JPH0458615B2 - - Google Patents

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JPH0458615B2
JPH0458615B2 JP59095571A JP9557184A JPH0458615B2 JP H0458615 B2 JPH0458615 B2 JP H0458615B2 JP 59095571 A JP59095571 A JP 59095571A JP 9557184 A JP9557184 A JP 9557184A JP H0458615 B2 JPH0458615 B2 JP H0458615B2
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film
molecule
site
recording
molecules
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JP59095571A
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JPS60239739A (ja
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Hiroshi Matsuda
Masahiro Haruta
Yutaka Hirai
Yukio Nishimura
Takeshi Eguchi
Takashi Nakagiri
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Canon Inc
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Publication of JPH0458615B2 publication Critical patent/JPH0458615B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/241Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material
    • G11B7/242Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers
    • G11B7/244Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only

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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 技術分野 本発明は、ホスト分子と光に因り気化するゲス
ト分子とからなる包接錯体の単分子膜または単分
子層累積膜を有する記録媒体、およびこれを用い
た記録方法に関する。 (2) 背景技術 従来、有機化合物を記録層とする記録媒体とし
ては種々のものが知られている。 例えば、有機化合物を薄膜にして記録層として
用いる光記録媒体については、例えば特開昭56−
16948号公報、特開昭58−125246号公報にも開示
されている。いずれも有機色素を記録層とし、レ
ーザビームにより記録再生を行なうレーザ記録媒
体に関するものである。特に、特開昭58−125246
号公報に開示された媒体は、 一般式() で表わされるシアニン系色素の薄膜を記録層とす
るものである。()式で表わされるシアニン系
色素溶液を回転塗布機などを用いて、1000Å以下
の厚さ、例えば約300Åの厚さにプラスチツク基
板上に塗布し薄膜を形成する。膜内の分子分布配
向がランダムであると、光照射に伴つて膜内で光
の錯乱が生じ、微視的にみた場合各光照射の度に
生ずる化学反応の度合が異なつてくる。そこで記
録媒体としては、膜内の分子分布、配向が一様に
なつていることが望ましく、またできる限り膜厚
が薄いことが、記録の高密度化のために要請され
る。しかしながら、塗布法による場合、膜厚にお
いては300Å程度が限界であり、膜内の分子分布、
配向がランダムであることは解決しがたいことで
あつた。 レジスト材料の一つとして光量子効率が大でか
つ優れた解像力を有するものとして提案されてい
