JPH05308076A - シリコンウエーハの酸素析出方法 - Google Patents

シリコンウエーハの酸素析出方法

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JPH05308076A
JPH05308076A JP29985092A JP29985092A JPH05308076A JP H05308076 A JPH05308076 A JP H05308076A JP 29985092 A JP29985092 A JP 29985092A JP 29985092 A JP29985092 A JP 29985092A JP H05308076 A JPH05308076 A JP H05308076A
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JP
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silicon wafer
heat treatment
hydrogen
temperature
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JP29985092A
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Inventor
Akito Hara
明人 原
Toshiro Nakanishi
俊郎 中西
Masaki Aoki
正樹 青木
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チョクラルスキー法により製造されたシリコン
ウエーハ内部に酸素を析出させるシリコンウエーハの酸
素析出方法に関し、酸素濃度が低いシリコンウエーハで
も、実用的な短い処理時間により十分な量の酸素析出物
を形成することができるシリコンウエーハの酸素析出方
法を提供することを目的とする。 【構成】シリコンウエーハを約1000〜1200℃の
温度範囲内に加熱して表層の酸素を外方に拡散する外方
拡散熱処理を行った後、約300〜600℃の温度範囲
内での低温熱処理を水素を含んだ結晶又は水素を含んだ
雰囲気中で行うようにする。この低温熱処理の後、酸素
の析出核を形成させるために約600〜900℃の熱処
理を行い、引き続き、酸素析出物を成長させるために約
900〜1100℃の高温熱処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばチョクラルスキー
法により製造されたシリコンウエーハ内部に酸素を析出
させるシリコンウエーハの酸素析出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の半導体装置用基板として用いられ
るシリコンウエーハはチョクラルスキー法による円筒状
のシリコン単結晶インゴットを輪切りにして製造され
る。インゴットから切り出されたままのシリコンウエー
ハは不純物として多量の酸素を含有するので半導体装置
用基板として用いるには、熱処理を行うことにより、シ
リコンウエーハ表層の酸素を除去すると共に、シリコン
ウエーハ内部に酸素析出物を形成し、半導体装置の製造
プロセスで混入する重金属不純物を内部の酸素析出物に
より捕獲して表層の素子活性領域に重金属不純物が混入
しないようにするイントリンシック・ゲッタリング(I
G)技術が注目されている。
【0003】従来のシリコンウエーハの酸素析出方法で
は、図1(a)に示すように、切り出されたシリコンウ
エーハに対し、約1000〜1200℃の高温に加熱し
て表層の酸素を外方に拡散した後、窒素又は酸素雰囲気
中において、酸素の析出核を形成させるために約600
〜900℃の熱処理を行い、引き続き、酸素析出物を成
長させるために約900〜1150℃の高温熱処理を行
っていた。
【0004】シリコンウエーハに形成される半導体装置
の高集積化に伴い、素子活性領域であるシリコンウエー
ハ表層のDZ(デヌーテッドゾーン)層の完全性への要
求が厳しくなっている。このDZ層内の主たる欠陥であ
り、リーク電流の原因となる酸素に起因する欠陥を減少
させるため、シリコン単結晶の酸素濃度を低下させる必
要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸素濃
度の低いシリコン単結晶の場合、従来のシリコンウエー
ハの酸素析出方法では、シリコンウエーハの内部に十分
な酸素析出物を形成することが困難となり、イントリン
シック・ゲッタリング技術を活用することができないと
いう問題があった。
【0006】このような問題を解決するために、本願発
