JPH0338042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車のステアリングロツク装置に
おいて、イグニツシヨンスイツチ部への水滴の侵
入を防止する防水構造に関するものである。

〈従来の技術〉 ステアリングロツク装置は、シリンダ錠に連結
されて一体に回動するカム部材によつてステアリ
ングシヤフトをロツクする係合部材及びイグニツ
シヨンスイツチを操作するようになつており、第
４図に示すように、ステアリングロツク装置のハ
ウジング３１に設けた穴３１ａにカム部材３２の
先端３２ａを貫通させ、イグニツシヨンスイツチ
部３３のスイツチケース３４に収容されたロータ
３５の連結用凹部３５ａに先端３２ａを連結する
構造が一般的である。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上述の従来例では、穴３１ａとスイツチケース
３４の穴３４ａからスイツチ内に水滴や異物が入
ることがあり、特にオープンカーの場合には水滴
が侵入する可能性が高く、これらがスイツチ故障
の原因となつていた。

本考案はこのような問題点を解決し、簡単な構
造によりスイツチ内への水滴の侵入を防止し、接
触不良その他の故障をなくすことを目的としてな
されたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 上記の目的を達するために、本考案は、イグニ
ツシヨンスイツチ部のスイツチケースにカム部材
が挿通される筒状突出部を形成し、この筒状突出
部をステアリングロツク装置のハウジングに形成
された貫通穴に嵌合してその端面をハウジング内
に突出させ、筒状突出部の端面を覆うカバー部を
カム部材の先端付近に形成して筒状突出部をカバ
ー部で覆うようにしたことを特徴としている。

〈作用〉 上記のように構成されているため、本考案にお
いては、ステアリングロツク装置のハウジング内
に水滴が侵入することがあつても、スイツチケー
ス内への直接の滴下やカム部材を伝つての侵入は
カバー部で阻止され、更にスイツチケースの筒状
突出部がハウジング内に突出しているためハウジ
ングの内壁を伝つての侵入も阻止されるのであ
り、同時にごみ等の異物の侵入も阻止される。

〈実施例〉 次に第１図乃至第３図に示した一実施例につい
て具体的に説明する。

図において、１は錠穴を有するシリンダイン
ナ、２はシリンダインナ１を回動可能に保持する
シリンダアウタであり、シリンダインナ１とシリ
ンダアウタ２とで周知のシリンダ錠３が構成され
ている。シリンダインナ１の錠穴にはその長手方
向に沿つて横断方向に複数個の摺動部材、すなわ
ちロツクプレート４が設けてあり、キーの挿入ま
たは引抜き時にロツクプレート４がシリンダイン
ナ１の外周に突出するように構成されている。５
はシリンダインナ１に連結されたカム部材であ
り、このカム部材５はキーをシリンダインナ１に
挿入して回動させることにより共に回動し、同軸
上に設けられたイグニツシヨンスイツチ部６内の
ロータを回転させ、所定のスイツチ操作が行なわ
れる。７は上記の各部材を収容するステアリング
ロツク装置のハウジングである。

８はステアリングコラムにハウジング７を取付
けるための取付枠部、９はこれに、対応して設け
られているカバー体、１０は固定用のボルト、１
１はばね１２の付勢力によつて取付枠部８内に突
出するようにハウジング７に支持された係合部材
であり、係合部材１１は、キー挿脱可能位置で操
作片１１ａがカム部材５に当接する位置までばね
１２で押され、取付枠部８内に突出してステアリ
ングシヤフトがロツクされるように構成されてい
る。

一方、シリンダアウタ２の一側部にはシリンダ
錠３の軸方向に沿つて保持溝部１３を設けてロツ
クリンク１４を収納し、軸溝１５内を移動可能な
支軸１６によつて揺動可能に支持してある。ロツ
クリンク１４は一端のキー感知端１４ａがシリン
ダインナ１のキー感知部材（図示せず）と当接
し、他端の係止端１４ｂが係合部材１１に当接可
能となつており、シリンダインナ１にキーが挿入
されるとばね１７に抗してキー感知端１４ａが押
上げられ、キーの回動に伴つてカム部材５で操作
片１１ａが押され、係合部材１１がハウジング７
内に引込まれて係止端１４ｂが係合部材１１の係
止溝１１ｂに係合し、ステアリングシヤフトのロ
ツクが解除されるとともにアンロツク状態に保持
される。

