JPH0247627B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は入力軸および出力軸上に対向して装着
された入出力デイスク間にそれと係合して配置さ
れた運動伝達用パワーローラを有する牽引ローラ
無段変速機に関する。

かかる変速機の変速制御はパワーローラが係合
した円環体を形成する入力および出力デイスクと
のパワーローラの異る係合圏を与えるためにパワ
ーローラ支持構体の回動を生ぜしめる変位運動を
与える力を加えることによつて得られる。かかる
変速機は本出願人の米国特許第4275610号、第
4086820号および第3810398号ならびに特願昭56年
−108947号に詳述されている。

高パワーの牽引ローラ無段変速機の制御はパワ
ーローラが、パワーローラ支持構体を、自身の枢
軸の方向にわずかに動かし、入出力デイスクとパ
ワーローラの接触点を変える変位運動を許して伝
達比の変更を開始せしめる自由が与えられねばな
らないため、また変速機の作動時にパワーローラ
の該変位運動と同方向の反作用力がパワーローラ
に加えられるため、常に問題があつた。従来の設
計は例えば流体圧ピストンにより変位運動をする
ための力が加えられ各伝達比に対して該ピストン
の所定の位置を与えるカム手段をそなえている。

しかし変位運動をするための力は同時に伝達反
作用力に順応せねばならないため相当に大きく従
つてカムおよびカムローラは摩耗を受け、いずれ
にせよ強度が大でなければならない。従つてその
結果得られる設計はきわめて高価である。

入出力デイスクの間にそれと摩擦係合して配置
された運動伝達用パワーローラをそなえた牽引ロ
ーラ無段変速機において、パワーローラは軸方向
に可動で伝達比の変更の開始を許す支持構体上に
装着されている。パワーローラ支持構体には該支
持構体と直接関連した流体圧ピストンおよびシリ
ンダ配置により変位運動をするための力が加えら
れる。パワーローラ支持構体はピストンおよびシ
リンダ装置への圧力流体の供給を制御するために
設けられたサーボ弁を有するカム従動子付きのカ
ム手段を担持するトラニオンを有する。

このようにしてサーボ弁を制御するための制御
力のみがカム手段を介して伝達されるのに対し、
変位運動をするための力は直接支持構体に加えら
れる。従つて高価なカムおよびローラ手段は不必
要である。実際、カムおよびローラ手段を介して
ローラ支持構体に変位運動するための力が加えら
れていた変速機に生じていたローラの躍りは無く
なりコストもずつと低くなる。

本発明が関する型式の牽引ローラ無段変速機の
詳細の説明およびその基本的作動動の説明は先に
引用した文献、特に米国特許第4086820号に記載
されている。

第１図に示すごとく、かかる変速機は本質的に
は該変速機を介して伝達されるトルクに依存する
力でもつてパワーローラ１２との確固な係合状態
に押圧されるトロイド状入出力デイスク１４の間
に配置され、これらを支持しているハウジング１
０とによりパワーローラ１２が成る。パワーロー
ラ１２は対向する支持構体１６と１７の間の半径
方向力をバランスさせ該支持構体１６，１７の軸
方向移動を許して伝達比の変更を開始せしめる張
力部材１９上に軸受１８により枢支されたパワー
ローラ支持構体１６，１７により支持されてい
る。

