JPH0514336U - 屋根パネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】束上に固定される取付金具のネジ孔と屋根パネ
ルの枠材のボルト孔との位置合わせを容易とし、屋根施
工性を向上する。 【構成】屋根パネルＰは、溝形鋼からなる枠材１２を矩
形に接合した周囲枠１３を有し、かつ取付金具３Ｂは、
前記枠材１２の下のフランジ１１を受ける受片５Ｂを具
える枠台４Ｂと、ネジ金具７とからなり、かつネジ金具
７は、頭部１７に、小径部分１９を介して受片５Ｂのネ
ジ孔６に螺合するネジ軸２０を設けかつ該ネジ軸２０の
先端にコーン状の案内部２１が形成されるとともに、ネ
ジ金具７は、ネジ軸２０がネジ孔６に螺合する状態にお
いて、前記受片５Ｂが受ける前記下のフランジ１１に設
けたボルト孔２２に挿入される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、屋根パネルを束に能率よく取付けでき、屋根施工性を向上しうる屋 根パネルの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

壁、床、屋根などをパネルを用いて形成するパネル工法の建築物が多用されて いる。このような建築物において屋根パネルは、従来、例えば水平な屋根梁上に 立設される複数の束上に、該屋根パネルの周囲枠を受ける受片を有した取付金具 をボルト止めし、この取付金具の受片に穿設された透孔と前記周囲枠に設けられ たボルト孔とを共に挿通するボルト金具により前記束上に固定されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような屋根パネルは、施工能率のために比較的大きな寸法 に形成されているため、前記受片と屋根パネルとをボルト止めする際、屋根パネ ルに設けられたボルト孔と受片の透孔とを位置合わせするのにシノを用いる必要 があるなど多大の手間と労力を要し施工性に劣るとともに、重量のある屋根パネ ルの取付作業が非能率になるため、屋根パネルが落下する危険性が増し安全性に 劣る。

【０００４】 本考案は、ネジ軸の先端にコーン状の案内部を形成したネジ金具を、束上にボ ルト止めされる枠台の受片のネジ孔に螺入し、かつ屋根パネルの枠材の下のフラ ンジに設けたボルト孔に前記ネジ金具を挿入することを基本として、屋根パネル を受片に載置する際、前記ネジ孔とボルト孔とをネジ金具を用いて位置合わせで き、屋根施工性を高めうる屋根パネルの取付構造の提供を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、束上に、家屋の屋根を形成する屋根パネルを取付金具を用いて接合 する屋根パネルの取付構造であって、前記屋根パネルは、ウエブの上下にフラン ジを有する溝形鋼からなる枠材を矩形に接合した周囲枠を有する枠組の上面に面 材を添着してなり、かつ前記取付金具は、前記束の上端にボルト止めされかつ屋 根勾配を有ししかもネジ孔が穿設されるとともに前記枠材の下のフランジを受け る受片を具える枠台と、前記ネジ孔に下方から螺入されるネジ金具とからなり、 かつネジ金具は、頭部に、前記受片の厚さ以上の長さの小径部分を介して前記ネ ジ孔に螺合するネジ軸を設けかつ該ネジ軸の先端にコーン状の案内部が形成され るとともに、ネジ金具は、ネジ軸がネジ孔に螺合する状態において、前記屋根パ ネルが取付金具に載置されるに際して前記受片が受ける前記下のフランジに設け たボルト孔に挿入される。

【０００６】

【作用】

取付金具は、ネジ孔が穿設された受片を具える枠台と、該ネジ孔に螺合するネ ジ軸を有したネジ金具とからなるとともに、該ネジ金具には、前記ネジ軸の先端 にコーン状の案内部が形成されている。従って、ネジ軸がネジ孔に螺合する状態 において、前記案内部が屋根パネルの枠材に設けたボルト孔を呼び込み、該ボル ト孔とネジ孔とが位置合わせされる。このようにネジ金具は、屋根パネルの取付 けに際して位置合わせ機能を有するため、屋根施工性を向上し作業能率を高めう るとともに、位置合わせと同時に屋根パネルはネジ金具に係止され、落下等の危 険を排除し安全性を高めうる。

