JPH03281611A - 含フッ素共重合体およびその用途 - Google Patents

含フッ素共重合体およびその用途

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JPH03281611A
JPH03281611A JP8521490A JP8521490A JPH03281611A JP H03281611 A JPH03281611 A JP H03281611A JP 8521490 A JP8521490 A JP 8521490A JP 8521490 A JP8521490 A JP 8521490A JP H03281611 A JPH03281611 A JP H03281611A
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JP
Japan
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fluorine
mol
containing copolymer
amount
vinyl ether
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Application number
JP8521490A
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English (en)
Inventor
Takashi Izumi
和泉 隆
Sakae Murakami
栄 村上
Hajime Inagaki
稲垣 始
Yoichi Hirakuri
平栗 洋一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、有機溶剤に溶解して常温で速やかに硬化させ
ることができ、しかも基材との密着性に優れた含フッ素
共重合体およびその用途に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 建築物、車輌、船舶、航空機等の外装分野には耐候性、
耐久性の優れた塗料が要求され、ポリエステル系または
アクリル系の高級外装塗料が利用されている。しかし、
既存塗料の屋外耐用年数は短く、上述の高級塗料でさえ
数年で美観と基材保護作用を失ってしまう。
一方、フッ素系重合体は熱的にも化学的にも極めて安定
であり、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性あるいは
離型性、低摩擦性、撥水性に優れているので、各種基材
の表面処理剤として好適である。しかし、従来知られて
いるフッ素系重合体は、前述のような性質が災いして、
有機溶媒に溶けに<<、塗膜の形成が困難であって、塗
料として非常に使用しにくかった。たとえば、現在知ら
れているフッ素系重合体からなる塗料は、粉体塗料が多
く、僅かにPVdF (ポリビニリデンフルオライド)
が高温下に特定の溶媒に溶解する性質を利用して有機溶
媒分散型塗料として用いられているに過ぎない。しかも
これらのフッ素系重合体の塗料は、皮膜形成の際に高温
での焼付が必要であるため、その利用分野が加熱設備の
ある場所に制限されていた。また加熱設備を必要とする
ことおよび焼付工程を行なわなければならないことは、
作業に従事する人の安全面や作業場の環境面からも好ま
しいものではない。そこで、近年になり溶剤可溶性ある
いは高温での焼付工程の必要のないフッ素系重合体の開
発が試みられている。
たとえば特開昭57−34107号公報には、フルオロ
オレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル、アルキル
ビニルエーテルおよびヒドロキシアルキルビニルエーテ
ルからなる4元共重合体が開示されており、この共重合
体は有機溶剤に可溶であって、常温で硬化させることが
可能であることも記載されている。しかし、この共重合
体を常温で硬化させるには、メラミン系硬化剤や尿素樹
脂系硬化剤が必要であって、当然ながらその使用形態は
2液型であり作業性に劣る。また、この共重合体のガラ
ス転移温度は、常温以上すなわち25℃以上と比較的高
い。また特公昭46−39472号公報には、実際の例
は記載されていないが、PTFE (ポリテトラフルオ
ロエチレン)にオレフィン性不飽和結合および加水分解
可能な基をもつ有機珪素化合物を、有機ヒドロペルオキ
シド等のラジカル開始剤の存在下で機械的に処理したも
のは、常温で水によって架橋し硬化することが示唆され
ている。しかし、この方法で製造されるフッ素系重合体
は、有機珪素化合物がPTFHにグラフトした重合体で
あり、有機溶剤には実質的に不溶である。
特開昭6]−57609号公報には、クロロトリフルオ
ロエチレン、脂肪酸ビニルエステルまたは脂肪酸イソプ
ロペニルエステルおよびヒドロキシ基含有アリルエーテ
ルを必須成分として含有する硬化可能な含フッ素共重合
体が開示されている。
また、特開昭62−66207号公報には、トリクロロ
フルオロエチレンと脂肪酸ビニルエステルまたは脂肪酸
イソペンタニルエステル、およびヒドロキシ基含有アリ
ルエーテルを必須成分とする、硬化可能な含フッ素共重
合体をさや材成分とする光伝送繊維が開示されている。
本発明者らは、このような現状に鑑みて、■ 有機溶剤
に低温で溶解し、 ■ 硬化に際して特殊な硬化剤を必要とせず、■ 常温
で硬化し、 ■ 1液型の塗料として使用でき、 ■ 硬化後は耐候性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性、低
摩擦性に優れ、 ■ モノマー成分から直接重合できるような含フッ素共
重合体として、 [^1(1)フルオロオレフィン、 (b)  ビニルエーテル、 (C)オレフィン性不飽和結合および加水分解可能な基
をもつ有機珪素化合物、 とから実質的に構成される共重合体であって、fBl共
重合体中の(a)〜(c)の合計モル数に対して、(a
):30〜70モル%、(b):20〜60モル%、(
c)  + 1〜25モル%であって、 [C1ケル・パーミェーションクロマトグラフ法によっ
て測定した数平均分子量(Mn)が3000〜20(I
HL で定義づけられる珪素を含有する溶剤可溶性含フッ素共
重合体およびこの含フッ素系重合体を有機溶剤に溶解し
てなる塗料を、特願昭59−2fi3N7号に提案した
