JPH05227873A - パンの製造法 - Google Patents

パンの製造法

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JPH05227873A
JPH05227873A JP7351492A JP7351492A JPH05227873A JP H05227873 A JPH05227873 A JP H05227873A JP 7351492 A JP7351492 A JP 7351492A JP 7351492 A JP7351492 A JP 7351492A JP H05227873 A JPH05227873 A JP H05227873A
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water
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oil
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Hideo Maeda
秀夫 前田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性の低下、ソフトさや、食感(口ど
け)、風味の低下が伴うことなく、特にしっとり感が改
良されたパンが得られる、パンの製造法を提供する。 【構成】 パン原料成分として添加される全糖量の20
〜90重量%の糖を含有する水相と、上昇融点30℃以
下のグリセリンジ脂肪酸エステルを10重量%以上及び
レシチンまたは/及びレシチン誘導体を0.1重量%以
上含有する油相とが、油相:水相=1:0.1〜9の比
率(重量比)で混合されてなる油中水型乳化組成物を、
小麦粉100重量部当り1〜50重量部添加混合してパ
ン生地を調製した後、発酵及び焼成を行うパンの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パンの製造法に関す
る。更に詳しくは、本発明は、特定の油中水型乳化組成
物を練り込み用の油脂として使用するパンの製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】パンは、主成分とする小麦粉に、イース
ト、食塩及び水からなる配合で作ることができるが、近
年では、上記の基本配合に、更に油脂類、糖類、乳製品
等が配合された様々な種類のパンが提供されている。一
般に、油脂類、糖類が原料成分として配合されると、パ
ンに柔らかさが付与されると共に、しっとり感、口どけ
などの食感や、風味も改良されて、所謂おいしいパンが
得られる。特に油脂類を添加することによるパンの品質
に与える影響は大きいといえる。油脂類としては、ショ
ートニングはもとより、最近では、乳化剤(例グリセリ
ンジ脂肪酸エステル、レシチン、シュガーエステル等)
を油脂類に分散させたショートニングやマーガリン(油
中水型(W/O)乳化物)も種々提案されている。ま
た、マーガリンのような油中水型乳化物においては、パ
ン生地の仕込み時に、含有される水分によって生地のベ
タつきが生じる傾向にあり、これにより作業性が低下
(機械耐性が低下)するという問題があった。そこで、
このような問題を改良する目的で、ポリグリセリン縮合
リシノレイン酸エステルを特定量含有する練り込み用油
中水型乳化物も提案されている(特開昭61−1564
0号公報)。また更に、上記油中水型乳化物を、特に風
味、食感の点で改良したものとして、グリセリンジ脂肪
酸エステルと、レシチン及び/またはレシチン誘導体か
らなる油相が水相に対して特定の割合で混合されてなる
油中水型乳化物も提案されている(特開昭64−252
3号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記のよ
うな練り込み用油脂について更に検討した。その結果、
上記特開昭64−2523号公報に記載の油脂組成物を
使用すると、作業性が改良されると共に、ソフトさや、
食感(口どけ)、風味が更に改良されたパンが得られる
が、しっとり感(食感)においては、更に改良の余地が
あった。しっとり感を改良する目的で、生地への加水量
を増やすことが考えられるが、このようにすると、上記
作業性、パンのソフトさや、食感(口どけ)、風味が低
下し易かった。本発明の目的は、上記作業性の低下、ソ
