JPH0372263B2 - - Google Patents

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JPH0372263B2
JPH0372263B2 JP63302158A JP30215888A JPH0372263B2 JP H0372263 B2 JPH0372263 B2 JP H0372263B2 JP 63302158 A JP63302158 A JP 63302158A JP 30215888 A JP30215888 A JP 30215888A JP H0372263 B2 JPH0372263 B2 JP H0372263B2
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JP
Japan
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koji
soy sauce
irradiated
microorganisms
salt
Prior art date
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JP63302158A
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English (en)
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JPH0279953A (ja
Inventor
Kyoshi Kadowaki
Tsutomu Yokoyama
Manabu Terasawa
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Higeta Shoyu Co Ltd
Original Assignee
Higeta Shoyu Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は醤油の醸造方法に関するものである。 醤油の製造に供する麹は、蒸煮大豆と炒熱割砕
小麦を混合し麹料となし、該麹料に麹菌を接種培
養して製造する。麹菌を培養は好気下で行われる
から常に新鮮な空気が必要となるが、空気中には
種々の微生物が含まれているため、製麹室を充分
清潔に保つても常に雑菌の汚染を受けるもであ
る。このように汚染した醤油麹でも液汁塩分17%
以上の高塩水仕込を行えば、諸味中でも微生物の
急激な増殖を抑えることができるが、それ以下の
低塩分で仕込み窒素の利用率を向上させようとす
ると急激な微生物の増殖が起り思わぬ被害を受け
るものである。例えば、乳酸菌類があまりにも急
激に増殖すると大量の酸を生成し、諸味のPHを低
下させ、酵母類が増殖するとアルコールの蓄積が
起る。このような状態になると、低塩分にもかか
わらず、原料大豆蛋白質が酵素により十分な分解
が行われず窒素利用率が低下してしまつたり、増
加した微生物による悪臭が発生したりして、製品
価値を損ずるものである。 更に醤油麹は通常開放系で製造される結果、バ
ツチ毎にタイプの異る微生物が汚染し、麹の品質
が異るため、諸味及び醤油の品質を一定に安定さ
せることは困難である。このため製麹室で麹菌を
純粋培養すれば良いことが考えられるが、多大の
設備投資と労力を必要とし、醤油麹の様な安価な
麹の製造には採用できない。又出来上つた麹をア
ルコールにより殺菌する方法(特開昭53−75393
号)が知られているが、諸方法は、アルコール添
加仕込(特公昭44−21399号、特開昭51−133492
号等)の前処理としては採用できるが、通常の仕
込ではアルコールを除去しなければならない欠点
がある。 本発明は、上記事情によりなされたもので、安
価な方法で安定した品質の醤油を製造せんと研究
を進めた結果、常法により製造した醤油麹に200
〜2000Kradのガンマー線を照射し、微生物を死
滅又は変性せしめ、殺菌後の麹を仕込んで醤油を
醸造することにより解決したのである。 従来より、ガンマー線は殺菌力を持ちながらビ
タミン類や酵素群をほとんど破壊することがない
ため従来より食品へのガンマー線照射は広く研究
されている。しかし、条件により殺菌効果が低い
ことも知られている。その条件とは水分の低い
