JPH0428570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、使い捨て替刃とハンドルとから構成
されている医療用メスにおいて、替刃をハンドル
に容易に装着しうるための装着具付きメス用替刃
に関するものであり、より詳しくは、替刃の鋭利
な刃から指先等を保護し、使い捨て用のものに関
する。

〈従来の技術〉 第６図に使い捨ての替刃５０とハンドル５１と
から成る医療用メスの分解斜視図を図示している
が、５２が刃の部分であり、５３がハンドル５１
の替刃係合部５４と係合する細長条孔であり、替
刃係合部５４の両側に設けられている長条溝５５
と該細長条孔５３の両内側縁５６とが係合しう
る。５７が細長条孔５３に連続して設けられてい
る長条孔であつて、替刃係合部５４の幅と同一の
幅を有している。

該替刃５０は、通常アルミ箔又は合成樹脂フイ
ルム等によつて滅菌包装されており、手術又は解
剖前に該包装を開封して、替刃５０を手又は鉗子
によつて、ハンドル５１の替刃係合部５４に装着
していた。即ち、替刃５０の適宜位置を鉗子によ
つて挟みかつ保持し、替刃を湾曲させるようにし
て替刃の長条孔５７に替刃係合部５４を第６図紙
面裏側方向から挿入させ、替刃係合部５４の両側
に設けられている長条溝５５，５５を替刃５０の
細長条孔５３の両内側縁５６，５６に適合させ、
更に替刃係合部５４の先端が細長条孔５３の先端
に当接するまで挿入することによつて替刃が装着
される。

第７図が替刃５０がハンドル５１に装着された
状態を図示する平面図である。

替刃を取り外す場合は、やはり鉗子によつて替
刃５０の根元部を湾曲させるようにして抜き取る
ことができる。

更に、他の従来例としては、実開昭53−79500
号公報に記載されているような替刃用着脱具が存
在している。

〈考案が解決しようとする課題〉 従来の装着具においては、装着に際して替刃の
刃の部分が露出された状態で装着を行うため、指
先等を傷つける恐れがある。替刃はステンレス製
でかなり強い弾性を有しているため、該替刃を湾
曲させて装着を行うのに相当の力を要し、その危
険性はかなり高いと言える。

また、替刃は、通常１枚毎に滅菌包装されてい
るが、装着具を共に滅菌包装することが出来るも
のであれば包装を開封するのみで替刃の装着が可
能となり、装着具の消毒も不要となる。

このように本考案は、替刃の装着に際し指先等
の怪我を防止し、替刃と共に滅菌包装することに
よつて使い捨て可能な装着具付き替刃を提供する
ことをその課題としている。

〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決するために、本考案は、上面３
に段部４を設け、該段部４の略鉛直面７にメス用
替刃５の刃先部分を挿入しうる孔部８を設け、該
孔部８にメス用替刃５の刃先部分を挿入させ且つ
上面３にメス用替刃５を載置しうる装着具本体１
と、前記段部４の適宜位置に押圧によつて切断さ
れうるように連接した切断プレート２から成り、
これら装着具本体１と切断プレート２によつてメ
ス用替刃５を挟持し、メス用替刃５に設けられて
いる長条孔１０に対応する装着具本体１の上面３
及び切断プレート２の下面１６には、メスハンド
ルの棒状の替刃係合部を挿入しうる長条溝１１，
１７をそれぞれ形成し、切断プレート２を切断、
押圧することによつてメス用替刃５が湾曲しうる
程度の空間１３をメス用替刃５の下面と装着具本
体１の上面３との間に形成した。

〈作用〉 本考案に係る装着具付きメス用替刃において
は、それを片方の手で保持し、切断プレートを指
で押圧することによつて、装着具本体から切断プ
レートをその連接部で切断し、替刃が切断プレー
トによつて湾曲に押し曲げられ、その状態で替刃
メス用ハンドルの棒状の替刃係合部が替刃の長条
孔に係合され、替刃がハンドルに装着される。そ
の後に切断プレートを取り除き、装着具本体から
メスを取り出すことが出来る。

〈実施例〉 以下添付の図面に基づき実施例について説明す
る。

第１図乃至第４図が本考案の一実施例を図示し
ている。第１図イがその全体斜視図、第１図ロが
その正面図である。１が装着具本体であり、２が
切断プレートであつて、両者は、装着具本体１の
上面３に設けられている段部４の鉛直面で連接さ
れている。該連接は指先等の押圧によつて容易に
切断されうるように接着されている。また、両者
の素材は、硬質の合成樹脂を使用している。これ
ら装着具本体１と切断プレート２によつて替刃５
がその根元部が高位置となるように斜めに挟持さ
れうる。

第２図は、装着具本体１のみの斜視図であり、
段部４の鉛直面７に替刃５の刃先部分が挿入しう
る孔部８を設け、装着具本体１の上面３を凹湾曲
面にて形成する。９は、替刃５の根元部側を支持
する支持面であり、該支持面９が装着具本体１の
上面３において高位置に形成されているため、替
刃５は第１図ロに図示されているように斜めに保
持される。また、装着具本体１の上面３には、替
刃５の長条孔１０と対応する位置に長条溝１１を
形成する。該長条溝は、ハンドルの棒状の替刃係
合部を挿入させうるためのものである。支持面９
の部分には、必要に応じて、替刃５の根元部の位
置を決定するための凹所１２を設ける。

