JPH04135757U - 遮光カセツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 取扱い時あるいは運搬、輸送時における外
圧、衝撃および温湿度等の環境条件の変化により、カセ
ットが少々変形しても、引出口は常に遮閉状態が保持さ
れ、引出口からの光線もれを防止でき、しかもこの効果
が長期的に確実に維持される遮光カセットを提供する。 【構成】 収容箱１０の上面前端部と前面上端部を収容
箱内部に折込んで収容箱の巾方向にスリット状引出口６
を形成した収容箱本体１０において、前記上面前端部の
折込部７と上面内部壁に固定し、前面上端部の折込部８
には折り目の内面に収容箱の巾方向のほぼ全長にわたり
弾性材１１を貼着し且つ該折込部を前面内部壁に固定す
ることなくフリーの状態とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は感光材料ロール物の遮光カセットに関するもので、詳しくは感光材料 引出口の遮光性をよくすると共に、感光材料の安定した引出しを可能とする遮光 カセットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

写植用印画紙ロール物の遮光カセットには、写植機に備え付けの金属製カセッ トと、本体が板紙、ダンボール等からなり、側面板がプラスチックからなる使い 捨てカセットがある。 本考案は後者のカセットに関するものである。使い捨てカセットは低コストが 宿命付けられている事に起因して素材的にも自ずと限定され、外圧、衝撃及び温 湿度等の環境条件の変化への対応性に乏しく、感光材料引出口の間隙の寸法安定 性は前者の金属製カセットの比ではなく劣るものである。従って、カセットの感 光材料引出口の間隙は感光材料の有無に拘らず、適当な弾性を有したゼロの状態 を理想とするものの、環境条件の変化により間隙の寸法がゼロ以上となった場合 、引出口から光線が洩れ感光物としては致命的な光線カブリが生じると共に、写 植機による操作時に感光材料の蛇行及びリバース時の捲戻りが生じる。 斯かる問題を解決すべく、図４に示すような、収容箱の上面前端部と前面上端 部を収容箱内部に折込んで、前記上面前端部の折込部を上面内部壁に固定するこ となくフリーの状態にしておく方法が提案されている（実開昭61-49353号公報） 。ところが、このようなカセットでは、感光材料引出時において、感光材料ロー ル物３を使用するにあたり捲径が小さくなるにつれて引出性（通紙性）が悪くな るという問題があった。

【０００３】 更に、上記問題を解決するため、図５に示すように、図４とは逆に上面前端部 の折込部を上面内部壁に固定し、前面上端部の折込部を前面内部壁に固定するこ となくフリーの状態にしたカセットが提案され（実開平２-136243 号公報）、斯 かるカセットによれば引出性（通紙性）の問題は解決したとされている。

【０００４】 しかしながら、本考案者の検討によれば、実開平２-136243 号公報の紙製カセ ットは、その構造上から長期使用により前面上端部の折込部８の元に戻ろうとす る反発力が失われることがあり、この問題は素材として紙を用いる以上容易に解 決し得ないものであり、結果的に遮光性に問題が生ずることがあった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案者は従来技術における上記問題点を解決するため、遮光カセットの引出 口の構造につき鋭意検討した結果、本考案を完成するに至った。 即ち、本考案は収容箱の上面前端部と前面上端部を収容箱内部に折込んで収容 箱の巾方向にスリット状引出口を形成した紙製収容箱本体において、前記上面前 端部の折込部と上面内部壁に固定し、前面上端部の折込部には折り目の内面に収 容箱の巾方向のほぼ全長にわたり弾性材を貼着し且つ該折込部を前面内部壁に固 定することなくフリーの状態としたことを特徴とする遮光カセットを提供するも のである。

【０００６】 以下添付図面により本考案の遮光カセットを説明する。 図１は本考案に用いられる１カセット例の構成を示した一部解体斜視図、図２ は本考案のカセット例の引出口の側断面図、図３は引出口の前面上端部の折込部 を開いた状態を示す側断面図である。 図１において、カセットは紙製の収容箱本体10にプラスチック製のキャップ型 側面板４と4'をはめ込むことにより形成されるが、予めカセット内に装填された 、感光材料１が巻芯２に巻付けられた感光材料ロール物３の該巻芯２に側面板４ 及び4'の巻芯保持軸５及び5'（但し、側面板4'の保持軸5'は図に表示されていな い）をかませることにより、感光材料ロール物３はカセット内で宙吊り状態とな り、カセットの巾方向に形成された引出口６から感光材料を引出せる構造となっ ている。 図２の引出口６において、折込み上面部７は収容箱本体10の上面上部壁に固定 されているのは前述の実開平２-136243 号公報と同様である。

