JP3399908B2 - 防水施工方法および防水シート - Google Patents

防水施工方法および防水シート

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JP3399908B2 JP2000114061A JP2000114061A JP3399908B2 JP 3399908 B2 JP3399908 B2 JP 3399908B2 JP 2000114061 A JP2000114061 A JP 2000114061A JP 2000114061 A JP2000114061 A JP 2000114061A JP 3399908 B2 JP3399908 B2 JP 3399908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状防水材を用い
た防水施工方法および防水シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液状防水材の塗布によって形成した防水
塗膜によって、建物屋上や外壁等の各種下地を防水する
防水工法では、防水塗膜の膜厚管理が重要である。例え
ば、建物屋上等の床面に対するスプレーガンを用いた液
状防水材の吹き付け施工(塗布)は、作業員が手に持っ
たスプレーガンを往復動させながら床面を歩行移動しつ
つ液状防水材を前記床面に吹き付け塗布することが一般
的である。また、刷毛、鏝、ローラ等の手工具を用いた
手塗り等も行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液状防
水材の塗布によって得られる防水塗膜の膜厚管理は、作
業員の経験や勘に頼っていることが現状であり、環境、
状況に左右されやすいといった問題があった。例えば、
前述のスプレーガンを用いた液状防水材の吹き付け施工
は、作業員の歩幅や腕振り速度等によって防水塗膜に目
的の膜厚を得るようにするが、詳細には、床面の勾配、
横風の影響、温度等といった施工現場の状況や環境が膜
厚に影響する。しかし、これら施工現場の状況や環境に
細かく対応して施工面積全体にわたって目的の膜厚を安
定に得ることは非常に難しく、作業に熟練を要する。ま
た、熟練作業者の確保、養成に多大なコストが掛かるな
どの問題もある。
【0004】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、防水塗膜の膜厚を容易かつ確実に確保できる防水
施工方法および防水シートを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
下地表面あるいは下地を覆うように設けられた防水シー
ト等からなる覆設層表面である塗膜形成面への液状防水
材の塗布によって防水塗膜を形成する防水施工方法にお
いて、前記液状防水材に対して視覚的に識別可能なマー
キングが設けられた前記塗膜形成面に、半透明の液状防
水材塗布することによって前記マーキングを隠蔽する
ことを特徴とする。請求項2記載の発明は、請求項1記
載の防水施工方法において、前記塗膜形成面には半透明
の液状防水材に対する隠蔽難易度の異なる複数種類のマ
ーキングが設けられ、一部または全部の種類のマーキン
グを前記半透明の液状防水材で隠蔽することを特徴とす
る。請求項3記載の発明は、下地に対して重ねられる重
ね面とは逆側に半透明の液状防水材の塗布により防水塗
膜が形成される塗膜形成面を備える防水シートであっ
て、前記液状防水材に対して視覚的に識別可能なマーキ
ングが前記塗膜形成面に設けられていることを特徴とす
る。請求項4記載の発明は、下地に対して重ねられる重
ね面とは逆側に液状防水材の塗布により防水塗膜が形成
される塗膜形成面を備える防水シートであって、前記液
状防水材に対する隠蔽難易度異なり、しかも、いずれ
も前記液状防水材に対して視覚的に識別可能な複数種類
のマーキングが前記塗膜形成面に設けられていることを
特徴とする。
【0006】本発明の防水施工方法では、下地表面ある