フトさや、食感(口どけ)、風味の低下が伴うことな
く、特にしっとり感が改良されたパンが得られる、パン
の製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記特開昭
64−2523号公報に記載の油脂組成物において、生
地練り込み時に添加する糖の一部を水相中に特定量添加
することによって、目的とするパンが得られることを見
い出し、本発明を完成させた。本発明は、パン原料成分
として添加される全糖量の20〜90重量%の糖を含有
する水相と、上昇融点30℃以下のグリセリンジ脂肪酸
エステルを10重量%以上及びレシチンまたは/及びレ
シチン誘導体を0.1重量%以上含有する油相とが、油
相:水相=1:0.1〜9の比率(重量比)で混合され
てなる油中水型乳化組成物を、小麦粉100重量部当り
1〜50重量部添加混合してパン生地を調製した後、常
法に従って発酵及び焼成を行うパンの製造法にある。
【0005】以下に、本発明の好ましい態様を記載す
る。 (1)前記水相が、パン原料成分として添加される全糖
量の30〜80重量%の糖を含有する。 (2)前記水相中の糖含量が、油中水型乳化組成物中に
10〜50重量%の範囲にある。 (3)水相中の糖の濃度が40重量%以上である。
【0006】[発明の詳細な記述]以下に、本発明のパ
ンの製造法について詳細に説明する。
【0007】まず、本発明のパンの製造法で使用される
油中水型乳化組成物について説明する。上記油中水型乳
化組成物は、パン原料成分として添加される全糖量の2
0〜90重量%の糖を含有する水相と、上昇融点30℃
以下のグリセリンジ脂肪酸エステルを10重量%以上及
びレシチンまたは/及びレシチン誘導体を0.1重量%
以上含有する油相とが、油相:水相=1:0.1〜9の
比率(重量比)で混合乳化されてなるものである。
【0008】上記上昇融点30℃以下のグリセリンジ脂
肪酸エステルとは、グリセリンの一位及び三位の水酸
基、または一位及び二位の水酸基と脂肪酸とがエステル
化したものであり、環境温度(10〜30℃)の範囲で
液状または半固体形状であるジグリセリドである。この
ようなグリセリンジ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸
は、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸であることが好ま
しい。上昇融点30℃以下のグリセリンジ脂肪酸エステ
ルは、不飽和脂肪酸レベルの高い脂肪酸組成物とグリセ
リンとをエステル化する方法、または不飽和脂肪酸残基
のレベルの高い油脂、例えば、椰子油、パーム核油、乳
脂、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、ナタネ油、ハ
イエルシンナタネ油、パーム油、大豆油、コーン油、ラ
ード、牛脂、魚油、鯨油及びこれらの硬化油、分別油、
ランダム化油などから選ばれた一種以上の油脂と、グリ
セリンとの混合物をアルカリ金属または/及びアルカリ
土類金属の水酸化物の存在下でエステル交換反応する方
法によって得られる。これらの方法で得られたグリセリ
ン脂肪酸エステル含有物中のグリセリンジ脂肪酸エステ
ル含量を増加させるためには分子蒸留法またはケイ酸カ
ラムクロマトグラフィー法が用いられる。上昇融点30
℃を越えるグリセリンジ脂肪酸エステルは、乳化安定性
には余り寄与せず、本目的のためには不十分である。本
発明に用いる油中水型乳化組成物の製造に用いられるグ
リセリンジ脂肪酸エステル量は、油相中に10重量%以
上、好ましくは20重量%以上が好ましい。10重量%
未満では、乳化不安定になり、特に、長期間保存あるい
は高温での水相の分離、オイルオフ(油分離)などを生
じる。グリセリンモノ脂肪酸エステルは、油相中10重
量%を越える時には、グリセリンモノ脂肪酸エステルと
水との相互作用によると考えられるゲル構造を呈してく
るために、油中水型乳化物の保存安定性、特に、低温に
おける保存中でのゲル粒子の形成、組織の不均一化が生
じ、好ましくない。従って、グリセリンジ脂肪酸エステ
ルを主体とする反応生成物中に形成された過剰のグリセ
リンモノ脂肪酸エステルは、分子蒸留法またはケイ酸カ
ラムクロマトグラフィー法によりできるだけ多く除去す
ることが好ましい。
【0009】本発明で使用する油中水型乳化組成物の製
造に用いられるレシチンは、フォスファチジルコリン、
フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジル
イノシトール、フォスファチジン酸等よりなるリン脂質
混合物であって、大豆あるいは卵黄等から得られるレシ
チンが代表的である。また、レシチン誘導体としては、
リゾレシチン、リゾフォスファチジン酸などが挙げられ
る。レシチンまたは/及びレシチン誘導体の配合量は、
油相中に0.1重量%以上、好ましくは、0.5〜20
重量%である。なお、レシチンまたは/及びレシチン誘
導体の配合量は、アセトン不要分としての量であり、ア
セトン不溶分とは純レシチン分を規定するものであり、
食品添加物公定書に記載されたレシチン分の規定に準ず
る。
【0010】本発明で用いる油中水型乳化組成物の水相
中に含まれている糖としては、例えば、砂糖、麦芽糖、
乳糖、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、水飴、異性化
糖、転化糖、プルランなどの糖類、ソルビトール、マル
チトール、キシリトールなどの糖アルコール類、澱粉加
水分解物などの還元糖類、及び澱粉、デキストラン、グ
リコーゲン、セルロース、デキストリン、イヌリン、ガ
ラクタン、キチン、アルギン酸、ペクチンなどの多糖類
を挙げることができる。これらは、一種または二種以上
を使用できる。上記の中では、二糖類以上の糖類及び糖
アルコール類が好ましい。上記の糖は、水相中に、パン
の製造に使用される全糖量の20〜90重量%含まれて
いる。好ましくは、全糖量の30〜80重量%である。
また、水相中の糖濃度は、10%重量以上であることが
好ましく、更に好ましくは、40重量%以上であり、特
に、60重量%以上、75重量%以下である。更に、水
相中の糖含量は、油中水型乳化組成物中に10〜50重
量%の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、2
0〜40重量%の範囲である。なお、パンの製造におい
て添加される糖の量は、パンの種類によって異なるが、
一般に、小麦粉100重量部に対して、1〜50重量部
の範囲が適当である。
【0011】本発明で使用する油中水型乳化組成物の水
相には、上記の糖の他、目的に応じて、例えば、乳成分
(例、脱脂粉乳)、無機塩類、着香料、酸類呈味剤等を
含ませることができる。また、これらは、油相中に含ま
せても良い。
【0012】本発明で使用する油中水型乳化組成物は、
上記のグリセリンジ脂肪酸エステル及びレシチンまたは
/及びレシチン誘導体をそれぞれ特定量づつ混合してな
る油性液体、及び前記糖を含有する水性液体をそれぞれ
調製し、これらを特定の割合で乳化混合することによ
り、製造することができる。水性液体と油性液体との混
合比(重量比)は、油中水型乳化組成物の油相が1に対
して水相が0.1〜9となるような割合である。このよ
うにして得られた高水分量の油中水型乳化物は、従来の
油中水型乳化物に起りがちな水分のしみ出し、オイルオ
フ等の欠点は見られない、安定な乳化物である。
【0013】本発明のパンの製造方法は、前述した油中
水型乳化組成物を、小麦粉を主成分とするパン原料成分
に、小麦粉100重量部あたり1〜50重量部(好まし
くは、3〜40重量部)となるように添加混捏し、パン
生地を調製した後、常法に従って発酵及び焼成を行うこ
とにより実施できる。パン生地を調製する場合、パンの
種類によって異なるが、一般に水は、小麦粉100重量
部に対して、50〜65重量%の範囲が適当であると考
えられている。この範囲以上の水量が加えられると、従
来においては、前述の生地の練り込み時の機械耐性が低
下する。しかし、本発明においては、前記のような油中
水型乳化組成物を使用しているから、上記の機械耐性が
低下することはない。
【0014】本発明で言うパンとは、パンを製造するた
めの材料、例えば、主原料としての小麦粉に、イースト
フード、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリ
ン、バター、液状油、油中水型乳化組成物、水中油型乳
化組成物等)、水(捏水)、乳製品、食塩、糖類等を添
加し、更に必要に応じ親水性乳化剤、調味料(グルタミ
ンサン類、核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等
