JP7367718B2 - 建築物の建築方法、および、建築物 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の建築方法、および、建築物に関する。
特許文献1には、建築物において、部材間の隙間(同文献では、開口部)にシリコーン組成物のコーティングを充填する技術が開示されている。
特開平10-152915号公報
部材間の隙間に適切に樹脂が充填されていない場合、または、隙間において充填量にムラがある場合、建築物の気密性が十分に確保できない場合がある。
(1)上記課題を解決する建築物の建築方法は、建築物を建築する建築方法であって、建築部材を組み立てる組立工程と、封止樹脂の噴霧によって、組み立てられた前記建築部材の間の隙間を埋めるように樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を含み、前記封止樹脂の色は、前記隙間を構成する前記建築部材の色と異なる。
この構成によれば、建築部材の色と異なる封止樹脂の噴霧によって建築部材の間の隙間を埋める。これによって、気密性が高い樹脂層を形成し易い。このため、建築物の気密性を向上できる。
(2)上記(1)の建築物の建築方法において、前記樹脂層形成工程において、前記隙間を構成する前記建築部材の色が前記樹脂層を介して透けて見える状態がなくなるまで、または、前記樹脂層を介して見える前記建築部材の色が元の色よりも薄くなるまで、前記封止樹脂を噴霧する。
樹脂層において、極端に薄い部分は、経時劣化で穴になり易く、長期的な気密性が確保し難い。また、樹脂層にピンホールが形成されると、気密性が確保し難い。この点、上記構成によれば、樹脂層において、極端に薄い部分またはピンホールを少なくできる。これによって、建築物において、長期的な気密性を向上できる。
(3)上記(1)または(2)の建築物の建築方法において、前記樹脂層形成工程において、前記樹脂層の色が見本のサンプル色に近づくように前記封止樹脂を噴霧する。
この構成によれば、見本のサンプル色に基づいて樹脂層の形成状態を確認できるため、作業者によって生じる樹脂層の厚みのばらつきを少なくできる。
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つの建築物の建築方法において、前記封止樹脂の色は、前記隙間を構成する前記建築部材の色に対する補色である。
この構成によれば、視認によって樹脂層と建築部材とを区別し易くできる。これによって、樹脂層の厚みが十分であるか否かを判定し易い。
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つの建築物の建築方法において、前記封止樹脂の噴霧前、前記隙間を構成する前記建築部材を、前記封止樹脂の色と異なる色に変色させる。封止樹脂の色を建築部材の色と異なるようにする場合、封止樹脂の色として選択できる選択幅は、建築部材の色によって制限される。この点、上記構成によれば、樹脂層の色を自由に選択できるようになる。
(6)上記(1)~(5)のいずれか1つの建築物の建築方法において、前記隙間をシール部材で封止した後、前記シール部材を含む範囲に前記封止樹脂を噴霧する。この構成によれば、建築物の気密性を向上できる。
(7)上記(1)~(6)のいずれか1つの建築物の建築方法において、前記封止樹脂は、変性シリコーン樹脂、または、エラストマ樹脂である。この構成によれば、伸縮性に優れた樹脂層を形成できる。これによって、建築物の揺れおよび軋みによって、樹脂層の破れを抑制できる。
(8)課題を解決する建築物は、基礎と、前記基礎に直接または間接的に固定されて互いに結合される建築部材と、前記建築部材の間の隙間を埋めるように設けられる樹脂層と、を備え、前記樹脂層は、変性シリコーン樹脂またはエラストマ樹脂により構成され、前記樹脂層の色は、前記隙間を構成する前記建築部材の色と異なる色を有する。この構成によれば、建築物の気密性を向上できる。
(9)課題を解決する建築物は、基礎と、前記基礎に直接または間接的に固定されて互いに結合される建築部材と、前記建築部材の間の隙間を封止するシール部材と、前記シール部材を覆う樹脂層と、を備え、前記樹脂層は、変性シリコーン樹脂またはエラストマ樹脂により構成され、前記樹脂層の色は、前記隙間を構成する前記建築部材の色および前記シール部材の色と異なる色を有する。この構成によれば、建築物の気密性を向上できる。
