JP6379015B2 - 発泡洗浄装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されている第1の発泡洗浄装置の場合、発泡器の上流側に、第1の液供給用配管と空気供給用配管とが接続されている。また、発泡器の下流側には、第2の液供給用配管を介して、分割パイプが接続されている。
第1の液供給用配管及び空気供給用配管を通して液体洗剤及び空気が発泡器に供給されると、発泡器の内部で泡が発生する。発生した泡は、第2の液供給用配管を通して分割パイプに供給され、分割パイプに形成してある供給孔を通して床に供給される。
異物が堆積し易い箇所は、清掃すべき箇所である。清掃すべき箇所が多いほど、清掃は困難になる。異物が堆積し易く、清掃し難い発泡洗浄装置は、非衛生的になり易い。
しかしながら、気液供給用配管は液体洗剤と空気とが共に通流するので、管内で液体洗剤と空気とが混合されて泡が無用に発生し、液体洗剤及び空気の供給効率を低下させる虞がある。液体洗剤及び空気の供給効率が低下すると、床への泡の供給が阻害されるので、洗浄作業の作業性が低下する。
しかしながら、通路ブロックは無用に大型化し易い。何故ならば、通路ブロックには、第1の液供給用配管、空気供給用配管、及び分割パイプに相当する供給路が並設されているからである。
液体パイプが気体パイプに挿通されている構成は、液体及び気体夫々の通流路がブロック体に並設されている構成に比べてコンパクトである。
液体洗剤は、液体パイプを通流する。気体は、気体パイプの内周面と液体パイプの外周面との間を通流する。つまり、液体洗剤の通流路と気体の通流路とが別個に存在するので、液体パイプ又は気体パイプの内部で無用に泡が発生することが抑制される。従って、無用に発生した泡が、発泡部への液体洗剤及び気体夫々の供給効率を低下させる虞はない。
液体パイプはドリップチューブを用いてなるので、各発泡部に供給される液体洗剤の量は等量である。従って、各ノズルから吐出される泡の量及び泡質が均一になり易い。洗浄対象の各部に吐出される泡の量及び泡質が均一である場合、洗浄対象の各部に吐出される泡の量及び/又は泡質が不均一である場合よりも、洗浄効率が高い。
仮に、液体洗剤の滴下の勢いが強すぎると、発泡部にて気体と混合される前に液体洗剤が発泡部を通過し、未発泡のままノズルから吐出されてしまう虞がある。
つまり、液体洗剤の滴下の勢いを弱めることによって、発泡効率(延いては洗浄対象の洗浄効率)を向上させている。
2個の網状部材の間に配されているスペーサは、2個の網状部材の間でスポンジ状部材が無用に圧縮してしまうことを抑制する。ノズルの先端開口側と網状部材との間に配されているスペーサは、安定的に泡を吐出するための十分な空間をノズルの内部に設ける。
以上の結果、発泡効率及び洗浄効率が向上する。
一方、気液供給部が気体パイプへ洗浄用液体を供給し、液体供給部が液体洗剤を供給停止すると、発泡部にて泡が発生せず、ノズルから洗浄対象に洗浄用液体が供給される。
つまり、発泡洗浄装置は、液体洗剤の泡による洗浄対象の洗浄と、洗浄用液体による洗浄対象の洗浄とを切り替えることができる。
また、液体パイプが気体パイプに内蔵されている。従って、発泡洗浄装置はコンパクトである。
図2は、発泡洗浄装置1の上流側端部の外観構成を示す正面図である。図2には発泡洗浄装置1の制御系の構成を示すブロック図も含まれている。
図3は、発泡洗浄装置1が備える継手22,32の外観構成を示す正面図である。
図4は、発泡洗浄装置1の内部構成を示す断面図である。図3及び図4は図1に示す二点鎖線で囲んだ部分に対応する。
図5は、発泡洗浄装置1が備える発泡部の内部構成を示す断面図である。図5は、図4に示す二点鎖線で囲んだ部分の拡大図でもある。
図6は、発泡洗浄装置1の上流側端部の内部構成を示す断面図である。図6は、図2に示す正面図に対応する。
気体パイプ2は、複数本の管状部材21,21,…、各複数個の継手22,22,…及び接続部23,23,…、並びに末端部材24を備えている。
液体パイプ3は、複数本の管状部材31,31,…、複数個の継手32,32,…、及び複数個の支持部材33,33,…を備えている。
