JPH0142371Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電子機器等の筐体に関し、特に、シ
ヤーシと箱状の蓋との結合構造に関するものであ
る。

（従来例の構成とその問題点） 電子機器等の筐体において、筐体本体と蓋との
結合構造には、蝶番を使用して開閉に便なるよう
にしたものと、蓋の一部を本体に引掛けてねじ止
め等により固定するものとがある。前者は、蓋の
開閉が容易であるから比較的頻繁に用いられてい
るが、高価になる傾向があり、それに対し後者
は、安価にできるなどの利点があるが、蓋の形状
が規制され、又、蓋の開閉の操作性が悪いなどの
理由から、あまり使用されていない。

以下、後者の結合構造について、従来例の図面
とともに説明する。

第１図において、１は筐体本体であり、２は蓋
である。本体１の上面には突起１ａが設けられ、
その突起１ａに対応する蓋２の部分に係合孔２ａ
が設けられている。また、第２図においては、本
体３の両側面に突起３ａが設けられ、この突起３
ａに対応する蓋４の部分に切溝４ａが設けられて
いる。このように、電子機器等の筐体において
は、蓋の開閉を容易にするために、筐体の一方に
おいて係合構造を有し、他方でねじ止め（図示せ
ず）により固定することが多い。

しかし、上記のような構造では、筐体本体に蓋
を取り付ける際に、突起１ａ，３ａに対して蓋の
係合孔２ａ、切溝４ａをそれぞれ目視により案内
しなければならず、従つてその操作性が悪いとい
う欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は、上記従来例の欠点を除去するもの
で、蓋を筐体本体に容易に取り付けることのでき
る筐体を提供するものである。

（考案の構造） 上記目的を達成するために、筐体本体（以下、
シヤーシと言う）の両側面上部に、横方向に突出
した一対のガイドピンをそれぞれ設け、このガイ
ドピンに蓋の両側板縁部を当てて下方へスライド
させると、蓋の上面に設けた爪孔がシヤーシ上端
に設けた引留爪まで自然にガイドされて両者が係
合するようになつており、これにより、シヤーシ
と蓋との取り付け操作が極めて簡単になる。

（実施例の説明） 以下、図面とともに実施例を詳細に説明する。

第３図は、本考案の一実施例を示したもので、
５はシヤーシであり、ボルト等により、例えば壁
面に固定される。６は、シヤーシ５の外側を覆う
箱状の蓋である。シヤーシ５には、上端に引留爪
５ａが、両側面の上端付近に横方向に突出したガ
イドピン５ｂが、又、下端に張出部５ｃがそれぞ
れ設けられ、張出部５ｃには、第４図に示したよ
うに、ねじ孔５ｄが設けられている。一方、蓋６
には、上面に、シヤーシ５の引留爪５ａに対応し
て爪孔６ａが、又その内側に、爪孔６ａに沿つて
制止金具６ｂが、さらに底部に止めねじ７を有す
る張出部６ｃがそれぞれ設けられている。第４図
における８及び９は、シヤーシ５に実装されたユ
ニツトであり、１０は、制止金具６ｂに対応して
シヤーシ５に接着されたクツシヨンである。

次に、シヤーシ５に蓋６を取り付ける際は、第
３図又は第４図に示したように、蓋６の両側板の
縁部をガイドピン５ｂに当接させ、その状態で蓋
６を下方へスライドさせると、爪孔６ａが引留爪
５ａまで自然にガイドされ、両者が係合する。そ
して、蓋６の下部もシヤーシ５を覆うように密着
させると、上部では、第５図に示したように、制
止金具６ｂがクツシヨン１０を押え、そのクツシ
ヨン１０の撓みの反力により蓋６が前方に押し戻
されて爪孔６ａのガタを吸収し、上部の固定を安
定させる。下方では止ねじ７をねじ孔５ｄにねじ
込んで、強固に固定される。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、筐体の
取付位置の高低にかかわらず、シヤーシの両側面
に設けられた突起により蓋の位置が規制されるの
で、目のとどかない場所でも容易に蓋を取り付け
ることができる。また、本考案の構成によれば、
蓋を取り外した状態で、内部に実装された機器ユ
ニツトが完全に露出されるので、組立作業並びに
メンテナンスが非常に簡単にできるなど、効果が
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、それぞれ従来例の斜視
図、第３図は、本考案の一実施例の斜視図、第４
図は、同断面図、第５図は、シヤーシと蓋との結
合時の部分断面図である。 ５……シヤーシ、５ａ……引留爪、５ｂ……ガ
イドピン、５ｄ……ねじ孔、６……蓋、６ａ……
爪孔、６ｂ……制止金具、６ｃ……張出部、７…
…止めねじ、１０……クツシヨン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤーシと、該シヤーシを覆う箱状の蓋とから
   構成され、前記シヤーシは、上端部に引留爪と、
   両側面上部に横方向に突出した一対のガイドピン
   と、下端部にねじ孔を設けた張出部とをそれぞれ
   備え、前記蓋は、上面部に前記引留爪と係合する
   爪孔と、下端部に前記ねじ孔に螺合する止めねじ
   を有する張出部とをそれぞれ備えてなり、前記蓋
   をシヤーシに取り付ける際は、前記ガイドピンに
   蓋の両側板縁部を当接させて下方へ摺動させるこ
   とにより、前記爪孔が前記引留爪まで案内され、
   両者が係合するようにしたことを特徴とする筐
   体。