JP2001181551A - フッ素系塗料用組成物および該組成物の塗装方法 - Google Patents

フッ素系塗料用組成物および該組成物の塗装方法

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JP2001181551A
JP2001181551A JP2000309885A JP2000309885A JP2001181551A JP 2001181551 A JP2001181551 A JP 2001181551A JP 2000309885 A JP2000309885 A JP 2000309885A JP 2000309885 A JP2000309885 A JP 2000309885A JP 2001181551 A JP2001181551 A JP 2001181551A
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Akihito Iida
晃人 飯田
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可使時間が長く、低温硬化性に優れ、得られ
る塗膜がプライマーへの密着性、耐候性に優れた、塗料
用組成物を提供する。 【解決手段】 (A)加水分解性シリル基を有し、有機
溶剤に可溶な含フッ素共重合体、(B)アミノシラン類
とイソシアネート化合物の反応物、2,2,6,6−テ
トラ置換ピペリジニル基を有する化合物、加水分解性シ
リル基を有するケチミン誘導体ならびにウレイド基およ
び加水分解性シリル基を有する化合物からなる群より選
ばれた1種以上の化合物、(C)硬化触媒、(D)有機
溶剤を必須成分とする組成物を調製した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐候性に優れると共
に、ポットライフすなわち可使時間、プライマーとの密
着性および低温硬化性に優れるフッ素系塗料用組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高耐候性の建築塗料用樹脂として
溶剤可溶型フッ素塗料が用いられ、溶剤可溶型フッ素塗
料の中で湿気架橋可能な樹脂として加水分解性シリル基
を有する樹脂がある。例えば、フルオロオレフィン、ビ
ニルエーテル、加水分解性シリル基を有するオレフィン
性単量体を共重合させた含フッ素共重合体(特公平1−
16405号公報)等がある。しかしながら、この共重
合体を用いて調整した塗料は優れた耐候性を有するもの
の基材に対する密着性が劣っているため、塗装する際の
プライマー(下塗り材)が限定されるという問題があっ
た。前記プライマーへの密着性を向上させる方法とし
て、塗料中に有機シリケートを配合する方法(特公昭6
3−32826号公報)、塗料中にある種のエポキシ基
を有するシラン化合物を配合する方法(特公昭63−2
5029号公報)、アミン化合物を配合する方法(特開
平9−157586号公報および特開平10−1683
86号公報)が報告されている。これらの方法により、
ある程度プライマーへの密着性は改良された。しかし、
上記方法はプライマーを塗装してフッ素塗料を塗装する
間隔が数日間であれば問題ないが、塗装間隔が長くなる
ほど(即ち、プライマーの硬化が進行するほど)密着し
なくなるという問題があり、また、プライマーに弱溶剤
型プライマーを用いた時には、上記方法では改良効果は
僅かであることがわかった。さらに、塗膜を低汚染化す
るためにアルコキシシランの加水分解縮合物を塗料に添
加する方法(特開平7−48540号公報)を行うと、
密着性がさらに低下する。また、アミン化合物を添加す
る方法では、アミンの種類により、塗料組成物を配合し
てからの可使時間が極端に短くなったり、耐候性が低下
するという問題があった。したがって、プライマーを塗
装してから長時間経過してトップコートを塗装した場合
や、アルコキシシランの加水分解縮合物を添加した際に
も、密着性の低下しない塗料組成物で、耐候性、可使時
間が低下しないものが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は充分な可使時
間を有し、低温硬化性に優れるとともに得られる塗膜が
プライマーとの密着性および耐候性に優れるフッ素系塗
料用組成物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、有機溶剤に可溶で
ある加水分解性シリル基を有する含フッ素共重合体から
調製したフッ素系塗料にアミノシラン類とイソシアネー
ト化合物の反応生成物、2,2,6,6−テトラ置換ピ
レリジニル基を含有する化合物、加水分解性シリル基を
有するケチミン誘導体ならびにウレイド基および加水分
解性シリル基を有する化合物からなる群より選ばれた1
種以上の化合物を添加した組成物が、充分な可使時間を
有し、また、プライマーを塗装して十分な時間が経過し
て後で塗装した場合にも良好な密着性が得られることが
わかった。さらに、密着性改良効果はプライマーに弱溶
剤型プライマーを用いた場合にも同様に適用できること
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は下記(A)〜(D)を必須成分とするフッ素系塗料
用組成物において、(A)成分100質量部あたり、
(B)成分が0.01〜10質量部および(C)成分が
0.002〜5質量部であるフッ素系塗料用組成物であ
る。 (A)加水分解性シリル基を有し、有機溶剤に可溶な含
フッ素共重合体 (B)アミノシラン類とイソシアネート化合物の反応生
成物、2,2,6,6−テトラ置換ピペリジニル基を含
有する化合物、加水分解性シリル基を有するケチミン誘
導体ならびにウレイド基および加水分解性シリル基を有
する化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物 (C)硬化触媒 (D)有機溶剤
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明における(A)加水分解性シリル基
を有する含フッ素共重合体はフルオロオレフィン単位と
加水分解性シリル基を有するオレフィン性単量体単位を
必須成分として構成され、有機溶剤可溶な共重合体であ
