JPH04266656A - 自動変速機における油圧装置 - Google Patents

自動変速機における油圧装置

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JPH04266656A
JPH04266656A JP4599891A JP4599891A JPH04266656A JP H04266656 A JPH04266656 A JP H04266656A JP 4599891 A JP4599891 A JP 4599891A JP 4599891 A JP4599891 A JP 4599891A JP H04266656 A JPH04266656 A JP H04266656A
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JP
Japan
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hydraulic
piston member
clutch
chamber
cancel
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Application number
JP4599891A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Kita
昭彦 喜多
Kozo Yamaguchi
幸蔵 山口
Yasuo Hojo
康夫 北條
Noriki Asahara
則己 浅原
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Hiromichi Kimura
弘道 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Priority to JP4599891A priority Critical patent/JPH04266656A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に搭載される自
動変速機に係り、詳しくはクラッチ作動用の油圧アクチ
ュエータの作動油に加わる遠心油圧を制御する油圧装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の自動変速機には、サンギヤ、
キャリヤ、リングギヤ等の回転要素からなるプラネタリ
ギヤユニットが組み込まれており、これらの回転要素の
回転、停止は、摩擦クラッチ及びブレーキを油圧アクチ
ュエータによって制御するのが一般的である。
【0003】例えば、入力軸とサンギヤとの間には、多
数のクラッチプレートを備えたダイレクトクラッチが介
装されており、入力軸の回転は、サンギヤと一体の油圧
アクチュエータがダイレクトクラッチを係合することに
よって、サンギヤに伝達されている。この油圧アクチュ
エータは、サンギヤと一体のドラム部材に固着したシリ
ンダ部材と、シリンダ部材の内周側に軸方向移動自在に
嵌合したピストン部材とを主要構成部材としてなり、シ
リンダ部材の後面側とピストン部材の前面側との間には
、略円盤状の油圧室が形成される一方、ピストン部材の
後面側には、ピストン部材をシリンダ部材に向けて付勢
するリターンスプリングが縮設されている。また、ダイ
レクトクラッチは、入力軸側に連結するクラッチプレー
トと、ドラム部材を介してサンギヤ側に連結するクラッ
チプレートとが交互に重畳するように配設されており、
このうち入力軸側のものは、自動車の走行時には常に回
転を続ける入力軸と共に常時回転状態を維持している。
【0004】いま、油圧アクチュエータの油圧室に作動
油を供給して作動油圧を高めると、シリンダ部材内のピ
ストン部材がリターンスプリングの弾発力に抗して後方
に押し出され、これにより、ダイレクトクラッチの入力
軸側のクラッチプレートと、サンギヤ側のクラッチプレ
ートとが押圧されて摩擦係合し、入力軸の回転はサンギ
ヤに伝達される。また、油圧室の作動油圧を低下させれ
ば、リターンスプリングによって、ピストン部材がシリ
ンダ部材に向けて押し戻され、ダイレクトクラッチの係
合が解除されて、入力軸の回転は、サンギヤに伝達され
なくなる。
【0005】ところで、油圧アクチュエータは、ドラム
部材を介してサンギヤに連結されており、サンギヤが回
転するときには、これに伴って回転する。従って、この
ときには、油圧室内にある作動油には遠心力による遠心
油圧が発生し、ピストン部材を、後方のダイレクトクラ
