JPH0631464Y2 - パトロ−ネ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、大型のロール状感光紙または感光フィルムを
収容するもので、一枚のブランクス基板を筒状に成形し
て成り、長手方向に収容物引出し部を備えたパトローネ
に関し、特に引出し部に断面Ｌ字形のアングルを固着し
たものである。

〈従来の技術〉 従来のこの種の大型のパトローネは、第５図に示すよう
に厚さ２mm程度の厚紙または段ボールの方形ブランクス
基板の両端部に折曲線m1，m2，m3を介して貼着部５１、
５１、内当部５２、５２、引出ガイド部５３、５３、を
区画し、特に折曲線ｍ１は内側から凹刻すると共にミシ
ン目を設けたものである。この基板の角筒状に折曲成形
すると共に、貼着部５１、５１、内当部５２、５２、引
出ガイド部５３、５３を内側に折曲げ、保護シート(57)
を貼着した引出ガイド部５３、５３を重合させると共に
貼着部５１、５１を側面板５５、５の内面に貼着するこ
とにより引出し部６０を形成してなるものであった。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし、この従来技術においては、基板端部を折曲して
引出し部を形成しているため、基板が厚紙や段ボールの
ように肉厚がある場合、両端部の曲げ抵抗が強く、折曲
線にミシン目や凹刻線を設けねばらなず製造効率が低
く、また安定したものが得られない。また引出し部が紙
製であるため、ロール状の収容物を引出す際の引出し荷
重が安定しないという問題点がある。

そこで本考案は断面Ｌ字形のアングルを固着することに
より、製造工程数が少なく、製造効率が高く、かつ取出
し部が補強されたパトローネを提供することを目的とす
る。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、以上の問題点を解決するためになされたもの
で、一枚のブランクス基板を角筒状に折曲成形し、両端
部を蓋体で被覆して成る引出し部を備えたパトローネに
おいて、ブランクス基板の両側端縁外面から一方が内面
側に突出し、覆うように断面Ｌ字形のアングルを両側に
固着し、折曲成形することより、前記アングルの対向面
で引出し部を形成したことを特徴とするものである。

〈作用〉 本考案は、以上の構成となっているので、ブランクス基
板に引出し部を形成するための凹刻線やミシン目を設け
る工程、強い曲げ抵抗に反してブランクス基板の両端部
を巻込んで貼着部を貼着する工程を必要とせず、断面Ｌ
字形のアングルを固着する工程に代替することができ
る。

〈実施例〉 本考案を図面を用いて詳細に説明する。第２図は、本考
案の一実施例を示す角筒用のブランクス基板(1)を示す
平面図であり、厚さ１．８mmの方形の基材に折曲線（ｌ
_１），（ｌ_２），（ｌ_３），（ｌ_４）を設け、左正面板
(12)、側面板(13)、背面板(14)、側面板(15)、右正面板
(16)を区画形成したものである。側面板(13)，(15)は同
幅で、背面板(14)の幅は左正面板(12)と右正面板(16)の
幅の和より引出し部(20)を形成するために僅かに広くな
るように設定する。

図中２，２′は貼着部(5)、(5)′と引出しガイド部
(6)、(6)′が垂直に成型されてなる断面Ｌ字形の合成樹
脂製アングルであり、ブランクス基板(1)の左右正面板
(12)，(16)の開放側端縁(30)，(30)′が角部に当接し、
引出しガイド部(6)、(6)′が内面側に突出すように貼着
部(5)、(5)′を左右正面板(12)、(16)の端部外面に接着
剤、両面テープ等で固着する。

（第３図参照） このアングル(2)、(2)′を備えたブランクス基板(1)を
折曲線（ｌ_１），（ｌ_２），（ｌ_３），（ｌ_４）で折曲
げて角筒状に成形すると共に、アングル(2)、(2)′の対
向する引出しガイド部(6)、(6)′外面間に保護層をなす
２枚の植毛シート(3)、(3)′を第１図に示すように狭み
込み係止し、引出し部(20)を形成する。（第４図参照） この角筒体の上下両端部に蓋体を被覆してパトローネと
なる。（図示せず） 上記ブランクス基板(1)をなす基材としては、段ボー
ル、厚紙等が使用でき、例えば、 外層 白色の波形ライナー 内層 白色の上質紙と貼合した黒色のポリエステルフィ
ルム のＥ段ボールを使用する。基材の厚さは１．５mm〜３．
０mm程度のものが強度、遮光性の点で適当である。

植毛シート(3)、(3)′はベースフィルム(18)とパイル(1
9)とからなり、ともに遮光性と静電防止性を有るものを
素材として使用することができる。色は、黒が適当で、
写真フィルムとの適性が良くない塩化ビニル以外のもの
を使用する。また保護層としては植毛シート以外にフェ
ルトを使用することもできる。

例えば、対向する引出しガイド部(6)、(6)′の間隔を
２．０mmに設定する時に、ベースフィルム(18)の厚さが
０．３〜０．５mm、パイル(19)が長さ８mm程度の毛長の
植毛シートを使用する。

また保護層をなす植毛シート(3)、(3)′やフェルトはア
ングル(2)、(2)′の引出しガイド部(6)、(6)′に貼着し
てもよい。

本考案のパトローネを使用するには、内部にロール状の
感光紙または感光フィルムを収容し、アングル(2)、
(2)′によって形成される引出し部20の植毛シート(3)、
(3)′の間から感光紙を引出せばよく、カラーコピー機
に装填して使用する。

〈考案の効果〉 以上述べたように本考案によるパトローネは、ブランク
ス基板端縁に固着したアングルの対向面で引出し部を形
成するので、引出し部を形成するのに厚紙の端部を巻込
んで貼着したり、そのためにミシン目や凹刻線を設ける
といった工程を必要とせず、製造効率が高く、安定した
製品を得ることができる。

また引出し部が補強されるので、使用時の引出し荷重を
安定させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はブラン
クス基板を示す平面図、第２図は完成品の拡大断面図、
第３図、第４図は組立て過程を示す斜視図、第５図は従
来の断面図である。 (1)……ブランクス基板 (2)、(2)′……アングル (3)、(3)′……植毛シート (12)……左正面板 (13)、(15)……側面板 (14)……背面板 (16)……右正面板 (20)……引出し部 (30)，(30)′……ブランクス基板側端縁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一枚のブランクス基板を角筒状に折曲成形
   し、両端部を蓋体で被覆してなる引出し部を備えたパト
   ローネにおいて、ブランクス基板の両側端縁外面から一
   方が内面側に突出し、覆うように断面Ｌ字形のアングル
   を両側に固着し、折曲成形することにより、前記アング
   ルの対向面で引出し部を形成したことを特徴とするパト
   ローネ。