JPH0416655Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は刃物特に替刃式手術用メスにおい
て、その刃体の着脱構造に関するものである。

（従来の技術） 従来の替刃式手術用メスとしては特公昭62−
7857号公報に示すものがある。同公報の第１図又
は第２図に示す手術用メスにおいては、いずれ
も、刃体取付部の嵌着突部に刃体の嵌着孔が嵌め
込まれて嵌着突部の係止溝に嵌着孔の係止孔の両
縁部が係入されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、刃体取付部から刃体を取外すとき、
刃体の基端部を手で直接掴んで嵌着突部の高さだ
け持ち上げて湾曲させなければならず、その操作
が面倒であつた。又、通常は片手で刃体の基端部
を持ち上げた状態のまま、もう一方の手で刃体の
先端部を掴んで引き抜くため、刃体の基端部によ
り手が擦れて怪我をするおそれがあつた。

本考案の目的は刃体を直接手で触れることなく
持ち上げることができるように改良することによ
り、刃体を取外すときの容易性及び安全性を確保
するとともに、刃体取外しの容易性を確保しつつ
不用意に刃体が抜け落ちるという危険をなくし、
さらには、この種の刃物を安価に提供することに
ある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） すなわち、本考案はこの目的を達成するために
なされ、後記する実施例の図面に示すように、刃
体１には幅広の挿入孔３とこれに連続する幅狭の
係止孔４とからなる嵌着孔２を形成し、この刃体
１が重合される刃体取付部６には刃体１の嵌着孔
２が嵌め込まれる嵌着突部７を設けてこの嵌着突
部７には刃体１の係止孔４の縁部４ａが係入され
る係止溝８を形成した刃物において、前記刃体取
付部６には、該刃体取付部６に重合装着された刃
体１の反引き抜き方向端部裏側に対応する位置に
弾性を有する片持ち梁状の押え部９を打ち抜き形
成したものである。

（作用） このように構成された本考案においては、押え
部９をその弾性に抗して押圧すると、押え部９に
より刃体１が押上げられて刃体取付部６から浮き
上がり、挿入孔３の一端側が嵌着突部７の一端側
から外される。この状態を保持しながら刃体１を
引き抜くと、刃体１が刃体取付部６から取外され
る。そして、押え部９の押圧を解くと押え部９は
自身の弾性により元の位置に復帰される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第２図に示すように刃体１にはその基端部１ａ
寄りで細長い嵌着孔２が形成されている。この嵌
着孔２は幅広の挿入孔３とその先端側と連続する
幅狭の係止孔４とからなる。柄５の先端部にはこ
の刃体１が重合される刃体取付部６が形成され、
この刃体取付部６の片面には刃体１の嵌着孔２が
嵌め込まれる嵌着突部７が形成されている。この
嵌着突部７の外周のうち先端側寄りにはＵ形状を
なす係止溝８が形成されている。そして、刃体１
を取付ける際には、第３図に示すように刃体１を
刃体取付部６に重合して刃体１の嵌着孔２を刃体
取付部６の嵌着突部７に当てがい、この状態から
刃体１を矢印方向へ滑らせる。これにより、第
１，４，５図に示すように嵌着孔２の係止孔４の
両縁部４ａが嵌着突部７の係止溝８に係入されて
嵌着孔２が嵌着突部７に嵌め込まれる。

特に本実施例においては、刃体取付部６に弾性
を有する片持ち梁状の押え部９が形成され、その
先端部が刃体１の基端部１ａに対応している。そ
して、この押え部９を指で押すと、第６図に示す
ように押え部９はその弾性に抗して撓んで刃体１
の基端部１ａを押さえ、刃体１が湾曲して挿入孔
３の基端側が嵌着突部７の基端側から外れる。こ
の押え部９を押したままで刃体１を矢印方向へ引
き抜くと、刃体１は第３図に示す状態を経て刃体
取付部６から取外される。押え部９を離すと、押
え部９はその弾性により元の状態に戻る。

このようにして刃体１を取外すとき、刃体１の
基端部１ａを手で掴むことなく刃体１を湾曲させ
ることができので、操作が大変容易であるばかり
ではなく、手が擦れて怪我をするおそれもなくな
り大変安全である。

なお、本実施例では押え部９が片持ち梁状の板
ばねになつているが、スプリングによる弾性を持
たせた押しボタン式の押え部としたり、刃体押え
用のカム面を有する回動レバー式の押え部にする
ことも可能である。

考案の効果 要するに本考案によれば、押え部９を単に押上
げるという簡単な操作により、刃体１を直接手で
触れることなく嵌着突部７の高さまで押上げるこ
とができるので、刃体１を取外すときの容易性及
び安全性を確保することができ、また、刃体取外
しの容易性を確保しつつ刃物の使用中に不用意に
刃体１が抜け落ちるという危険をなくすことがで
き、さらには、押え部９を刃体取付部６に対し一
体形成したことにより、刃体取付部６に対する押
え部９の組立作業を不要にでき、製作コストを安
価にできるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例に係る替刃式手術用メスを示
す組立斜視図、第２図は同メスの部分分解斜視
図、第３図は刃体を刃体取付部に嵌め込む過程を
示す部分断面図、第４図は刃体の嵌着孔と刃体取
付部の嵌着突部との係合状態を示す部分平面図、
第５図は刃体を刃体取付部に取付けた状態を示す
部分断面図、第６図は刃体を刃体取付部から取外
す過程を示す部分断面図である。 １……刃体、２……嵌着孔、３……挿入孔、４
……係止孔、４ａ……縁部、６……刃体取付部、
７……嵌着突部、８……係止溝、９……押え部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刃体１には幅広の挿入孔３とこれに連続する幅
   狭の係止孔４とからなる嵌着孔２を形成し、この
   刃体１が重合される刃体取付部６には刃体１の嵌
   着孔２が嵌め込まれる嵌着突部７を設けてこの嵌
   着突部７には刃体１の係止孔４の縁部４ａが係入
   される係止溝８を形成した刃物において、 前記刃体取付部６には、該刃体取付部６に重合
   装着された刃体１の反引き抜き方向端部裏側に対
   応する位置に弾性を有する片持ち梁状の押え部９
   を打ち抜き形成したことを特徴とする刃物。