JP7338169B2 - フッ素樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
ラジカル重合開始剤および連鎖移動剤の存在下、下記一般式(4)で表される単量体を重合させて下記一般式(5)で表される残基単位を含むフッ素樹脂を得ることを含み、前記連鎖移動剤が水素原子および塩素原子を含有する炭素数1~20の有機化合物である、フッ素樹脂の製造方法。
[2]
連鎖移動剤が下記一般式(A)又は(B)で表されることを特徴とする[1]に記載の製造方法。
[3]
連鎖移動剤が一般式(A)で表されることを特徴とする[1]又は2に記載の製造方法。
[4]
連鎖移動剤の量が前記単量体と連鎖移動剤の合計に対し、0.1~95重量%である、[1]~3のいずれかに記載の製造方法。
[5]
連鎖移動剤の量が前記単量体と連鎖移動剤の合計に対し、3~50重量%である、[1]~4のいずれかに記載の製造方法。
[6]
フッ素樹脂は、TG-DTAにてエアー中で10℃/minで300℃まで昇温した直後の重量減少量Aと、300℃まで昇温後300℃で30分間保持した後の重量減少量Bの差B-Aが1.0%以下である、[1]~5のいずれかに記載の製造方法。
[7]
前記重合は、一般式(4)で表される単量体を溶解し、かつ、一般式(5)で表される残基単位を含むフッ素樹脂を析出させる有機溶媒中で行う、[1]~6のいずれかに記載の製造方法。
[8]
単量体が下記一般式(8)で表され、フッ素樹脂が下記一般式(9)で表されることを特徴とする[1]~7のいずれかに記載の製造方法。
ここで連鎖移動剤とはフッ素樹脂のラジカル重合時に系中に存在していることにより分子量を低下させる効果を有する物質を表す。連鎖移動剤の具体例としては、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ベンジルクロリド、ペンタフルオロベンジルクロリド等が挙げられる。また、水素原子と塩素原子を含有する炭素数1~20の有機化合物において、加熱溶融後の重量減少が抑制され、加熱溶融後の黄変を抑制しつつ、フッ素樹脂の分子量を制御でき、溶融成形加工性に優れ、溶融時の脱泡性に優れ、加熱冷却時のクラック発生の少なく、収率にも優れる観点から、水素原子と塩素原子は個数比で水素原子:塩素原子=1:9~9:1の範囲であることが好ましく、1:9~5:5の範囲であることが更に好ましい。また、加熱溶融後の重量減少が抑制され、加熱溶融後の黄変を抑制しつつ、フッ素樹脂の分子量を制御でき、溶融成形加工性に優れ、溶融時の脱泡性に優れ、加熱冷却時のクラック発生の少なく、収率にも優れる観点から、水素原子と塩素原子を含有する炭素数1~20の有機化合物は下記一般式(A)又は(B)で表されることが好ましく、一般式(A)で表されることが更に好ましい。
R=4×{(δD1-δD2)2+(δP1-δP2)2+(δH1-δH2)2}0.5
・・・(7)
ここでδD1、δP1、δH1はそれぞれ前記樹脂粒子のハンセン溶解度パラメーターの分散項、極性項および水素項、δD2、δP2、δH2はそれぞれ前記有機溶媒のハンセン溶解度パラメーターの分散項、極性項および水素項である。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比である分子量分布Mw/Mnには特に限定はないが、加熱溶融後の黄変が抑制され、溶融成形加工性に優れ、溶融時の脱泡性に優れ、加熱冷却時のクラック発生の少ないものとなる観点から、分子量分布Mw/Mnは1.2~8であることが好ましく、1.2~5であることが更に好ましく、1.5~3であることが更に好ましく、2.0~3であることが更に好ましい。数平均分子量Mnは前述した重量平均分子量Mwの測定方法と同様の方法で測定でき、分子量分布Mw/Mnは重量平均分子量Mwを数平均分子量Mnで割ることにより算出することができる。
(1)重量平均分子量Mw
東ソー(株)製のカラムTSKgel SuperHZM-M、RI検出器を備えたゲルパーミッションクロマトグラフィーを用いて測定を行った。溶離液としてアサヒクリンAK-225(旭硝子株式会社製)に、AK-225に対して10wt%の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(和光純薬工業製)を添加したものを用いた。標準試料としてAgilent製の標準ポリメタクリル酸メチルを用い、試料と標準試料の溶出時間からポリメタクリル酸メチル換算の重量平均分子量Mwを算出した。
アルミ製サンプルパン(株式会社日立ハイテクサイエンス社製52-023Pにサンプル約10mgを秤量し、アルミ製のフタ(株式会社日立ハイテクサイエンス社製52-023C)をして電動サンプルシーラー(ダイス)(株式会社日立ハイテクサイエンス社製)によりサンプルをシールすることでサンプルを調製した。DSC装置(株式会社日立ハイテクサイエンス社製DSC6220)にて、窒素気流下(500mL/min)で1回目:-80℃→200℃→-80℃(昇温速度:10℃/min)、2回目:-80℃→200℃(昇温速度:10℃/min)のプログラムで昇温した。この時、2回目に昇温した際のチャートから、JIS-K7121の記載に従って中間ガラス転移温度を求めることでガラス転移温度を算出した。また、DSC装置は、標準物質としてインジウム及びスズで温度校正したものを用いた。