この含フッ素共重合体は極めて優れた特性を有している
が、この含フッ素共重合体を有機溶剤に溶解させてなる
塗料組成物を基材上に塗布した後に得られる塗膜は、や
や基材との密着性に劣るという問題点があった。
このような点に鑑みて本発明者らは鋭意検討したところ
、上記のような珪素を含有する溶剤可溶性含フッ素共重
合体と、新規な溶剤可溶性含フッ素共重合体とを併用す
ることによって上記のような問題点が解決されることを
見出して、本発明を完成するに至った。また上記のよう
な新規な溶剤可溶性含フッ素共重合体は、それ自体でも
有機溶剤に溶解させて塗料組成物として用いられうろこ
とを見出して、本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような問題点を解決しようとするもの
であって、有機溶剤に溶解して塗料として用いた場合に
、基材との密着性に優れた塗膜を与えうるような、有機
溶剤に可溶性の新規な含フッ素共重合体およびこの含フ
ッ素共重合体を有機溶剤に溶解してなる塗料組成物を提
供することを目的としている。
また本発明は、上記したような珪素を含有する溶剤可溶
性含フッ素共重合体と、上記したような新規な含フッ素
共重合体とからなる含フッ素共重合体組成物およびこの
含フッ素共重合体組成物を有機溶剤に溶解してなる塗料
組成物を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る含フッ素共重合体[I]は、[A](i)
フルオロオレフィンから誘導される単位、 (i)ビニルエーテルから誘導される単位および (i)次式で表わされる単位 (CH2)。ox (式中、Xは水素原子または−COR基(ただしRはア
ルキル基である)であり、nは1〜20の数である) から実質的になり、 [81該共重合体を形成する(i)、(i)および(i
)の合計モル数に対して、(i)は30〜70モル%の
量で、(i)は20〜60モル%の量で、(i)は1〜
25モル%の量であり、かつ [Cl ゲル・パーミェーションクロマトグラフ法によ
って測定した数平均分子量(Mn )が3000〜20
OO(10の範囲内にあることを特徴としている。
また本発明に係る第1の塗料組成物は、上記のような含
フッ素共重合体[I]を有機溶剤に溶解してなることを
特徴としている。
また本発明に係る含フッ素共重合体組成物は、[I]上
記のような含フッ素共重合体[I] と、[Ir] (^)(a)フルオロオレフィン (b)  ビニルエーテル (c)オレフィン性不飽和結合および加水分解可能な基
を有する有機珪素化合物の共重合体であって、 [B]該共重合体を形成する(a)   (h)および
(C)の合計モル数に対して、(a)は30〜70モル
%の量で、(b)は20〜60モル%の量で、(C)は
1〜25モル%の量であり、かつ、 [Clゲル・パーミェーションクロマトグラフ法によっ
て測定した数平均分子量(!Wn )が3000〜20
G[lOOの範囲内にあることを特徴とする溶剤可溶性
含フッ素共重合体[II]とからなることを特徴として
いる。
また本発明に係る第2の塗料組成物は、上記のような含
フッ素共重合体を有機溶剤に溶解してなることを特徴と
している。
発明の詳細な説明 以下本発明に係る含フッ素共重合体[1]およびこれを
含む塗料組成物について、具体的に説明する。
まず本発明に係る含フッ素共重合体[I]について説明
すると、この含フッ素共重合体は、(i)フルオロオレ
フィンから誘導される単位と、(i)ビニルエーテルか
ら誘導される単位と、(i)次式で表わされる単位 (CH2)、OX (式中、Xは水素原子または−COR基(ただしRはア
ルキル基である)であり、nは1〜20の数である)で
表わされる単位とから実質的になり、上記の構成単位は
ランダムに配置されている。しかしながら本発明の目的
を損わない範囲で、少量の他の共重合可能なモノマー成
分、たとえばα−オレフィン類、シクロオレフィン類、
不飽和カルボン酸類などを共重合させていてもかまわな
い。
本発明で用いられるフルオロオレフィン(i)は、分子
中に少なくとも1個以上のフッ素原子をもっており、好
ましくはオレフィンの水素原子が全てフッ素原子および
他のハロゲン原子で置換されているペルハロオレフィン
がよく、とくにペルフルオロオレフィンが好適である。
さらに重合性および得られる重合体の性質の観点からは
、炭素原子数2または3のフルオロオレフィンとくにペ
ルフルオロオレフィンが好ましい。
このようなフルオロオレフィンとしては、具体的には以
下のような化合物が用いられる。
CF  =CF  、CF3C1、CH2=2   2
       2 CF  、CH2=CHFXC’CIF=CF2、CH
Cl  =CF   、  CCI   =CF   
、CCI  F2       2     2 =OCA’ FSCHF=CCI  5CH2=CHF
CCI 2 =CCl F等のフルオロエチレン系。
CF  CF=CF  5CF3CF=CHF。
2 CF  CH=CF  、CF3CClCH2、2 CF3CF=CHFSCHF2CF=CHF。
CF  CH=CH5CH3CF=CF2、2 CHCH=CF  、CH3CF=CH2、2 CF2CICF=CF2、CF30C1−CF2、CF
3CF=CFCA’。
CF2ClCC1=CF2、CF2clCF=CFC1
1CFC12CF=CF2、 CF3CCl =CCl F、CF3CCl =CC1
、CCIF2CF=CC12、 CCJ  CF=CF  、CF2Cl CCJ =2 CCI  、CFCI 2CCI =CCl 2、CF
3CF=CHC/、CCI F2CF=CHCI 5C
F3CCA’ =CHCf 。
CHF  CCf =CC1、CF2CIICI(=2 CCI  5CF2CI CCI =CHC1,2 CCI   CH=CHCA’、CF、、l’cF=c
F2、CF  B fCH;CF  1CF 3CB 
t  =2 CHBr 、CF  CICB+ =CH2、CHB 
t CF = CCl  、 CF 3CB r=2 CH1CF  CH= CHB t 、 CF 2  
B r CH2 = CHF SCF  B + CF = CF 2等
のフルオロプロペン系。
CF  CF  CH=CH2、 2 CF  CF=CFCF  S CF3CH=3 CFCF  5CF2=CFCF2 CHF2、CF 