明者は、図1(b)に示すようなシリコンウエーハの酸
素析出方法を提案した。この方法では、約1000〜1
200℃の高温に加熱して表層の酸素を外方に拡散する
外方拡散熱処理を約90分間行った後、酸素の析出核を
形成させるための約600〜900℃の熱処理の前に、
約400〜600℃の低い温度で加熱する低温熱処理を
約90分間行うことにより、その後の熱処理工程での酸
素析出核の形成を促進し、十分な酸素析出物を形成する
ようにしたものである。
【0007】しかしながら、この提案されたシリコンウ
エーハの酸素析出方法でも、酸素濃度の低いシリコン単
結晶の場合には十分ではなく、短時間の熱処理で十分な
量の酸素析出物を形成することが困難であるという問題
があった。本発明の目的は、酸素濃度が低いシリコンウ
エーハでも、短い処理時間により十分な量の酸素析出物
を形成することができるシリコンウエーハの酸素析出方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のシリコンウエー
ハの酸素析出方法では、シリコンウエーハを約1000
〜1200℃の温度範囲内に加熱して表層の酸素を外方
に拡散する外方拡散熱処理を行った後、約300〜60
0℃の温度範囲内での低温熱処理を少なくとも水素を含
んだ結晶又は水素を含んだ雰囲気中で行うようにする。
この低温熱処理の後、酸素の析出核を形成させるために
約600〜900℃の熱処理を行い、引き続き、酸素析
出物を成長させるために約900〜1150℃の高温熱
処理を行う。
【0009】また、本発明のシリコンウエーハの酸素析
出方法では、少なくとも低温熱処理工程中に結晶内に水
素が含まれていればよく、水素を添加する時期について
は低温熱処理工程以前であればいつでもよい。例えば、
外方拡散熱処理工程において水素を添加してもよい。ま
た、外方拡散熱処理工程と低温熱処理工程の間に約30
0〜1250℃の温度範囲内で水素を添加する水素添加
工程を新たに設けてもよい。さらに、低温熱処理工程の
ときに水素を添加してもよい。
【0010】
【作用】本発明によれば、酸素を外方に拡散させる外方
拡散熱処理工程の後、酸素を析出させる酸素析出熱処理
工程の前に行う低温熱処理工程を水素を含んだ結晶又は
水素を含んだ雰囲気中で行うようにしたので、酸素の析
出が促進され、酸素濃度が低いシリコンウエーハでも、
短い処理時間により十分な量の酸素析出物を形成するこ
とができる。特に、従来は酸素析出物の形成が困難であ
るとされていたn + 型シリコン単結晶ウエーハにも十分
な酸素析出物を形成することができる。また、結晶の強
度を上げることができ、幅の広いDZ層を形成すること
が可能になる。
【0011】
【実施例】[比較例1]比較例1は従来のシリコンウエ
ーハの酸素析出方法である。図1(a)に示すように、
シリコンウエーハを約1100℃の高温に加熱して表層
の酸素を外方に拡散する外方拡散熱処理を約90分間行
った後、窒素又は酸素雰囲気中において約650℃の温
度での熱処理を約360分間行った。その後、約2℃/
分、約3℃/分、又は約4℃/分の勾配で温度を上昇さ
せ、約1100℃の温度で約30分間熱処理を行い、シ
リコンウエーハ内部に酸素析出物を形成した。
【0012】比較例1のシリコンウエーハの酸素析出方
法により析出された酸素析出物の量を測定した。この測
定に当たっては、酸素析出量の差を明確にするため、約
1000℃の温度で約180分間の熱処理を追加した。
測定結果を図2に示す。図2の右下部に位置する測定点
が比較例1の場合である。全熱処理時間(180分の追
加熱処理を除く)が約615分程度で、酸素析出量は約
3.0×1017cm-3であった。
【0013】比較例1のシリコンウエーハの酸素析出方
法により製造したシリコンウエーハ(180分の追加熱
処理を除く)を強制的にFe(鉄)により汚染した場合
のゲッタリング能力を測定した。Feの表面汚染量は
3.2×1013cm-2である。CZ−As結晶(チョク
ラルスキー法により製造したままのシリコン結晶)又は
FZ−As結晶(フローティングゾーン法により製造し
たままのシリコン結晶)と従来IG結晶のFe濃度との
差がゲッタリング能力となる。
【0014】比較例1のシリコンウエーハの酸素析出方
法(従来IG)によるシリコンウエーハ(全熱処理時間
を615分にしたプロセス)におけるFe残存濃度は約
2×1013cm-3であるから、ゲッタリング能力はFe
濃度に換算して約1×1013cm-3であった。 [比較例2]比較例2は提案されているシリコンウエー
ハの酸素析出方法である。図1(b)に示すように、シ
リコンウエーハを約1100℃の高温に加熱して表層の
酸素を外方に拡散する外方拡散熱処理を約90分行った