いは下地を覆うように設けられた防水シート等からなる
覆設層表面である塗膜形成面に液状防水材を塗布して、
前記塗膜形成面に設けられたマーキングを視認不可能に
隠蔽することで、少なくとも目的膜厚が確保された防水
塗膜が確実に得られる。前記覆設層とは、防水シートの
ほか、例えば、樹脂発泡体等からなる弾性変形可能な緩
衝層、通気性を有する多孔質体や発泡体からなる通気層
等が採用される。前記通気層は、例えばコンクリート下
地から発生する水蒸気等のガスを脱気装置に導き、下地
と防水塗膜との間から脱気する脱気流路として機能させ
ることができる。
【0007】ここで用いられる液状防水材としては、半
透明のものある。半透明の液状防水材を用いた場合、
目的の膜厚が得られていないとマーキングが隠蔽され
ず、塗布した液状防水材を介して視認できる。マーキン
グが隠蔽されて視認不可能になれば、目的の膜厚が得ら
れたことが判る。
【0008】塗膜形成面に設けられるマーキングとして
は、例えば、印刷、塗料の塗布、焼き付け、テープある
いはシートの貼付等によって塗膜形成面に設けられるも
のであり、液状防水材に対して視覚的に識別可能なもの
が採用される。マーキングとしては、さらに、塗膜形成
面とも、視覚的に容易に識別できるものを採用すること
を基本とする。このマーキングとしては、具体的には、
液状防水材との色彩の違いを以って視覚的に容易に識別
できるもの、塗膜形成面に塗布された半透明の液状防水
材を透過した光の反射、乱反射、偏光、吸収等によって
液状防水材と視覚的に容易に識別できるもの等が採用さ
れる。また、液状防水材との接触によって発色して、視
覚的に識別可能となるもの等も採用可能である。
【0009】液状防水材のスプレーガンを用いた吹き付
け施工や、刷毛塗り、ローラー塗り等では、塗膜形成面
に沿った往復動作によって液状防水材の施工(塗布)を
進めて行くことが一般的であり、このような塗布方法を
本発明に適用すれば、塗膜形成面のマーキングが視認不
可能な程度に隠蔽されるまで半透明の液状防水材の重ね
塗りを行うことで、簡単に目的の膜厚が得られる。ま
た、マーキングを確実に隠蔽しつつ施工(塗布)を進め
ることで、塗膜形成面に対する防水塗膜の形成を目的の
膜厚を確保しつつ連続的に効率良く進めることができ
る。これにより、施工現場の状況や環境によらず、ま
た、作業員の熟練の程度によらず、目的の膜厚を容易に
確保できる。
【0010】なお、本発明は、例えば、液状防水材に対
して視覚的に識別容易な塗膜形成面に、液状防水材に対
して視覚的に識別が困難な塗料の塗布、テープ材の貼付
等を行って、前記塗膜形成面をマーキングとして機能さ
せることも含む。
【0011】請求項2記載のように、半透明の液状防水
材による隠蔽難易度の異なる複数種類のマーキングの一
部または全部の種類のマーキングを前記液状防水材で隠
蔽することで目的の膜厚を選択的に得ることが可能であ
る。すなわち、この発明では、半透明の液状防水材の塗
布による隠蔽の難易度が異なる複数種類のマーキングか
ら選択したものを液状防水材の塗布によって隠蔽するこ
とで、得ようとする目的の膜厚を選択できる。防水塗膜
によって隠蔽されないマーキングは、別途、防水塗膜表
面への表面処理剤(トップコート等)の施工等によっ
て、視認不可能に隠蔽することが可能である。
【0012】請求項3、4記載の防水シートは、予め、
塗膜形成面とマーキングとを備えるものであり、この防
水シートを設置するだけで、本発明に係る防水施工方法
を容易に実現できる。また、マーキングの隠蔽難易度に
よって防水シートを選択使用することで、得ようとする
膜厚を選択できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。本発明の防水施工方法にて適用
される液状防水材としては、例えばウレタン防水材等が
採用可能であり、材料固有の色、あるいは顔料の混入等
によって特定の色彩を有し、半透明に調製されたもので
ある。また、採用可能な液状防水材としては、1液から