 CF  CF=CH、CF3 CH=3 2    
2 CHCF  、CF  =CFCF  CH5CF3 
  2     23   2 =CFCHCH、CF3CH2CH=CH2、3 CF  CH=CH2H、CF2= 3 CHCHCH、CHCF2CH=CH2,233 CFHCH=CHCFHSCH3CF、、CH2 =CH、CH=CFCH2CH3、 2 CF  (CF2)20F=CF2、 CF (CF2)3CF=CF2等の炭素原子数4以上
のフルオロオレフィン系。
これらの中では、上記のようにフルオロエチレンおよび
フルオロプロペン系が好ましく、とくにテトラフルオロ
エチレン(CF2=CF2)およびクロロトリフルオロ
エチレン(CF2=CF2I)が好適であり、さらには
安全性、取扱い性の面からクロロトリフルオロエチレン
が好適である。
また本発明において、フルオロオレフィンは、単独で用
いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いられるビニルエーテル(i)は、ビニル基
と、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などとがエーテル結合した化合物である。
このようなビニルエーテルとしては、具体的には、エチ
ルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ier+
−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘ
キシルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、4−メチル−1−ペンチルビ
ニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類、シク
ロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テル等のシクロアルキルビニルエーテル類、フェニルビ
ニルエーテル、o−1m−194’リビニルエーテル等
のアリールビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル
、フェネチルビニルエーテル等のアラルキルビニルエー
テル類を用いることができる。
これらの中ではとくに炭素数が8以下好ましくは2〜4
である鎖状アルキルビニルエーテルおよび炭素数が5〜
6であるシクロアルキルビニルエーテルが好ましく、さ
らにはエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル
、ブチルビニルエーテルが好適である。
また本発明においては、上記のようなビニルエーテルは
、単独で用いてもよく、また複数混合して用いてもよい
なお本発明において、ビニルエーテル(i)として、(
a)炭素数が1〜3の直鎖アルキルビニルエーテルと、
(b)シクロアルキルビニルエーテルまたは分枝アルキ
ルビニルエーテルとを組合せて用いることにより、耐汚
れ性に優れた塗膜を与えうる含フッ素共重合体が得られ
る。この際、(a)直鎖アルキルビニルエーテルは、(
り + (b)の合計モル数の99.5〜90モル%の
量であり、(b) シクロアルキルビニルエーテルまた
は分枝アルキルビニルエーテルは0.5〜10モル%の
量であることが好ましい。
このようなビニルエーテルから誘導される単位(式中、
RIは直鎖または分枝鎖アルキル基あるいはシクロアル
キル基である。)で表わされる。
本発明に係る含フッ素共重合体[I]は、上記のような
(i)フルオロオレフィンから誘導される単位と、(i
)ビニルエーテルから誘導される単位と、(i)次式 %式%) (式中、Xは水素原子または−COR基(ただしRはア
ルキル基である)であり、nは1〜20の数である)で
表わされる単位とから実質的に構成されている。
上記式で表わされる単位は、下記のようなモノマーを用
いることによって誘導される。
C1l  =CFI(CH2)OCOCH3C1l  
=CII(CI(2) 、、  OCOCH3CI(=
CH(CH2) 3 0COCH!C1l  =CH(
CH2)OCOCH5CI(=CH(C112) 2 
ococ2H5CH=CH(CH2’) 30COC2
H5CO= CM (CH2) 0COn−C3H7C
B  =CH(CH2)OCOi−C3H7CB  ”
”CB (0M2) 20COn−C3H7CD  =
CH(CH2) 20COi−C3H7CO2”CH(
CH2) 30COn−C3H7CB  =CHCCH
2) 30COi−C3it7CB  =CH(CH2
) 0COn−C4H9CH= CH(CH,、) 0
COi−C4H9=CH(C112) =CH(CH2) 工C1((C112) =CH(CH,、) =CH(CH2) =CII (CH2) =CH(CH,、) =CH(C12) =CH(C12) =CH(C112) = CH(CH,、) = CH(CB2) =CII (C112) =CII (CH2) =CII (CH2) =CH(CH,、) =CH(CH2) =C[I (CI(2) =CII (CH,、) =CH(CH2) OCO+−C4H9 20COn−C4H9 20COi−C4H9 20COt−C4H9 30COn−C41(9 30COi−C4H。
30COt−C4H9 0COn−C5H1゜ OCOニーC5H,。
0COneo−C5H,。
QC(N−C5H11 20COn−C5H,。
20COi−C5II、。
20COneo−C5H,。
20COt−C5H,。
30COn−C5H11 3ocoi−c5ft、。
30COneo−C5H。
30CO1−C5H11 OH C)l  =C1l (C)+2) 20)1C)l 
 =CH(CH2) 30H C1l  =CH(CH2)40f( 本発明では、また上記のような CH2=CH(CH2) 、 0CORで示されるモノ
マーを用いて、含フッ素共重合体中に 単位を−たん導入し、この構成単位を加水分解す(CH
2)。OHで表 わされる単位を、含フッ素共重合体中に導入してもよい
本発明に係る含フッ素共重合体[I]では、(i)〜(
i)のモノマー成分の含有割合は、(i)〜(i)の合
計モル数を基準として、(1)は30〜70モル%好ま
しくは40〜60モル%の量であり、(i)は20〜6
0モル%好ましくは20〜50モル%の量であり、(i
