JP3265908B2 - トロイダル型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の変速制御装置

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JP3265908B2
JP3265908B2 JP09832395A JP9832395A JP3265908B2 JP 3265908 B2 JP3265908 B2 JP 3265908B2 JP 09832395 A JP09832395 A JP 09832395A JP 9832395 A JP9832395 A JP 9832395A JP 3265908 B2 JP3265908 B2 JP 3265908B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H61/664Friction gearings
    • F16H61/6648Friction gearings controlling of shifting being influenced by a signal derived from the engine and the main coupling

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Friction Gearing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロイダル型無段変速
機に関し、特にその変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は通常、例えば
特開昭58−54262号公報や、特開平3−2880
62号公報に記載の如くに、また図9に略示するように
構成する。この図9におけるトロイダル型無段変速機
は、同軸配置した入出力コーンディスク1,2と、これ
ら入出力コーンディスク間で油膜を介して摩擦係合によ
り動力の受渡しを行うパワーローラ3とよりなるトロイ
ダル伝動ユニット、および後述の如き変速制御装置を具
える。
【0003】パワーローラ3は、変速機入力トルクに応
じたスラストで入出力コーンディスク1,2間に挟圧さ
れ、パワーローラ3と、入出力コーンディスク1,2と
の間の油膜の剪断によって、パワーローラ3は入出力コ
ーンディスク1,2間での動力伝達を行う。つまり、入
力コーンディスク1の回転は上記油膜の剪断によってパ
ワーローラ3に伝達され、次いでパワーローラ3の回転
が上記油膜の剪断によって出力コーンディスク2に伝達
され、逆に出力コーンディスク2から入力コーンディス
ク1への動力伝達もパワーローラ3を介して同様になさ
れる。
【0004】ここで変速制御装置を説明するに、これは
アクチュエータ(以下、ステップモータと言う)4を有
し、該ステップモータは、目標変速比に対応した変速指
令値(ステップ数)を与えられて対応位置に駆動され、
変速制御弁5の内外弁体5a,5bのうち、外弁体5b
を内弁体5aに対し相対的に中立位置から変位させて変
速制御弁5を開く。これにより、変速制御弁5への入力
油圧がピストン6の一側における室に供給され、他側の
室がドレンされることから、ピストン6はパワーローラ
3を流体圧で図中上下方向へ変位させる。これによりパ
ワーローラ3は、回転軸線O1 が入出力コーンディスク
1,2の回転軸線O2 と交差する図示位置から対応方向
にオフセットされ、該オフセットyによりパワーローラ
3は入出力コーンディスク1,2からの分力で、自己の
回転軸線O1 と直交する首振り軸線O3 の周りに傾転
(φ)され、入出力コーンディスク1,2に対するパワ
ーローラ3の摩擦接触円弧径が連続的に変化することで
無段変速を行うことができる。
【0005】かかる無段変速により上記の変速指令値
(目標変速比)に対応したパワーローラ目標傾転角が達
成される時、パワーローラ3のオフセット(y)および
傾転(φ)をプリセスカム7および変速リンク8を介し
てフィードバックされる変速制御弁5の内弁体5aは、
外弁体5bに対し相対的に追従変位(x)して初期の中
立位置に復帰し、同時に、パワーローラ3は、回転軸線
1 が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O2 と交
差する図示位置に戻ることで、上記変速指令値(目標変
速比)に対応したパワーローラ目標傾転角の達成状態を
維持することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記のプリセ
スカム7および変速リンク8よりなる機械的フィードバ
ック系を具えたトロイダル型無段変速機の変速制御装置
において、変速過渡特性は、パワーローラ傾転角φに応
じたフィードバックのみについて考察すると、以下の近
似式により表されることが知られている。なお、パワー
ローラオフセット量に応じたフィードバックについて
は、本発明と関係ないためこれを省略した。
【数1】 dφ/dt=y{cos(θ−φ) ・〔1+η−cos(2θ−φ) 〕}・N0 / (1+η)・R・sin θ・・・(1) 但し、θ;η;R:変速機の構造で決まる定数 N0 :出力コーンディスク2の回転数
【0007】そして、上式に対し線形近似を行い、
【数2】dφ/dt=K・N0 ・y ・・・ (2) 但し、K:定数 とすると、機械的フィードバック系のフィードバックゲ
インがaであり、目標傾転角がφ0 である場合、
【数3】y=a(φ0 −φ)・・・ (3)
【数4】 dφ/dt=K・N0 ・a(φ0 −φ)・・・ (4) で表され、ここで、N0 を一定として扱うと、
【数5】φ=φ0 +e-kaNot ・・・ (5) と表すことができる。