支持構体１６，１７に軸方向に隣接してこれと
衝合すべくばね２８により付勢されるかあるいは
支持構体１６，１７に連結された制御ピストン２
４，２５，２６，２７を受容するシリンダ２０，
２１，２２，２３がハウジング１０に形成してあ
る。第１図に示すごとく、ローラ支持構体の１
つ、即ち、ローラ支持構体１６にはロツド２９が
装着されており、該ロツド２９にピストン２５お
よびハウジング１０を貫通して延び、変位カム面
３１をそなえた変位３０を担持している。変位３
０に連接してハウジング１０上には主制御弁３２
が装着されている。これはスプール３３が弁ハウ
ジング３４内に配置されそして変位カム３０の表
面３１と衝合すべくばね３６により付勢されたロ
ーラ３５を担持する通常の４方向弁である。主制
御弁には圧力流体源から圧力流体を受けるための
圧力流体供給管路３７と圧力流体分配管路３８お
よび３９とが配管されており、このうち管路３８
はシリンダ２０，２２に連結され管路３９はシリ
ンダ２２，２３に連結されている。主制御弁３２
はまた流体排出管路４０をも有しており、これは
流体回収領域へか、またはシリンダ２０ないし２
３から排出される低圧流体を受ける潤滑点へ通じ
ている。好ましくは、すべてのシリンダまたはピ
ストンはガスを排出させるようになされた小さな
ガス抜きをそなえている。第１図に示すごとく、
制御弁３２は柱４１上に螺合された制御ノブ４２
により位置が調節されうるようにハウジング１０
上に装着されたねじ山付き支持柱４１上に摺動自
在に支持されている。すなわち、柱４１に比較的
強いばね４３が嵌めてあつて制御ノブ４２の調節
により弁ハウジング３４の位置制御を可能として
ある。

作 動 変速機の伝達比を変える場合には、弁ハウジン
グ３４はばね４３の力に抗して例えば軸方向下方
に移動せしめられる。この移動により流体供給管
路３７と流体分配管路３９とが連通し圧力流体が
シリンダ２１および２３に供給されるようにな
る。同時に分配管路３８も排出管路４０と連通し
てシリンダ２０および２２からの流体の排出およ
びローラ支持構体１６および１７の互いに反対方
向への軸方向プリセス移動を許す。ローラ支持構
体１６は制御弁３２から離れる方向に移動し制御
弁のスプール３３は分配管路３９が閉鎖されるま
でロール支持構体１６と共に回動する変位カム３
０に従動する。ローラ支持構体１６および１７の
変位移動によりパワーローラ１２はそれぞれの入
（出）力デイスク１４との異る係合圏へと回動せ
しめられた伝達比を変更すると共にローラ支持構
体１６および１７を回動させる。適正な所定方向
へ変速機が回動する場合に、制御弁ローラ３５が
カム面３１上を下降するか、またはパワーローラ
支持構体１６が異る伝達比即ちカム面３１の制御
弁ローラ３５との異る接触位置における制御弁の
通常の中立位置へと復帰する方向へローラ支持構
体１６の回動が生じる。

変速機の制御範囲内では制御弁３２の各位置ご
とにローラ支持構体１６および１７の対応した回
動位置、即ち、制御弁位置を調節することにより
簡単に任意の伝達比を設定することができる。

第１図に示した例は、制御弁３２の位置を調節
ノブ４２により調節できるものであるが、しか
し、レバー作動機構等の他の手段を用いてもよ
い。また流体圧的な、あるいは特に自動車変速機
に関しては、吸気負圧作動機構をマスター制御弁
３２の位置制御のために用いてもよい。

自動変速機制御装置のための一例を第２図に概
略的に示す。ここで、エンジンの吸気マニホルド
負圧は加速ペダル位置と組合わせて伝達比を制御
するのに用いられる。加速ペダル５１を踏み込む
ことにより気化器スロツトル５０を全開にすると
制御弁３４が調整ばね５２を経て加速方向に動か
される。しかし同時に、シリンダ５３内の負圧が
相殺されたピストンばね５４に作用してまずピス
トン５５を調整ばね５２に抗して下方へ（第２図
に示すごとく）移動せしめて伝達比を一時的に減
速方向に変更せしめる。エンジン速度は増大しつ
つあるのでエンジン吸気マニホルド内の負圧は高
まりピストンばね５４の力を中和することにより
制御弁を加速方向に移動せしめる。所望の速度に
達するにつれて、加速装置はゆつくりと解除され
やがて前記通常の中立位置に復帰する。

図示のごとき制御装置はその作動についての理
解を容易ならしめるために機械的である。しかし
現代的な技術は上述の機械的手段の代わりに電子
的構成素子を容易に用いるであろう。