の強化剤、蛋白質、化学膨張剤、フレーバー等の一種ま
たは二種以上を添加混捏し、発酵工程を経て焼成したも
のを言う。勿論、フィリング等の詰め物をしたパンも本
発明で言うパンに含まれる。即ち、本発明で言うパン
は、食パン、特殊パン、菓子パン、蒸しパンなどを意味
する。例えば、食パンとしては、白パン、黒パン、フラ
ンスパン、バラエティブレッド、ロール(テーブルロー
ル)、バンズ、バターロール等)を挙げることができ
る。特殊パンとしては、グリッシーニ、マフィン、ラス
ク等、調理パンとしては、ホットドッグ、ハンバーガ
ー、ピザパイ等、菓子パンとしては、ジャムパン、アン
パン、クリームパン、レーズンパン、メロンパン、スイ
ートロール、リッチグッズ、(クロワッサン、ブリオッ
シュ、デニッシュペストリー)などが挙げられる。蒸し
パンとしては、肉まん、あんまん等が挙げられる。本発
明の製造法は、特に食パンの製造に好適である。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を更に具体的
に説明する。
【0016】(油中水型乳化組成物Aの調製)菜種油7
5重量部とグリセリン25重量部を混合し、水酸化カル
シウム0.1重量部を加えてエステル交換反応を行った
後、分子蒸留法にてグリセリンモノ脂肪酸エステルをで
きるだけ多く除去し、グリセリンジ脂肪酸エステル含量
約70重量%のグリセリン脂肪酸エステル組成物を得
た。上記で得たグリセリン脂肪酸エステル組成物10重
量部、レシチン0.1重量部、硬化魚油49.9重量
部、及び砂糖24重量部を混合し、70℃にて加熱、融
解、分散させて、油性液を調製した(油相部)。一方、
砂糖24重量部及び水16重量部を混合し、加熱、溶解
させて、水性液を調製した(水相部)。上記油性液に水
性液を添加しながら、アジホモミキサー(特殊機化製)
で乳化し、更にコンビネーターで急冷可塑化し、本発明
において使用する油中水型乳化組成物Aを得た。
【0017】(油中水型乳化組成物B〜Eの調製)上記
油中水型乳化組成物Aの調製法と同様な方法で、下記表
1に示された配合からなる、本発明において使用する油
中水型乳化組成物B〜Eを調製した。なお、表1におい
て、『ジエステル』は、グリセリンジ脂肪酸エステルを
表し、『モノエステル』は、グリセリンモノ脂肪酸エス
テルを表し、『PA』は、フォスファチジン酸を表す。
【0018】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 油 中 水 型 乳 化 組 成 物(重量%) 配合 A B C D E ──────────────────────────────────── ジエステル 10 15 10 10 20 レシチン 0.1 0.3 − − 0.2 PA − − 0.2 − − リゾレシチン − − − 0.1 − モノエステル − − − 0.1 − 硬化魚油 49.9 38.7 49.8 49.8 29.5 (融点36℃) 砂糖 24 30 − 24 − 乳糖 − − 23 − 34 食塩 − − 1 − 0.3 水 16 16 16 16 16 ──────────────────────────────────── 水相中の 60.0 65.2 57.5 60.0 67.6 糖類濃度(重量%) ────────────────────────────────────
【0019】(油中水型乳化組成物F〜Kの調製)上記
油中水型乳化組成物Aの調製法と同様な方法で、下記表
2に示された配合からなる、比較用の油中水型乳化組成
物F〜Kを調製した。なお、表2における『ジエステ
ル』、『モノエステル』は、表1で表される意と同義で
ある。
【0020】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 油 中 水 型 乳 化 組 成 物(重量%) 配合 F G H I J K ──────────────────────────────────── ジエステル − − − − 10 10 レシチン 0.1 0.1 0.1 0.1 1.0 1.0 モノエステル 0.5 0.5 0.5 0.5 − − 硬化魚油 83.4 83.4 59.4 59.4 49.9 49.9 (融点36℃) 砂糖 − − 24 24 − − 水 16 16 16 16 40 40 ──────────────────────────────────── 水相中の 0 0 60.0 60.0 0 0 糖類濃度(重量%) ────────────────────────────────────
