JP2014117197A - 製パン用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベーカリー製品において、ソフト感及びしっとり感を向上させることが可能で、かつ良好な歯切れ感や口とけ感も得られる製パン用油脂組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の組成物は、油脂100質量部に対して、下記の(A)成分1〜10質量部、(B)成分1〜10質量部、(C)成分1〜10質量部、(D)成分0.1〜5質量部、(E)成分0.1〜1質量部、及び(F)成分0.01〜0.2質量部を含むことを特徴とする。
(A)成分:構成脂肪酸がステアリン酸及びパルミチン酸であるジグリセリン脂肪酸エステル、(B)成分:モノグリセリン脂肪酸エステル、(C)成分:プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、(D)成分:グリセリン有機酸脂肪酸エステル、(E)成分:糖質分解酵素、(F)成分:グルコースオキシダーゼ。
【選択図】なし

Description

本発明は、製パンに使用し、パンのソフト感、しっとり感、歯切れ感、および口とけ感を向上させることが可能な製パン用油脂組成物及び該組成物を用いて製造したパン類に関する。
パンに求める食感としては、ソフト感、しっとり感、もっちり感、歯切れ感、口とけ感などがある。近年、よりソフトでしっとりする消費者嗜好に対応し酵素、乳化剤、その他食品素材を用い焼成品を作る方法が提案されている。しかし、そのような方法では、パンのソフト感や、しっとり感が向上する一方で、歯切れ感や、口とけ感が悪くなるという課題がある。
そこで、例えば、特許文献1には、製品のソフト化、老化防止に加えて食感面でのくちゃつきを改善するために、αアミラーゼ、グルコースオキシダーゼを含有する製パン改良剤が提案されている。該製パン改良剤は、くちゃつきは軽減できるものの、歯切れ感に関しては十分な改善効果は示されていない。特許文献2には、食品添加物を使用しないパン製品用として、乳化剤を使用せず酵素のみ含有する製パン用油脂組成物が提案されているが、依然として歯切れ感は弱いままである。特許文献3には、製パンの作業性、ソフト化、歯切れ感を向上させるために、酵素、乳化剤、食品素材を使用しないで油脂の結晶を調整した製パン用油脂組成物が提案されている。該組成物は、製パン工程の作業性を向上させることはできるが、十分な歯切れ感とソフト感は得られていない。特許文献4には、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリンコハク酸脂肪酸モノエステル、グリセリン酢酸脂肪酸モノエステル、グリセリンクエン酸脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびレシチン等の乳化剤と、アミラーゼ類またはプロテアーゼ類等の酵素とを含有する製パン用油脂組成物が提案されている。これは製パン工程の作業性の向上とともに老化が遅く食感に優れた製品製造を可能にするとしている。しかし、食感改良に関しては不十分であり、また歯切れ感に関しては記述がない。特許文献5には、ソフト性と歯切れ感が良好で且つ良好な老化耐性を得るために、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の乳化剤と、増粘安定剤とを含有する製パン用油脂組成物が提案されている。しかし、該組成物は、焼成当日にはきわめて良好な効果を示すが、冷蔵2日後にはその効果は不十分であった。
以上のとおり、ベーカリー製品においてソフト感及びしっとり感向上効果を高めると、歯切れ感や、口とけ感が低下するという問題があり、この二律排反ともいうべき性能を両立させうる製パン用油脂組成物が求められている。
特開平9−135656号公報 特開平10−248480号公報 特開2003−210107号公報 特開平3−292846号公報 特開2007−267654号公報
本発明の課題は、ベーカリー製品において、ソフト感及びしっとり感を向上させることが可能で、かつ良好な歯切れ感や口とけ感も得られる製パン用油脂組成物を提供することにある。
本発明の別の課題は、ソフト感及びしっとり感の向上と、良好な歯切れ感及び口とけ感を両立させたパン類を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組合せの乳化剤成分と特定の組合せの酵素成分とを併用することによって、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、油脂100質量部に対して、下記の(A)成分1〜10質量部、(B)成分1〜10質量部、(C)成分1〜10質量部、(D)成分0.1〜5質量部、(E)成分0.1〜1質量部、及び(F)成分0.01〜0.2質量部を含む製パン用油脂組成物(以下、本発明の組成物と略すことがある)が提供される。
