JPH0214265B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動ワインダにおけるボビン供給シス
テムに関する。

一般に精紡機で生産される実ボビンを巻返し工
程のワインダへ供給する場合、ワインダの処理能
力に合わせて供給しないと、ワインダ域内におい
て過供給であるとワインダ域からあふれ、また供
給不足であると、空運転の巻取ユニツトが生じ
る。

一方、ワインダでは種々の番手の糸を巻取るた
め、一本の実ボビンの消費時間も糸種により異
り、糸種が変わつた場合、当然単位時間当りに供
給するボビンの数も変化する。従つて、例えば作
業者がワインダを巡回してユニツトのマガジンに
空が生じているのを発見してボビンを供給する場
合、作業者の巡回サイクルは糸種によりまたワイ
ンダの処理能力の変化により変化させる必要があ
り、また巻取ユニツトに沿つて移動する移動車に
よつて自動的に管糸マガジンへ供給するような場
合でも移動車の走行速度を変化させねばならない
といつた問題点がある。

本発明は上記点に着目してなされたもので、ワ
インダの処理能力の変化等によつても全く影響さ
れず極めて合理的かつ確実なボビン供給システム
を提供するものである。

即ち、本発明では、ボビンを個々に載置搬送す
る搬送媒体が、巻取ユニツトとボビン供給ステー
シヨンを循環し、上記搬送媒体が上記ボビン供給
ステーシヨンに到着したことをボビン要求信号と
して搬送媒体にボビンの供給を行うようにしたも
のである。

以下本発明システムの実施例を図面に従つて説
明する。

第１図、第２図に精紡機とワインダを直結した
精紡ワインダを示す。即ち、精紡機１で生産され
る紡績糸を巻取つた実ボビン３は、例えばトラン
スポートバンド２上のペグに挿入支持されて、精
紡機１に沿つて長手方向に移送され、ボビン供給
装置４へ投入され、下方で待機するボビン搬送媒
体、例えばベルトコンベア上を移送されるペグト
レイ（第３図５）に直立して挿着されて、ワイン
ダＷの各巻取ユニツト６ａ〜６ｎへ供給される。
７は糸端口出し装置、８は空ボビンおよび極少残
糸付ボビンの抜取装置である。

上記ワインダＷの各巻取ユニツトへのボビン供
給は、ペグトレイに実ボビンを挿着したまゝ、各
個別に実ボビン搬送コンベア９から各ユニツトの
巻取位置へ供給される。巻取りの終了した空ボビ
ン、あるいは残糸付ボビンは空ボビン搬送コンベ
ア１０により移送され、ボビン抜取装置８により
空ボビンと残糸付ボビンが選別され、上記抜取装
置８によりペグトレイから抜取られた空ボビンは
空ボビン昇挙装置１１により上方へ移送され、精
紡機上方を長手方向にのびるベルトコンベア１２
により水平移送される。精紡機端部まで移送され
た空ボビン１３はシユート１４内に落下貯溜され
てタイミングをとつて下方のトランスポートバン
ド上の空ペグに供給、挿着される。

一方、上記ワインダ域内において、ボビン抜取
装置８で空ボビンを抜取られて空になつたペグト
レイはコンベア１５上をさらに移送されて前述の
実ボビン供給ステーシヨンへ搬送され新たな実ボ
ビンの供給を受けるのである。

第３図に上記システムに適用されるワインダの
一例を示す。即ち、複数の巻取ユニツト６ａが並
設されて、一台のワインダＷが構成され、巻取ユ
ニツト６ａは、実ボビン搬送路９と空ボビン搬送
路１０との間に設けられている。１６は搬送路９
上の実ボビンを巻返し位置１７に移送し、巻返さ
れて空になつた空ボビンを搬送路１０上へ排出す
る際の回転円盤で、該回転円盤１６の上位には一
定の間隔を有してガイド板１８，１９が設けら
れ、ガイド板１９と他のガイド板２０との間に実
ボビン取込口２１および余剰ボビン送り出し口２
２を形成し、ガイド板１８，１９間に実ボビン待
機溝２３、ボビン排出溝２４が形成される。上記
待機溝２３とボビン排出溝２４の接続位置が前記
巻返し位置１７である。２５は空ボビンあるいは
残糸付ボビンの排出用レバーである。

