JPH0424221B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は容器とその製造方法に関し、特に開封
可能な部分を有する容器または少くとも容器の中
味を取出す部分を有する容器およびその製造方法
に関する。

いままでの型式の例えば容器カバーのような容
器部材はプラスチツク材料で作られることが多
く、かつ通常射出成型によつて作られた。容器を
開けることができるようにしそして容器の中味を
取出すように少くとも容器の１部分を取去ること
ができるようにすることは、一般に開封指示部に
沿つて容器カバーの材料の厚さを薄くするかまた
は残余の部分から切り離されるような開封指示部
である狭い橋部部材を設けることによつて行われ
る。

本発明の分野においては利用可能な技術として
１段階式射出成型工程があるが、これによると開
封指示部が、内側にまたは外側に設けられたカバ
ー部材が作られる。射出成型用ゲート即ち湯口は
普通金型の中央に配置されそしてプラスチツク材
料は成型さるべきカバー部材内で多かれ少かれ半
径方向外方に向けて流れ、開封指示部を横切つて
なおほぼ同じ方向に流れつづけて容器本体に取り
付けられるようにされたフランジを形成させる。

しかしながら前記１段階式射出成型技術では満
足すべき開封特性即ち引き裂き特性を得ることが
できず、特にプラスチツク材料が伸長せられたり
またはその他の方法で方向性を与えられた時に方
向性のある分子連鎖を形成するようなタイプのも
のである時にそうである。不都合にも１段階式射
出成型技術は周知のこのタイプのカバーの開封領
域にこのような伸長性／方向性をまさに与えるも
のであつた。

ポリプロピレンは特に引き裂くことが非常に困
難であることが知られている。前記引き裂きは、
開封がなさるべきまさにその領域で、開封指示部
を横切つて分子連鎖が方向性を与えられていると
いう事実によつてより困難にされている。また経
時的順序でもつて行われる成型工程によると、カ
バー開封指示部を画成する、強さが弱められた溶
接部が得られることが示唆されている。

本技術分野では、例えば比較的に肉厚のプラス
チツクの支持と保護とをする部材およびこの部材
に付着させた薄いメタルホイルとからなるカバー
のような、複合的構造の容器が提案されている。
かかる容器は例えば殺菌可能なタイプの包装にお
ける場合のように、ガスと蒸気の浸透を極端に低
くすることが要求されるような用途に具合よく使
用できる。しかしこのような複合的構造の容器に
ついても、容易に開けられる特性が付与されるよ
う要求されている。

この種の型式の市販されている容器は、通常中
央のパネルと外周フランジとを有する支持と保護
とをするプラスチツク部材、およびこのプラスチ
ツク部材に付着されたメタルホイル積層体からな
る複合的構造のものである。前記パネルはフラン
ジから開封指示部によつて境界を画されており、
前記指示部は普通前記ホイルを容器の外側に露出
させた領域を含む。このような露出させた領域は
本当の意味で開け易くするように容器を作ろうと
するときは、これを避けることが非常に困難であ
る。

その上に露出させた領域を必要とすることはそ
れだけホイルがパンクする危険を内包し、かつ容
器全体の強度を低下させる。

実際に露出させた領域が必要な場合は薄いメタ
ルホイル上に直接に保護と支持とをするプラスチ
ツク部材を射出成型できない。即ち露出させた領
域を形成させるためにフインガー部材またはその
他の機械的装置によつてホイルが押しつけられる
時に発生するであろうような伸長やその他の引つ
張りにホイルは耐えることができない。

開封し易い状態であつてもまた例えばソーダ水
入りソフトドリンクのように、内部圧力に耐える
全体的な容器構造を有するようにするよう強い要
求がある。

上記したタイプの複合的容器に多段式射出成型
技術を応用すると、驚くほどに周知の容器のすべ
ての欠点を除去するものであることが判つた。

本発明は複数個部材の射出成型によつてプラス
チツク材料の溶接部内に実質的に形成される開封
指示部に沿つて開封可能な、好ましくは容器のカ
バーである容器部材を提供する。前記溶接部は多
段式射出成型によつて形成された帯部であり、か
つ例えばメタルホイルのようなシールラベルが前
記容器部材の少くとも前記溶接部をおおうように
されている。

全体としての強度を高めかつ内部圧力に対する
耐圧性をもたせる要求にも合致させる目的で、前
記溶接部は経時的順序でもつて成型された前記複
数個部材間で当接表面を形成する領域を含み、こ
の当接表面は溶接部が破壊された後に前記複数個
部材間の自由な相対運動を阻止するストツパ部材
としての作用をするようにされている。