後、窒素又は酸素の雰囲気中で約500℃の温度での低
温熱処理を行った。その後、約10℃/分の勾配で温度
を上昇させ、約700℃の温度で約30〜150分間熱
処理を行い、シリコンウエーハ内部に酸素の析出核を形
成した。その後、約2℃/分、約3℃/分、又は約4℃
/分の勾配で温度を上昇させ、約1100℃の温度で約
30分間熱処理を行い、シリコンウエーハ内部に酸素析
出物を形成した。
【0015】比較例2のシリコンウエーハの酸素析出方
法により析出された酸素析出物の量を測定した。この測
定に当たっては、酸素析出量の差を明確にするため、約
1000℃の温度で約180分間の熱処理を追加した。
測定結果を図2に示す。測定点○は、約700℃の熱処
理から約1100℃の熱処理に移行する際に約2℃/分
の温度勾配で上昇させた場合の測定点であり、測定点△
は約3℃/分の温度勾配の場合であり、測定点□は約4
℃/分の温度勾配の場合である。
【0016】図2から明らかなように、全熱処理時間
(180分の追加熱処理を除く)が増えるにしたがって
酸素析出量は上昇するが、全熱処理時間が約450分程
度のところで酸素析出量が飽和している。比較例1に比
べて短い時間で酸素析出量が上昇しているが、依然とし
て全熱処理時間を長く必要としている。比較例2のシリ
コンウエーハの酸素析出方法により製造したシリコンウ
エーハ(180分の追加熱処理を除く)を強制的にFe
(鉄)により汚染した場合のゲッタリング能力を測定し
た。Feの表面汚染量は3.2×1013cm-2である。
CZ−As結晶とFZ−As結晶のFe濃度(約3×1
14cm-3)と低温IGのFe濃度の差がゲッタリング
能力となる。
【0017】比較例2のシリコンウエーハの酸素析出方
法(全熱処理時間を615分にしたプロセス)によるシ
リコンウエーハにおけるFe残存濃度は約7×1013
-3であるから、ゲッタリング能力はFe濃度に換算し
て約2×1014cm-3であった。比較例1に比べてゲッ
タリング能力はFe濃度に換算して上昇しているが、全
熱処理時間が約615分と長時間を必要としている。 [実施例1]本発明の基礎的な効果を確認するために、
図4に示すような3種類のプロセスにより試料を作成し
た。
【0018】第1のプロセスでは、ウエーハに対して前
処理を行わずに700℃で20時間熱処理し、続いて1
000℃で10時間熱処理する。従来IGのプロセスで
ある。第2のプロセスでは、ウエーハに対して425℃
又は454℃又は500℃で60分間の熱処理を加えた
後に、700℃で20時間熱処理し、続いて1000℃
で10時間熱処理する。低温IGのプロセスである。
【0019】第3のプロセスでは、ウエーハに対して1
200℃で25分間の水素雰囲気での熱処理により結晶
内に水素をドープする。その後、急冷処理により結晶内
に水素を凍結する。その後、425℃又は454℃又は
500℃で60分間の熱処理を加えた後に、700℃で
20時間熱処理し、続いて1000℃で10時間熱処理
する。水素低温IGのプロセスである。
【0020】図5に示すように、水素低温IGでは酸素
の析出量が非常に多い。この効果は水素が結晶内に存在
することにより生じる。このことは、425℃又は45
4℃又は500℃で60分間の熱処理を加えた後のサー
マルドナー濃度を比較するとわかる。図6に熱処理温度
とサーマルドナー濃度の関係を示す。水素をドープした
結晶ではサーマルドナーが水素を含まない結晶に比較し
て多量に形成されていることがわかる。この現象は酸素
の増速拡散の結果生じることが知られている。したがっ
て、本方法により結晶内に水素がドープされていること
が確認された。
【0021】上述した現象を考慮して、実用的な図1
(c)のような実施例のプロセスにより効果を調べた。
本実施例のシリコンウエーハの酸素析出方法は、図1
(c)に示すように、シリコンウエーハを約1100℃
の高温に加熱して表層の酸素を外方に拡散する外方拡散
熱処理を窒素と水素を1:1の体積比で混合した雰囲気
中で約90分行った後、窒素又は酸素の雰囲気中での熱
処理に切り換え、約500℃の温度での低温熱処理を行
った。その後、約10℃/分の勾配で温度を上昇させ、
約700℃の温度で約30〜150分間熱処理を行い、
シリコンウエーハ内部に酸素の析出核を形成した。その
後、約2℃/分、約3℃/分、又は約4℃/分の勾配で
温度を上昇させ、約1100℃の温度で約30分間熱処
理を行い、シリコンウエーハ内部に酸素析出物を形成し
た。
【0022】本実施例のシリコンウエーハの酸素析出方
法により析出された酸素析出物の量を測定した。この測
定に当たっては、酸素析出量の差を明確にするため、約
1000℃の温度で約180分間の熱処理を追加してい