【0008】従って、従来のような機械的フィードバッ
ク系を具えたトロイダル型無段変速機の変速制御装置に
あっては、出力コーンディスク2の回転数N0 、つまり
車速によって無段変速比の変速過渡特性が変化してしま
うといった問題を生ずる。この変速特性は、トロイダル
型無段変速機を車両に搭載した場合、加速性能を大きく
左右し、車速によって加速性能が異なるという重大な問
題を提起する。
【0009】上記に対し機械的フィードバック系が、前
記(3)式に代えて
【数6】y=b(φ0 −φ)/N0 ・・・ (6) 但し、b:フィードバックゲイン の式で表されるようなフィードバックを行うようなもの
であれば、つまり出力コーンディスク回転数N0 の逆数
に比例したゲインb/N0 でフィードバックを行うよう
なものであれば、
【数7】 dφ/dt=K・b(φ0 −φ)・・・ (7)
【数8】φ=φ0 +e-kbt ・・・ (8) となって、出力コーンディスク回転数N0 に関係なく、
即ち全車速領域に亘り同じ変速特性を維持することがで
きる。
【0010】しかし、かようにパワーローラ傾転角φを
出力コーンディスク回転数N0 の逆数に比例したゲイン
b/N0 でフィードバックするような機械的フィードバ
ック系は頗る製作が困難で、殆ど実現不能である。
【0011】そこで一案として、従来の機械的フィード
バック系を完全になくし、これに代えて図10に示すよ
うに、トロイダル型無段変速機101に電子フィードバ
ック系103を設け、これによりパワーローラ傾転角φ
を出力コーンディスク回転数N0 の逆数に比例したゲイ
ンでフィードバックしつつ、パワーローラ傾転角φと目
標傾転角φ0 との偏差に応じた変速指令値Uをアクチュ
エータ4に供給するようにし、パワーローラ傾転角φを
目標傾転角φ0 に持ち来すようにした変速制御装置にす
ることも考えられる。この場合、(8)式のような出力
コーンディスク回転数N0 (車速)と関係ない変速特性
を実現することができる。
【0012】しかし、かように電子フィードバック系1
03のみによりパワーローラ傾転角φをフィードバック
する変速制御装置の構成では、電子フィードバック系の
信頼性が機械的フィードバック系ほどのものでなく、フ
ェールセーフ上好ましいとは言えない。
【0013】従って、結局はフェールセーフのために図
11に示すごとく、従前の機械的フィードバック系10
2はそのままに残し、電子フィードバック系103を新
たにトロイダル型無段変速機101に付加するのが良
い。しかし、フィードバックゲインが一定の機械的フィ
ードバック系102を残したまま電子フィードバック系
103を付加するというのでは、(3)式および(6)
式に対応してyが
【数9】 y=a(φ0 −φ)+(b/N0 )(φ0 −φ)・・・ (9) で表され、また、(4)式および(7)式に対応してd
θ/dtが
【数10】 dφ/dt=K・N0 ・a(φ0 −φ)+K・b(φ0 −φ)・・(10) で表され、さらに、(5)式および(8)式に対応して
φが
【数11】 φ=φ0 +e-(kaNo-kb)t ・・・ (11) で表されることから明らかなように、出力コーンディス
ク回転数N0 (車速)と関係ない変速特性を実現するこ
とができず、電子フィードバック系103を付加する意
味が全くなくなってしまう。
【0014】本発明は図1に示すように、フェールセー
フの観点から機械的フィードバック系102を残したま
ま電子フィードバック系103を付加して具えるトロイ
ダル型無段変速機101の変速制御装置とするが、上記
の問題を生ずる機械的フィードバック系102の機能を
キャンセルするような機械的フィードバック機能相殺系
104を更に付加して、変速特性が車速に応じて変化す
るようなことのないような変速制御装置を提案すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
によるトロイダル型無段変速機の変速制御装置は、同軸
配置した入出力コーンディスクと、これら入出力コーン
ディスク間で摩擦係合により動力の受渡しを行うパワー
ローラとよりなるトロイダル伝動ユニットを具え、変速
指令値に対応して変速制御弁を中立位置から開くこと
で、該変速制御弁からの圧力により前記パワーローラ
を、回転軸線が前記入出力コーンディスクの回転軸線と
交差する位置からオフセットさせ、該オフセットにより
入出力コーンディスクからの分力でパワーローラを、自
己の回転軸線と直交する首振り軸線周りで前記変速指令
値に対応した目標傾転角へ向けて傾転させることによ
り、無段変速を行なわせると共に、パワーローラ傾転角
を機械的フィードバック系を経て前記変速制御弁にフィ
ードバックすることにより、前記目標傾転角が達成され
る時、変速制御弁を中立位置への復帰させてパワーロー
ラを、前記オフセットがなくなる位置に戻すようにした
変速制御装置を有するトロイダル型無段変速機におい
て、前記出力コーンディスクの回転数を検出する出力回
転数検出手段と、前記トロイダル伝動ユニットの変速比
を表す物理量を検出する変速比検出手段と、該変速比を
表す物理量、および前記目標傾転角に対応した該物理量
の目標値間における偏差を、前記検出した出力コーンデ
ィスク回転数の逆数に比例したゲインに応じフィードバ
ックして、前記変速指令値の決定に資する電子フィード
バック系と、前記パワーローラの傾転角を検出する傾転
角検出手段と、該検出したパワーローラ傾転角を、前記
機械的フィードバック系と等価なゲインに応じ電子的に
フィードバックして、該機械的フィードバック系の機能
が相殺されるよう前記変速指令値の決定に資する機械的
フィードバック機能相殺系とを設けたことを特徴とする
ものである。
【0016】また第2発明によるトロイダル型無段変速
機の変速制御装置は、上記電子フィードバック系のゲイ