(10)上記(8)または(9)の建築物において、前記樹脂層の色は、前記隙間を構成する前記建築部材の色に対する補色である。この構成によれば、視認によって樹脂層と建築部材とを区別し易くできる。これによって、建築物の建築中および建築後において、樹脂層の厚みが十分であるか否か、または、ピンホールが形成されていないか、を判定し易い。
本開示の建築物の建築方法、および、建築物は、気密性を向上できる。
建築物の模式図。 建築物の床の斜視図。 床において柱の周辺の斜視図。 2階フロア付近の梁の周辺の斜視図。 梁と桁の接続部分の斜視図。 建築物において、樹脂層が設けられた床の斜視図。 建築物において、樹脂層が設けられる部分の一例の断面図。 建築物において、樹脂層が設けられる部分の他の例の断面図。 見本の模式図。
図1に示されるように、建築物1は、建築物1内の室内と建築物1の外の室外とを繋ぐ隙間Sを有する。隙間Sは、図1の円で囲まれる部分にある。
図2~図5を参照して、建築物1の隙間Sの例を挙げる。図2~図5は、隙間Sについて従来の封止方法を示す図である。図2に示されるように、床2を構成する床板2aの間には隙間Sがある。床板2aの間の隙間Sは、室外と室内とを繋ぐ通気路を構成する。2つの床板2aの間の隙間Sは、シール部材17で封止される。例えば、シール部材17は、アルミテープである。
給水管10aと床板2aとの間および排水管10bと床板2aとの間には、隙間Sがある。給水管10aと床板2aとの間の隙間S、および、排水管10bと床板2aとの間の隙間Sは、室外と室内とを繋ぐ通気路を構成する。このような配管の隙間Sは、コーキング材18によって埋められる。
床板2aと壁板2bとの間には隙間Sがある。床板2aと壁板2bとの間の隙間Sは、室外と室内とを繋ぐ通気路を構成する。床板2aと壁板2bとの間の隙間Sは、シール部材17で封止される。
また、図3に示されるように、柱3の周辺には隙間Sがある。柱3は、室外から室内に渡るように設けられるため、柱3の周辺には、室外と室内とを繋ぐ隙間Sがある。具体的には、土台に立てられる柱3と床板2aとの間には隙間Sが生じる。床板2aは、気密シート4で覆われる。一方、柱3と床板2aとの間には、隙間Sがある。
図4に示されるように、梁5と壁枠7との間には第1断熱部材8aが詰められる。第1断熱部材8aは、第1断熱部材8aの弾性によって梁5に接触する。梁5において、第1断熱部材8aが接触する部分において、梁5と第1断熱部材8aとの間には隙間Sがある。梁5には、梁5の長手方向に沿うように第2断熱部材8bが取り付けられる。第1断熱部材8aと第2断熱部材8bとの間の隙間Sは、梁5と第1断熱部材8aとの間の隙間Sと繋がる。このような隙間Sと隙間Sとの繋がりは、室外と室内とを繋ぐ通気路を構成する。このようなことから、第1断熱部材8aと第2断熱部材8bとの間の隙間Sは、シール部材17で封止される。
図5に示されるように、梁5には、第3断熱部材8cが設けられる。第3断熱部材8cは、梁5に沿うように設けられる。梁5と桁6との接続部分において、第3断熱部材8cは、第3断熱部材8cの端面が桁6に突き当たるように設けられる。梁5と桁6との接続部分には、梁5と桁6との間に隙間S(図示省略)がある。また、第3断熱部材8cと桁6との間にも隙間Sがある。梁5と桁6との間に隙間Sは、第3断熱部材8cと桁6との間の隙間と繋がる。このような隙間Sと隙間Sとの繋がりは、室外と室内とを繋ぐ通気路を構成する。このようなことから、梁5と桁6との接続部分は、カバー9によって覆われる。カバー9は、複数の分割体9aによって構成される。分割体9aは、第3断熱部材8cに密着するように設けられる。梁5と桁6との接続部分において、複数の分割体9aを組み合わせることによって、梁5と桁6との接続部分を覆う。カバー9と桁6との間の隙間Sは、シール部材17で封止される。
隙間Sは、建築物1の気密性を低下させる。隙間Sを介して外気が入ることによって建築物1の室内環境が低下する。具体的には、外気の侵入によって、室内の空調環境が低下し、または、空調効率の低下が生じる。建築物1の室内環境の向上のため、建築物1では、気密ライン(図1の破線)が設けられる。気密ラインは、室内を囲むように設けられる。建築物1において、気密ラインに沿うように気密シート4が設けられ、隙間Sは、様々な方法で埋められる。例えば、隙間Sは、コーキング材によって埋められる。隙間Sは、発泡ウレタンの吹き付けによって埋められる。隙間Sは、カバー9によって覆われてもよい。