なるもの、2液(主剤と硬化剤)とからなるもの等、各
種構成が採用可能である。液状防水材として採用可能な
ウレタン防水材としては、公知のもので限定は無いが、
下記には2液からなるものを2つ例示した。なお、以下
の液状防水の例1、2の記載中、「部」は重量部を示
す。2液からなる液状防水は、例えば、スプレーガン
に圧給されたイソシアネート成分を含む主剤とポリオー
ル成分を含む硬化剤とを前記スプレーガンに設けられて
いる混合部にて衝突混合させ、塗膜形成面にスプレー状
に吹き付け塗布すること等により、塗膜形成面に塗布さ
れる。なお、下記に例示した液状防水材は、いずれも、
顔料によって着色されたものであり、塗膜形成面への吹
き付け後、硬化の前後での透明度の変化は全く無いか殆
ど無い。
【0014】(液状防水の例1) 主剤:MDI852.5部、カルボジイミド変性したM
DI365.3部、プロピレングリコールにプロピレン
オキシドを付加した後、エチレンオキシドをキャップし
たヒドロキシル価56のポリオキシアルキレンジオール
571.7部、ジプロピレングリコール10.5部、難
燃剤ファイロールPCF200.0部を混合し、窒素気
流中で80℃、3時間加熱反応させたもの。NCO基含
有量17.5%、粘度500cps/25℃が得られて
いる。 硬化剤:主剤に使用したポリオキシアルキレンジオール
74.5部、エチレングリコール19.0部、触媒ナフ
テン酸鉛(鉛含有量25%)2.0部、安定剤イルガノ
ックス1010を0.5部からなるもの。 顔料:酸化チタン36%、カーボンブラック1%、黄色
酸化鉄11%、弁柄2%、DOP50%とからなるアイ
ボリー色のカラーペースト。前記顔料を硬化剤100に
対して0.7部程度混合して、半透明の液状防水材を得
た。(但し、文中「%」は重量%、「部」は重量部であ
る。以下も同じ)
【0015】(液状防水の例2) 主剤:MDI608.8部、カルボジイミド変性したM
DI260.9部、プロピレングリコールを開始剤とし
たプロピレンオキシドを付加した後、エチレンオキシド
をキャップしたヒドロキシル価56のポリオキシアルキ
レンジオール913.6部、ジプロピレングリコール1
6.7部、難燃剤ファイロールPCF200.0部を混
合し、窒素気流中で80℃、3時間加熱反応させたも
の。NCO基含有量11.0%、粘度900cps/2
5℃が得られている。 硬化剤:主剤に使用したポリオキシアルキレンジオール
76.62部、DETDA16.88部、触媒ナフテン
酸鉛(鉛含有量25%)1.0部、安定剤サノールLS
−770.05部からなるもの。 顔料:酸化チタン36%、カーボンブラック1%、黄色
酸化鉄11%、弁柄2%、DOP50%とからなるアイ
ボリー色のカラーペースト。前記顔料を硬化剤100に
対して0.7部程度混合して、半透明の液状防水材を得
た。
【0016】(第1実施形態)図1は、下地10を覆う
ようにして防水シート11を敷設してなる第1防水層1
2を形成し、さらに、この第1防水層12上に液状防水
材13を吹き付け等により塗布、硬化させた防水塗膜1
4(以下「第2防水層14」と言う場合がある)を形成
した状態を示す。下地10は、これら第1、第2防水層
12、14によって防水性が確保される。前記第1防水
層12は、下地10を覆うようにして形成された覆設層
として機能するものである。
【0017】図1、図2において、前記下地10は、具
体的には、コンクリート造建物屋上等のコンクリート床
であり、前記第1防水層12は、前記下地10上に複数
枚の防水シート11を敷き込み、接合して構成される。
図1および図2に示す防水シート11は、基布18にア
スファルトやゴムアスファルト等からなる層状防水部1
9を積層したものであり、前記層状防水部19を下地1
0に重ねるようにして敷設される。層状防水部19に
は、前記下地10との間に脱気用の通気部を確保する通
気溝11bが形成されている。下地10に第1防水層1
2を形成するには複数枚の防水シート11を敷き込む必