第３図イは、本実施例の中央縦断面図を図示し
ており、第３図ロは、切断プレート２が押圧によ
り切断され、替刃５を湾曲にした状態を示す中央
縦断面図である。

第３図イに図示したように、替刃５の刃先部が
孔部８に挿入され、根元部が支持面９ににて支持
され、切断プレート２と装着具本体１によつて替
刃が斜めに挟持される。この際、替刃５の下面と
装着具本体１の上面３との間に空間１３を必ず設
けなければならない。本実施例においては該空間
１３を設けるために装着具本体１の上面３を凹湾
曲面にて形成している。該空間１３を設けるため
には、上面３を必ずしも凹湾曲面に形成しなくと
もよく、支持面９によつて替刃５の根元部を高位
置に支持し、替刃５の下面に替刃５が湾曲しうる
程度の空間があればよい。

第３図ロは、替刃を湾曲させた状態を図示して
いるが、指先等の押圧ｐによつて切断プレート２
の連接部１５を切断し、切断プレート２の下面１
６の押え部が替刃５を湾曲させる。押え部は特別
に形成しなくともよく、該下面１６を凸湾曲面等
に形成しておけばよい。また、切断プレート２の
下面１６の替刃の長条孔に対応する位置にも長条
溝１７を設けておく。該長条溝１７によつてメス
ハンドルの棒状の替刃係合部を挿入させ、替刃５
の長条孔と容易に係合させうる。

第４図イは、第３図イの−線断面説明図、
第４図ロは、第３図イの′−′線断面説明図で
ある。

第４図イにおいて、装着具本体１の段部の鉛直
面７に孔部８が設けられ、該孔部８に替刃５の刃
先部が挿入している。

第４図ロにおいては、装着具本体１の上面３及
び切断プレート２の下面１６の替刃５の長条孔に
対応する部分に長条溝１１，１７がそれぞれ形成
されていることが示されている。これら両長条溝
１１，１７によつて、メスハンドルの棒状の替刃
係合部が容易に挿入され、替刃５の長条孔と係合
しうるのである。

第５図は、他の実施例の全体斜視図を図示して
おり、該実施例においては、切断プレート２の平
面寸法を対応する装着具本体１よりも多少大きめ
に形成して、装着具本体１と連接する辺以外の３
辺の周縁を下方に延設することによつて装着具本
体１の対応する周縁を被覆しうるようにしたもの
である。

以上、実施例について説明したが、その材質及
び寸法等は任意に設計変更しうるものであり、装
着具本体と切断プレートの連接は、接着剤又は溶
接着等、押圧によつて容易に切断されうるもので
あればよい。装着具本体と切断プレートによる替
刃の挟持も必ずしも替刃の根元部側を高位置にし
なくともよく、水平であつてもよい。また、本考
案は、使い捨て用のものとすることができ、更
に、その全体を滅菌包装することも容易にできる
ものである。

〈考案の効果〉 以上の構成から成る本考案は、替刃と装着具が
一組にセツトされており、少なくとも替刃の刃の
部分が完全に装着具によつて被覆されているため
に、替刃の装着時に指先等に傷を負うことが全く
あり得ず、安全性の面で極めてすぐれている。

また、使い捨ての替刃と共に装着具をも使い捨
てのものとして使用することが可能となる。

装着具付き替刃を共に容易に滅菌包装すること
も可能となり、その場合には、装着具自体の消毒
が不要となり、ハンドルに替刃を装着した後すぐ
に手術等に使用することも可能となる。

以上の通り、本考案は、顕著な効果を有する極
めて実用性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図が本考案の第１の実施例を図
示しており、第１図イがその全体斜視図、第１図
ロが正面図、第２図が装着具本体の斜視図、第３
図イが中央縦断面図、第３図ロが替刃を湾曲させ
た状態を図示する中央縦断面図、第４図イが第３
図イの−線断面説明図、第４図ロが第３図イ
の′−′線断面説明図、第５図が他の実施例を
示す全体斜視図、第６図がメス用替刃とハンドル
の分解斜視図、第７図がメス用替刃をハンドルに
装着させた状態を図示する平面図である。 図中符号、１……装着具本体、２……切断プレ
ート、３……上面、４……段部、５……メス用替
刃、７……鉛直面、８……孔部、１０……長条
孔、１１，１７……長条溝、１３……空間、１６
……下面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面３に段部４を設け、該段部４の略鉛直面７
   にメス用替刃５の刃先部分を挿入しうる孔部８を
   設け、該孔部８にメス用替刃５の刃先部分を挿入
   させ且つ上面３にメス用替刃５を載置しうる装着
   具本体１と、前記段部４の適宜位置に押圧によつ
   て切断されうるように連接した切断プレート２か
   ら成り、これら装着具本体１と切断プレート２に
   よつてメス用替刃５を挟持し、メス用替刃５に設
   けられている長条孔１０に対応する装着具本体１
   の上面３及び切断プレート２の下面１６には、メ
   スハンドルの棒状の替刃係合部を挿入しうる長条
   溝１１，１７をそれぞれ形成し、切断プレート２
   を切断、押圧することによつてメス用替刃５が湾
   曲しうる程度の空間１３をメス用替刃５の下面と
   装着具本体１の上面３との間に形成した装着具付
   きメス用替刃。