好ましくは前記溶接部は前記プラスチツク材料
の分子連鎖の方向性が破壊された帯部で形成され
さらに／または前記プラスチツク材料の不完全な
融合部である帯部として形成される。

好ましい実施例では前記溶接部は、容器の開口
部外周部をはめるようにされた外周フランジを有
する容器カバーを構成するカバーパネルに配置さ
れており、さらに前記シールラベルは前記カバー
パネルの全表面と前記外周フランジの少くとも１
部分とに延在する。

前記シールラベルは前記溶接部を横切つて延在
し、さらに前記容器部材の反対側の側面の１部を
おおつてもよい。さらに好ましくは前記溶接部は
例えば段部状形状をした延長部のような垂直では
ない前記容器部材を横切る交差状延長部を有し、
前記交差状延長部即ち段部は前記容器部材の外方
へ向けての運動を阻止するようにされている。

好ましい実施例では容器部材は全体として、例
えばポリプロピレンのような同じタイプの材料で
作られる。

本発明はまた開封指示部に沿つて開封可能な、
好ましくはカバーである容器部材の製造方法であ
つて、例えばカバーパネルのような第１の部材は
第１段階としてプラスチツク材料で射出成型さ
れ、そしてその後で、例えば前記カバーパネルを
取り囲みかつ前記容器の本体に取り付けられるよ
うにされた縁部フランジのような第２の部材が前
記第１と第２の部材間に溶接部が形成されるよう
にされながら射出成型され、かつ前記各射出成型
は、少くとも前記容器部材の溶接部をおおうよう
に配置された例えばメタルホイルのようなシール
ラベル上に実施されることを特徴とする容器部材
の製造方法を提供する。

好ましくは前記製造方法は、前記第２の部材の
射出成型は、前記溶接部において前記プラスチツ
ク材料の分子連鎖が実質的に破壊されるように行
われ、さらに／または前記第１と第２部材の各プ
ラスチツク材料の温度は完全な融合に必要とされ
る温度より低いレベルに維持されて行われる容器
部材の製造方法である。

耐圧特性の向上は、前記第１と第２の部材の前
記射出成型が、前記溶接部に例えば段部状形状を
した延長部のような垂直ではない前記容器部材を
横切つて交差状延長部を形成され、前記交差状延
長部即ち段部は前記容器部材の外方へ向けての運
動を阻止するようにされて行われる容器部材の製
造方法で実現される。

第１図に示す容器のふた即ち容器カバー１０は
基本的にカバーパネル１１と外周フランジ１２と
で形成される。これらの両部材間に例えばポリプ
ロピレン製のような開封指示部１３が、第２図で
は壁部を薄肉にした薄肉部の形状をして、そして
第３図ではジグザグ部の形状をして、配置されて
いる。

開封指示部１３の配置はカバー１０を入れるよ
うに位置させられた容器のくちの丁度内側の位置
に対応している。フランジ１２を容器の側面に向
けて容易に折り曲げられるように、フランジ１２
に外周みぞ１４が穿設されている。

フランジおよびカバーパネルに対する開封指示
部１３のこのような配置は変えてもよい。例えば
開封指示部１３を容器本体に対して外方にまたは
内方に配置することができるし、必要なときは容
器本体の端縁部に沿つて配置することもできる。

第１図に示す実施例ではカバー１０につまみ部
片１５が、引張り上げられそしてつまみ部片の先
の方の細くなつた部分がフランジ１２から切り離
すことができるようにして配置されており、そこ
でフランジ１２から切り離されたつまみ部片１５
を引張ることによつて、カバーパネル１１は開封
指示部１３に沿つて一緒に切り離されるようにさ
れる。

つまみ部片１５の代りに、開封指示部１３の配
置に応じて内方または外方に引張りリングを設け
ることもできることはいうまでもない。

第４図乃至第９図に関連してより詳細に説明す
るように、カバー１０の下方に位置したメタルホ
イル（シールラベル即ち密封用薄片）が開封可能
にそしてカバーパネルと、多分カバーフランジの
一部分と一緒に部分的に切離されることができる
ような構造にすることも可能である。

しかしながらすべての実施例において容器カバ
ーは、フランジ１２即ちフランジ部とカバーパネ
ルとを、必要に応じて設けられる開封装置をも含
めて、別々に射出成型することによつて得られる
溶接部即ち融合部内に開封指示部１３が配置され
るような構成にされている。