要があるが、防水シート11間の接合部は、防水シート
11の端部同士の重ね合わせによって防水性を確保す
る。図1および図2では、外側に行くほど厚さ寸法が緩
やかに減少するテーパ状になっている重ね部11cを端
部に備える防水シート11を採用しており、前記重ね部
11c同士を重ね合わせることで防水シート11同士が
接合されるようになっている。この場合、前記重ね部1
1cのテーパ形状によって、下地10側の防水シート1
1に別の防水シート11を重ね合わせた部分(接合部2
1)とそれ以外の部分との間に段差が生じにくいから、
これら防水シート11からなる第1防水層12を覆うよ
うにして形成される防水塗膜14に段差の無い滑らかな
表面を容易に得ることができる。接合する防水シート1
1の重ね部11c同士を互いに一致させて重ね合わせる
と、接合部21とその周囲に存在する防水シート11と
の間に生じる段差が全く無くなるか、非常に小さくする
ことができ、接合部21近傍においても表面の滑らかな
防水塗膜14を容易に形成することができる。
【0018】本実施形態に係る防水施工方法では、第1
防水層12の形成後、防水シート11の塗膜形成面11
aに半透明の液状防水材13を塗布(吹き付け、刷毛塗
り等による塗布)して第2防水層である防水塗膜14を
形成し、これにより、第1、第2防水層12、14によ
って下地10を覆い、防水性を確保する。
【0019】図2に示すように、防水シート11の下地
10に重ねられる面である重ね面15とは逆側の面(表
面)である塗膜形成面11aには、該塗膜形成面11a
および液状防水材13に対して視覚的に識別できるマー
キング16、17が形成されている。図2において具体
的には、塗膜形成面11aには、塗膜形成面11aおよ
び液状防水材13に対して色彩の違いを以って視覚的に
識別可能であり、かつ、互いに色彩の違いを以って視覚
的に識別可能な2種類のマーキング16、17が印刷等
により形成されている。マーキング16は、塗膜形成面
11a上にて異なる2種類の向きで複数本形成された直
線ライン状であり、塗膜形成面11aの全体にわたって
格子状の文様を形成している。一方、マーキング17
も、塗膜形成面11a上にて異なる2種類の向きで複数
本形成された直線ライン状であり、塗膜形成面11aの
全体にわたって格子状の文様を形成するものであるが、
このマーキング17は、各直線ライン状部分が前記マー
キング16を構成する各直線ライン状部分に対してずら
して形成されており、また、前述のように色彩の違いを
以ってマーキング16に対して視覚的に識別できるよう
になっている。マーキング16、17の色彩の違いは、
単に、視覚的な識別を容易にするのみならず、半透明の
液状防水材13の塗布による隠蔽難易度が異なるもので
あり、ここでは、マーキング16の方がマーキング17
よりも隠蔽難易度が低い(隠蔽しやすい)ものになって
いる(図3(a)参照)。塗膜形成面11aや液状防水
材13に対するマーキング16、17の色彩の違いと
は、色相、明度、彩度の少なくともいずれか1つが異な
ることであり、塗膜形成面11aや液状防水材13に対
して視覚的に識別を容易にする色彩が採用される。
【0020】この防水施工方法を詳述すると、まず、第
1防水層12の形成では、複数枚の防水シート11を下
地10上に敷設するとともに、隣接する防水シート11
の端部(縁部)の重ね部11c同士を重ね合わせて接合
し、防水性を確保する。防水シート11同士の重ね位置
の調整、接合部21の大きさ調整は、前記防水シート1
1の塗膜形成面11aに形成されているマーキング1
6、17を利用して重ね寸法等を調整すること等によ
り、容易に行える。
【0021】次に、塗膜形成面11aに形成されたマー
キング16、17(一方または両方のマーキング16、
17)の液状防水材13による隠蔽状態(程度)を、目
視またはカメラで撮像された画像データの解析等により
観察しつつ液状防水材13を塗布し、第1防水層12上
に第2防水層14を形成する。例えば、作業員によるス