【０００７】 本考案では、前面上端部の折込部には折り目12の内面に収容箱の巾方向（図１ の側面板４から4'に至る方向）のほぼ全長にわたり弾性材11を貼着し且つ該折込 部を前面内部壁に固定することなくフリーの状態としたことに特徴がある。ここ で、ほぼ全長とは収容箱本体10の全長と実質的に同一であることを意味するが、 設計上、組立上の要請により多少短めでも構わない。かくすることにより図２に 示すように弾性材11の反発力により上方向に向かう圧力（図中Ｘ）が加わり、遮 光性が長期的に維持される。この上方向に向かう圧力は弾性材11の圧縮強度によ り調整でき、弾性材11としては一般に圧縮強度(JIS K 6767 25％歪み) が10〜50 g/cm² 程度のものを用いるのが好ましい。この程度の圧縮強度を有するものであ れば素材的には特に限定されないが、エーテル系ポリウレタン及びエステル系ポ リウレタンの25〜50倍発泡体が好ましい。 該弾性材11は、図３に示すように折り目12の内面をほぼ中心に貼着され、その 形状は特に限定されないが貼着の便宜、弾性力の調整の容易さ等から断面矩形状 のものが良い。

【０００８】 本考案のカセットは、引出口６の端部においては、折込上面部７と折込下面部 ８が密接に面接触あるいは線接触の状態となり、この状態が長期的に確実に維持 される。 従って、本考案によれば、収容箱本体に多少の変形が生じても、引出口の全面 にわたって間隙が発生するおそれが少なく、外からの光線もれが防止できる。 又、図面において９は、ペッチン等の緩衝布であり、引出口に緩衝布９を貼着 することにより、光線もれをより効果的に防止できると同時に感光材料の通紙性 が向上する。 尚、上記においては引出口６が収容箱本体10の上部に設けられている例につい て説明したが、引出口６が収容箱本体10の下部に設けられている場合についても 、折込上面部と折込下面部を逆転させ、引出口を本考案の構成と同様にし適用す ることができるのは勿論であり、斯かるカセットも本考案に包含される。

【０００９】 本考案の紙製収容箱本体の素材は特に限定されないが、低コストを達成するた めに板紙、ダンボール等の紙が通常使用される。これらの紙の中でもできるだけ 外圧、衝撃、温湿度等に対して強いものが望ましいことはいうまでもない。又カ セット壁の遮光性を向上させる上で黒色ポリエチレンフィルム（ポリエチレンに カーボンブラックの如き黒色の着色剤を含有させたもの）をラミネート加工した 紙も有用である。コスト的に許されるならばアルミ箔の如き金属箔をさらに積層 したものはカセットの強度とともにカセット壁の遮光性を良くする上でより好ま しい。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によれば、遮光カセットの取扱い時あるいは運搬、輸送時における外圧 、衝撃および温湿度等の環境条件の変化により、カセットが少々変形しても、引 出口は常に遮閉状態が保持され、引出口からの光線もれを防止でき、しかもこの 効果が長期的に確実に維持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】カセット例の全体構成を示す一部解体斜視図で
ある。

【図２】本考案のカセット例の引出口の側断面図であ
る。

【図３】本考案のカセット例の引出口の前面上端部の折
込部を開いた状態を示す側断面図である。

【図４】従来のカセット例の引出口の側断面図である。

【図５】従来の別のカセット例の引出口の側断面図であ
る。

【符号の説明】

1 …感光材料 2 …巻芯 3 …感光材料ロール物 4,4'…側面板 5 …巻芯保持軸 6 …感光材料引出口 7 …折込上面部 8 …折込下面部 9 …緩衝布 10…収容箱本体 11…弾性材 12…折り目

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 収容箱の上面前端部と前面上端部を収容
   箱内部に折込んで収容箱の巾方向にスリット状引出口を
   形成した紙製収容箱本体において、前記上面前端部の折
   込部と上面内部壁に固定し、前面上端部の折込部には折
   り目の内面に収容箱の巾方向のほぼ全長にわたり弾性材
   を貼着し且つ該折込部を前面内部壁に固定することなく
   フリーの状態としたことを特徴とする遮光カセット。