JPH0428356Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はＵ字状金具内に角柱等を嵌入させ、該
Ｕ字状金具の両側板間をボルトで締結して、角柱
等を固定する床下地材用Ｕ字金具の締結具に関す
る。

〔従来の技術〕

第６図に示すような床支持台１の上にＵ字金具
２を固着し、その上に角柱３等を嵌入させて、Ｕ
字金具２の両側板４，４にロツクボルト５を介し
て、角柱３等を床支持台１に固定するものは、床
下地材締結用として用いられている。その場合ロ
ツクボルト５には、第７図ａ，ｂに示すように頭
部５ａの座面６に突起７が設けられ、両側板４，
４のボルト孔８にも、第８図のようにボルト５の
突起７が嵌入する切欠き９が設けられて、ボルト
５の回り止めの役目をしている。こうしてボルト
５によつてＵ字金具２の両側板４を締めつけて、
床下地材の角柱３等をＵ字金具２内に強固に固定
している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

角柱３を嵌入させてロツクボルト５によつて締
結するＵ字金具２には、Ｕ字金具２とロツクボル
ト５の個数管理を容易するため予めボルト５が挿
通されて、ナツトで仮止めしてある。よつて床下
地材を組立てる場合に、角柱３等をＵ字金具２に
嵌入させるには、仮止めされているボルト５をナ
ツト６をぬき取つて一旦取外し、角柱３等を嵌入
してからもう一度ボルト５を取付け、ナツト６を
かけて締めつけねばならないのでわずらわしく、
多くの工数を要するいという問題点があつた。本
考案は仮止めしてあるボルト５を、ナツト６をぬ
き取ることなくＵ字金具２から外し、角柱３等を
嵌入させた後、簡単にボルト５によつてＵ字金具
２の両側板４を締結させるようにするためになさ
れたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はＵ字金具の両側板上端部を締結するロ
ツクボルトの頭部を、ボルト軸を含む面に沿つて
扁平状に形成し、該頭部の座面には、ボルト軸部
近傍に、ボルト軸先端方向に向けて膨出した突出
部を形成すると共に、前記Ｕ字金具の両側面の少
なくとも一方に、前記ボルト頭部および突出部が
貫通する第１の長孔と、前記突出部が嵌入し、頭
部が貫通しないやや短い第２の長孔とが交差する
形状の、十字状孔を穿設し、該十字状孔をもつＵ
字金具と前記ボルトとを組合せて床下地材用Ｕ字
金具の締結具としたものである。

〔作用〕

Ｕ字金具には、その側板の十字状孔の第２の長
孔に、ボルト頭部座面からボルト軸先端方向に向
けて膨出した突出部が嵌入し、Ｕ字金具の他の側
板にボルト軸部が嵌入してナツトで仮止めされて
いる。これに角柱等を固定させるには、ナツトを
少しゆるめるか、Ｕ字金具を少し内側に曲げて、
第２の長孔に嵌入しているボルト頭部の突出部を
外し、ボルト頭部の座部平坦面が、第１の長孔と
一致するまで回転させる。するとボルト頭部は第
１の長孔を貫通して十字状孔からぬける。そこで
Ｕ字金具に角柱等を嵌入させた後、再びボルト頭
部を第１の長孔を貫通させて十字状孔に嵌入さ
せ、ボルト頭部を第２の長孔の位置まで回転させ
て、頭部座面の突出部を第２の長孔に嵌入させ
る。そこでナツトを締めればＵ字金具に角柱等が
固定される。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図について説明する。

第１図に示すように床下地材用Ｕ字金具１０の
両側板１１を締結するためのロツクボルト１２
は、頭部１３がボルト軸を含む平面に沿つた扁平
な形状となつている。ロツクボルト１２の詳細は
第２図に示すように、頭部１３の座面１４には軸
部１５の近傍に、ボルト軸先端方向に向けて膨出
した突出部１６が形成され、座面１４の外方は平
担面１７となつている。扁平な頭部１３の厚みは
本実施例では軸部１５の直径とほぼ同じである
が、やや薄くても厚くてもよい。

Ｕ字金具１０の両側板１１には、第３図に示す
ように、ロツクボルト１２の扁平な頭部１３およ
び突出部１６が貫通する第１の長孔１８と、突出
部１６が嵌入するが、頭部１３全体は貫通しない
やや短い第２の長孔１９とが、両者が交差してほ
ぼ十字形を形成する十字状孔２０として穿設され
ている。なお十字状孔２０は一般には両側板１１
の両方に穿設するが、両側板１１の一方にのみ穿
設してもよい。

床下地材用Ｕ字金具１０には、個数管理の必要
から、ロツクボルト１２が予め挿通されている。
この場合両側板１１の一方に穿設された十字状孔
２０の第２の長孔１９に、ボルト頭部１３の座面
１４から膨出した突出部１６が嵌入し、ロツクボ
ルト１２のナツト側の軸部は他の側板１１に穿設
された十字状孔２０に嵌入する。そして他の側板
１１の外方からナツト２１により軸部１５のねじ
１５ａを締めつけて仮止めされている。

