JPH05205785A - 酸素透過性複合膜およびその複合膜を用いた電池 - Google Patents

酸素透過性複合膜およびその複合膜を用いた電池

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JPH05205785A
JPH05205785A JP4014556A JP1455692A JPH05205785A JP H05205785 A JPH05205785 A JP H05205785A JP 4014556 A JP4014556 A JP 4014556A JP 1455692 A JP1455692 A JP 1455692A JP H05205785 A JPH05205785 A JP H05205785A
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oxygen
battery
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permeable composite
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JP4014556A
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Shigeto Noya
重人 野矢
Masahiko Ogawa
昌彦 小川
Nobuo Eda
信夫 江田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素を活物質に用いるガス拡散電極を備えた
電池の、貯蔵性や長期使用における性能を向上する酸素
透過性複合膜およびその複合膜を用いた電池を提供する
ことを目的とする。 【構成】 多孔性膜に溶剤に可溶なふっ素樹脂と黒鉛粉
体との混合物を塗布し、水蒸気の透過を抑え、酸素を選
択的に取り込む酸素透過性複合膜11を得た。これによ
り、低負荷から高負荷までに至る放電条件で満足な放電
性能が得られ、また貯蔵性や長期使用における性能に優
れた電池を得ることができる。また、黒鉛粉体の形状を
球状とした場合、複合膜の膜特性のばらつきを少なくす
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素透過性複合膜およ
びその複合膜を用いた電池に関し、特に酸素を活物質に
用いるガス拡散電極を備えた電池の酸素透過性複合膜お
よびその複合膜を用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス拡散電極を備え、酸素を活物質とす
る電池としては、空気電池、燃料電池などがある。電解
質には、アルカリ性、中性、酸性の電解質かまたは固体
電解質が使用される。
【0003】特に、溶液を電解質として使用する電池に
おいては、ガス拡散電極(酸素極)より、内部の電解液
の蒸気圧に応じて水蒸気の出入りがあり、電池内電解液
の濃度変化、体積変化が起こり、これが電池諸特性に影
響を与えていた。ボタン形電池を例にとり、図2を用い
てその状況を説明する。図中、1は酸素極(空気極)、
2はガスの拡散性はあるが、液体は阻止するポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)製撥水膜である。3は外
部からの空気取り入れ孔、4は酸素極の支持と空気の拡
散を行う多孔膜、5,6はセパレータ、7は水酸化カリ
ウム水溶液と汞化亜鉛粉末との混合体からなる負極であ
る。一般にアルカリ電解液には水酸化カリウム水溶液を
使用し、その濃度は30〜35%である。このため、相
対湿度が47〜59%より高いと、外部の湿気を取り込
み電解液濃度の低下と体積膨脹とが起こり、放電性能の
低下、電解液の漏液を生じていた。一方、相対湿度が前
記以下の場合には電解液の蒸発が起こり、内部抵抗の増
大や放電性能の低下をもたらしていた。したがって、環
境雰囲気によって著しい影響を受けやすいため長期保存
後の特性に問題があり、空気電池や燃料電池はある特定
の分野用に設計されるにとどまり、汎用化を図る上で大
きな課題を有していた。なお、図中8は負極容器、9は
