JPH0743530Y2 - トランスミツシヨンのリモ−トコントロ−ル式操作機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、自動車のトランスミッションのリモートコ
ントロール式操作機構に関する。

従来の技術 この種のリモートコントロール式操作機構として例えば
特開昭54−149035号公報に示されるものがある。同公報
に示されるものはフロアシフトタイプの操作機構に関す
るもので、チェンジレバーの変位をベルクランクの回転
力に変換するために、これらチェンジレバーとベルクラ
ンクとの間に中間部材としてキャリアを介在させた構造
となつている。

考案が解決しようとする問題点 上記公報に示された従来の構造によれば、キャリアが介
在しているために部品点数が多く構造が複雑であり、と
りわけコラムシフトタイプの操作機構に適用するには無
理がある。

本考案は、部品点数が少なく小型であつて、特にコラム
シフトタイプの操作機構として好適な構造を提供しよう
とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案のリモートコントロール式操作機構は、ステアリ
ングコラムの上端一側部に設けられた支点部と、この支
点部にシフトおよびセレクト方向に回動自在に支持され
るとともに、操作部側となる一端部がステアリングコラ
ムを跨いで前記支点部と反対側の車幅方向に延在し、か
つ他端部が前記支点部を貫通する略Ｌ字状のチェンジレ
バーと、一端がチェンジレバーの支点部側の前記他端部
に連結されて該チェンジレバーのシフト動作に応じてそ
のチェンジレバーの他端部と平行な軸を回転中心として
回動するとともに、他端がステアリングコラムの前記チ
ェンジレバーのある側と反対側を跨いで前記支点部と反
対側の車幅方向に延在するベルクランクと、一端がベル
クランクの他端部側に連結されるととともに他端がトラ
ンスミッション側のシフトレバーに連結されたシフト用
ワイヤケーブルと、一端がチェンジレバーのうち支点部
よりも操作部よりの位置に連結されるとともに他端がト
ランスミッション側のセレクトレバーに連結されたセレ
クト用ワイヤケーブルとから構成されている。

作用 本考案によれば、少なくともストローク変換機構部につ
いては支点部、チェンジレバーおよびベルクランクの３
要素で成立するので構造的にきわめてシンプルであり、
コラムシフトタイプの操作機構にも容易に適用すること
ができる。

実施例 第１図〜第４図は本考案のより具体的な一実施例を示す
図である。

第１図〜第４図に示すように、ステアリングコラム２の
上端一側部にはハウジング20を含むブラケット21が固定
されており、このブラケット21に対して支点部としての
ボールジョイント22を介して略Ｌ字状に屈曲したチェン
ジレバー23がシフト方向およびセレクト方向に回動可能
に支持されている。尚、第３図において、24はハウジン
グ20とブラケット21との間に介装されるブシュ、25およ
び26はカラー、27はコイルばねである。

そして、操作ノブ23bが取り付けられたチェンジレバー2
3の操作部側の一端部はステアリングコラム２の下部を
とりまくようにこれを跨ぎ、ステアリングコラム２をは
さんで前記支点部であるボールジョイント22と反対側に
延在している一方（第４図参照）、チェンジレバー23の
他端部は実質的にボールジョイント22を貫通している。

ここで、チェンジレバー23は第４図から明らかなように
ステアリングコラム２と交差するようなかたちでこれを
跨いでいることから、ステアリングコラム２の下面とチ
ェンジレバー23との間の寸法ｌを、チェンジレバー23の
シフト方向ストロークに併せて設定することにより、チ
ェンジレバー23のシフト方向ストロークを規制する一方
側のストツパーとすることができる。この場合、ステア
リングコラム２側またはチェンジレバー23側にラバー等
の弾性体を貼着するのが望ましい。

ブラケット21にはピン（軸）28を介してベルクランク29
が回動可能に軸支されている。ベルクランク29はステア
リングコラム２の上部をとりまくようにこれを跨ぎ、ス
テアリングコラム２をはさんでチェンジレバー23と同方
向に延在している。そして、ブラケット21側に位置する
ベルクランク29の一端部29aはチェンジレバー23のうち
支点部であるボールジョイント22側の他端部に補助ボー
ルジョイント23aを介して回動可能に連結されている。

チェンジレバー23およびベルクランク29にはリンケージ
としてのプッシュプルケーブル30または31が連結されて
いる。より詳しくは、チェンジレバー23のうち、支点部
であるるボールジョイント22よりも操作部たる操作ノブ
23b側の位置23cには、セレクトリンケージとしてのプッ
シュプルケーブル30のインナーワイヤ（セレクト用ワイ
ヤケーブル）30Aの一端30aが回動回動に連結されてお
り、その他端30bはトランスミッション９側のセレクト
レバー11に連結されている。