図6~図9を参照して、本実施形態に係る建築物1の建築方法を説明する。
建築物1の建築方法は、建築物1を製造する製造方法である。建築物1の建築方法は、建築部材15を組み立てる組立工程と、樹脂層形成工程と、を含む。
組立工程の一例を説明する。
組立工程では、基礎11の上に建築部材15を組み立てる。組立工程では、建築物本体12と、屋根13とが形成される。
建築部材15の例として、軸組みを構成する軸部材、軸組みに設けられる外壁、外壁に取り付けられる断熱部材、屋根部材、パネル部材、が挙げられる。
軸部材の例として、梁、柱、桁、筋交い、土台、垂木、が挙げられる。屋根部材として、野地板、垂木、屋根材が挙げられる。パネル部材として、床板、内壁材、天井板、および、外壁材が挙げられる。
樹脂層形成工程では、樹脂層20を形成する。樹脂層20は、組み立てられた建築部材15の間の隙間Sを埋めるように設けられる。一例では、隙間Sは、幅5cm以下である。樹脂層20の厚みは、0.1mm以上である。好ましくは、樹脂層20の厚みは、0.2mm以上である。
樹脂層形成工程は、建築物1の内装工事の前または内装工事と同時に行われる。一例では、内壁が取り付けられる前に、樹脂層20の形成が行われる。内壁が取り付けられる後に、樹脂層20の形成が行われてもよい。
図6に示されるように、建築物1の床にある複数の隙間Sを、一連の噴霧作業によって、樹脂層20で封止してもよい。一例では、床板2a同士の間の隙間S、床板2aと壁板2bとの間の隙間S、柱3の周辺の隙間S、給水管10aと床板2aとの間の隙間S、および、排水管10bと床板2aとの間の隙間Sを、一連の噴霧作業によって、封止樹脂で封止する。
図7に示されるように、樹脂層20は、隙間Sを埋めるように構成される。樹脂層20は、隙間Sを含む領域にわたる連続する膜に構成される。樹脂層20は、隙間Sを構成する建築部材15に接着する。樹脂層20は、連続した膜に形成されて、隙間Sを構成する建築部材15に接着し、かつ、隙間Sを覆うことによって、室内と室外とを繋ぐ隙間Sを封止する。
樹脂層形成工程は、組立工程における様々な工程で行われる。
例えば、壁と梁との接続部分における壁と梁との間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。
梁に穴がある場合には、穴を塞ぐように配置された断熱部材と梁との間に隙間Sが生じる場合がある。梁と断熱部材との間の隙間Sは、穴を通じて外に繋がる。そこで、梁と断熱部材とを含めた全体を覆うように、樹脂層20が形成される。
軸組みと外壁との間に隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。外壁を構成するパネル間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。床材と外壁との間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。天井板と外壁との間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。外壁に設けられる穴と、穴を通る配管との間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。床板に設けられる穴と、穴を通る配管との間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。天井板に設けられる穴と、穴を通る配管との間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。外壁の窓用開口部と窓枠との間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成してもよい。