ッチに向けて付勢することになる。この遠心油圧が高い
ときには、クラッチの切れが悪くなってクラッチプレー
トの摩擦係合が完全に解除されない状態、いわゆるクラ
ッチの引きずりが発生してしまう。
【0006】これを防止するために、ピストン部材にチ
ェックボールを付設したり、ピストン部材の後面側にキ
ャンセル室を設けたりしている。前者は、油圧室に連通
する排油路をピストン部材に貫通した上、排油路中にこ
れを開閉するチェックボールを配設するものである。こ
のチェックボールには油圧室側から作動油圧と遠心油圧
とが作用する外、自身の回転による遠心力が作用し、こ
れらの力のバランスによってチェックボールがその位置
を移動して排油路を開閉するようになっている。
【0007】一方、後者のキャンセル室は、キャンセル
プレートによって形成された油貯めであり、ピストン部
材を挟んで油圧室の反対側、即ち、ピストン部材の背面
側に形成されている。これにより、油圧アクチュエータ
が回転したときに、キャンセル室内の油に遠心力による
キャンセル油圧を積極的に発生させ、油圧室内の遠心油
圧に対抗してこれを相殺しようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の遠心油圧は、油
圧室内の作動油の回転速度の二乗、即ち、サンギヤの回
転速度の略二乗に比例する大きさであることが知られて
いる。油圧アクチュエータの回転速度がそれ程高くない
ときには、チェックボール又はキャンセル室のうちのい
ずれか一方をピストン部材に配設することによって油圧
室内の遠心油圧を低減すれば、あとは作動油圧を調整す
ることにより、ピストン部材の摺動運動を適正に行なう
ことができる。
【0009】ところが、例えば、自動変速機がオーバー
ドライブ用の副変速機を備えときは、チェックボール又
はキャンセルプレートを単独で用いただけでは、ダイレ
クトクラッチの引きずりを完全に防止することが難しい
という問題がある。即ち、副変速機によって入力軸の回
転数が増大され、この入力軸にダイレクトクラッチを介
してサンギヤを連結すると、サンギヤと共に油圧アクチ
ュエータが高速回転し、油圧室内の作動油には速度の二
乗に比例して高い遠心油圧が発生する。
【0010】そして、チェックボールのみを有するピス
トン部材にあっては、排油途中の作動油に対しても大き
な遠心油圧が作用して排油が円滑に行なわれず、油圧室
内の遠心油圧を十分に減じることができない。
【0011】一方、キャンセル室のみを備えたピストン
部材にあっては、キャンセル室の径方向の寸法を、油圧
室の遠心油圧を相殺するのに充分な大きさに設定すると
、ピストン部材の摺動運動の円滑さを極端に阻害する。
【0012】いずれの場合も、作動油圧を調整するだけ
では、ピストン部材の動きを適格にコントロールするこ
とができず、クラッチの解放時に、引きずりを発生する
虞れがある。
【0013】そこで、本発明は、ピストン部材の外周側
にチェックボールを配設し、内周側にキャンセル室を形
成することにより、油圧アクチュエータが高速回転する
場合であってもダイレクトクラッチの解放時に引きずり
が生じないようにした自動変速機における油圧装置を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、回転部材に連結するシリン
ダ部材の内周側にピストン部材を軸方向移動自在に嵌合
して油圧アクチュエータを構成し、油圧アクチュエータ
の作動により所定クラッチを適宜係合して回転部材を他
の回転要素に接続してなる自動変速機における油圧装置
において、シリンダ部材の背面とピストン部材の前面と
の間に形成された油圧室の外周側に対応するピストン部
材の外周側に、遠心力にて作動するチェックボールを配
設し、油圧室の内周側に対応するピストン部材の内周側
の背面に、リターンスプリングを縮設すると共にキャン
セルプレートによって区画されて油を貯留するキャンセ
ル室を形成してなることを特徴とする。
【0015】
【作用】以上構成に基づき、サンギヤと共に油圧アクチ
ュエータが高速回転すると、ピストン部材前面の油圧室
内の作動油に大きな遠心油圧が作用してピストンを後方
に押し出す。このとき、キャンセル室は、ピストン部材
の背面に形成されていて、ピストン部材を挟んで油圧室
の内周側に対応しているから、キャンセル室内の作動油
には、油圧室の内周側にある作動油に加わる遠心油圧と
略同等のキャンセル油圧が作用し、これを相殺すること
ができる。一方、油圧室の外周側にある作動油に加わる