プレーガンの手動操作によって液状防水材13を塗膜形
成面11aに対して吹き付け塗布して防水塗膜14を形
成する場合は、作業員が前記マーキング16、17を目
視しつつスプレーガンを往復動させながら、いずれか一
方または両方のマーキング16、17を隠蔽しつつ液状
防水材13を塗膜形成面11aに吹き付け塗布する。ま
た、液状防水材13を自動で吹き付け施工する施工ロボ
ットに搭載したカメラでマーキング16、17を撮像
し、この撮像された画像データを解析しながら、いずれ
か一方または両方のマーキング16、17を隠蔽しつつ
液状防水材13の施工を進める方法も採用可能である。
【0022】透光性を有していない液状防水材13の吹
き付け塗布では、塗膜形成面11aに吹き付け塗布され
た液状防水材13によって2種類のマーキング16、1
7の両方が完全に隠蔽されたことを確認することで、塗
膜形成面11a上に防水塗膜14が確実に形成されたこ
とが判る。特に、塗膜形成面11aの色彩が液状防水材
13と視覚的に識別しにくいものである場合、塗膜形成
面11aおよび液状防水材13に対して視覚的に識別容
易なマーキング16、17の隠蔽の程度を観察しつつ液
状防水材13の塗布を行い、前記マーキング16、17
を液状防水材13で見えなくなるように隠蔽すること
で、塗膜形成面11a全体に防水塗膜14を確実に形成
できる。
【0023】半透明の液状防水材13の吹き付け塗布で
は、塗膜形成面11a上に塗布された液状防水材13に
よってマーキング16、17を選択的に隠蔽すること
で、目的の膜厚が得られる。例えば、図3(b)に示す
ように、液状防水材13の塗布によって隠蔽難易度の低
いマーキング16のみを隠蔽し、マーキング16に比べ
て隠蔽難易度の高いマーキング17が半透明の液状防水
材13の塗膜を介して透けて見えるようにすると、マー
キング16を隠蔽できかつマーキング17を隠蔽できな
い膜厚の防水塗膜14が得られる。また、隠蔽難易度の
異なる2種類のマーキング16、17の両方を液状防水
材13によって隠蔽すると、隠蔽難易度の高いマーキン
グ17を隠蔽できる膜厚が得られることは言うまでも無
い。
【0024】例えば、液状防水材13の吹き付け塗布で
は、液状防水材13の吹き付けによって目的のマーキン
グ16、17の隠蔽が完了せず、目的の膜厚が得られて
いない場合に、液状防水材13の再度の吹き付け塗布
(重ね塗り)によって、目的のマーキング16、17を
簡単に隠蔽することができ、これにより目的の膜厚を確
保しつつ液状防水材13の塗布を進めることができる。
スプレーガン20(図1参照)を往復動させつつ液状防
水材13を吹き付け塗布する工法では、塗膜形成面11
aを覆う防水塗膜14を形成するので、膜厚不足になっ
ている箇所にスプレーガン20を合わせて液状防水材1
3を再度吹き付け塗布するだけで、簡単に液状防水材1
3を重ね塗りすることができる。必要に応じて重ね塗り
を行いつつ液状防水材13の塗布を進めることで、広範
囲にわたって目的膜厚の防水塗膜14を確実に得ること
ができる。
【0025】得られた防水塗膜14表面には、塗料、表
面処理剤(トップコート等)などの塗布が可能であり、
また、これにより、例えば、半透明の防水塗膜14を介
して透けて見えるマーキング等の隠蔽を簡単に行うこと
ができる。
【0026】(第2実施形態)図4(a)、(b)に示
すように、本発明に係る防水施工方法では、下地10表
面10aに直接設けたマーキング22、23を、液状防
水材によって隠蔽することで目的膜厚の防水塗膜14を
形成することも可能である。下地表面10aは、液状防
水材の塗布によって防水塗膜14が形成される塗膜形成
面として機能し、以下、下地表面10aを塗膜形成面1
0aと称する場合もある。図4(a)において、マーキ
ング22は、下地10の塗膜形成面10aおよび液状防
水材に対して色彩の違いを以って視覚的に識別可能な表
面22aを有するシート状であって、予め前記塗膜形成
面10aに設置される側(表面22aに対向する裏面
側)に設けられた接着剤あるいは現場塗布される接着
