JPH0425803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車用シートリクライナーに係るも
のである。

（従来技術） 従来、使用状態のシートの傾斜角度を記憶させ
ておき、その傾斜角度に復帰しうるようにしたも
のは特開昭58−216008号公報・実開昭58−73153
号公報等により公知である。

（発明が解決しようとする問題点） 前記公知のもののうち、特開昭58−216008号公
報のものは、最終使用状態のみ復帰可能である
が、オーナー優先ではなく、ドライバーごとに変
化する構造であつた。

実開昭58−73153号公報は、オーナー優先に復
帰させることはできるが、その角度より手前側で
停止させることはできない欠点があつた。

（問題を解決するための手段） よつて本発明は、座席側ブラケツト１と背凭側
ブラケツト４とを軸３により軸着し、前記座席側
ブラケツト１または前記背凭側ブラケツト４のい
ずれか一方に無歯部７と該無歯部７に続く歯部８
を有するセクターギア５を、前記座席側ブラケツ
ト１と前記背凭側ブラケツト４のいずれか他方に
前記セクターギア５に噛合う係合歯２１を有する
ロツクプレート１９を取付け、前記セクターギア
５の前記歯部８の外周には、前記背凭側ブラケツ
ト４を前倒位置から引起したときロツクプレート
１９の係合歯２１と摺擦することによつて所望角
度だけ歯部８面を共回りするカバー部３３を設
け、もつて前記背凭側ブラケツト４を所望角度位
置に復帰しうるようにしたものにおいて、前記カ
バー部３３は前記ロツクプレート１９の係合歯２
１との共回りが終了するとバネ３８の弾力により
直ちに無歯部７側に戻るよう付勢された構成とし
た自動車用シートリクライナーの構成を要旨とし
て、前記欠点を克服したものである。

（構成） 本発明の一実施例を図により説明すると、１は
シートの座席側に固定される座席側ブラケツトで
あり、座席側ブラケツト１の基端部には、先端側
に二又部２を形成した軸３を設ける。４は背凭シ
ートに固定される背凭側ブラケツトであり、該背
凭側ブラケツト４の基端部を前記軸３に軸止す
る。背凭側ブラケツト４は図示はしていないが、
バネにより常時矢印イ方向に付勢される。

前記軸３にはセクターギア５と補助ブラケツト
６を順次回動自在に装着する。セクターギア５は
無歯部７と該無歯部７より僅かに小径の段差部９
と歯部８とにより形成し、段差部９と無歯部７の
間にストツパー１０を形成する。１１は補助ブラ
ケツト６と背凭側ブラケツト４とをセクターギア
５を介して固着するリベツトであるが、セクター
ギア５は遊嵌状とするため、長孔１２を設け、長
孔１２にリベツト１１が挿通される。

補助ブラケツト６と背凭側ブラケツト４は固着
される。１３は調節ノブであつて、該調節ノブ１
３を固定した回動軸１４の中央に偏心部１５を設
け、該偏心部１５をセクターギア５の係合孔１６
に嵌合させ、回動軸１４の両端を補助ブラケツト
６の係合孔１７と背凭側ブラケツト４の係合孔１
８にそれぞれ嵌合させる。そのため、調節ノブ１
３を回動させると、セクターギア５と背凭側ブラ
ケツト４の相対的位置を矢印イ方向または反矢印
イ方向に微調整する。

しかして、前記座席側ブラケツト１にはロツク
プレート１９を軸２０により軸着し、ロツクプレ
ート１９の回動端側には前記歯部８と係合する係
合歯２１を形成する。２２はロツクプレート１９
から突出したピン、２３は操作レバーであり、操
作レバー２３は軸２４により座席側ブラケツト１
に軸着され、操作レバー２３のセクターギア５側
には前記ピン２２が係合する開口２５が形成され
る。該開口２５のセクターギア５側は係合縁２６
に形成され、該係合縁２６はセクターギア５に対
して上端２７は遠く、下端２８は近くなるように
形成される。

２９は前記操作レバー２３に一体的に設けられ
るロツクプレート１９用のラツチであり、ロツク
プレート１９をセクターギア５の歯部８に押圧す
る。３０は操作レバー２３を常時矢印ロ方向に付
勢するバネである。

しかして、軸３にはカバー３１を回動自在に取
付ける。カバー３１は一端３２側を略直角に屈曲
させて前記セクターギア５の段差部９又は歯部８
を覆うカバー部３３を形成し、他端３４側には係
合片３５を設ける。３６は一端３２側に設けた突
片で、前記補助ブラケツト６の突片３７との間に
バネ３８を設け、常時カバー３１をストツパー１
０に当接させる。