【０００７】 さらに前記ネジ軸は、ネジ金具の頭部に、前記受片の厚さ以上の長さの小径部 分を介して設けられる。従って、ネジ金具を前記ネジ孔に螺合しさらに前記ボル ト孔に挿入した後、ナット締めを行う際、ネジ金具は、その小径部分が受片のネ ジ孔内を自由に動く可動状態となるため、ナットを完全に締め込むことができ、 施工精度、および取付強度の向上にも役立つ。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。 図において本考案の屋根パネルの取付構造は、束２上に家屋の屋根を形成する 屋根パネルＰを取付金具３を用いて接合するものであって、前記取付金具３は、 束２の上端にボルト止めされる枠台４と、該枠台４の受片５に穿設されるネジ孔 ６…に下方から螺入されるネジ金具７とからなる。

【０００９】 屋根パネルＰは、図１、図３に示すようにウエブ９の上下にフランジ１０、１ １を有する溝形鋼からなる枠材１２…を溝部を内向きにかつ矩形に接合した周囲 枠１３に適宜の補強材（図示せず）を架設した枠組１４を具え、かつ該枠組１４ の上面には、野地板となる面材１５を添着している。

【００１０】 又屋根パネルＰは、本例では図１に示すように、棟部に立設された束２Ａ、軒 先近傍に配された柱２５、および中間の束２Ｂにより夫々取付金具３Ａ、３Ｂ、 ２７を介して支持されるとともに、前記束２Ａ、中間の束２Ｂは、柱２５に一端 が固定される水平な屋根梁２９上にボルト止めされる脚片３０、３０上に夫々立 設する角鋼管からなり、しかもその上端には矩形かつ水平な取付板３１、３１を 固着している。

【００１１】 前記束２Ａ、中間の束２Ｂ上端には取付金具３Ａ、３Ｂの枠台４Ａ、４Ｂが夫 々ボルト止めされる。枠台４Ａは、図３に示すように、棟部の束２Ａ上端の取付 板３１にボルト固定する矩形の基片３３と、該基片３３の両端から垂直に立上が る立上げ片３４、３４を介して屋根勾配を有して棟の両側に傾く山形状の受片５ Ａとを具えるとともに、該受片５Ａには、屋根パネル取付用のネジ孔６…が穿設 されている。

【００１２】 又中間の束２Ｂ上端に取付く枠台４Ｂは、図２、図３に示すように、前記取付 板３１にボルト止めされる矩形の基片３６と、該基片３６の両端から垂直に立上 がる立上げ片３７、３７を介して、屋根勾配を有ししかもネジ孔６…が穿設され た矩形の受片５Ｂとを有する。なお前記立上げ片３７、３７の間には棟部側に側 片３８が架設され枠台４Ｂの剛性強度を増している。

【００１３】 なお前記受片５Ａ、５Ｂは、その上面で屋根パネルＰの枠材１２の下のフラン ジ１１を受けるとともに、本実施例では傾斜方向下向きに延在し、その延在部に 前記ネジ孔６が設けられている。

【００１４】 又前記柱２５の上端にボルト止めされる取付金具２７の枠台２７Ａは、前記枠 台４Ｂと略同構成をなし、その屋根パネルＰの枠材１２を受ける受片３９は、図 １に示すように、傾斜方向上向きに延在し、その延在部にネジ孔が刻設されてい る。

【００１５】 前記ネジ金具７は、本例では図４に示すように、六角状の頭部１７に、前記受 片５Ａ、５Ｂ、３９の厚さＨ以上の長さＬを有した円柱状の小径部分１９を介し て前記ネジ孔６に螺合するネジ軸２０を設けかつ該ネジ軸２０の先端にコーン状 の案内部２１が形成されている。ここで前記小径部分１９は、前記ネジ孔６、お よび前記受片５Ａ、５Ｂ、３９が受ける枠材１２の下のフランジ１１に該ネジ孔 ６と位置を合わせて設けられたボルト孔２２よりも小径としている。

