本明細書で使用する新規出発物質の反応と製造は全て従来どおりであり、適切な試薬、及びそれらの性能もしくは調製のための反応条件、ならびに所望の生成物を単離するための手順は当業者によく知られており、前述の文献及び該文献に記載の例と調製を参照すればよい。
一般的な合成スキーム
一般的な合成プロセスにおいては、化合物IXで示される一般構造の化合物は、メソッドAに従って製造される。
化合物Iは、メタノール中アンモニアを使用して第一アミドに転化させることができ、次いでこの第一アミドとオルトギ酸トリエチルとの縮合反応により化合物IIIが得られる。化合物IIIは、BOP試薬とDBUの存在下にてアミンIVを使用して、あるいはBOP試薬とDBUの代わりにPOCl3を使用して化合物Vに転化させることができる。塩基(例えばCs2CO3)と溶媒(例えば、DMAやDMSO)の存在下にて化合物VI等の有効な求核試薬を使用して、化合物Vの求核性芳香族置換を行って化合物VIIを得ることができる。化合物VIが弱い求核試薬である場合は、KF等の添加剤を使用することができる。保護基はTFA等の酸を使用して除去することができ、次いでショッテン・バウマン条件下にて酸塩化物でアシル化して、化合物IXを得ることができる。R、R’、及びR”は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物XIXとXXで示される一般構造の化合物は、メソッドBに従って製造される。
第一アミドIIは、トリホスゲンを使用してジオンXに転化させることができる。ジオンXは、POCl3を使用してジクロリドに転化させることができ、引き続き塩基性条件下でアミンIVを使用して化合物XIIに転化させることができる。化合物XIは、塩基性条件下で酸素求核試薬または窒素求核試薬を使用して化合物XIIIまたはXIVに転化させることができる。化合物XIIIまたはXIVは、塩基性条件下で求核試薬VIを使用して化合物XVまたはXVIに転化させることができる。TFA等の酸を使用して保護基を除去して、化合物XVIIまたはXVIIIを得ることができ、次いでショッテン・バウマン条件下にて酸塩化物でアシル化して、化合物XIXまたはXXを得ることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物XXXIIIとXXXIVで示される一般構造の化合物は、メソッドCに従って製造される。
化合物XXIまたはXXIIは、塩基性条件下にて求核試薬VIを使用して化合物XXIIIまたはXXIVに転化させることができる。ニトロ基を還元して、それぞれ化合物XXVまたはXXVIを得ることができる。化合物XXVまたはXXVIは第一アミドに転化させることができ、次いでオルトギ酸トリエチルとの縮合反応により化合物XXVIIまたはXXVIIIを得ることができる。
化合物XXVIIまたはXXVIIIは、BOPとDBUの存在下でアミンIVを使用して化合物XXIXまたはXXXに転化させることができる。TFA等の酸を使用して保護基を除去して、化合物XXXIまたはXXXIIを得ることができ、次いでショッテン・バウマン条件下にて酸塩化物でアシル化して、化合物XXXIIIまたはXXXIVを得ることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物LIIIとLIVで示される一般構造の化合物は、メソッドDに従って製造される。
化合物XXXVまたはXXXVIは、塩基性条件下でアミンXXXVIIを使用して化合物XXXVIIIまたはXXXIXに転化させることができる。化合物XXXVIIIまたはXXXIXは、塩基性条件下でアクリル酸t-ブチルとパラジウム触媒を使用して、アルケンXLまたはXLIに転化させることができる。化合物XLまたはXLIは、オゾンを使用してアルデヒドXLIまたはXLIIに転化させることができる。アルデヒドXLIIまたはXLIIIにアリールリチウム化学種を加えると、第二アルコールXLVまたはXLVIが得られる。化合物XLVまたはXLVIは、ピリジン中無水酢酸を使用して化合物XLVIIまたはXLVIIIに転化させることができる。水素雰囲気下にてPd触媒を使用して化合物XLVIIまたはXLVIIIを水素化分解すると、化合物XLIXまたはLが得られる。TFA等の酸を使用して保護基を除去して、化合物LIまたはLIIを得ることができ、次いでショッテン・バウマン条件下にて酸塩化物でアシル化して、化合物LIIIまたはLIXを得ることができる。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物XIX、XX、LXVII、及びLXVIIIで示される一般構造の化合物は、メソッドEに従って製造される。
化合物XXIIIまたはXXIVは、酢酸の存在下にてシアン酸カリウムを使用して化合物LVまたはLVIに転化させることができる。これとは別に、メタノール中KOHを使用してエステルを加水分解し、得られたカルボン酸を、HATUと塩化アンモニウムを使用して第一アミドに転化させ、次いでチオホスゲン(トリホスゲン、triphosgene)を使用して環化して化合物LVまたはLVIを得ることができる。ジオンLVまたはLVIは、POCl3を使用して二塩化物LVIIまたはLVIIIに転化させることができる。塩化アリールLVIIまたはLVIIIを、DIEAの存在下にてアミンIVで置換して化合物LIXまたはLXを得ることができる。KFとDIEAの存在下にてDMSO等の極性溶媒中で、窒素求核試薬または酸素求核試薬を使用して求核性芳香族置換を行うと、化合物XV、XVI、LXIII、またはLXIVが得られる。酸性条件下で保護基を除去し、得られたアミンを、塩基性条件下にて酸塩化物を使用して化合物XIX、XX、LXVII、またはLXVIIIに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物LXXVIII及びLXXIXで示される一般構造の化合物は、メソッドGに従って製造される。
化合物LXIXは、BOP試薬とDBUの存在下にて、あるいはBOP試薬とDBUの代わりにPOCl3を使用して化合物LXXに転化させることができる。Cs2CO3等の塩基及びDNA等の溶媒の存在下にて、VIのような化合物による求核性芳香族置換を行ってLXXI等の化合物を得る。化合物LXXIは、DCM等の溶媒中m-CPBAを使用して、対応するスルホンLXXIIまたはスルホキシドLXXIIIに酸化することができる。THF等の適切な溶媒中にてLHMDS等の塩基の存在下でアルコールによる求核性芳香族置換を行って、化合物LXXIVを得ることができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下で酸塩化物を使用して化合物LXXVIIIに転化させることができる。これとは別に、スルホンLXXIIまたはスルホキシドLXIIIのアミンによる求核性芳香族置換は、tBuOH等の溶媒中にてDIPEA等の塩基の存在下で果たすことができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下で酸塩化物の存在下にて化合物LXXIXに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物LXXXIV及びLXXXで示される一般構造の化合物は、メソッドHに従って製造される。
化合物LXXIVとLXXVを、水素雰囲気下にて炭素担持パラジウム等の触媒の存在下で還元して、化合物LXXXとLXXXIを得ることができる。化合物LXXXとLXXXIは、酸性条件下で脱保護することができ、得られたアミンを、塩基性条件下にて酸塩化物の存在下で対応するアクリルアミドLXXXIV及びLXXXVに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物(VII)で示される一般構造の化合物は、メソッドIに従って製造される。
化合物LXXIを、PdCl(dppf)等の触媒及びNaBH4等の還元剤の存在下で水素化して、化合物LXXXVIを得ることができる。化合物LXXXVIは、DCM等の溶媒中にてm-CPBA等の酸化剤の存在下で、LXXXVIIのようなスルホンまたはLXXXVIIIのようなスルホキシドに酸化することができる。THF等の溶媒中にてLHMDS等の適切な塩基の存在下で、スルホンLXXXVIIまたはスルホキシドLXXXVIIIのアルコールによる求核性芳香族置換を行って、化合物LXXXを得ることができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下で酸塩化物を使用して化合物LXXXIVに転化させることができる。これとは別に、tBuOH等の溶媒中にてDIPEA等の塩基の存在下で、スルホンLXXXVIIまたはスルホキシドLXXXVIIIのアミンによる求核性芳香族置換を行って、化合物LXXXIを得ることができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下で酸塩化物の存在下で化合物LXXXIVに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物(XCIII)で示される一般構造の化合物は、メソッドKに従って製造される。
標準的なスズキカップリング条件下にて、LXXI等の化合物をLXXXIX等の化合物に転化させることができる。LXXXIX等の化合物は、DCM等の溶媒中にてm-CPBA等の酸化剤でXC等のスルホキシドに酸化することができる。化合物XCは、THF等の溶媒中にてLHMDS等の適切な塩基の存在下で、アルコールによる求核性芳香族置換により化合物XCIに転化させることができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下にて酸塩化物の存在で化合物XCIIIに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
一般的な合成プロセスにおいては、化合物(LXVI)で示される一般構造の化合物は、メソッドLに従って製造される。
化合物XCIVは、塩基性条件下で求核試薬VIを使用して化合物XCVに転化させることができる。ニトロ基を還元して化合物XCVIが得られる。化合物XCVIは、K2CO3等の塩基の存在下にてCS2を使用してジチオンXCVIIIに転化させることができる。ジチオンXCVIIIは、NaOH等の塩基の存在下にてヨウ化メチルでアルキル化できる。IV等のアミンによる求核性芳香族置換を、DMA等の溶媒中でK2CO3等の塩基の存在下にて高温で行うと、化合物Cがえられる。化合物Cは、DCM等の溶媒中にてm-CPBA等の酸化剤によりCI等のスルホキシドに酸化することができる。化合物CIは、THF等の溶媒中にてLHMDS等の適切な塩基(base)の存在下で、アルコールによる求核性芳香族置換により化合物LXIIIに転化させることができる。保護基は除去することができ、得られたアミンを、塩基性条件下にて酸塩化物の存在下で化合物LXVIに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
重要な合成中間体の製造
4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)の製造
工程1:
