JPH0120588Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はヒートポンプ式空気調和機の構造に関
し、とくに過負荷保護を行なうための構造を提供
するものである。

「従来の技術」 従来のヒートポンプ式空気調和機において、過
負荷保護を行なうため、圧縮機に連なる冷媒流路
に圧力スイツチを設けるか、若しくは温度検出サ
ーモスイツチを設け、その動作に基づいて、冷却
ユニツトの運転制御を行うようにしていた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、上記従来の構造によると、圧力
スイツチ等の検出装置及び制御装置が高価で、ま
た検出装置の設定によつては必要以上に運転が停
止されてしまうという欠点を有していた。この対
策としては圧縮機の電動機を可変速運転すること
が行なわれているが、更に装置が複雑となり高価
となるという欠点を有していた。

「問題点を解決するための手段」 本考案は上記従来の欠点を除去するもので、室
外側プロペラフアンの導風板の一側に開口を形成
すると共に、同開口にダンパーを設け、同ダンパ
ーには圧縮機と室内側熱交換器とを結ぶ冷媒配管
の温度を検出し、その温度が設定値以上において
作動し、ダンパーを開放位置とするための形状記
憶合金を含む駆動装置を設けてなるものである。

「実施例」 以下図に示す一実施例について本考案を説明す
ると、１は圧縮機で、同圧縮機１の吸入側と吐出
側に連なる四方切替弁２が設けられ、同切替弁２
の一側には室内側熱交換器３、他側には室外側熱
交換器４が夫々設けられ、これ等室内側熱交換器
３と室外側熱交換器４との間にはキヤピラリ５が
設けられている。一方、前記室外側熱熱交換器４
は室外側に配設され、これに対向してプロペラフ
アン６が配設され、同プロペラフアン６を囲むよ
うに導風板７が設けられ、その一側には開口８が
形成され、同開口８にはこれを開閉するダンパー
９が設けられ、同ダンパー９には前記圧縮機１と
室内側熱交換器３とを結ぶ冷媒配管１０の温度を
検出し、その温度が設定値以上において作動し、
ダンパー９を開放位置とするための形状記憶合金
を含む駆動装置１１が設けられている。この駆動
装置１１は前記冷媒配管１０の温度ｔを設定して
この温度ｔ以上において特定の形状となるように
記憶させた形状記憶合金を用いるものとして、例
えば第２図に示すように外開きのダンパー９を閉
位置とする復帰スプリング１２を設け、同ダンパ
ー９には前記設定温度ｔ以上において収縮形コイ
ル形状となるように記憶させた形状記憶合金１３
を設け、その一端を冷媒配管１０に連係するか、
或いは第３図に示すように内開きのダンパー９を
閉位置とする復帰スプリング１２を設け、同ダン
パー９には前記設定温度ｔ以上において伸長形コ
イル形状となるように記憶させた形状記憶合金１
４を設ける。尚、これ等形状記憶合金の取付けに
あたり感温と保持を兼ねて第４図に示すように、
コイルに外接する保持筒１６若しくは第５図に示
すようにコイルに内接する保持部材１６を装設す
る。

「作用」 以上のような構成において、冷房運転時には圧
縮機１から四方切替弁２を介して室外側熱交換器
４、キヤピラリ５を経て室内側熱交換器３を通り
前記四方切替弁２の他側を介して圧縮機１に戻る
流路に冷媒が流通する。次に、前記四方切替弁２
を切替えると、圧縮機１から同四方切替弁２を介
して室内側熱交換器３、キヤピラリ５を経て室外
側熱交換器４を通り前記四方切替弁２の他側を介
して圧縮機１に戻る流路に冷媒が流通して暖房運
転が行なわれる。しかして、この運転時に通常は
圧縮機１と室内側熱交換器３とを結ぶ冷媒配管１
０の温度ｔは設定値以下にあり、ダンパー９は復
帰スプリング１２によつて閉位置に保持されてい
る。これに対して負荷が高くなると、前記冷媒管
１０の温度が上昇し、この温度が設定温度ｔを越
えると前記形状記憶合金１３或いは１４がこれを
感温すると共に、記憶された形状となり、復帰ス
プリング１２に抗してダンパー９を開位置に駆動
する。これによつてプロペラフアン６による空気
流の一部が導風板７の開口８を通して側路される
ことになり室外側熱交換器４に対する冷却風量が
自動的に抑えられる。

「考案の効果」 以上のように本考案にあつては、ヒートポンプ
による暖房運転時において負荷が高くなると、前
記冷媒配管に対する形状記憶合金の感温並びに作
動に基づくダンパー駆動と共に室外側熱交換器へ
の送風量を自動的に減少することができるので、
冷媒流路の高圧側の圧力上昇を防止でき圧縮機に
対する過負荷をなくし無理なく暖房運転を続ける
ことができる。これによつて、従来のもののよう
に高価な圧力スイツチ等の検出装置および制御装
置を用いることなく、また圧縮機の電動機の可変
速運転等を行なうことなく高負荷まで暖房運転を
行なうことができる。とくに、前記形状記憶合金
は冷媒配管の感温手段とダンパーの駆動手段を兼
ねているので構造も簡単となり、これ等は極めて
簡単な構成によつて達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す空気調和機の
冷房ユニツトの配管図を兼ねた要部構造図、第２
図は同じく室外側熱交換器の導風板部の要部切欠
平面図、第３図は同じく他の実施例を示す導風板
部の要部切欠平面図、第４図は形状記憶合金の保
持部の要部断面図、第５図は同じく他の実施例を
示す保持部の要部断面図である。 同図中、１は圧縮機、２は四方切替弁、３は室
内側熱交換器、４は室外側熱交換器、７は導風
板、８は開口、９はダンパー、１０は冷媒配管、
１２は複帰スプリング、１３，１４は形状記憶合
金である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 室外側プロペラフアンの導風板の一側に開口を
   形成すると共に、同開口にダンパーを設け、同ダ
   ンパーには圧縮機と室内側熱交換器とを結ぶ冷媒
   配管の温度を検出し、その温度が設定値以上にお
   いて作動し、ダンパーを開放位置とするための形
   状記憶合金を含む駆動装置を設けてなることを特
   徴とする空気調和機。