ンを、出力コーンディスク回転数の逆数に比例したゲイ
ンとするのに代え、出力コーンディスク回転数ごとに実
験により求めた好適ゲインとすることを特徴とするもの
である。
【0017】更に第3発明によるトロイダル型無段変速
機の変速制御装置は、上記電子フィードバック系のゲイ
ンを、前記傾転角検出手段で検出したパワーローラ傾転
角に応じても変化させることを特徴とするものである。
【0018】第4発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、前記電子フィードバック系、および機
械的フィードバック機能相殺系を、電子フィードバック
系が故障した時、機械的フィードバック機能相殺系も動
作不能になるよう相関させたことを特徴とするものであ
る。
【0019】
【作用】第1発明において、トロイダル伝動ユニットの
パワーローラは、同軸配置の入出力コーンディスク間で
摩擦係合により動力の受渡しを行う。ここで変速に際し
変速制御装置は、変速指令値に対応して変速制御弁を中
立位置から開くことで、該変速制御弁からの圧力により
上記パワーローラを、回転軸線が上記入出力コーンディ
スクの回転軸線と交差する位置からオフセットさせ、該
オフセットにより入出力コーンディスクからの分力でパ
ワーローラを、自己の回転軸線と直交する首振り軸線周
りで上記変速指令値に対応した目標傾転角に向けて傾転
させることにより、無段変速を行なわせる。この変速中
パワーローラ傾転角は機械的フィードバック系を経て変
速制御弁にフィードバックされ、パワーローラ傾転角が
上記の目標傾転角に至る時、変速制御装置は変速制御弁
の中立位置への復帰によりパワーローラを、上記オフセ
ットがなくなる位置に戻して、変速指令値の達成状態を
維持する。
【0020】ところで変速指令値を求めるに当たって変
速制御装置は、これを以下の如くに行う。つまり、出力
回転数検出手段は出力コーンディスクの回転数を検出
し、変速比検出手段はトロイダル伝動ユニットの変速比
を表す物理量を検出し、電子フィードバック系は、上記
変速比を表す物理量、および前記目標傾転角に対応した
該物理量の目標値間における偏差を、上記検出した出力
コーンディスク回転数の逆数に比例したゲインに応じフ
ィードバックして、前記変速指令値の決定に資する。
【0021】一方、傾転角検出手段はパワーローラの傾
転角を検出し、この検出したパワーローラ傾転角を機械
的フィードバック機能相殺系は、前記機械的フィードバ
ック系と等価なゲインに応じ電子的にフィードバックし
て、該機械的フィードバック系の機能が相殺されるよう
前記変速指令値の決定に資する。
【0022】よって、第1発明においては前記した如く
フェールセーフのために機械的フィードバック系を従前
のまま残すと雖も、その機能を機械的フィードバック機
能相殺系によりキャンセルすることとなり、従って、電
子フィードバック系による前記の作用、つまり変速比を
表す物理量と目標値との間における偏差を出力コーンデ
ィスク回転数の逆数に比例したゲインに応じフィードバ
ックして変速指令値の決定に資する作用によって得られ
る効果、即ち車速の如何にかかわらず変速特性を常時同
じに保ち得るという効果を、機械的フィードバック系に
よる影響を受けることなく、確実なものにすることがで
きる。
【0023】第2発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置においては、電子フィードバック系のゲイ
ンを、出力コーンディスク回転数の逆数に比例したゲイ
ンとするのに代え、出力コーンディスク回転数ごとに実
験により求めた好適ゲインとする。この場合、トロイダ
ル型無段変速機が前記したdφ/dtを表す線形近似式
と正確に一致しない動作を行うときでも、変速比を表す
物理量と目標値との間における偏差のフィードバック量
を、実際の当該動作にマッチしたものにすることがで
き、出力コーンディスク回転数(車速)の如何にかかわ
らず変速特性を同じに保ち得るという作用効果を、第1
発明の場合よりも一層確実に達成するこができる。
【0024】更に第3発明によるトロイダル型無段変速
機の変速制御装置においては、電子フィードバック系の
ゲインを、前記傾転角検出手段で検出したパワーローラ
傾転角に応じても変化させる。この場合、前記(1)式
から明らかなようにパワーローラ傾転角φによっても変
速特性dφ/dtが異なる事実に符合し、パワーローラ
傾転角φの如何にかかわらず、所望の変速特性を不変に
保つという作用効果も奏することができる。
【0025】第4発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置においては、電子フィードバック系、およ
び機械的フィードバック機能相殺系を、電子フィードバ
ック系が故障した時、機械的フィードバック機能相殺系
も動作不能になるよう相関させたことから、電子フィー
ドバック系が故障したにもかかわらず、機械的フィード
バック機能相殺系が機械的フィードバック系の機能をキ
ャンセルして、トロイダル型無段変速機の変速制御系へ
変速比に関する物理量が全くフィードバックされなくな
り、変速制御が不安定になるといった弊害を生じなくす
ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2および図3は、本発明一実施の態様にな
る変速制御装置を具えたトロイダル型無段変速機を例示
し、図2は同トロイダル型無段変速機の縦断側面図、図
3は同じくその縦断正面図である。なお便宜上、これら
図中、図9におけると同様の部分は同一符号を付して示
した。
【0027】先ず、トロイダル伝動ユニットを説明する
に、これは図示せざるエンジンからの回転を伝達される
入力軸20を具え、この入力軸は図2に明示するよう