たジアセチレン化合物累積膜が、レジスト材料の
みならず、薄膜電気−光学デバイス、電気−音響
デバイス、圧・焦電デバイス等にも応用されるこ
とが、特開昭56−42229号公報、特開昭56−43220
号公報などに示されている。 近時においては、ジアセチレン化合物累積膜の
製造方法の改良について特開昭58−111029号公報
に示されている。かかる発明にて製造された基板
上のジアセチレン化合物累積膜は紫外線を照射す
ることにより重合させてジアセチレン化合物重合
体膜を作り、或はマスキングして紫外線を照射し
部分的に重合させ、未重合部分を除去して図形を
作り、薄膜光学デバイスや集積回路素子として使
用される。 しかし、これらはいずれもジアセチレン化合物
に限るものであり、薄膜光学デバイスとして使用
するときに、一度記録したものの消去の可能性に
ついては述べられていない。 一方、上述欠点を解決すべく、分子内に親水
基、疎水基及び少なくとも1個の不飽和結合を有
する1種類の光重合性モノマーの単分子膜又は単
分子層累積膜を基板上に形成して記録層としたこ
とを特徴とする、反復使用可能な光記録媒体が特
願昭58−190932号の光記録媒体に示されている。 これらのジアセチレン化合物累積膜にしても、
光重合性オレフインモノマーの単分子膜若しくは
単分子層累積膜にしても、光反応性化合物に親水
基、疎水基を導入して、直接基板上に担持させる
製法を採用している。従つて、種々の機能性膜を
簡単に作製することが困難なのに加えて、親水
基、疎水基の導入に伴う光反応性の低下の恐れが
あつた。更には、非常に高度な高密度記録を行う
際に重要となる、膜面内の分子配向の制御につい
ても、極めて複雑な操作が要求される問題があつ
た。 かかる従来例の欠点を解消し、(1)各種の機能性
膜を比較的簡単に作製する方法、(2)その際、機能
性分子の持つ各種機能が、薄膜化した場合に於い
ても、損失若しくは低下されることなく発現する
様に膜化する方法、更には、(3)上記の薄膜化に於
いて、特別な操作を行うことなしに、膜構成分子
が膜面内方向に対して、高度の秩序構造を持つて
配向される方法を種々検討した結果、本発明を成
すに至つた。又、かかる成膜法を用いて、高感
度、高解像度の記録媒体を、容易にかつ高品質に
提供できるに至つた。 (3) 発明の開示 本発明の目的は、光に因り分子単位で気化する
ような高密度記録媒体およびこれを用いた記録方
法を提供することにある。 また、この様な分子単位での高密度記録を行う
のに際して重要な因子となる媒体面内での分子配
向に関して、従来例よりも秀逸な媒体を提供する
ことにある。更には、上述記録媒体を製造するに
当つて、比較的簡単な操作変更により、様々な性
質を有する媒体を提供することにある。 本発明の上記目的は、以下の本発明によつて達
成される。 光に因る記録を行うための記録媒体であつて、 (A) 分子内に親水性部位、疎水性部位及び包接部
位を有し、下記一般式a〜cで表わされる
化合物から成る群より選ばれるホスト分子と、 (上記式a〜c中、R1およびR2は何れか
一方が親水性部位を有し他方が疎水性部位を有
する基であるか、又は双方ともに親水性部位を
有する基であるか、又は双方ともに疎水性部位
を有する基を表わし、XはHまたはフエニル基
を表わす。) (B) 該ホスト分子に包接され且つ光に因り気化す
るゲスト分子と からなる包接錯体の単分子膜又は単分子層累積膜
を担体上に形成して記録層としたことを特徴とす
る記録媒体。 また本発明の上記目的は、下記のもう一つの本
発明によつても達成できる。 () 上述のものと同じ像形成媒体を用意する工
程と、 () 該記録媒体に光を照射してゲスト分子を気
化除去することにより記録を行なう工程と を有することを特徴とする記録方法。 本発明の記録層を構成する物質は、分子内に親
水性部位、疎水性部位及び他分子との包接が可能
な部位を少なく共1ケ所有する分子(これをホス
ト分子と呼ぶ)と該ホスト分子に包接される別種
の、分子(これをゲスト分子と呼ぶ)の二種の分
子からなる。かかるホスト分子とゲスト分子とか
らなる包接錯体の単分子膜、乃至単分子層累積膜
を担体上に形成することにより、本発明の記録媒
体が形成される。但し、これら二種類の分子の
内、ゲスト分子は光に因り気化することが必要で
ある。即ち本発明においては、このゲスト分子の