る。共重合体の必須成分であるフルオロオレフィンとし
ては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン、ヘキサフルオロプロピレン、ジクロロジフルオ
ロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニルおよびパーフルオロ(アルキルビニル
エーテル)などが例示される。これらの中でも、重合性
の面よりテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびトリフルオ
ロエチレンが好ましく、テトラフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレンおよびトリフルオロエチレンが
より好ましい。また、複数の単量体を併用しても良い。
【0006】加水分解性シリル基を有するオレフィン性
単量体は、下記式(1)で表される化合物である。 R−SiXn3-n (1) (式中、Rはオレフィン性不飽和結合を有する基、Xは
炭素数1〜20のアルキル基を示し、Yは加水分解可能
な基であり、nは0〜2までの整数である。なお、Xお
よびYが複数ある場合は、同じでも異なっていても良
い)Rの具体例としてはビニル基、アリル基、ブテニル
基、ビニロキシ基、アリロキシ基、アクリロイル基、メ
タクリロイル基、CH2=CHO(CH2)3−、CH
2=CHCOO(CH2)3−、CH2=CHOCO
(CH2)3−、CH2=C(CH3)COO(CH
2)3−、CH2=C(CH3)COO(CH2)2−
O−(CH2)3−等が挙げられ、これらの中でもビニ
ル基が好ましい。Xの具体例としてはメチル基、エチル
基、プロピル基、オクチル基、オクタデシル基等が挙げ
られる。Yとしてはアルコキシ基、アミノ基、アシロキ
シ基、フェノキシ基、メルカプト基、イミノオキシ基な
どの加水分解性基が挙げられ、これらの中でも、アルコ
キシ基が特に好ましい。その具体例としてメトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエト
キシ基等が挙げられ、メトキシ基およびエトキシ基が好
ましい。単量体の具体例として、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキ
シシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメ
チルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエト
キシ)シラン、トリメトキシシリルエチルビニルエーテ
ル、トリメトキシシリルブチルビニルエーテル、メチル
ジメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシ
シリルプロピルビニルエーテル、ビニルトリイソプロペ
ニルオキシシラン、ビニルメチルジイソプロペニルオキ
シシラン、トリイソプロペニルオキシシリルエチルビニ
ルエーテル、トリイソプロペニルオキシシリルプロピル
ビニルエーテル、トリイソプロペニルオキシシリルブチ
ルビニルエーテル、ビニルトリス(ジメチルイミノオキ
シ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルイミノオキ
シ)シラン、ビニルメチルビス(ジメチルイミノオキ
シ)シラン、ビニルジメチル(ジメチルイミノオキシ)
シラン、トリス(ジメチルイミノオキシ)シリルエチル
ビニルエーテル、メチルビス(ジメチルイミノオキシ)
シリルエチルビニルエーテル、トリス(ジメチルイミノ
オキシ)シリルブチルビニルエーテル、γ−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジ
エトキシシランおよびγ−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルトリイソプロペニルオキシシラン等が挙げられ
る。
【0007】加水分解性シリル基を有する含フッ素共重
合体には、有機溶剤への溶解性、架橋塗膜の柔軟性の点
から、その他の単量体単位を有することが好ましく、例
えば、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルエステル
類およびビニルエーテル類などが好ましく使用でき、特
に(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0008】(メタ)アクリル酸エステル類は、エステ
ル鎖として炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキ
ル基、ハロゲン含有アルキル基を有するものが好まし
い。物性を損なわない範囲で、エステル鎖に酸素、窒素
および硫黄などの原子を含んでも良い。具体例として
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル
酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロ
ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)
アクリル酸トリシクロデシニル、(メタ)アクリル酸テ
トラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸4−メチル
シクロヘキシルメチル、アクリル酸メトキシエチル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸クロロエチルエステル、(メタ)アクリル酸ト
リフルオロエチルおよび(メタ)アクリル酸ペンタフル
オロプロピル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類が挙げられる。これらの中でも、フルオロオレフィン
との重合性、共重合体の柔軟性などによりアクリル酸ア
ルキルエステル類が好ましい。これらの単量体は単独ま
たは数種類混合して使用する。
【0009】ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニル、ヴェオバ−9{シェル化学(株)製}、シクロヘ
キサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボ
ン酸ビニルエステル類が例示される。
【0010】ビニルエーテル類としては、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニル
エーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビ
ニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチル
ビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、ヘキシ
ルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、2−
エチルヘキシルビニルエーテル、クロロメチルビニルエ
ーテル、クロロエチルビニルエーテル等のアルキルビニ
ルエーテル類または置換アルキルビニルエーテル類;シ
クロペンチルブニルエーテルおよびシクロヘキシルビニ
ルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類が挙げ
られる。これらの中でも、プライマーへの密着性、
(B)アミノシラン類とイソシアネート成分のエポキシ
基含有化合物とアミン類の反応生成物または2,2,
6,6−テトラ置換ピレリジニル基を含有する化合物、
(C)成分の硬化触媒を配合した後の可使時間が長い点
で(メタ)アクリル酸エステル類を含んでいることが好
ましい。
【0011】また、含フッ素共重合体にはエチレン、プ
ロピレン、イソブチレンなどのα−オレフィン類、塩化
ビニル、塩化ビニリデンなどのクロロエチレン類などの
単量体単位を含んでいても良い。
【0012】さらに、含フッ素共重合体には、水酸基、
エポキシ基およびカルボキシル基などの官能基を有する
単量体単位を含んでいても良い。水酸基含有単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、
アリルアルコール、ケイ皮アルコール、Nーメチロール
(メタ)アクリルアミド、クロトン酸2−ヒドロキシエ
チル、クロトン酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有
単量体の他、これらの水酸基を含有する単量体にε−カ
プロラクタム、エチレンオキシドを開環付加させた化合
物、または(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸とエ
チレングリコール、エチレンオキシド、プロピレングリ
コール、プロピレンオキシド、ブチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等の多価アルコールとの反応物である単量体
が例示される。エポキシ基を有する単量体としては、
(メタ)アクリル酸グリシジルおよびアリルグリシジル
エーテル等が挙げられる。カルボキシル基を有する単量
体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸およびクロトン酸等が挙げられる。
【0013】本発明における含フッ素共重合体におい
て、有機溶剤への溶解性、硬化塗膜の耐候性、柔軟性、
耐汚染性、基材への密着性のバランスから上記必須構成
単量体合計量を基準とする割合が、フルオロオレフィン
(a):7〜70モル%、加水分解性シリル基を有する
オレフィン性単量体(b):1〜20モル%、その他の
単量体(c):30〜80モル%の範囲であることが好
ましい。さらに好ましい範囲は(a):20〜60モル
モル%、(b):2〜10モル%、(c):30〜75
%モル%である。また、前記記載のその他の単量体のう
ち、オレフィン類、クロロエチレン類、水酸基含有単量
体、エポキシ基を有する単量体またはカルボキシル基を
有する単量体は、0〜30モル%の範囲で含むことがで
きる。(a)が70モル%を越えると含フッ素共重合体
の有機溶剤に対する溶解性が低下する場合があり、ま
た、7モル%未満では耐候性が低下する場合がある。ま
た、(b)が1モル%未満であると、架橋点が少ないた
め塗料から形成させる膜の強度、耐溶剤性が低下する場
合があり、一方、20モル%を越えると、共重合体の安
定性が低下する場合がある。(c)が20モル%未満で
あると(B)成分を添加した際の密着性向上の効果が減
少する場合があり、また、80モル%を越えると相対し
てフルオロオレフィンの割合が減少し耐候性が低下する
場合がある。
【0014】含フッ素共重合体の分子量はゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分
子量(ポリスチレン換算)で1,000〜10万が好ま
しい。また、含フッ素共重合体のガラス転移温度(T
g)は−20℃〜60℃であることが好ましい。
【0015】前記含フッ素共重合体を溶解する有機溶剤
としては、トルエン、キシレンおよびソルベッソ等の芳
香族系炭化水素、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−
オクタン、i−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n
−ウンデカン、テルピン油、ミネラルスピリット、石油
ベンジン、リグロイン、HAWS{シェル化学(株)製
の脂肪族炭化水素を主成分とした溶剤}、ナフサNo
6,ナフサNo5(いずれもエクソン社製の脂肪族炭化
水素を主成分とした溶剤)等の脂肪族系炭化水素、酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン
等のケトン類、n−ブタノール、i−プロパノール等の
アルコール類、メチルセロソルブ、n−ブチルセロソル
ブ、n−ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ
系、プロピレンブリコールモノメチルエーテル、プロピ
レンブリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリ
コール系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は単独ある
いは併用することができる。なお、弱溶剤型のプライマ