剤、アンカーなどの固定部品等によって、塗膜形成面1
0aに取り付けられるようになっている。マーキング2
3は、塗膜形成面10aおよび液状防水材に対して色彩
の違いを以って視覚的に識別可能な表面23aを有する
テープ状であって、予め前記塗膜形成面10aに接着さ
れる側(表面22aに対向する裏面側)に設けられた接
着剤あるいは現場塗布される接着剤、アンカーなどの固
定部品等によって、塗膜形成面10aに取り付けられる
ようになっている。マーキング22の表面22aの色彩
は、マーキング23の表面23aに対して視覚的に識別
可能であり、しかも、マーキング23よりも液状防水材
(あるいは防水塗膜14)による隠蔽難易度が低い(隠
蔽されやすい)ものになっている。
【0027】この実施形態の防水施工方法でも、液状防
水材の塗布によってマーキング22、23を隠蔽するこ
とで、目的の膜厚を得ることができる。透光性を有して
いない液状防水材によって両マーキング22、23を隠
蔽すると、塗膜形成の不十分な箇所等を生じること無く
確実に防水塗膜14を形成できる。また、半透明の液状
防水材によって隠蔽難易度の低いマーキング22のみを
隠蔽し、マーキング22に対して隠蔽難易度の高いマー
キング23が液状防水材の塗膜を介して透けて見えるよ
うにすると、目的膜厚の防水塗膜14が得られる。
【0028】この防水施工方法では、塗膜形成面10a
上にマーキング22、23を分散設置することで、広範
囲にわたって目的膜厚の防水塗膜14を得ることができ
る。また、シート状、テープ状のマーキング22、23
は、コンクリート床等の各種下地に簡単に設けることが
できるから、この防水施工方法は、場所を問わず、液状
防水材の施工対象となる各種下地に対して簡単に実現で
きる。2種類のマーキング22、23は塗膜形成面10
aに対して必ず混在させて設ける必要は無く、例えば、
塗膜形成面10aの部分的に一方のマーキング22また
はマーキング23のみを設けて、塗膜形成面10aの部
分的に、異なる膜厚の防水塗膜14を得ることも可能で
ある。さらに、マーキング22、23とは別に、マーキ
ング22、23に対して視覚的に識別可能でありかつ隠
蔽難易度の異なるマーキングを適宜下地10に設けるこ
とで、半透明の液状防水材を用いる場合の2種類のマー
キング22、23による2段階の膜厚管理よりもさらに
複雑な3段階以上の膜厚管理を実現できる。マーキング
22、23に対して隠蔽難易度の異なるマーキングは、
マーキング22、23と混在するように設ける設置形態
の他、マーキング22、23の設置されていないところ
に単独で設置することも可能である。
【0029】本実施形態に係る防水施工方法でも、得ら
れた防水塗膜14表面には、塗料、表面処理剤(トップ
コート等)などの塗布が可能であり、また、これによ
り、例えば、半透明の防水塗膜14を介して透けて見え
るマーキング等の隠蔽を簡単に行うことができる。
【0030】なお、本実施形態の防水施工方法に適用さ
れるマーキングとしては、前述のシート状やテープ状に
限定されず、例えば、熱融着、塗料の塗布、焼き付け
等、各種構成が採用可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防水施工
方法によれば、下地表面あるいは下地を覆うように設け
られた防水シート等からなる覆設層表面である塗膜形成
面への半透明の液状防水材の塗布によって、前記塗膜形
成面に設けられたマーキングを隠蔽するだけで、熟練を
要すること無く、塗膜形成面に目的膜厚の防水塗膜を確
実に形成することができる。請求項2記載のように、前
記塗膜形成面に形成された隠蔽難易度の異なる複数種類
のマーキングを半透明の液状防水材で選択的に隠蔽する
防水施工方法では、隠蔽するマーキングの隠蔽難易度に
対応して、得ようとする膜厚を選択することができ、多
様な膜厚管理に対応できるといった優れた効果を奏す
る。請求項3、4記載のように、予め、塗膜形成面にマ
ーキングが設けられている防水シートは、下地を覆うよ
