JPH0464548B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明の背景 本発明は、ポリ（アリーレンサルフアイド）を
含有する組成物に関する。本発明の一態様では、
ポリ（アリーレンサルフアイド）を含有する成形
用組成物に関する。本発明の他の態様では、衝撃
強さおよび亀裂抵抗が改善されたポリ（アリーレ
ンサルフアイド）の組成物の製造方法に関する。 ポリ（アリーレンサルフアイド）は、成形用組
成物として有用であることは公知である。組成物
の全体的の有用性を決定する上で重要な成形用組
成物の特徴の中には耐衝撃制すなわち衝撃強さお
よび亀裂抵抗がある。良好な衝撃強さを有する成
形用組成物は、良好な衝撃強さが無い組成物の成
形物品が他の物体に衝突したとき割れたり、亀裂
が入つたり破壊される傾向があるため使用できな
い多数の有用な物品の成形用に使用できる。亀裂
抵抗は厚い物品の成形用に特に重要である。ポリ
（アリレンサルフアイド）の衝撃強さおよび（ま
たは）亀裂抵抗は、ある種のゴム状重合体化合物
を配合することによつて改善できることが見出さ
れた。若干のこれらのゴム状化合物を使用し、あ
る種の有機シランを添加する衝撃強さをさらに増
加させることができる。 従つて、本発明の目的は、ポリ（アリーレンサ
ルフアイド）特にポリ（フエニレンサルフアイ
ド）を含有する組成物の衝撃強さおよび亀裂抗控
を改善させる方法を提供することである。本発明
の他の目的は、改善された衝撃強さおよび亀裂抵
抗を有するポリ（アリーレンサルフアイド）特に
ポリ（フエニレンサルフアイド）を含有する組成
物を提供することである。本発明のさらに他の目
的は、改善された衝撃強さと亀裂抵抗を有する成
形物品を提供することである。 本発明の他の態様、目的および種々の長所は、
本明細書並びに添付の特許請求の範囲を読むこと
によつて明らかになるであろう。 本発明の説明 本発明は、ポリ（アリーレンサルフアイド）
と、衝撃強さおよび／または亀裂抵抗を改良する
ために、組成物の0.1〜40重量％の、エチレン−
アクリルゴム、エチレン−プロピレン コポリマ
ーゴムまたはエチレン−プロプレン−ジエンター
ポリマーゴムである重合体ゴムとを含む成形用組
成物を提供する。 本発明の態様において、ポリ（フエニレンサル
フアイド）と重合体ゴムを含有する組成物に有機
シランを添加することによつて衝撃強さが増加す
る。 本組成物に使用されるポリ（フエニレンサルフ
アイド）樹脂は、例えば1967年11月21日にジエー
ムスT.エドモンヅJr.（James T.Edmonds Jr.）
およびハロルド ワイネ ヒルJr.（Harold
Wyne Hill Jr.）に発行された米国特許明細書第
3354129号に示されている公知のポリマーである。
この樹脂は、常態で固体物質であり未硬化または
部分的に硬化された状態で、ASTM法Ｄ−1238
−70（316℃および５Kg荷重）によるｇ／10分で示
すメルトフローは、約10〜約10000、さらに好ま
しくは約20〜約3500の範囲である、現在のところ
好ましい樹脂はPPSと略称されるポリ（フエニレ
ンサルフアイド）である。 本発明に使用される重合体ゴムは、ポリ（フエ
ニレンサルフアイド）に約0.1〜約40重量％、好
ましくは約0.5〜約25重量％の量で混合されたと
きポリ（フエニレンサルフアイド）の衝撃強さの
改善に特に有効である。重合体ゴムの個々の種類
は、下記に論議するようにさらに好ましい添加剤
量の範囲がある。 本発明の有用なエチレン−アクリルゴムは、部
分的に加水分解されているエチレン−アルキルア
クリレート コポリマーである。エチレン−アク