Anton-Paar社製回転型レオメーターMCR-300を用いて、250℃にて周波数10-2(rad・s-1)における複素粘度を測定し、複素粘度の値を溶融粘度として表記した。
アルミ製サンプルパン(株式会社日立ハイテクサイエンス社製SSC000E030)にサンプル約10~15mgを秤量し、TG/DTA装置(株式会社日立ハイテクサイエンス社製TG/DTA6200AST2)にて、エアー気流下(160mL/min)で40℃から300℃まで10℃/minで昇温し、300℃で1時間保持した。TG/DTAにてエアー中で10℃/minで300℃まで昇温した直後の重量減少量Aと、300℃まで昇温後300℃で30分間保持した後の重量減少量Bの差B-Aを求めた。ここで、300℃まで昇温した直後の重量減少量A(重量%)は(300℃まで昇温した直後のサンプル重量)/(秤量したサンプル重量)×100で求められ、300℃まで昇温後300℃で30分間保持した後の重量減少量Bは(300℃まで昇温後300℃で30分間保持した後のサンプル重量)/(秤量したサンプル重量)×100で求められる。この時、エアーとしては、コンプレッサーで圧縮した空気を除湿機に通したもの(露点温度-20℃以下)を用いた。
内径26.4mmのシャーレ(株式会社フラット製フラットシャーレのフタと受器のセットのうち受器のみ、底部のガラス厚み1mm)にフッ素樹脂2.0gを秤量し、イナートオーブン(ヤマト科学製DN411I)に入れ、エアー気流下(20L/min)で、室温で30分静置した後、30分かけて280℃まで昇温後、280℃で24h加熱した。その後、エアー気流下(20L/min)を維持しながら、オーブンの扉を閉めたままにして、イナートオーブンの電源を切り、12h放冷後、サンプルを取出すことで、シャーレ上に厚さ3mm、直径26.4mmのフッ素樹脂加熱溶融成型品を得た。この時、エアーとしては、コンプレッサーで圧縮した空気を除湿機に通したもの(露点温度-20℃以下)を用いた。
◎:泡が0個
○:泡が1~10個かつ泡の占める面積が成形品の面積に対して10%以下
△:泡が11個以上かつ泡の占める面積が成形品の面積に対して10%以下
△’:泡が1~10個かつ泡の占める面積が成形品の面積に対して11%以上
×:泡が11個以上かつ泡の占める面積が成形品の面積に対して11~69%
××:泡が11個以上かつ泡の占める面積が成形品の面積に対して全体の70%以上
内径26.4mmのシャーレ(株式会社フラット製フラットシャーレのフタと受器のセットのうち受器のみ、底部のガラス厚み1mm)にフッ素樹脂2.0gを秤量し、イナートオーブン(ヤマト科学製DN411I)に入れ、エアー気流下(20L/min)で、室温で30分静置した後、30分かけて280℃まで昇温後、280℃で24h加熱した。その後、エアー気流下(20L/min)を維持しながら、オーブンの扉を閉めたままにして、イナートオーブンの電源を切り、12h放冷後、サンプルを取出すことで、シャーレ上に厚さ3mm、直径26.4mmのフッ素樹脂加熱溶融成型品を得た。この時、エアーとしては、コンプレッサーで圧縮した空気を除湿機に通したもの(露点温度-20℃以下)を用いた。
○:クラックが3本以下
△:クラックが4~10本
×:クラックが11~49本
××:クラックが50本以上
内径26.4mmのシャーレ(株式会社フラット製フラットシャーレのフタと受器のセットのうち受器のみ、受器の底部のガラス厚み1mm)にフッ素樹脂2.0gを秤量し、イナートオーブン(ヤマト科学製DN411I)に入れ、エアー気流下(20L/min)で、室温で30分静置した後、30分かけて280℃まで昇温後、280℃で24h加熱した。その後、エアー気流下(20L/min)を維持しながら、オーブンの扉を閉めたままにして、イナートオーブンの電源を切り、12h放冷後、サンプルを取出すことで、シャーレ上に厚さ3mm、直径26.4mmのフッ素樹脂加熱溶融成型品を得た。この時、エアーとしては、コンプレッサーで圧縮した空気を除湿機に通したもの(露点温度-20℃以下)を用いた。得られたフッ素樹脂加熱溶融成形品をシャーレごと、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製U-4100)を用いて、波長200nm~1500nmにおいて、1nm間隔で各波長における透過率を測定した。測定した透過率のデータから波長380nm~780nmにおける5nm間隔のデータを抽出し、JIS Z8701の方法にのっとり、XYZ表色系の三刺激値X、Y、Zを計算し、JIS K7373の方法にのっとり、C光源(補助イルミナントC)における黄色度(YI)を計算し、フッ素樹脂加熱溶融成型品のシャーレ込みの黄色度(YI)を求めた。シャーレ単体(受器のみ)の黄色度(YI)を測定し、フッ素樹脂成型品のシャーレ込みの黄色度(YI)からシャーレ単体(受器のみ)の黄色度(YI)を引くことで、厚さ3mmのフッ素樹脂加熱溶融成型品の黄色度(YI)を求めた。なお、シャーレ単体(受器のみ)の黄色度(YI)は0.21であった。