また同様に、ベルクランク29の他端部29bには、シフト
リンケージとしてのプッシュプルケーブル31のインナー
ワイヤ（シフト用ワイヤケーブル）31Aの一端31aが回動
可能に連結されており、その他端31bは同じくトランス
ミッション９側のシフトレバー10に連結されている。
尚、プッシュプルケーブル30,31のアウターチューブ30
B,31Bはステアリングコラム２側のブラケット32,33及び
トランスミッション９側のブラケット34,35にそれぞれ
に固定されている。

したがつて以上の構成によれば、シフト操作時にはチェ
ンジレバー23の変位によりベルクランク29がピン28を回
転中心として回動し、プッシュプルケーブル31のインナ
ーワイヤ31Aが押圧または牽引される結果、シフトレバ
ー10が回動する。これによりトランスミッション９内の
歯車変速機構が切換操作される。

また、セレクト操作時には、ベルクランク29の変位を伴
うことなくチェンジレバー23のみが単独で回動し、プッ
シュプルケーブル30のインナーワイヤ30Aが押圧または
牽引される結果、セレクトレバー11が回動する。これに
よりトランスミッション９内の歯車変速機構が切換操作
される。

考案の効果 以上のように本考案によれば、ステアリングコラムの上
端部にベルクランク等を主体とするストローク変換機構
を設け、チェンジレバーとベルクランクとについて実質
的にステアリングコラムを横切らせた上で、各回動支点
と反対側の位置で各ワイヤケーブルに接続したことによ
り、レバー比を大きくとることができるとともに、トラ
ンスミッションへの変位伝達系はワイヤケーブルのみで
足りることから、部品点数を少なくしてその構造の簡素
化とスペース効率の向上を図ることができるほか、チェ
ンジレバーがベルクランクに直結されていて従来のよう
な中間部材が存在しないために、これによってもまた部
品点数を少なくして全体をコンパクトにまとめることが
できる。

しかも、チェンジレバーとベルクランクとの間にステア
リングコラムが位置することになるため、例えばチェン
ジレバーとベルクランクの双方がステアリングコラムの
下方に位置するものに比べてステアリングコラムの下方
への突出量が少なく、乗員の足元スペースを大きく確保
できることから、これによってもまたスペース効率の上
で有利となる。

また、セレクト操作時には、シフト操作時におけるチェ
ンジレバーの揺動変位と異なり、ボールジョイントの軸
心を回転中心としたチェンジレバーの回動変位により行
うようにしているとともに、そのチェンジレバーとベル
クランクとを補助ボールジョイントを介して回動可能に
連結し、セレクト操作時にチェンジレバーとベルクラン
クとをその補助ボールジョイント部で相対回転させるこ
とによって、チェンジレバーのセレクト操作力がベルク
ランクに伝わらないようにしている。その結果、上記の
チェンジレバーとベルクランクとの連結部にいわゆる遊
びと言われる大きな隙間を設ける必要がないので、無効
ストロークが生ずることもなければそれによってチェン
ジレバーのシフト操作量が増大することもなく、操作性
も併せて向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図は第１
図のＡ部拡大図、第３図は第１図の分解図、第４図は第
１図のＢ方向矢視図である。 ２……ステアリングコラム、９……トランスミッショ
ン、10……シフトレバー、11……セレクトレバー、22…
…ボールジョイント（支点部）、23……チェンジレバ
ー、23a……補助ボールジョイント、23b……操作部とし
ての操作ノブ、28……ピン（軸）、29……ベルクラン
ク、30,31……プッシュプルケーブル、30A……セレクト
用ワイヤケーブルとしてのインナーワイヤ、31A……シ
フト用ワイヤケーブルとしてのインナーワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ステアリングコラムの上端一側部に設けら
   れた支点部と、 この支点部にシフトおよびセレクト方向に回動自在に支
   持されるとともに、操作部側となる一端部がステアリン
   グコラムを跨いで前記支点部と反対側の車幅方向に延在
   し、かつ他端部が前記支点部を貫通する略Ｌ字状のチェ
   ンジレバーと、 一端がチェンジレバーの支点部側の前記他端部に連結さ
   れて該チェンジレバーのシフト動作に応じてそのチェン
   ジレバーの他端部と平行な軸を回転中心として回動する
   とともに、他端がステアリングコラムの前記チェンジレ
   バーのある側とは反対側を跨いで前記支点部と反対側の
   車幅方向に延在するベルクランクと、 一端がベルクランクの他端部側に連結されるとともに他
   端がトランスミッション側のシフトレバーに連結された
   シフト用ワイヤケーブルと、 一端がチェンジレバーのうち支点部よりも操作部よりの
   位置に連結されるとともに他端がトランスミッション側
   のセレクトレバーに連結されたセレクト用ワイヤケーブ
   ル、 とから構成されたことを特徴とするトランスミッション
   のリモートコントロール式操作機構。