うにして設けるだけでマーキングが設けられた塗膜形成
面を形成できるから、本発明に係る防水施工方法による
防水塗膜の形成を容易にする。また、マーキングの隠蔽
難易度の異なる防水シートの選択使用によって、マーキ
ングの隠蔽難易度や、隠蔽難易度の異なるマーキングの
組み合わせを選択できるから、本発明に係る防水施工方
法(半透明の液状防水材を用いた防水施工方法)によっ
て得られる防水塗膜の膜厚を簡単に選択できるといった
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す図であって、下
地上に敷設された防水シート上に防水塗膜を形成した状
態を示す断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に適用される防水シー
トを示す斜視図である。
【図3】 図2の防水シートの塗膜形成面に形成された
マーキングを示す図であって、(a)は液状防水材の塗
布前、(b)は液状防水材を塗布して隠蔽難易度の低い
マーキングを隠蔽し、隠蔽難易度の高いマーキングが塗
膜を介して透けて見えるようにした状態を示す。
【図4】 本発明の第2実施形態を示す図であって、
(a)は下地の塗膜形成面にマーキングが設けられた状
態を示す斜視図、(b)は前記(a)の塗膜形成面に液
状防水材を塗布して隠蔽難易度の低いマーキングを隠蔽
し、隠蔽難易度の高いマーキングが塗膜を介して透けて
見えるようにした状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…下地、10a…塗膜形成面、11…防水シート、
11a…塗膜形成面、12…覆設層(第1防水層)、1
3…液状防水材、14…防水塗膜、15…重ね面、1
6,17…マーキング、22,23…マーキング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−15183(JP,A) 特開 平11−10798(JP,A) 特開 平7−325048(JP,A) 実開 平2−39029(JP,U) 登録実用新案3059155(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 11/02 E04D 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地表面あるいは下地を覆うように設け
    られた防水シート等からなる覆設層表面である塗膜形成
    面への液状防水材の塗布によって防水塗膜を形成する防
    水施工方法において、 前記液状防水材に対して視覚的に識別可能なマーキング
    が設けられた前記塗膜形成面に、半透明の液状防水材
    塗布することによって前記マーキングを隠蔽することを
    特徴とする防水施工方法。
  2. 【請求項2】 前記塗膜形成面には半透明の液状防水材
    に対する隠蔽難易度の異なる複数種類のマーキングが設
    けられ、一部または全部の種類のマーキングを前記半透
    明の液状防水材で隠蔽することを特徴とする請求項1記
    載の防水施工方法。
  3. 【請求項3】 下地に対して重ねられる重ね面とは逆側
    半透明の液状防水材の塗布により防水塗膜が形成され
    る塗膜形成面を備える防水シートであって、前記液状防
    水材に対して視覚的に識別可能なマーキングが前記塗膜
    形成面に設けられていることを特徴とする防水シート。
  4. 【請求項4】 下地に対して重ねられる重ね面とは逆側
    に液状防水材の塗布により防水塗膜が形成される塗膜形
    成面を備える防水シートであって、 前記液状防水材に対する隠蔽難易度異なり、しかも、
    いずれも前記液状防水材に対して視覚的に識別可能な
    数種類のマーキングが前記塗膜形成面に設けられている
    ことを特徴とする防水シート。
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