ーを用いる場合には、溶剤として脂肪族炭化水素系溶剤
を用いることが好ましい。
【0016】前記含フッ素共重合体は、ラジカル発生型
重合開始剤の存在下、前記単量体を共重合させる方法で
製造できる。重合方法は、有機溶剤中での溶液重合など
通常の方法が採用可能である。ラジカル発生型重合開始
剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、tert−ブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化
物、またはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ
バレロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム等の無機過酸化物が使用でき、全単量体
量に対し0.0001〜10モル%で使用することが好
ましい。乳化重合で重合する場合、乳化剤としては、パ
ーフルオロオクタノイックアシドカリウム塩やアンモニ
ウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸アンモニウム
塩、高級アルコール硫酸エステルナトリウム塩、ポリエ
チレングリコールエーテル等が例示され、全単量体量1
00部に対し0.1〜50部で使用するのが望ましい。
溶液重合における有機溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の環状エーテル類;n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等の炭化水素類、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノール、n−ブチルセロソルブ等のアルコール
類、1,1,2−トリクロロ1,2,2−トリフルオロ
エチレン等のフロン類等が挙げられ、これらの1種また
は2種以上を用いることができる。有機溶剤の使用量は
全単量体量100部に対し20〜200部で用いること
が好ましい。
【0017】重合条件としては、特に限定されないが、
好ましい反応における好適な重合温度は20〜100℃
であり、好適な圧力は0.1〜19.6MPa(1〜2
00kg/cm2)であり、好適な重合時間は3〜40時間で
ある。重合に使用する単量体は、その全量を初期にバッ
チ仕込みしてもよいし、重合の進行と共に一部の単量体
を逐次添加してもよい。また、必要により、PH調整剤
として、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ハイドロ
タルサイト、陰イオン交換樹脂等を加えてもよい。
【0018】本発明における(B)成分は、アミノシラ
ン類とイソシアネート化合物の反応生成物、2,2,
6,6−テトラ置換ピペリジニル基を含有する化合物、
加水分解性シリル基を有するケチミン誘導体ならびにウ
レイド基および加水分解性シリル基を有する化合物から
なる群より選ばれた1種以上の化合物でありプライマー
への密着性を改良する効果を発現し、さらに低温での硬
化速度改良に効果があり、充分長い可使時間が得られる
化合物である。
【0019】まず、(B)成分として、アミノシラン類
とイソシアネート化合物の反応生成物について説明す
る。アミノシラン類は一分子中にNHR(R:水素原
子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基)基と
加水分解性シリル基を併せ持つ化合物であり、具体的に
はアミノメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、ビス(トリメチキシシリルプロピル)ア
ミン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ベンジ
ルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有
シランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも
(A)成分と混合してからの可使時間が長い点で2級の
アミノ基を有するアミノシラン類の使用が好ましい。ア
ミノシラン類は単独、あるいは複数併用して用いること
ができる。
【0020】一方、イソシアネート化合物は分子内にイ
ソシアネート基を有する化合物であり、具体的には、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサ
ン等の環状脂肪族ジイソシアネート類、トリレンジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート等の芳香族ジイソシアネート類をそのまま用いても
良いし、これらのイソシアネートを多価アルコールに付
加させたもの、前記ジイソシアネートのヌレート型多量
体、ビュレット体等が用いられる。また、イソシアネー
ト基含有シランカップリング剤等も使用可能である。こ
れらの中でも、塗料に添加した時に耐候性が低下しない
点で、イソシアヌレート環を有するイソシアネート化合
物の使用が好ましい。
【0021】アミノシラン類とイソシアネート化合物と
の反応は無溶剤下、あるいは水酸基含有有機溶剤を除く
有機溶剤中で所定量のアミノシラン類とイソシアネート
化合物を加熱、混合して行う。アミノシラン類とイソシ
アネート化合物の反応時の混合比はNH基またはNH2
基の水素原子/NCO基がモル比で1.0/0.9〜
0.8/1.5の範囲が好ましい。未反応のNH基が多
く存在すると含フッ素共重合体に添加した時の可使時間
が低下する。また、未反応イソシアネート化合物が多く
存在する場合には(A)成分、(B)成分および(C)
成分を混合した塗料組成物を長時間加熱した時に着色が
多くなる。また、反応液中には未反応のアミノシラン類
は少ないほど可使時間の点で良い。具体的には、(A)
成分100質量部あたり、未反応のアミノシラン類は
0.2質量部以下であることが好ましい。
【0022】次に、2,2,6,6−テトラ置換ピペリ
ジニル基を含有する化合物について説明する。2,2,
6,6−テトラ置換ピペリジニル基を含有する化合物
は、ピペリジン環の2および6位炭素上の水素の全てが