)は1〜25モル%好ましくは3〜20モル%の量であ
る。
このような含フッ素共重合体[I]の分子量は、テトラ
ヒドロフランを溶媒にし、分子量既知の単分散ポリスチ
レンを標準物質として用いて、ゲル・パーミェーション
クロマトグラフ法(GPC)により測定して求めた数平
均分子量(Mn )が、通常3000〜200000、
多くは500G−100000の範囲にある。
本発明に係る含フッ素共重合体[1]は、また非品性あ
るいは低結晶性、多くは非品性であり、一般にはX線に
よる結晶化度が0%、示差走査型熱量計(D S C)
で融点が観察されないことが多い。したがって本発明に
係る含フッ素共重合体は、透明性が良好である。
本発明に係る含フッ素系共重合体は、このような組成割
合および分子量を採ることにより、溶剤可溶性で皮膜塗
装性に優れたものになり、また後述する方法で硬化させ
た後では、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、機械
的性質および基材との密着性に優れたものとなる。
このような本発明に係る含フッ素共重合体[I]は、常
温において、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン
などのケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテ
ルなどのエーテル類、エタノールなどのアルコール類、
トリクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼンな
どのハロゲン化炭化水素類などに溶解する。
したがって上記のような含フッ素共重合体[I]を上記
のような有機溶剤に溶解させて塗料組成物を調製するこ
とができる。
上記のような含フッ素共重合体[I]から塗料組成物を
調製する場合には、有機溶剤として、トルエン、キシレ
ン、酢酸ブチル、イソブチルメチルケトン、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブあるいはこれらの混合物など
を用いることが好ましい。
このような含フッ素共重合体[I]を有機溶剤に溶解さ
せてなる塗料組成物は、次のようにして硬化させること
ができる。
すなわち、 硬化剤としては、[I]の水酸基と反応し得るアミノプ
ラスト化合物、多価イソシアネート化合物、エポキシ基
含有化合物、多塩基酸あるいはその無水物金属アルコキ
サイドまたはその誘導体などが例示されるが、耐候性な
どの点からアミノプラスト化合物を用いて加熱硬化する
かあるいは多価イソシアネートを用いて常温硬化するこ
とが好ましい。アミノプラスト化合物としては、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグア
ナミン樹脂などが挙げられ、多価イソシアネート化合物
としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
などが挙げられる。また、多価イソシアネート化合物と
して、アルコール類、フェノール類、オキシム類、アミ
ン類などのブロック化剤でブロックされた多価イソシア
ネートも採用できる。硬化剤の添加混合量は硬化剤の官
能基の数/共重合体[I]の水酸基の数が0.5〜1.
5の量であることが好ましい。
本発明では、また上記のような本発明に係る含フッ素共
重合体[1]と、下記のような珪素を含有する溶剤可溶
性含フッ素共重合体[11] とからなる組成物が提供
される。
すなわち本発明に係る含フッ素共重合体[I]と組合せ
て用いられる珪素を含有する溶剤可溶性含フッ素共重合
体[■コは、 [^](a)フルオロオレフィン (b)ビニルエーテル (c)オレフィン性不飽和結合および加水分解可能な基
を有する有機珪素化合物の共重合体であって、 [Bl該共重合体を形成する(a)   (b)および
(C)の合計モル数に対して、(りは30〜70モル%
の量で、(b)は20〜60モル%の量で、(C)は1
〜25モル%の量であり、かつ、 [Clゲル・パーミェーションクロマトグラフ法によっ
て測定した数平均分子量(Mn )が3000〜200
00Gの範囲にある含フッ素共重合体である。
この珪素を含有する溶剤可溶性含フッ素共重合体[I[
]では、(a)フルオロオレフィンとしては、上記のよ
うな(i)フルオロオレフィンが用いられ、また(b)
ビニルエーテルとしては、上記のような(i)ビニルエ
ーテルが用いられる。
またこの珪素を含有する含フッ素共重合体[n]で用い
られる有機珪素化合物(C)は、分子中にオレフィン性
不飽和結合および加水分解可能な基を有する化合物であ
って、具体的には下記−数式(1)〜(3)に示される
化合物を例示することができる。
R’ R2Si Y’ Y2    (1)R’ XS
i Y’ Y2     (2)R’ Si Y’ Y
2Y3    (3)2 (式中、RSRは、オレフィン性不飽和結合を有し、炭
素、水素および場合によって酸素からなり、それぞれ同
一または相異なる基である。Xは、オレフィン性不飽和
結合を有1 2 3 しない有機基であり、Y  SY  、Y  はそれぞ
れ同一または相異なる加水分解可能な基である。) R1またはR2は、具体的には、ビニル、アリル(al
171) 、ブテニル、シクロへキセニル、シクロペン
タジェニルなどであり、とくに末端オレフィン性不飽和
基であることが好ましい。またR またはR2は、末端
不飽和酸のエステル結合を有する CH=CH−Coo (CH,、) 3−1CH2= 
C(CH3) COO(CH2) 3CH2−C(CH
3)COO(CH2)2−0(CH2)3 CH2=C(CH3)COOCH2CH2などの基であ
ることもできる。これらの中では、RおよびR2が酸素
を含まず炭素と水素とから構成されていることが好まし
く、特にビニル基が最適である。
Xは、具体的には、1価の炭化水素基であるメチル、エ
チル、プロピル、テトラデシル、オクタデシル、フェニ
ル、ベンジル、トリルなどであり、またこれらの基は、
ハロゲン置換炭化水素基でもよい。
YI Yl、Y3は、具体的には、メトキシ、エトキシ
、ブトキシ、メトキシエトキシのようなアルコキシ基、
アルコキシアルコキシ基、ホルミロキシ、アセトキシ、
プロピオノキシのようなアシロキシ基、オキシムたとえ
ば 一0N=C(CH3) 2. 0N=CHCH2C2H5および ON”C(c6H5)2または置換アミノ基およびアリ