基本的に溶接部は種々の方法で形成できる。射
出成型は例えば必要な経時的順序、および温度、
圧力および時間条件を十分に考慮したいわゆるコ
アプーリングプログラム（core pulling
program）でもつて実施し、例えば薄肉部、橋部
またはジグザグ線等の形状をした溶接部１３に沿
つて、フランジ１２とカバーパネル１１とが相互
に連結されるようにしたものであつてもよい。

各前記パラメーターは開封の容易性および／ま
たは機械的強度を考慮して経験的に設定される。

しかしながら現在では改良された開封特性は、
カバーパネルとフランジとを作るとき多段階式成
型をすることによつて得られる前記溶接部におい
て、分子連鎖の方向性が破壊されることに起因す
るものとして主たる原因とされている。

また溶接部における温度条件を、完全な融合に
必要な温度より低い温度にしたことも好結果を追
加するものとされている。

さらにまた前記温度差によつて創生される応力
も開封に必要な弱化に寄与することができる。

現在のところでは得られる好結果についての完
全な技術的説明は不足しているが、それにも拘ら
ずここに開示するカバーの構成は単に開封特性を
改良するのみならず、開封指示部１３の配置に関
する限り非常に高度の自由度を保有するものとな
つたことは極めて明白である。

例えば第３図では内部圧力にさらされてもよい
ような配置を示す第１の実施例が示されている。
即ち溶接部１３は垂直面とは異る平面に向けられ
たジグザグ線に沿つて延在しており、内部圧力に
対して改良された耐圧性を有するようにされてい
る。

第４図乃至第９図に示すいくつかの実施例に関
連して述べるが、溶接部の形状は溶接部に沿つた
各部材間に機械的連結装置が形成されるように設
計することができるが、開封がカバーパネルに対
して交差する平面以外の平面内に分力を有するよ
うな開封力を使用してなされるときは、連結装置
は開封性能を有害な程に低下させるものではな
い。

第４図ではカバーパネル１１とフランジ１２と
の間の溶接部１３は段部状の帯として形成されて
いる。ここでは補合形状をした複数段部の相互作
用によつてカバーパネル１１とフランジ１２との
間に機械的連結装置を形成させるものとなり、さ
らに各段部は溶接部が破壊された後にカバーパネ
ル１１の相対的自由運動を阻止するストツパ部材
を形成するものとなつた。

またカバーパネル１１の下方表面にシールラベ
ル１６即ち薄いメタルホイル積層部材が配置され
ており、シールラベル１６は容器本体を入れるよ
うにフランジに画成されたみぞ１２′の中まで部
分的に延在している。シールラベル１６、カバー
パネル１１およびフランジ１２からなる複合構造
体は、２段階式射出成型作業により、カバーパネ
ル１１とフランジ１２との両部材をシールラベル
上に直接にモールド即ち成型して作られる。

型を修正することによりおよび（または）コア
プログラムを調節することによつて、いくつかの
溶接部の形状を形成することができる。第４図に
示す実施例では溶接部１３である段部を形成する
ために、段部状の前方部分を有するおす型の金型
部材を必要とする。好ましくは最初の工程でフラ
ンジ１２が成型され、その後でカバーパネル１１
が成型される。

第５図と第８図とに示すように、シールラベル
１６はカバーパネル１１とフランジ１２の対向す
る面に延在させてもよい。これの交差領域は溶接
部１３と合致する。

少くとも第４図乃至第７図に示す実施例は、溶
接部が破壊された後でもカバーパネル１１とフラ
ンジ１２との間における積極的なストツパ部材と
しての働きをする溶接部を開示している。かかる
ストツパ部材の形状はカバーパネル１１かフラン
ジ１２かのいずれかの縁部形状で決まることが判
る。これらの各部材は多段階式射出成型工程のあ
る段階で成型される。

第６図に示す実施例は二重式溶接部１３に画成
されたストツパ部材を形成する二組の当接表面を
有するサンドイツチ型の複合カバー構造体を開示
する。

第１０図には射出成型用金型のめす型部材１７
上に置かれた状態のシールラベル１６を示す。お
す型部材１８には２段階式射出成型工程の第１段
階でフランジ１２を成型する時にゲート通路１９
即ち湯口が設けられている。その後で他のおす型
部材１８′が第１１図に示すような位置に置かれ
て、カバーパネル１１はフランジ１２に対して中
央に位置させられた別のゲート通路１９′を通る
射出成型作業によつて成型される。この実施例で
は溶接部１３は二重にされたフランジ１２のちよ
うど内側に配置されている。

