JPH0463748B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は例えば塗装用のエアスプレーガンなど
のように、液体と気体のそれぞれの補給用の２本
のチユーブを接続させて使用する。手持ち式の流
体吐出用ガンへのチユーブの接続用装置に関す
る。

［従来の技術］ 塗装用エアスプレーガンは、自動車や船舶など
の自動塗装施設に使われる場合は別として、一般
には塗料溶液と圧縮空気とのそれぞれの補給用の
長いホースが接続されているスプレーガンを作業
者が手で持つて、複雑な外形を備える被塗装面に
向けて絶えずガンの支持状態を変化させながら塗
装作業を進めていた。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記の塗装用スプレーガンの操作に際しては、
ホースがかなり可撓性に富んではいるものの、２
本のホースがひとまとめに束ねられた状態にある
にしろ、または束ねられないままであるにしろ、
その取り付け構造に由来して、スプレーガンを振
り回しながらスプレー操作を行う際に、２本１組
としてのホースの屈撓のしやすさには方向性が生
じざるをえない。このためにガンの噴射方向の変
換のためのガンさばきは意のままにスムーズには
行い難く、従つて塗装作業能率の向上をはばむ一
要因をなくしていた。

またこれらのホースに塗料が付着して汚れた場
合には、２本のホースをそれぞれ溶剤を使つて洗
う手数が掛るうえに、不使用時のホースの収納も
コンパクトには行い難かつた。

本発明は液体と気体の２種類の流体の給供用チ
ユーブが接続されており、作業者が手に持つて操
作する流体注入用ガンの、操作を軽快化させると
共に、チユーブの保守作業も簡便化させられる液
体と気体の集中配送装置を提供することを目的と
する。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために本発明装置は、気
体（液体）の配送用の外側チユーブと、該外側チ
ユーブの内径より小さい外径を有し、この外側チ
ユーブに内挿させた液体（気体）の配送用の内側
チユーブと、前記内外２重チユーブの一端側に取
り付けるための、前記外側及び内側チユーブの一
端側をそれぞれ嵌合させられるように同軸的に配
設させた一組のチユーブ接手と、前記外側チユー
ブ接手に連らなる前記気体（液体）の導入口接
手、及び前記内側チユーブ接手に連らなる前記液
体（気体）の導入口接手とを有する液体及び気体
の導入用配管継手と、前記内外２重チユーブの他
端側に取り付けるための、前記導入用配管継手と
同様な構造を有し、前記液体の吐出口接手及び前
記気体の吐出口接手を有する、液体及び気体の吐
出継手とからなる構成を採用した。

［作用及び発明の効果］ 上記の如き構成を備えた本発明装置は、液体及
び気体の導入用配管継手に同軸的に設けてある一
組のチユーブ接手のうちの内側接手に、液体の配
送用の内側チユーブの一端を、また外側接手に気
体の配送用の外側チユーブの一端をぞれぞれ嵌着
させる。同様にして吐出用継手に同軸的に設けて
ある１組のチユーブ接手の内側及び外側接手に、
それぞれ液体及び気体配送用チユーブの各他端側
を嵌着させることによつて装置の組付けが終る。

この装置の使用方法は、液体及び気体の導入用
配管継手の液体及び気体導入口接手を、それぞれ
装置の使用場所に近接させて設けてあり、液体ま
たは気体の供給源に連らなる配管の末端継手に接
続する。

そして吐出用継手には、液体と気体とを任意の
量比をもつて同時に吐出させるための吐出用ガ
ン、例えばエアスプレーガンを接続する。この接
続のためには吐出用継手の液体及び気体吐出口接
手を、それぞれ吐出用ガンに設けてある液体及び
気体の導入口継手に嵌着させればよい。

液体と気体の同時吐出用ガンとしての、例えば
エアスプレーガンへの液体と気体の配送手段とし
て、上記の如き構成を備えた本発明装置を使用す
ることによつて、従来は液体（塗料）と気体（圧
縮空気）とのそれぞれの配送用の２本のホースを
一つのガンに並列させて接続しなければならなか
つたのが、１本にまとめられた同軸チユーブで足
りることになるので、従来のように複数本のチユ
ーブのからみ合いや、複数本の可撓性チユーブを
束ねて使用する際にチユーブ束の屈撓しやすさに
方向性が生じることによつて、吐出用ガンの振り
回し操作の円滑性が失われ、作業効率が大巾に低
下する不具合が解消されるうえに、吐出装置の収
納スペースも少なくて足りるようになる。

［実施例］ 以下に付図に示す実施例に基づいて本発明装置
を具体的に説明する。

第１図及び第２図は、一実施例装置の部分破断
斜視図と、液体及び気体の集中導入用配管継手
（または吐出用継手）の縦断面図である。

装置は全体として液体と気体とを集中配送させ
るための２重構造チユーブＡと、その一端側に嵌
着させた液体と気体の導入用配管継手Ｂと、同じ
く他端側に嵌着させた吐出用継手Ｃとから成り立
つている。

２重構造チユーブＡを構成する外側チユーブ１
と、この外側チユーブ１の内径より小さい外径を
有し、外側チユーブ１内に挿通させた内側チユー
ブ２とは、長さがほぼ等しく可撓性に富んだ材料
例えば可撓性合成樹脂や合成ゴムなどで作られて
いる。具体的な材質及び構造は配送すべき流体の
化学的性質や流体の温度或は流体の配送圧などに
応じて適宜に選択すればよい。