各ノズル4は、本体部41及び先端部42を備えている。
各発泡部5は、網状部材51,52、スポンジ状部材53、及びスペーサ54,55を備えている。
気体パイプ2は、床Fに沿う姿勢で厨房の壁Wに取り付けられている。説明を簡単にするために、以下では、気体パイプ2は左右方向の直線状であり、気体パイプ2の右端部側が上流側、左端部側が下流側であるものとする。
継手22は伸縮ユニオン継手を用いてなるので、管状部材21,21同士の接続及び分離が容易である。また、継手22の伸縮性によって、気体パイプ2の熱膨張又は熱収縮に伴う無用な変位が吸収される。なお、継手22は伸縮性を有していなくてもよい。
接続部23はT字継手を用いてなる。接続部23を介して接続されている管状部材21,21は、具体的には、接続部23におけるT字継手の本管を介して接続されている。
末端部材24は横姿勢の有底円筒状である。末端部材24における有底円筒の開口側が、最右端に配されている管状部材21の右端部に接続されている。末端部材24における有底円筒の側面部分には、少なくとも1個の開口241が設けられている。末端部材24における有底円筒の底面部分には開口242が設けられている。なお、末端部材24に複数個の開口241,241,…が設けられている場合、1個を残して他の開口241は全て閉鎖しておけばよい。
末端部材24には、開口241を通して、供給パイプ600が接続されている。つまり、気体パイプ2には供給パイプ600が接続されている。
液体パイプ3を構成する各管状部材31は左右方向の横姿勢で配された円筒状のドリップチューブである。ドリップチューブは市販のものでもよい。管状部材31には複数個の吐液孔3a,3a,…が等間隔(例えば30cm間隔)で長さ方向(左右方向)に並設されている。
各吐液孔3aは真上向きに開口している。なお、吐液孔3aは、真下向き以外であれば、前向き、後ろ向き、斜め上向き、斜め下向き等に開口していてもよい。管状部材31,31,…は長さ方向に並置されている。
各吐液孔3aの左右方向の配置位置は、気体パイプ2の接続部23を介して接続されている管状部材21,21の間隙の左右方向の配置位置に等しい。つまり、吐液孔3aの下方に管状部材21は存在しない。
なお、各継手32は伸縮性を有していてもよい。
最右端に配されている管状部材31は、気体パイプ2の最右端の管状部材21を貫通している。この管状部材31の右端部には、気体パイプ2の末端部材24の開口242を通して、供給パイプ601が接続されている。つまり、液体パイプ3には供給パイプ601が接続されている。
液体パイプ3は、気体パイプ2の内部にて、無用な変形(例えば自重による垂れ下がり)が抑制される。このために、各継手32は1個の支持部材33又は2個の支持部材33,33を介して継手22に係止される。
各ノズル4を構成する本体部41は縦姿勢の円筒状である。以下では、本体部41の上端開口をノズル4の基端開口4aという。本体部41の上端部は、気体パイプ2の接続部23におけるT字継手の枝管に接続されている。
つまり、本体部41は、基端開口4aが液体パイプ3の吐液孔3aの下方に位置するよう、気体パイプ2に接続されている。吐液孔3aの向きは真上向き(真下向き以外)であるので、吐液孔3aは、液体パイプ3における基端開口4aに臨む範囲の外部に位置している。
先端部42の内周面には段部421が設けられている。段部421の上下方向の配置位置は、先端開口4bの上下方向の配置位置よりも上側であり、段部421と先端開口4bとは適長離隔している。先端部42は、段部421よりも上側は内径が大きく(具体的には本体部41の外径程度)、段部421よりも下側は内径が小さい。
網状部材51は、平面視円形状且つ下向きの凸面状の網本体511と、網本体511の周縁部から横方向に突出している鍔状部512とを有する。網本体511は、ノズル4の本体部41の下端開口を覆うことによって、ノズル4の基端開口4aを下方から覆っている。鍔状部512は、本体部41の下端面に接している。
網状部材52は、網状部材51と同形状同サイズであり、網本体521と鍔状部522とを有する。網本体521は、ノズル4の先端開口4bを上方から覆っている。
