JPH0514571B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車に使用して好適なシートに関
し、長身者及び短身者に対して適切に対応できる
ようにしたものである。

背景技術とその問題点 自動車の運転席等に使用しているシートにあつ
ては、その奥行きを調整できるように構成したも
のが既に提案されているが、従来のこの種のシー
トにあつては、シートバツクをシートクツシヨン
に対して前後動させる構成のものと、シートクツ
シヨンを２分割して、これら前後間を調整できる
ようにした構成のものとが提案されている。

しかし乍ら前者の構成では強度的に難点があ
り、又、ガタを生じ易い欠点がある。又後者の構
成では、座面の連続性が失われ、座り心地が悪く
なる等の欠点があつた。

発明の目的 本発明は、上述した点に鑑み、比較的簡単な構
成で長身者（足の長い人）及び短身者（足の短か
い人）にそれぞれ適用できるシートを提供したも
のである。

発明の概要 本発明は前後方向に延長するブラケツトの前部
及び後部に、前記支点及び後部支点をそれぞれ中
心として回動できる前部回動アーム及び後部回動
アームを取付け、それぞれの回動アームの遊端を
前部枢支点及び後部枢支点としてこれら各枢支点
をクツシヨンフレームの前部及び後部にそれぞれ
枢支すると共に、前部枢支点を前部支点より上方
位置に選定し、後部枢支点を後部支点より下方位
置に選定したものであつて、シートクツシヨンを
前方に移動させることにより、シートクツシヨン
の後部を下げ、いわゆるヒツプポイントを降下さ
せて長身者に好適となし、シートクツシヨンを後
方に移動させることにより、ヒツプポイントを上
げ、短身者に好適なようにしたものである。

実施例 以下、図面について本発明によるシートの一例
を説明するに、本例は左右ほヾ対称に形成される
ので、その一方について説明し、他方には対応部
分に同一符号を附して示す。

１はガイドレール装置であつて、前後方向に延長
し、その上に同様に前後方向に延長してブラケツ
ト２が取付けられており、操作レバー３によつて
ロツクを解除した状態で、ブラケツト２が前後動
可能となり、任意の位置で操作レバー３より手を
離すことによつて再度その位置にブラケツト２が
ロツクされるようになされている。かかる手段は
周知であるから、その詳細な説明を省略する。

このブラケツト２の前後において、それぞれ前
部及び後部の支点即ち軸４及び５により前部回動
アーム６及び後部回動アーム７が回動可能に取付
けられている。この場合、回動アーム６の軸４は
左右のブラケツト２間に差渡された共通軸（前側
リンク）に構成され、左右の前部回動アーム６
は、この共通軸４に対して回転的に一体となされ
ている。ここで、軸４は軸５より下方に位置する
ようにブラケツト２に枢着されている。尚左右の
後部回動アーム７の遊端間は、ロツド８により互
に連結されている。

前部回動アーム６の遊端には前部枢支点として
の軸９が突出され、後部回動アーム７の遊端附近
には更に取付けブラケツト１０が軸１１により自
由に回動できるように取付けられており、且つ全
体としてＬ字状に折曲げられている。そしてこの
取付けブラケツト１０にはピン１２が形成されて
いる。

１３はクツシヨンフレームであつて、着座した
人のヒツプの形状にほヾ沿うように後部が前部よ
り低く落ち込んだ形状に形成されている。このク
ツシヨンフレーム１３は図示しないシートバツク
フレームとは連動することなく別々に構成されて
いる。そしてこのクツシヨンフレーム１３の側面
の前部と後部とにおいて、それぞれ前部及び後部
の支持片１４及び１５が取付けられ、共に透孔１
６及び１７が形成されている。そして前部回動ア
ーム６の軸９が支持片１４の透孔１６内に、取付
けブラケツト１０のピン１２が支持片１５の透孔
１７にそれぞれ係合されている。