図8に示されるように、樹脂層20は、他のシール部材17とともに隙間Sを封止するよう形成されてもよい。第1例では、隙間Sをシール部材17で封止した後、シール部材17を含む範囲に封止樹脂を噴霧する。樹脂層20は、シール部材17を覆うように設けられる。樹脂層20の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色およびシール部材17の色のいずれとも異なることが好ましい。第2例では、隙間Sを封止樹脂で埋めるよう噴霧した後、封止樹脂で埋められた部分をシール部材17で覆う。粗面を有する隙間Sの場合、第2例によって隙間Sが封止される。第2例において、封止樹脂で埋められた部分をシール部材17で覆った後、さらに、シール部材17に封止樹脂を噴霧して、シール部材17を覆う樹脂層20を形成してもよい。シール部材17は、封止テープであってもよい。シール部材17は、接着性を有するコーキング材であってもよい。
樹脂層20は、封止樹脂の噴霧によって形成される。封止樹脂の噴霧の範囲は、隙間Sおよび隙間Sの周辺を含む。例えば、エアスプレー装置を使って封止樹脂を噴霧する。エアレス方式で封止樹脂を噴霧してもよい。静電スプレーによって封止樹脂を噴霧してもよい。
封止樹脂が不透明である場合、次のように樹脂層20が形成される。樹脂層形成工程において、隙間Sを構成する建築部材15の色が樹脂層20を介して透けて見える状態がなくなるまで封止樹脂を噴霧する。好ましくは、樹脂層形成工程において、樹脂層20の色が見本30のサンプル色に近づくように封止樹脂を噴霧する。見本30は、予め形成されてもよい。見本30は、建築現場で形成されてもよい。
封止樹脂が半透明である場合、隙間Sを構成する建築部材15に対して、次のように樹脂層20が形成される。樹脂層形成工程において、樹脂層20を介して見える建築部材15の色が元の色よりも薄くなるまで封止樹脂を噴霧する。例えば、建築部材15の色が黒色の場合であって、樹脂層20が半透明の白色である場合、樹脂層20を介して透けて見える建築部材15の色が黒色から灰色に変化するまで、封止樹脂を噴霧する。
図9に示されるように、見本30は、ボード31と、ボード31に形成される複数のサンプル32とを有する。一例では、ボード31の色は、建築部材15の色と同系色に塗られている。サンプル32は、封止樹脂の噴霧によって形成される。複数のサンプル32は、噴霧時間が異ならせて形成されている。複数のサンプル32のうちの1つは、好適な例として構成される。複数のサンプル32の残りは、不適切な例として構成される。サンプル32は、色の薄いものから濃いものへと順に並べられる。不適切なサンプル32の一例は、噴霧が足りない状態を示し、好適なサンプル32のサンプル色よりも薄い色であって、ボード31の色と好適なサンプル32のサンプル色との間の中間色を呈する。不適切なサンプル32の他の例は、過剰な噴霧状態を示し、好適なサンプル32のサンプル色に近い色であって、表面が平坦でない。好適なサンプル32のサンプル色は、樹脂層20自体の色に近い。作業者は、見本30のサンプル色を参照することによって、噴霧によって形成された樹脂層20が適切なものであるか否かを判断できる。
複数種類の見本30からなる見本セットが用意されてもよい。見本セットの各見本30は、ボード31の色が異なる。ボード31の色は、様々な建築部材15から選択される所定の建築部材15と同系色の色に設定される。例えば、ボード31の色は、黒である。他の例では、ボード31は、白である。他の例では、ボード31の色は、茶色である。
封止樹脂は、変性シリコーン樹脂、または、エラストマ樹脂である。
変性シリコーン樹脂は、変性シリコーンを含む樹脂である。変性シリコーン樹脂は、噴霧可能な程度の粘性を有する。好ましくは、変性シリコーン樹脂は、室温で硬化する。変性シリコーン樹脂は、変性シリコーンの他に、他の低粘度ポリマーを含んでもよい。変性シリコーン樹脂は、有機溶剤を含んでもよい。低粘度ポリマーおよび有機溶剤によって変性シリコーン樹脂の粘度は調整される。
エラストマ樹脂は、エラストマを含む樹脂であってもよい。エラストマの一例は、スチレン系共重合体である。エラストマの他の例は、ブチレン系共重合体を含んでもよい。エラストマ樹脂は、エラストマの他に、他の低粘度ポリマーを含んでもよい。エラストマ樹脂は、エラストマの他に、有機溶剤を含んでもよい。低粘度ポリマーおよび有機溶剤によってエラストマ樹脂の粘度は調整される。