(A)成分:構成脂肪酸がステアリン酸及びパルミチン酸であるジグリセリン脂肪酸エステル、(B)成分:モノグリセリン脂肪酸エステル、(C)成分:プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、(D)成分:グリセリン有機酸脂肪酸エステル、(E)成分:糖質分解酵素、(F)成分:グルコースオキシダーゼ。
また本発明によれば、上記本発明の組成物を使用して製造したパン類が提供される。
本発明の組成物は、油脂に対して上記(A)〜(F)成分を特定割合で含有するので、製パンに用いることにより、得られるパン類の食感を、ソフト感及びしっとり感に優れるとともに歯切れ感、口とけ感も改善することができる。本発明のパン類は、本発明の組成物を使用して製造されるので上記食感を有する。
パン類の歯切れ感の測定に用いる歯形プランジャーの概形を示す図である。 パン類のソフト感の測定に用いる丸形プランジャーの概形を示す図である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の製パン用油脂組成物は、油脂に対して、特定の(A)〜(F)成分を特定割合で含有する。
(A)成分
本発明の組成物に用いる(A)成分は、構成脂肪酸がステアリン酸及びパルミチン酸であるジグリセリン脂肪酸エステルである。
(A)成分におけるステアリン酸及びパルミチン酸の構成比は、通常10:1〜1:10であり、好ましくは5:1〜1:5である。ステアリン酸又はパルミチン酸のいずれかの割合が少なすぎると、割合の多い方の脂肪酸単独のジグリセリンモノ脂肪酸エステルと同様の物性となり、グルテン形成の調節が不十分となり、所望の効果が得られないおそれがある。
本発明の組成物において、(A)成分の含有割合は、油脂100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは1〜8質量部である。(A)成分が1質量部未満又は10質量部を超える場合は、特に、得られるパン類の口とけ感が著しく低下し、歯切れ感も低下するおそれある。
(B)成分
本発明の組成物に用いる(B)成分は、モノグリセリン脂肪酸エステルであって、特に、パンのソフト感やしっとり感の付与に寄与する成分である。(B)成分であるモノグリセリンモノ脂肪酸エステルの脂肪酸としては、炭素数12〜24の飽和脂肪酸が好ましく挙げられ、特にパンにしっとり感を与える観点からパルミチン酸系の飽和脂肪酸であることが好ましい。
本発明の組成物において、(B)成分の含有割合は、油脂100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは3〜7質量部である。(B)成分が1質量部未満の場合は、得られるパン類のソフト感及びしっとり感が低下するおそれがあり、10質量部を超える場合には、得られるパン類の口とけ感が著しく低下するおそれがある。
(C)成分
本発明の組成物に用いる(C)成分は、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルであって、特に、パンの歯切れ感や口とけ感の向上に寄与する成分である。(C)成分であるプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルの脂肪酸としては、炭素数12〜24の飽和脂肪酸が好ましく挙げられ、特に、アラキジン酸又はベヘン酸が好ましく、更にはベヘン酸が好ましく挙げられる。
本発明の組成物において、(C)成分の含有割合は、油脂100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは2〜5質量部である。(C)成分が1質量部未満又は10質量部を超える場合は、得られるパン類の口とけ感及び歯切れ感が低下するおそれがある。
(D)成分
本発明の組成物に用いる(D)成分は、グリセリン有機酸脂肪酸エステルであって、特に、パンの歯切れ感向上に寄与する成分である。該(D)成分としては、例えば、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステルが挙げられ、特に、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルの使用が好ましい。
