JPH0420671Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シート、特にフロントシート
ん関するものである。

（従来の技術） 従来、第６図、第７図に示すように、自動車の
フロントシート１を最前方にスライドし、シート
バツク２を後方に傾倒してリアシート３のシート
ボトム４と略面一にすることにより、第７図に示
すようにフラツトシートとして使用するものがあ
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、フロントシート１のシートボト
ム５の表面形状が前高状態に形成されているた
め、シートバツク２を傾倒しても、第７図に示す
ように、フロントシート１のシートボトム５の後
端とシートバツク２の下端との間に段差が生じ
て、完全なフラツトシートとならず、使用しにく
いという問題があつた。

本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもの
で、シートバツクを傾倒した際に、シートバツク
とシートボトムの間に段差がなく完全に平坦とな
る自動車用シートを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するため、本考案は、車体の
床面に前後方向に移動可能に設けたシートボトム
と、該シートボトムの後端部に回動可能に立設
し、かつ、後方に傾倒可能に設けたシートバツク
と、からなる自動車用シートにおいて、シートボ
トムの後端を上下に揺動可能に設け、車体の床面
に突部を突設し、シートバツクの下端にカムを設
けて、シートボトムの最前位置で、シートバツク
の傾倒動作とともに前記カムが前記突部上を摺動
して該突部の頂部に乗り上げるようにしたもので
ある。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を添付図面に従つて説
明する。

第１図、第２図において、フロントシート１の
シートボトム５は車体６の床面上に固定されたロ
アレール７に摺動自在に係合したアツパーレール
８に、前端両側を支軸９を中心に回動自在に枢着
され、後端が上下に揺動可能になつている。ま
た、シートボトム５の底面後端は、リンク機構１
０を介してアツパーレール８に取り付けられてい
る。このリンク機構１０は、第２図に示すよう
に、アツパーレール８に一端を支軸１１を中心に
回動可能に枢着した第１リンク部材１２の他端
と、シートボトム５に一端を支軸１３を中心に回
動可能に枢着した第２リンク部材１４の他端と、
をロツクピン１５により連結して屈伸可能に形成
したものである。また、アツパレール８にはロツ
クレバー１６が支軸１７ａを中心に回動自在に、
かつ、第１図中時計回り方向に付勢して枢着さ
れ、その上端に設けた係合部１７が前記リンク機
構１０の屈曲時にロツクピン１５に前方から係合
するとともに、下端は車体６の床面近傍まで垂下
するようになつている。

フロントシート１のシートバツク２は、そのシ
ートバツクフレーム１８の下端に設けたシートバ
ツクブラケツト１９を、シートボトム５のシート
ボトムフレーム２０の後端に設けたシートボトム
ブラケツト２１に、支軸２２を介して回動可能に
枢着されるとともに、具体的に図示しないリクラ
イニング装置２３により傾倒角度を調整できるよ
うになつている。そして、このシートバツク２の
シートバツクブラケツト１９の下端には、カム２
４が垂下して設けられ、シートバツク２の回動と
ともに回動するようになつている。

一方、車体６の床面には突部２５が、設けら
れ、フロントシート１が最前位置に移動した際に
前記シートバツク２のカム２４が近接し、シート
バツク２の傾倒時に当接し、かつ、摺動して乗り
上げるようになつている。また、この突部２５の
近傍に、突起２６が設けられ、フロントシート１
が最前位置に移動した際に、前記ロツクレバー１
６の下端が傾倒して上端の係合部１７とリンク機
構１０のロツクピン１５との係合が解除されるよ
うになつている。

以上の構成からなる自動車用シートにおいて、
通常状態では第１図に示すように、ロツクレバー
１６の係合部１７とリンク機構１０のロツクピン
１５とが係合して、リンク機構１０は屈曲状態に
維持され伸直しないため、シートボトム５の後端
は上下揺動しない。また、シートバツク２を後方
に傾倒させたとしてもカム２４は車体６の突部２
５と係合しないため、シートボトム５の後端が持
ち上げられるようなことはない。

次に、フロントシート１のシートバツク２を図
示しないリクライニング装置により傾倒してフル
フラツトシートとして使用する場合には、まず、
第３図に示すようにフロントシート１全体を最前
位置に移動させる。このとき、ロツクレバー１６
の下端が車体６の突起２６に係当して押圧され、
上端の係合部１７がリンク機構１０のロツクピン
１５より離脱してロツクが解除されるため、リン
ク機構１０は上下に屈曲可能な状態となる。

そして、シートバツク２を後傾するとカム２４
が車体６の突部２５に当接するが、さらに、力を
加えて倒伏させると、第４図に示すように、カム
２４が突部２５に沿つて摺動して突部２５の頂部
に乗り上げる結果、シートボトム５の後端が持ち
上げられ、シートボトム５とシートバツク２は平
坦で段差がなく、第５図に示すようにフルフラツ
トとなる。このとき、リンク機構１０は伸直する
ため、フルフラツト状態であつても、上下方向の
揺動が拘束されることになり、車体が振動、揺動
しても、ガタ付くようなことはない。

次に、シートバツク２を起立させると、カム２
４が突部２５に沿つて摺動しつつ、シートボトム
５の後端は自重により降下し、リンク機構１０は
屈曲状態に戻る。そして、フロントシート１を当
初の位置に後方へ移動させると、ロツクレバー１
６の下端と車体６の突起２６との係合状態が解除
されるため、ロツクレバー１６はその付勢力によ
つて回動し、上端の係合部１７がリンク機構１０
のロツクピン１５に係合して、第１図に示す通常
状態に戻る。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、フロントシートのシートバツクを後方に倒伏
させた際に、シートボトムの後端が上昇するた
め、シートバツクとの間の段差が無くなり、フル
フラツトシートとして使用することができるとい
う効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のフロントシートの通常状態の
側面図、第２図は第１図−線断面図、第３図
はフロントシートを最前位置に移動した状態を示
す側面図、第４図はシートバツクの倒伏状態を示
す側面図、第５図は本考案に係る自動車シートの
フルフラツト状態を示す側面図、第６図は従来の
自動車シートの通常状態を示す側面図、第７図は
従来の自動車用シートのフロントシートのシート
バツクを倒伏した状態を示す側面図である。 ……フロントシート、２……シートバツク、
５……シートボトム、２４……カム、２５……突
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の床面に前後方向に移動可能に設けたシー
   トボトムと、該シートボトムの後端部に回動可能
   に立設し、かつ、後方に傾倒可能に設けたシート
   バツクと、からなる自動車用シートにおいて、シ
   ートボトムの後端を上下に揺動可能に設け、車体
   の床面に突部を突設し、シートバツクの下端にカ
   ムを設けて、シートボトムの最前位置で、シート
   バツクの傾倒動作とともに前記カムが前記突部上
   を摺動して該突部の頂部に乗り上げるようにした
   ことを特徴とする自動車用シート。