸出液に銅粉を添加してセレン
およびテルルを回収し得た還元セレンテルル泥を苛性ソ
ーダ溶液中で常圧下で空気酸化して溶解し、この溶液を
中和してテルルを固形分として回収し、セレンを溶液中
に残すことを特徴とする方法の発明を完成した。
【0010】本発明者らは、上記目的を達成するために
種々検討を重ねた結果、アノードスライムを硫酸酸性溶
液で液温が180℃以上かつ酸素分圧5kg/cm2
上の酸素富化ガス加圧条件下で浸出処理して浸出液を
得、該浸出液と塩素イオンを接触せっしめ、得られる固
形分をチオ硫酸ナトリウム溶液で溶解し、得られる溶液
から銀を電解採取するかあるいはソーダ灰と混合後得ら
れる固形分を溶解することにより効率的に銀をセレン及
びテルルから分離・回収できることを見出した。以下本
発明の構成を詳しく説明する。
【0011】アノードスライムは銅電解工程から産出す
るものであって、その組成は一般にCu:20〜30w
t%,As:2〜5wt%、Te:1〜5wt%,S
e:5〜15wt%,Ag:10〜20wt%,Au:
0.5〜2wt%,Pb:5〜10wt%である。
【0012】上記組成範囲内のアノードスライムを下記
条件でオートクレーブ浸出した結果を図2を参照して説
明する。 スラリー濃度:50g/L H2 SO4 濃度:200g/L 酸素分圧:10kg/cm2 (酸素25体積%富化空
気) 回転数:800rpm 加熱温度(加圧酸素浸出温度):80〜250℃
【0013】図2には、加圧酸素浸出温度に対する各有
価成分の浸出率が示されている。同図より加圧浸出温度
が180℃となると、有価成分、特にSe,Agの浸出
率が急激に高くなることがわかる。この結果より本発明
においては加圧浸出温度を180℃以上に限定した。
【0014】また、オートクレーブの加圧ガスを空気と
すると圧力が高くなるとともに、浸出率が高くなる傾向
はあるものの、Se,Te,Agの浸出率が低い。これ
に対して加圧ガスとして酸素富化ガスを使用し、酸素分
圧を5kg/cm2 とすることにより、浸出率をCu:
99%以上、Ag:85%以上、Se:95%以上、T
e:85%以上として浸出することが可能になる。酸素
富化率は25体積%以上が好ましい。
【0015】浸出に使用する硫酸はアノードスライム固
形分1kg当り2〜5kgが好ましい。硫酸としては銅
電解浄液段階からの脱Ni後液を使用することができる
が、そのNi濃度は20g/L以下であることが好まし
い。以上の浸出後のスライム(「脱銅スライム」と言わ
れる)は未浸出のAuを高濃度に含有するので、通常の
精金銀工程にて処理し、これらの有価物を回収する。
【0016】オートクレーブ浸出により得られた脱銅後
液にHClを添加する脱銀工程では塩化銀が得られる。
浸出液に塩素イオンを好ましくは化学当量の1.05倍
以上添加してAg1+をAgClとして固定し脱銀する。
塩素イオンとの接触はHCl水溶液を付加するか、ある
いはCl2 とSO2 を同時に吹き込むことにより行う。
【0017】塩素イオンの添加量はAgの1kg当り
0.34〜0.36kgが、チオ硫酸ナトリウム溶液は
10〜20wt%の濃度が、それぞれ好ましい。Agの
電解採取条件は通常のものである。
【0018】脱銀後液中のCl- 濃度は30mg/L以
下に抑制することができる。その後の固液分離後得られ
る固形分(塩化銀)をチオ硫酸ナトリウム溶液で溶解
し、得られる溶液から銀を電解採取する。塩化銀70g
を200g/L−Na223 溶液1Lにリパルブ
し、約60分間常温下で撹拌した結果、塩化銀がほぼ完
全に溶解し、次の組成を示す銀溶解液が得られる。 Ag:51.6g/L Sb:0.10g/L As:0.01g/L
【0019】銀−チオ硫酸ナトリウム溶液から通常の銀
電解採取により効率よく電着銀を回収することができ
る。電解条件及び電解成績は例えば以下のとおりであ
る。電解条件 陰極:ステンレス(SUS316) 電流密度:100A/m2 極間(電極面間)距離:50mm 電解液温度:25〜28℃ 液循環量:200cc/min(電解液量−4L)電解成績 電流効率:85wt% 電解電圧:2−3V(平均) 電着銀品位:99wt%以上
【0020】あるいは固形分とソーダ灰と混合して炭酸
化し、炭酸銀を加熱分解し銀メタルとしてその他の有価
分から分離・回収することができる。ソーダ灰と混合に
よる炭酸化は700〜1100℃で行うことが好まし
い。精金銀工程にて銀を分離・精製する。
【0021】脱銀後液中のSe4+およびTe4+は好まし
くは60℃以上に加熱撹拌しながら、Cu粉を添加し
て、次式により還元Se、Te泥として固定分離するこ
とができる。銅源として銅板でも効率良く還元を行うこ
とができる。 H2 SeO3 (aq)+4Cu(s)+4H+ =Cu2 Se(s)↓ +2Cu2++3H2 O H2 TeO3 (aq)+4Cu(s)+4H+ =Cu2 Te(s)↓ +2Cu2++3H2
【0022】図3は、還元温度80℃、硫酸濃度100
g/L、銅粉添加量21g/L、撹拌速度600rpm
の条件で脱銀後液中のSe4+およびTe4+を還元した実
験結果を示し、後液中の濃度(g/L)低下を示す。こ
の結果より効率よく還元Se,Teを固定分離できるこ
とがわかる。
【0023】還元後液はCu2+イオンを一般に20〜4
0g/L、SO4 2- イオンを一般に100〜200g/