に、エンジンから遠い端部を変速機ケース21内に軸受
22を介して回転自在に支持し、中央部を変速機ケース
21の中間壁23内に軸受24および中空出力軸25を
介して回転自在に支持する。入力軸20上には入出力コ
ーンディスク1,2をそれぞれ回転自在に支持し、これ
ら入出力コーンディスクを、トロイド曲面1a,2aが
相互に対向するよう配置する。そして入出力コーンディ
スク1,2の対向するトロイド曲面間には、入力軸20
を挟んでその両側に配置した一対のパワーローラ3を介
在させ、これらパワーローラを入出力コーンディスク
1,2間に挟圧するために、以下の構成を採用する。
【0028】即ち、入力軸20の軸受け端部にローディ
ングナット26を螺合し、該ローディングナットにより
抜け止めして入力軸20上に回転係合させたカムディス
ク27と、入力コーンディスク1のトロイド曲面1aか
ら遠い端面との間にローディングカム28を介在させ、
このローディングカムを介して入力軸20からカムディ
スク27への回転が入力コーンディスク1に伝達される
ようになす。ここで、入力コーンディスク1の回転はパ
ワーローラ3の回転を介して出力コーンディスク2に伝
わり、この伝動中ローディングカム28は伝達トルクに
比例したスラストを発生して、パワーローラ3を入出力
コーンディスク1,2間に挟圧し、上記の動力伝達を可
能ならしめる。
【0029】出力コーンディスク2は出力軸25に楔着
し、この軸上に出力歯車29を一体回転するよう嵌着す
る。出力軸25は更に、ラジアル兼スラスト軸受30を
介して変速機ケース21の端蓋31内に回転自在に支持
し、この端蓋31内には別にラジアル兼スラスト軸受3
2を介して入力軸20を回転自在に支持する。ここで、
ラジアル兼スラスト軸受30,32はスペーサ33を介
して相互に接近し得ないよう突き合わせ、また相互に遠
去かる方向へも相対変位不能になるよう、対応する出力
歯車29および入力軸20に対し軸線方向に衝接させ
る。かくて、ローディングカム28によって入出力コー
ンディスク1,2間に作用するスラストは、スペーサ3
3を挟むような内力となり、変速機ケース21に作用す
ることがない。
【0030】各パワーローラ3は図3にも示すように、
トラニオン41に回転自在に支持し、該トラニオンは各
々、上端を球面継手42によりアッパリンク43の両端
に回転自在および揺動自在に、また下端を球面継手44
によりロアリンク45の両端に回転自在および揺動自在
に連結する。そして、アッパリンク43およびロアリン
ク45は中央を球面継手46,47により変速機ケース
21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41を
相互逆向きに同期して上下動させ得るようにする。
【0031】かように両トラニオン41を相互逆向きに
同期して上下動させることにより変速を行う変速制御装
置を、図3に基づき次に説明する。各トラニオン41に
は、これらを個々に上下方向へストロークさせるための
ピストン6を設け、両ピストン6の両側にそれぞれ上方
室51,52および下方室53,54を画成する。そし
て両ピストン6を相互逆向きにストローク制御するため
に、変速制御弁5を設置する。ここで、変速制御弁5は
スプール型の内弁体5aとスリーブ型の外弁体5bとを
相互に摺動自在に嵌合して具え、外弁体5bを弁外筐5
cに摺動自在に嵌合して構成する。
【0032】上記の変速制御弁5は、入力ポート5dを
圧力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン
室51,54に、また他方の連絡ポート5fをピストン
室52,53にそれぞれ接続する。そして内弁体5a
を、一方のトラニオン41の下端に固着したプリセスカ
ム7のカム面に、ベルクランク型の変速レバー8を介し
て共働させ、外弁体5bをステップモータ4にラックア
ンドピニオン型式で駆動係合させる。
【0033】変速制御弁5の操作指令は、変速指令値U
に応動するアクチュエータ(ステップモータ)4がラッ
クアンドピニオンを介し外弁体5bにストロークとして
与えることとする。この操作指令で変速制御弁5の外弁
体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から例えば
図3の位置に変位されて変速制御弁5が開く時、圧力源
55からの流体圧が室52,53に供給される一方、他
の室51,54がドレンされ、また変速制御弁5の外弁
体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から逆方向
に変位されて変速制御弁5が開く時、圧力源55からの
流体圧が室51,54に供給される一方、他の室52,
53がドレンされ、両トラニオン41が流体圧でピスト
ン6を介して図中、対応した上下方向へ相互逆向きに変
位されるものとする。これにより両パワーローラ3は、
回転軸線O1 が入出力コーンディスク1,2の回転軸線
2 と交差する図示位置からオフセット(オフセット量
y)されることになり、該オフセットによりパワーロー
ラ3は入出力コーンディスク1,2からの首振り分力
で、自己の回転軸線O1 と直交する首振り軸線O3 の周
りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行うことができ
る。
【0034】なお、図1におけるトロイダル型無段変速
機101は、以上の構成になるトロイダル型無段変速機
を一例として示すものである。
【0035】かかる変速中、一方のトラニオン41の下
端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介し
て、トラニオン41およびパワーローラ3の上述した上
下動(オフセット量y)および傾転角φを変速制御弁5