更に第２図より明らかなように、前部枢支点即
ち軸９を、前部支点即ち軸４より上方にして且つ
後方に位置するように選定したとき、後部枢支点
即ち軸１１が、後部支点即ち軸５より下方にして
且つ後方に位置するように選定される。

又左右の前部回動アーム６のうち、いずれか一
方（図示の例では右側の回動アーム）には、共通
軸４を中心とした歯１８が形成されており、これ
と噛合うピニオン１９を有する位置固定装置２０
がブラケツト２に取付けられている。この装置２
０は後述するところより明らかとなる。２１はこ
の装置２０のハンドル即ち摘子である。

尚、位置固定装置２０は本例では前部回動アー
ム６側に設けた場合について示したが、後部回動
アーム７側に設けることであつてもよい。

このような構成の動作について説明する。今、
クツシヨンフレーム１３は第２図実線図示位置に
あるものとする。この状態においてハンドル２１
を操作し、スピンドル１９を回転させ、その後ハ
ンドル２１より手を離す。これによりスピンドル
１９は所定量丈け回転した後その回転位置にロツ
クされ、外力によつてこれが回転することはな
い。再びハンドル２１を操作することによりスピ
ンドル１９を回動させ得る。この場合、ハンドル
２１を例えばその軸方向に押すか又は引くことに
よりスピンドル１９のロツクを解除させることが
できるもので、かかる構成は本発明の要旨に直接
関係がないので、その説明を省略する。

上述したように、スピンドル１９を回動させる
ことにより、歯１８を介して前部回動アーム６が
回動する。今これが第２図において反時計方向に
回動したとすると、クツシヨンフレーム１３は点
線図示するように前方に突き出され、しかも僅か
に上方に持ち上げられる。これに伴い後部回動ア
ーム７が支点即ち軸５を中心として時計方向に回
動され、よつてその枢支点即ち軸１１が前方へ移
動すると共に僅かに降下する。即ちクツシヨンフ
レーム１３が前方に移動するとき、その前部は僅
かに持ち上がり、後部は僅かに降下する。従つて
着座者のいわゆるヒツプポイントを下げると同時
にひざを持ち上げることになるので、この場合は
長身者が使用するのに好適となる。又反対にクツ
シヨンフレーム１３を後方に移動させるときは、
上述と逆の状態となるので、この場合は短身者の
使用に好適となる。

発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、クツシ
ヨンフレーム１３をブラケツト２に対して前又は
後に移動させることにより、ヒツプポイントを降
下させ、又は持ち上げることができるので、長身
者又は短身者に対してそれぞれ適切に対応させる
ことができる特徴を有するものである。

又、クツシヨンフレーム１３はシートバツクフ
レームと別々になされているので、クツシヨンフ
レーム１３の移動時にシートバツクフレーム側が
その傾斜角度が変わることもなく、その角度位置
を再調整するような手数を要することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるスイングクツシヨンシー
トの一例を示す分解状態の斜視図、第２図は使用
状態を示す側面図である。 ２はブラケツト、６及び７は前部及び後部回動
アーム、９及び１１は前部及び後部の枢支点であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前後方向に延長する左右対称のブラケツトに
   シートクツシヨンとシートバツクとが別々に取付
   けられ、このブラケツトの前部及び後部に、前部
   回動アーム及び後部回動アームが前部支点及び後
   部支点をそれぞれ中心として回動可能に枢着さ
   れ、 上記前部回動アームの上記支点は上記後部回動
   アームの上記支点より下方に位置するように設定
   され、 上記前部回動アームは下方がブラケツトに、上
   方がクツシヨンフレームに各々枢支され、上記後
   部回動アームは上方がブラケツトに、下方がクツ
   シヨンフレームに各々枢支されてなり、 上記前部回動アーム及び後部回動アームのいず
   れか一方が位置固定装置により回動調節可能であ
   ることを特徴とするスイングクツシヨンシート。