光に因る気化を利用して記録を行なう。 本発明に用いられるホスト分子としては、上述
の如く、分子内の適当な位置に親水性部位、疎水
性部位及び少なく共1ケ所の他種分子との包接錯
体を形成可能な部位を有する分子であつて一般式
(a)〜(c)で表わされるものであれば広
く使用することができる。分子内に親水性部位や
疎水性部位を形成し得る構成要素としては、一般
に広く知られている各種の親水基や疎水基等が代
表的なものとして挙げられる。他種分子との包接
錯体を形成し得る部位は、水酸基、カルボニル
基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、ニ
トリル基、チオアルコール基、イミノ基等の導入
によつて形成される。本発明においてホスト分子
は、以下に示す一般式(a)〜(c)で表わ
される化合物であり、これら式からも分かる様に
水酸基を有する分子である。 (ここで、X=HまたはC6H5である。) すなわち、分子内に親水性部位および疎水性部
位を有するとは、例えば上式に於いてR1部及び
R2部の何れか一方に親水性部位が存在し、他方
に疎水性部位が存在するか、R1部及びR2部が両
部以外の残りの部との関係に於いて共に親水性、
若しくは疎水性を示すことを言う。R1部及び、
R2部の構造に関して、疎水性部位を導入する場
合には特に炭素原子数5〜30の長鎖アルキル基
が、又親水性部位を導入する場合には特に炭素原
子数1〜30の脂肪酸が望ましい。 本発明に於けるホスト分子を更に具体的に示せ
ば、例えば以下に列挙するアセチレンジオール誘
導体(No.1〜No.6,No.16〜No.20)、ジアセチレン
ジオール誘導体(No.7〜No.12,No.22〜No.27)、ハ
イドロキノン誘導体、(No.13〜No.15,No.28〜No.30)
等が利用し得るものとして挙げられる。尚、以下
の例におけるm,nは、正の整数を、Zは、−
CH3または−COOHを、Phは、−C6H5を示すも
のとする。 以上挙げた化合物はホスト分子に長鎖アルキル
基や長鎖カルボン酸等を置換させて親水性や疎水
性を導入した点を除けばそれ自体既知の化合物で
あり、又、長鎖アルキル基等で修飾されていない
ホスト分子が、種々のゲスト分子と結晶性の包接
錯体を形成する点に関しても、日本化学会誌No.2
239頁−242頁(1983年)に述べられている。 これらホスト分子と包接錯体を作り得るゲスト
分子としては、一般に、ホスト分子と強い水素結
合を形成し得る分子が望ましい。従つて、先に述
べた如く、ホスト分子が包接部位として水酸基を
有する場合には、ゲスト分子として、アルデヒ
ド、ケトン、アミン、スルフオキシド等を挙げる
ことができる。また、ゲスト分子としては他に、
各種ハロゲン化合物、或いはπ−電子系化合物、
即ちアルケン、アルキン、及びアレーン等を選ぶ
事もできる。何れにせよ、形成される包接錯体が
所望の記録機能を示す構造を有する分子が選ばれ
る。 以下、各種機能別に利用可能なゲスト分子の具
体例を示す。 ゲスト分子の昇華を利用した記録媒体に利用し
得るゲスト分子の具体例としては、ケトン(No.
42)、1,2−エポキシプロパンなどのエポキシ
ド(No.43)、エチレンイミン(No.44)、ベンゼン
(No.45)、ジクロルメタン、クロロホルムなどの塩
化物(No.46,No.47)、臭化メチルなどの臭化物
(No.48)等、 No.46 CH2Cl2 No.47 CHCl3 No.48 CH3Br が挙げられる。 このようなホスト分子およびゲスト分子から成
る包接錯体の単分子膜または単分子層累積膜を作
成する方法としては、例えばI.Langmuirらの開
発したラングミユア・ブロジエツト法(LB法)
を用いる。LB法は、例えば分子内に親水基と疎
水基を有する構造の分子において、両者のバラン
ス(両親媒性のバランス)が適度に保たれている
とき、分子は水面上で親水基を下に向けて単分子
の層になることを利用して単分子膜または単分子
層の累積膜を作成する方法である。水面上の単分
子層は二次元系の特徴をもつ。分子がまばらに散
開しているときは、一分子当り面積Аと表面圧П
との間に二次元理想気体の式、 ПA=kT が成り立ち、“気体膜”となる。ここに、kはボ
ルツマン定数、Tは絶対温度である。Aを十分小
さくすれば分子間相互作用が強まり二次元固体の