これに角柱３等を第４図に示すように、嵌入し
固定させるには、ナツト２１を少しゆるめる。こ
の場合角柱３は図に示す位置にはないから、Ｕ字
金具１０の両側板１１を少し内側に曲げてもよ
い。こうして第２の長孔１９に嵌入しているボル
ト頭部１３の突出部１６を、第２の長孔１９から
外し、ボルト頭部１３が第１の長孔１８と一致す
るまで約90°回転させる。するとボルト頭部１３
は第１の長孔１８を貫通して十字状孔２０からぬ
ける。他の側板１１にも、第１第２の長孔か交差
した同様な十字状孔２０があけられているから、
ボルト頭部１３が第１の長孔１９を貫通し、ロツ
クボルト１２はＵ字金具１０から完全に抜き取ら
れる。このときナツト２１は、ねじ１５ａに螺合
されていて殆ど動かない。そうすれば角柱３をＵ
字金具１０に嵌入させることができる。また十字
状孔２０が第５図に示すように両側板１１の一方
にしかあけられておらず、他の側板１１にはボル
ト軸部１５が挿通する孔２２しかあけられていな
いこともある。この場合はボルト頭部１３を約
90°回転させて一方の側板１１の十字状孔２０か
らぬいてもボルト頭部は第５図に示すように、他
の側板のボルト軸部挿通孔２２にひつかかつた状
態となつている。しかしこの状態でも一般にはＵ
字金具１０は十分大きい開口部を有し、ボルト頭
部が邪魔にならずに、角柱３等を嵌入させること
ができる。またそのときボルト頭部が角柱３等に
接触するおそれがあるときは、Ｕ字金具１０を少
し外に開いてもよい。

角柱３等が嵌入されたらロツクボルト１２の頭
部１３を十字状孔２０の第１の長孔１８を貫通さ
せて挿入する。この場合十字状孔２０が両側板１
１に穿設されていれば、ロツクボルト１２をどち
ら側からでも挿入できるという利点がある。ロツ
クボルト頭部１３が締結すべき側板の十字状孔２
０の第１の長孔１８を貫通したら、ボルト頭部１
３が十字状孔２０の第２の長孔１９の位置にくる
ませ、ロツクボルト１２の軸を約90°回転させる。
その位置でナツト２１をロツクボルト１２のねじ
部１５ａに締めつければ、ボルト頭部１３の突出
部１６が第２の長孔１９に嵌入し、座面１４の平
担面１７が側板１１の外壁に当接する。こうして
ロツクボルト１２はＵ字金具１０の両側板１１を
締め付けて角柱３等がＵ字金具１０に締結され
る。

〔考案の効果〕

本考案は上記のような構成と作用を有するの
で、床下地材用Ｕ字金具に角柱等を締結するた
め、角柱等をＵ字金具凹部に嵌入させる場合、Ｕ
字金具に仮止めしてあるロツクボルトを、そのナ
ツトを抜きとつてから取外す必要がなく、簡単な
操作によつてＵ字金具にロツクボルトを着脱させ
ることができるようになる。これによつて床下地
材をＵ字金具によつて締結する場合の施工時間が
短縮され、工数も減少するという効果がある。ま
た十字状孔を両側板の一方だけでなく両方に突設
した場合、ロツクボルトをＵ字金具のどちら側か
らでも挿入でき、それだけ作業がしやすくなると
いう効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例でロツクボルトを床下
地材用Ｕ字金具に取付ける場合の組付を示す斜視
図、第２図はロツクボルトの拡大斜視図、第３図
はＵ字金具の十字状孔部の斜視図、第４図はＵ字
金具に角材を嵌入させて締結した場合の斜視図、
第５図は他の実施例でロツクボルトをＵ字金具か
ら取外した場合の斜視図、第６図は従来の床下地
材用Ｕ字金具による角材の取付を示す斜視図、第
７図ａ，ｂは従来のロツクボルトの側面図と平面
図、第８図はＵ字金具のボルト孔の平面図であ
る。 １０……Ｕ字金具、１１……Ｕ字金具両側板、
１２……ロツクボルト、１３……ボルト頭部、１
４……ボルト頭部座面、１５……ボルト軸部、１
６……ボルト座面突出部、１７……ボルト座面平
担部、１８……第１の長孔、１９……第２の長
孔、２０……十字状孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の側板を立設して、その両側板の間に角柱
   材を挟持し、該両側板上端部をロツクボルトによ
   つて締結したＵ字金具の締結具において、該ロツ
   クボルトの頭部を、ボルト軸を含む面に沿つて扁
   平状に形成し、かつ該頭部の座面には、ボルト軸
   部近傍にボルト軸先端方向に向けて膨出した突出
   部を形成すると共に、前記Ｕ字金具の両側面の少
   くとも一方に、前記ボルト頭部および突出部が貫
   通する第一の長孔と、前記突出部が嵌入し頭部が
   貫通しないやや短い第二の長孔とが交差する形状
   の十字状孔を穿設したことを特徴とする床下地材
   用Ｕ字金具の締結具。