磁気撹拌子を備えた直径30mmのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.0865g(0.000205モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)10.0g(0.0205モル)、重合溶媒としてゼオローラ-H(日本ゼオン製、1,2,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロシクロペンタン)40.0g、連鎖移動剤としてクロロホルム(和光純薬製)1.111g(0.00931モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した(連鎖移動剤の量:単量体と連鎖移動剤の合計に対し10重量%)。このアンプルが直立した状態で磁気撹拌子をスターラーにより撹拌しながら、55℃で24時間保持することにより沈殿重合を行ったところ、白濁し、樹脂が重合溶媒に析出したスラリーが得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、生成した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することより粒子状のパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂を得た。フッ素樹脂の評価結果を表2に示す。
磁気撹拌子を備えた直径30mmのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.0865g(0.000205モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)10.0g(0.0205モル)、重合溶媒としてゼオローラ-H(日本ゼオン製、1,2,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロシクロペンタン)40.0g、連鎖移動剤としてクロロホルム(和光純薬製)2.5g(0.0209モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した(連鎖移動剤の量:単量体と連鎖移動剤の合計に対し20重量%)。このアンプルが直立した状態で磁気撹拌子をスターラーにより撹拌しながら、55℃で24時間保持することにより沈殿重合を行ったところ、白濁し、樹脂が重合溶媒に析出したスラリーが得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、生成した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することより粒子状のパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂を得た。フッ素樹脂の評価結果を表2に示す。
磁気撹拌子を備えた直径30mmのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.0865g(0.000205モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)10.0g(0.0205モル)、重合溶媒としてゼオローラ-H(日本ゼオン製、1,2,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロシクロペンタン)40.0g、連鎖移動剤としてクロロホルム(和光純薬製)0.870g(0.00728モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した(連鎖移動剤の量:単量体と連鎖移動剤の合計に対し8.0重量%)。このアンプルが直立した状態で磁気撹拌子をスターラーにより撹拌しながら、55℃で24時間保持することにより沈殿重合を行ったところ、白濁し、樹脂が重合溶媒に析出したスラリーが得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、生成した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することより粒子状のパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂を得た。フッ素樹脂の評価結果を表2に示す。