3-アミノ-2-クロロイソニコチン酸メチル(1)(180g、0.96モル)とメタノール(1.2リットル)をオートクレーブ中に混合して得た混合物に、アンンモニアガスを飽和するまでパージした。混合物を30℃で48時間撹拌した。粗反応混合物のアリコートをLC-MSにより分析し、反応が完了していることを確認した。混合物を濃縮して粗生成物を得、これをEtOAc(200ml)ですりつぶし、濾過し、得られたケークを捕集し、減圧乾燥して3-アミノ-2-クロロピリジン-4-カルボキサミド(2)を白色固体として得た(142g、収率86%)。
工程2:
3-アミノ-2-クロロイソニコチンアミド(2)(140g,0.816モル)をオルトギ酸トリエチル(1.5リットル)中に混合して得た混合物を16時間加熱還流した。混合物を25℃に冷却し、濾過した。得られたケークをEtOAc(2×100ml)で洗浄し、乾燥して8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(3)をオフホワイト色の固体として得た(110g、収率74%)。
工程3:
8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(3)(110g、0.61モル)をDMF(1.6リットル)中に混合して得た懸濁液を撹拌し、これにピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(135g、0.73モル)とBOP(402g、0.91モル)を加え、次いでDBU(184g、1.2モル)を加えた。得られた溶液を25℃で6時間撹拌した。粗反応混合物をLCMSでモニターし、出発物質の殆どが消費されたことを確認した。混合物を氷水(7リットル)で希釈し、EtOAc(4×1.5リットル)で抽出した。有機層を合わせて水(3×3リットル)とブライン(2リットル)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、5%メタノール/DCMで溶離して4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)を淡黄色固体として得た(101g、収率47%)。
4-(8-クロロ-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(7)の製造
工程1:
8-クロロ-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(6)(1.7g、収率95%)は、8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(3)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程2:
4-(8-クロロ-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(7)(1.7g、収率61%)は、4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4) を製造するのに使用した手順に従って製造した。
8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(12)の製造
工程1:
2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(8)(5.0g、25ミリモル)をアセトニトリル(60ml)中に混合して得た溶液にNBS(5.0g、28ミリモル)を加えた。混合物を撹拌しながら3時間加熱還流し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、そして石油エーテルで溶離して4-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(9)を赤色の半固体として得た(6.0g、収率86%)。
工程2:
4-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(9)(17.7g、64.2ミリモル)をTHF(500ml)中に混合して得た溶液に、窒素雰囲気下にて-78℃でBuLi(ヘキサン中2.5M、116ml、289ミリモル、4.5当量)を加えた。得られた混合物を-75℃で30分撹拌した。次いで、反応混合物中に二酸化炭素ガスを3時間吹き込んだ。反応混合物をNH4Cl飽和溶液(100ml)で急冷し、2NのHClを使用してpH5に調整し、水性層をEtOAc(3×200ml)で抽出した。この粗生成物にEtOAcと石油エーテルの混合物(石油エーテル:EtOAc=15:1、20ml)を加え、混合物を一晩静置した。黄色固体を捕集して3-アミノ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボン酸(10)を黄色固体として得た(3.0g、収率20%)。
工程3:
3-アミノ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボン酸(10)(2.5g、10ミリモル)、NH4Cl(723mg、13.5ミリモル)、HATU(5.1g、13ミリモル)、及びDIPEA(4.0g、31ミリモル)をDMF(10ml)中に混合して得た混合物を、窒素雰囲気下にて25℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。反応混合物をLiCl水溶液で急冷し、EtOAcで抽出した(2×100ml)。EtOAc層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中EtOAc)により精製して、3-アミノ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボキサミド(11)を黄色固体として得た(2.3g、収率92%)。
工程4:
8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(12)(1.8g、収率70%)は、8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(3)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
4-(6,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(16)の製造
工程1:
3-アミノ-2,6-ジクロロピリジン-4-カルボキサミド(13)(5g、0.024モル)とN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(3.5g、0.03モル)が入った封管中にて、反応混合物を100℃で15分間加熱した。LCMSと1H-NMRにより、出発物質が消費され、3-アミノ-2,6-ジクロロ-N-((ジメチルアミノ)メチレン)イソニコチンアミドが形成されたことが確認された。粗反応混合物に1,4-ジオキサン(30ml)を加え、次いで炭酸セシウム(15.8g、0.05モル)を加えた。得られた反応混合物を100℃で4時間加熱した。TLC(40%EtOAc/ヘキサン)と1H-NMRにより、反応が完了したことが確認された。反応混合物を減圧にて濃縮した。得られた残留物を氷水(15ml)で希釈し、1NのHClで酸性にした(pH=2~3)。得られた固体をブフナー漏斗を使用して濾過し、真空オーブン中にて60℃で4時間乾燥した。得られた淡黄色固体をTHF(30ml)ですりつぶし、減圧にて濾過し、真空オーブン中にて60℃で乾燥して、6,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(14)を淡黄色固体として得た(3.5g、収率66%)。
工程2:
6,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(14)(1.0g、4.0ミリモル)にPOCl3(13ml)を加えた。混合物を105℃の油浴中に置き、一晩撹拌して褐色溶液を得た。LCMSにより、生成物をメチルエーテルとして得た(LCMS溶媒マトリックスはメタノールであった)。粗反応混合物を室温に冷却し、減圧にて溶媒を除去した。トルエン(10ml)を加え、減圧にて溶媒を除去した。このプロセスを繰り返して、4,6,8-トリクロロピリド[3,4-d]ピリミジン(15)を黒色固体として得、これを次の工程に直ちに使用した。
工程3:
4,6,8-トリクロロピ1g、リド[3,4-d]ピリミジン(15)(1.1g、4.0ミリモル)をTHF(13ml)中に溶解し、引き続きピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.6g、8.7ミリモル)とDIEA(3.5ml、20ミリモル)で処理した。得られた褐色溶液を室温で一晩撹拌した。LCMSにより生成物だけであることが分かった。反応混合物を200mlのH2O中に加え、EtOAc(2×150ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて10%NH4Cl(200ml)とブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して褐色油状物を得た。TLC(50%EtOAc/ヘプタン)Rf0.7。粗生成物をDCM中に溶解し、25gシリカカラム(Biotage)上に添加し、10~50%EtOAc/ヘプタンで溶離した。Rf0.7のスポットを単離し、4-(6,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(16)を黄色固体として得た(1.3g、収率85%)。
4-(2,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(20)の製造
工程1:
磁気撹拌棒を装備した2リットルのフラスコに、3-アミノ-2-クロロイソニコチンアミド(17)(50g、292ミリモル)、THF(1リットル)、及びトリホスゲン(43g、146ミリモル)を加えた。フラスコの上に還流冷却器を取り付け、反応混合物を70℃で4時間加熱した。白色沈殿物が生成した。反応混合物を室温に冷却し、減圧にてTHFを除去した。酢酸エチル(1リットル)を加え、濾過により沈殿物を捕集して濃厚な白色固体を得た。濾過ケークを高温のEtOAc(3×1リットル)で洗浄し、乾燥して8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(18)を白色固体として得た(55g、収率95%)。
工程2:
磁気撹拌棒を装備した1リットルのフラスコに、8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(18)(45g、228ミリモル)、ジエチルフェニルアミン(34.1g、228ミリモル)、及びPOCl3(600ml)を加えた。混合物を120℃で16時間加熱した。混合物を濃縮し、残留物をDCM(3×500ml)で希釈し、氷水中に慎重に注いだ。生成物をDCM(3×500ml)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して2,4,8-トリクロロピリド[3,4-d]ピリミジン(19)(粗製品55g)を得た。
工程3:
磁気撹拌棒を装備した500mlの丸底フラスコに、2,4,8-トリクロロピリド[3,4-d]ピリミジン(19)(粗製品55g、228ミリモル)、ジオキサン(400ml)、DIPEA(58.9g、457ミリモル)、及びピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(38.2g、206ミリモル)を加えた。混合物を80℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過し、残留物をDCMで洗浄して4-(2,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(20)を得た(50g、収率57%、2工程)。
4-[8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(22)の製造
工程1:
8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(12)(500mg、2ミリモル)をPOCl3(6ml)中に混合して得た混合物に、N,N-ジメチルアニリン(0.5ml)を加え、得られた混合物を110℃で1時間撹拌した。TLCにより、8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(12)が消費されたことを確認した。減圧にてPOCl3を除去し、粗製4,8-ジクロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(21)を次の工程に使用した。
工程2:
4,8-ジクロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(21)(537mg、2ミリモル)をDMA(2.5ml)中に混合して得た溶液に、室温でピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(933mg、5.0ミリモル)を加え、得られた混合物を60℃で1時間撹拌した。LCMSにより反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を室温に冷却し、NaHCO3飽和水溶液で慎重に希釈した。水性層をEtOAc(3×50ml)で抽出し、EtOAc層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製し、そして石油エーテル中30%EtOAcで溶離して4-[8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(22)を黄色固体(700mg、収率84%)として得た。
5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)の製造
工程1:
この反応は2つの並行バッチにて行った。4-ブロモ-5-メチル-1H-インダゾール(23)(100mg、474ミリモル)をDCM(1リットル)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにPPTS(12g、47ミリモル)を28℃で加え、次いでDHP(120g、1.4モル)を28℃で一度に加えた。添加後、得られた混合物を30℃で18時間撹拌した。TLC(EtOAc/石油エーテル、1:5)により出発物質が消費されたことを確認した。処理を完了させるために2つのバッチを合わせた。反応混合物をH2O(1.5リットル)で急冷し、層分離を起こさせ、水性層をDCM(1リットル)で抽出した。有機層を合わせてH2O(1リットル)とブライン(1リットル)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して乾燥させた。残留物を石油エーテル(300ml)ですりつぶして、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)をオフホワイト色の固体(223g、収率80%)として得た。
工程2:
KOH(85.5g、1525ミリモル)をH2O(450ml)中に混合して得た溶液を29℃にてジオキサン(1.8リットル)に加え、次いで4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)(150g、508ミリモル)、Pd2(dba)3(18.6g、20.3ミリモル)、及びt-Bu-Xphos(17.3g、40.6ミリモル)を加えた。得られた混合物を脱気し、窒素を3回補充した。得られた混合物を95℃で18時間加熱した。TLC(石油エーテル/EtOAc=4:1)により、出発物質が存在しないことを確認した。反応混合物を30℃に冷却し、溶媒を蒸発除去した。残留物をMTBE(500ml)とH2Oに分配した。水性層をMTBE(500ml)で抽出し、有機層を合わせて捨てた。2NのHClを使用して水相をpH=2~3に調整し、EtOAc(2×1リットル)で抽出した。有機層を合わせてH2O(0.8リットル)とブライン(1リットル)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発除去した。残留物を石油エーテル(500ml)ですりつぶして、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)をオフホワイト色の固体として得た(95g、収率80%)。
3-メトキシナフタレン-1-オール(27)の製造
工程1:
ナフタレン-1,3-ジオール(26)(25g、156ミリモル)をメタノール(200ml)中に混合して得た溶液に、HClをジオキサン中に混合して得た溶液(4M塩酸100ml)を加え、得られた溶液を20℃で70時間撹拌した。LCMS分析により反応が完了したことを確認し、反応混合物を減圧にて濃縮した。残留物をシリカゲルを使用してフラッシュクロマトグラフィーで精製し、ヘプタン中10%EtOAcで溶離して、3-メトキシナフタレン-1-オール(27)を黄色固体として得た(13g、収率48%)。
5-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(30)の製造
工程1:
4-ブロモ-5-クロロ-1H-インダゾール(28)(950mg、4.10ミリモル)をTHF(50ml)中に混合して得た溶液に、DHP(518mg、6.16ミリモル)とPPTS(103mg、0.410ミリモル)を加えた。混合物を50℃で20時間撹拌した。さらに0.5当量のDHP(173mg、2.05ミリモル)を加え、得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費され、2種の位置異性体が形成されたことがわかった。溶媒を減圧にて除去した。粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(20g、10%EtOAc/石油エーテル)で精製して、4-ブロモ-5-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(29)を白色固体として得た(850mg、収率66%)。
工程2:
5-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(30)(590mg、収率92%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)を製造するのに使用された手順に従って製造した。
5-エチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(38)の製造
工程1:
1-ブロモ-4-フルオロ-2-メトキシベンゼン(31)(24g、2.44ミリモル)をTHF(200ml)中に混合して得た溶液にLDA(64.4ml、129ミリモル、2M)を-78℃にて滴下し、混合物を1時間撹拌した。DMF(10.3g、140ミリモル)を5分で滴下し、反応混合物を-78℃でさらに45分撹拌した。反応混合物を塩酸(200ml、1M)を加えることでクエンチし、混合物を静置して20℃にし、次いでEtOAc(400ml)で希釈した。有機層をH2O(200ml)とブライン(200ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(1:10EtOAC/石油エーテル)により精製して、3-ブロモ-6-フルオロ-2-メトキシベンズアルデヒド(32)を黄色固体として得た(18g、収率66%)。
工程2:
3-ブロモ-6-フルオロ-2-メトキシベンズアルデヒド(32)(5g、22ミリモル)とヒドラジン水和物(7ml)をDMSO(150ml)中に混合して得た混合物を130℃で16時間加熱した。LCMS分析によりほとんどが生成物であることがわかった。混合物をEtOAc(400ml)で希釈し、H2O(3×200ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/3)で精製して、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33)を黄色固体として得た(2.0g、収率41%)。
工程3:
5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33)(2g、8.8ミリモル)と3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(1.5g、17.6ミリモル)をDCM(40ml)中に混合して得た混合物にトルエン-4-スルホン酸ピリジニウム(221mg、0.88ミリモル)を加え、混合物を40℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(10/1)で溶離して5-ブロモ-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(34)を黄色固体として得た(2.2g、収率80%)。
工程4:
5-ブロモ-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(34)(2.2g、7.1ミリモル)、K2CO3(1.95g、14.1ミリモル)、及びビニルトリフルオロホウ酸カリウム(1.4g、11ミリモル)をDMF(30ml)中に混合して得た混合物にPd(dppf)Cl2(DCM錯体)(577mg、0.71ミリモル)を加え、窒素雰囲気下にて混合物を90℃で16時間撹拌した。LCMSにより殆どが生成物であることが確認された。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(1/5)で溶離して5-エテニル-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(35)を黄色固体として得た(1.3g、収率71%)。
工程5:
5-エテニル-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(35)(1.3g、5.0ミリモル)をメタノール(40ml)中に混合して得た混合物に10%Pd/C(130mg)を加え、混合物を水素雰囲気下にて20℃で4時間撹拌した。濾過と濃縮の後、5-エチル-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(36)が黄色油状物として得られた(1.1g、収率84%)。