の内弁体5aに機械的にフィードバックされる。そして
上記の無段変速によりステップモータ4への変速指令値
Uが達成される時、上記のプリセスカム7を介した機械
的フィードバックが変速制御弁5の内弁体5aをして、
外弁体5bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させ、
同時に、両パワーローラ3は、回転軸線O1 が入出力コ
ーンディスク1,2の回転軸線O2 と交差する図示位置
に戻ることで、上記変速指令値の達成状態を維持するこ
とができる。従って、プリセスカム7および変速リンク
8は、図1における機械的フィードバック系102を構
成する。
【0036】なお、パワーローラ傾転角φを目標変速比
に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基本
的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフィ
ードバックすればよいことになるが、ここでパワーロー
ラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変速
制御が振動的になるのを防止するダンピング効果を与え
て、変速制御のハンチング現象を回避するためである。
【0037】ステップモータ4への変速指令値Uは、コ
ントローラ61によりこれを決定し、これがためコント
ローラ61には、エンジンスロットル開度TVOを検出
するスロットル開度センサ62からの信号、出力コーン
ディスク2の回転数No を検出する出力回転センサ63
(出力回転数検出手段に相当する)からの信号、および
入力コーンディスク1の回転数Ni (エンジン回転数N
e でもよい)を検出する入力回転センサ64からの信号
をそれぞれ入力する。コントローラ61は、これら入力
情報をもとに以下の演算によりステップモータ4への変
速指令値Uを決定するものとする。
【0038】本例では特に、図1に模式図として示す変
速制御装置の構成を実現するために、つまりトロイダル
型無段変速機101および既存の機械的フィードバック
系102に付加して、電子フィードバック系103およ
び機械的フィードバック機能相殺系104を設けるため
に、コントローラ61を図4に示すごとくに構成する。
なおこの図4では簡便のため、本発明に係わる傾転角φ
のみをフィードバックすることとして示し、機械的フィ
ードバック系102のフィードバックゲインをaで表し
た。
【0039】コントローラ61は、割り算部71と、変
速比検出手段および傾転角検出手段に相当する傾転角変
換部72と、信号逓倍部73とを具え、これらで図1に
おける機械的フィードバック機能相殺系104を構成
し、加えて割り算部81、および信号逓倍部82を具
え、これらで図1における電子フィードバック系103
を構成する。
【0040】割り算部71は、入力回転センサ64で検
出した入力コーンディスク1の回転数Ni と、出力回転
センサ63で検出した出力コーンディスク2の回転数N
o との比Ni /No で表される変速比iを算出し、傾転
角変換部72は、この変速比iから現在のパワーローラ
傾転角φを求める。そして信号逓倍部73は、機械的フ
ィードバック系102のゲインと同じゲインaに応じ、
傾転角変換部72からのパワーローラ傾転角φを逓倍
し、その結果をポジティブフィードバックして変速指令
値Uの演算に資する。
【0041】割り算部81は、傾転角変換部72からの
パワーローラ傾転角φと、目標傾転角φ0 との間の傾転
角偏差φ0 −φ(実変速比と目標変速比との偏差を表す
物理量の1つ)を、センサ63で検出した出力コーンデ
ィスク回転数No により除算し、除算結果(φ0 −φ)
/No を信号逓倍部82においてゲインbに応じ逓倍
し、その結果をフィードバックして前記(6)式で表さ
れるフィードバック量を変速指令値Uの演算に資する。
【0042】なお、上記の目標傾転角φ0 を求めるに当
たってローラ61は周知の通り、予めメモリしておいた
変速マップを基に、センサ62で検出したスロットル開
度TVO、およびセンサ63で検出した出力コーンディ
スク2の回転数No に応じ求めた車速から、目標とすべ
き入力コーンディスク回転数を求め、この入力コーンデ
ィスク目標回転数と、出力コーンディスク回転数No
からパワーローラ目標傾転角φ0 を演算する。
【0043】変速指令値Uは、上記の両フィードバック
量、つまり信号逓倍部73からのa×φと、信号逓倍部
82からの(φ0 −φ)・b/No との加算により求め
る。ところで、信号逓倍部73からのフィードバック量
a×φが、機械的フィードバック系102のフィードバ
ック量と、逆極性で、同数値であることから、割り算部
71と、傾転角変換部72と、信号逓倍部73とにより
構成される機械的フィードバック機能相殺系104(図
1参照)は結果として、機械的フィードバック系102
が存在していても、その機能を全く無効にし、機械的フ
ィードバック系102が存在しない場合に等価な変速制
御が、割り算部81および信号逓倍部82よりなる電子
フィードバック系103(図1参照)によってなされ
る。
【0044】ここで当該電子フィードバック系103に
よる変速制御を考察するに、この変速制御は前記(6)
式で表されるようなフィードバック、つまりパワーロー
ラ傾転角φを出力コーンディスク回転数N0 の逆数に比
例したゲインb/N0 でフィードバックを行うようなも
のであり、結果として(7)式および(8)式から明ら
かなように、出力コーンディスク回転数N0 に関係な
く、即ち全車速領域に亘り所望の変速特性を不変に維持
することができる。
【0045】そして、機械的フィードバック系102を
前記フェールセーフ対策のためにそのまま残すと雖も、