L含有し、Feイオンなどを含有しないのでそのまま銅
電解槽に戻すことができる。
【0024】銅粉添加により得られた還元セレン・テル
ル泥は通常60〜75wt%の金属Cuを含んでいるの
で、例えば50〜150g/Lの濃度とpH12以上の
苛性ソーダ溶液によりリバルブして、常圧下で空気酸化
してSeとTeを浸出して、銅を浸出泥中に分離する。
空気の吹込量は500〜1000L濃度(O2 )・モル
(Se,Te)の割合が好ましい。常圧酸化を行うのは
効率及び経済性の理由からである。また浸出温度は60
〜80℃が好ましい。
【0025】上記組成範囲内の還元セレン・テルル泥を
下記条件で酸化浸出した結果を図4に示す。 スラリー濃度:100g/L NaOH濃度:50g/L 空気吹込量:1L/min 回転数:700rpm 浸出温度:80℃
【0026】図4より、比較的容易にSeとTeを同時
に浸出できることが分かる。空気浸出後に、例えば硫酸
により浸出溶液を中和することによりSeとTeをほぼ
完全に分離することができる。図4と関連して説明した
条件で浸出したアルカリ浸出液(Na2 SeO3 ,Na
2 TeO3 )に濃硫酸を添加し、pH6に中和すること
により、表1に示す生成物を得た。
【0027】
【表1】
【0028】表1よりSe4+とTe4+をほぼ完全に分離
可能であることが分かる。オートクレーブ浸出により得
られた脱銅後液にHClを添加する脱銀工程で得られた
塩化銀に対しNa2 CO3 を重量比で1:0.5〜1.
0、好ましくは1:0.6の割合で混合し、混合物を好
ましくは1000〜1100℃で加熱し、次式の反応に
より銀メタル(Ag品位99wt%以上)として容易に
回収することができる。 2AgCl+Na2 CO3 =NaCl+Ag+CO2 ↑+1/2O2 l↑
【0029】
【作用】以上説明したように、オートクレーブ浸出温度
の特定、酸素富化ガスの使用及び酸素分圧の特定により
有価分を高い浸出率でオートクレーブ浸出することがで
きる。また、Agの回収はAgClを経て電解あるいは
ソーダ処理によるので、処理溶液のpHを過度に低くす
ることなく効率よく回収できる。Agとともに浸出した
Se、Teを銅粉の添加により還元するので、これらも
高い回収率で回収することができ、還元後液をそのまま
銅電解工程に戻すことができる。
【0030】
【実施例】以下本発明の実施例を図1のフローシートに
より説明する。銅電解のアノードスライム(銅殿物)は
組成がCV:25.4wt%,As:4.3wt%,T
e:3.1wt%,Se:11.6wt%,Ag:1
8.4wt%,Au:1.54wt%,Pb:6.3w
t%であり、以下これが1kgであることを前提として
処理液等の物量を説明する。
【0031】オートクレーブ内に、前記銅殿物1kgと
ともに銅電解浄液工程からの脱Ni後液(遊離H2 SO
4 :200g/L,Ni:8.5g/L含有)10Lを
入れ、190℃に加熱しまた10kg/cm2 に酸素加
圧して浸出を行った。この結果脱銅スライムが431g
得られ、その組成はCu:0.3wt%,As:0.1
wt%,Te:0.07wt%,Se:0.05wt
%,Ag:19.5wt%,Au:1.54wt%,P
b:14.6wt%のものであり、以下これが1kgで
あることを前提として処理液等の物量を説明する。
【0032】オートクレーブ浸出により得られた脱銅後
液は10Lであり、組成はCu:25.1g/L,A
s:3.67g/L,Te:2.79g/L,Se:1
0.9g/L,Ag:10g/L,Ni:7.2g/
L,遊離H2 SO4 :100g/L,TCl(全塩
素):30mg/Lであった。このときの浸出率はA
g:54.3wt%,Te:90wt%,Se:94w
t%であった。
【0033】続いて、脱銅後液にHClを36.7g,
100wt%塩酸の形態で添加して、脱銀を行い、塩化
銀144gを沈殿させ、固液分離により固形分として回
収した。回収された塩化銀の組成はAg:70.0wt
%,TCl(全塩素):24.3wt%脱銅後液はS
e,Teを回収した後、組成がCu:42.0g/L,
Se:0.1g/L,Te:0.1g/L,遊離H2
4 :66g/Lとなった。この硫酸銅溶液を銅電解工
程に戻し、銅を回収するとともに硫酸を電解質として利
用した。
【0034】塩化銀にソーダ灰(Na2 CO2 )を添加
し混合1000℃に加熱し、塩化銀の炭酸化を行ったと
ころ、106gの銀メタル(組成Ag99wt%)と、
57gのスラグ(組成NaCl:98wt%,Ag:
0.01wt%)が得られた。銀メタルとスラグは精金
銀工程に送り、金銀を回収した。
【0035】脱銀後液(容量が10L:組成はCu:2
3.9g/L,As:3.67g/L,Te:2.66
g/L,Se:10.9g/L,Ag:0.01g/
L,Ni:7.2g/L,遊離H2 SO4 :100g/
L,TCl(全塩素):30mg/L)に銅粉466g
を添加した。この結果得られた還元後液は11Lであ
り、その組成はCu:42.0g/L,Te:0.1g
/L,Se:0.1g/L,遊離H2 SO4 :66g/
Lであった。この還元後液を銅電解殿物槽へ戻した。
【0036】脱銀後液に銅粉添加後の還元セレン・テル
ル泥は423gであり、組成はSe:26.9wt%,
Te:6.6wt%,C:65wt%,全SO4 :1.