場合、嫌気的条件の場合、微生物が胞子の状
態にある場合、微生物のガンマー線耐性が高い
場合とされている。一方、醤油麹は麹の水分が約
30%と低く、嫌気的条件で生育するシユードモナ
ス属細菌などに常に汚染され、胞子の状態の微生
物が多数含まれているほか、汚染菌の中にはガン
マー線耐性の高い菌も当然含まれていることによ
りして、上記の問題点を総て具備し、従来醤油麹
をガンマー線で殺菌し、これから醤油を製造しよ
うというような考えは全く存在しなかつた。 しかるに、本発明者らの行つた研究では少量の
ガンマー線の照射でも充分な殺菌効果を有し、醤
油醸造上問題となる耐塩性微生物に対する殺菌効
果が非耐塩性微生物よりはるかに大きく、各種酵
素に与える影響も少いので醤油麹の殺菌に適した
方法であることを知つた。 以下実験の例により本発明を説明すると、実験
に供した醤油麹は蒸煮大豆12.7tと炒熱割砕小麦
5.4tを混合し、通常の製麹室で通風製麹したもの
で、該醤油麹5Kgを 60Coを線源として各種線量
で照射した。この照射試験を2回行ない各々試験
1、試験2とした。試験における微生物の菌数の
変化及びD10値(菌数を1/10にするに必要なガン
マー線量)を第1表に、又試験2における菌数の
変化を第1図に示す。
【表】
【表】
【表】 以上の他に寒天2%を含む。
第1図及び第1表により判明する如く、線量の
増加に伴いどの微生物も全て減少しているが、醤
油醸造上問題となる耐塩性マイクロコツカス、醤
油乳酸菌、耐塩性酵母の3群は死滅速度が速く、
それぞれ170、170、150KradのD10値を示した。
非塩性細菌中のマイクロコツカスは上記3群同様
速やかに減少したが(D10、100Krad)非耐塩性
細菌の中にはマイクロコツカス以外にガンマー線
耐性が高い菌群も存在した(D10600Krad)。又、
非耐塩性酵母の減少も緩やかであり、400Kradの
D10値を示した。この結果は再現性があり、それ
ぞれの種類の代表的な菌を麹菌と同時に接種して
製麹を行つた麹についても同じことを確かめるこ
とができた。耐塩性酵母のサツカロミセス属とト
ルロプシス属は共に死滅し易く大差はなかつた。 次にガンマー線照射が各種酵母活性及び麹の自
己消化に与える影響を試験した。その結果を、前
記試験1について第3表に、試験2についての酵
素の残存活性比を第2図に示す。
【表】
【表】 第2図、第3表より判明する如く、活性は大差
ない酵素が多く、低下気味のものもその程度は少
い。但し、中性プロテアーゼはガンマー線照射を
行つた方が高目になつた。中性プロテアーゼは窒
素溶解に大きな寄与をしているとされるが、麹の
自己消化率も照射麹がやや高い値を示した。 これらの結果により、第1、3表及び第1,2
図から判断して醤油麹の殺菌に必要なガンマー線
量は200Krad以上ということが考えられるが、
2000Krad以上としても照射による実用上の効果
を認められず、且つ酵素の失活が増大し、醤油麹
に不快臭の発生する場合があるので200Krad〜
2000Kradが実用的である。 従つて、本発明では上記線量の範囲内で実施す
るが、前記したように醤油麹中の微生物数や種類
は麹毎に差があり、醤油醸造上問題となる耐塩性
マイクロコツカス、醤油乳酸菌、耐塩性酵母はガ
ンマー線照射により容易に死滅するので低い照射
線量でも充分効果を上げることができ、醤油諸味
を汚染しないので、非耐塩性微生物が増殖できな
い11%〜16%の低塩仕込にも適したものとなる。
この場合、諸味中の各種酵素は高塩圧迫より解放
され、その活性を維持するので醤油の品質を劣化
さすことなくして、窒素利用率を高めることがで
きる。又、本発明において醤油麹を17%以上の高
塩分で仕込む場合、従来の仕込では、バツチ毎に
様々な影響を諸味に与えた麹由来の汚染微生物の
作用を除くことができるため醤油の品質を向上さ
せたり安定させる効果を奏するものである。 以上の如く本発明は200〜2000Kradの範囲でガ
ンマー線照射を行つた醤油麹を低塩分又は高塩分
で仕込み常法により醤油を醸造することを特徴と
するものであるが、上記方法に付加して種々の応
用が可能であり、例えは醤油麹に水分が37%以上
になるよう水を散布し、混合して57℃を超えない
温度で2時間以上保持し、該保持期間中にガンマ