る。測定結果を図2に示す。測定点●は、約700℃の
熱処理から約1100℃の熱処理に移行する際に約2℃
/分の温度勾配で上昇させた場合の測定点であり、測定
点▲は約3℃/分の温度勾配の場合であり、測定点■は
約4℃/分の温度勾配の場合である。
【0023】図2から明らかなように、全熱処理時間
(180分の追加熱処理を除く)が増えるにしたがって
酸素析出量は上昇するが、全熱処理時間が約300分程
度のところで酸素析出量が飽和している。比較例1と比
較して酸素析出量が飛躍的に上昇しており、さらに、比
較例2と比較して全熱処理時間が短縮されていることが
わかる。
【0024】本実施例のシリコンウエーハの酸素析出方
法により製造したシリコンウエーハ(180分の追加熱
処理を除く)を強制的にFe(鉄)により汚染した場合
のゲッタリング能力を測定した。Feの汚染量は3.2
×1013cm-2である。CZ−As結晶とFZ−As結
晶のFe濃度(約3×1014cm-3)と水素低温IGの
Fe濃度の差がゲッタリング能力となる。
【0025】本実施例のシリコンウエーハの酸素析出方
法(全熱処理時間を360分にしたプロセス)によるシ
リコンウエーハにおけるFe残存濃度は約5×1013
-3であるから、ゲッタリング能力はFe濃度に換算し
て約2.5×1014cm-3であった。比較例1に比べて
ゲッタリング能力は飛躍的に上昇した比較例2よりも、
ゲッタリング能力が更に上昇している。しかも、全熱処
理時間が約360分と飛躍的に短縮されている。
【0026】なお、本実施例において水素をドープする
代わりに重水素又は三重水素又はヘリウムをドープして
も同様である。 [実施例2]本発明による方法を用いることにより、幅
の広いDZ層を形成することが可能になり、結晶強度の
大きなウエーハを製造することが可能である。実施例を
以下に示す。
【0027】本実施例では酸素の外方拡散処理は行って
いない。ウエーハの厚さは1mmである。ウエーハに対
して1200℃で25分間の水素雰囲気での熱処理によ
り結晶内に水素をドープした後、結晶を2℃/分の温度
勾配で600℃まで冷却する。水素は拡散係数が大きい
ために冷却中に結晶表面から外方拡散する。この効果を
利用することにより、図7(a)に示すように、ウエー
ハの内部のみに水素を凍結させることができる。
【0028】図5から明らかなように、425℃の熱処
理では水素を含んでいない結晶では酸素の析出が生じて
いない。このため、水素が外方拡散して水素濃度が低く
なっているウエーハ表面の領域では酸素の析出が生じな
いが、ウエーハ内部の水素の残存している領域では酸素
の析出が生じる。このため、図7(b)に示すように、
内部のみに酸素が析出した幅の広いDZ層が形成された
ウエーハが製造される。一方、通常のIGウエーハで
は、図7(c)に示すように、ウエーハ全体に酸素が析
出している。
【0029】図7(b)に示すように、内部のみに酸素
が析出しているウエーハでは、残存している格子間酸素
の濃度を多いために結晶の強度の増大が期待される。こ
の効果を確認した結果を図8に示す。欠陥部分の微小欠
陥密度が同じになるように、水素低温IGでの425℃
で60分の熱処理の後の700℃で20時間の熱処理と
1000℃で10時間の熱処理に対し、水素をドープし
ていない結晶では、425℃で60分の熱処理の後、7
00℃で20時間の熱処理と1000℃で15時間の熱
処理を加えている。
【0030】4インチウエーハの表面にダイヤモンドペ
ンでスクラッチを入れ、その後、1100℃の温度雰囲
気に毎分5cmの速度でウエーハを挿入した後、110
0℃の温度雰囲気から毎分5cmの速度でウエーハを引
き出し、この挿入・引き出しを10回繰り返した。スク
ラッチから発生した転位の分布を図8に示す。図8
(a)が実施例の水素低温IGの場合であり、図8
(b)が低温IGの場合である。本実施例の水素低温I
Gでは低温IGよりも転位領域が狭く結晶の強度が強く
なったことを示している。
【0031】なお、本実施例においても水素をドープす
る代わりに重水素又は三重水素又はヘリウムをドープし
ても同様である。 [実施例3]本実施例のシリコンウエーハの酸素析出方
法を図9(a)及び図10を用いて説明する。
【0032】まず、シリコンウエーハを約1100℃の
高温に加熱して表層の酸素を外方に拡散する外方拡散熱
処理を窒素雰囲気中で約90分行った後、図10に示す
ように、シリコンウエーハの素子形成面の反対側の面か
ら水素又は重水素又は三重水素をイオン注入することに
より添加する。その後、窒素又は酸素の雰囲気中での熱
処理に切り換え、約500℃の温度での低温熱処理を行
った。その後、約10℃/分の勾配で温度を上昇させ、
