JP2835126B2 - 練り込み用油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents
練り込み用油中水型乳化油脂組成物Info
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Description
くは、乳化が極めて安定で水相比率を高くすることがで
き、また、特に製菓、製パンに用いた場合、風味が良く
ソフトで口どけの良い製品が得られる、練り込み用油中
水型乳化油脂組成物に関するものである。
地及び焼成したパン、ケーキの食感の良さから高水分練
り込み用油脂組成物が多方面から要望されている。
して、乳化剤に不飽和モノグリセライドを用いた方法
(特公昭46−5023号公報等参照)がある。この方法で
は、乳化剤として用いる不飽和モノグリセライドは、実
質的にシス型不飽和脂肪酸から構成されており(以下、
シス型不飽和モノグリセライドという)、該シス型不飽
和モノグリセライドが、W/O乳化の界面において水と強
固な液晶を形成しうることを利用している。
広範な温度帯域での可塑性を必要としており、配合油の
組成においてもテーブル用高水分マーガリンとは異な
り、かなりSFCの高い油脂が配合される。即ち、可塑性
は、高水分練り込み用油脂組成物のパン生地、クッキー
生地、ケーキ生地等への均一な練り込みには必須な条件
となっている。SFCの高い配合油をベースに従来のシス
型不飽和モノグリセライドを使用して、高水分練り込み
用油脂組成物を製造すると、従来のテーブル用高水分マ
ーガリンと同様に安定なW/O乳化物が得られる。しか
し、このW/O乳化物は、その製造時に、液晶が配合油中
の高融点油脂を強力に取り込む現象が見られ、その結果
として、広範な温度帯域での可塑性が失われ、製菓・製
パン機能が著しく損なわれる問題がある。
るジグリセライドを用いた乳化油脂(特開昭63−301743
号公報等参照)にも見られることから、シス型不飽和脂
肪酸の有する特殊な作用ではないかと推定される。
率を高くすることができ、且つ広範な温度帯域で可塑性
を有する練り込み用油中水型乳化油脂組成物を提供する
ことにある。
モノグリセライド及びトランス型不飽和モノグリセライ
ドについて、SFCの高い油脂を使用した高水分練り込み
用油中水型油脂組成物に対する乳化安定性及び可塑性の
影響、並びに糊剤の影響を種々検討したところ、下記表
−1に示す結果が得られ、該結果から次のことを知見し
た。
水分練り込み用油脂組成物の乳化安定性には水相中の糊
剤の使用の有無にかかわらず全く寄与していないが、可
塑性は良好である。
無にかかわらず乳化は安定であるが、可塑性は改善され
ない。
使用しない場合は、乳化安定性が不良であるが、糊剤を
使用した場合は、乳化安定性及び可塑性の何れも良好で
ある。
含量が10℃で30以上、20℃で20以上及び30℃で10以上の
油脂を含む油相30〜70重量%、及び水相70〜30重量%か
らなり、且つ、構成脂肪酸中にトランス型のモノエン酸
を5〜100モル%含むモノグリセライド(以下、トラン
ス型不飽和モノグリセライドという)、及び糊剤を含有
することを特徴とする練り込み用油中水型乳化油脂組成
物を提供するものである。
ついて詳述する。
ドの構成脂肪酸の炭素数は特に制限されないが、炭素数
12〜24が一般的である。また、シス型及びトランス型に
かかわらず、不飽和モノグリセライドを構成する脂肪酸
は、実質的にモノエン酸であり、上記トランス型不飽和
モノグリセライドは、その全構成脂肪酸中に、トランス
型のモノエン酸を5〜100モル%、好ましくは10〜70モ
ル%、より好ましくは15〜70モル%含む。トランス型の
モノエン酸の含量が5モル%未満で実質的にシス型不飽
和脂肪酸で構成される場合は、シス型不飽和モノグリセ
ライドに近づくため、乳化安定性は確保されるが可塑性
は著しく損なわれたものとなってしまう。
測定法としては、IR法やガスクロマトグラフ法が良く知
られている。
トランス型のモノエン酸の含量にもよるが、組成物中
に、好ましくは0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.5〜
2.0重量%、最も好ましくは0.7〜1.5重量%である。上
記添加量が0.1重量%未満であると、十分な乳化安定性
が得られ難く、また2.0重量%を越えると、一部含んで
いるシス型不飽和モノグリセライドの影響と思われる
が、可塑性が損なわれる惧れがある。
グアガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ペクチン等が
好ましく、これらを単独使用又は二種以上併用される。
0重量%、より好ましくは0.3〜5.0重量%、最も好まし
くは0.5〜2.0重量%であり、上記添加量が0.1重量%よ
り少ないと、効果が薄く、10.0重量%を越えると、水相
粘度の過度の増大や製品のザラツキを引き起こす。
大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、
牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の天然油脂
及びこれらに水素添加、分別、エステル交換の一種ない
しは二種以上の処理を施した加工油脂からなる群から選
択された一種または二種以上の油脂が挙げられる。
は、10℃で30%以上、20℃で20%以上、30℃で10%以上
であることが必要である。これは広範な温度帯域で可塑
性を有することが必要であることによるものであり、例
えば、油脂のSFCが、10℃で24、20℃で13、30℃で4で
あるテーブル用マーガリンの場合、25℃以上でオイルオ
フを起こし、練り込み用油脂として必要不可欠な可塑性
を満足できなくなってしまうことからもよく判る。
成物の30〜70重量%となるように加えられる。
じて、油相に、他の乳化剤、例えば飽和モノグリセライ
ド、シグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、有機酸モノグリセライド、レシチン等や、抗酸化
剤、色素、香料等を添加することができる。尚、油相中
に配合される、上記乳化剤等の油溶性成分の量は、油相
