JPH0465278B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、処理用セル、特に使用済み核燃料を
再処理するための大型セルにおいて、位置固定の
導管の端部フランジと鋭直方向で取外し可能な導
管部分の管フランジとを遠隔操作によつて互いに
連結するための心定め装置であつて、端部フラン
ジと管フランジとの分割平面が鉛直な平面に配置
されている形式のものに関する。

従来の技術 使用済み核燃料を再処理するための設備は被処
理要素を収容するためにいわゆる高温大型セルを
有している。放射線を遮断する大型セル内におい
て被処理要素はラツクと呼ばれる架台又はフレー
ムに設置されている。

放射線によつて負荷される大型セル内部におけ
る保守作業は作業員がセルに立入る必要なしに行
われねばならない。従つて保守作業は可動の遠隔
操作装置を介して行われる。この場合有利には、
被処理要素を収容するラツクは遠隔操作に都合の
よいようにモジユール構造形式
（Modulbauweise）で高温大型セルの壁に沿つて
設置される。つまりラツクモジユールが全部又は
ラツクモジユールの一部が交換できるようになつ
ている。

この交換に際して、２つのラツクを互いに直接
結合しているか又は、セル壁を貫いて延びる導管
と直接結合しているすべての導管は遠隔操作によ
つて互いに離され、身しいラツクモジユールの組
付け後に再び互いに結合されねばならない。ラツ
クの分解を可能にするためには、ラツクモジユー
ルの交換可能性つまり離隔を阻止する導管の全区
分が切り離されねばならない。従つて、連結可能
な管フランジと両端において結合されている取外
し可能な導管部分（管結合ユニツト）が用いられ
る。セル壁を貫通している導管をラツクの導管接
続部と結合する場合にこれらの管結合ユニツト
は、セル壁に取り付けられた導管プレートの位置
固定の端部フランジと、ラツクに配置された処理
用機器の導管接続部の端部フランジとの間に挿入
されて、両端部フランジと連結される。

両端部フランジの間には、交換可能ないしは取
外し可能な導管部分が鉛直方向で導入ないしは取
り外される一定の間隔が存在している。フランジ
間の結合は、伸縮リング連結又はねじ継手のよう
な自体公知の手段を介して達成される。

発明が解決しようとする問題点 この場合連結すべき導管部分は互いに同心的に
整合されねばならない。この整合は遠隔操作され
る取扱い装置によつて実施されねばならないの
で、テレビ画像を見ながら結合動作を監視しかつ
制御する操作員は特殊な問題をかかえている。つ
まり導管部分が合致する直前に操作員は連結箇所
をあまりよく観察することができない。この結
果、交換可能ないしは取外し可能な導管部分の取
付けにしばしば誤差の生じることがある。

ゆえに本発明の課題は、連結動作を迅速かつ確
実にしかも簡単な技術的手段で実施できるよう
に、冒頭に述べた形式の心定め装置を改良するこ
とである。

問題点を解決するための手段 この課題を解決するために本発明の構成では、
位置固定の導管に、鉛直方向で上に向かつて延び
た心定めピンが配置されており、該心定めピンに
適合する、心定め面を備えた雌形嵌合部材が、取
外し可能な導管部分に配置されている。

実施態様 本発明の有利な実施態様である特許請求の範囲
第２項及び第３項記載の構成には、導管のまわり
に固定された管クランプに心定めピン及び雌形嵌
合部材が取り付けられていることによつて、鉛直
方向における方向付けが正確になるという利点が
ある。位置固定の取り付けられた心定めピンは既
に、該導管の製作時及び大型セルにおける組付け
時に取り付けることができる。また、交換可能な
いしは取外し可能な導管部分への雌形嵌合部材の
取付けは、大型セルの上又はそばにある遮閉され
たサービス範囲において行うことができる。

特許請求の範囲第４項記載の別の有利な実施態
様のように構成されていると、ある特定の幅の円
錐面にわたつて延びている心定め機構が得られ、
これによつて心定め装置の正確な案内及び形状安
定性が達成される。

特許請求の範囲第５項及び第６項記載の実施態
様のように構成されていると、心定め装置の両部
分の軸方向におけるずれを有効に回避することが
できる。

作 用 導管部分（管結合ユニツト）の取外しは遠隔操
作によつて緊締部材を解離した後で鉛直方向にお
いて実施される。ラツクモジユールの交換ないし
は保守作業がなされた後で導管部分は再び導管接
続部を結合するために使用されねばならない。

操作員にとつて本発明による心定め装置は、互
いに連結すべきフランジを同心的に合致させるた
めの最適な補助手段である。つまり、本発明によ
る心定め装置では心定め動作は連結箇所の内部に
おいてではなく外部において有利な形式で行われ
るので、連結すべきフランジの同心的な整合を迅
速に行うことが可能になる。