その機能を上記したように、傾転角変換部72と、信号
逓倍部73とで構成される機械的フィードバック機能相
殺系104により全く無効にすることから、機械的フィ
ードバック系102が存在する場合に生ずる前記の問
題、つまり変速特性が出力コーンディスク回転数N
0 (車速)によって変化するという問題を回避し得る変
速制御装置を実現可能である。
【0046】なお上述の例では、割り算部71と、傾転
角変換部72と、信号逓倍部73とで構成される機械的
フィードバック機能相殺系104が所定通りに作用する
も、割り算部81および信号逓倍部82よりなる電子フ
ィードバック系103が失陥する場合が考えられる。こ
の場合、機械的フィードバック機能相殺系104が機械
的フィードバック系102の機能をキャンセルすること
から、機械的フィードバック系102によるフィードバ
ック制御がなされず、加えて電子フィードバック系10
3も失陥によりフィードバック制御不能になって、トロ
イダル型無段変速機の変速が不安定になる。
【0047】図5は、かかる変速の不安定化をも回避し
得るようにした実施例で、本例ではコントローラ61を
マイクロコンピュータ等の単一制御ユニットにより構成
する。コントローラ61をマイクロコンピュータで構成
する場合、このコントローラ61にセンサ63,64か
らの出力回転数No および入力回転数Ni に関するアナ
ログ信号を取り込むに際し、これらアナログ信号をA/
D変換器91,92によりディジタル信号に変換して取
り込み、また目標傾転角φ0 に関するアナログ信号を取
り込むに際しても、このアナログ信号をA/D変換器9
3によりディジタル信号に変換して取り込むこととす
る。さらに、コントローラ61からアクチュエータ4へ
の変速指令値Uは、D/A変換器94によりアナログ信
号に変換してアクチュエータ4へ向かわせるものとす
る。
【0048】コントローラ61は、上記の入力情報をも
とに図6の制御プログラムを実行して、以下に説明する
ごとく前記実施例におけると同様なフィードバック変速
制御を行う。先ずステップ701でマイクロコンピュー
タの初期化を行い、次のステップ702で、変数aに機
械的フィードバック系102のフィードバックゲインを
設定すると共に、変数bに所望の変速過渡特性を達成す
るための電子フィードバックゲイン(前記実施例におけ
る電子フィードバック系103のゲインと同じもの)を
設定する。
【0049】ステップ703では、変数φ0 に目標傾転
角を収容し、ステップ704で、変数Ni に入力コーン
ディスク回転数を収容し、ステップ705で、変数No
に出力コーンディスク回転数を収容する。次いでステッ
プ706において、図4の割り算部71および傾転角変
換部72で行ったと同様の処理により、つまり入力コー
ンディスク回転数Ni と、出力コーンディスク回転数N
o との比Ni /No から現在のパワーローラ傾転角を求
め、これを変数φに収容する。そしてステップ707
で、変速指令値Uを
【数12】 U=a・φ+(b/N0 )(φ0 −φ)・・・ (12) により演算し、これをアクチュエータ4に指令して、制
御をステップ703に戻す。
【0050】本例においても、アクチュエータ4への変
速指令値Uが図5につき前述したと同様のものとなり、
前記実施例と同様の作用効果を達成することができる。
加えて本例においては、電子フィードバック系103お
よび機械的フィードバック機能相殺系104(何れも図
1参照)におけると同様な演算をそれぞれ、共通なマイ
クロコンピュータ61で行うことから、電子フィードバ
ック系103におけると同様な演算がなされなくなる故
障時、機械的フィードバック機能相殺系104における
と同様な演算もなされなくなる。
【0051】従って、前者の演算がなされなくなったに
もかかわらず、後者の演算がなされて、機械的フィード
バック系102の機能が相殺されるようなことがなくな
り、フィードバックが全くかからずにトロイダル型無段
変速機の変速制御が不安定になるといった事態を回避す
ることができる。
【0052】図7および図8はそれぞれ、図6に示す変
速制御プログラムの他の2変形例を示す。
【0053】図7の例では、ステップ801でマイクロ
コンピュータの初期化を行い、次のステップ702で、
変数aに機械的フィードバック系102のフィードバッ
クゲインを設定すると共に、変数bを図6の場合と異な
って配列変数とし、この配列変数bに所望の変速過渡特
性を達成するための出力コーンディスク回転数No 毎の
電子フィードバックゲインを設定する。ここで、出力コ
ーンディスク回転数N o 毎の電子フィードバックゲイン
は、トロイダル型無段変速機の実際の変速動作を実験に
より求め、出力コーンディスク回転数No 毎に所望の変
速過渡特性を達成するためのゲインを実験データとして
メモリに記憶するものとする。
【0054】ステップ803では、変数φ0 に目標傾転
角を収容し、ステップ804で、変数Ni に入力コーン
ディスク回転数を収容し、ステップ805で、変数No
に出力コーンディスク回転数を収容する。次いでステッ
プ806において、図4の割り算部71および傾転角変
換部72で行ったと同様の処理により、つまり入力コー
ンディスク回転数Ni と、出力コーンディスク回転数N
o との比Ni /No から現在のパワーローラ傾転角を求
め、これを変数φに収容する。
【0055】次のステップ707では、先ず上記の配列
変数bから現在の出力コーンディスク回転数No に対応
した変数b(No )を検索し、これを用いて変速指令値
Uを、
【数13】 U=a・φ+b(N0 )・(φ0 −φ)・・・ (13) により演算し、これをアクチュエータ4に指令して、制
御をステップ803に戻す。
【0056】本例においては、電子フィードバック量を