リルゴムは、最も好ましくは組成物の約0.5〜約
15重量％の量で使用される。 本発明に有用なエチレン−プロピレンゴムは、
最も好ましくは組成物の約0.5〜約15重量％の量
で使用される。任意のゴム状エチレン−プロピレ
ンコポリマーは本発明の範囲内にあると見做され
る。 エチレン−プロピレン−ジエンゴム状ターポリ
マーは、最も好ましくは組成物の約0.5〜約25重
量％の量で使用される。任意のエチレン−プロピ
レン−ジエンゴム状ターポリマーは本発明の範囲
内にあると見做される。 全組成物の約３重量％まで、好ましくは全組成
物の約0.1〜約２重量％の有機シランを使用する
とその組成物の衝撃強さをさらに増加させること
が見出されている。 本発明に有用な有機シランは、アルキルまたは
置換されたアルキルトリアルコキシ シランであ
る。繊維またはビーズの形態のガラスのような強
化材、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム
などのような充填剤、炭酸リチウムまたはＮ，Ｎ
−アルケンビス（アルカンアミド）、炭素原子10
〜30個を有する飽和脂肪酸のグリセライドまたは
ホスフエート化グリセライド、飽和脂肪酸から誘
導されるモノ−およびジ−アルカノールアミド、
長鎖飽和脂肪酸および長鎖脂肪族アルコールのエ
ステルの中から選ばれる油またはワキシー化合物
のような加工助剤、およびカーボンブラツク、二
酸化チタン、硫化カドミウム、カドミウムスルホ
セレナイド、フタロシアニンブルー、酸化鉄など
が含まれる着色剤から選ばれる他の添加剤を含む
組成物も本発明の範囲内である。 本発明の組成物の製造の場合、添加の順序は重
要でなく、成分の混合に任意の方法を使用するこ
とができるが乾燥成分の場合は、混転混合し、次
いで押出し、粉砕して均質の粉末にするのが好ま
しい。この粉末を予熱して成形する。 次の実施例を本発明の説明のために示すが説明
のためであつて制約されると解釈すべきではな
い。 比較例 １ 本実施例では、本明細書でPPSと呼ぶポリ（Ｐ
−フエニレンサルフアイド）の衝撃強さに及ぼす
シルコーンゴムの効果を説明する。本実施例で
は、また次のように被験試料の調製および評価の
一般的方法を説明する：900ｇのPPS〔MRO3、フ
イリツプスペトロリウム社製、ASTM法D1238
により600〓（316℃）、５Kg荷重で測定して20〜
65ｇ／10分のメルトフローを有する〕およびウイ
リー ミル（Wiley mill）で予め粉砕した100ｇ
のシリコーンゴム（PSW1049.ペトラツチシステ
ム社製）を混転ミキサー中、室温で約５分混合し
た。混合物を600〓（316℃）でデイビス
（Davis）標準押出機から押出し、粒状または粗
粉状に粉砕し、350〓（177℃）の炉中で３時間乾
燥させ、ニユー ブリテン（New Britain）成
形機（バレル600〓、金型275〓）を使用し５イン
チ×１インチ×0.125インチの被験試料に成形し
た。ノツチ付およびノツチなし試料について
ASTM D256試験法によつてアイゾツト衝撃強
さを測定した。 一般に４個の試験を行い、その結果を平均し
た。２種の異なる種類の有機シランを含み、種々
の濃度のシリコーンゴムで試験を繰返した。添加
剤なしのPPSだけの対照についても試験を行つ
た。第表に示すこれらの結果から５〜10重量％
の間のシリコーンゴムの添加が、ノツチ付および
ノツチなしの耐衝撃性を著しく増加させることが
示されている（実験２および３）。このデータは、
また有機シランの添加はある場合には衝撃強さを
増加させ、ある場合には減少させるがいずれにし
ても一般にわずかなことを示している。

