JPH0542513U - 立て配管用スリーブ床盤ユニツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 配管工事における作業工数の増加を阻止し、
立て配管用スリーブの設置作業を合理化する。 【構成】 各種立管が貫通する床部分での床コンクリー
ト打設用の配筋作業前に、該床部分に配置する床盤２と
該床盤２上の所定位置に設けられて立管を挿通可能にす
る配管スリーブ３とを予め工場にて一体的に製作する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、中高層建築物の配管工事において、各種立管が貫通する床部分での コンクリート打設用配筋作業前に、立管挿通用スリーブを予め所定位置に正確に 設置して床コンクリート打ちが支障なく行える立て配管用スリーブ床盤ユニット に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来、中高層建築物等における立管（例えば鋼管パイプ）の配管工事は、各階 層階における床コンクリート打設用配筋作業が完了した時点で、パイプ貫通予定 位置に厚紙製のスリーブを設置し、時には配筋後の鉄筋を切断してこのスリーブ を設置した後、スリーブを除いた床部分にコンクリートを打設することにより、 床スラブを形成し、その後、前記スリーブにパイプを挿通して行っている。 又、図５に示すような、複数階分の長さを有するパイプ４０に、各階の高さに 応じて予め複数のスリーブ付き床盤４１が配設された構造の立管ユニットを使用 した場合には、このユニットの設置作業は、前記床盤４１のフレームを延長加工 しかつ梁上に設置した後、電気溶接して行っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の従来工法のうち、前者は、スリーブの設置後に鉄筋の点 検や補強が必要となり、作業工数が増加した。またコンクリート打設後、スリー ブの破損や位置ズレが多発し、後工程の配管作業に支障を生じた。しかも、既述 の実質的な配管前作業において遅延が生じた場合、本来の配管工事は他の内装工 事等とも錯綜し工期的に余裕のないものとなった。 又、後者では、配筋工事に先行して配管作業が実施できるものの、立管ユニッ トの現場搬入時、既述の設置作業に先立って立管ユニットをクレーンで吊り上げ て鉄骨梁に懸け渡すように降ろし梁に固定する作業が必要とされる。しかし、こ の作業は危険性が高くしかも多大な労力を必要とした。更に、このような立管ユ ニットでは、全体重量が大きくなるため床盤に強度が要求され、従って、床盤自 体の鋼材も大きくかつ重くなるため、梁上での設置位置調整に困難を伴った。ま たユニットは重量構造物のため、その固定には既述したとおり電気溶接が必要と され、その手配に苦労を要した。 本考案は、上記実情に鑑みなされたものであり、立管が貫通する床部分での配 筋工程への負担解消と、配管用スリーブの設置位置の精度向上とが図れてスリー ブの設置作業が合理化できる立て配管用スリーブ床盤ユニットを提供することを 目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案の上記目的は、梁間に架設しかつ梁に固定されるフレームが 周設された床盤と、前記床盤の所定位置に立設されかつ立管が貫通可能な配管用 スリーブとからなり、前記床盤と前記配管用スリーブとが予め一体構造に設けら れていることを特徴とする立て配管用スリーブ床盤ユニットによって達成される 。

【０００５】

【作用】

立管が貫通するフレームの所定位置において、立て配管用スリーブと床盤とが 予め一体構造に設けられているので、梁上に設置される前記床盤の前記スリーブ を除く領域に後工程としての配筋を実施することができ、配筋工程後および配筋 工程での作業負担を解消できる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の立て配管用スリーブ床盤ユニットの実施例を図面に基づいて詳 説する。 図１は、本考案のスリーブ床盤ユニットの一実施例を示す全体斜視図である。 図において、このスリーブ床盤ユニット１０は、上面にフレーム１が周設され た方形板状の床盤２と、前記床盤２上の所定位置に立設されかつパイプ６が貫通 可能な配管用スリーブ３とを有し、前記床盤２と前記配管用スリーブ３とが予め 一体構造に設けられている。更に詳述すると、前記フレーム１は、等辺山形鋼で 形成した枠体の互いに対向する一対の辺が梁間に架設できる長さを有して設けら れたもので、その枠体の下面に平板鋼材からなる前記床盤２が溶接により固着さ れている。 前記配管用スリーブ３は、各種挿通されるパイプ６に応じてその内径が選択さ れた鋼管からなり、前記床盤２に垂設されて複数個配置されている。図１では、 ７個のスリーブ３が配設されている。前記配管用スリーブ３は、図２に示すよう に、前記床盤２に形成した開口５と連通し該床盤２に溶接付けされており、挿通 されるパイプ６の配管中心を前記床盤２のＸ，Ｙ方向に対して正確に位置付けで きる。 図１に戻って、前記床盤２には、前記配管用スリーブ３およびコンリクート打 設時の荷重負荷に対応する強度が充分でないと予測される場合に、補強鋼４が床 盤２のＸ，Ｙ方向に沿った適宜位置に溶接付けされている。