絶縁ガスケット、10は正極容器(電池容器)である。
【0004】これらの課題を改善するため、従来より種
々の対策が検討されてきた。例えば、空気孔周辺の一部
に電解液と反応する物質を挿入し、電池外部への電解液
漏出を防止する。あるいは紙または高分子材料よりなる
不織布などの電解液吸収材を設けて、電池外部への電解
液漏出を防止する。さらには空気孔を極端に小さくして
酸素の供給量を制限してまでも、水蒸気や炭酸ガスの電
池内部への侵入を防止する等の提案がなされている。し
かし、いずれの方法も漏液防止や放電性能、特に長期間
での性能に大きな課題を残していた。これらの主要原因
は空気中の水蒸気の電池内への侵入による電解液の希釈
と体積膨脹、および炭酸ガスの侵入による炭酸塩の生成
に基づく放電反応の阻害と空気流通経路の閉塞によるも
ので、外気が低湿の場合には逆に電解液中の水分の蒸発
が性能低下の原因となっていた。この原因を取り除くた
め、近年では、水蒸気や炭酸ガスの透過を抑制し、選択
的に酸素を優先して透過する膜を介して空気を酸素極に
供給する方法、例えばポリシロキサン系の無孔性の均質
な薄膜や金属酸化物、あるいは金属原子を含有する有機
化合物の薄膜と適宜な多孔質膜とを一体化させた膜とを
用いる方法が提案されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在ま
でのところ、十分に有効な酸素ガス選択透過性が得られ
ないことや水蒸気、炭酸ガスの透過阻止能が十分でない
ことから、満足な放電性能が得られず、長期の使用や貯
蔵に耐えられないという技術課題をもっていた。
【0006】そこで本発明は上記の電池の貯蔵性、長期
使用における性能を改善するとともに低負荷から高負荷
に至る放電条件で満足な放電性能を得るために、大気中
の酸素ガスを選択的に電池内に取り入れ、大気中の水蒸
気および炭酸ガスの電池内への侵入を長期にわたり防止
する有効な酸素透過性複合膜およびその複合膜を用いた
電池を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の酸素透過性複合膜は、溶媒可溶性ふっ素樹
脂と、黒鉛粉体との混合物を塗布した多孔性高分子膜を
主体として構成するものである。また、本発明の上記複
合膜を用いた電池は、酸素を活物質とするガス拡散電極
と、外気に通じる空気取り入れ孔を有する電池容器を備
え、前記ガス拡散電極の空気取り入れ側と前記電池容器
の内側との間に、溶媒可溶性ふっ素樹脂と、黒鉛粉体と
の混合物を塗布した多孔性高分子膜を主体として構成す
る酸素透過性複合膜を介在させたものである。
【0008】
【作用】一般にふっ素系高分子物質は酸素との親和性お
よび撥水性に富み、しかも一般の高分子のなかでも耐ア
ルカリ性に優れていることが知られているが、ふっ素系
高分子物質は化学的に安定なため溶剤に不溶で、塗布法
やスピンコータ法などの薄膜形成には適していなかっ
た。近年、溶剤に可溶なふっ素樹脂が開発され、この樹
脂をポリオレフィン、ふっ素樹脂やポリスルホンを主成
分とする多孔膜に塗布することにより、耐アルカリ性で
酸素選択性透過性を有する膜が得られることが提案され
ている(公開特許公報 平成3−225513号)。こ
の場合には、多孔性高分子膜とふっ素樹脂との親和性が
小さいためふっ素樹脂が不均一に凝集し、特に塗布量が
少ない場合、多孔性膜の膜表面全体を均一に覆うことが
難しいという問題点があった。このため、多孔性高分子
膜表面全体がふっ素樹脂で覆われた膜を安定して作るに
は、ふっ素樹脂の塗布量をある程度多くする必要がある
が、そうすると酸素透過速度をより向上させることが困
難である。本発明では、酸素親和性、撥水性、耐アルカ
リ性に優れている溶剤に可溶なふっ素樹脂と黒鉛粉体と
を混合することにより酸素透過性が向上することに着目
し、鋭意検討を重ね完成したものである。
【0009】さらには、ふっ素樹脂中に混合する黒鉛粉
体の形状を球状とすることにより、得られる膜の酸素透
過特性のばらつきを少なくし、安定した膜特性を得るこ
とができることに着目したものである。この構成により
上述の複合膜は後述の実施例における気体透過率測定装
置およびカップ法によるガス透過速度の結果、並びに電