封止樹脂は、半透明、または、不透明である。封止樹脂の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色と異なる。目視によって、色の違いが認識できる程度に、封止樹脂の色は、建築部材15の色と異なる。具体的には、建築部材15の色についてマンセルカラーシステムの基本10色から色相を特定した場合、色相環の円周方向において、封止樹脂の色相が建築部材15の色相から2以上離れた色相をとるように、封止樹脂の色が決定される。例えば、建築部材15の色相が赤の場合は、封止樹脂の色相が、黄色以外かつ赤紫以外の色相であることが好ましい。具体的には、建築部材15の色相が赤の場合は、封止樹脂の色相は、黄色、黄緑、緑、青緑、青、紫青、紫から選択される。さらに、明度を考慮して、色を選択されてもよい。建築部材15の明度が低い場合、封止樹脂は、明度が高い色が選択される。例えば、建築部材15が黒に近い色である場合、封止樹脂は、白に近い色のものが選択される。
好ましくは、封止樹脂の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色に対する補色である。封止樹脂の色は、染料または顔料によって着色される。封止樹脂の着色は、建築部材15の色と異なる色に変色するために、工事現場で行われてもよい。
封止樹脂を噴霧する前に、隙間Sを構成する建築部材15を、封止樹脂の色と異なる色に変色させてもよい。例えば、塗料を建築部材15に塗布すること、または、塗料を建築部材15に吹き付けることによって、建築部材15を変色させる。建築部材15をシール材で覆うことによって変色させてもよい。変色後の建築部材15の色は、封止樹脂の色の補色であることが好ましい。封止樹脂の色が白である場合、建築部材15は、黒に変色される。
また、色が異なる複数の建築部材15が組み合っている部分に隙間がある場合、その部分の全体を覆うように樹脂層20を形成する。この場合、封止樹脂を噴霧する前に、その部分全体を、封止樹脂の色と異なる色に変色させてもよい。具体的には、色が異なる複数の建築部材15が組み合っている部分全体を、封止樹脂の色の補色となるように変色させてもよい。変色は、噴霧する封止樹脂の色と異なる色の封止樹脂を使うことによって、行われてもよい。
以上の建築物1の建築方法によれば、次のような建築物1が構成される。
建築物1は、基礎11と、建築部材15と、樹脂層20とを備える。建築部材15は、基礎11に直接または間接的に固定されて互いに結合される。建築部材15によって、建築物本体12および屋根13が構成される。樹脂層20は、建築部材15の間の隙間Sを埋めるように設けられる。樹脂層20は、変性シリコーン樹脂またはエラストマ樹脂により構成される。樹脂層20の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色と異なる色を有する。
本実施形態の作用を説明する。
従来、建築物1の気密性の確保のため、天井裏または壁に発泡ウレタンの吹き付けが行われている。しかしながら、発泡ウレタンを対象領域にムラなく吹き付けることが難しい。また、吹き付けられた発泡ウレタンの層において、隙間Sを見つけることも難しい。具体的には、発泡ウレタンは、凸凹構造を有し、発泡ウレタンの内部に、建築物1の内外を繋ぐ細い通路が形成される場合がある。この通路の開口端が、発泡ウレタンの凸部の横にある場合には、外部から、目視で、このような隙間Sの開口端を発見でき難い。したがって、発泡ウレタンの吹き付けでは、隙間Sの封止漏れを発見することが困難であり、建築物1の気密性を向上させることは難しい。また、対象領域を気密シート4で覆うこともあるが、複雑な構造を有する部分において気密シート4で完全に覆うことは難しい。2つの気密シート4のつなぎ目に隙間Sができる可能性もある。一方、コーキング材の使用によれば、建築物1の気密性を確保し易い。しかし、コーキング材の塗布は、多くの労力を有し、作業性に劣る。