【0021】[実施例1]上記で調製した油中水型乳化
組成物Aを用いて、以下のような70%中種法に従う食
パンの生地を調製し、食パンを作った。なお、配合は下
記の表3にまとめて示した。 (中種生地の調製)中種配合材料(強力小麦粉70重量
部、イースト2重量部、イーストフード0.1重量部、
水40重量部)をボールに入れ、縦型ミキサー(10コ
ート、フック、関東混合機(株)製)を用いて混捏し
(低速2分、中高速1分)、中種生地を調製した。中種
生地の捏上げ温度は、24℃であった。次に、これを温
度27℃、相対湿度75%の条件下で、4時間30分発
酵させた(発酵最終品温29.5℃)。 (本捏生地の調製)次に、この中種発酵生地に、本捏配
合材料(強力小麦粉30重量部、食塩2重量部、砂糖
3.3重量部、脱脂粉乳1重量部、水27重量部)を添
加し、混捏した(速3分、中高速4分)。更にこれに、
油中水型乳化組成物Aを7重量部添加し、混捏(低速2
分、中高速3分)して、本捏生地を得た(生地温度約2
7.5℃)。
【0022】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 中種配合(重量部) 本捏配合(重量部) ──────────────────────────────────── 強力小麦粉 70 30 イースト 2 イーストフード 0.1 水 40 27 食塩 2 砂糖 3.3 脱脂粉乳 1 油中水型乳化物A 7 ────────────────────────────────────
【0023】次に、混捏でダメージを受けた上記生地を
回復させるためにフロアータイムを20分とった。その
後、該生地を450gの生地に分割した。分割でダメー
ジを受けた生地を回復させるためにベンチタイムを室温
で20分とり、分割生地をモルダーで整形した。次に、
整形物をワンローフのパン型に入れ、温度37℃、相対
湿度80%に設定したホイロで、50分間発酵させた。
このようにして調製したパン生地をオーブン(210
℃)で30分間焼成し、食パンを得た。
【0024】上記食パンの製造時における生地のべたつ
き、及び得られた食パンの硬さ、食感(しっとり感、口
溶け)、風味について調べ、評価した。『生地のべたつ
き』は、10名のパネラーによって生地のべたつきを感
じたか如何かを以下の基準で評価した。評価は、以下の
基準に従った。 A:10名のパネラー中、8名が認めた。 B:10名のパネラー中、5〜7名が認めた。 C:10名のパネラー中、3〜4名が認めた。 D:10名のパネラー中、0〜2名が認めた。
【0025】『食パンの食感(しっとり感、口溶
け)』、『風味』については、10名のパネラーによる
官能評価で行った。評価基準は、上記基準と同じであ
る。
【0026】また、食パンの硬さは以下の方法で測定し
た。焼成後、食パンを20℃で45分間冷却した後、ビ
ニール袋に入れ、密閉状態にし、更に20℃で2日間
(48時間)保存した。保存後の食パンを端から6cm
の部位で切断し、立方体状(2.5cm×2.5cm×
2.5cm)のサンプルを得た。得られたサンプルをベ
ーカーズコンプレッシメーター(千代田製作所(株)
製))を用いてパンの硬さを測定した。評価基準は、以
下の通りである(測定値は、値が小さいほどパンが柔ら
かいことを示す。)。 A:50g重未満 B:50〜55g重未満 C:55〜60g重未満 D:60g重以上
【0027】[実施例2〜5]実施例1において、本捏
生地調製時の食塩、砂糖の添加量と、油中水型乳化物A
の代わりに、上記調製した種々の油中水型乳化物B〜D
及びこれらの添加量とを下記の表4のように変更して食
パンを作った以外は、実施例1と同様にしてそれぞれに
対応する食パンを作った。そして実施例1と同様な方法
で評価した。以上の結果を下記の表4に示す。