池試験の結果からも明らかなように、電池用としての良
好な酸素透過速度と、水蒸気や炭酸ガスを大気から遮断
する効果をともに満足すべき状態に保ち、実用的な電池
に要求される高負荷放電性能と、高湿度や低湿度の雰囲
気下で長時間放電した場合の性能もともに満足すること
となる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例の酸素透過性複合膜お
よびその複合膜を用いた電池を図面を参照して説明す
る。
【0011】ふっ素樹脂系多孔膜のみを用いたものを比
較例1とする。ふっ素樹脂系多孔膜(16cm2)に、溶
剤可溶型ふっ素樹脂(商品名:サイトップ、旭硝子
(株)製)のパーフルオロ溶液(5重量%)をパーフル
オロ溶媒で2分の1に希釈した溶液1ミリリットルを塗
布し、乾燥させた膜を比較例2とする。
【0012】ふっ素樹脂系多孔質膜(16cm2)に、溶
剤可溶型ふっ素樹脂(商品名:サイトップ、旭硝子
(株)製)のパーフルオロ溶液(5重量%)をパーフル
オロ溶媒で2分の1に希釈した溶液1ミリリットルに平
均粒径10μmの黒鉛粉体を20mg加えた混合溶液を塗
布し、乾燥させた酸素透過性複合膜(以下複合膜とい
う)を実施例1とする。
【0013】上記実施例1において黒鉛粉体を40mg加
えて塗布した複合膜を実施例2、60mg加えて塗布した
複合膜を実施例3、80mg加えて塗布した複合膜を実施
例4、100mg加えて塗布した複合膜を実施例5とす
る。
【0014】ふっ素樹脂系多孔質膜(16cm2)に、溶
剤可溶型ふっ素樹脂(商品名:サイトップ、旭硝子
(株)製)のパーフルオロ溶液(5重量%)をパーフル
オロ溶媒で2分の1に希釈した溶液1ミリリットルに平
均粒径10μmの球状黒鉛粉体を40mg加えた混合溶液
を塗布し、乾燥させた複合膜を実施例6とする。
【0015】なお、上述の実施例において用いた黒鉛粉
体の平均粒径はレーザー回折式粒度分布測定装置
((株)島津製作所製、SALD−1000)を用いて
測定したものである。また、走査型電子顕微鏡による観
察では実施例1〜5までに用いた黒鉛粉体は異方性のあ
る岩石状の形をしており、実施例6の粉体は球状の形を
している。
【0016】以上の比較例1,2および実施例1〜6ま
での8種類の膜の酸素透過速度を差圧式ガス透過率測定
装置(柳本製作所(株)製、GTR−10XD)を用い
て測定し、水蒸気の透過速度をJIS−Z0208に準
じたカップ法により測定した。
【0017】以上の結果を(表1)に示した。また、実
施例2および実施例6の各々10試料についての結果を
(表2)および(表3)に示した。なお、(表1,2,
3)中の分離比は(酸素の透過速度)/(水蒸気の透過
速度)であり、水蒸気に対する酸素の選択透過性を示す
ものである。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】以上のように本実施例によれば、溶剤に可
溶なふっ素樹脂と黒鉛粉体との混合物を多孔性高分子膜
に塗布した複合膜を作成することにより、電池用として
の酸素透過性能と同時に、水蒸気を大気から遮断する効
果もともに有する膜を得ることができる。さらに、混合
する黒鉛粉体を球状の形状をした粉体を用いることによ
り複合膜の水蒸気透過特性をほとんど変化させることな
く、酸素透過特性のばらつきを少なくし、安定した膜特
性を得ることができる。
【0022】なお、実施例ではふっ素樹脂系多孔質膜を
用いた場合について示したが、ポリオレフィン系多孔質
膜またはポリスルホン系多孔質膜を用いた場合でも本実
施例の効果は変わらないことを確認している。また、実
施例では球状をした黒鉛粉体を40mg加えた場合につい
て示したが、混合量をさらに増やして200mgまでは同
一の効果が得られることを確認している。さらに、乾燥
温度として常温からパーフルオロ溶媒の沸点(100
℃)までであればいずれの温度であっても同一の効果が
得られることを確認している。
【0023】また、本発明の効果を確認するために、実
施例1〜6で作成した複合膜を使用した電池と、実施例
の複合膜を使用していない電池(比較例1)を試作し、
評価、検討した。比較例2と実施例1〜6においては試