有機基に置換された構造のピペリジン部分を分子内に含
有する化合物である。さらにピペリジン環部分の1位窒
素原子上の水素が有機基に置換されたもの、3,4,5
位の炭素上の水素が有機基、あるいは水酸基に置換され
たものを含有する化合物も使用可能である。代表的な化
合物を下記式(2)に表わす。
【0023】
【化1】
【0024】前記式(2)のR2、R3、R5およびR6
それぞれ、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘ
キシル基等のアルキル基またはシクロアルキル基、2−
ヒドロキシエチル基、2−メトキシカルボニルエチル
基、3−ヒドロキシプロピル基等の置換アルキル基、フ
ェニル基、ナフチル基等のアリール基、置換アリール
基、フェネチル基、ベンジル基等のアラルキル基を示
し、これらの中でも、入手の容易さからメチル基が好ま
しい。また、R2とR3あるいはR5とR6は両者で脂肪族
環を形成していても良い。式(2)のR1は水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキ
ル基またはシクロアルキル基;2−ヒドロキシアルキル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−アセトキシ
エチル基等の置換アルキル基;メトキシ基、エトキシ
基、オクトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフ
チル基等のアリル基;フェネチル基、ベンジル基等のア
ラルキル基を示す。式(2)のR4は水素原子、水酸
基、メチル基、エチル基、ピロピル基、ブチル基、シク
ロヘキシル基等のアルキル基、シクロアルキル基;2−
ヒドロキシエチル基、2−メトキシカルボニル基、2−
アセトキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等の置
換アルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリル基;
フェネチル基、ベンジル基等のアラルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、オクトキシ基等のアルコキシ基;アセ
トキシ基、ベンゾイルオキシ基等のエステル基等の有機
基を示す。
【0025】2,2,6,6−テトラ置換ピペリジニル
基を含有する化合物としては、2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル
ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒド
ロキシピペリジン、1−エチル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、1−エチル−2,2,6,6−テ
トラメチル4−ヒドロキシピペリジン、1−ブチル−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリ
ジン、1−ドデシル−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、1−フェニル−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、4−アセトキシ−1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジン、1−メトキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オクトキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オク
トキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、1−(2−アセトキシエチル)4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4
−エチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジ
ン、4−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン等が挙げられる。さらに、4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ
−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−
ヒドロキシ−1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン等の水酸基含有2,2,6,6−置換
ピレリジン類とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デ
カン−1,10−ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、マロン酸等の多塩基酸やそのアルキ
ル置換体との反応で形成されるエステルも使用可能であ
る。2,2,6,6−テトラ置換ピペリジン化合物は単
独、あるいは複数併用して使用することができる。
【0026】本発明における加水分解性シリル基を有す
るケチミン誘導体は、ケチミンのイミノ基の水素原子を
除いた残基および加水分解性シリル基を有する化合物で
あり、下記式(3)に示す構造式で表されるものが使用
できる。
【0027】
【化2】
【0028】上記式(3)において、R7、R8は炭素数
1〜5のアルキル基を示し、R9は2価の有機基を示
し、R10は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R11
炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜2の整数を
示す。R7、R8の具体例としてはメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、R7、R8は同
じであっても異なっていても良い。R9の具体例として
はエチレン基、プロピレン基等のアルキレン基が挙げら