磁気撹拌子を備えた直径30mmのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.0865g(0.000205モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)10.0g(0.0205モル)、重合溶媒としてゼオローラ-H(日本ゼオン製、1,2,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロシクロペンタン)40.0g、連鎖移動剤としてクロロホルム(和光純薬製)0.471g(0.00395モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した(連鎖移動剤の量:単量体と連鎖移動剤の合計に対し4.5重量%)。このアンプルが直立した状態で磁気撹拌子をスターラーにより撹拌しながら、55℃で24時間保持することにより沈殿重合を行ったところ、白濁し、樹脂が重合溶媒に析出したスラリーが得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、生成した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することより粒子状のパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂を得た。フッ素樹脂の評価結果を表2に示す。
磁気撹拌子を備えた直径30mmのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.0865g(0.000205モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)10.0g(0.0205モル)、重合溶媒としてゼオローラ-H(日本ゼオン製、1,2,2,3,3,4,4-ヘプタフルオロシクロペンタン)40.0g、連鎖移動剤としてクロロホルム(和光純薬製)0.309g(0.00259モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した(連鎖移動剤の量:単量体と連鎖移動剤の合計に対し3.0重量%)。このアンプルが直立した状態で磁気撹拌子をスターラーにより撹拌しながら、55℃で24時間保持することにより沈殿重合を行ったところ、白濁し、樹脂が重合溶媒に析出したスラリーが得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、生成した樹脂粒子を含む液を濾別し、アセトンで洗浄し、真空乾燥することより粒子状のパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂を得た。フッ素樹脂の評価結果を表2に示す。
非特許文献1のTable 2のSample92および93記載の重合条件に準拠して行った。但し、重合開始剤の仕込み量をSample92と93の間の量とした。容量75mLのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.017g(0.0000407モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)5.0g(0.0205モル)、重合溶媒としてヘキサフルオロベンゼン8.2gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル溶液重合を行ったところ、樹脂が溶解した粘稠な液が得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、粘度調整のため樹脂溶液をヘキサフルオロベンゼン36gで希釈して樹脂希釈溶液を作製した。アンカー翼を備えたビーカーにクロロホルム500mLを入れ、攪拌下、前記の樹脂希釈溶液をビーカーに加えることで樹脂を析出させ、析出した樹脂をろ過により回収後、真空乾燥することにより、不定形のパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂を得た。フッ素樹脂の評価結果を表2に示す。
非特許文献1のTable 3のSample84に記載の重合条件に従って行った。但し、非特許文献1には重合時間の記載はなく、本例では24時間とした。容量75mLのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.0578g(0.000137モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)10.0g(0.0410モル)、重合溶媒としてヘキサフルオロベンゼン16.32g、連鎖移動剤として4臭化炭素(CBr4)0.0341g(0.000286モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した(連鎖移動剤の量:単量体と連鎖移動剤の合計に対し0.34重量%)。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル溶液重合を行ったところ、樹脂が溶解した粘稠な液が得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、粘度調整のため樹脂溶液をヘキサフルオロベンゼン64gで希釈して樹脂希釈溶液を作成した。アンカー翼を備えたビーカーにクロロホルム1Lを入れ、攪拌下、前記の樹脂希釈溶液をビーカーに加えることで樹脂を析出させ、析出した樹脂をろ過により回収後、真空乾燥することにより、不定形のパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂を得た。フッ素樹脂の評価結果を表2に示す。