上記巻返し位置１７のトレイの下位には図示し
ない、圧空供給源に導管を介して連る圧空噴射ノ
ズル２６が設けられ、該ノズル２６から噴出され
る圧空は回転円盤１６に形成される図示しない円
弧状スリツトよりトレイ５のペグ内空間から、ボ
ビンの芯管内に噴出し、芯管内に芯管上端から垂
下している糸端を芯管外部上方へ吹き上げる。巻
返し位置１７の実ボビン３の上位に待機する中継
パイプ２７が吹き上げられた糸端を吸引保持し、
上方へ旋回してノツターへ導入し、パツケージ側
糸端と給糸側糸端が糸結びされ、巻返しが開始さ
れるのである。２８は綾振ドラム、２９は巻取パ
ツケージである。

第４図は上記巻取ユニツト６ａ〜６ｎを多数並
設したワインダへのボビン供給システムを示す平
面図である。

即ち、搬送路１５上を移送されてきた実ボビン
は口出し装置７により糸結び用の糸端が口出しさ
れ、前述した如く、ボビンの芯管内に糸端が挿入
された状態で、トレイに挿着されたまゝワインダ
の搬送路９へ移送される。搬送路９を移行した実
ボビン３はトレイ５が巻取ユニツト６ａのガイド
板１８，１９，２０に当り、回転円盤１６上へ乗
り移り、取込み口２１から待機溝２３に入り、巻
返し位置１７に至る。このようにして後続の実ボ
ビンが待機溝２３に順次入り込み待機溝２３が所
定数の実ボビンで満たされると、その後から送ら
れてくる実ボビンは待機溝に入れなくなり、該ボ
ビンは余剰ボビン送り出し口２２から次の巻取ユ
ニツト６ｂへ向かう。

このようにして口出し装置７に最も近い巻取ユ
ニツト６ａから順次ユニツト６ｂ〜６ｎへと実ボ
ビンを挿着したトレイが満たされていくが、待機
溝２３に空きが生じると、巻取ユニツト６ａに近
いユニツトから順にその空きを埋められていく。
さらに、各巻取ユニツト６ａ〜６ｎのいづれにも
入れない管糸は終端部のユニツト６ｂの余剰ボビ
ン送り出し口２２を出ると循環路３０に入り矢印
３１方向に移送され、再び実ボビン搬送路９に供
給される。

第５図に上記ボビン供給ステーシヨンの一例を
示す。即ち、該ステーシヨンＡは空トレイの到着
を検出するセンサＳ１と、前記精紡機側のトラン
スポートバンド上の実ボビンを受容するシユート
３２と該シユート３２に続いて実ボビンをトレイ
のペグ位置へガイドする可動ガイド３３ａ，３３
ｂ等より構成される。上記ガイド３３ａ，３３ｂ
は支軸３４ａ，３４ｂを中心に揺動するレバー３
５ａ，３５ｂに取付けられ、ロータリソレノイド
３６ａ，３６ｂの作動とスプリング３７により、
トレイの搬送方向と直角方向に開閉する。

即ち通常はガイド３３ａ，３３ｂは開いた位置
にあつてトレイの到着を待機し、空トレイ上に実
ボビンが供給、挿着される際は閉じて実ボビンを
トレイの中心のペグ位置へガイドし、実ボビン挿
着後再び開いて実ボビンを挿着したトレイが切出
されワインダへ向かつて搬送されるようになつて
いる。

なお上記センサＳ１はトレイの到着を検出し、
センサＳ２はトレイ上に空ボビンあるいは残糸付
ボビンが有るか否かを検出するセンサで、センサ
Ｓ１はトレイのペグ位置に設けられセンサＳ２は
ペグ上方のトレイ中心線上に光を照射する位置に
設けられる。３８は光通過孔である。

以上のような各装置を配置したシステムにおけ
るボビン搬送動作について説明する。

第３図の状態即ち、トレイ５上に挿着された
まゝ巻取ユニツト６ａの巻取位置１７へ取込まれ
て、巻返され、巻返しの完了した空ボビン１３は
トレイ５に挿着されたまゝ巻取位置１７から空ボ
ビン搬送コンベア１０上へ払出されると、コンベ
ア１０上を矢印３９方向即ち第４図においてボビ
ン抜取装置８へ搬送される。