“凝縮膜(または固体膜)”になる。凝縮膜はガラ
ス基板などの種々の材質や形状を有する担体の表
面へ一層ずつ移すことができる。この方法を用い
て、本発明のゲスト分子を包接するホスト分子の
単分子膜(これを単錯体分子膜と呼ぶことにす
る)、若しくは単錯体分子層累積膜の具体的な製
法としては、例えば以下に示すA〜Eの5法を挙
げることができる。 [A] 目的とする包接錯体のホスト分子とゲスト
分子とを溶剤に溶解し、これを水相上に展開さ
せて包接錯体を膜状に析出させる。この場合、
ホスト分子の構造がNo.1−No.15に示したような
分子の両端に親水性部位(カルボキシル基)と
疎水性部位(アルキル基)を併有するものであ
れば、水相上に析出する包接錯体はゲスト分子
の親水性および疎水性のいかんにかかわらず、
ホスト分子の親水性部位を水相に向けた状態で
水相上に展開する。一方、ホスト分子がNo.16−
No.30に示した構造をとる場合、分子の両端が疎
水性部位のみで構成されるZ=−CH3は、水相
上に析出する包接錯体は、ゲスト分子の親水性
部位を水相に向けた第1図に示すような状態で
水相上に展開する。又、分子の両端が親水性部
位のみで構成されるZ=−COOHでは水相上
に形成される包接錯体は、ホスト分子の親水性
部位を水相に向けた第2図に示すような状態で
水相上に展開する。 次にこの析出物が水相上を自由に拡散して広
がりすぎないように仕切板(または浮子)を設
けて展開面積を制限して膜物質の集合状態を制
御し、その集合状態に比例した表面圧Пを得
る。この仕切板を動かし、展開面積を縮少して
膜物質の集合状態を制御し、表面圧を徐々に上
昇させ、累積膜の製造に適する表面圧Пを設定
することができる。この表面圧を維持しながら
静かに清浄な担体を垂直に上下させることによ
り単錯体分子膜が担体上に移しとられる。単錯
体分子膜は以上で製造されるが、単錯体分子層
累積膜は前記の操作を繰り返すことにより所望
の累積度の単錯体分子層累積膜が形成される。 単錯体分子層を担体上に移すには、上述した
垂直浸せき法の他、水平付着法、回転円筒法な
どの方法による。水平付着法は担体を水面に水
平に接触させて移しとる方法で、回転円筒法
は、円筒型の担体を水面上を回転させて単錯体
分子層を担体表面に移しとる方法である。前述
した垂直浸せき法では、表面が親水性である担
体を水面を横切る方向に水中から引き上げると
ホスト分子の親水基が担体側に向いた単錯体分
子層が担体上に形成される。前述のように担体
を上下させると、各行程ごとに1枚ずつ単錯体
分子層が積み重なつていく。成膜分子の向きが
引上げ行程と浸せき行程で逆になるので、この
方法によると各層間はホスト分子の親水基と親
水基、ホスト分子の疎水基と疎水基が向かい合
うY型膜が形成される。それに対し、水平付着
法は、担体を水面に水平に接触させて移しとる
方法で、ホスト分子の疎水基が担体側に向いた
単錯体分子層が担体上に形成される。この方法
では、累積しても、成膜分子の向きの交代はな
く全ての層において、疎水基が担体側に向いた
X型膜が形成される。反対に全ての層において
親水基が担体側に向いた累積膜はZ型膜と呼ば
れる。 回転円筒法は、円筒型の担体を水面上を回転
させて単分子層を担体表面に移しとる方法であ
る。単分子層を担体上に移す方法は、これらに
限定されるわけではなく、大面積担体を用いる
時には、担体ロールから水相中に担体を押し出
していく方法などもとり得る。また、前述した
親水基、疎水基の担体への向きは原則であり、
担体の表面処理等によつて変えることもでき
る。 以上の成膜過程に於いて膜物質の面内方向の
配向性制御は従来、主として表面圧の制御に依
つて成されていた訳であるが、膜物質が余程単
純な構造の化合物、例えば直鎖脂肪酸等の場合
を除き、高い秩序性を得ることは極めて困難で
あつた。然るに本発明に於いては、包接錯体を
膜物質に用いるので、高い秩序性を持つ膜を比
較的簡単に得ることができる。即ち、水相上に
包接錯体が膜状に析出した時点で、水素結合や
フアン・デル・ワールス力等に因つてホスト分
子−ゲスト分子間、ホスト分子−ホスト分子
間、ゲスト分子−ゲスト分子間の立体的配置は
固定され、各ホスト分子及びゲスト分子は結晶
格子的秩序性を持つて配列する。又、ゲスト分
子のみが機能性を持つ場合には、このゲスト分
子への化学的修飾、即ち、疎水基や親水基の導