工程6:
5-エチル-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(36)(1.1g、4.2ミリモル)をDCM(5ml)中に混合して得た溶液にBBr3(10ml、1M)を-78℃で加え、混合物を20℃で4時間撹拌した。混合物にNaHCO3(飽和溶液、30ml)を加え、水性層をDCM(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(2/1)で溶離して5-エチル-1H-インダゾール-4-オール(37)を黄色固体として得た(450mg、収率66%)。
工程7:
5-エチル-1H-インダゾール-4-オール(37)(440mg、2.7ミリモル)とDHP(456mg、5.4ミリモル)をTHF(20ml)中に混合して得た混合物にPPTS(69mg、0.27ミリモル)を加え、混合物を70℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(7/3)で溶離して5-エチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(38)を黄色固体として得た(320mg、収率48%)。
5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(41)の製造
工程1:
4-ブロモ-5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(40)(651mg、収率47%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用された手順に従って製造した。
工程2:
5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(41)(461mg、収率90%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)を製造するのに使用された手順に従って製造した。
5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(47)の製造
工程1:
濃塩酸(30ml)とH2O(30ml)を混合して得た溶液に2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチルアニリン(42)(5g、24.5ミリモル)を加え、混合物を60~70℃で1時間撹拌した。粗反応混合物を0~5℃に冷却し、NaNO2(2.0g、29ミリモル)の水(10ml)溶液を加え、反応混合物を15分撹拌した。次いでこの混合物を、CuCl(3.6g、368ミリモル)とHCl(50ml)を混合して得た溶液に、70~80℃にて30分で加えた。粗反応混合物を室温に冷却し、DCM(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせてNs2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して1-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロ-3-メチルベンゼン(43)を褐色液体として得た(4.5g、収率80%)。
工程2:
2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-4-メチルベンズアルデヒド(44)(8.3g、収率57%)は、3-ブロモ-6-フルオロ-2-メトキシベンズアルデヒド(32) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
工程3:
4-ブロモ-5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール(45)(108mg、収率50%)は、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
工程4:
4-ブロモ-5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(46)(2.4g、収率59%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24) を製造するのに使用された手順に従って製造した(反応はTHF中50℃にて行った)。
工程5:
5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(47)(373mg、収率50%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
5-ブロモ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(52)の製造
工程1:
1,2-ジブロモ-5-フルオロ-3-メチルベンゼン(49)(13g、収率88%)は、1-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロ-3-メチルベンゼン(43) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、HClとCuClの代わりにHBrとCuBrを使用した)。
工程2:
2,3-ジブロモ-6-フルオロ-4-メチルベンズアルデヒド(50)(135g、収率96%)は、3-ブロモ-6-フルオロ-2-メトキシベンズアルデヒド(32) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
工程3:
4,5-ジブロモ-6-メチル-1H-インダゾール(51)(11.8g、収率98%)は、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
工程4:
4,5-ジブロモ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(52)(8.2g、収率54%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応は、ジオキサン中90℃で行った)。
工程5:
5-ブロモ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(53)(2.2g、収率33%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
6-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(61)の製造
工程1:
1-クロロ-5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(54)(23.0g、121ミリモル)をEtOH/H2O(200ml、1:1)中に混合して得た溶液に、12MのHCl(10.1ml、121ミリモル)を加えた。混合物を80℃に加熱し、Fe(23.7g、425ミリモル)を30分で徐々に加えた。混合物を同じ温度で1時間撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費されたこと、及び所望の生成物が形成されたことがわかった。次いで混合物を25℃に冷却し、EtOAc(300ml)で希釈し、NaHCO3飽和溶液でpH=8~9に酸性化した。混合物を濾過し、層分離を起こさせ、水性層をEtOAc(2×300ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して4-クロロ-2-フルオロ-5-メチルアニリン(55)を黄色固体として得た(18.0g、収率93%)。
工程2:
4-クロロ-2-フルオロ-5-メチルアニリン(55)(18.7g、117ミリモル)をDMF(150ml)中に混合して得た溶液にNBS(20.9g、117ミリモル)を0℃にて徐々に加えた。次いで混合物を25℃に加温し、1時間撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことがわかった。混合物をNaHCO3飽和水溶液でクエンチし、EtOAc(2×200ml)で抽出した。有機層を合わせて水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして減圧にて濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(120g、石油エーテル/EtOAc=98:2)により精製して、2-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-3-メチルアニリン(56)を黄色固体として得た(22.1g、収率79%)。
工程3:
濃硫酸(62ml)をH2O(250ml)中に混合して得た溶液に、2-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-3-メチルアニリン(56)(22.1g、93ミリモル)を加え、混合物を25℃で10分撹拌してから5℃に冷却した。次いで、NaNO2(7.1g、102ミリモル)をH2O(20ml)中に混合して得た混合物を滴下した。得られた混合物を5℃で20分撹拌し、KI(62g、370ミリモル)をH2O(50ml)中に混合して得た溶液に混合物を加え、得られた混合物を5℃で20分撹拌し、次いで18時間で25℃に加温した。TLC(石油エーテル)により、出発物質が消費されたことを確認した。混合物を水(150ml)でクエンチし、EtOAc(2×500ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO3飽和水溶液とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして減圧にて濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(120g、石油エーテル)により精製して、3-ブロモ-1-クロロ-5-フルオロ-4-ヨード-2-メチルベンゼン(57)を淡黄色固体として得た(18g、収率56%)。
工程4:
3-ブロモ-1-クロロ-5-フルオロ-4-ヨード-2-メチルベンゼン(57)(17.5g、50.1ミリモル)をTHF(100ml)中に混合して得た溶液に、2.5MのBuLi(20ml、50ミリモル)を-100℃にて滴下した。混合物を同じ温度で30分撹拌した。次いで乾燥DMF(4.0g、55ミリモル)を加え、混合物を-100℃で20分撹拌した。TLC(石油エーテル)により、出発物質の殆どが消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。粗反応混合物を1NのHClでクエンチした。混合物に水を加え、水性層をEtOAc(2×150ml)で抽出した。有機層を合わせてH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(120g、石油エーテル/EtOAc=97:3)により精製して、2-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-3-メチルベンズアルデヒド(58)を黄色固体として得た(8.6g、収率68%)。