非特許文献1のTable 3のSample78に記載の重合条件に従って行った。但し、非特許文献1には重合時間の記載はなく、本例では24時間とした。容量75mLのガラスアンプルに開始剤としてビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾイル)パーオキサイド0.0539g(0.000128モル)、単量体としてパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)10.0g(0.0410モル)、重合溶媒としてヘキサフルオロベンゼン16.32g、連鎖移動剤として4臭化炭素(CBr4)0.1143g(0.000957モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した(連鎖移動剤の量:単量体と連鎖移動剤の合計に対し1.13重量%)。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル溶液重合を行ったところ、樹脂が溶解した粘稠な液が得られた。室温まで冷却後アンプルを開封し、粘度調整のため樹脂溶液をヘキサフルオロベンゼン36gで希釈して樹脂希釈溶液を作成した。アンカー翼を備えたビーカー中にクロロホルム1Lを加え、攪拌下、前記の樹脂希釈溶液を前記クロロホルム中に加えることで樹脂を析出させ、真空乾燥することにより、不定形のパーフルオロ(4-メチル-2-メチレン-1,3-ジオキソラン)樹脂を得た。フッ素樹脂の評価結果を表2に示す。
実施例1:81%
実施例2:79%
実施例3:80%
実施例4:80%
実施例5:72%
比較例1:62%
比較例2:54%
比較例3:40%
本発明のフッ素樹脂の製造方法は、非特許文献1に記載の方法に比べて収率が高く、実施例1~5に示すように、70%以上の収率でフッ素樹脂を製造することができ、条件によっては75%以上の収率でフッ素樹脂を製造することができる。
Claims (8)
- ラジカル重合開始剤および連鎖移動剤の存在下、下記一般式(4)で表される単量体を重合させて下記一般式(5)で表される残基単位を含むフッ素樹脂を得ることを含み、前記連鎖移動剤が水素原子および塩素原子を含有する炭素数1~20の有機化合物である、フッ素樹脂の製造方法(但し、フッ素樹脂が94質量%以上のテトラフルオロエチレンを含有する原料モノマーを使用して重合したテトラフルオロエチレン共重合体の場合を除き、フッ素樹脂が97.3~99.5質量%のテトラフルオロエチレンに基づく繰返単位を含有するテトラフルオロエチレン共重合体の場合を除き、かつフッ素樹脂が260℃以上の結晶融点を有する場合を除く)。
- 連鎖移動剤が下記一般式(A)又は(B)で表されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 連鎖移動剤が一般式(A)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
- 連鎖移動剤の量が前記単量体と連鎖移動剤の合計に対し、0.1~95重量%である、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
- 連鎖移動剤の量が前記単量体と連鎖移動剤の合計に対し、3~50重量%である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
- フッ素樹脂は、TG-DTAにてエアー中で10℃/minで300℃まで昇温した直後の重量減少量Aと、300℃まで昇温後300℃で30分間保持した後の重量減少量Bの差B-Aが1.0%以下である、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記重合は、一般式(4)で表される単量体を溶解し、かつ、一般式(5)で表される残基単位を含むフッ素樹脂を析出させる有機溶媒中で行う、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
- 単量体が下記一般式(8)で表され、フッ素樹脂が下記一般式(9)で表されることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
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