ールアミノ基たとえば−NHCH3、−NHCHおよび
−NH(C6H5)などで5 あり、その他任意の加水分解し得る有機基である。
本発明では有機珪素化合物[I[]は、一般式(3)で
表わされる化合物であることが好ましく、とくに基Y 
、Yl、Y3が同一である有機珪素化合物が好ましい。
これらの中でもR1がビニル基であり、Yl−Y3がア
ルコキシ基またはアルコキシアルコキシ基である有機珪
素化合物が特に好ましく、たとえばビニロキシプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキ
シ)シランなどが好ましい。またビニルメチルジェトキ
シシラン、ビニルフエニルジメトキシシランなども同様
に用いることができる。
このような珪素を含有する含フッ素共重合体[Ir]で
は、(a)〜(C)のモノマー成分の含有割合は、i)
〜(c)の合計モル数を基準として、(a)は30〜7
0モル%好ましくは40〜60モル%の量であり、(b
)は20〜60モル%好ましくは20〜50モル%の量
であり、(C)は1〜25モル%好ましくは3〜20モ
ル%の量である。
この珪素を含有する含フッ素共重合体[11]の分子量
は、テトラヒドロフランを溶媒にし、分子量既知の単分
散ポリスチレンを標準物質として用いテ、ケル・バミエ
ーションクロマトグラフ法(GPC)により測定して求
めた数平均分子量(Mn )が、通常3000〜200
000、多くは4000〜100[100の範囲にある
またこの珪素を含有する含フッ素共重合体[11]は、
また非品性あるいは低結晶性、多くは非品性であり、一
般にはX線による結晶化度が0%、示差走査型熱量計(
D S C)で融点が観察されないことが多い。したが
ってこの珪素を含有する含フッ素共重合体[n]は、透
明性が良好である。
またこの珪素を含有する含フッ素共重合体[I[]は、
そのガラス転移温度(T g)を、試料を120℃に冷
却したのち10℃/分の昇温速度でDSCにより測定す
ると、通常−60〜+20℃、多くが一40〜+5℃の
範囲にある。またこの含フッ素共重合体は、通常1.4
8〜1,34、多くは1.44〜1.36の範囲の屈折
率を有している。
このような珪素を含有する含フッ素共重合体[n] も
また、常温において、たとえばベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピ
ルエーテルなどのエーテル類、エタノールなどのアルコ
ール類、トリクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベ
ンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などに溶解する。
したがって上記のような本発明に係る含フッ素共重合体
[I] と珪素を含有する含フッ素共重合体[n] と
からなる組成物を上記のような有機溶剤に溶解させて塗
料組成物を調製することができる。
上記のような含フッ素共重合体[I]と珪素を含有する
含フッ素共重合体[■]とから塗料組成物を調製する場
合には、有機溶剤として、トルエン、キシレン、酢酸ブ
チル、イソブチルメチルケトン、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブあるいはこれらの混合物などを用いるこ
とが好ましい。
上記のような珪素を含有する含フッ素共重合体[Ir]
は、有機珪素化合物(c)に由来する加水分解可能な有
機基を有しているので、水分と接触することにより重合
体の分子鎖間に橋かけ反応が起こり、硬化する。したが
って、大気中の湿気によっても当然のことながら架橋が
起こり得る。この珪素を含有する含フッ素共重合体[1
1]は、単独でも架橋が進むことは明白であるが、塗料
として用いる場合には、基材に塗布された含フッ素共重
合体の皮膜が迅速に硬化するように、シラノール縮合触
媒を塗料組成物中に添加しておくことが好ましい。この
場合、珪素を含有する含フッ素共重合体[■] と本発
明に係る含フッ素共重合体[I] とを溶解した有機溶
剤液にシラノール縮合触媒を予め添加しておき、これを
基材に塗布すると、有機溶剤が蒸散して空気中の湿分と
接触しだすと同時に硬化反応が起こり、皮膜硬化が起こ
る。
したがって1液型の含フッ素共重合体塗料組成物となる
シラノール触媒としては、公知のものを用いることがで
き、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、酢酸第1錫
、オクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、2−エチルヘキサ
ン酸鉄、ナフテン酸コバルトなどのカルボン酸金属塩、
エチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチルアミン、ピペ
リジンなどの有機塩基、無機酸および有機脂肪酸などの
酸などが用いられる。このうちアルキル錫カルボン酸塩
、たとえばジブチル錫ジウラレート、ジブチル錫ジオク
トエート、ジブチル錫ジアセテートが好ましい。
本発明に係る含フッ素共重合体の橋かけ反応は、常温す
なわち室温付近(0〜40℃)で十分進行するが、必要
に応じて加熱下で反応を行わしめてもよい。
本発明に係る含フッ素共重合体[I] と珪素を含有す
る含フッ素共重合体[II]とを塗料として使用する場
合には、前記のように1液型で使用するのが好適であり
、この塗料組成物は、通常の液体塗料と同じように刷毛
、スプレー ローラコータ等で金属、木、プラスチック
、セラミック、紙、ガラスなどの基材表面に塗布するこ
とができる。
硬化後の被膜は、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、耐水性
、耐熱性、低摩擦性に優れ、さらに透明性、光沢、基板
との密着性にも優れている。
すなわち、硬化後(塗布後14日放置後)の含フッ素共
重合体[I]および[I[]からなる被膜は、Its 
K 5400(1979)6. 14による鉛筆硬度が
通常3H〜2B、多くはH−Bの範囲にあり、JIS 
K 5400(1979)6. 16による耐屈曲性が
通常3画φ、多くが2mφ以下である。
また硬化後の含フッ素共重合体[1]および[■]から
なる被膜は、水との接触角が、通常70〜98° 多く