スペーサ54,55は、夫々縦姿勢の円筒状であり、例えば合成ゴムを用いてなる。
スペーサ54は、鍔状部512,522間に介在している。スペーサ54は、網本体511,521間にてスポンジ状部材53が押しつぶされてしまうことを抑制している。
還元すれば、スペーサ55は、先端開口4b側と網状部材52との間に配されている。また、スペーサ55、網状部材52、スペーサ54、及び網状部材51は、この順に段部421に載置されている。
網状部材52は、段部421及びスペーサ55によって、先端開口4bから適長離隔配置されている。この結果、先端部42の内部において、網状部材52と先端開口4bとの間に、空間40が形成される。
洗剤タンク62には適宜の濃度の液体洗剤が貯留してある。
電磁弁63は3ポート電磁弁を用いてなる。供給パイプ600は、電磁弁63を介して気体ポンプ64及び液体ポンプ65に接続されている。
気体ポンプ64は気体(本実施の形態では空気)を圧送する。
液体ポンプ65は液体タンク61内の洗浄用液体を圧送する。
洗剤ポンプ66は洗剤タンク62内の液体洗剤を圧送する。
電磁弁63、気体ポンプ64、及び液体ポンプ65は、本発明の実施の形態における気液供給部として機能する。
洗剤ポンプ66は、本発明の実施の形態における液体供給部として機能する。
なお、発泡洗浄装置1の使用者は、操作部を操作することによって、発泡洗浄装置1の各部の動作を手動で制御してもよい。
まず、制御部67は、気体ポンプ64及び洗剤ポンプ66をオンにし、供給パイプ600と気体ポンプ64とが接続されるよう電磁弁63を切り替える。このとき、発泡洗浄装置1による床Fの洗浄が開始される。
気体ポンプ64が圧送した気体は、電磁弁63及び供給パイプ600を通して気体パイプ2に供給される。圧送された気体は気体パイプ2を通流し、気体パイプ2に接続してあるノズル4,4,…に供給される。気体パイプ2を通流する気体は、液体パイプ3から滴下した液体洗剤を発泡部5以外へ吹き飛ばしてしまうことがない程度に流速が低い。
以上の結果、気体パイプ2及び液体パイプ3から気体及び液体洗剤が、各ノズル4に内蔵されている発泡部5に供給される。
発泡部5にて発生した泡は、ノズル4内に設けられている空間40に一旦貯留されてから、ノズル4の先端開口4bを通して床Fに吐出される。仮に、空間40が存在しない場合、網状部材52が先端開口4bを閉塞するので、泡の吐出効率が低下する虞がある。また、発生した泡が即座にノズル4から吐出されるので、一定量の泡を安定的に吐出することが困難である。
床Fに吐出された泡は、床Fに拡散して、床Fを洗浄する。
本実施の形態では、液体パイプ3の吐液孔3aから吐出された液滴は、管状部材31の外周面を伝ってから滴下するので、吐液孔3aから発泡部5へ直接的に滴下する場合に比べて、液体洗剤が発泡せずに発泡部5を通過してしまうことが抑制される。しかも、滴下した液体洗剤は網状部材51、スポンジ状部材53、又は網状部材52に受け止められるので、液体洗剤が発泡せずにノズル4から吐出されることが抑制される。
スポンジ状部材53は網状部材51,52間で押しつぶされてしまわないので、スポンジ状部材53の気体の通過効率は高い。仮に、スポンジ状部材53が押しつぶされてしまうと、スポンジ状部材53を気体が通過し難くなるので、泡の吐出が阻害される。
なお、発泡部5が液体洗剤の無用な流出を確実に防止することができるのであれば、液体パイプ3の吐液孔3aは真下向きに開口していてもよい。
液体ポンプ65が圧送した洗浄用液体は、電磁弁63及び供給パイプ600を通して気体パイプ2に供給される。圧送された洗浄用液体は気体パイプ2を通流し、気体パイプ2に接続してあるノズル4,4,…に供給される。
各ノズル4に供給された洗浄用液体は、発泡部5を通過し、ノズル4の先端開口4bを通して床Fに吐出される。
床Fに吐出された洗浄用液体は、床Fに拡散して、床Fを洗浄する。このとき、床Fに付着していた泡が洗い流される。洗浄用液体及び泡は、図示しない排水溝を通って下水道へ流入する。
なお、洗浄用液体は水道水に限定されない。例えば消毒液を洗浄用液体として用いる場合、床Fからの泡の除去と床Fの消毒とが同時的に行なわれる。また、水道水が気体パイプ2に圧送されて床Fを洗浄した後で、消毒液が気体パイプ2に圧送されて床Fを消毒する構成でもよい。