中0.1〜10重量%程度が好ましい。
要に応じて、水相に、牛乳、全脂乳、脱脂乳等の乳製
品、カゼイン化合物のような牛乳から誘導したタンパク
質、又は乳蛋白質の濃厚溶液、又は乳清蛋白質濃厚物、
又はそれらの混合物等の乳製品、食塩、水溶性香料、蔗
糖、異性化糖、転化糖等の糖類、果実又は野菜のピュー
レ、ジュース、その濃縮物や、それらの乳酸発酵物等を
呈味成分として加えることができる。
て製造後又は製造中、空気、窒素、炭酸ガス等により抱
気させてもよい。
法が特に制限されるものではなく、例えば次のようにし
て得られる。トランス型不飽和モノグリセライドと必要
に応じて油溶性物質を油脂に添加溶解した油相30〜70重
量%と、各種糊剤と必要に応じて水溶性物質を水に添加
溶解した水相70〜30重量%とをW/O型に予備乳化する。
この時、ホモミキサー、ホモジェナイザー、コロイドミ
ル等を使用し、ポンプで循環させながら乳化及び均質化
することもできる。次いで、この予備乳化物を密閉連続
式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネータ
ー、パーフェクター等のマーガリン製造機で急冷ねっか
し、本発明の油脂組成物を得る。
脂組成物は、従来より問題とされてきた広範な温度帯域
での可塑性にも全く問題ない上に、乳化も安定なもので
あった。
子パン、フランスパン等のパン類、ビスケット、クッキ
ー、クラッカー等の菓子類を始め様々な食品に使用で
き、特にパン類に使用すると、風味が良く、組織がソフ
トになると同時に歯切れの良いパンが得られる。
れているこの種の練り込み用油脂と同様にして用いら
れ、またその使用量も、通常の範囲内の量でよく、パン
生地に練り込む場合は、対粉約20重量%以下でよく、ケ
ーキ生地に練り込む場合も通常の配合量でよい。
挙げ、本発明を更に具体的に説明する。尚、例中の
「部」及び「%」は特記しない限り重量基準である。
水分練り込み用油脂組成物をそれぞれ得た。
に溶解もしくは分散させて油相を調製した。また、糊剤
を水に溶解させて水相を調製した。上記水相を上記油相
に添加し均一に撹拌均質化を行い、W/O型乳化とした。
これをマーガリン製造機で急冷ねっかすることにより高
水分練り込み用油脂組成物を得た。
に飽和モノグリセライド又はシス型不飽和モノグリセラ
イドを使用したもの、及び糊剤を不使用のものを挙げ
た。
て、10℃及び30℃に3日間保存した場合の組織状態(乳
化安定性と可塑性)を評価した。
高水分練り込み用油脂組成物は、乳化が非常に安定で可
塑性も良く、大変優れたものであった。
発明品)をパン生地練り込み用油脂として用い、下記原
料配合で下記製パン工程により食パンを製造した。
ニング(飽和モノグリセライド;2%含有)及び一般練り
込み用油脂(水分18%、飽和モノグリセライド1.5%含
有)を用い、上記と同一配合及び同一工程で食パンを製
造した。ただし、水分及び油分量が同一となるように、
練り込み用油脂及び水の量を微調整した。
尚、下記表−4におけるパンの硬さの測定及び風味テス
トの評価は次のようにして行った。
のに要する荷重をフドウ科学製レオメーターで測定し
た。
い、各項目共1(悪い)〜5(大変良い)の5段階評価
を平均した。
を製パン練り込み用に使用した、パンのソフトさを長く
保つばかりでなく、口どけの良いパンが得られる。
製パン練り込み用に使用した場合の一例として、食パン
でのテスト結果を示したが、食パンに限らず、各種パ
ン、ケーキ等に利用した場合の効果も確認されており、
特に、レーズンブレッドの様にパンの老化が比較的早く
現れるパンにはより明確な効果が発揮されている。
著な効果としては、次のような効果が挙げられる。
ルテンのソフト化に役立つ。
が極めて安定で水相比率を高くすることができ、且つ広
範な温度帯域で可塑性を有するもので、特に製菓・製パ
ン用の練り込み用油脂として好適に得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】固体脂含量が10℃で30以上、20℃で20以上
及び30℃で10以上の油脂を含む油相30〜70重量%、及び
水相70〜30重量%からなり、且つ、構成脂肪酸中にトラ
ンス型のモノエン酸を5〜100モル%含むモノグリセラ
イド、及び糊剤を含有することを特徴とする練り込み用
油中水型乳化油脂組成物。 - 【請求項2】構成脂肪酸中にトランス型のモノエン酸を
5〜100モル%含むモノグリセライドを、0.1〜2.0重量
%含む、請求項(1)記載の練り込み用油中水型乳化油
脂組成物。 - 【請求項3】糊剤を0.1〜10.0重量%を含む、請求項
(1)記載の練り込み用油中水型乳化油脂組成物。
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---|---|---|---|
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JP2033499A JP2835126B2 (ja) | 1990-02-14 | 1990-02-14 | 練り込み用油中水型乳化油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH03236734A JPH03236734A (ja) | 1991-10-22 |
JP2835126B2 true JP2835126B2 (ja) | 1998-12-14 |
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ID=12388242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2033499A Expired - Lifetime JP2835126B2 (ja) | 1990-02-14 | 1990-02-14 | 練り込み用油中水型乳化油脂組成物 |
Country Status (1)
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1990
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