図6における(b/N0 )(φ0 −φ)に代えて、b
(N0 )・(φ0 −φ)としたが、この場合、トロイダ
ル型無段変速機の変速動作が前記の(2)式により近似
させ得ないようなものである時も、電子フィードバック
量を実際の変速動作に応じたものとなし得て、所望の変
速特性を車速の如何にかかわず不変に保つという作用効
果を、前記の各実施例よりも更に確実にすることができ
て、大いに有益である。
【0057】図8の例では、ステップ901でマイクロ
コンピュータの初期化を行い、次のステップ902で、
変数aに機械的フィードバック系102のフィードバッ
クゲインを設定すると共に、配列変数bに所望の変速過
渡特性を達成するための出力コーンディスク回転数No
毎の電子フィードバックゲインを設定し、加えて配列変
数cにパワーローラ傾転角φに応じた電子フィードバッ
クゲインを設定する。ここで、パワーローラ傾転角φに
応じた電子フィードバックゲインは、パワーローラ傾転
角φごとに好適値を実験により求め、これを傾転角φご
とにメモリに記憶するものとする。
【0058】ステップ903では、変数φ0 に目標傾転
角を収容し、ステップ904で、変数Ni に入力コーン
ディスク回転数を収容し、ステップ905で、変数No
に出力コーンディスク回転数を収容する。次いでステッ
プ906において、図4の割り算部71および傾転角変
換部72で行ったと同様の処理により、つまり入力コー
ンディスク回転数Ni と、出力コーンディスク回転数N
o との比Ni /No から現在のパワーローラ傾転角を求
め、これを変数φに収容する。
【0059】次のステップ907では、先ず上記の配列
変数bから現在の出力コーンディスク回転数No に対応
した変数b(No )を検索し、更に上記の配列変数cか
ら現在のパワーローラ傾転角φに対応した変数c(φ)
を検索し、これらを用いて変速指令値Uを、
【数14】 U=a・φ+b(N0 )・(φ0 −φ)・c(φ)・・・ (14) により演算し、これをアクチュエータ4に指令して、制
御をステップ903に戻す。
【0060】図4の実施例と、図5および図6の実施例
では、トロイダル型無段変速機の変速動作を(2)式の
ように線形化して近似させ、これに対応するフィードバ
ック制御を提案したが、本例においては、トロイダル型
無段変速機の変速動作を(1)式のような非線形特性と
してとらえ、この式に対応したフィードバック制御を実
現させるようにする。これがため本例では、出力コーン
ディスク回転数No に応じたフィードバック制御だけで
なく、パワーローラ傾転角φに応じたフィードバック制
御も可能になり、図7の作用効果に加えて、所望の変速
特性をパワーローラ傾転角φの如何にかかわず不変に保
つという作用効果をも達成することができる。
【0061】なお図示しなかったが本発明においては、
トロイダル型無段変速機を車両に用いる場合、運転者が
好みに応じて手動で電子フィードバックゲインを変更で
きるようにし、変速特性を運転者が自由に決定し得るよ
うにすることも容易である。
【0062】
【発明の効果】かくして第1発明によるトロイダル型無
段変速機の変速制御装置は、請求項1に記載のごとく、
変速指令値を求めるに当たって、変速比を表す物理量、
および目標傾転角に対応した該物理量の目標値間におけ
る偏差を、出力コーンディスク回転数の逆数に比例した
ゲインに応じフィードバックして、変速指令値の決定に
資する電子フィードバック系を設ける他、パワーローラ
傾転角を、機械的フィードバック系と等価なゲインに応
じ電子的にフィードバックして、該機械的フィードバッ
ク系の機能が相殺されるよう変速指令値の決定に資する
機械的フィードバック機能相殺系を設ける構成にしたか
ら、フェールセーフのために機械的フィードバック系を
従前のまま残すと雖も、その機能が機械的フィードバッ
ク系と等価なゲインに応じたフィードバックを行う機械
的フィードバック機能相殺系によりキャンセルされるこ
ととなり、従って、電子フィードバック系が変速比を表
す物理量と目標値との間における偏差を出力コーンディ
スク回転数の逆数に比例したゲインに応じフィードバッ
クして変速指令値の決定に資することによって得られる
効果、即ち車速の如何にかかわらず変速特性を常時同じ
に保ち得るという効果を、機械的フィードバック系によ
る影響を受けることなく、確実なものにすることができ
る。
【0063】第2発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項2に記載のごとく、上記電子フ
ィードバック系のゲインを、出力コーンディスク回転数
の逆数に比例したゲインとするのに代え、出力コーンデ
ィスク回転数ごとに実験により求めた好適ゲインとする
構成にしたから、電子フィードバック系によるフィード
バック量、つまり変速比を表す物理量と目標値との間に
おける偏差のフィードバック量を、実際の変速動作に確
実にマッチしたものにすることができ、出力コーンディ
スク回転数(車速)の如何にかかわらず変速特性を同じ
に保ち得るという作用効果を、第1発明の場合よりも一
層確実に達成するこができる。
【0064】第3発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項3に記載のごとく、上記第2発
明に加えて電子フィードバック系におけるフィードバッ
クゲインを、パワーローラ傾転角に応じても変化させる
構成にしたから、変速特性がパワーローラ傾転角によっ
ても異なる事実に符合し、パワーローラ傾転角の如何に
かかわらず、所望の変速特性を不変に保つという作用効
果も奏することができる。
【0065】第4発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項4に記載のごとく、電子フィー