【表】

【表】 実施例 １ 本実施例では任意のエチレン−アクリルゴムが
PPSの耐衝撃性に及ぼす効果を説明する。シリコ
ーンエラストマーをエチレン−アクリルゴムであ
るベーマツク（Vamac）Ｎ−123に代えた以外は
比較例１の方法を繰返した。第表に示した結果
からエチレン−アクリルゴムが耐衝撃性、特にア
ニールされないノツチ付では476J／Ｍから
1512J／Ｍに増加したことが示されている。

【表】 実施例 ２ 本実施例では、PPSの耐衝撃性および亀裂抵抗
に及ぼすエチレン−プロピレンゴム状コポリマー
（EPR）の効果を説明する。耐衝撃性に関して
は、シリコーンエラストマーをエチレン−プロピ
レンコポリマーであるエプシン（EPsyn）7006に
代えた以外は比較例１の方法を繰返した。第表
に示した結果からエチレン−プロピレンゴム状エ
ラストマーが、PPSの耐衝撃性を２倍以上に、時
には３倍にすることが分かる。 ガラス充填のPPS組成物の亀裂抵抗に及ぼすエ
チレン−プロピレンゴムの影響は、56.75重量％
のPPS（メルトフロー173、フイリツプスペトロリ
ウム社製）、40.00重量％のガラス繊維、0.25重量
％の高密度ポリエチレン（BX670、フイリツプ
スペトロリウム社製）、1.00重量％のLi₂CO₃、
2.00重量％の酸化鉄顔料（デイービスブラウン
6623）から成る組成物を乾燥配合し、次いで被験
エチレン−プロピレンポリマーの種々の量を添加
した。この組成物を実施例に記載のように直径
２インチ×厚さ0.5インチの円板に押出した。周
囲温度に冷却後この円板を２方法の一つでさらに
加工した。１方法では円板を厚さ0.25インチに円
周状に切断し、400〓で２時間アニールし、周囲
温度に24〜48時間貯蔵し、肉眼で亀裂を観察し
た。かような円板８個を調製し、任意の程度の亀
裂を示した円板の数値を記録した。別の方法で
は、この逆の方法を行つた。すなわち、円板を最
初にアニールし、次いで切断し、貯蔵して亀裂を
検査した。この結果を第表に示したが、エチレ
ン含量の程度、Mn×10³、およびムーニー粘度値
の範囲の異なる各種類のエチレン−プロピレンゴ
ムがPPS組成物の亀裂抵抗を十分に改善させるこ
とを示している。このデータはまた、完全に亀裂
を無くするために必要とするゴムの量は約２重量
％であるが、１重量％でも良好な亀裂抵抗がある
ことを示している。メルトフローが異なり、組成
物成分およびその量が相異するPPSの場合にも十
分な亀裂抵抗を得るに要するエチレンプロピレン
ゴムの量は変化するであろう。

【表】

【表】

【表】

【表】 実施例 ３ 本実施例では、PPSの耐衝撃性および亀裂抵抗
に及ぼすエチレン−プロピレン−ジエンゴム
（EPDM）の効果を説明する。耐衝撃性ならびに
亀裂抵抗の両者は、前記と同様な方法で試料調製
および評価を行つた。第表に示した結果からエ
チレン−プロピレン−ジエンゴム状エラストマー
はPPSの耐衝撃性が著しく改善させることを示し
ている。同様に第に示した結果から、エチレン
−プロピレン−ジエンゴム状エラストマーは、一
般に成形したPPS組成物のすべての亀裂をなくす
ることを示している。

【表】

【表】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポリ（アリーレンサルフアイド）と、衝撃強
   さおよび／または亀裂抵抗を改良するために、組
   成物の0.1〜40重量％の範囲内の、エチレン−ア
   クリルゴム、エチレン−プロピレンゴムまたはエ
   チレン−プロピレン−ジエンゴムである重合体ゴ
   ムとを含むことを特徴とする成形用組成物。 ２ 前記の重合体ゴムが、エチレン−アクリルゴ
   ムである特許請求の範囲第１項に記載の組成物。 ３ 前記のエチレン−アクリルゴムの量が、全組
   成物の0.5〜15重量％の範囲内である特許請求の
   範囲第２項に記載の組成物。 ４ 前記の重合体ゴムが、エチレン−プロピレン
   ゴムである特許請求の範囲第１項に記載の組成
   物。 ５ 前記のエチレン−プロピレンゴムの量が、全
   組成物の0.5〜15重量％の範囲内である特許請求
   の範囲第４項に記載の組成物。 ６ 前記の重合体ゴムが、エチレン−プロピレン
   −ジエンゴムである特許請求の範囲第１項に記載
   の組成物。 ７ 前記のエチレン−プロピレン−ジエンゴムの
   量が、全組成物の0.5〜25重量％の範囲内である
   特許請求の範囲第６項に記載の組成物。