入を行わないので、膜化に伴う機能の低下は生
じない。 [B] 水溶性を示すゲスト分子を水相に溶解させ
る。次にホスト分子を溶剤に溶解せしめてこれ
を水相上に展開させる。この時同時にホスト分
子−ゲスト分子間で包接錯体形成が行われて膜
状に析出する。ホスト分子とゲスト分子の組み
合わせ及び以下の成膜操作については[A]に
示した方法に準ずる。 [C] 水溶性を示すゲスト分子を水相に溶解させ
る。次に、目的とする包接錯体のホスト分子と
ゲスト分子とを溶剤に溶解し、これを水相上に
展開させて包接錯体を膜状に析出させる。ホス
ト分子とゲスト分子の組み合わせ及び以下の成
膜操作については[A]に示した方法に準ず
る。 [D] ホスト分子を溶剤に溶解しこれを水相中に
展開させる。その後、密閉系の装置を用いて気
相側、即ち装置内の空間をゲスト分子ガス雰囲
気とする。この時、同時に気相側のゲスト分子
を包接し、包接錯体が膜状に析出する。この方
法はゲスト分子が低沸点で気化し易い性質を持
つ化合物、例えばアセトン等の場合、特に有効
である。ホスト分子とゲスト分子の組み合わせ
及び以下の成膜操作については[A]に示した
方法に順ずる。 [E] 密閉系の装置を用いて気相側、即ち装置内
の空間をゲスト分子ガス雰囲気とする。次に目
的とする包接錯体のホスト分子とゲスト分子と
を溶剤に溶解し、これを水相上に展開させて包
接錯体を膜状に析出させる。ホスト分子とゲス
ト分子の組み合わせ及び以下の成膜操作につい
ては、[A]に示した方法に準ずる。 上述の方法によつて担体上に形成される単錯体
分子膜及び単錯体分子層累積膜は高密度でしかも
高度の秩序性を有しており、これらの膜で記録層
を構成することによつて、包接錯体の機能に応じ
て光記録の可能な高密度で高解像度の記録機能を
有する記録媒体を得ることができる。 作成した単錯体分子膜及び単錯体分子層累積膜
を記録媒体の記録層として用いる場合以下に示す
様に各種の記録法が考えられる。 例えばホスト分子としてNo.1−No.30の何れか
と、No.42−No.48等のゲスト分子を組合わせると、
ホスト分子対ゲスト分子の組成比(mol比)が
1:1乃至1:2の包接錯体が形成される。この
単錯体分子膜若しくは単錯体分子層累積膜にある
パターンに従つてこれらゲスト分子が包接錯体よ
り解離して気化するに十分なエネルギーを有する
レーザ光や電子線等を照射すると非照射部位に於
いては、ゲスト分子はホスト分子に包接されたま
まであるので上記パターンに従つた記録が成され
たことになる。 記録された情報の読み取りは、ゲスト分子とし
てNo.42、を用いた場合にはこれらの化合物が持つ
カルボニル基に基づく紫外光吸収の有無を読みと
ることにより成される。又、レーザ光や電子線照
射前後の膜の構造変化又は屈折率変化をシユリー
レン法により読み取ることもでき、この方法は、
ゲスト分子としてNo.42〜No.48を用いた場合にも有
効である。又、No.42を含む単錯体分子膜乃至単錯
体分子層累積膜をSe,ZnO,CdS等の光導電体層
上に形成することにより包接錯体部とゲスト分子
のみの部位との吸光度の差を電気的に読み取るこ
とも可能である。 以上の記録媒体に於いて膜厚は、特に100〜
1000Åのものが好ましい。 これら成膜方法はその原理からも分る通り、非
常に簡易な方法であり、上記のような優れた記録
機能を有する記録媒体を低コストで提供すること
ができる。 以上述べた、本発明における単錯体分子膜また
は単錯体分子累積膜を形成する担体は特に限定さ
れないが、担体表面に界面活性物質が付着してい
ると、単錯体分子層を水面から移しとる時に、単
錯体分子膜が乱れ良好な単錯体分子膜または単錯
体分子層累積膜ができないので担体表面が清浄な
ものを使用する必要がある。使用することのでき
る担体の例としては、ガラス、アルミニウムなど
の金属、プラスチツク、セラミツクなどが挙げら
れる。 担体上の単錯体分子膜または単錯体分子層累積
膜は、十分に強く固定されており担体からの剥
離、剥落を生じることはほとんどないが、付着力
を強化する目的で担体と単錯体分子膜または単錯
体分子層累積膜の間に接着層を設けることもでき
る。さらに単錯体分子層形成条件例えば水相の水
素イオン濃度、イオン種、水温、担体上げ下げ速
度あるいは表面圧の選択等によつて付着力を強化