遠心油圧は、チェックボールが自身に加わる遠心力によ
って排油路を開放することにより、作動油が排出されて
減圧される。即ち、キャンセル室とチェックボールとを
併用し、両者を上述の所定の位置に配設することにより
、キャンセル室を必要以上に大きくすることなく、油圧
室の遠心油圧を相殺し、減圧することができるので、油
圧アクチュエータの高回転時においても、作動油圧を適
宜に調整することにより、ピストン部材の摺動運動を確
実に行なうことができる。
【0016】
【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例につい
て説明する。
【0017】まず、本発明を適用した自動変速機1につ
いて図2に沿ってその概要を説明するに、自動変速機1
は、同芯状に配置したOD入力軸2、入力軸3及び出力
軸5を有しており、OD入力軸2上には、ロックアップ
クラッチ6を備えたトルクコンバータ7と、ODプラネ
タリギヤユニット9からなる副変速ユニット10とが配
設され、一方、出力軸5上には、フロントプラネタリギ
ヤユニット11とリヤプラネタリギヤユニット12とか
らなる主変速ユニット13が配設されている。なお、こ
れら3組のプラネタリギヤユニットは、いずれもトラン
スミッションケース15の内部に収容されている。
【0018】ODプラネタリギヤユニット9は、OD入
力軸2に被嵌するサンギヤ16及びOD入力軸2に直結
するキャリヤ17を有し、キャリヤ17にはサンギヤ1
6に噛合するピニオン19が軸着され、ピニオン19に
は主変速ユニット13の入力軸3に直結するリングギヤ
20が噛合している。そしてサンギヤ16とキャリヤ1
7との間には、ODダイレクトクラッチC0とワンウェ
イクラッチF0とが介装され、また、サンギヤ16とト
ランスミッションケース15との間にはODブレーキB
0が介装されている。
【0019】フロントプラネタリギヤユニット11は、
出力軸5に直結するキャリヤ21、キャリヤ21に軸着
するピニオン22、ピニオン22に噛合するリングギヤ
23、ピニオン22に噛合するフロントサンギヤ25a
を前端部に形成すると共に、後端部にはリヤプラネタリ
ギヤユニット12のピニオン26に噛合するリヤサンギ
ヤ25bを形成するサンギヤ25を備えている。このサ
ンギヤ25は、トランスミッションケース15との間に
第1コーストブレーキB1が介装され、また、入力軸3
との間にはダイレクトクラッチC2が介装されている。 更に、リングギヤ23と入力軸3との間にはフォワード
クラッチC1が介在している。
【0020】リヤプラネタリギヤユニット12は、出力
軸5に直結するリングギヤ27、リングギヤ27に噛合
するピニオン26及びピニオン26を軸支するキャリヤ
29を有し、ピニオン26に噛合するリヤサンギヤ25
bは、フロントプラネタリギヤユニット11のフロント
サンギヤ25aと共に、サンギヤ25の前端と後端とに
形成されている。そして、サンギヤ25は、出力軸5に
回動自在に被嵌すると共に、ワンウェイクラッチF1、
ブレーキB2を介してトランスミッションケース15に
連結されている。また、キャリヤ26とトランスミッシ
ョンケース15との間には、ブレーキB3及びワンウェ
イクラッチF2が介装されている。  以上説明の各部
材は、具体的には、図3に示すように配置されている。
【0021】ついで、本自動変速機1の作動を、図2及
び図4に沿って説明する。
【0022】本自動変速機1の各クラッチC0,C1,
C2、各ブレーキB0,B1,B2,B3及び各ワンウ
ェイクラッチF0,F1,F2は、各ポジションP,R
,N,D,3,Lにおける各変速段にて、それぞれ図4
に示す作動表のように制御されている。なお、同図中に
おいて、各クラッチC0,C1,C2、各ブレーキB0
,B1,B2,B3の係合状態と、各ワンウェイクラッ
チF0,F1,F2のロック状態とは○印で図示し、一
方、前者の解放状態と後者とのフリー状態は、×印で図
示している。ただし、ワンウェイクラッチF1,F2の
◎印は、エンジンブレーキ時には、各ワンウェイクラッ
チF1,F2がフリー状態であることを示す。
【0023】まず、Dレンジ又は3レンジにおける1速
時は、ODダイレクトクラッチC0、ワンウェイクラッ
チF0,F2及びフォワードクラッチC1が係合し、他
は解放状態になっている。従って、副変速ユニット10
は、ODダイレクトクラッチC0及びワンウェイクラッ
チF0を介してODプラネタリギヤユニット9が一体と
なって直結状態となっており、OD入力軸2の右回転は