は78〜94°であり、静摩擦係数が通常0.30〜0
.60、多くは0.35〜0.50の範囲にある。なお
、ここで静摩擦係数は、鋼板に含フッ素共重合体を塗布
し硬化させた鋼板より3 an X 3 cmの小片を
切り出し、同一重合体を塗布硬化した鋼板上に塗膜面が
接触するように置き、小片上に、145gのおもりを載
せて鋼板の一端を持ち上げて、小片がすべり落ちはしめ
た時の傾斜角(θ)を求め、tzn θを静摩擦係数と
した。
硬化後の含フッ素共重合体[I]および[II]からな
る被膜は、光線透過率が通常95%以上、多くは99%
以上である。ここで光線透過率は、離型基材の上に皮膜
を形成し、硬化後剥離してフィルム片となし、石英セル
中に該フィルム片を固定して純水を滴たし、純水のみを
満たした石英セルをブランクとして、JIS K 67
14に準じて行った。
また硬化後の含フッ素共重合体[I]および[1]から
なる被膜は、前記のように基板との密着性にも優れてい
る。ここで含フッ素共重合体の基板との密着性は以下の
ようにして評価した。
鋼板に塗布した塗り板の塗膜表面にrllsK5400
1979塗料一般試験方法6.15基盤目試験」に準じ
て切り傷を入れた。次に、基盤目部分の塗膜表面に幅2
0鵬のセロハン粘着テープをあて、その上から幅7■の
スパチュラで強くこすりながらテープを塗膜表面に密着
させた後、急速にセロハンテープを鉛直上方に引き上げ
てはがした。このセロハンテープの密着とはがしを基盤
目の4辺の各方向から計4回行い、除かれずに残った基
盤目の数を調べ、その数で試験成績を表示した。
本発明に係る含フッ素共重合体[I]は、上記のような
各モノマー(i)〜(i)を周知のラジカル開始剤の存
在下共重合することによって製造することができる。こ
こで(1)〜(i)の各成分はいずれも存在することが
必要であり、たとえば(i)成分と(i)成分とのみで
は共重合が生じないが、(i)成分を加えることによっ
て(1)、(i)、(i)の各成分が共重合する。
このような本発明に係る含フッ素共重合体[I]を製造
する際にはラジカル開始剤として、公知の種々のものが
使用できる。具体的には有機ペルオキシド、有機ペルエ
ステルたとえばベンゾイルペルオキシド、ジクロルベン
ゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジー16
N−ブチルペルオキシド、2.5−ジメチル−2,5−
ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−
ビス(t e rt−ブチルペルオキシイソプロピル)
ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tel−ブチルペ
ルアセテート、25−ジメチル−2,5−ジ(t e 
r t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5〜ジ
メチル−2,5−ジ(tel−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、te+l−ブチルペルベンゾエート、te+t−
ブチルペルフェニルアセテート、1er(−ブチルペル
イソブチレート、jcrt−ブチルペルー1ee−オク
トエート、1erl−ブチルペルピバレート、クミルペ
ルピバレート、1ert−ブチルペルジエチルアセテー
トなど、その他アゾ化合物たとえばアゾビス−イソブチ
ルニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが用いら
れる。このうちジクミルペルオキシド、ジーten+−
ブチルペルオキシド、25−ジメチル−2,5−ジ(t
 e r f−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,
5−ジメチル−2,5−ジ(l e t +−ブチルペ
ルオキシ)ヘキサン、1.4−ビス(l e r t−
ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアル
キルペルオキシドが好ましい。
上記のような共重合反応は、有機溶媒からなる反応媒体
中で行われることが好ましい。このような有機溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素、ローヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンな
どの脂肪族炭化水素、クロロベンゼン、ブロモベンゼン
、ヨードベンゼン、0−ブロモトルエンなどのハロゲン
化芳香族炭化水素、テトラクロロメタン、1. I、i
 )リクロロエタン、テトラクロロエチレン、1−クロ
ロブタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素等を用いるこ
とができる。
上記のような共重合反応は、上記のような溶媒中でラジ
カル開始剤をモノマーの合計モル数に対してモル比で1
02〜2X10’の範囲で添加して行うことが好ましい
。また重合温度は一30〜200℃、好ましくは20〜
100℃、重合圧力は0〜100kg/cnf−G、好
ましくはO〜50kg/cd−Gである。
本発明に係る含フッ素共重合体[I]と、有機顔料など
との親和性をより向上させるため、含フッ素共重合体の
分子鎖中にカルボキシル基をさらに導入することもでき
る。具体的には、不飽和カルボン酸およびその誘導体を
含フッ素共重合体にグラフト重合すればよい。このよう
な目的で用いられる不飽和カルボン酸類としては、アク
リル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイ
ン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラ
ヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンド
シス−ビシクロ[2,2,11ヘプト−5−エン−2,
3−ジカルボン酸(ナジック酸■)、メチル−エンドシ
ス−ビシクロ[2,2,II ヘプト−5−エン−2,
3−ジカルボン酸(メチルナジック酸■)などの不飽和
カルボン酸、該不飽和カルボン酸のハライド、アミド、
イミド、酸無水物、エステルすなわち塩化マレニル、マ
レイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノ
エチル、マレイン酸ジエチルなどがある。
なお本発明で用いられる珪素を含有する含フッ素共重合
体[Ir] も、上記のような含フッ素共重合体[II
と同様にして製造することができる。
本発明に係る含フッ素共重合体[1]の利用分野として
は、上記してきたように各種の有機溶剤に溶解した形で
塗料組成物として用いるのが最適である。この場合、顔
料あるいは染料などを塗料組成物に配合して着色塗料と
してもよく、さらに必要に応じて通常合成樹脂に配合さ
れる各種添加剤を配合してもよい。また上記のような含
フッ素共重合体を、シリル化アクリル樹脂、シリコン系
塗料、シリル化ポリオレフィンなどのアルコキシシリル
基あるいはシラノール基を有する樹脂の改質剤として使
用してもよい。
発明の効果 本発明の含フッ素共重合体[IIは、 (i)有機溶剤に常温で溶解する、 (i)水分が存在すれば常温で硬化反応が進む、(i)
透明性に優れ、硬化後は耐候性、耐薬品性、機械的性買
、低摩擦性、基板との密着性等の性質に優れる、 といった特長を示し、したがって塗料として、上記のよ
うな含フッ素共重合体[1]と組合せて用いた場合には
、 (IV)1液型塗料として使用でき、 (V)フッ素系塗料でありながら焼付工程が不要であり
、 (vl)基材との密着性に優れている、といった特長を
示す。したがって金属、木材、プラスチック、セラミッ
ク、紙等のコーティング剤、光ファイバーや光ディスク
、液晶表示基板の表面コートに利用できる。
〔実施例〕
以下本発明の内容を好適な例でもって説明するが、とく
に断わりのない限り本発明はこれらの例に制限されるも
のではなく、本発明の目的を損わない範囲でいかなる態
様も可能である。
実施例1 1.51の攪拌機付きオートクレーブ内を窒素置換し、
窒素気流下にベンゼン180m1、エチルビー/l/ 
x−チル(EVE)106g、n−ブチルビニルエーテ
ル(BVE)21.0g、 トリメトキシビニルシラン
(TMVS)62.2g、合成ハイドロタルサイト(M
g  Al1 (OH)1365 co  ・3.5820)粉末の焼成品(SHT)13
.0gを仕込んだ。その後、クロロトリフルオロエチレ
ン(CTFE)257 gをオートクレーブ中に導入し
、65℃まで昇温した。
このようにして得られた混合物に、過酸化ジラウロイル
7.6gをベンゼン1201に溶解した開始剤溶液を4
時間かけてフィードした。さらに65℃で6時間反応を
行なった後、オートクレーブを水冷し、反応を停止した
冷却後、未反応モノマーを追い出し、オートクレーブを
解放し、1.51のなす型フラスコに反応液を取り出し
た。
この反応液にキシレン210 g、メタノール120g
、5H713,Ogを加え、50℃で1.5時間さらに
60℃で1.5時間撹拌下に加熱処理した。
処理後、エバポレーターにて減圧下に残留モノマーおよ
び溶媒を留去し、次いでキシレン550gを加え、撹拌
により均一溶液とした。
この溶液を濾過してSHTを除去し、減圧濃縮して無色
透明な重合体366gを得た。
得られたポリマーのGPCによる数平均分子量は100
00であった。
またこの重合体の組成分析を元素分析およびNMRを用
いて行なったところ、CTFE/EVE/BVE/TM
VS=50/37/6/7 (モル比)であった。
上記の方法で得られた重合体38.2重量部と、テトラ
メチルオルト珪酸オリゴマー1.9重量部と、酸化チタ
ン26.7重量部と、キシレン31.3重量部からなる
塗料を調製した。
一方、1.51のステンレス製攪拌機付きオートクレー
ブ内を窒素置換した後、窒素気流下にベンゼン500+
I、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)
23.2 g、 エチルビニルエーテル(EVE)50
.5g、シクロヘキシルビニルx−チル(CyHVE)
12.6 g1過酸化ジラウロイルi、sg、炭酸カリ
ウム2.1gを仕込んだ。
次に、クロロトリフルオロエチレン(CT F E)1
16.5gをオートクレーブ中に導入し、65℃まで昇
温した。65℃で、7.5時間反応を行なった後、オー
トクレーブを水冷し、反応を停止させた。その後減圧濃
縮して無色透明な重合体[111r] 193.7gを
得た。得られたポリマーのGPCによる数平均分子量は
10000であった。
また、重合体の組成分析を元素分析およびNMRを用い
て行なったところCTFE/EVE/HBVE/CyH
VE=48/36/6/10であった。
上記の方法で調製した塗料100重量部に対し、上記の
方法で得られた重合体[III]の69.6重量%キシ
レン溶液を5.5重量部、およびジラウリン酸n−ブチ
ル錫の6.3重量%キシレン溶液を3.8重量部混合し
て含フッ素共重合体組成物を調製し、この組成物を実施
例1と同様の方法で作製した塗装周基村上に100μm
のアプリケータを用いて塗布した。
このようにして得られた塗膜を屋外に1週間暴露した後
、基盤目試験を行なった。
結果を表1に示す。
実施例2 1.51のステンレス製攪拌機付きオートクレーブ内を
窒素置換した後、窒素気流下にベンゼン500m1、酢
酸アリル(AA c) 3 Q g、 エチルビニルエ
ーテル(EVE)86.5 g、過酸化ジラウロイル5
.4gを仕込んだ。
その後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)18
3gをオートクレーブ中に導入し、65℃まで昇温した
。65℃で、7.5時間反応を行なった後、オートクレ
ーブを水冷し、反応を停止させた。その後減圧濃縮して
無色透明な重合体254gを得た。
得られたポリマーのGPCによる数平均分子量は120
00であった。
またこの重合体の組成分析を元素分析およびNMRを用
いて行なったところ、CTFE/EVE/AAc=43
/49/8 (モル%)であった。
上記の方法で得られた重合体200gを11のガラス製
攪拌機付き反応器中で、キシレン234gに溶解し、6
0℃に加熱した後、ナトリウムメトキシド1.6%メタ
ノール溶液106gを3時間で添加し、さらに1時間撹
拌し、メタノールおよび生成した酢酸メチルを減圧下留
去し、冷却した。
この濃縮液を1.5!のメタノールに再沈澱し、上澄み
液を除去し、さらにメタノール11を加え撹拌する操作
を4回繰り返した。
メタノールを減圧下留去し、キシレン11を加え、0.