本発明の組成物において、(D)成分の含有割合は、油脂100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。(D)成分が0.1質量部未満の場合は、得られるパン類の歯切れ感及び口とけ感が低下するおそれがあり、5質量部を超える場合には、得られるパン類の歯切れ感、しっとり感及び口とけ感が著しく低下するおそれがある。
(E)成分
本発明の組成物に用いる(E)成分は、糖質分解酵素であって、特に、パンのソフト感向上、並びに比容積増加効果を発現し、(D)成分との併用によりパンの歯切れ感向上にも寄与する成分である。(E)成分である糖質分解酵素としては、例えば、αアミラーゼ、βアミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼ、キシラナーゼ、セルラーゼ、又はこれらの2種以上の混合物が好ましく挙げられる。
本発明の組成物において、(E)成分の含有割合は、例えば、αアミラーゼの活性量11500FAU/g基準で、油脂100質量部に対して、0.1〜1質量部、好ましくは0.1〜0.6質量部である。(E)成分が0.1質量部未満の場合は、得られるパン類の比容積や、口とけ感が低下するおそれがあり、1質量部を超える場合には、得られるパン類の口とけ感が低下するおそれがある。
(F)成分
本発明の組成物に用いる(F)成分は、グルコースオキシダーゼであって、特に、パンの比容積増加効果に寄与し、(D)成分との併用によりパンの歯切れ感向上に寄与する成分である。(F)成分であるグルコースオキシダーゼとしては、食品に使用できるものであれば特に限定されない。
本発明の組成物において、(F)成分の含有割合は、グルコースオキシダーゼの活性量10000SRU/g基準で、油脂100質量部に対して、0.01〜0.2質量部である。(F)成分が0.01質量部未満の場合は、得られるパン類の歯切れ感が低下するおそれがあり、0.2質量部を超える場合には、得られるパン類の歯切れ感、しっとり感及び口とけ感が著しく低下するおそれがある。(F)成分の含有割合は、前記範囲内で、用途、生地配合、原材料品質に応じて、適宜決定することができる。
油脂
本発明の組成物に用いる油脂としては、食用に適する油脂が使用でき、例えば、牛脂、豚脂、魚油、パーム油、ナタネ油、大豆油等の天然の動物植物油脂、またはこれらの硬化油、極度硬化油、分別油、エステル交換油が挙げられ、目的に応じて適宜選択でき、1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物は、上記必須成分に加えて水を含有させ、乳化型の含水製パン用油脂組成物とすることもできる。
本発明の組成物において、水を含有させる場合の水の含有割合は、油脂100質量部に対して、1〜25質量部が好ましい。
本発明の組成物は、上記必須成分や水以外に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で必要に応じて、例えば、保存料、pH調整剤、色素、香料等の各種添加剤を含有させることができる。各種添加剤の含有割合は、公知の範囲から適宜選択して決定することができる。
本発明の組成物の製造法
本発明の組成物は、例えば、前記の油脂と、(A)〜(F)成分を所定の配合量で配合し、均一に混合することにより製造することができる。
本発明の組成物が水を含まない場合の形態としては、ショートニングが挙げられる。ショートニングタイプの本発明の組成物の製造法としては、例えば、前記の油脂と、(A)〜(D)成分とを各成分の融点以上の温度で加熱し均一に溶解、攪拌する。その後、(E)成分と(F)成分とを配合し均一に混合し、窒素充填を行いながら試作機により急冷練り上げする方法が挙げられる。好ましくは30℃以下まで冷却することにより所望のショートニングタイプの製パン用油脂組成物を得ることができる。
本発明の組成物が水を含む場合の形態としては、マーガリンタイプ、エマルションタイプが挙げられる。これらの製造方法としては、前記の油脂と、(A)〜(D)とを各成分の融点以上の温度で加熱し均一に溶解し、所定量の水を加え、攪拌する。その後、(E)成分と、(F)成分とを配合し均一に混合しながら試作機により急冷練り上げする方法が挙げられる。
上記製造法において高温状態にある均一混合物を冷却する際には、均一混合物を含有する容器自身を外部から冷却してもよいが、一般的にショートニングや、マーガリン製造に用いられる、チラー、ボテーター、コンビネーター等を用いて急冷する方が得られる組成物の性能が向上するので好ましい。