液体及び気体の導入用配管継手Ｂと吐出用継手
Ｃとは、本質的には同一の形状構造を備えてお
り、同軸的に配置されて外側チユーブ１と内側チ
ユーブ２のそれぞれの一端側を嵌合させるための
１組のチユーブ接手３ａ及び４ａ（５ａ及び６ａ）
と、気体の入口をなす外側チユーブ接手３ａに連
らなる気体の導入用継手３ｂ，５ｂと、液体の入
口をなす内側チユーブ接手４ａに連らなる液体導
入用継手４ｂ，６ｂを備えている。

このような継手構造は、耐蝕性金属材料例えば
真鍮、アルミニウム合金などを切削加工して形成
させてもよいし、物理的ないし化学的特性のすぐ
れたいわゆるエンジニアリングプラスチツクの鋳
込み成形部品を組合わせる方法によつてもよい。
継手の形状・寸法は必要に応じて適宜に設計変更
すればよい。また外側チユーブ１を液体配送用と
して、内側チユーブ２に気体を通すようにしても
もちろんよい。

第３図は本発明装置を塗装用エアスプレーガン
に接続して、塗料と圧縮空気とをそれぞれ供給す
るためのホースとして利用する有様を示した、塗
装ラインの模式的説明図である。

エアスプレーガンＤのボデー１０には塗料導入
口継手１２とスプレーノズル１３及び塗料の圧縮
空気の供給断続用のハンドル１４が設けられてい
る。またガンのグリツプ部１１には圧縮空気導入
口継手１５が設けてある。

２０は塗料の貯蔵タンク、３０は圧縮空気の供
給源、２１と３２は調圧弁、３３はエアフイルタ
であり、４２は必要に応じて圧縮空気を加温する
ための電熱式熱交換器である。

この塗装ラインにおけるスプレーガンＤの使用
方法は、ガンの塗料導入口継手１２と圧縮空気導
入口継手１５とをそれぞれ装置の吐出用継手Ｃの
液体吐出口接手６ｂと気体吐出口接手５ｂとに接
続する。この場合継手１５と接手５ｂとは接続用
ナツトを使つて直結すると、継手１２と接手６ｂ
とは直結させられなくなるので、接続用の短いチ
ユーブ１６を用いて両継手間を連結させる。或は
逆に継手１２と接手６ｂを直結させる方法をとつ
てもよい。或はスプレーガンＤのボデー１０及び
グリツプ１１内に吐出用継手Ｃの機能を組み込む
ようにすれば、接続用チユーブ１６を用いること
のわずらわしさを避けられる。

一方、液体と気体の導入用配管継手Ｂの液体導
入口接手４ｂを、塗料供給ラインａまたはｂの末
端管継手２７または３７に接続すると共に、気体
導入口接手３ｂを圧縮空気供給ラインＣの末端管
継手４４に連結させることによつて、エアスプレ
ーガンＤは使用可能な状態になり、従来のエアス
プレーガンの操作方法に準じて塗装作業を進める
ことができる。

このように従来は２本必要だつたエアスプレー
ガンへの接続ホースが、一本化されたことに伴つ
て得られる大きな効果については既述の如くであ
る。また上記の実施例では塗料の配送用内側チユ
ーブ２を圧縮空気配送用の外側チユーブ１に内挿
させる方法を採つているので、例えば寒冷時に戸
外で作業する場合に、熱交換器４２を使つて圧縮
空気を加温してやれば塗料溶液の粘度上昇による
液吐出圧の変動その他の不具合の発生を避けるこ
とができる。また配送すべき液体と気体の種類は
上記以外にも様々な組合せが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による一実施例装置の斜視図、
第２図は第１図の装置に組込まれた液体及び気体
の導入用配管継手（または吐出用継手）の側断面
図、第３図は塗装用スプレーガンへの塗料及び圧
縮空気の配送手段として本発明装置を使用する有
様を説明した塗装システム図である。 図中、Ａ……内外２重チユーブ、Ｂ……液体及
び気体の導入用配管継手、Ｃ……吐出用継手、Ｄ
……エアスプレーガン、１……外側チユーブ、２
……内側チユーブ、３ａ，４ａ，５ａ，６ａ……
チユーブ接手。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 気体（液体）の配送用の外側チユーブと、 該外側チユーブの内径より小さい外径を有し、
   この外側チユーブに内挿させた液体（気体）の配
   送用の内側チユーブと、 前記内外２重チユーブの一端側に取り付けるた
   めの、前記外側及び内側チユーブの一端側をそれ
   ぞれ嵌合させられるように同軸的に配設させた一
   組のチユーブ接手と、前記外側チユーブ接手に連
   らなる前記気体（液体）の導入口接手、及び前記
   内側チユーブ接手に連らなる前記液体（気体）の
   導入口接手とを有する液体及び気体の導入用配管
   継手と、 前記内外２重チユーブの他端側に取り付けるた
   めの、前記導入用配管継手と同様な構造を有し、
   前記液体の吐出口接手及び前記気体の吐出口接手
   を有する、液体及び気体の吐出用継手とからなる
   液体と気体の集中配送装置。 ２ 前記外側及び内側チユーブは、共に可撓性材
   料からなることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の液体と気体の集中配送装置。 ３ 前記液体及び気体の吐出用継手に、エアスプ
   レーガンを接続して使用することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項または第２項記載の液体と気
   体の集中配送装置。 ４ 前記液体及び気体の吐出用継手は、前記エア
   スプレーガンのボデー内に組み込まれていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第３項
   のいづれかに記載の液体と気体の集中配送装置。