【0028】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 添 加 量 (対小麦粉100重量部) 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 1 2 3 4 5 ──────────────────────────────────── (添加成分) 油中水型乳化組成物 7(A) 8(B) 7(C) 7(D) 10(E) 砂糖 3.3 2.6 3.3 3.3 1.6 水(本捏時) 27 28 27 27 28.5 ──────────────────────────────────── (評価結果) 生地のベタつき A A A A A が少ない パンが柔らかい A A A A A (パンの食感) しっとり感がある A A A A A 口どけ感が良い A A A A A パンの風味が良い A A A A A パンの総合評価 A A A A A ────────────────────────────────────
【0029】[比較例1〜6]実施例1において、本捏
生地調製時の食塩、砂糖の添加量と、油中水型乳化物A
の代わりに、上記調製した種々の油中水型乳化物F〜K
及びこれらの添加量とを下記の表5のように変更して食
パンを作った以外は、実施例1と同様にしてそれぞれに
対応する食パンを作った。そして実施例1と同様な方法
で評価した。以上の結果を下記の表5に示す。
【0030】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 添 加 量 (対小麦粉100重量部) 比較例 比較例 比較例 比較例 比較例 比較例 1 2 3 4 5 6 ──────────────────────────────────── (添加成分) 油中水型 5 5 7 7 5 5 乳化組成物 (F) (G) (H) (I) (J) (K) 砂糖 5 5 3.3 3.3 5 5 水(本捏時) 25 27 25 27 25 27 ──────────────────────────────────── (評価結果) 生地のベタつき B C C D B C が少ない パンが柔らかい C B C D A B (パンの食感) しっとり感がある C B C B B A 口どけ感が良い C B C B A B パンの風味が良い C C B B A B パンの総合評価 C C C C B B ────────────────────────────────────
【0031】上記表4及び表5に示された結果から明ら
かなように、本発明のパンの製造法に従って得たパン
(実施例1〜5)は、比較の方法に従って得たパン(比
較例1〜6)に比べ、評価項目のすべての点において、
優れてる。
【0032】
【発明の効果】上述したように、水相中に、練り込み時
に添加する糖の一部を含有させた油脂組成物を使用した
本発明のパンの製造法によれば、通常加えることができ
る量以上の水をパン生地中に含有させることができ、従
って、柔らかさ、口どけ、風味の低下を伴うことなく、
特にしっとり感のあるパンが得られる。また、この加水
量の増加に拘らず、生地仕込み時の生地のベタ付きも少
ない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パン原料成分として添加される全糖量の
    20〜90重量%の糖を含有する水相と、上昇融点30
    ℃以下のグリセリンジ脂肪酸エステルを10重量%以上
    及びレシチンまたは/及びレシチン誘導体を0.1重量
    %以上含有する油相とが、油相:水相=1:0.1〜9
    の比率(重量比)で混合されてなる油中水型乳化組成物
    を、小麦粉100重量部当り1〜50重量部添加混合し
    てパン生地を調製した後、発酵及び焼成を行うパンの製
    造法。
  2. 【請求項2】 水相中の糖濃度が、10重量%以上であ
    る請求項1に記載のパンの製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010148492A (ja) * 2008-11-19 2010-07-08 Nisshin Flour Milling Inc クッキー生地用上付けシュガーを用いる小麦粉焼成食品の製造方法
KR20120033281A (ko) 2010-09-29 2012-04-06 마쓰다니가가꾸고오교가부시끼가이샤 식감 및 식미가 우수한 베이커리 제품 및 그 제조법
WO2021177067A1 (ja) * 2020-03-05 2021-09-10 不二製油グループ本社株式会社 パン類練り込み用油中水型乳化組成物

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