JPH02735Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はロール状感光物の収容箱に関し、特に
構造が簡易でしかも遮光性のよい収容箱に関する
ものである。

写真植字機、カラー及び白黒ロールプリンター
等には、種々の幅のロール状感光物が用いられる
が、これらを植字機等に装填するためにはこれら
の種々の幅のロール状感光物を収容する各種の専
用のマガジンが必要となる。ところが従来は、こ
の種のマガジンは金属製であつた為に不経済であ
り、かつロール状感光物を写真植字機、カラー及
び白黒ロールプリンター等の金属製マガジンに詰
め換える作業が必要であるためその作業の際に暗
室を必要とし、この際装着方法を誤ると感光材料
を破損したり、光線カブリを生ずる等の事故を生
ずることがあつた。

本考案はこの様な欠点を改良したもので、本考
案により明室中でロール状感光物を写真植字機等
に装填することができるようになり、金属製のマ
ガジンは不要となつた。

即ち本考案はロール状感光物を収容するホルダ
ーと、該ホルダーに適合するフタとから成り、該
ホルダーはロール状感光物を巻き着ける巻き着け
軸を回転自在に保持する軸受け部と、該巻き着け
軸と平行なホルダーの側面に形成された折り返し
とを有していることを特徴とするロール状感光物
収容箱を提供するものである。

以下に添付の図面に示した実施例に基づいて本
考案をさらに詳細に説明する。

第１図及び第２図において、本考案に係る収容
箱を構成しロール状感光物を収容するホルダー１
は、細長い長方形の底面１１と、該底面１１の各
辺から垂直に立ち上がる４つの壁面とからなる。
但しこの底面の形状は収容するロール状感光物の
形状に応じて正方形等の形状をとりうるものであ
り、また壁面もその高さ等がロール状感光物に応
じて選択されうることは勿論である。底面１１の
長手方向に沿う壁面１０には、ホルダー１を形成
する箱体の外方へと折曲された折り返し２が設け
られている。また他の２つの壁面には第３図に示
した軸受け５を挿通しうる孔部６が穿設されてい
る。第１図の展開図に示されるように、ホルダー
１の底面１１及び壁面の接合する辺部はすべて折
り返しによつて作成されているため、かかる部位
における遮光性は極めてよく、また第３図に示す
ロール状感光物４は中空の巻き着け軸３に巻きつ
けられ、この巻き着け軸３に孔部６を介して軸受
け５が嵌入されるので、孔部からも光が洩れるこ
とはない。このようにしてホルダー１にロール状
感光物４が保持された状態を示せば第４図のごと
くである。なお、ロール状感光物４を巻き着ける
巻き着け軸３は通常紙管が用いられ、軸受け５と
してはプラスチツク製のものが軽量であることか
ら好ましい。また、ロール状感光物４はホルダー
１に引き出し自在に保持される必要があるが、そ
のためには巻き着け軸３の中空の芯部の直径をそ
れに嵌入される軸受け５の直径よりも大きくし、
軸受け５をホルダー１の孔部６に固着すること、
あるいは巻き着け軸３への軸受け５の嵌入をやや
窮屈とし、ホルダー１の孔部６への軸受け５の挿
通を緩挿状態とするなどして、巻き着け軸３をホ
ルダー１に回転自在に保持すればよい。又、第５
図のようにロール状感光物４を巻き着けた巻き着
け軸３の芯部に、より細い保持軸７を挿入し、こ
の保持軸７をホルダー１の軸受け用孔部６を通し
た軸受け５で保持することによりロール状感光物
４を回転自在にホルダー１に収容することもでき
る。

ロール状感光物を収容するホルダー１には第６
図及び第７図に示すフタ８が被せられ、これによ
つて本考案の収容箱が形成される。このフタ８は
ホルダー１に組み合わせられるように適合する箱
体からなり、細長い長方形の頂壁面と、そこの各
辺から垂下する壁面よりなる。このフタ８も頂壁
面及び壁面の接合する辺部が折り返しによつて作
成されていて切り込みがないため、やはりホルダ
ー１と同様に遮光性がよいものである。なお９は
フタの長手方向に沿う壁面のフタ内部への折り返
しであり、この折り返し９は糊付け等されて該壁
面の強度を増し、フタがたわむのを防ぐ効果を有
する。第８図及び第９図はホルダー１の孔部６に
適合するように孔部１２を穿設したフタ１３を示
す。このように孔部１２を穿設した場合は、これ
を介して軸受け５を固定することもできる。第７
図及び第９図のそれぞれのフタを用いて本考案の
収容箱をロール状感光物を保持した状態を第１０
図及び第１１図に示す。