しかして、カバー３１を装着した軸３には扇状
の調節板３９を回動自在に取付ける。調節板３９
の外周部には歯部４０を形成し、該歯部４０には
レバー４１の歯部４２を係合させる。調節板３９
には前記カバー３１の係合片３５が矢印イ方向に
回動すると当接する当接片４３を設ける。調節板
３９には突起４４を設け、該突起４４には、軸３
に巻回したスプリング４５の一端４６、他端４７
をそれぞれ係止するが、一端４６、他端４７が突
起４４を挾持するようにクロス部４８を設ける。

４９は軸３に装着されるリングであり、該リン
グ４９の基端部には前記軸３の二又部２に嵌合す
る嵌合孔５０が形成され、リング４９は軸３（座
席側ブラケツト１）に対して固定される。リング
４９には前記突起４４方向に伸びた突出部５１を
設け、該突出部５１の先端側には調節板３９側に
伸びた突起５２が設けられ、該突起５２は前記ス
プリング４５のクロス部４８と一端４６，４７と
の間に臨ませる。即ち、スプリング４５は突起４
４を突起５２に常時相対峙させるように付勢す
る。

前記レバー４１は軸５３によりセクターギア５
の一端に軸着され、バネ５４により常時反矢印イ
方向に付勢させる。５５はレバー４１の一端、５
６は他端である。

（作用） 次に作用を述る。

（乗客の着座） 通常の使用状態においては座席側ブラケツト１
と背凭側ブラケツト４とは、セクターギア５の歯
部８の適当位置とロツクプレート１９の係合歯２
１との係合により固定される。この状態で、背凭
シートの角度を変更するときは、操作レバー２３
を反矢印ロ方向に引き上げると、ロツクプレート
１９とラツチ２９の係合は外れ、同時にピン２２
は係合縁２６に当接して、ロツクプレート１９の
係合歯２１を、矢印ハ方向に移動させ、係合歯２
１と歯部８との係合を解除して、背凭側ブラケツ
ト４と座席側ブラケツト１とを回動自在とし、所
望の角度に調節される。したがつて操作レバー２
３より手を離すと、ロツクプレート１９の係合歯
２１と歯部８とが係合してロツクされる。

（メモリーセツト） 第３図に示した状態は、背凭れを適当に後傾斜
させたものである。カバー３１はカバー部３３と
係合歯２１の当接が解除されるとバネ３８の弾力
により引上げられてストツパー１０に当接して停
止しており、背凭れと共に回動するスプリング４
５の一端４６が停止位置にあるリング４９の突起
５２により開かれ、前記一端４６は突起４４より
離れる。

この状態でレバー４１の歯部４２と調節板３９
の歯部４０の係合を解除すると、調節板３９はス
プリング４５の他端４７の作用で、突起４４が突
起５２と一致するまで自動的に回動して、第４図
の状態になり、メモリーは完了する。

（後席乗客の降車） 後席の乗客が降車するときは、操作レバー２３
を第１図で引上げると、セクターギア５の歯部８
とロツクプレート１９の係合歯２１の係合が外れ
るため、背凭側ブラケツト４は軸３を中心に前側
に倒れ、背凭側ブラケツト４側のストツパーが座
席側ブラケツト１に衝突して停止する。

この状態ではロツクプレート１９の係合歯２１
の一部はセクターギア５の無歯部７の上面に当接
している。

後席の乗客が降車終了後、背凭シートを元の位
置に戻すと、背凭シートは前記メモリー位置に戻
る。

すなわち、係合歯２１はカバー３１のカバー部
３３外面に当接しているため、カバー３１を、そ
の係合片３５が調節板３９の当接片４３に当接す
るまで（第６図）回動させる。

係合片３５が調節板３９の当接片４３に当接す
ると、カバー３１の回動は停止するから、その後
は係合歯２１とカバー部３３は摺動し、係合歯２
１がカバー部３３外になると、係合歯２１と歯部
８は係合して背凭シートの回動は停止する。

この位置は前記メモリー位置と一致しており、
したがつて、背凭シートはメモリー位置に自動的
にセツトされる。

その後は係合歯２１はカバー部３３上を滑つて
第７図の状態になるから、メモリー位置に自動的
にロツクされる。

（別の乗客の着座） しかして、乗客のメモリーマツトがしてあるシ
ートに別の乗客が着座して、シートの傾斜角度を
変更するときは、操作レバー２３を反矢印ロ方向
に押上げて、係合歯２１と歯部８との係合を解除
させると、係合歯２１はカバー３１のカバー部３
３とは無関係に調節されるので、背凭側ブラケツ
ト４を所望の角度に調節した後、操作レバー２３
を離すと、再度係合歯２１と歯部８とが係合して
座席側ブラケツト１と背凭側ブラケツト４とがロ
ツクされ、乗客用の傾斜角度に調整できる。