この点、本実施形態では、封止樹脂の噴霧によって樹脂層20を形成する。これによって、効率的に樹脂層20を形成できる。樹脂層20は、樹脂層20が設けられる対象領域の隙間Sを構成する建築部材15と異なる色を有する。このため、目視によって、樹脂層20を建築部材15と区別できる。噴霧の場合、樹脂層20は、封止樹脂の液滴が重なって形成される。液滴が互いに繋がっていない場合、または、液滴によって形成される層が薄い場合、または、液滴に形成される層にピンホールが生じる場合、建築部材15が樹脂層20を介して透けて見える。このため、作業者は、対象領域において、噴霧されていない部分を目視で発見し易い。また、作業者は、噴霧が足りない部分を目視で確認できる。このようにして、建築物1の気密性が高めることができる樹脂層20を形成できる。
本実施形態の効果を説明する。
(1)建築物1の建築方法は、建築部材15を組み立てる組立工程と、樹脂層20を形成する樹脂層形成工程と、を含む。樹脂層形成工程では、封止樹脂の噴霧によって、組み立てられた建築部材15の間の隙間Sを埋めるように樹脂層20を形成する。封止樹脂の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色と異なる。
この構成によれば、建築部材15の色と異なる封止樹脂の噴霧によって建築部材15の間の隙間Sを埋める。これによって、気密性が高い樹脂層20を形成し易い。このため、建築物1の気密性を向上できる。
(2)樹脂層形成工程において、隙間Sを構成する建築部材15の色が樹脂層20を介して透けて見える状態がなくなるまで封止樹脂を噴霧する。または、樹脂層形成工程において、樹脂層20を介して見える建築部材15の色が元の色よりも薄くなるまで、封止樹脂を噴霧する。樹脂層20において、極端に薄い部分は、経時劣化で穴になり易く、長期的な気密性が確保し難い。また、樹脂層20にピンホールが形成されると、気密性が確保し難い。この点、上記構成によれば、樹脂層20が極端に薄くなっている部分および樹脂層20のピンホールを視認によって確認し易いため、樹脂層20において、極端に薄い部分またはピンホールを少なくできる。これによって、建築物1において、長期的な気密性を向上できる。
(3)樹脂層形成工程において、樹脂層20の色が見本30のサンプル色に近づくように封止樹脂を噴霧する。この構成によれば、見本30のサンプル色に基づいて樹脂層20の形成状態を確認できるため、作業者によって生じる樹脂層20の厚みのばらつきを少なくできる。
(4)封止樹脂の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色に対する補色である。
この構成によれば、視認によって樹脂層20と建築部材15とを区別し易くできる。これによって、樹脂層20の厚みが十分であるか否かを判定し易い。
(5)封止樹脂の噴霧前、隙間Sを構成する建築部材15を、封止樹脂の色と異なる色に変色させる。封止樹脂の色を建築部材15の色と異なるようにする場合、封止樹脂の色として選択できる選択幅は、建築部材15の色によって制限される。この点、上記構成によれば、樹脂層20の色を自由に選択できるようになる。
(6)隙間Sをシール部材17で封止した後、シール部材17を含む範囲に封止樹脂を噴霧する。この構成によれば、建築物1の気密性を向上できる。この場合、シール部材17は、封止樹脂と異なる色であることが好ましい。
(7)封止樹脂は、変性シリコーン樹脂、または、エラストマ樹脂である。この構成によれば、伸縮性に優れた樹脂層20を形成できる。これによって、建築物1の揺れおよび軋みによって、樹脂層20の破れを抑制できる。
(8)建築物1は、基礎11と、基礎11に直接または間接的に固定されて互いに結合される建築部材15と、建築部材15の間の隙間Sを埋めるように設けられる樹脂層20と、を備える。樹脂層20は、変性シリコーン樹脂またはエラストマ樹脂により構成される。樹脂層20の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色と異なる色を有する。この構成によれば、建築物1の気密性を向上できる。
(9)建築物1は、基礎11と、基礎11に直接または間接的に固定されて互いに結合される建築部材15と、建築部材15の間の隙間Sを封止するシール部材17と、シール部材17を覆う樹脂層20と、を備える。樹脂層20は、変性シリコーン樹脂またはエラストマ樹脂により構成される。樹脂層20の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色およびシール部材17の色と異なる色を有する。この構成によれば、建築物の気密性を向上できる。