5wt%であった。これにNaOH:160gを添加し
アルカリ浸出を行い、4.3Lのアルカリ浸出液(S
e:24.8g/L,Te:6.0g/L,pH≧1
2)を得た。一方、433gの浸出泥が得られ、その組
成はCu:65wt%,Se:1.5wt%,Te:
0.44wt%であり、銅を回収するために銅製錬工程
に戻した。
【0037】アルカリ浸出液(Se;24.8g/L,
Te:6.0g/L,pH≧12)にH2 SO4 :58
g(100%H2 SO4 )を添加してpH=5〜7に中
和したところ、Na2 SeO4 溶液(組成、Se:2
3.7g/L,Te:0.1g/L,pH≒694.5
Lと、二酸化テルル泥(Se:0.1wt%,Te:6
7.5wt%,Cu:0.05wt%,Sb:0.02
wt%)34.3gとに分離された。Na2 SeO4
液はセレン回収工程に、二酸化テルル泥はテルル回収工
程に送り、それぞれの有価分を回収した。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりアノ
ードスライムからの銀の回収が湿式法で可能になり、ま
た以下のような利点がもたらされた。 (イ)Ag,Se,Teを除去した後の硫酸銅溶液を直
接銅電解工程に戻すことができるので、処理効率が高く
なりかつ使用原料を削減することができる。 (ロ)また、オートクレーブ浸出液にSe,Teが高収
率で回収される。 (ハ)処理の連続化・自動化が容易であるため、金銀が
分離・精製工程に停滞する日数が大幅に短縮され、しか
も省力化が可能になる。 (ニ)アノードスライムからのSe,Teの湿式分散に
より、有害物(SeO2 ,TeO2 ,SO2 )の取扱い
がなくなり、作業環境の大幅な改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の一実施例を示すフローチャートであ
る。
【図2】加圧酸化浸出温度と浸出率の関係を示すグラフ
である。
【図3】銅粉添加によるセレンとテルルの還元速度を示
すグラフである。
【図4】セレン・テルル泥の苛性ソーダ浸出速度を示す
グラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅電解アノードスライムの湿式処理によ
    る有価物回収方法において、アノードスライムを硫酸酸
    性溶液中で液温が180℃以上かつ酸素分圧5kg/c
    2 以上の酸素富化ガスによる加圧条件下で浸出処理し
    て浸出液を得、該浸出液に塩素イオンを添加して脱銀
    し、得られる固形分をチオ硫酸ナトリウム溶液で溶解し
    た溶液から銀を電解回収するか、あるいは前記固形分と
    ソーダ灰の反応物を溶解して銀を回収するとともに、脱
    銀後の硫酸酸性浸出液に銅を添加してセレンおよびテル
    ルを回収することを特徴とする銅電解アノードスライム
    の湿式処理による有価物回収方法。
  2. 【請求項2】 銅電解アノードスライムの湿式処理によ
    る有価物回収方法において、アノードスライムを硫酸酸
    性溶液中で液温が180℃以上かつ酸素分圧5kg/c
    2 以上の酸素富化ガス加圧条件下で浸出処理して浸出
    液を得、該浸出液に塩素イオンを添加して脱銀し、得ら
    れる固形分をチオ硫酸ナトリウム溶液で溶解し、得られ
    る用役から銀を電解回収するか、あるいは前記固形分と
    ソーダ灰の反応物を溶解して銀を回収するとともに、脱
    銀後の硫酸酸性浸出液に銅を添加してセレンおよびテル
    ルを回収し、還元セレン、テルル泥を苛性ソーダ溶液中
    で常圧下で空気酸化して溶解し、この溶液を中和してテ
    ルルを固形分として回収し、セレンを溶液中に残すこと
    を特徴とする銅電解アノードスライムの湿式処理による
    有価物回収方法。
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