温度条件と圧力とは、プラスチツクの分子連鎖
が破壊されるように、さらに／またはプラスチツ
ク材料の温度は溶接部において完全な融合がなさ
れるに必要な温度レベルより低いレベルに維持さ
れるように経験的に定められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例である開封容易な容器
カバーの上面図を示し、第２図は第１図の−
線に沿つた断面図で第１の溶接部実施例を示し、
第３図は第２図と同様であるが第２の溶接部実施
例を示し、第４図は複合的構造の容器カバーの部
分断面図を示し、第５図は別の複合的構造の容器
カバーの部分断面図を示し、第６図はサンドイツ
チ形の複合的構造の容器カバーの部分断面図を示
し、第７図乃至第９図はさらに別のそれぞれ異る
溶接部とシールラベルの配置とを示す部分断面図
を示し、第１０図は多段階式射出成型工程の第１
段階のときに使用される射出成型金型装置の概略
断面図を示し、第１１図は次の成型工程で使用さ
れる射出成型金型装置の概略断面図を示す。 １０……カバー（容器部材）、１１……カバー
パネル（部材）、１２……フランジ（部材）、１３
……開封指示部（溶接部）、１６……シールラベ
ル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多段式射出成型によつてプラスチツク材料の
   溶接部１３内に実質的に形成された開封指示部に
   沿つて開封可能な容器部材であつて、シールラベ
   ルが前記容器部材の少くとも前記溶接部をおおう
   ように配置されており、前記溶接部は経時的順序
   でもつて成型された複数個部材間で当接表面を形
   成する領域を含み、前記当接表面は前記溶接部が
   破壊された後に前記複数個部材間の自由な相対運
   動を阻止するストツパ部材としての作用をするよ
   うにされた容器部材。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の容器部材にお
   いて、前記容器部は前記プラスチツク材料の分子
   連鎖の方向性が破壊された帯部で形成されさら
   に／または前記プラスチツク材料の不完全な融合
   部である帯部として形成された容器部材。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載の容器部材にお
   いて、前記溶接部は前記容器の開口部外周部をは
   めるようにされた外周フランジを有する前記容器
   のカバーを構成するカバーパネルに配置されてお
   り、かつ前記シールラベルは前記カバーパネルの
   全表面と前記外周フランジの少くとも１部分とに
   延在するようにされた容器部材。 ４ 特許請求の範囲第３項に記載の容器部材にお
   いて、前記シールラベルの１部分は前記溶接部を
   横切つて延在しさらに前記容器部材の反対側の側
   面の部分までおおうようにされた容器部材。 ５ 特許請求の範囲第１項に記載の容器部材にお
   いて、前記溶接部は垂直ではない前記容器部材を
   横切る交差状延長部を有し、前記交差状延長部は
   前記容器部材の外方へ向けての運動を阻止するよ
   うにされた容器部材。 ６ 特許請求の範囲第３項に記載の容器部材にお
   いて、前記容器部材と前記容器の残余の部分と
   は、同じタイプの前記プラスチツク材料で作られ
   た容器部材。 ７ 開封指示部に沿つて開封可能な、容器部材の
   製造方法において、第１の部材は第１段階として
   プラスチツク材料で射出成型され、そしてその後
   で、第２の部材が、前記第１と第２の部材間に溶
   接部が形成されるようにされながら射出成型さ
   れ、かつ各前記射出成型は、少くとも前記容器部
   材の前記溶接部をおおうように配置されたシール
   ラベル上に実施されることを特徴とする容器部材
   の製造方法。 ８ 特許請求の範囲第７項に記載の製造方法にお
   いて、前記第２の部材の前記射出成型は、前記溶
   接部において前記プラスチツク材料の分子連鎖が
   実質的に破壊されるように行われ、さらに／また
   は前記第１と第２の部材の各プラスチツク材料の
   温度は完全な融合に必要とされる温度より低いレ
   ベルに維持されて行われる容器部材の製造方法。 ９ 特許請求の範囲第８項に記載の製造方法にお
   いて、前記第１と第２の部材の前記射出成型は、
   前記溶接部に垂直ではない前記容器部材を横切つ
   て交差状延長部を形成させて前記容器部材の外方
   へ向けての運動を阻止するようにされて、いる容
   器部材の製造方法。