そのまま主変速ユニット13の入力軸3に伝達される。 また主変速ユニット13では、入力軸3の回転がフォワ
ードクラッチC1を介してフロントプラネタリギヤユニ
ット11のリングギヤ23に伝達され、更にピニオン2
2、及びピニオン22と一体の出力軸5に伝達されると
共に、サンギヤ25を介してリヤプラネタリギヤユニッ
ト12のピニオン26に左方向の公転力を付与するが、
ワンウェイクラッチF2にてこの公転が阻止され、ピニ
オン26は自転して出力軸5と一体のリングギヤ26に
動力伝達する。即ち主変速ユニット13は、1速状態で
あって、副変速ユニット10の直結状態と相俟って、自
動変速機1全体として1速状態になる。なおこのとき、
主変速ユニット13は、出力軸5に回転トルクを伝達す
るに際し、フロントプラネタリギヤユニット11を介し
て伝達するものとリヤプラネタリギヤユニット12を介
して伝達するものとの2系統に分岐し、その分各ギヤの
受ける荷重を分散している。
【0024】また、Dレンジにおける2速時は、ODブ
レーキB0、ワンウェイクラッチF2及びフォワードク
ラッチC1が係合し、他は解放状態になっている。従っ
て、副変速ユニット10は、サンギヤ16がODブレー
キB0にてロックされ、ピニオン19が公転しながら自
転してリングギヤ20に動力を伝達し、主変速ユニット
13の入力軸3に増速回転(0/D)を伝達する。また
主変速ユニット13では先の1速状態と同じであり、従
って主変速ユニット13の1速と副変速ユニット10の
増速とが相俟って自動変速機1全体として2速状態にな
る。
【0025】また、Dレンジにおける3速時は、ODダ
イレクトクラッチC0、ワンウェイクラッチF0、フォ
ワードクラッチC1、ワンウェイクラッチF1及びブレ
ーキB2が係合し、他は解放状態にある。従って、副変
速ユニット10は先に述べた直結状態にあり、OD入力
軸2の回転がそのまま主変速ユニット13の入力軸3に
伝達される。また主変速ユニット13は、入力軸3の回
転がクラッチC1を介してフロントギヤユニット11の
リングギヤ23に伝わり、ピニオン22を介してサンギ
ヤ25に左方向の回転力を付与するが、該サンギヤ25
はブレーキB2の係合に伴うワンウェイクラッチF1に
て該方向の回転が阻止され、従ってピニオン22は自転
しながら公転し、フロントギヤユニット11のみを経由
して2速回転が出力軸5に伝達される。これにより、副
変速ユニット10の直結状態と主変速ユニット13の2
速状態とが相俟って、自動変速機1全体として3速が得
られる。
【0026】また、Dレンジにおける4速時は、ODダ
イレクトクラッチC0、ワンウェイクラッチF0、フォ
ワードクラッチC1、ダイレクトクラッチC2及びブレ
ーキB2が係合し、他は解放状態にある。従って、副変
速ユニット10は先に述べた直結状態にあり、また主変
速ユニット13は、クラッチC1,C2の係合によりフ
ロントプラネタリギヤユニット11が一体になって、入
力軸3の回転はそのまま出力軸5に伝達される。これに
より、副変速ユニット10の直結及び主変速ユニット1
3の3速が相俟って、自動変速機1全体としてOD入力
軸2、入力軸3、出力軸5が一体に回転する4速が得ら
れる。
【0027】また、Dレンジにおける5速時は、ODブ
レーキB0、フォワードクラッチC1、ダイレクトクラ
ッチC2及びブレーキB2が係合し、他は解放状態にあ
る。従って、副変速ユニット10は先に述べた増速(O
/D)状態にあり、また主変速ユニット13も先に述べ
た3速状態にあり、これら両変速ユニット10,13が
相俟って自動変速機1全体として5速が得られる。
【0028】また、Rレンジ時は、ODダイレクトクラ
ッチC0、ワンウェイクラッチF0、ダイレクトクラッ
チC2及びブレーキB3を係合し、他は解放状態にある
。従って、副変速ユニット10は直結状態にあり、また
主変速ユニット13は、入力軸3の回転がクラッチC2
により直接サンギヤ25に伝達され、かつブレーキB3
によりリアのピニオン26の公転がロックされているの
で、サンギヤ25の回転はピニオン26の自転を介して
リングギヤ27に左回転として伝達され、出力軸5を逆
転する。
【0029】また、3レンジ又はLレンジにおける3速
時は、先に述べたDレンジの3速において、第1コース
トブレーキB1が係合しており、従ってサンギヤ25の
回転が両方向とも阻止され、エンジンブレーキが可能と
なる。
【0030】また、Lレンジにおける1速時は、Dレン
ジにおける1速において、ブレーキB3が係合しており
、従ってリヤのピニオン26の公転が両方向とも阻止さ