上記抜取装置８位置では空ボビン１３はトレイ
５より手動又は自動的に抜取られ、第１図示の空
ボビン搬送路１２により精紡機１へと返送され
る。

一方、抜取装置８を通過した空トレイ５は第４
図示の搬送路１５上を移送され、実ボビン供給ス
テーシヨンＡに至る。該ステーシヨンＡでは第５
図の如く、空トレイ５が実ボビン供給位置４に至
り位置決め用ストツパによつて定位置に停止する
と、トレイ検出用センサＳ１とボビン検出用セン
サＳ２のアンドにより、トレイ上にボビンが無い
ことを確認すると、第１図の精紡ワインダ側のト
ランスポートバンド２の１ピツチ移動駆動用信号
が出される。同時に第５図のソレノイド３６ａ，
３６ｂも励磁されてガイド３３ａ，３３ｂが閉じ
て実ボビン供給を待機する。精紡ワインダ側のト
ランスポートバンド２が１ピツチ移動すると、バ
ンド傾斜部先端の実ボビン３ａが一本切出され、
シユート３２内へ投入される。即ち、第５図のシ
ユート開口３２ａから投入される実ボビンはシユ
ート３２、ガイド３３ａ，３３ｂ間を落下し、下
方で待機する空トレイ上に挿立されるのである。
なお、実ボビン投入の際、実ボビンの落下方向を
規制することが行われる。即ち実ボビンには天
部、尻部があり、トレイ上には尻部を下にして挿
立されるため、実ボビン落下時に、例えばシユー
トに投入される実ボビンを一時的に水平状態とな
るガイドを設け、この時、天部側に当接するピン
をシユート内に固定し、天部が該ピンにより落下
を阻止され尻部が下方へ傾動した状態でガイド３
２内を落下するような方向規制装置が設けられ
る。

このようにして空トレイ上に実ボビン３が挿着
されるとボビン検出センサＳ２がオフとなり、実
ボビン挿着を確認して、ガイド３３ａ，３３ｂが
開き、トレイ５ａのストツパが解除されて、搬送
路上を口出し装置、さらにワインダへと搬送供給
される。

ワインダ内においては第４図示の如く、供給路
９を移送中の実ボビンを挿着したトレイ５は巻取
ユニツトの待機溝に空きがあるユニツト６ｂに対
して自動供給される。

なお、ワインダから排出される残糸付ボビンは
トレイに挿着されたまゝ搬送路内を循環し、即ち
ボビン抜取装置８、実ボビン供給ステーシヨンＡ
を素通りして口出し装置７により再度口出しされ
た後、ワインダへ再供給される。

第６図はボビン供給システムの他の実施例を示
し、空トレイへの実ボビン供給ステーシヨンＡに
実ボビンをランダムに収容した実ボビン送出装置
４０Ａ，４０Ｂにより行うタイプである。

なお、本実施例では一台のワインダＷ１で複数
品種の糸を巻返す場合を示し、巻取セクシヨン
SC１，SC２でＡ、Ｂ品種の糸を巻返し、各セク
シヨン用の実ボビンは実ボビン送出装置４０Ａ，
４０Ｂにより空トレイに供給される。ボビン搬送
トレイは各セクシヨン専用のトレイ、例えば色の
異るトレイあるいはトレイの周囲に環状凹溝を形
成してあるかないかによつて織別できるトレイが
適用される。

従つて、例えば巻取セクシヨンSC１から排出
される空ボビンを挿着したトレイはボビン抜取装
置８位置で空ボビン、極少残糸付ボビンが抜取ら
れ、空トレイとなり搬送路１５上を移送され供給
ステーシヨンＡに至る。分岐路４１直前にはトレ
イ選別装置４２例えばマークセンサ、あるいは上
記識別溝に対応する位置に設けられる選別ゲージ
等により、分岐路４１への取込みが行われ、実ボ
ビン供給位置４３に至ると、第５図同様のセンサ
Ｓ１，Ｓ２のアンドにより空トレイが確認される
と共に、ボビン送出装置４０Ａから実ボビン１本
が切出されて、第５図示のガイドシユート３３
ａ，３３ｂを介してトレイに実ボビンが供給、挿
着される。

