JPS6243041Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は形鋼よりなる梁間に跨設される
ALC板等のPCパネルの取付構造に関するもので
ある。

従来、鉄骨梁間にALC板等のPC板を敷設する
場合、梁接合部の継手ボルトが邪魔になるため、
鉄骨梁間に軽量溝形鋼からなる複数本の小梁や根
太を継手ボルトを避けるように嵩上げして跨設し
た上にPC板を敷設し、敷設されたPC板間の接合
部の目地にはモルタルを充填してPC板の周囲を
抱束している。しかし、これだと鉄骨梁とPC板
とが同一平面内になくかつPC板は鉄骨梁上に載
置され、その周囲をモルタルで抱束されているだ
けで鉄骨には緊結されていないため地震時に水平
力を受けた場合、PC板は水平力に対して有効に
抵抗することができない。このため、従来は鉄骨
梁間に水平ブレースを対角線上に取付けることに
よつて前記水平力に低抗しているが、これではブ
レース用の鋼材を使用することとなり、材料費お
よび取付け工事費が増えてコスト高になる。

ところでPC板特にALC板を水平力に対して抵
抗させる場合、接合強度と耐力を十分とするため
にはその内部に埋設された補強鉄筋に力が伝達さ
れる構造が要求される。

さらに、従来の陸屋根の水勾配のとり方は第５
図ａ，ｂに示すように勾配のついた鉄骨梁等の横
架材にパネルを取付ける方法やモルタル等で勾配
をつける方法が行なわれていたが、これも同様に
材料費および取付け工事費が増えてコスト高にな
る問題点があつた。

この考案はこの様な問題点に対処すべく案出さ
れたものであり、この考案の特徴とするところ
は、PCパネルの側端部に添着される基板に鉄筋
に固着されるアンカー板と長ナツトを突設し、こ
の基板の長ナツトに長ボルトを螺合して取付具を
固着し、この取付具を鉄骨梁に取付けるようにし
たことにある。

符号ＡはALC板等のPC板で作成された屋根パ
ネルを示す。このパネルＡは内部に補強鉄筋７…
…が格子状に配筋されて埋設されている。このパ
ネルＡの側端面８には埋込金具９が添着されてい
る。

この埋込金具９は平板状の基板１０と基板の内
側に突設して連結され、パネル内に埋設される長
ナツト１１と基板の内側に突設し、パネル内部の
補強鉄筋７に固着されたアンカー板２４とから構
成されている。

長ナツト１１は内部に雌ねじ部１２を有してお
り、また基板１０には前記雌ねじ部１２に対応し
て取付孔１３が突設されている。

したがつて埋込金具９はパネルＡ内部の補強鉄
筋７にアンカー板２４を介して溶接等により固着
され取付けられている。

取付具１４は略平板状の基板１５と基板１５よ
り外側に水平に張り出す張出片１６とにより構成
されている。

また取付具１４の基板１５には前記埋込金具９
の取付孔１３，１３に対応して垂直方向に延びる
取付長孔１７，１７が穿設されている。

取付具１４はボルト１８を取付長孔１７より挿
通し、前記埋込金具９の雌ねじ部１２に螺挿して
締結することにより取付けられるが、この際取付
具１４をその取付長孔１７の長さの範囲内におい
て高さ調節可能に取付けることができる。

よつてこの考案の構造を屋根パネルの取付に使
用するときは、前記取付長孔１７の長さの範囲内
において勾配をつけることができる。なお、第４
図に取付具１４の他の実施例を示す。図示する様
に取付長孔１７のかわりに複数の貫通孔２５を垂
直方向に間隔をおいて穿設したものとすることが
できる。

以上取付金具Ｂは埋込金具９と取付具１４とに
より構成されている。

次に、前記取付金具Ｂと鉄骨梁１との連結につ
いて説明すると鉄骨梁１の上部フランジ１９に貫
通孔を穿設し、貫通孔にボルト１８を上方に向け
て挿通する。次いでこのボルト１８に仮止めナツ
ト２１を螺合し、ボルト１８を仮保持しておく。

この仮保持されたボルト１８に張出片１６に穿
設された透孔２２を嵌挿させる。

この透孔２２は張り出し方向に長孔状に形成し
てあるため、水平方向のパネル取付施工誤差を吸
収することができる。

その後、本締め用ナツト２３を前記ボルト１８
に螺合し締結してパネル取付けは終了する。

この考案は以上の構成よりなり、埋込金具はパ
ネル内部の補強鉄筋にアンカー板を介して固着さ
れ、取付具は長ボルト、ナツトによつてパネル側
端面に強固に取付けてあり、取付金具の基板より
外側に水平に張り出す張出片を鉄骨梁に重ねて取
付けてあるのでPCパネルを水平力に抵抗させる
ことができ、したがつて特に屋根パネルの施工作
業を合理化することが出来ると共に従来の階高施
工を低くすることが出来る。

また、取付金具を取付ける前のパネルＡの形状
は方形状でよく、パネルの製造は容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は埋込金具と取付具との連結状態を示す
概略図、第２図、第３図はこの考案の使用状態を
示す各々断面図、第４図は取付具の変形例を示す
斜視図、第５図ａ，ｂは従来例を示す概略図であ
る。 Ａ……パネル、Ｂ……取付金具、１……鉄骨
梁、７……補強鉄筋、８……側端面、９……埋込
金具、１０……基板、１１……長ナツト、１２…
…雌ねじ部、１３……取付孔、１４……取付具、
１５……基板、１６……張出片、１７……取付長
孔、１８……ボルト、１９……上部フランジ、２
１……仮止めナツト、２２……透孔、２３……ナ
ツト、２４……アンカー板、２５……貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付金物は、パネルの側端面に添着される基板
   と基板の内側に突設して連結されパネル内に埋設
   される長ナツトと基板の内側に突設してパネル内
   部の補強鉄筋に固着されたアンカー板とから構成
   される埋込金具と、基部とその基部より外側に水
   平に張り出す張出片とから構成される取付具とを
   備え、前記取付具の張出片を鉄骨梁に重ねて取付
   け、かつ取付金具の基板には垂直方向に取付可能
   な細長の透孔が設けてあり、その透孔よりボルト
   を挿通し、前記埋込み金具の長ナツトに螺合して
   垂直方向にパネルを取付けてあることを特徴とす
   るPCパネルの取付部構造。