【０００７】 上記の如く構成されるスリーブ床盤ユニット１０は、工場加工によって製作さ れかつ出荷されて、床コンクリート打設用の配筋作業前に据付け現場に搬入され る。搬入された床盤ユニット１０は、図２に示すように、前記床盤２が梁７上に 架設されかつ所定位置に位置合わせされた後、該床盤２と梁７との係合部が締め 具８により緊締される。次いで、配筋作業が前記床盤ユニット１０を含む床領域 に施された後、前記スリーブ３を除く全域にコンクリートが打設されて床工事が 行われる。上記工事を各階層階において施工することにより、パイプ６が貫通す る各階の床部分には、スリーブ３による貫通孔が正確に連通した状態で設けられ ており、前記スリーブ３にパイプ６を挿通しかつ該パイプを上下方向に位置する 他のパイプと互いに接続して配管が行われる。

【０００８】 図３は、本考案のスリーブ床盤ユニットの他の実施例を示している。 このスリーブ床盤ユニット２０は、床盤２１に断面が略波形状の鋼材が用いら れており、この鋼材がその波形断面を梁長手方向に沿った梁間の横断面と一致さ せて該梁に架設される。なお、この床盤２１にも、先の図１に示した実施例と同 様のフレームが周設されているが、図示は省略してある。しかし、この実施例で は、床盤２１はその断面構造によって強度が向上できるため、先の実施例におけ る補強鋼を不要にしている。配管用スリーブ２２は前記床盤２１の所定位置に設 けられた開口２３に貫入されかつ該床盤２１に溶着されている。

【０００９】 上記の如く構成し予め工場にて製作されたスリーブ床盤ユニット２０は、先の 実施例の場合と同様、床コンクリート打設前に建築現場に搬入されて所定の梁間 に架設された後、該梁に固定される。次いで、配筋作業が前記床盤ユニット２０ を含む床領域に施された後、前記スリーブ２２を除く全域にコンクリートが打設 されて床工事が行われる。 この実施例では、床盤２１に波形鋼材が使用されるので補強鋼を省略して工場 加工を簡単化できる。しかし、梁長手方向に強度が必要とされる場合には別途補 強材を設けることもできる。

【００１０】 なお、本考案の立て配管用スリーブ床盤ユニットは、例えば本出願人が実願平 3-22108 号明細書において既に提案したパイプ支持装置を適用することにより、 良好にパイプを支持して配管を行うことができる。即ち、この支持装置は、図４ に示す通り、本考案により構成されると同等のスリーブ３０に配置され、矢印で 示すスリーブ半径方向に進退自在な第１の押圧手段３１および該第１の押圧手段 ３１と同一平面内に設けられ、同様にスリーブ半径方向に進退自在な第２の押圧 手段３２と、前記スリーブ３０内のパイプ３３を支承する係合手段３４と、前記 スリーブ３０の外方に位置しかつ、図示しない床盤に固着されて前記第１の押圧 手段３１および前記係合手段３４を支持する支持部材３５とを有し、前記第１の 押圧手段３１および前記係合手段３４の少なくとも何れか一方が複数配設されか つ複数の手段間に他方の手段が配置されたもので、この支持装置は、パイプ３３ を前記押圧手段３１，３２の押圧力と前記係合手段３４として用いているＵボル トの引張力とで三点支持することで、確実に支持することができたものである。

【００１１】

【考案の効果】 以上記載したとおり、本考案の立て配管用スリーブ床盤ユニットによれば、立 管が貫通する床盤の所定位置に、前記立管が挿通される配管用スリーブを配置す ると共にに、前記床盤と前記スリーブとを予め工場加工により一体構造に製作し て出荷するので、前記スリーブ自体の保全と設置位置の正確さとが実現できる。 又、予め床盤に配管用スリーブが配置されているので、鉄筋を切断するなどの作 業を解消して配筋作業への負担を無くすことができる。又、配管用スリーブが配 置された状態で配筋工程が実施でき該配筋工程の手戻りを生じない。スリーブ位 置の精度が極めて向上することにより、工場加工した立管の組み上げが可能にな り、配管工事の遅延による内装工事との錯綜を招かない。更に、本考案の床盤ユ ニットは、従前の立管ユニットに較べて平面的に形成されかつ軽量化されるので 、現場への搬入が容易となる。従って、据付け時の位置合わせが容易になると共 に、梁への固定も一般の締付け工具で充分に対応でき電気溶接などを不用にでき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である立て配管用スリーブ床
盤ユニットの斜視図である。

【図２】図１の床盤と配管用スリーブとの接続を示す断
面図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す部分断面図である。

【図４】本考案に適用できるパイプ支持装置の平面図で
ある。

【図５】従来の立管ユニットを説明する図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 床盤 ３ 配管用スリーブ ４ 補強鋼 ５ 開口 ６ パイプ ７ 梁 ８ 締め具 １０，２０ スリーブ床盤ユニット ２１ 床盤 ２２ 配管用スリーブ ２３ 開口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 梁間に架設しかつ梁に固定されるフレー
   ムが周設された床盤と、前記床盤の所定位置に立設され
   かつ立管が貫通可能な配管用スリーブとからなり、前記
   床盤と前記配管用スリーブとが予め一体構造に設けられ
   ていることを特徴とする立て配管用スリーブ床盤ユニッ
   ト。
2. 【請求項２】 前記床盤は適宜位置に補強用鋼材が配置
   されていることを特徴とする請求項１記載の立て配管用
   スリーブ床盤ユニット。