約700℃の温度で約30〜150分間熱処理を行い、
シリコンウエーハ内部に酸素の析出核を形成した。その
後、約2℃/分、約3℃/分、又は約4℃/分の勾配で
温度を上昇させ、約1100℃の温度で約30分間熱処
理を行い、シリコンウエーハ内部に酸素析出物を形成し
た。
【0033】本実施例では、シリコンウエーハの素子形
成面の反対側の面から、図10(a)に示すように、水
素又は重水素又は三重水素をイオン注入した結果、図1
0(b)に示すように、シリコンウエーハの素子形成面
の反対側の面の表面近傍のみに水素原子又は分子を凍結
させることができる。したがって、酸素析出処理を行っ
た結果、図10(c)に示すように、シリコンウエーハ
の素子形成面の反対側の面の表面近傍のみに酸素の析出
核が形成された。
【0034】なお、本実施例において水素、重水素又は
三重水素をドープする代わりにヘリウムをドープしても
同様である。 [実施例4]本実施例のシリコンウエーハの酸素析出方
法を図9(b)及び図11を用いて説明する。
【0035】まず、シリコンウエーハを約1100℃の
高温に加熱して表層の酸素を外方に拡散する外方拡散熱
処理を窒素雰囲気中で約90分行った後、図11に示す
ように、水素又は重水素又は三重水素のプラズマにより
シリコンウエーハの素子形成面の反対側の面から水素を
添加する。その後、窒素又は酸素の雰囲気中での熱処理
に切り換え、約500℃の温度での低温熱処理を行っ
た。その後、約10℃/分の勾配で温度を上昇させ、約
700℃の温度で約30〜150分間熱処理を行い、シ
リコンウエーハ内部に酸素の析出核を形成した。その
後、約2℃/分、約3℃/分、又は約4℃/分の勾配で
温度を上昇させ、約1100℃の温度で約30分間熱処
理を行い、シリコンウエーハ内部に酸素析出物を形成し
た。
【0036】本実施例では、図11(a)に示すよう
に、シリコンウエーハの素子形成面をシリコン酸化膜、
シリコン窒化膜等の保護膜により覆いながら、水素又は
重水素又は三重水素のプラズマ雰囲気中に載置する。保
護膜に覆われていないシリコンウエーハの素子形成面の
反対側の面から水素が添加される。その結果、図11
(b)に示すように、シリコンウエーハの素子形成面の
反対側の面の表面近傍のみに水素原子又は分子を凍結さ
せることができる。したがって、酸素析出処理を行った
結果、図11(c)に示すように、シリコンウエーハの
素子形成面の反対側の面の表面近傍のみに酸素の析出核
が形成された。
【0037】なお、本実施例において水素、重水素又は
三重水素をドープする代わりにヘリウムをドープしても
同様である。
【0038】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、酸素を外
方に拡散させる外方拡散熱処理工程の後、酸素を析出さ
せる酸素析出熱処理工程の前に行う低温熱処理工程を水
素を含んだ結晶又は水素を含んだ雰囲気中で行うように
したので、酸素の析出が促進され、酸素濃度が低いシリ
コンウエーハでも、実用的な短い処理時間により十分な
量の酸素析出物を形成することができる。特に、従来は
酸素析出物の形成が困難であるとされていたn+ 型シリ
コン単結晶ウエーハにも十分な酸素析出物を形成するこ
とができる。また、本発明によれば、酸素析出熱処理工
程に必要な時間を大幅に短縮することができるので生産
性を飛躍的に向上させることができる。また、本発明に
よる方法を用いることにより、結晶強度の大きなウエー
ハを製造することが可能である。また、幅の広いDZ層
を形成させることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法の熱
処理プロセス(比較例1、比較例2、実施例1)を示す
図である。
【図2】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法によ
る全熱処理時間と酸素析出量の関係を示すグラフであ
る。
【図3】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法によ
り処理されたシリコンウエーハのFeゲッタリング能力
を示すグラフである。
【図4】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法の熱
処理プロセスを示す図である。
【図5】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法によ
り処理されたシリコンウエーハの熱処理温度と酸素析出
量の関係を示すグラフである。
【図6】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法によ
