JPH0525947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、セレクトレバーとシフトレバーとを
別個に有する変速機の操作機構に関する。

〔従来の技術〕

一般に、変速機操作用の操作レバーと変速機と
が離れた位置にある車両においては、操作レバー
の相直交するシフト動作とセレクト動作とを無理
なくかつ確実に変速機に伝達するため、セレクト
レバーとシフトレバーからなる２つの変速レバー
を有する変速機が用いられている。この変速機の
減速比を切り換えるには、操作レバーのセレクト
方向およびシフト方向への回動に応じ、セレクト
ロツドを含むセレクト系リンク機構とシフトロツ
ドを含むシフト系リンク機構を介して変速機のセ
レクトレバーおよびシフトレバーをそれぞれ駆動
することにより行われている。

第６図は、このような変速機の従来の一例を示
している。第６図において、クランク状をなす操
作レバー１の中間部は、円筒状ブツシユ３の空間
部内においてピン２により枢着され、かつ円筒状
ブツシユ３は軸受４に回転自在に支持されてい
る。操作レバー１の下端に設けられた図示しない
球状部は、作動軸５の一端に形成された折曲部に
固着されている円筒部６内に遊嵌されている。こ
の作動軸５は、円筒状ブツシユからなる１対の軸
受７，８により回転自在かつスライド自在に支持
されている。

軸受９に枢着されたベルクランク１１の一端に
設けられた球状部１２は、作動軸５の他端に設け
られたＵ字状をなす結合部５ａに嵌合している。
変速機１３には、セレクトレバー１４およびシフ
トレバー１５が配設されており、セレクトレバー
１４はセレクトロツド１６を介してベルクランク
１１の他端に、そしてシフトレバー１５はシフト
ロツド１７を介し作動軸５に基部を固着されたレ
バー１８にそれぞれ連結されている。

操作レバー１をＸ−Ｘで示すセレクト方向に回
動すると、これに連動して作動軸５が軸方向に直
線運動し、さらにベルクランク１１およびセレク
トロツド１６を介してセレクトレバー１４に伝達
される。また、操作レバー１をＹ−Ｙで示すシフ
ト方向に回動させると、作動軸５およびレバー１
８が矢印で示すように回動し、さらにシフトロツ
ド１７を介してシフトレバー１５に伝達される。
このように、操作レバー１のセレクト方向および
シフト方向への操作により、作動軸５がスライド
および回動して、変速機１３のセレクトおよびシ
フトを行わせている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述した従来の変速機の操作機構においては、
変速機のセレクトおよびシフトを行うときにスラ
イドおよび回動してセレクトおよびシフトを行わ
せる作動軸５は、１対の円筒状ブツシユ７，８に
より両端を２点支持して車体に取り付けられてい
たので、車体への取り付け精度を高くしなければ
ならなかつた。すなわち、車体側への円筒状ブツ
シユ７，８の取り付け位置等のバラツキ等により
円筒状ブツシユ７，８の軸線の位置および向きに
誤差が生じて作動軸５の動作時にこじりが発生
し、操作レバー１の操作力が重くなるという問題
があつた。

本考案の目的は、操作レバーのシフト方向への
操作時に回動するシフト回転軸の支持部に改良を
施して上述の欠点を解消した変速機の操作機構を
提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の変速機の操作機構は、両端を前後シフ
ト方向に回転自在に枢支部を介して枢支されたシ
フト回転軸と、このシフト回転軸の回転に連動し
て直線移動し変速機のシフトレバーを回動させる
シフトロツドと、前記シフト回転軸に直交して固
定されたセレクト軸に左右セレクト方向に回転自
在に基部を枢着された操作レバーと、この操作レ
バーの下端に枢支部を介して一端を連結され、前
記操作レバーの左右セレクト方向回転を左右直線
運動に変換する第１セレクトロツドと、この第１
セレクトロツドの他端に自由端が連結された第１
腕およびこの第１腕と90°をなす第２腕を支軸を
介して一体化してなる連結部材と、前記連結部材
の第２腕の自由端に一端が連結され、第１セレク
トロツドの左右への直線運動に連動して前後動
し、変速機のセレクトアームを押動させる第２セ
レクトロツドを備えてなる変速機の操作機構にお
いて、前記シフト回転軸の両端の枢支部を、ボー
ルジヨイントで構成したことを特徴としている。