(10)上記(9)のように、シール部材17を覆う樹脂層20の色は、隙間Sを構成する建築部材15の色に対する補色であることが好ましい。この構成によれば、視認によって樹脂層20と建築部材15とを区別し易くできる。これによって、建築物1の建築中および建築後において、樹脂層20の厚みが十分であるか否か、または、ピンホールが形成されていないか、を判定し易い。一例では、樹脂層20の色は、建築部材15の色の補色であり、かつ、シール部材17の色と異なる。
<変形例>
上記実施形態は、建築物1の建築方法および建築物1が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。建築物1の建築方法は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
・本実施形態の樹脂層形成は、他の隙間Sの封止方法と併用してもよい。他の隙間Sの封止方法としては、コーキング材による充填、発泡ウレタンの吹き付けによる封止、および、樹脂製のケースによる封止、が挙げられる。
S…隙間
1…建築物
11…基礎
15…建築部材
20…樹脂層
30…見本

Claims (8)

  1. 建築物を建築する建築方法であって、
    建築部材を組み立てる組立工程と、
    封止樹脂の噴霧によって、組み立てられた前記建築部材の間の隙間を埋めるように樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を含み、
    前記樹脂層形成工程において、前記封止樹脂の噴霧前、前記隙間を構成する前記建築部材を、前記封止樹脂の色と異なる色に変色するように、前記建築部材に塗料の塗布または塗料の吹き付けを行い、
    前記封止樹脂の色は、前記隙間を構成する前記建築部材であって前記塗料によって変色された前記建築部材の色と異なり、
    前記建築部材は、前記建築物の軸組みを構成する軸部材、前記軸組みに設けられる外壁、前記外壁に取り付けられる断熱部材、屋根部材、および、パネル部材を含む、
    建築物の建築方法。
  2. 前記樹脂層形成工程において、前記隙間を構成する前記建築部材の色が前記樹脂層を介して透けて見える状態がなくなるまで、または、前記樹脂層を介して見える前記建築部材の色が元の色よりも薄くなるまで、前記封止樹脂を噴霧する
    請求項1に記載の建築物の建築方法。
  3. 前記樹脂層形成工程において、前記樹脂層の色が見本のサンプル色に近づくように前記封止樹脂を噴霧する
    請求項1または2に記載の建築物の建築方法。
  4. 前記封止樹脂の色は、前記隙間を構成する前記建築部材の色に対する補色である
    請求項1~3のいずれか一項に記載の建築物の建築方法。
  5. 前記隙間をシール部材で封止した後、前記シール部材を含む範囲に前記封止樹脂を噴霧する
    請求項1~4のいずれか一項に記載の建築物の建築方法。
  6. 前記封止樹脂は、変性シリコーン樹脂、または、エラストマ樹脂である
    請求項1~5のいずれか一項に記載の建築物の建築方法。
  7. 基礎と、
    前記基礎に直接または間接的に固定されて互いに結合される建築部材と、
    前記建築部材のうちで少なくとも前記建築部材の隙間を構成する前記建築部材を覆う塗料層と、
    前記塗料層によって覆われた前記建築部材の間の前記隙間を埋めるように設けられる樹脂層と、を備え、
    前記樹脂層は、変性シリコーン樹脂またはエラストマ樹脂により構成され、
    前記塗料層は、前記隙間を構成する前記建築部材の元の色と異なる色であって、かつ、前記樹脂層の色とも異なる色を有し、
    前記樹脂層の色は、前記隙間を構成する前記建築部材であって前記塗料層によって元の色から変色している前記建築部材の色と異なる色を有し、
    前記建築部材は、建築物の軸組みを構成する軸部材、前記軸組みに設けられる外壁、前記外壁に取り付けられる断熱部材、屋根部材、および、パネル部材を含む、
    建築物。
  8. 前記樹脂層の色は、前記隙間を構成する前記建築部材の色に対する補色である
    請求項7に記載の建築物。
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