実施例 大型セル２にはラツク４と呼ばれる多数の架台
が、互いに向かい合つている２つのセル壁６，８
に沿つて配置されている。パターン構造を有する
これらのラツク４には被処理要素が収容されてお
り、図面では見やすくするために１つの容器９だ
けが示されている。互いに向かい合つている両ラ
ツク列によつて中央には運搬路１０が形成されて
いる。この運搬路１０にはマニプレータ保持系１
２が走行可能に配置されている。マニプレータ保
持系１２は、側部において大型セル２のセル壁
６，８に水平方向で走行可能に支承された上方の
横ビーム１４と、この横ビーム１４の中央に懸吊
されていて鉛直方向に延びているガイドコラム１
６とから成つている。

固有の縦軸線を中心にして回転可能なガイドコ
ラム１６には支持体２０が昇降可能に配置されて
おり、この支持体２０はテレスコープ状のアーム
２２を保持している。テレスコープ状のアーム２
２の端部にはマニプレータ、工具又はその他の遠
隔操作装置が取り付けられている。

マニプレータ保持系１２の横ビーム１４の上方
でセル蓋２７のすぐ下には遠隔制御可能な橋形ク
レーン２８が配置されており、この橋形クレーン
２８には、クレーンビーム３０の運動方向に対し
て直角方向で走行可能なトロリ３２が設けられて
いる。橋形クレーン２８はワイヤロープ３４に鉛
直方向で運動可能なフツク３６を保持している。

ラツク４の頂部にはそれぞれ、水平に配置され
た管接続プレート４０が設けられており、この管
接続プレート４０は被処理要素（容器９）の導管
接続部４２を受容している。ラツク４上方におい
て大型セル２の内部には、外側からセル壁栓体４
５を貫いて延びている導管４６のための接続プレ
ート４４がセル壁６，８に沿つて鉛直に配置され
ている。接続プレート４４は端部フランジ４７を
有しており、大型セル２内に進入した導管４６は
この端部フランジ４７において終わつている。セ
ル壁栓体４５は鉛粒子４８によつて満たされてい
る。

各ラツク４において両接続プレート４０と４４
は管結合ユニツトの導管部分４９によつて互いに
結合されている。この導管部分４９は両端部にそ
れぞれ管フランジ５０，５２を有し、この場合管
フランジ５０はねじ継手５３を介してセル壁の端
部フランジ４７と結合され、管フランジ５２は管
接続プレート４０の端部フランジ（導管接続部４
２）と結合されている。導管部分４９はねじ継手
５３の解離後に鉛直方向で取り外すことができ
る。

水平な導管４６の端部フランジ４７と同じく水
平な導管部分４９の管フランジ５０とを同軸的に
接続するために、導管４６及び導管部分４９には
心定め装置５４が設けられている。心定め装置５
４（第２図及び第３図参照）は主構成要素とし
て、位置固定の導管４６の端部フランジ４７のそ
ばに設けられかつ鉛直方向で上に向かつて延びて
いる心定めピン５６を有している。心定めピン５
６は扁平な棒材から成つていて、管クランプ５８
に軸平行に溶接されており、この管クランプ５８
は位置固定の導管４６にねじ６０を用いて固定さ
れている。心定めピン５６は、導管軸線に対して
平行に方向付けられたくさび状の先端６２を有し
ている。

取外し可能な導管部分４９には管フランジ５０
の近くにおいて同様に管クランプ６４がねじ６６
を用いて固定されている。この管クランプ６４に
は、鉛直方向で上に向かつて延びているアングル
６８の鉛直な脚６９が溶接されており、アングル
６８の水平な脚７０の端部には雌形嵌合部材７２
が溶接されている。この雌形嵌合部材７２には、
下に向かつて開いたくさび状の切欠き７４が設け
られている。この切欠き７４は導管軸線に対して
平行に方向付けられているので、心定めピン５６
のくさび状の先端６２と協働する。雌形嵌合部材
７２のくさび状の切欠き７４の傾斜面は、心定め
動作中における心定めピン５６のための心定め面
７５を形成している。

各管クランプ５８，６４の両側にはねじ６０，
６６の範囲に制限台８０，８２；８４，８６がそ
れぞれ所属の管表面に溶接されている。これらの
制限台８０，８２；８４，８６によつて、管クラ
ンプ５８，６４が軸方向でずれることは阻止され
ている。

上に述べた心定め装置の作用形式は以下の通り
である： ラツク４又はその一部を分解したい場合には、
まず初めラツク４の管接続プレート４０とセル壁
の接続プレート４４との間の導管の結合が解離さ
れて、管結合ユニツト（導管部分４９）が外され
ねばならない。マニプレータのアーム２２によつ
て保持された動力インパクトレンチを介して、互
いに連結されたフランジのねじ継手は離される。
次いで導管部分４９はクレーンのフツク３６を用
いて、導管接続部を結合する箇所から鉛直方向で
上に向かつて持ち上げられる。これによつていま
やラツク４は自由に交換可能である。