〔作用〕

本考案の変速機の操作機構では、操作レバーの
前後シフト方向への操作とともに回動するシフト
回転軸の両端を支持する枢支部を、ボールジヨイ
ントにより構成することにより、車体へのシフト
回転軸の取り付け時に、その枢支部の位置のｘ，
ｙ，ｚ方向のいずれのバラツキにも対応すること
が可能となつて、車体側のシフト回転軸取り付け
位置のばらつきに関係なく、シフト回転軸の一定
の性能を確保することができる。

〔実施例〕

第１図ないし第３図において、左右方向を向い
ているシフト回転軸２１は、大径軸２１ａの一端
に板２２を介して管状の小径軸２１ｂを固着した
ものからなつている。この小径軸２１ｂの端部
は、ブラケツト２３内の取り付け板２４に後述す
るボールジヨイント２５を介して装着されてい
る。

また大径軸２１ａの他端には短腕２６の基部が
固着されており、この短腕２６はブラケツト２７
内の側面２７ａに後述するボールジヨイント２８
を介して装着されている。上記短腕２６の自由端
には、シフトロツド２９の一端が連結されてい
る。なお、シフト回転軸２１は、両端を短腕２６
に固植されたピン３１とブラケツト２７にそれぞ
れ係止された引張ばね３２の弾力により、矢印３
３方向へ付勢されている。

シフト回転軸２１の一端部には、第３図に示す
ようにシフト回転軸２１と直交しているセレクト
軸３４が支持部材３５を介して固着されている。
操作レバー３６の下端には、１対の腕部を有する
ヨーク３７が固着されており、このヨーク３７
は、その両腕部間に挿入された上記セレクト軸３
４にピン３８により回動自在に装着されている。
操作レバー３６は、両端を上記支持部材３５とヨ
ーク３７にそれぞれ係止された捩りばね３９の弾
力により第１図において矢印４１方向に付勢され
ている。

ヨーク３７の一方の腕部材３７ａには第１セレ
クトロツド４２の一端が装着され、その他端は、
連結部材４３の第１腕４４の自由端に装着されて
いる。連結部材４３は、第５図に示すように上部
に上記第１腕４４を固着された管状の支軸４５
と、第１腕４４に対し90°の向きにあつて支軸４
５の下部に基部を固着された第２腕４６とからな
つており、この連結部材４３は、支軸４５を貫通
するピン４７により前記ブラケツト２３に枢着さ
れている。上記第２腕４６の自由端には、第２セ
レクトロツド４８の一端が連結されている。

第２図および第３図において、前記ボールジヨ
イント２５は、ねじ５１を有する球体５２と、基
部を小径軸２１ｂに固嵌されていて上記球体５２
が嵌合している軸受５３等からなつている。球体
５２のねじ５１は、ナツト５４により取り付け板
２４に固着されている。他方のボールジヨイント
２８は、短腕２６に基部を固着された球体５５
と、この球体５５が嵌合し、ブラケツト２７の内
側壁２７ａに固着された軸受５６とからなつてい
る。

このようにシフト回転軸２１の一端にボールジ
ヨイント２５の軸受５３を装着し、かつ他端には
ボールジヨイント２８の球体５５を配設してなる
両ボールジヨイント２５，２８によりシフト回転
軸２１を車体に装着することにより、各ボールジ
ヨイント２５，２８の車体側での取り付け誤差が
生じていてもシフト回転軸２１は上下、左右方向
のバラツキに対応できてシフト回転軸２１の動作
は一定の性能が確保されている。

第４図はシフト回転軸２１に取り付けられるボ
ールジヨイントの変形例を示している。ボールジ
ヨイント６１の基部６１ａは、シフト回転軸２１
に基部を固着されたねじ６２に螺合しナツト６３
により固定されている。ボールジヨイント６１を
適宜回動させてこれを小径軸２１ｂに対し進退さ
せることにより、両ボールジヨイント６１，２８
間の距離が調整されて、シフト回転軸２１の車体
への取り付けをさらに容易にすることができる。

前記シフトロツド２９は後述するシフト系リンク
機構７１を介して変速機７２のシフトレバー７３
に、そして上記第２セレクトロツド４８は、後述
するセレクト系リンク機構７４を介して変速機７
２のセレクトレバー７５にそれぞれ接続されてい
る。

