JPH0129627Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の変速機操作装置に関するもの
である。

（従来技術） シフトケーブルとセレクトケーブルによつてチ
エンジレバーの動きを変速機に伝達するようにし
た従来の自動車の変速機操作装置は、チエンジレ
バーの下端にシフトケーブルを装着してチエンジ
レバーのシフト操作を変速機に伝達させるととも
に該チエンジレバーのセレクト操作をベルクラン
クにより方向変換したうえでセレクトケーブルを
介して変速機に伝達するようにしたものを普通と
するため、セレクト操作系に多数の構成部品を必
要とするのみならず、セレクト操作力の伝達効率
が悪く、ダイレクトなセレクトフイーリングを得
ることができないという問題点があつた。

（考案の目的） 本考案は前記のような問題点を解決して構成部
品数が少ないうえにセレクト操作力の伝達効率が
良好でダイレクトなセレクトフイーリングを得る
ことができる自動車の変速機操作装置を目的とし
て完成されたものである。

（考案の構成） 本考案は、中間部に車体の前後方向に延びるシ
フトケーブルを装着したチエンジレバーの下端に
球状部を設けて該球状部を球面軸受により基板上
に取付け、該球状部には球面軸受に透設された長
孔に案内されてチエンジレバーの軸線と直交する
方向にのみ揺動できるセレクトアームを横向きに
突設してその先端に車体の前後方向に延びるセレ
クトケーブルを装着したことを特徴とするもので
ある。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例により詳細に説明
すれば、１は上端に操作用ノブ２を備えたチエン
ジレバーであつて、該チエンジレバー１にはその
中間部に小球部３を形成して該小球部３に球面軸
受状のソケツト４を介して車体の前後方向に延び
るシフトケーブル５を装着するとともに該チエン
ジレバー１の下端には小球部３より大きい球状部
６を一体的に設ける。該球状部６はポリアミド系
樹脂等の合成樹脂製の上下一対の成形部材よりな
る球面軸受７により基板８上に回動自在に支持さ
れている。またこの球状部６には第３図及び第４
図に示されるように、チエンジレバー１の軸線方
向に直交する方向にセレクトアーム９が横向きに
突設されており、該セレクトアーム９は球面軸受
７に透設された長孔１０内に遊挿されて該長孔１
０に案内されてチエンジレバー１の軸線方向と直
交する方向にのみ揺動できるようになつている。
そしてこのセレクトアーム９の先端には小球部１
１が形成され、球面軸受状のソケツト１２を介し
て前記シフトケーブル５と同様に車体の前後方向
に延びるセレクトケーブル１３が装着されてい
る。第２図から明らかなように該セレクトケーブ
ル１３のアウターケーブル１４の口金１５がクリ
ツプ１６により基板８の端部に固定され、同様に
シフトケーブル５のアウターケーブル１７の口金
１８もクリツプ１９により基板８の端部に固定す
ることによりセレクトケーブル１３及びシフトケ
ーブル５の押し引きいずれの方向の変位も変速機
に伝達することができるようになつている。な
お、２０は球面軸受７を基板８に取り付けるため
のチエンジレバーキヤツプ、２１は該チエンジレ
バーキヤツプ２０の外周に配設されたトーシヨン
スプリングであつて、その先端はＬ字状に成形さ
れてセレクトアーム９に係合され、セレクトアー
ム９をニユートラル位置に引き戻すセレクトリタ
ーン作用をさせている。

（作用） このように構成されたものは、シフト操作の際
には第１図に示すようにチエンジレバー１のノブ
２を車体の前後方向に動かせば、チエンジレバー
１はその下端の球状部６が球面軸受７により基板
８に回動自在に支持されているために該球状部６
を中心として前後方向に揺動し、その中間部に装
着されたシフトケーブル５が前後方向に動かされ
て変速機にシフト動作を行わせる。また、セレク
ト操作の際には第２図に示されるようにチエンジ
レバー１のノブ２を横方向に動かせば、上記球状
部６に突設されたセレクトアーム９が球面軸受７
に透設された長孔１０に案内されてシフトケーブ
ル５を揺動させることなくチエンジレバー１の軸
線方向と直交する方向にのみ揺動し、その先端に
装着したセレクトケーブル１３を直接に動かして
変速機にセレクト動作を行わせることとなるもの
で、このセレクト操作はチエンジレバー１の球状
部６に突設されたセレクトアーム９により直接セ
レクトケーブル１３を動かすので、セレクト操作
力の伝達効率は極めて高く、ダイレクトなフイー
リングを得ることができる。

（考案の効果） 本考案は以上の説明から明らかなように、チエ
ンジレバーの下端の球状部を球面軸受により基板
に支持させるとともに、該球状部に横向きに突設
したセレクトアームを球面軸受に透設された長孔
に案内させることによつてチエンジレバーの軸線
方向と直交する方向にのみ揺動させるようにして
チエンジレバーを前後方向及び横方向に操作でき
るようにしたうえ、該チエンジレバーの中間部及
びセレクトアームの先端部に直接シフトケーブル
及びセレクトケーブルを装着したものであるか
ら、従来のベルクランクを介してセレクトケーブ
ルを動かす形式のものに比べ全体の構成部品数が
減少するうえセレクト操作力が効率良くセレクト
ケーブルに伝達されてダイレクトなセレクトフイ
ーリングを得ることができる。よつて本考案は製
作が容易で安価に提供できる利点と相俟ち従来の
自動車の変速機操作装置の問題点を解消したもの
として実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図は同じく一部切欠平面図、第３図は同
じく一部切欠側面図、第４図は第３図のＡ−Ａ矢
視図である。 １：チエンジレバー、５：シフトケーブル、
６：球状部、７：球面軸受、８：基板、９：セレ
クトアーム、１０：長孔、１３：セレクトケーブ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間部に車体の前後方向に延びるシフトケーブ
   ル５を装着したチエンジレバー１の下端に球状部
   ６を設けて該球状部６を球面軸受７により基板８
   上に取付け、該球状部６には球面軸受７に透設さ
   れた長孔１０に案内されてチエンジレバー１の軸
   線と直交する方向にのみ揺動できるセレクトアー
   ム９を横向きに突設してその先端に車体の前後方
   向に延びるセレクトケーブル１３を装着したこと
   を特徴とする自動車の変速機操作装置。