れる。R10の具体例としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、オクチル基、オクタデシル基等が挙げられ
る。R11の具体例としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプルピル基、ブチル基等が挙げられる。N
−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキ
シシリル)−1−プロパナミンは好適な化合物の例であ
る。ウレイド基および加水分解性シリル基を有する化合
物としては下記式(4)に示す構造式で表されるものが
使用できる。
【0029】
【化3】
【0030】上記式(4)において、R12は2価の有機
基を示し、R13は炭素数1〜20のアルキル基を示し、
14は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜2の
整数を示す。R12の具体例としてはエチレン基、プロピ
レン基等のアルキレン基が挙げられる。R13の具体例と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル
基、オクタデシル基等が挙げられる。R14の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプルピル
基、ブチル基等が挙げられる。ウレイドプロピルトリエ
トキシシランは好適な化合物の例である。
【0031】成分(B)の割合は成分(A)100質量
部に対し0.01〜10質量部であり、0.1〜5質量
部が好ましい。0.01質量部未満であると弱溶剤型プ
ライマーへの密着性は改良できない。一方、10質量部
を越えると(A)成分と混合してからの可使時間が低下
し、更に耐候性が低下する恐れがある。
【0032】(C)硬化触媒としては、ナフテン酸コバ
ルト、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル
酸鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、テトラプ
ロピルチタネート、テトラブチルチタネート、ジブチル
錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクロロ
ジブチル錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫マレ
ートおよびトリエチル錫モノステアレートなどの有機錫
化合物が例示される。使用量は(A)成分100質量部
当たり0.002〜5質量部であり、0.01〜1質量
部であることが好ましい。
【0033】本発明におけるフッ素系塗料用組成物は耐
汚染性を発現させるために、アルコキシシランの加水分
解縮合物を添加することが好ましい。アルコキシシラン
の加水分解縮合物は、加水分解性のアルコキシ基を1分
子中に2個以上有するアルコキシシランの加水分解縮合
物であり、縮合度は耐汚染性、含フッ素樹脂との相溶性
から2〜10程度であることが好ましい。かかる化合物
としては例えば、コルコート社からES40(テトラエ
トキシシランの平均約5量体の縮合物)、MS51(テ
トラメトキシシランの平均約4量体の縮合物)、多摩化
学株式会社からシリケート48(テトラエトキシシラン
の縮合物)等として市販されているものを用いることが
できる。また、特開平8−176304号公報、特開平
8−113755号公報および特開平9−31399号
公報に記載の方法で合成したものを使用することができ
る。アルコキシシランの加水分解縮合物の配合割合は含
フッ素樹脂100質量部あたりアルコキシシランの加水
分解縮合溶液の固形分で2〜100質量部であることが
好ましく、より好ましくは5〜80質量部である。アル
コキシシラン縮合物の割合が2質量部以下では耐汚染性
は向上せず、100質量部を越えると形成させる塗膜が
脆くなる。
【0034】フッ素系塗料用組成物は、(A)成分およ
び(D)成分からなるA剤、および(B)成分と(C)
成分を予め配合したB剤の2液型で保管しておくのが好
ましい。低汚染化するためのアルコキシシラン加水分解
縮合液を塗料に添加する場合には、A、Bいずれにも配
合できるが、貯蔵安定性の点からはA剤に配合しておく
のが好ましい。本発明の塗料組成物は混合前のA剤、あ
るいはB剤の保存安定性を向上させる目的でA剤、ある
いはB剤中にオルト酸エステル類を添加しても良い。オ
ルト酸エステルとは、一般式RC(OR’)3(R:水
素原子、メチル基またはエチル基、R’:炭素数1〜3
のアルキル基)で表される化合物である。具体的には、
オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチル、オルト
蟻酸トリプロピル、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸
トリエチル、オルト酢酸トリプロピル、オルトプロピオ
ン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オル
トプロピオン酸トリプロピル等が挙げられる。オルト酸
エステルを添加することで、本組成物の保存安定性は向
上する。その添加量はA剤においては、含フッ素樹脂と
アルコキシシランの加水分解物の総量100質量部に対
し、0.5〜30質量部であることが望ましい。0.5
質量部未満であると、保存安定性向上の効果はあまりな
く、また、30質量部以上添加しても効果は変わらな
い。また、B剤においては、アルコキシシリル基含有化
合物が入っている場合には、その化合物100質量部に
対し、0.5〜500質量部であることが好ましい。
【0035】本発明におけるフッ素系塗料用組成物の塗
装に際しては、まず、基材の上に弱溶剤型プライマーを
塗布した後、その弱溶剤型プライマー上にフッ素系塗料
用組成物を塗装する方法が好ましい。弱溶剤型プライマ
ーとは、石油系溶剤すなわち炭化水素系溶剤に溶解、も
しくは分散した樹脂から調製したもので、例えば、弱溶
剤可溶型アクリルウレタン塗料、弱溶剤分散型アクリル
ウレタン塗料、弱溶剤可溶型エポキシ塗料、弱溶剤分散
型エポキシ塗料、弱溶剤可溶エポキシ塗料でケチミン硬
化剤を用いるタイプ、弱溶剤分散型エポキシ塗料でケチ
ミン硬化剤を用いるタイプ、弱溶剤可溶型アルキド塗