本発明のパン類は、本発明の製パン用油脂組成物を使用して製造したパン類であり、該パン類は、フィリングなどの詰め物をしたパン類も含まれ、食パン、特殊パン、調理パン、菓子パンなどが挙げられる。具体的には、例えば、白パン、黒パン、フランスパン、バラエティブレッド、ロール(テーブルロール、バンズ、バターロール)、マフィン、ホットドック、ハンバーガー、ジャムパン、あんパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパンが挙げられる。
本発明のパン類の原料としては、主原料としての小麦粉、その他にイースト、イーストフード、乳化剤、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油糖)、水、加工澱粉、乳製品、食塩、糖類、調味料(グルタミン酸ソーダ類や核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、蛋白質、アミノ酸、化学膨張剤、フレーバー等が挙げられる。更に、一般に原料として用いると老化しやすくなる、レーズン等の乾燥果実、小麦粉ふすま、全粒粉等を使用できる。
本発明のパン類は、その原料を用いて、例えば、パン生地を製造する際に、本発明の組成物をパン生地に練り込み、得られたパン生地を用いて所望のパン類に公知の方法により焼成、蒸煮又は油ちょうする方法等により製造することができる。
本発明の組成物の使用量は、パン類の種類等に応じて適宜決定することができるが、パン生地中に、通常1〜20質量%、好ましくは4〜15質量%の割合となるように含有させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが本発明はこれらに限定されない。
実施例1
パーム硬化油(融点42℃)5kg、パーム油30kg、ナタネ硬化油15kg(融点36℃)、ナタネ油50kgを配合した油相部に、表1に示す、(A)成分3kg、(B)成分7kg、(C)成分4kg、及び(D)成分1kg配合し、加熱溶解した。その後、表1に示す、(E)成分0.6kg、及び(F)成分0.08kg配合し均一に混合して、ショートニング試作機により急冷練り上げすることで製パン用油脂組成物を調製した。
得られた組成物を用いて、以下の製造方法によりパンを製造し、歯切れ感、ソフト感、比容積、縦伸び率を測定し、またパンの食感について評価した。結果を表1に示す。
パンの製造方法
(中種生地調整)
強力粉700g、イーストフード0.1g、イースト3g、及び水420gをミキサーボウルに投入し低速2分間、中速2分間捏ね上げ、捏ね上げ温度24℃の中種生地を28℃で2時間発酵させた。
(本捏生地調整)
発酵させた中種生地をミキサーボウルに投入し、さらに強力粉300g、上白糖140g、脱脂粉乳20g、食塩16g、及び水240gを投入し低速3分間、中速5分間捏ね上げた。ここで練り込み用油脂として、上記で調製した製パン用油脂組成物50gを投入し、さらに低速3分間、中速4分間捏ね上げ、捏ね上げ温度28℃の生地を得た。フロアタイムを30分間取った後、35gに分割し、次いでベンチタイムを30分間取った後、モルダーを通してコッペパン形に成形した。天板に並べたパン生地を温度38℃、湿度85%のホイロに50分間いれて最終発酵を行った。最終発酵後、上火205℃、下火200℃のオーブンに入れ8.5分間焼成してパンを得た。焼成後、室温にて放冷し袋に入れた。
歯切れ感の測定方法
パン焼成後1日間、一定条件下で保管した。歯切れ感の測定には、(株)山電製のRHEONERIIを用いた。3cmの輪切りにしたパンを測定台に置き、図1に示す刃型プランジャーにて5mm/secで圧縮し、刃が貫通するのに必要な破断荷重値を測定した。
ソフト感の測定方法
パン焼成後1日間、一定条件下で保管した。ソフト感の測定には、(株)山電製のRHEONERIIを用いた。3cmの輪切りにしたパンを測定台に置き、図2に示す丸用プランジャーにて5mm/secで対象物が50%圧縮するのに必要な荷重値を測定した。
比容積、縦伸び率の測定方法
パン焼成後1日間、一定条件下で保管した。比容積、縦伸び率の測定には、(株)アステックス製のSelnac−WinVM2100Aレーザー体積計測機を用いた。パンの容積(cc)を測定し、容積をパンの重量で割ることで比容積(cc/g)を求めた。またパンの短径、最大高を測定し、最大高を短径で割ることで縦伸び率を求めた。
パン食感の官能評価
パン焼成後1日間、一定条件下で保管し、15人のパネラーにて歯切れ感、ソフト感、しっとり感、口とけ感の4項目について以下の官能評価を行った。