第１３図において、フタ８の折り返し９はフタ
の内面に固着されているが、ホルダー１の折り返
し２は単にホルダー１の外方へと折り返されてい
るのみである。従つてこの折り返し２はフタ８を
押圧するように作用するので、折り返し２とフタ
の折り返し９とは圧接し、その間を通過して引き
出されるロール状感光物４に対する遮光性が極め
てよい。また前記のごとく、フタ８及びホルダー
１の各辺、各角は折り返しから作成されてなるも
のであるから、全体として構造が簡易であるにも
拘らず、そのまま写真植字機等に装填してロール
状感光物を自由に引き出すことができ、かつ遮光
性の良好な収容箱を提供するものである。そして
ホルダー１の折り返し２を有する側面１０の高さ
は、ホルダー１の底面１１と巻き着け軸３のホル
ダー１の底面１１より遠い側との長さにほぼ等し
い位が、ロール状感光物４を引き出しやすく、か
つ光線もれを防ぐことから好ましい。又、フタ８
及びフタ１３の折り返し９は、ホルダー１の側面
１０の高さよりも長い方が、フタ８を強くし収容
箱の変形を防ぐことから好ましい。

本考案のホルダー１、フタ８及びフタ１３は、
軽量で丈夫でありかつ使い棄てにすることができ
るように、厚手の多少硬めの紙（例えばダンボー
ル）を用いて作成することが好ましい。又、ホル
ダー１、フタ８及びフタ１３の内側又は全体を黒
色とすることにより光線もれをなくすことができ
る。

本考案の収容箱に収容できるロール状感光物と
しては、非銀塩及び銀塩の感光物があり、銀塩の
感光物として白黒フイルム、白黒印画紙、カラー
フイルム、カラー印画紙が使用でき、それらの中
でも白黒印画紙、カラー印画紙が好ましく、特に
写真植字用の高感度白黒印画紙が好ましい。又、
ハロゲン化銀、長鎖脂肪酸銀、還元剤を含有する
熱現像性感光材料を、ロール状感光物として収容
することもできる。

本考案においては、第２図、第４図及び第１３
図に示されるようにホルダー１が折り返し２を有
している為、フタ８又はフタ１３とホルダー１の
すき間からの光線もれを防ぐことができる。それ
故本考案のロール状感光物収容箱により、従来の
金属製マガジンは不要となり、暗室も不要となつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図はロール状感光物を収容するホルダーの
展開図、第２図は組み立てたホルダーの斜視図、
第３図はロール状感光物及びロール状感光物を保
持する軸受けの関係を示す斜視図、第４図はロー
ル状感光物を収容したホルダーの斜視図、第５図
はロール状感光物の巻き着け軸中に保持軸が挿入
された状態の斜視図、第６図はフタの展開図、第
７図は第６図のフタを組みたてた状態の斜視図、
第８図は軸受け部を外部から固定するための孔部
を有しているフタの展開図、第９図は第８図のフ
タを組み上がりを示す斜視図、第１０図は第２図
のホルダーと第７図のフタを用いてロール状感光
物を収容した状態の斜視図、第１１図は第２図の
ホルダーと第９図のフタを用いてロール状感光物
を収容した状態の斜視図、第１２図は第１０図の
縦断面図、第１３図は第１０図の横断面図であ
る。 １……ホルダー、２……ホルダーの折り返し、
３……巻き着け軸、４……ロール状感光物、５…
…軸受け、６……ホルダーの軸受け用孔部、７…
…保持軸、８……フタ、９……折り返し、１０…
…折り返しを有する側面、１１……底面、１２…
…外部から軸受け部を固定するための孔部、１３
……外部から軸受け部を固定するための孔部を有
するフタ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ロール状感光物を収容するホルダーと、該ホ
   ルダーに適合するフタとから成り、該ホルダー
   はロール状感光物を巻き着ける巻き着け軸を回
   転自在に保持する軸受け部と、該巻き着け軸と
   平行なホルダーの側面に形成された折り返しと
   を有していることを特徴とするロール状感光物
   収容箱。 ２ フタには軸受け部を外部から固定するための
   孔部が設けられている実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のロール状感光物収容箱。