ラツク４の交換後に導管接続部は再び互いに結
合されねばならない。そのためにその都度所望の
管結合ユニツト（導管部分４９）がクレーン２８
を用いて、接続プレート４４，４０のそれぞれ管
フランジ５０，５２と結合される両端部フランジ
４７，４２の間に鉛直方向で下に向かつてもたら
される。操作員はテレビ受像面を見ながら連結箇
所の外に位置する心定め装置５４への管結合ユニ
ツト４９の進入を修正することができる。この視
覚的な認識によつて既に連結箇所をかなり正確に
当接させることができる。端部フランジ４７と管
フランジ５０との間の精密な心定めは心定めピン
５６への雌形嵌合部材７２の載着によつて達成さ
れる。つまりまず心定めピン５６のくさび状の先
端６２は雌形嵌合部材７２の斜めの心定め面７５
に当接し、導管部分４９のさらに続く降下時に、
管フランジ５０を位置固定の導管４６の端部フラ
ンジ４７に対して正確に同軸的に整合させる。こ
のように両フランジ４７，５０が互いに正確に心
定めされた後で両両フランジ４７，５０は、マニ
プレータのアーム２２に保持されたインパクトレ
ンチを用いてねじ５３によつて再び緊締される。

発明の効果 以上述べたことから明らかなように本発明によ
る心定め装置によつて、連結すべきフランジを遠
隔操作装置を用いて迅速かつ正確に同心的に整合
させて合致させることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による心定め装置が設けられて
いる大型セルの横断面図、第２図は連結状態にお
ける連結箇所を示す拡大図、第３図は第２図の
−線に沿つた横断面図である。 ２…大型セル、４…ラツク、６，８…セル壁、
９…容器、１０…運搬路、１２…マニプレータ保
持系、１４…横ビーム、１６…ガイドコラム、２
０…支持体、２２…アーム、２７…セル蓋、２８
…橋形クレーン、３０…クレーンビーム、３２…
トロリ、３４…ワイヤロープ、３６…フツク、４
０…管接続プレート、４２…導管接続部、４４…
接続プレート、４５…セル壁栓体、４６…導管、
４７…端部フランジ、４８…鉛粒子、４９…導管
部分、５０，５２…管フランジ、５３…ねじ継
手、５４…心定め装置、５６…心定めピン、５
８，６４…管クランプ、６０，６６…ねじ、６２
…先端、６８…アングル状保持体、６９，７０…
脚、７２…雌形嵌合部材、７４…切欠き、７５…
心定め面、８０，８２，８４，８６…制限台。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 処理用セル２において、位置固定の導管４６
   の端部フランジ４７と鉛直方向で取外し可能な導
   管部分４９の管フランジ５０とを遠隔操作によつ
   て互いに連結するための心定め装置５４であつ
   て、端部フランジ４７と管フランジ５０との分割
   平面が鉛直な平面に配置されている形式のものに
   おいて、位置固定の導管４６に、鉛直方向で上に
   向かつて延びた心定めピン５６が配置されてお
   り、該心定めピン５６に適合する、心定め面７５
   を備えた雌形嵌合部材７２が、取外し可能な導管
   部分４９に配置されていることを特徴とする、互
   いに連結可能な導管部分のための心定め装置。 ２ 心定めピン５６が管クランプ５８に取り付け
   られており、該管クランプが位置固定の導管４６
   の端部フランジ４７のそばにおいて該導管４６を
   取り囲むように固定されている、特許請求の範囲
   第１項記載の心定め装置。 ３ 雌形嵌合部材７２がアングル状保持体６８の
   一端に固定されていて、該アングル状保持体の一
   方の脚６９が管クランプ６４の周面に鉛直に取り
   付けられており、該管クランプが、連結される管
   フランジ５０のそばにおいて取外し可能な導管部
   分４９を取り囲むように配置されている、特許請
   求の範囲第１項記載の心定め装置。 ４ 心定めピン５６が扁平な棒材から成つてい
   て、上端部に棒材長手方向に延びているくさび状
   の先端６２を有し、該先端の頂線が導管軸線に対
   して平行に延びており、雌形嵌合部材７２が、下
   に向かつて開きかつ広がつているくさび状の切欠
   き７４を有し、該切欠きが導管軸線に対して平行
   に配置されている、特許請求の範囲第１項から第
   ３項までのいずれか１項記載の心定め装置。 ５ 位置固定の導管４６の管クランプ５８のそば
   及び（又は）取外し可能な導管部分４９の管クラ
   ンプ６４のそばに、管クランプ５８，６４の軸方
   向におけるずれを阻止するストツパ部材８０，８
   ２，８４，８６が配置されている。特許請求の範
   囲第２項又は第３項記載の心定め装置。 ６ ストツパ部材が管表面に溶接された制限台８
   ０，８２，８４，８６である、特許請求の範囲第
   ５項記載の心定め装置。