5:15人中13人以上が良好であると判断、4:15人中10〜12人が良好であると判断、3:15人中7〜9人が良好であると判断、2:15人中9〜11人が良好でないと判断、1:15人中12人以上が良好でないと判断。
実施例2〜8及び比較例1〜18
表1〜3に示す各原料を用いて、実施例1と同様に製パン用油脂組成物を得た。得られた組成物を用いて、実施例1と同様にパンを調製し、各測定及び評価を行った。結果を表1〜3に示す。
Figure 2014117197
Figure 2014117197
Figure 2014117197
表1〜3中で用いた材料の詳細は次の通りである。
※1.理研ビタミン(株)製、商品名:ポエムDS−80RF(ジグリセリンモノステアレート、モノエステル含有量67%)と同ポエムDP−95RF(ジグリセリンモノパルミテート、モノエステル含有量82.5%)との混合物(実施例1〜4、比較例2〜9は1:2の混合物、実施例5〜8、比較例10〜18は2:1の混合物)。
※2.理研ビタミン(株)製、商品名:エマルジーMS(グリセリンモノステアレート、モノエステル含有量95%)。
※3.理研ビタミン(株)製、商品名:リケマールPB100(構成脂肪酸中ステアリン酸含量約5%、ベヘニン酸含量約95%)。
※4.Kerry Bio−Science社製、商品名:マイベロールSMG−K(コハク酸モノグリセリド)。
※5.DANISCO社製、商品名:GRINDAMYL MAX−LIFE E21(アミラーゼ製剤)。
※6.DANISCO社製、商品名:GRINDAMYL S757(グルコースオキシダーゼ)。
表1から明らかな通り、本発明の製パン用油脂組成物(実施例1〜6、8)または含水製パン用油脂組成物(実施例7)を使用すると、歯切れよくソフトでしっとりした食感のパンが製造できることがわかる。また、表2及び3から明らかな通り、(A)成分のジグリセリン脂肪酸エステルの含有割合が本発明の範囲を満たさない場合、歯切れよい食感のパンが製造できないことが分かる(比較例1、7、8)。(B)成分のモノグリセリン脂肪酸エステルの含有割合が本発明の範囲を下回る場合、ソフト感が弱くなり、本発明の範囲を上回る場合、口とけ感の低下が見られ食感が悪くなる(比較例2、9、10)。(C)成分のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルの含有割合が本発明の範囲を満たさない場合、歯切れよい食感のパンが製造できないことが分かる(比較例3、11、12)。(D)成分のグリセリン有機酸脂肪酸エステルの含有割合が本発明の範囲を満たさない場合、口とけ感の低下が見られ食感が悪くなる(比較例4、13、14)。(E)成分として糖質分解酵素の含有割合が本発明の範囲を満たさない場合、口溶け感の低下が見られ食感が悪くなる(比較例5、15、16)。(F)成分としてグルコースオキシダーゼの含有割合が本発明の範囲を満たさない場合、歯切れよい食感のパンの製造ができなくなる(比較例6、17、18)。

Claims (3)

  1. 油脂100質量部に対して、下記の(A)成分1〜10質量部、(B)成分1〜10質量部、(C)成分1〜10質量部、(D)成分0.1〜5質量部、(E)成分0.1〜1質量部、及び(F)成分0.01〜0.2質量部を含む製パン用油脂組成物。
    (A)成分:構成脂肪酸がステアリン酸及びパルミチン酸であるジグリセリン脂肪酸エステル、
    (B)成分:モノグリセリン脂肪酸エステル、
    (C)成分:プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、
    (D)成分:グリセリン有機酸脂肪酸エステル、
    (E)成分:糖質分解酵素、
    (F)成分:グルコースオキシダーゼ。
  2. 水を更に含み、乳化してなる請求項1記載の製パン用油脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の製パン用油脂組成物を使用して製造したパン類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016077240A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 株式会社Adeka 製パン練り込み用油脂組成物
JP2018046782A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 理研ビタミン株式会社 惣菜食品用品質改良剤

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