れ、エンジンブレーキが可能となる。
【0031】以上の説明によって、ダイレクトクラッチ
C2の引きずりが問題となるのは、ダイレクトクラッチ
C2が係合状態から解放状態に移行するときであり、具
体的には、Dレンジの5速から2速にキックダウンした
ときである。このとき、副変速ユニット10は、増速(
O/D)状態を維持したまま変化せず、主変速ユニット
が3速状態から1速状態に変化し、これに伴いサンギヤ
25は、入力軸3と一体回転していたものが、ダイレク
トクラッチC2が解放されることにより、減速、停止後
、直ちに逆回転するようになる。
【0032】ついで、図1に基づき、本発明の主要部分
であるところの自動変速機1の油圧アクチュエータ50
について詳述する。
【0033】油圧アクチュエータ50は、シリンダ部材
51とピストン部材52とを備えており、ダイレクトク
ラッチC2の前方に配設されている。シリンダ部材51
の外周側には外周壁51aが形成され、外周壁51aに
はドラム部材35が連結されている。ドラム部材35は
、外周壁51aの僅か後方の内側にダイレクトクラッチ
C2の外プレート53aが係合される一方、外側には第
1コスートブレーキB1が配設されており、更に後端側
に形成されたフランジ部35aの内周を、出力軸5に遊
嵌したサンギヤ25のフロントサンギヤ25aの後端に
スプライン結合すると共に、その前後のスナップリング
25c,25dによって軸方向の動きを規制されている
。また、シリンダ部材51は、その内周側に内周壁51
bが形成されており、内周壁51bの内周面の支持部材
53とこれに嵌合したブッシュ55とによって回動自在
に支持されている。なお、支持部材53は、トランスミ
ッションケース15と一体のハブ部材15aに嵌合され
ており、ハブ部材15aの内側には、入力軸3が回動自
在に支持されている。
【0034】ピストン部材52は、シリンダ部材51の
外周壁51aの内側に嵌着したアダプタリング56と、
内周壁51bとの間に、軸方向移動自在に嵌合されてい
る。ピストン部材52の前面はなだらかな曲面に形成さ
れ、この前面とシリンダ部材51の背面との間には油圧
室57が形成されている。油圧室57は、ピストン部材
52の外周付近まで延ばされた略円盤状に形成されてお
り、ピストン部材52の外周面と内周面とにそれぞれ配
設したOリング59a,59bによって油密状に保たれ
ている。ピストン部材52の外周側には保持部材60に
内装されたチェックボール61が配設されている。保持
部材60には、ピストン部材52の前面側の油圧室57
とピストン部材52の後面側とを連通する排油路60a
が形成されており、排油路60aの後端に形成された縮
径部60bの前面にチェックボール61が当接すること
によって排油路60aが閉鎖される一方、チェックボー
ル61がここから退避することによって排油路60aが
開放するようになっている。更に、ピストン部材52の
内周側には、後方に延びるボス部52aが形成されてお
り、その背面には、シリンダ部材51の内周壁51bと
、この先端に連結したキャンセルプレート62とによっ
て囲繞されたキャンセル室63が形成されている。キャ
ンセルプレート62は、その基端部が内周壁51bの後
端に嵌合され、スナップリング62aによって位置決め
されており、先端部においてはボス部52aが外周のO
リング59cを介して摺動する。キャンセルプレート6
2とボス部52aとの間には、キャンセルプレート62
と一体の取付部材62cに一端を固定したリターンスプ
リング65が介装されていて、ピストン部材52全体を
シリンダ部材51に向けて付勢している。なお、キャン
セル室63には、これに油を供給するための油路63a
がハブ部材15a、支持部材53、内周壁51bを貫通
するようにして形成されており、また、キャンセルプレ
ート62の基端部には、内周壁51bとの連結部分に切
欠き62bが形成されていて、キャンセル室63内の油
を排出すると共にダイレクトクラッチC2等に対する潤
滑を行なっている。また、油圧室57においても、これ
に作動油が出入りする油路57aが内周壁51bに形成
されている。更に、ダイレクトクラッチC2の内プレー
ト53bは、入力軸3に固定したハブ3aに係合してお
り、従って、内プレート53bと外プレート53aとを
摩擦係合させると、入力軸3の回転は、ダイレクトクラ
ッチC2及びドラム部材35を介してサンギヤ25に伝
達されるものである。
【0035】ついで、上述した実施例のDレンジの5速
から2速にキックダウンしたときの作動について説明す