工程5:
4-ブロモ-6-クロロ-5-メチル-1H-インダゾール(59)(6.7g、収率80%)は、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応は90℃で21時間行った)。
工程6:
4-ブロモ-6-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(60)(5.7g、収率73%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応はTHF中80℃で行った)。
工程7:
6-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(61)(5.2g、収率97%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(67)の製造
工程1:
1,2,4-トリメチル-5-ニトロベンゼン(62)(2.0g、12.1ミリモル)をトリフルオロ酢酸(24ml)中に混合して得た溶液に、NBS(1.2g、6.7ミリモル)と鉄(20mg、0.4ミリモル)を加えた。反応混合物を75℃で3日間加熱し、室温に自然冷却し、次いで減圧にて溶媒を除去した。得られた残留物をEtOAc中に溶解し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮した。粗残留物をシリカゲルで精製し、0~5%EtOAc/ヘプタンで溶離して、3-ブロモ-1,2,4-トリメチル-5-ニトロベンゼン(63)を白色固体として得た(1.4g、収率83%)。
工程2:
3-ブロモ-1,2,4-トリメチル-5-ニトロベンゼン(63)(3.0g、12.5ミリモル)、亜鉛末(3.7g、56.1ミリモル)、及びトリエチルアミンHCl(9.4g、68.5ミリモル)をDMF(42ml)中に混合して得た懸濁液を105℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に自然冷却し、セライトを介して濾過した。濾液をEtOAcで希釈し、有機層をブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO24gシリカ)により精製し、EtOAc/ヘプタン(0~40%)で溶離して3-ブロモ-2,4,5-トリメチルアニリン(64)を褐色油状物(静置後に褐色固体となった)として得た(1.8g、収率66%)。
工程3:
撹拌棒を取り付けたフラスコに、3-ブロモ-2,4,5-トリメチルアニリン(64)(1.8g、8.3ミリモル)、酢酸カリウム(974mg、9.9ミリモル)、及びクロロホルム(36ml)を加えた。混合物を撹拌しながら0℃に冷却した。冷却した混合物に無水酢酸(2.5g、25ミリモル)を2分で滴下した。反応混合物を25℃に加温し、1時間撹拌した。この時点で反応混合物の温度が60℃に上昇した。亜硝酸イソアミル(1.9g、2.2ml、16ミリモル)を加え、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。粗反応混合物をNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO40gシリカ)により精製し、EtOAc/ヘプタン(0~30%)で溶離してN-アセチルインダゾールをオレンジ色固体として得た(1.5g)。この固体をTHF(8ml)と水(5ml)中に溶解し、0℃に冷却した。次いで、2MのNaOH(8.3ml)を加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。粗反応混合物をEtOAcと水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮し、そしてハウス・バキューム(house vacuum)下で一晩乾燥して4-ブロモ-5,6-ジメチル-1H-インダゾール(65)を褐色固体として得た(1.1g、収率59%)。
工程4:
4-ブロモ-5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(66)(1.1g、収率76%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応はTHF中50℃で行った)。
工程5:
5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(67)(463mg、収率51%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(72)の製造
工程1:
3-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルベンゼンアミン(68)(10g、49ミリモル)をIPA(70ml)中に混合して得た溶液にNCS(7.2g、54ミリモル)を加え、浅黒い溶液を80℃で2時間撹拌した。混合物を減圧にて濃縮し、粗生成物を、ISCOカートリッジ(220g)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/ヘプタン(15:85)で溶離して3-ブロモ-4-クロロ-5-フルオロ-2-メチルアニリン(69)を黄色固体として得た(5.7g、収率49%)。
工程2:
3-ブロモ-4-クロロ-5-フルオロ-2-メチルアニリン(69)(4g、16.8ミリモル)をAcOH(20ml)中に混合して得た溶液にNaNO2(1.5g、22ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で7時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。混合物を減圧にて濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、EtOAc/石油エーテル(20:80)で溶離して4-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール(70)を黄色固体として得た(2.4g、収率57%)。
工程3:
4-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(71)(819mg、収率88%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、アセトニトリルを溶媒として使用した)。
工程4:
5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(72)(612mg、収率92%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
3,5-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(76)の製造
工程1:
3,5-ジメチル-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(73)(450mg、1.1ミリモル)をEtOH(12ml)中に混合して得た溶液にmCPBA(273mg、1.6ミリモル)と水(6ml)を加えた。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。LCMSにより反応が完了したことを確認した。粗反応混合物をEtOAc(30ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上で精製し、0~90%EtOAc/石油エーテルで溶離して3,5-ジメチル-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1H-インダゾール-4-オール(74)を黄色固体として得た(370mg、収率100%)。
工程2:
3,5-ジメチル-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1H-インダゾール-4-オール(74)(400mg、1.3ミリモル)をH2SO4(70%、10ml)中に混合して得た混合物を室温で48時間撹拌した。LCMS分析により、所望の化合物が生成し、幾らかの出発物質が残存していることが確認された。粗反応混合物を氷水で希釈し、NaOH水溶液でpH6に調整した。水性層をEtOAc(5×30ml)で抽出し、有機層を合わせて水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上で精製し、0~55%EtOAc/石油エーテルで溶離して3,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-オール(75)を黄色固体として得た(90mg、収率40%)。
工程3:
3,5-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(76)(80mg、収率61%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応はTHF中にて還流して行った)。
5,7-ジフルオロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(84)の製造
工程1:
2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチル安息香酸(77)(2.0g、9.6ミリモル)をSOCl2(10ml)中に混合して得た混合物を撹拌しながら2時間加熱還流した。粗反応混合物を濃縮し、減圧にて溶媒を除去した。粗生成物をメタノール(30ml)中に溶解し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、5%EtOAc/石油エーテルで溶離して2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチル安息香酸メチル(78)を無色油状物として得た(1.8g、収率84%)。
工程2:
ナトリウム(146mg、6.4ミリモル)を乾燥メタノール(2ml)中に混合して得た溶液に、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチル安息香酸メチル(78)(940mg、4.2ミリモル)とDMF(5ml)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。TLCにより、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を1N塩酸で0℃にてクエンチし、水性層をEtOAc(2×30ml)で抽出した。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチル安息香酸メチル(79)を無色油状物として得た(991mg、収率100%)。
工程3:
2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチル安息香酸メチル(79)(996mg、4.2ミリモル)を乾燥THF(10ml)中に混合して得た溶液に、LiAlH4(323mg、8.5ミリモル)を-10℃にて加えた。得られた混合物を-10℃で30分撹拌した。TLCにより、出発物質が全て消費されたことを確認した。反応混合物を1N塩酸で0℃にてクエンチし、水性層をEtOAc(2×20ml)で抽出した。EtOAc層を合わせて濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、12%EtOAc/石油エーテルで溶離して(2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチルフェニル)メタノール(80)を白色固体として得た(680mg、収率78%)。
工程4:
(2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチルフェニル)メタノール(80)(680mg、3.3ミリモル)をTHF(30ml)中に混合して得た混合物にMnO2(2.9g、33ミリモル)を加え、得られた混合物を48℃で一晩撹拌した。反応混合物をセライトを介して濾過し、濾液を濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、2%EtOAc/石油エーテルで溶離して2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチルベンズアルデヒド(81)を白色固体として得た(180mg、収率27%)。
工程5:
5,7-ジフルオロ-4-メトキシ-6-メチル-1H-インダゾール(82)(512mg、収率29%)は、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
工程6:
BBr3をDCM(5ml)中に混合して得た混合物を5,7-ジフルオロ-4-メトキシ-6-メチル-1H-インダゾール(82)(650mg、3.3ミリモル)に-40℃にて加えた。粗反応混合物を室温で1時間撹拌した。TLCにより、出発物質が全て消費されたことを確認した。反応混合物を、0℃にてNaHCO3飽和水溶液でクエンチした。水性層をEtOAc(3×50ml)で抽出し、有機層を合わせて水(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、30%EtOAc/石油エーテルで溶離して5,7-ジフルオロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-オール(83)を赤色固体として得た(279mg、収率46%)。
工程7:
5,7-ジフルオロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(84)(160mg、収率41%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応はTHF中にて還流して行った)。
実施例の製造
以下の実施例はメソッドAに従って製造した:
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)の製造
工程1:
5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オールフェノール(25)(398mg、1.74ミリモル)、4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)(500mg、1.43ミリモル)、炭酸セシウム(931mg、2.86ミリモル)、及びDMA(3.6ml)をバイアルに加えた。混合物を脱気し、窒素をパージし、90℃にて砂浴中に置いた。4.5時間後、LCMSにより、殆どが生成物であって、アリールクロライドは存在しないことがわかった。反応混合物を室温に冷却し、水(50ml)中に滴下した。4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)を白色固体として捕集した(720mg、収率92%)。
工程2:
4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)(1.1g、2.0ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液にTFA(2ml)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことがわかった。減圧にて溶媒を除去して8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を褐色油状物として得た(730mg、収率100%)。
工程3:
8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)(500mg、1.38ミリモル)をNaHCO3飽和水溶液(50ml)とEtOAc(50ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに塩化アクリロイル(125mg、1.38ミリモル)をEtOAc(20ml)中に混合して得た溶液を加えた。次いで混合物を室温で30分撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことがわかった。有機層を分離した。水性層をEtOAc(2×80ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮した。粗生成物を、BiotageC18カラム(30g)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、25ml/分にて25~40%アセトニトリル/H2O(0.1%NH3)勾配を使用して溶離して、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を黄色固体として得た(202mg、収率35%)。
下記の製造において説明されている中間体は、実施例-18A、-19A、-27A、-28A、-32A、及び-33Aをもたらす。しかしながら、これらの実施例は、ニトリルが含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(88)の製造
工程1:
4-(6-クロロ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(87)(100mg、0.17ミリモル、メソッドAを使用して製造)、Zn(CN)2(40mg、0.34ミリモル)、dppf(19mg、0.034ミリモル)、及びPd2(dba)3(16mg、0.017ミリモル)をNMP(10ml)中に混合して得た混合物を、窒素雰囲気下でマイクロ波にて150℃で1.5時間加熱した。粗反応混合物のLCMAにより、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことがわかった。冷却後、水(50ml)を加え、水性層をEtOAc(3×60ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲル(4g)を使用して精製し、4%メタノール/DCMで溶離して4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(88)を黄色固体として得た(95mg、収率97%)。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例38Aをもたらす。しかしながら、この実施例は、脱保護工程が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
1-[(3R)-4-{6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-38A)の製造
1-[(3R)-3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-{8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(144)(300mg、0.474ミリモル)をTHF(20ml)中に混合して得た溶液にTBAFの溶液(THF中1.0M、0.95ml、0.95ミリモル)を0℃にて徐々に加えた。添加後、反応混合物を0~5℃にてさらに2時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。NaHCO3飽和水溶液(50ml)を加えた。混合物をEtOAc(50ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗残留物を、Xブリッジ(150×19mm、5μmカラム)を使用する分取HPLCによって精製し、28~33%アセトニトリル/H2O(0.05%NH4OH)により20ml/分にて溶離して、1-[(3R)-4-{6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-38A)を得た(45mg、収率18%)。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例41Aをもたらす。しかしながら、この実施例は、アミノ化反応が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
4-(6-アミノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(146)の製造
工程1:
4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(145)(300mg、0.485ミリモル)、Cs2CO3(484mg、1.46ミリモル)、(+/-)BINAP(31.5mg、0.0485ミリモル)、及びPd(OAc)2(5.73mg、0.0243ミリモル)をトルエン(9.7ml)中に混合して得た混合物にベンゾフェノンイミン(237mg、1.31ミリモル)を加えた。得られた褐色溶液を脱気し、窒素でパージし(3×)、100℃に予熱しておいた油浴中に置いた。粗反応混合物を100℃で24時間加熱した。反応混合物をLCMSにより分析して、生成物に転化されたことを確認した。粗反応混合物をEtOAc(20ml)と50%ブラインで希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(2×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(25gのSiO2、Biotage、10~50%EtOAc/ヘプタン)によって精製して4-(6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルを得た(295mg、収率80%)。
工程2:
4-(6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(275mg、0.36ミリモル)をMeOH(1.8ml)とTHF(1.8ml)中に混合して得た溶液にH2O中50%NH2OH(0.21ml、3.6ミリモル)を加えた。24時間後、LCMS分析により、生成物への明確な転化が確認された。粗反応混合物を60mlのH2O中に滴下した。黄色の粘性物質が生成した。混合物をEtOAc(40ml)で希釈し、層を分離した。水性層をEtOAc(40ml)で抽出し、有機層を合わせてNaHCO3飽和水溶液とブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を精製して(Biotage、10gのSiO2、5~60%EtOAc/ヘプタン)4-(6-アミノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(146)を白色固体として得た(84mg、収率39%)。
下記表中の実施例は、メソッドA、ならびに、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)、4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(88)、及び4-(6-アミノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(146)を製造するのに使用された手順に従って製造された。下記の実施例は、実施例-1A、実施例88、及び実施例146を製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例-1、-2、及び-6をもたらす。しかしながら、これらの実施例は、フェノール脱保護反応が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従って製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
1-(4-{8-[(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1)の製造
工程1:
4-{8-[(3-メトキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(89)(400mg,収率75%)は、溶媒をDMSOに置き換えたこと、及び反応混合物を60℃で1時間加熱したこと以外は、4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程2:
8-[(3-メトキシナフタレン-1-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(90)(328mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程3:
1-(4-{8-[(3-メトキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(91)(316mg,収率86%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を製造するのに使用した手順に従って製造した。生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、DCM中3%メタノールで溶離した。
工程4:
BBr3をDCM(5ml)中に混合して得た溶液に、1-(4-{8-[(3-メトキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(91)(100mg,0.20ミリモル)を-60℃で加え、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3飽和水溶液でクエンチし、EtOAc(2×50ml)で抽出した。EtOAc層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、Gemini-C18カラム(100×21.2mm,5μm)を使用して分取HPLCにより精製し、40~50%アセトニトリル/H2O(0.1%ギ酸)勾配で溶離して、1-(4-{8-[(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1)を淡黄色固体として得た(42mg,収率42%)。
1-(4-{8-[(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2)は、1-(4-{8-[(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例-3をもたらす。しかしながら、実施例-3は、類似したライブラリー・フォーマット(a parallel library format)にて合成されており、従ってその製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。
1-{4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-イル}プロプ-2-エン-1-オン(実施例-3)の製造
工程1:
4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)をアセトニトリル中に混合して得た溶液(1.0ml,0.15M)を2-クロロ-6-メチルフェノール(180μモル)に加え、次いでK2CO3(300μモル)を加えた。反応容器を密閉し、100℃で16時間加熱した。溶媒を除去し、粗生成物(92)を分取TLCにより精製した。
工程2:
DCMとTFAの溶液(7:1V/V,1.6ml)を4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(92)(100μモル)に加え、反応混合物を2時間撹拌した。溶媒を減圧にて除去した。
工程3:
塩化アクリロイルのDCM中0.1M溶液を調製し、この溶液1.0mlを、8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(93)(100μモル)とDIEA(300μモル)をDCM(1.0ml)中に混合して得た溶液に加えた。反応混合物を30℃で1時間加熱し、LCMSにより反応が完了するまでモニターした。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物を、Agela Durashell C18カラム(150×25mm,5μm)を使用して分取HPLCによって精製し、26~66%アセトニトリル/水(0.05M NH4OH)勾配で35ml/分にて溶離して1-{4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-イル}プロプ-2-エン-1-オン(実施例-3)を得た。
下記の実施例は、一般的なメソッドBに従って製造した。
1-(4-{2-メトキシ-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1B)の製造
工程1:
NaH(オイル中60%,48mg,1.2ミリモル)をTHF(6ml)中に混合して得た混合物にメタノール(70mg,2.2ミリモル)を加えた。本溶液を室温で30分撹拌した後、4-(2,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(20)を加えた。粗反応混合物を室温で16時間撹拌した。LCMSにより、所望の生成物が約80%であることを確認した。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物をEtOAc(5ml)と水(4ml)で希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(2×8ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、分取TLCを使用して精製し、石油エーテル/EtOAc(2:1)で溶離して4-(8-クロロ-2-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(94)を黄色固体として得た(244mg,収率58%)。
工程2:
4-(2-メトキシ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(95)(138mg、収率37%)は、反応をDMSO中にて135℃で2時間行ったこと以外は、4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程3:
2-メトキシ-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(96)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を次の工程に使用した。
工程4:
1-(4-{2-メトキシ-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1B)(32mg、収率30%)は、1-{4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-イル}プロプ-2-エン-1-オン(実施例-3)を製造するのに使用した手順に従って製造した。粗生成物を、YMC-Actus Triant C18カラム(150×30mm,5μm)を使用して分取HPLCにより精製し、30~50%アセトニトリル/水(0.05%アンモニア)で溶離した。
1-(4-{2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2B)の製造
工程1:
4-{8-クロロ-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(97)(224mg、収率71%)は、塩基をCs2CO3に置き換えたこと以外は、4-(8-クロロ-2-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(94)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程2:
4-(2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(98)(163mg,収率51%)は、反応をDMSO中マイクロ波にて135℃で2時間行ったこと以外は、4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程3:
N,N-ジメチル-1-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}アゼチジン-3-アミン(99)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程4:
1-(4-{2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2B)(24mg,収率26%)は、1-{4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-イル}プロプ-2-エン-1-オン(実施例-3)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