ー線を照射し、醸造してグルタミン酸を増加させ
たり、醤油麹の無塩消化により蛋白質分解液を得
る際に本発明を前処理として用いれば腐敗の危険
なく分解を行うことができるので醤油醸造の技術
の発展に資する所大なるものがある。 以下実施例により説明するが本発明はこれによ
つて制限されるものではない。 実施例 1 通風製麹により得た醤油麹2.1Kgに800Kradの
ガンマー線照射を行つた。対照及び照射麹の微生
物数は第4表の通りである。
【表】 次いで、照射麹及び対照の非照射麹を3等分
し、狙い塩分をそれぞれ11、14、17%で12水の仕
込を行つた。温度は15℃、23℃にそれぞれ7日間
置いた後、30℃で管理し、4.5ケ月で熟成諸味と
した。照射麹及び同様に仕込だ対照の諸味PHの変
化を第5表に、出諸味分析結果を第6表に示す。
照射麹のPH降下は対照よりおだやかで、窒素利用
率、グルタミン酸率も高い値を示した。〓味的に
も対照に比べ照射麹は優れていた。
【表】
【表】
【表】 実施例 2 通風製麹により得た醤油麹600gに1000Kradの
ガンマー線照射を行つた。対照及び照射麹の微生
物数は第7表の通りである。
【表】 それぞれ麹200gに1.5の水を加え、35、45、
55℃の各温度で時々撹拌しながら加温を行つた。
6時間毎に諸味の香りを調べ18時間加温した後、
窒素利用率、グルタミン酸率を測定した。この結
果を第8表に示す。照射麹は、35℃で12時間目に
腐敗臭を感じたが、対照より約6時間遅れた発生
であつた。45℃では対照が12時間目に腐敗臭を発
生しているが、照射麹では18時間まで腐敗臭を感
じなかつた。55℃ではどちらの麹も腐敗臭を発生
させることはなかつたが、45℃の照射麹と比較し
て、窒素利用率グルタミン酸率共に低い値を示し
た。これは高温で酵素は失活するためと思われ
る。
【表】 腐敗臭 − なし、+ 少し感じる、
強く感じる。
実施例 3 通風製麹により得た醤油麹700gに対して、対
照は麹そのままとし、にはテトラサイクリン
30μg/mlを含む水140ml、、には水のみ140
mlを加えた。には加水を行なわなかつた。、
、、を28℃に9時間放置したが、この間
、には830Kradのガンマー線照射を行つた。
、の微生物数は第9表のとうりである。水分
の高いの死滅率は高目である。
【表】 、、、および上記処理を行なわない
の各麹を狙い塩分17%12水の仕込を行つた。温度
管理は実施例1と同じである。熟成諸味分析結果
を第10表に示すが、窒素利用率、グルタミン酸率
共にが最も優れた結果を示した。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図はガンマー線照射による工場麹の微生物
数の変化を示し、第2図はガンマー線照射による
各種酵素の残存活性を示す。 1……第2表BC培地による一般総細菌、2…
…非耐塩性酵母、3……耐塩性マイクロコツカ
ス、4……醤油乳酸菌、5……耐塩性酵母、NP
……中性プロテアーゼ、AMY……アミラーゼ、
LAP……ロイシンアミノペプチダーゼ、TP……
総プロテアーゼ、CMC……セルラーゼ、PTE…
…ペクチントランスエルミナーゼ、AcP……酸性
プロテアーゼ、AcCP……酸性カルボキシペプチ
ターゼ、GLN……グルタミナーゼ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 醤油麹に200〜2000Kradのガンマー線を照射
    し、殺菌後11%以上の液汁塩分になるように仕込
    み、これに耐塩性微生物を添加し、或は添加せず
    して発酵せしめることを特徴とする醤油の醸造方
    法。 2 醤油麹に200〜2000Kradのガンマー線の照射
    が麹水分37%以上となる如く調製し、これを57℃
    を越えない温度で2時間以上保持する際照射され
    るものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項の醤油の醸造方法。
JP63302158A 1988-12-01 1988-12-01 殺菌した麹を使用した醤油の醸造方法 Granted JPH0279953A (ja)

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