る。5速においては、油圧アクチュエータ50の油圧室
57に作動油が供給されていて、作動油圧が高く保たれ
、ピストン部材52が後方に押し出されてダイレクトク
ラッチC2を係合しているから、サンギヤ25は、増速
(O/D)状態の副変速ユニット10によって高速回転
される入力軸3と一体になって回転しており、油圧アク
チュエータ50も同様に高速回転している。このとき、
油圧室57内の作動油とキャンセル室63内の油とには
それぞれ遠心油圧とキャンセル油圧とが作用している。 そして、ブレーキB3を解放するに続いて、アクチュエ
ータ50の油圧室57の作動油圧を減ずると、ピストン
部材52は、リターンスプリング65によってシリンダ
部材51に向けて押し戻され、これにより、ピストン部
材52は、ダイレクトクラッチC2の係合を解除するか
ら、入力軸3の回転は、出力軸5に伝達されなくなり、
サンギヤ25が入力軸3と逆回転するのに伴い、アクチ
ュエータ50もこれと一体になって逆回転する。この際
、副変速ユニット10の増速(O/D)によって入力軸
3が高速回転する分だけ、サンギヤ25の逆回転速度も
速くなり、油圧室57内の作動油に加わる遠心油圧も高
くなっているが、この遠心油圧は、油圧室57の内周側
に対応するキャンセル室63内の油に加わるキャンセル
油圧によって相殺されるに加えて、油圧室57の外周側
に対応するチェックボール61が退避して排油路60a
を開放することによって低減されるから、ピストン部材
52の摺動動作は、油圧室57内の作動油圧を操作する
ことによって適宜にコントロールされ、従って、5速か
ら2速へのキックダウン時においても、ピストン部材5
2は、ダイレクトクラッチC2の係合及び解放を適格に
行なうことができる。
【0036】なお、上述の油圧装置は、ダイレクトクラ
ッチC2を接断するアクチュエータ50に装備するばか
りでなく、必要に応じて、他のクラッチを接断するアク
チュエータに装備してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
シリンダ部材の内周側に軸方向移動自在に嵌合されて所
定クラッチを係合するピストン部材に対し、シリンダ部
材の背面とピストン部材の前面との間に油圧室を形成し
、かつ油圧室の内周側と外周側とにそれぞれ対応するキ
ャンセル室とチェックボールとを配設することにより、
例えば、ODドライブ用の副変速ユニットを装着して自
動変速機の入・出力軸が高速回転する場合においても、
油圧室内の遠心油圧は、キャンセル室内のキャンセル油
圧によって相殺されるに加えて、チェックボールによっ
て減圧されるので、ピストン部材の摺動運動は、油圧室
の作動油圧によって適格にコントロールすることができ
、所定クラッチの解放時には、これを完全に解放して引
きずりの発生を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主要構成部分を示す断面図。
【図2】本発明を適用した自動変速機の概略図。
【図3】その詳細を示す断面図。
【図4】その作動表。
【符号の説明】
1        自動変速機 3        入力軸(回転要素)35     
 ドラム部材(回転部材)50      油圧アクチ
ュエータ 51      シリンダ部材 52      ピストン部材 57      油圧室 61      チェックボール 62      キャンセルプレート 63      キャンセル室 65      リターンスプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  回転部材に連結するシリンダ部材の内
    周側にピストン部材を軸方向移動自在に嵌合して油圧ア
    クチュエータを構成し、該油圧アクチュエータの作動に
    より所定クラッチを適宜係合して前記回転部材を他の回
    転要素に接続してなる自動変速機における油圧装置にお
    いて、前記シリンダ部材の背面と前記ピストン部材の前
    面との間に形成された油圧室の外周側に対応する前記ピ
    ストン部材の外周側に、遠心力にて作動するチェックボ
    ールを配設し、  前記油圧室の内周側に対応する前記
    ピストン部材の内周側の背面に、リターンスプリングを
    縮設すると共にキャンセルプレートによって区画されて
    油を貯留するキャンセル室を形成してなる、ことを特徴
    とする自動変速機における油圧装置。
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