することもできる。 単分子膜または単分子層累積膜の上に保護膜を
設けることは、単分子膜または単分子層累積膜の
化学的安定性を向上させるためには、好ましいこ
とであるが、成膜分子の選択によつて保護膜は設
けても設けなくてもよい。 以下に本発明の実施例を示して更に具体的に説
明する。No.49〜No.54の化合物は、第1表に示す。 実施例 1 ゲスト分子の昇華を利用した記録媒体(1) ホスト分子として、No.54のアセチレンジオール
をクロロホルムに溶かした後、PH6.5、塩化カド
ミウム濃度4×10-4Mの水相上に展開させた。溶
媒のクロロホルムを蒸発除去させた後、系の気相
側をアセトンで飽和させた。このアセトン雰囲気
下、表面圧を35dynes/nmにまで高めて包接錯
体を膜状に析出させた後、気相側のアセトンを空
気若しくは窒素で置換した。次いで、表面圧を一
定に保ちながら、表面が十分に清浄なガラス基板
を上下速度2cm/minで水面を横切る方向に静か
に上下させ、単錯体分子膜を基板上に移しとり、
単錯体分子膜及び3、5、9、15、19、40、60、
80層に累積した単錯体分子層累積膜を記録層とす
る記録媒体を製造した。この累積行程に於いて、
基板を水相から引き上げる都度に30分間以上放置
して基板に付着している水分を蒸発除去した。成
膜装置としては、英国Joyce社製のLangmuir−
Trough4を使用した。 炭酸ガスレーザ又は赤外線レーザーを用いて作
成した記録媒体にパターンに従つてレーザ光を照
射したところ、照射部位だけゲスト分子、即ちア
セトン分子が、気化除去され、その部分の吸収ス
ペクトル強度(λmax=280nm)が減少し、情報
の記録が成された。分子オーダーの記録が可能で
あつた。又、ゲスト分子の有無をシユリーレン法
を用いて読みとることによる記録再生方法も可能
であつた。この該記録媒体をアセトン気流中に1
時間放置したところ、アセトンの除去された部位
に再びアセトンが包接され、記録が消去されると
共に、再記録が可能であつた。この記録消去←→再
記録のプロセスは少なくとも数十回の使用に耐
え、反復使用が可能であることを確認した。 実施例 2〜5 実施例1のホスト分子No.54の代わりにNo.49〜No.
52を用いた場合にも実施例1と同様の結果が得ら
れた。 実施例 6〜11 ゲスト分子の昇華を利用した記録媒体(2) ホスト分子としてNo.49〜No.52を用い、クロロホ
ルムに溶かした後、PH6.5、塩化カドミウム濃度
4×10-4Mの水相上に展開させた。この際、系の
気相側をクロロホルムでほぼ飽和させた。溶媒
(液側)のクロロホルムがほぼ気化するのを待つ
て(約5分)、表面圧を35dynes/cmにまで高め
て包接錯体を膜状に析出させた後、気相側のクロ
ロホルムを空気、若しくは窒素で置換した。次い
で、表面圧を一定に保ちながら表面が十分に清浄
なガラス基板を上下速度、2cm/minで水面を横
切る方向に静かに上下させ、単錯体分子膜を基板
上に移しとり、単錯体分子膜及び3、5、9、
15、19層に累積した単錯体分子層累積膜を記録層
とする記録媒体を製造した。 炭酸ガスレーザ又は赤外線レーザーを用いて作
成した記録媒体にパターンに従つてレーザ光を照
射したところ、照射部位だけ、ゲスト分子、即ち
クロロホルムが、気化除去され記録が成された。
分子オーダーの記録が可能であつた。このゲスト
分子の部分的除去に伴う膜の形状変化をシユリー
レン法を用いて読みとることにより情報の再生が
可能であつた。該記録媒体をクロロホルム気流中
に1時間放置したところ、クロロホルム分子が再
包接され、記録が消去されると同時に再記録が可
能であつた。この記録消去←→再記録のプロセスは
少なくとも数十回の使用に耐え、反復使用が可能
であることを確認した。 なお、ゲスト分子及び展開溶媒として、ベンゼ
ン(No.45,実施例10)、ジクロルメタン(No.46,
実施例11)を用いた場合にも同様の結果を得た。 実施例 12〜17 ゲスト分子の昇華を利用した記録媒体(3) ホスト分子としてNo.49〜No.52、ゲスト分子とし
て1,2−エポキシプロパン(No.43)を用いてこ
のホスト分子とゲスト分子をモル比1:2の割合
でクロロホルムに溶かした後、PH6.5、塩化カド
ミウム濃度4×10-4Mの水相上に展開させた。溶
媒のクロロホルムを蒸発除去後、表面圧を