料、弱溶剤分散型ウレタン塗料、弱溶剤分散型アクリル
シリコン塗料、弱溶剤可溶型アクリルシリコン塗料、ウ
レタン架橋タイプ弱溶剤可溶型フッ素塗料、ウレタン架
橋タイプ弱溶剤分散型フッ素塗料等が挙げられる。
【0036】本発明の組成物には、顔料、紫外線吸収
剤、光安定剤、流動調整剤、レベリング剤、スリップ
剤、分散剤、色分かれ防止剤、酸化防止剤、他のシラン
カップリング剤等の添加剤を加えることができる。顔料
としては、例えば、酸化チタン、べんがら、焼成顔料、
パール顔料等の無機顔料、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、キナクリドンレッド、ペリレン、
イソインドリノン、カーボンブラック等の有機顔料、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム等の体積顔料、アルミフレ
ーク、ステンレスフレーク等のメタリック顔料が挙げら
れる。また、艶消し剤として、ポリエチレンワックス、
ポリプロピレンワックス、シリカ系艶消し剤を添加する
こともできる。紫外線吸収剤はベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、蓚酸アニリド系化合
物等の有機系紫外線吸収剤、超微粒子酸化チタン、酸化
セリウム等の無機系紫外線吸収剤が使用できる。
【0037】本発明の塗料用組成物は、スプレー塗装、
ロールコーター、はけ塗り等によって各種有機塗膜上に
塗装することができるが、基材に直接塗布することもで
きる。塗布可能な基材としては、金属、プラスチック、
木材、紙、セラミック、セメント系基材等に直接装する
ことができる。金属としては、SUS、アルミ、亜鉛鋼
板等がある。プラスチックとしては、ABS、FRP、
PC、硬質PVC、ベークライト、エポキシ、ポリアク
リル、ポリウレタン等が挙げられる。セメント系基材と
しては、モルタル、コンクリート等が挙げられる。塗装
膜厚は乾燥時10〜100μmであることが好ましい。
【0038】
【実施例】(顔料分散液の調製)クロロトリフルオロエ
チレン(CTFEと略す)/アクリル酸シクロヘキシル
(CHAと略す)/ビニルトリメトキシシラン(VMS
と略す)からなり、その構成比がモル%で38/57/
5であり、数平均分子量Mn=14000である加水分
解性シリル基含有フッ素樹脂(F−1)のナフサNo6
/酢酸ブチル=9/1(wt%)の混合溶剤の60%溶
液を用いて以下の配合を行い、ペイントコンディショナ
ーで顔料分散した後ガラスビーズを濾過し白色分散液
(W−1)を調製した。 F−1の60%溶液 62.0g 酸化チタン{石原産業(株):CR95} 24.8g 分散剤(ビックケミー社:Disperbyk110) 0.3g ナフサNo6 11.0g オルト蟻酸トリメチル 1.9g ガラスビーズ 80.0g フッ素樹脂として、CTFE/アクリル酸ブチル(BA
と略す)/CHA/VMSからなりその組成比が42/
5/48/5でMn=13000である共重合体(F−
2)のナフサNo6/酢酸ブチル=9/1(wt%)の
混合溶剤の60%溶液を用いる以外は同じ配合で白色分
散(W−2)を調製した。
【0039】(アミノシランとイソシアネート化合物の
反応物の合成) 合成例1 γ−アミノプロピルトリエトキシシランの22.1g
(0.1mol)、キシレンの22.1gを入れたナス
フラスコに窒素気流下でγ−イソシアネートプロピルト
リエトキシシランの51.9g(0.21mol)とキ
シレンの51.9gの混合物を攪拌しながら室温で1時
間かけて滴下した(NH/NCO=1.0/1.0
5)。混合液を更に40℃で5時間攪拌し、ガスクロマ
トグラフィー分析したところ、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシランの反応率は99%を越えていたため室温
に戻した。反応液中の未反応アミノシラン量は0.2w
t%であった。反応液(R−1)はそのまま使用した。
【0040】合成例2 γ−ベンジルアミノプロピルトリメトキシシランの2
5.5g(0.1mol)、キシレンの25.5gを入
れたナスフラスコに日本ポリウレタン工業(株)製ポリ
イソシアネートであるコロネートHX(NCO%=2
1.2)の20.8g、キシレンの20.8gを混合し
たものを、50℃で攪拌しながら1時間かけて滴下した
(NH/NCO=1.0/1.05)。混合液を更に5
0℃で5時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー分析した
ことろ、γ−ベンジルアミノプロピルトリメトキシシラ
ンの反応率は98%であったので室温に戻した。反応液
中の未反応アミノシラン量は0.6wt%であった。反
応液(R−2)はそのまま使用した。
【0041】合成例3 ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンの34.2
g(0.1mol)、キシレンの34.2gを入れたナ
スフラスコに武田薬品工業(株)製のポリイソシアネー
トであるタケネートD−177N(NCO%=20.
0)の21.0g、キシレンの21.0gを混合したも
のを、室温で攪拌しながら1時間かけて滴下した(NH
/NCO=1.0/1.0)。混合液を更に40℃で5
時間攪拌し、ガスクロマトグラフィー分析したことろ、
ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンの反応率は
95%であったので室温に戻した。反応液中の未反応ア
ミノシラン量は1.6wt%であった。反応液(R−
3)はそのまま使用した。
【0042】合成例4 ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンの27.3
g(0.08mol)、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシランの2.2g(0.01mol)キシレンの2
9.5gを入れたナスフラスコに武田薬品工業(株)製
のポリイソシアネートであるタケネートD−177N
(NCO%=20.0)の22.1g、キシレンの2
2.1gを混合したものを、室温で攪拌しながら1時間
かけて滴下した(トータルNH/NCO=1.0/1.