ドバック系、および機械的フィードバック機能相殺系
を、電子フィードバック系が故障した時、機械的フィー
ドバック機能相殺系も動作不能になるよう相関させたこ
とから、電子フィードバック系が故障したにもかかわら
ず、機械的フィードバック機能相殺系が機械的フィード
バック系の機能をキャンセルして、トロイダル型無段変
速機の変速制御系へ変速比に関する物理量が全くフィー
ドバックされなくなり、変速制御が不安定になるといっ
た弊害を生じなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトロイダル型無段変速機の変速制
御装置を示す概念図である。
【図2】本発明装置により変速制御すべきトロイダル型
無段変速機を例示する縦断側面図である。
【図3】同トロイダル型無段変速機を、その変速制御シ
ステムと共に示す縦断正面図である。
【図4】同トロイダル型無段変速機用に構成した本発明
変速制御装置の一実施例を示す変速制御系の模式図であ
る。
【図5】同変速制御系をマイクロコンピュータを用いて
構成した場合の、図4に示すと同様な模式図である。
【図6】同マイクロコンピュータが実行すべき変速指令
値決定プログラムを示すフローチャートである。
【図7】変速指令値決定プログラムの他の例を示すフロ
ーチャートである。
【図8】変速指令値決定プログラムの更に他の例を示す
フローチャートである。
【図9】従来のトロイダル型無段変速機と、その変速制
御装置を示す概略説明図である。
【図10】同トロイダル型無段変速機の変速制御装置に
おける機械的フィードバック系を電子フィードバック系
に置換した場合における変速制御装置のブロック線図で
ある。
【図11】同トロイダル型無段変速機の機械的フィード
バック系を具えた変速制御装置に電子フィードバック系
を付加して設けた場合における変速制御装置のブロック
線図である。
【符号の説明】
1 入力コーンディスク 2 出力コーンディスク 3 パワーローラ 4 ステップモータ 5 変速制御弁 6 ピストン 7 プリセスカム 8 変速リンク 20 入力軸 28 ローディングカム 41 トラニオン 43 アッパリンク 45 ロアリンク 61 コントローラ 62 スロットル開度センサ 63 出力回転センサ 64 入力回転センサ 71 割り算部 72 傾転角変換部 73 信号逓倍部 81 割り算部 82 信号逓倍部 101 トロイダル型無段変速機 102 機械的フィードバック系 103 電子フィードバック系 104 機械的フィードバック機能相殺系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸配置した入出力コーンディスクと、
    これら入出力コーンディスク間で摩擦係合により動力の
    受渡しを行うパワーローラとよりなるトロイダル伝動ユ
    ニットを具え、 変速指令値に対応して変速制御弁を中立位置から開くこ
    とで、該変速制御弁からの圧力により前記パワーローラ
    を、回転軸線が前記入出力コーンディスクの回転軸線と
    交差する位置からオフセットさせ、該オフセットにより
    入出力コーンディスクからの分力でパワーローラを、自
    己の回転軸線と直交する首振り軸線周りで前記変速指令
    値に対応した目標傾転角へ向けて傾転させることによ
    り、無段変速を行なわせると共に、パワーローラ傾転角
    を機械的フィードバック系を経て前記変速制御弁にフィ
    ードバックすることにより、前記目標傾転角が達成され
    る時、変速制御弁を中立位置への復帰させてパワーロー
    ラを、前記オフセットがなくなる位置に戻すようにした
    変速制御装置を有するトロイダル型無段変速機におい
    て、 前記出力コーンディスクの回転数を検出する出力回転数
    検出手段と、 前記トロイダル伝動ユニットの変速比を表す物理量を検
    出する変速比検出手段と、 該変速比を表す物理量、および前記目標傾転角に対応し
    た該物理量の目標値間における偏差を、前記検出した出
    力コーンディスク回転数の逆数に比例したゲインに応じ
    フィードバックして、前記変速指令値の決定に資する電
    子フィードバック系と、 前記パワーローラの傾転角を検出する傾転角検出手段
    と、 該検出したパワーローラ傾転角を、前記機械的フィード
    バック系と等価なゲインに応じ電子的にフィードバック
    して、該機械的フィードバック系の機能が相殺されるよ
    う前記変速指令値の決定に資する機械的フィードバック
    機能相殺系とを設けたことを特徴とするトロイダル型無
    段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記電子フィードバ
    ック系のゲインを、出力コーンディスク回転数の逆数に
    比例したゲインとするのに代え、出力コーンディスク回
    転数ごとに実験により求めた好適ゲインとすることを特
    徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記電子フ
    ィードバック系のゲインを、前記傾転角検出手段で検出
    したパワーローラ傾転角に応じても変化させることを特
    徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記電子フィードバック系、および機械的フィード
    バック機能相殺系を、電子フィードバック系が故障した
    時、機械的フィードバック機能相殺系も動作不能になる
    よう相関させたことを特徴とするトロイダル型無段変速
    機の変速制御装置。
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