液体洗剤を発泡させるための気体は空気に限定されないが、空気が最も安価且つ安全である。
また、液体パイプ3が内蔵されている気体パイプ2は、例えば液体及び気体の通流路が並設されているブロック体に比べて小型化し易いので、発泡洗浄装置1はコンパクトに構成される。
しかしながら、液体パイプ3はドリップチューブを用いてなるので、気体パイプ2に洗浄用液体を供給した場合に比べて、ノズル4から吐出される洗浄用液体の勢いが弱く、床Fの洗浄に支障を来す虞がある。つまり、気体パイプ2に洗浄用液体を供給する本実施の形態の構成の方が、床Fの洗浄効率の点で有利である。
また、本発明の効果がある限りにおいて、発泡洗浄装置1に、実施の形態に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
2 気体パイプ
21 管状部材
22,32 継手
3 液体パイプ
31 管状部材(ドリップチューブ)
3a 吐液孔
4 ノズル
4a 基端開口
4b 先端開口
5 発泡部
51,52 網状部材
53 スポンジ状部材
54,55 スペーサ
63 電磁弁(気液供給部)
64 気体ポンプ(気液供給部)
65 液体ポンプ(気液供給部)
66 洗剤ポンプ(液体供給部)
F 床(洗浄対象)
Claims (7)
- 気体が通流する気体パイプと、
液体洗剤が通流する液体パイプと、
前記気体パイプ及び液体パイプから気体及び液体洗剤が供給されることによって泡が発生する発泡部と
を備え、
該発泡部にて発生した泡を洗浄対象に吐出する発泡洗浄装置において、
前記液体パイプは、前記気体パイプに挿通されていることを特徴とする発泡洗浄装置。 - 前記発泡部を複数個備え、
前記発泡部を内蔵しており、該発泡部にて発生した泡を洗浄対象に吐出するための複数個のノズルを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の発泡洗浄装置。 - 前記液体パイプは、該液体パイプの長さ方向に複数個の吐液孔が並設されたドリップチューブを用いてなり、
前記ノズルは、該ノズルの基端開口が前記吐液孔の下方に位置するよう前記気体パイプに接続されており、
各吐液孔から吐出された液体洗剤が、下方のノズルに内蔵されている発泡部に滴下するようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の発泡洗浄装置。 - 各吐液孔は、前記液体パイプにおける前記下方のノズルの基端開口に臨む範囲の外部に位置しており、
各吐液孔から吐出された液体洗剤が、前記液体パイプの外周面を伝ってから前記下方のノズルに内蔵されている発泡部に滴下するようにしてあることを特徴とする請求項3に記載の発泡洗浄装置。 - 前記発泡部は、
前記ノズルの基端開口及び先端開口を夫々覆う2個の網状部材と、
該2個の網状部材の間にて前記2個の網状部材を覆うスポンジ状部材とを有し、
前記2個の網状部材の間、及び前記先端開口の側と前記先端開口を覆う網状部材との間夫々にスペーサが配されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の発泡洗浄装置。 - 前記気体パイプは気体及び洗浄用液体が何れも通流可能にしてあり、
前記気体パイプへの気体の供給と洗浄用液体の供給とを排他的に実行する気液供給部、及び、
前記液体パイプへの液体洗剤の供給又は供給停止を実行する液体供給部
を更に備えることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の発泡洗浄装置。 - 前記気体パイプ及び液体パイプ夫々は、複数本の管状部材を接続/分離可能な継手で接続してなり、
前記気体パイプの継手は、該継手を分離した場合に前記液体パイプの継手が露出する位置に配されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の発泡洗浄装置。
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