り処理されたシリコンウエーハの熱処理温度とサーマル
ドナー濃度の関係を示すグラフである。
【図7】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法(実
施例1)により処理されたシリコンウエーハ内の水素濃
度分布及び欠陥密度分布を示す図である。
【図8】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法によ
り処理されたシリコンウエーハの結晶強度を説明するた
めの図である。
【図9】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法の熱
処理プロセス(実施例3、実施例4)を示す図である。
【図10】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法
(実施例3)により処理されたシリコンウエーハ内の水
素濃度分布及び欠陥密度分布を示す図である。
【図11】本発明のシリコンウエーハの酸素析出方法
(実施例4)により処理されたシリコンウエーハ内の水
素濃度分布及び欠陥密度分布を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンウエーハを加熱して表層に含有
    する酸素を外方に拡散させる外方拡散熱処理工程と、前
    記シリコンウエーハを300〜600℃の低い温度で加
    熱する低温熱処理工程と、前記シリコンウエーハを60
    0〜1150℃の温度範囲内で加熱して酸素を析出させ
    る酸素析出熱処理工程とを有し、前記シリコンウエーハ
    内部に酸素を析出させるシリコンウエーハの酸素析出方
    法において、 前記低温熱処理工程を、水素を含んだ結晶又は水素を含
    んだ雰囲気中で行うことを特徴とするシリコンウエーハ
    の酸素析出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリコンウエーハの酸素
    析出方法において、 前記外方拡散熱処理工程において水素を添加することを
    特徴とするシリコンウエーハの酸素析出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシリコンウエーハの酸素
    析出方法において、 前記外方拡散熱処理工程と前記低温熱処理工程の間に、
    300〜1250℃の温度範囲内で水素を添加する水素
    添加工程を設けたことを特徴とするシリコンウエーハの
    酸素析出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のシリコンウエーハの酸素
    析出方法において、 前記低温熱処理工程において水素を添加することを特徴
    とするシリコンウエーハの酸素析出方法。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれかに記載のシリ
    コンウエーハの酸素析出方法において、 前記シリコンウエーハの素子形成面の反対側の面からの
    み水素を添加することを特徴とするシリコンウエーハの
    酸素析出方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のシリコンウエーハの酸素
    析出方法において、 前記シリコンウエーハの素子形成面の反対側の面にのみ
    水素をイオン注入することにより水素を添加することを
    特徴とするシリコンウエーハの酸素析出方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のシリコンウエーハの酸素
    析出方法において、 前記シリコンウエーハの素子形成面を保護膜により覆い
    ながら水素のプラズマ中で処理することにより前記素子
    形成面の反対側のみに水素を添加することを特徴とする
    シリコンウエーハの酸素析出方法。
  8. 【請求項8】 請求項2乃至7のいずれかに記載のシリ
    コンウエーハの酸素析出方法において、 水素の代わりに、重水素又は三重水素を添加することを
    特徴とするシリコンウエーハの酸素析出方法。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至7のいずれかに記載のシリ
    コンウエーハの酸素析出方法において、 水素の代わりに、ヘリウムを添加することを特徴とする
    シリコンウエーハの酸素析出方法。
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