【００１６】 然して前記ネジ金具７が、図４に示すように受片５Ａ、５Ｂ、３９のネジ孔６ に下方からネジ軸２０を螺合した状態Ｘにおいて、屋根パネルＰが取付金具３Ａ 、３Ｂ、２７の受片５Ａ、５Ｂ、３９上に載置されるに際して、前記下のフラン ジ１１に設けたボルト孔２２にネジ金具７の案内部２１が挿入される。この挿入 時において、例え前記ボルト孔２２の中心線Ｃ１がネジ金具７の軸芯Ｃ２と位置 ズレを起こしていても、前記案内部２１を先細のコーン状としたことによりボル ト孔２２は、図５に示すようにネジ軸２０を確実に挿入しうる。このように前記 状態Ｘにおいて、ネジ金具７のネジ軸２０および案内部２１は前記ボルト孔２２ をネジ孔６に位置合わせする機能を有するため、屋根パネルＰの取付作業を能率 化しうる。

【００１７】 然る後、ネジ金具７の頭部１７を例えばボックスレンチで固定し、図６、図２ に示すように平座金４２を間に挟んでナット４４を本締めすることにより下のフ ランジ１１を受片５Ａ、５Ｂ、３９に固定する。又ナット４４を締め付ける際、 前記小径部分１９はその長さＬを受片５Ａ、５Ｂ、３９の厚さＨよりも大として いるため、該小径部分１９がネジ孔６内を自由に動くことができ、該ナット４４ を完全に締込める結果、屋根パネルＰの取付強度、取付精度を高めうる。

【００１８】

【考案の効果】

叙上の如く本考案の屋根パネルの取付構造は、屋根パネルの枠材の下のフラン ジを受ける受片に設けられたネジ孔に螺合するネジ軸と、該ネジ軸の先端に形成 されたコーン状の案内部とを有するネジ金具を用いて前記下のフランジを受片に 固定する。前記ネジ金具は屋根パネルの受片上への載置に先行して該受片に螺入 されるため、該ネジ金具を下のフランジに設けたボルト孔に挿入することにより 、屋根パネルの位置合わせを行うことができ、屋根パネルの取付作業を能率化し うるとともに、前記挿入作業は、前記案内部により確実に達成でき、屋根施工性 を向上しうる。

【００１９】 さらに前記ネジ金具は、ネジ軸と頭部との間に受片の厚さ以上の長さを有する 小径部分を有している。従って、ネジ金具にナットを螺着し本締めする際、受片 に設けられたネジ孔内においてネジ金具を可動とし、該ナットを完全に締め付け ることができ、施工精度、取付強度の向上にも役立つ。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】その要部を拡大して示す断面図である。

【図３】その分解斜視図である。

【図４】ネジ金具の作用を示す断面図である。

【図５】ネジ金具の作用を示す断面図である。

【図６】ネジ金具の作用を示す断面図である。

【符号の説明】

２、２Ａ、２Ｂ 束 ３、３Ａ、３Ｂ 取付金具 ４、４Ａ、４Ｂ 枠台 ５、５Ａ、５Ｂ 受片 ６ ネジ孔 ７ ネジ金具 ９ ウエブ １０ 上のフランジ １１ 下のフランジ １２ 枠材 １３ 周囲枠 １４ 枠組 １５ 面材 １７ ネジ金具の頭部 １９ 小径部分 ２０ ネジ軸 ２１ 案内部 ２２ ボルト孔 Ｈ 受片の厚さ Ｌ 小径部分の長さ Ｐ 屋根パネル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】束上に、家屋の屋根を形成する屋根パネル
   を取付金具を用いて接合する屋根パネルの取付構造であ
   って、前記屋根パネルは、ウエブの上下にフランジを有
   する溝形鋼からなる枠材を矩形に接合した周囲枠を有す
   る枠組の上面に面材を添着してなり、かつ前記取付金具
   は、前記束の上端にボルト止めされかつ屋根勾配を有し
   しかもネジ孔が穿設されるとともに前記枠材の下のフラ
   ンジを受ける受片を具える枠台と、前記ネジ孔に下方か
   ら螺入されるネジ金具とからなり、かつネジ金具は、頭
   部に、前記受片の厚さ以上の長さの小径部分を介して前
   記ネジ孔に螺合するネジ軸を設けかつ該ネジ軸の先端に
   コーン状の案内部が形成されるとともに、ネジ金具は、
   ネジ軸がネジ孔に螺合する状態において、前記屋根パネ
   ルが取付金具に載置されるに際して前記受片が受ける前
   記下のフランジに設けたボルト孔に挿入することを特徴
   とする屋根パネルの取付構造。