セレクト系リンク機構７４は、上記第２セレク
トロツド４８と、車両フレームの左側前部に軸支
され、前記第２セレクトロツド４８の下端と連結
されているベルクランク７５と、このベルクラン
ク７５の他端に連結された第３セレクトロツド７
６と、ブラケツト７７に支承された第４セレクト
ロツド７８と、この第４セレクトロツド７８の他
端に連結されたベルクランク７９とで構成されて
いる。そして、このベルクランク７９にロツド８
１を介して前記セレクトレバー７５が連結されて
いる。

シフト系リンク機構７１は、上記シフトロツド
２９と、車両フレームの右側前部に支承されてい
るベルクランク８２と、このベルクランク８２に
一端が連結された第２シフトロツド８３と、ブラ
ケツト８４に連結された第３シフトロツド８５
と、この第３シフトロツド８５に一端が連結され
たギア外れ防止機構８６と、ギア外れ防止機構８
６に連結された第４シフトロツド８７とから構成
されている。そして、第４シフトロツド８７に前
記シフトレバー７３が連結されている。

このように構成された操作機構において、操作
レバー３６をＸ−Ｘで示すセレクト方向に回動さ
せると、第１セレクトロツド４２が左右方向に移
動して連結部材４３の第１腕４４および第２腕４
６をピン７４の周りに回動させる。この回動に連
動し第２セレクトロツド４８を矢印方向に直線運
動し、セレクト系リンク機構７４を介して変速機
７２のセレクトレバー７５を左右方向に移動させ
て変速機７２のセレクト操作が行われる。

次に操作レバー３６をＹ−Ｙで示すシフト方向
に回動させると、シフト回転軸２１およびこれと
一体の短腕２６が矢印方向に回動し、さらに短腕
２６を介してシフトロツド２９が矢印方向に直線
運動し、シフト系リンク機構７１を介して変速機
７２のシフトレバー７３を回転させる。このシフ
トレバー７３の回転により変速機７２のシフト操
作が行われる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、操作レバ
ーの前後シフト方向へ操作により回動するシフト
回転軸の両端を枢支部により車体に装着するに際
し、上記両枢支部をボールジヨイントで構成する
ことにより、シフト回転軸は任意の方向のバラツ
キに対応できて、車体側のボールジヨイントの取
り付け部のバラツキに関係なくシフト回転軸の性
能を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案は、本考案が適用された変速機
の操作機構の一例を示す斜視図、第２図は本考案
の一実施例を示す一部を破断した正面図、第３図
はシフト回転軸の操作レバー側端部の縦断面図、
第４図はボールジヨイントの変形例を示す正面
図、第５図は連結部材の斜視図、第６図は従来の
変速機の操作機構の一例を示す斜視図である。 ２１……シフト軸、２５……ボールジヨイン
ト、２８……ボールジヨイント、２９……シフト
ロツド、４２……第１セレクトロツド、４３……
連結部材、４４……第１腕、４５……支軸、４６
……第２腕、４８……第２セレクトロツド、６１
……ボールジヨイント、７１……シフト系リンク
機構、７２……変速機、７３……シフトレバー、
７４……セレクト系リンク機構、７５……セレク
トレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端を前後シフト方向に回転自在に枢支部を介
   して枢支されたシフト回転軸と、このシフト回転
   軸の回転に連動して直線移動し変速機のシフトレ
   バーを回動させるシフトロツドと、前記シフト回
   転軸に直交して固定されたセレクト軸に左右セレ
   クト方向に回転自在に基部を枢着された操作レバ
   ーと、この操作レバーの下端に枢支部を介して一
   端を連結され、前記操作レバーの左右セレクト方
   向回転を左右直線運動に変換する第１セレクトロ
   ツドと、この第１セレクトロツドの他端に自由端
   が連結された第１腕およびこの第１腕と90°をな
   す第２腕を支軸を介して一体化してなる連結部材
   と、前記連結部材の第２腕の自由端に一端が連結
   され、第１セレクトロツドの左右への直線運動に
   連動して前後動し、変速機のセレクトアームを押
   動させる第２セレクトロツドを備えてなる変速機
   の操作機構において、前記シフト回転軸の両端の
   枢支部を、ボールジヨイントで構成したことを特
   徴とする変速機の操作機構。