２１はイグニツシヨンスイツチ部６のスイツチ
ケース、２２はスイツチケース２１のハウジング
側端面の中央に突設された筒状突出部、２３は筒
状突出部２２に対応してハウジング７の端面に設
けられた貫通穴であり、スイツチケース２１をハ
ウジング７に嵌め込み筒状突出部２２を貫通穴２
３に嵌合させることにより、スイツチケース２１
とハウジング７とは一体化されている。またカム
部材５の先端に形成された軸部５ａは筒状突出部
２２に挿通して回転可能に支持され、更に端面の
係合凸部５ｂをイグニツシヨンスイツチ部６のロ
ータ２４の係合溝２４ａに係合させて、カム部材
５とロータ２４とを連結してある。

またハウジング７に嵌合させた筒状突出部２２
の端面はハウジング７内に若干突出させてあり、
これに対応してカム部材５には外周部に短い筒状
部２５ａを有するカバー部２５が軸部５ａの基端
部分に形成され、このカバー部２５で筒状突出部
２２の端面が覆われている。

すなわち、ハウジング７内に水滴が侵入して
も、カバー部２５があるため筒状突出部２２の部
分に直接水滴がかかつたり、カム部材５を伝つた
りしてスイツチケース２１内に水が入るようなこ
とはなく、また筒状突出部２２の端面が突出して
いるためハウジング７の壁面を伝つて入ろうとす
る水もそこで阻止され、スイツチケース２１内へ
の水滴の侵入はほぼ完全に阻止されるのであり、
同時にごみの侵入も防止されてスイツチの性能が
向上する。

なおこの実施例では、筒状突出部２２が軸受と
なつてカム部材５の軸部５ａを支持しているの
で、ハウジング７の内部とスイツチケース２１の
内部とを連通する間隙がなくなつて防水と防じん
はより確実となる。更に、回転操作に伴つてカム
部材５を偏心させるような力が加わつた場合でも
カム部材５は偏心せず正確な位置に保たれ、ステ
アリングロツク装置とイグニツシヨンスイツチの
軸心が容易に一致する。従つて、回転力以外の荷
重によりロータ２４が偏心して回転が重くなつた
り不円滑になつたりすることがなく、また接点の
接触不良等が生ずることもなくなり、この点から
もスイツチの動作が安定して性能がより向上され
る。

〈考案の効果〉 上述の実施例の説明からも明らかなように、本
考案は、イグニツシヨンスイツチ部のスイツチケ
ースの筒状突出部をステアリングロツク装置のハ
ウジング内に突出させ、その端面をカム部材に設
けたカバー部で覆つたものであり、簡単な構造に
よりスイツチ部の防水と防じんを行い、特にオー
プンカー用等に適してステアリングロツク装置を
安価に得ることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるカム部材と
スイツチケースの関係を示す分解斜視図、第２図
は同実施例の一部破断側面図、第３図は第２図の
Ａ−Ａ線に沿う一部破断正面図、第４図は従来例
の要部の断面図である。 ３……シリンダ錠、５……カム部材、５ａ……
軸部、６……イグニツシヨンスイツチ部、７……
ハウジング、１１係合部材、２１……スイツチケ
ース、２２……筒状突出部、２３……貫通穴、２
５……カバー部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダ錠に連結されて一体に回動するカム部
   材により、ステアリングシヤフトをロツクする係
   合部材及びイグニツシヨンスイツチを操作するよ
   うに構成されたステアリングロツク装置におい
   て、 イグニツシヨンスイツチ部のスイツチケースに
   カム部材が挿通される筒状突出部を形成し、この
   筒状突出部をステアリングロツク装置のハウジン
   グに形成された貫通穴に嵌合してその端面をハウ
   ジング内に突出させ、筒状突出部の端面を覆うカ
   バー部をカム部材の先端付近に形成してなるステ
   アリングロツク装置の防水構造。