（効果） 前記したように、従来、使用状態のシートの傾
斜角度を記憶させておき、その傾斜角度に復帰し
うるようにしたものは特開昭58−216008号公報・
実開昭58−73153号公報等により公知である。前
記のうち、特開昭58−216008号公報のものは、最
終使用状態のみ復帰可能であるが、オーナー優先
ではなく、ドライバーごとに変化する構造であつ
た。また実開昭58−73153号公報は、オーナー優
先に復帰させることはできるが、その角度より手
前側で停止させることはできない欠点があつた。

しかるに本発明は、座席側ブラケツト１と背凭
側ブラケツト４とを軸３により軸着し、前記座席
側ブラケツト１または前記背凭側ブラケツト４の
いずれか一方に無歯部７と該無歯部７に続く歯部
８を有するセクターギア５を、前記座席側ブラケ
ツト１と前記背凭側ブラケツト４のいずれか他方
に前記セクターギア５に噛合う係合歯２１を有す
るロツクプレート１９を取付け、前記セクターギ
ア５の前記歯部８の外周には、前記背凭側ブラケ
ツト４を前倒位置から引起したときロツクプレー
ト１９の係合歯２１と摺擦することによつて所望
角度だけ歯部８面を共回りするカバー部３３を設
け、もつて前記背凭側ブラケツト４を所望角度位
置に復帰しうるようにしたものにおいて、前記カ
バー部３３は前記ロツクプレート１９の係合歯２
１との共回りが終了するとバネ３８の弾力により
直ちに無歯部７側に戻るよう付勢された構成とし
た自動車用シートリクライナーの構成としたか
ら、前記カバー部３３が自動的に戻るので、その
復帰角度の手前側でも、自由に角度調節ができる
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の全体の側面図、第２図は本発
明の要部の分解図、第３図は乗客用に背凭角度を
調節した状態図、第４図は乗客用に背凭角度をメ
モリーした状態図、第５図は背凭を最前倒させた
ときの状態図、第６図は第５図の状態から背凭を
後方に回動させた状態図、第７図は乗客のメモリ
ー位置へ復帰を示す状態図である。 符号の説明、１……ブラケツト、２……二又
部、３……軸、４……ブラケツト、５……セクタ
ーギア、６……補助ブラケツト、７……無歯部、
８……歯部、９……段差部、１０……ストツパ
ー、１１……リベツト、１２……長孔、１３……
調節ノブ、１４……軸、１５……偏心部、１６，
１７，１８……係合孔、１９……ロツクプレー
ト、２０……軸、２１……係合歯、２２……ピ
ン、２３……操作レバー、２４……軸、２５……
開口、２６……係合縁、２７……上端、２８……
下端、２９……ラツチ、３０……バネ、３１……
カバー、３２……一端、３３……カバー部、３４
……他端、３５……係合片、３６……突片、３７
……突片、３８……バネ、３９……調節板、４０
……歯部、４１……レバー、４２……歯部、４３
……当接片、４４……突起、４５……スプリン
グ、４６……一端、４７……他端、４８……クロ
ス部、４９……リング、５０……嵌合孔、５１…
…突出部、５２……突起、５３……軸、５４……
バネ、５５……一端、５６……他端。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 座席側ブラケツト１と背凭側ブラケツト４と
   を軸３により軸着し、前記座席側ブラケツト１ま
   たは前記背凭側ブラケツト４のいずれか一方に無
   歯部７と該無歯部７に続く歯部８を有するセクタ
   ーギア５を、前記座席側ブラケツト１と前記背凭
   側ブラケツト４のいずれか他方に前記セクターギ
   ア５に噛合う係合歯２１を有するロツクプレート
   １９を取付け、前記セクターギア５の前記歯部８
   の外周には、前記背凭側ブラケツト４を前倒位置
   から引起したときロツクプレート１９の係合歯２
   １と摺擦することによつて所望角度だけ歯部８面
   を共回りするカバー部３３を設け、もつて前記背
   凭側ブラケツト４を所望角度位置に復帰しうるよ
   うにしたものにおいて、前記カバー部３３は前記
   ロツクプレート１９の係合歯２１との共回りが終
   了するとバネ３８の弾力により直ちに無歯部７側
   に戻るよう付勢された構成とした自動車用シート
   リクライナー。