2μのメンブランフィルタ−で濾過後濃縮し、共重合体
の加水分解物120gを得た。加水分解物のIRスペク
トルを測定した結果、エステルの吸収が完全に消失し、
新たに水酸基の吸収が観察された。
上記の方法で得られた重合体39.7重量部と酸化チタ
ン27.8重量部とキシレン32.5重量部からなる塗
料を調製した。
また一方、JISG3302に規定する亜鉛鋼板(SP
G)にエポキシ塗料マリンSC(三井金属塗料化学■)
を塗布し屋外暴露期間を10日として塗装用基材を作製
した。
上記のようにして調製した塗料100重量部に対し、コ
ロネートEH(日本ポリウレタン社製イソシアネート系
硬化剤、ヘキサメチレンジイソシアネート環状三量体)
60重量%キシレン溶液を29.6重量部、およびジラ
ウリン酸n−ブチル錫の6.3重量%キシレン溶液を3
.8重量部混合して含フッ素共重合体組成物を調製し、
この組成物を上記の方法で作製した塗装用基材上に10
0μmのアプリケータを用いて塗布した。このようにし
て得られた塗膜を屋外に1週間暴露した後、基盤目試験
を行なった。
結果を表1に示す。
比較例1 実施例1で調製した塗料100重量部に対し、ジラウリ
ン酸n−ブチル錫6.3重量%キシレン溶液を3.8重
量部混合して含フッ素共重合体組成物を調製した。
一方実施例1と同様にして作製した塗装用基材上に10
0μmのアプリケータを用いて塗布した。
このようにして得られた塗膜を屋外に1週間暴露した後
、基盤目試験を行なった。
結果を表1に示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)[A](i)フルオロオレフィンから誘導される
    単位、 (ii)ビニルエーテルから誘導される単位および (iii)次式で表わされる単位 ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、Xは水素原子または−COR基 (ただしRはアルキル基である)であり、 nは1〜20の数である) から実質的になり、 [B]該共重合体を形成する(i)、(ii)および(
    iii)の合計モル数に対して、(i)は30〜70モ
    ル%の量で、(ii)は20〜60モル%の量で、(i
    ii)は1〜25モル%の量であり、かつ [C]ゲル・パーミェーションクロマトグラフ法によっ
    て測定した数平均分子量(@M@_n)が3000〜2
    00000の範囲内にあることを特徴とする溶剤可溶性
    含フッ素共重合体。
  2. (2)請求項第1項に記載の含フッ素共重合体を有機溶
    剤に溶解してなる塗料組成物。
  3. (3)[ I ] [A](i)フルオロオレフィンから誘導される単位、 (ii)ビニルエーテルから誘導される単位および (iii)次式で表わされる単位 ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、Xは水素原子または−COR基 (ただしRはアルキル基である)であり、 nは1〜20の数である) から実質的になり、 [B]該共重合体を形成する(i)、(ii)および(
    iii)の合計モル数に対して、(i)は30〜70モ
    ル%の量で、(ii)は20〜60モル%の量で、(i
    ii)は1〜25モル%の量であり、かつ [C]ゲル・パーミェーションクロマトグラフ法によっ
    て測定した数平均分子量(@M@_n)が3000〜2
    00000の範囲内にあることを特徴とする溶剤可溶性
    含フッ素共重合体、および [II] [A](a)フルオロオレフィン (b)ビニルエーテル (c)オレフィン性不飽和結合および加水分解可能な基
    を有する有機珪素化合物の共 重合体であって、 [B]該共重合体を形成する(a)、(b)および(c
    )の合計モル数に対して、(a)は30〜70モル%の
    量で、(b)は20〜60モル%の量で、(c)は1〜
    25モル%の量であり、かつ、 [C]ゲル・パーミェーションクロマトグラフ法によっ
    て測定した数平均分子量(@M@_n)が3000〜2
    00000の範囲内にあることを特徴とする溶剤可溶性
    含フッ素共重合体 からなる溶剤可溶性含フッ素共重合体組成物。
  4. (4)請求項第3項に記載の含フッ素共重合体組成物を
    有機溶剤に溶解してなる塗料組成物。
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JPH07102211A (ja) * 1993-10-05 1995-04-18 Toagosei Co Ltd 常温硬化型塗料用組成物
JP2006104481A (ja) * 2005-12-05 2006-04-20 Jsr Corp 硬化性樹脂組成物

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