いずれにせよ、ここで述べた牽引ローラ無段変
速機の制御による伝達比変更は所望の伝達比変更
の実行を決定し所望の伝達比が維持されることを
確実ならしめるための機械的フイードバツク手段
をそなえた主制御弁装置を移動せしめることによ
り簡単に達成される。作動機構には力が伝達され
ないので作動機構は軽量で廉価ですむ。すべての
力は圧力流体により吸収され、摩耗が大幅に低下
し制御機構の信頼性と寿命が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の変速機に装着した
制御装置を示す断面図、第２図は本発明の特定の
適用例のための制御装置を示す図である。 〔主要部分の符号の説明〕 １０…ハウジン
グ、１２…パワーローラ、１４…入（出）力デイ
スク、１６，１７…ローラ支持構体、２０，２
１，２２，２３…シリンダ、２４，２５，２６，
２７…ピストン、３０…プリセス・カム、３２…
主制御弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジングと、該ハウジング内に回転可能に
   支持された同軸の入力軸および出力軸と、間に円
   環体状空間が形成されるように前記入力軸および
   出力軸上に互いに対向して装着された入出力デイ
   スクと、前記入力軸および出力軸の軸線に関して
   半径方向対称的に前記円環体状空間内に配置され
   た運動伝達用パワーローラと、前記入出力デイス
   クおよび前記パワーローラを両者間で運動を伝達
   するために互いに押圧して係合せしめるための手
   段と、前記各パワーローラのためのものであつて
   自身の枢軸の方向に可動な支持構体と、各パワー
   ローラ支持構体に連接して配置されそれに変位運
   動を伝達するためにそれと連動した少なくとも１
   つの流体圧作動手段とから成り、前記パワーロー
   ラ支持構体の少なくとも１つはそれと一体的に軸
   方向および回動運動をなしうるように装着された
   カム円板を有し、該カム円板のカム面に連結して
   主制御弁が配置され、該制御弁は制御部材と前記
   カム面に接触したカム従動子とを有し、該カム従
   動子は変速機の各伝達比に対し前記カム面に関し
   て所定の位置を有し、前記流体圧作動手段に圧力
   流体を供給することにより、前記パワーローラ支
   持構体と一体的に回動する前記カム面と前記カム
   従動子が所定の位置を保つために、前記主制御弁
   が加圧流体源と前記流体圧作動手段の各々とに連
   結されていることを特徴とする、牽引ローラ無段
   変速機の変速装置。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記流体圧
   作動手段は前記ハウジング内に形成されたシリン
   ダと該シリンダ内に前記パワーローラ支持構体に
   連接し且つそれと衝合して配置されたピストンと
   であることを特徴とする変速装置。 ３ 特許請求の範囲第１項において、各パワーロ
   ーラ支持構体の各端には流体圧作動手段が配置さ
   れていることを特徴とする変速装置。 ４ 特許請求の範囲第３項において、前記カム円
   板は前記ローラ支持構体の１つに連結されピスト
   ンおよびシリンダ内の心合した軸方向開口を貫通
   して延びる心棒の自由端上に装着されていること
   を特徴とする変速装置。 ５ 特許請求の範囲第３項において、前記カム面
   は前記カム円板の正面上に配置されており、前記
   カム従動子は前記パワーローラ支持構体の変位運
   動方向に可動であることを特徴とする変速装置。 ６ 特許請求の範囲第１項において、前記流体圧
   作動手段を作動するための前記圧力流体は液体で
   あり前記ピストンおよびシリンダのいずれか一方
   は前記シリンダからガスを排出するためのガス抜
   きをそなえていることを特徴とする変速装置。 ７ 特許請求の範囲第１項において、特に内燃機
   関作動の自動車に用いるためのものであつて、前
   記制御弁は減速方向に付勢されており、該制御弁
   を加速方向に付勢するための手段が自動車の加速
   ペダルに関連せしめられており、該弁を加速方向
   に付勢することによりエンジン負荷が軽い時に低
   下したエンジン速度を加速するための手段がその
   負荷レベルに応じて設けられていることを特徴と
   する変速装置。