35dynes/cmまで高めて、包接錯体を膜状に析出
させた。この後、表面圧を一定に保ちながら、表
面が十分に清浄で親水性となつているガラス基板
を上下速度7cm/minにて水面を横切る方向に静
かに上下させ、単錯体分子膜を基板上に移し取
り、単錯体分子膜及びこれを5、9、15、31、
60、80層に累積した単錯体分子層累積膜を記録層
とする記録媒体を製造した(実施例12〜15)。こ
の際、予め水相側に1,2−エポシキプロパン
(No.43)を1〜10M程度溶解させて、気相側のゲ
スト分子が、水中に拡散するのを防止した。情報
の記録、再生、及び消去の方法並びに結果は実施
例1と同様であつた。 なお、ゲスト分子としてアセトン、エチレンイ
ミン(No.44)を用いた場合も同様の結果を得た。
(実施例16〜17)。 実施例 18〜21 ゲスト分子の昇華を利用した記録媒体(4) ホスト分子としてNo.49〜No.52、ゲスト分子とし
て臭化メチルNo.48を用いて実施例12と同様にして
単錯体分子膜乃至単錯体分子層累積膜を記録層と
する記録媒体を製造した。情報の記録、再生及び
消去の方法並びに結果は実施例1と同様であつ
た。 実施例 22〜28 ゲスト分子の昇華を利用した記録媒体(5) ホスト分子としてNo.53を用い、ゲスト分子にNo.
42〜No.48を用いて単錯体分子膜乃至3、5、9層
に累積した単錯体分子層累積膜を作成した。この
作成方法はゲスト分子の種類によつて、若干異な
り、実施例1〜17に記した方法により作成した。
かかる単錯体分子膜乃至単錯体分子層累積膜を高
圧水銀灯を用いて全面露光してホスト分子を重合
させて記録媒体を製造した。 情報の記録、再生、及び消去の方法並びに結果
は、実施例12或いは実施例1と同様であつた。本
方法によればホスト分子の基板付着力が、実施例
1〜17に比べて、増大する。従つて記録媒体の化
学的強度が相対的に大となり、反復使用回数を少
なくとも100回まで増大できることがわかつた。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図〜第2図は本発明に係る包接錯体の水相
上に於ける状態を説明する説明図である。 1……ホスト分子、2……ゲスト分子、3……
親水性部位、4……長鎖アルキル部位、10,1
1……包接部位、12,13……被包接部位、1
4……長鎖脂肪酸部位、15……疎水性部位、1
6……水相。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光に因る記録を行うための記録媒体であつ
    て、 (A) 分子内に親水性部位、疎水性部位及び包接部
    位を有し、下記一般式a〜cで表わされる
    化合物から成る群より選ばれるホスト分子と、 (上記式a〜c中、R1およびR2は何れか
    一方が親水性部位を有し他方が疎水性部位を有
    する基であるか、又は双方ともに親水性部位を
    有する基であるか、又は双方ともに疎水性部位
    を有する基を表わし、XはHまたはフエニル基
    を表わす。) (B) 該ホスト分子に包接され且つ光に因り気化す
    るゲスト分子と からなる包接錯体の単分子膜又は単分子層累積膜
    を担体上に形成して記録層としたことを特徴とす
    る記録媒体。 2 (i) 光に因る記録を行うための記録媒体
    であつて、(A)分子内に親水性部位、疎水性部位
    及び包接部位を有し、下記一般式a〜cで
    表わされる化合物から成る群より選ばれるホス
    ト分子と、 (上記式a〜c中、R1およびR2は何れか
    一方が親水性部位を有し他方が疎水性部位を有
    する基であるか、又は双方ともに親水性部位を
    有する基であるか、又は双方ともに疎水性部位
    を有する基を表わし、XはHまたはフエニル基
    を表わす。) (B) 該ホスト分子に包接され且つ光に因り気化
    するゲスト分子と からなる包接錯体の単分子膜又は単分子層累積膜
    を担体上に形成して記録層とした記録媒体を用意
    する工程と、 () 該記録媒体に光を照射してゲスト分子を気
    化除去することにより記録を行なう工程と を有することを特徴とする記録方法。
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