験の便宜上、図1に示すボタン形電池を構成した。図1
において、複合膜11を用いている以外の構成は、図2
のボタン形電池の構成と同一のため、その説明を省略す
る。まず、複合膜を使用していない比較例1の場合は図
2と全く同一に構成した。複合膜を使用した実施例は図
1に示すようにPTFEの多孔膜2と酸素の拡散を行う
多孔体4との間にそれぞれの実施例の複合膜が介在した
構成としたものである。試作した電池の寸法は直径1
1.6mm、総高5.4mmであり、比較的高負荷(75
Ω)で20℃、常湿(60%RH)での連続放電により
電池内への空気中の酸素の取り込み速度の充足性を評価
し、比較的低負荷(3kΩ)で20℃、高湿度(90%
RH)、および低湿度(20%RH)での長期間連続放
電により、長期の放電期間中における雰囲気からの水蒸
気の電池内への取り込みや電池内の水分の蒸発、および
炭酸ガスの取り込みなど電池性能への影響度を評価し
た。(表4)に試作電池の内訳を示す。
【0024】
【表4】
【0025】(表4)において放電終止電圧はいずれも
0.9Vであり、重量変化は放電試験前後の増減を示し
ており、主として放電中の水分の取り込み、あるいは蒸
発の多少を示唆する数値である。これらの電池の特性を
実施例の複合膜を使用していない比較例1と対比すると
最も端的に本実施例の効果が説明できる。まず20℃、
常温での高負荷試験では放電期間が短く、水分の取り込
みや蒸発の影響や炭酸ガスの影響が少ないので、電池の
性能は酸素の供給速度が十分であれば水分や炭酸ガスの
透過阻止はあまり考慮する必要がない。したがって、こ
のような条件では比較例1でも優れた特性が得られる。
これに対し、前述の実施例1〜6は比較例1と同等の放
電特性が得られており、複合膜を酸素が透過する速度が
放電反応で酸素が消費される速度に十分追従しているこ
とを示している。しかしながら、比較例2の場合は複合
膜の酸素の供給速度が十分でなく、満足した放電特性が
得られない。
【0026】一方、低負荷放電の場合は放電期間が長
く、しかも外気が高湿度あるいは低湿度の場合には酸素
の供給速度よりも水分や炭酸ガス、特に水分の透過防止
が優れた電池特性を得るために重要となり、水分や炭酸
ガスの透過阻止機能をもたない比較例1の電池は水分の
枯渇、あるいは水分の過剰取り入れによる漏液による空
気孔の閉塞などにより、放電途中で電圧が低下し、高負
荷試験で得られた放電容量の一部分に相当する容量が得
られるに過ぎない。また、放電途中での漏液は実用面で
致命的な問題であることはいうまでもない。これに対
し、実施例1〜6はきわめて優れた性能を示し、これら
は高負荷試験の放電容量とほぼ等しい容量が得られてい
る。これらの傾向は試験雰囲気が高湿度、低湿度、いず
れの場合とも同様である。このことは、実施例の場合、
複合膜の水分の透過阻止効果が十分に発揮されているこ
とを示している。
【0027】また、本実施例の黒鉛粉体の形状の効果を
確認するために、実施例2および6で作成した複合膜を
使用した電池、各々10試料について定電流放電試験を
行い、放電電流を段階的に増加させて放電開始5分後の
電池電圧と放電電流との関係を調べ、複合膜の酸素透過
特性のばらつきを検討した。以上の結果を図3に示し
た。
【0028】実施例6の電流−電圧曲線はすべての試料
に対してほぼ同一の電圧−電流特性が得られたのに対し
て、実施例2の場合は電圧−電流特性が試料間によって
大きくばらつく結果が得られた。このことは、実施例6
の場合、球状の黒鉛粉体を混合する効果が十分に発揮さ
れていることを示している。
【0029】以上を総合して、多孔性高分子膜に溶剤に
可溶なふっ素樹脂と黒鉛粉体、さらには球状をした黒鉛
粉体との混合物を塗布した酸素透過性複合膜を用いた試
作電池は、高負荷特性、低負荷特性とも優れ、外部雰囲
気の変化に対しても良好であり、優れた電池を提供でき
ることが結論できる。なお、実施例では複合膜を電池容
器との間に空気拡散用の多孔膜を介して設置したが、複
合膜の機械的強度が十分な場合は、前記空気拡散用の多
孔膜を除いても電池特性の差異はないことを確認してい
る。さらに、上記実施例の複合膜を酸素極との間に酸素
極を支持する撥水膜を介して設置したが、酸素極の強度