同様にして巻取セクシヨンSC２用の空トレイ
は供給位置４４において当該セクシヨン用の実ボ
ビンの供給を受け、いづれの実ボビンも共通の口
出し装置７を経て、ワインダＷ１の各巻取セクシ
ヨンへ供給されるのである。

以上のように本発明では、ワインダから巻取完
了後払出される空ボビンを挿着したトレイが、空
ボビンを抜取られた後、搬送路途次の実ボビン供
給位置に到着しさえすれば、実ボビンが当該空ト
レイに供給される。即ち、トレイがボビン搬送媒
体と実ボビン要求信号体を兼ねており、従つて、
ワインダ域内を循環するトレイが実ボビン供給位
置に至ると、該トレイがボビン要求信号となり実
ボビン供給装置から一本の実ボビンが切出され
て、該トレイに供給され、再びボビンを挿着した
トレイがワインダへ供給、搬送されるので、ワイ
ンダ本体と実ボビン供給装置間には一切のボビン
要求信号を伝達する電気的配線を不要とし、供給
タイミングを制御する必要もなく、一つの空トレ
イが実ボビン供給位置に至ることにより、ワイン
ダ側での実ボビン要求を検出することができる。
即ち、ワインダと実ボビン供給装置がトレイを介
して１：１の対応関係がとられ、実ボビンのワイ
ンダに対して過供給、供給不足が生じることがな
く、極めて安定した巻取り運転が、複雑な制御装
置を要することなく行えるのである。従つて実ボ
ビン供給ステーシヨンではトレイ検出用センサに
よるトレイ有りとボビン検出用センサによるボビ
ン無しとの両信号を検出した時のみ実ボビンが供
給され、従つてワインダーから排出される空ボビ
ンの数だけ新たにワインダーに供給できる。

さらに、本願では各巻取ユニツトからはボビン
要求信号線を配線することなく、またワインダー
端部で通過するボビンの数を検出カウントするこ
となく、実ボビン供給ステーシヨンに到つた空ト
レイにのみ実ボビンが供給されるので、複雑な制
御が不要で、ワインダーからの信号伝達用の配線
も不要であり極めてシンプルで、誤動作のないボ
ビン供給が行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明システムの第１実施例を示す概
略構成正面図、第２図は同平面図、第３図は上記
システムに適用されるワインダの巻取ユニツトの
一例を示す斜視図、第４図はワインダのボビン搬
送路を示す平面図、第５図は実ボビン供給ステー
シヨンにおけるボビン供給装置の一例を示す斜視
図、第６図は本発明システムの第２実施例を示す
レイアウト図である。 ３……実ボビン、４……ボビン供給装置、５…
…トレイ、９，１０，１５……トレイ搬送路、
Ｗ，Ｗ１……ワインダ、Ａ……実ボビン供給ステ
ーシヨン、８……空ボビン抜取装置、Ｓ１，Ｓ２
……センサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ワインダーと実ボビン供給ステーシヨン間に
   空ボビン搬送コンベアおよび実ボビン搬送コンベ
   アを設けて、上記ワインダと、空ボビン搬送コン
   ベアと、実ボビン供給ステーシヨンと、実ボビン
   搬送コンベアにより閉ループを構成し、上記閉ル
   ープ内には実ボビン又は空ボビンを個々に分離し
   て、挿着搬送するトレイを循環させ、さらに上記
   空ボビン搬送路の途次には空ボビン抜取装置を設
   け、上記ワインダから払出されるトレイと一体の
   空ボビンが上記空ボビン抜取装置で抜取られ、空
   となつたトレイが上記実ボビン供給ステーシヨン
   に到着したことをセンサが検出し、該空トレイの
   検出信号によつて実ボビン供給装置から実ボビン
   が切出されて空トレイ上に供給され、実ボビンを
   挿着したトレイが上記実ボビン搬送路上を搬送さ
   れてワインダへ供給されるようにしたことを特徴
   とするワインダへのボビン供給システム。