05)。混合液を更に40℃で5時間攪拌し、ガスクロ
マトグラフィー分析したことろ、ビス(トリメトキシシ
リルプロピル)アミンの反応率は92%、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランの反応率は99%を越えてい
たので室温に戻した。反応液中の未反応アミノシラン量
は2.1wt%であった。反応液(R−4)はそのまま
使用した。
【0043】(塗料組成物の調製) 配合実施例1〜9 下記表1の配合で白塗料を配合した(数字は質量を示
す)。
【0044】
【表1】
【0045】比較配合例1〜6 下記表2の配合で白塗料を配合した(数字は質量を示
す)。
【0046】
【表2】
【0047】実施例1〜9および比較例1〜6の塗料組
成物について以下の試験を行った。 密着性試験1 5052Pアルミ板上に関西ペイント(株)製の弱溶剤
型エポキシプライマーであるエスコマイルドを塗装した
(乾燥膜厚約30μ)。屋外にて1ケ月乾燥した後、そ
の上に実施例1〜9、比較例1〜6の組成物をスプレー
塗装した(乾燥膜厚約30μ)。23℃、相対湿度50
%の恒温室で1週間乾燥した。乾燥塗膜を40℃温水に
2日間浸積した。温水から出した直後と出して4時間放
置後の塗膜について碁盤目(100目)を入れセロテー
プ(登録商標)剥離を行いJIS K5400記載の1
0点法で評価した。結果を下記表3に示す。 密着性試験2 5052Pアルミ板上に川上塗料(株)製エポキシプラ
イマー:エトン2100を塗装した(乾燥膜厚約30
μ)。屋外にて1ケ月乾燥した後、その上に実施例1〜
9、比較例1〜6の塗料をスプレー塗装した(乾燥膜厚
約30μ)。23℃、相対湿度50%の恒温室で1週間
乾燥した。乾燥塗膜を40℃温水に2日間浸積した。温
水から出した直後と出して4時間放置後の塗膜について
碁盤目(100目)を入れセロテープ剥離を行い、JI
S K5400記載の10点法で評価した。結果を表3
に示す。 可使時間 実施例1〜9および比較例1〜6の塗料組成物をポリカ
ップに配合し、常温で増粘し始めるまでの時間を測定し
た。結果を下記表4に示す。 低温硬化性 実施例1〜9および比較例1〜6の塗料組成物をブリキ
板にバイコーターで塗装した(乾燥膜厚約30μm)。
塗装30分後に5℃の恒温槽に入れた。1日毎に、キシ
レンを塗膜に1滴落し、指で軽くこすり塗膜が溶解する
か確認した。不溶部が生じ始める日数を表4に示す。 耐汚染性 実施例1〜9および比較例1〜6の塗料組成物を505
2Pアルミ板にスプレー塗装した(乾燥膜厚約30
μ)。23℃、相対湿度50%の恒温室で1週間乾燥し
た。乾燥塗膜を名古屋市南部の工業地帯に3ケ月間45
度の角度で暴露を行った。初期と試験後の明度差(Δ
L)を測定した。結果を表4に示す。 促進耐候性 実施例1〜9および比較例1〜6の塗料組成物を505
2Pアルミ板にスプレー塗装した(乾燥膜厚約30
μ)。23℃、相対湿度50%の恒温室で1週間乾燥し
た。サンシャインウエザメーターをJISK5400に
準じた条件で2000時間試験した後の光沢保持率
(%)を表4に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】実施例1〜9の組成物はすべて、可使時間
が8時間以上あり、低温硬化性も良好であった。その塗
膜はプライマーとの密着性が良好で、促進耐候性も良好
であった。実施例5〜9の組成物はアルコキシシランの
加水分解縮合物であるシリケート48が配合されている
もので、耐汚染性も優れていた。比較例2の組成物は
(B)成分であるR−4が多量に配合された特許請求の
範囲外のものであり、低温硬化性は良好であったが可使
時間は短かった。比較例4の組成物は(B)成分は配合
されていない代わりに特定のシランカップリング剤が配
合された特許請求の範囲外のものであり、塗膜の密着性
は良好であったが、組成物の可使時間が極めて短いもの
であった。その他の比較例の組成物はいずれも塗膜の密
着性が悪いものであった。
【0051】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は可使時間を低下さ
せることなく、プライマーへの密着性に優れ、低温での
硬化速度、耐候性に優れた塗膜を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/00 C09D 183/00 183/02 183/02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)〜(D)を必須成分とするフッ
    素系塗料用組成物において、(A)成分100質量部あ
    たり、(B)成分が0.01〜10質量部および(C)
    成分が0.002〜5質量部であるフッ素系塗料用組成
    物。 (A)加水分解性シリル基を有し、有機溶剤に可溶な含
    フッ素共重合体 (B)アミノシラン類とイソシアネート化合物の反応生
    成物、2,2,6,6−テトラ置換ピペリジニル基を含
    有する化合物、加水分解性シリル基を有するケチミン誘
    導体ならびにウレイド基および加水分解性シリル基を有
    する化合物からなる群より選ばれた1種以上の化合物 (C)硬化触媒 (D)有機溶剤
  2. 【請求項2】前記(A)が加水分解性シリル基を有する
    オレフィン性単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル
    単量体単位およびフルオロオレフィン単量体単位を必須
    構成単位とする含フッ素共重合体である請求項1記載の
    フッ素系塗料用組成物。
  3. 【請求項3】前記(A)〜(D)成分の他に、アルコキ
    シシランの加水分解縮合物を必須成分とする請求項1ま
    たは請求項2記載のフッ素系塗料用組成物。
  4. 【請求項4】弱溶剤型プライマー上に請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載のフッ素系塗料用組成物を塗装する
    ことを特徴とするフッ素系塗料用組成物の塗装方法。
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