が十分であれば前記支持用の撥水膜は不要にでき、その
場合にも電池特性は変わらないことを確認している。ま
た、塩化アンモニウム、塩化亜鉛などの中性塩水溶液を
電解液に用いた空気亜鉛電池に対しても、実施例で示し
たアルカリ性の電解液に用いた電池と同様の効果がある
ことも確認しており、実施例と同様の理由で本発明の作
用を説明できる。
【0030】
【発明の効果】以上の実施例の説明により明らかなよう
に本発明の酸素透過性複合膜およびその複合膜を用いた
電池によれば、多孔性高分子膜に溶剤に可溶なふっ素樹
脂と黒鉛粉体、または球状をした黒鉛粉体との混合物を
塗布することにより、電池用としての酸素透過能と同時
に、水蒸気を大気から遮断する効果もともに有する優れ
た酸素透過性複合膜を実現できるものである。さらに、
中性もしくはアルカリ性の水溶液を電解液とする電池の
高負荷から低負荷にわたる広い範囲で優れた実用性能
と、優れた耐漏液性、長期貯蔵性を具備させることがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の酸素透過性複合膜の検討に用
いたボタン形空気亜鉛電池の半截縦断面図
【図2】同、ボタン形空気亜鉛電池の電流−電圧特性図
【図3】従来のボタン形空気亜鉛電池の半截縦断面図
【符号の説明】
1 酸素極(ガス拡散電極) 2 撥水膜 3 空気取り入れ孔 4 多孔膜 10 電池容器 11 酸素透過性複合膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性高分子膜に、溶剤に可溶なふっ素樹
    脂と黒鉛粉体との混合物を塗布した酸素透過性複合膜。
  2. 【請求項2】黒鉛粉体が球状である請求項1記載の酸素
    透過性複合膜。
  3. 【請求項3】多孔性高分子膜がポリオレフィン、ふっ素
    樹脂、ポリスルホンのいずれかを主成分とする請求項1
    または2記載の酸素透過性複合膜。
  4. 【請求項4】酸素を活物質とするガス拡散電極と、外気
    に通じる空気取り入れ孔を有する電池容器を備え、前記
    ガス拡散電極の空気取り入れ側と前記電池容器の内面と
    の間に溶剤に可溶なふっ素樹脂と黒鉛粉体との混合物を
    多孔性高分子膜に塗布した酸素透過性複合膜を介在させ
    た電池。
  5. 【請求項5】黒鉛粉体が球状である請求項4記載の電
    池。
  6. 【請求項6】多孔性高分子膜がポリオレフィン、ふっ素
    樹脂、ポリスルホンのいずれかを主成分とする請求項4
    または5記載の電池。
  7. 【請求項7】酸素透過性複合膜の溶剤に可溶なふっ素樹
    脂と黒鉛粉体との混合物を塗布した側が、空気取り入れ
    孔を有する電池容器の内面に当接され、前記酸素透過性
    複合膜の多孔性高分子膜側に、直接ガス拡散電極が接し
    ている請求項4から6までのいずれかに記載の電池。
  8. 【請求項8】酸素透過性複合膜の溶剤に可溶なふっ素樹
    脂と黒鉛粉体との混合物を塗布した側が直接ガス拡散電
    極に接し、前記酸素透過性複合膜の多孔性高分子膜側が
    空気取り入れ孔を有する電池容器の内面に当接している
    請求項4から6までのいずれかに記載の電池。
JP4014556A 1992-01-30 1992-01-30 酸素透過性複合膜およびその複合膜を用いた電池 Pending JPH05205785A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013033721A (ja) * 2011-07-06 2013-02-14 Ngk Insulators Ltd 選択的酸素透過基体、空気電池用正極、空気電池、及び選択的酸素透過膜

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013033721A (ja) * 2011-07-06 2013-02-14 Ngk Insulators Ltd 選択的酸素透過基体、空気電池用正極、空気電池、及び選択的酸素透過膜

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