下記表の実施例は、メソッドBならびに1-(4-{2-メトキシ-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1B)(エーテル)または1-(4-{2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2B)(アミン)を製造するのに使用した手順、を使用して製造した。下記の実施例は、下記の実施例は、実施例-1Bまたは実施例-2Bを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
下記の実施例は、一般的なメソッドCに従って製造した。
3-ニトロ-2-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリジン-4-カルボン酸メチル(102)の製造
工程1:
磁気撹拌棒を取り付けた100mlの圧力容器に、2-クロロ-3-ニトロピリジン-4-カルボン酸メチル(100)(605mg,2.8ミリモル)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-オール(101)(800mg,2.8ミリモル)、DMAP(854mg,7.0ミリモル)、及びTHF(11.2ml)を加えた。フラスコをシールし、70℃で加熱した。3時間後に反応混合物をチェックし、所望の生成物への転化が十分に進んでいることを確認した。粗反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を水とブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を10gのシリカゲル(Biotageカラム)で精製し、25%EtOAc/ヘプタンで溶離して3-ニトロ-2-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリジン-4-カルボン酸メチル(102)をピンク色固体として得た(764mg,収率59%)。
2-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチル-3-ニトロピリジン-4-カルボン酸メチル(104)の製造
工程1:
2-クロロ-6-メチル-3-ニトロピリジン-4-カルボン酸メチル(103)(340mg,1.5ミリモル)、5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(47)(393mg,1.47ミリモル)、及びDMAP(450mg,3.7ミリモル)をテトラヒドロフラン(10ml)中に混合して得た混合物を70℃で一晩撹拌した。粗反応混合物をEtOAcで希釈し、引き続き水とブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル(ISCO 40gカートリッジ)で精製し、0~100%EtOAc/ヘプタンで溶離して2-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチル-3-ニトロピリジン-4-カルボン酸メチル(104)をクリーム色固体として得た(627mg,収率92%)。
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1C)の製造
工程1:
3-フルオロ-2-ニトロ安息香酸メチル(105)(2g,10ミリモル)をDMF(60ml)中に混合して得た溶液に、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)(2.33g,10ミリモル)とK2CO3(2.78g,20.1ミリモルを加えた。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。水(100ml)を加え、混合物をEtOAc(2×10ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(1/1)で溶離して3-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-ニトロ安息香酸メチル(106)を得た(3.9g,収率90%)。
工程2:
3-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-ニトロ安息香酸メチル(106)(4g,9.7ミリモル)をメタノール(60ml)中に混合して得た溶液に、水素雰囲気下にて10%Pd/C(500mg)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(107)を得た(3.5g,収率94%)。
工程3:
封管にて、8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(107)(1.5g,3.9ミリモル)をトリエトキシメタン(30ml)中に混合して得た溶液にNH4OAc(3.0g,39ミリモル)を加えた。反応混合物を撹拌しながら2日間加熱還流した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物の溶媒を蒸発除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM/メタノール(4/1)で溶離して8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(108)(1.4g,収率95%)を得た。
工程4:
8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(108)(400mg,1.06ミリモル)をDMF(30ml)中に混合して得た溶液に、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(396mg,2.1ミリモル)、DBU(485mg,3.2ミリモル)、及びBOP(705mg,1.6ミリモル)を加えた。粗反応混合物を25℃で4時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(1/1)で溶離して4-(8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(109)(480mg,収率83%)を得た。
工程5:
4-(8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(109)(480mg,0.88ミリモル)を25%TFA/DCM(30ml)中に混合して得た溶液を25℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を濃縮して8-((5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(110)を得た(390mg,収率100%)。
工程6:
8-((5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(110)(300mg,0.83ミリモル)をEtOAc(20ml)中に混合して得た溶液にNaHCO3飽和溶液(20ml)を加えた。塩化アクリロイル(113mg,1.25ミリモル)のEtOAc(5ml)溶液を滴下した。添加後、反応混合物をさらに30分撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物をEtOAc(2×50ml)で抽出し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/メタノール(9/1)で溶離して1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1C)を得た(184mg,収率53%)。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドCに従って実施例12Cをもたらす。しかしながら、この実施例は、ハロゲン化が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドC実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
2-アミノ-5-クロロ-3-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(111)の製造
8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(107)(300mg,0.79ミリモル)をDMF(1.5ml)中に混合して得た溶液にNCS(110mg,0.83ミリモル)を加えた。粗反応混合物を50℃で3時間撹拌した。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物をアセトニトリルですりつぶして白色固体を得た(212mg)。濾液を濃縮し、Xbridge(150×30mm,10μmカララム)を使用して分取HPLCにより精製し、58~100%アセトニトリル/H2O(0.05%NH4OH)で25ml/分にて溶離して、さらに53mgの生成物を捕集した。全部合わせて2-アミノ-5-クロロ-3-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(111)を白色固体として捕集した(265mg,収率82%)。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドCに従って実施例13Cをもたらす。しかしながら、この実施例は、ハロゲン化が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドC実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
2-アミノ-5-ブロモ-3-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(112)の製造
2-アミノ-5-ブロモ-3-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(112)(690mg,収率95%)は、2-アミノ-5-クロロ-3-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(111)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドCに従って実施例14Cをもたらす。しかしながら、この実施例は、シアノ化が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドC実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-1-カルボン酸tert-ブチル(114)の製造
4-(6-ブロモ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(113,メソッドCに従って製造)(217mg,0.35ミリモル)、Zn(CN)2(65mg,0.56ミリモル)、及びPd(PPh3)4(40mg,0.035ミリモル)をDMF(6ml)中に混合して得た混合物を、窒素雰囲気下でマイクロ波にて120℃で5時間撹拌した。LCMSにより、所望の生成物への完全な転化が確認された。粗反応混合物を室温に冷却し、水(20ml)で希釈した。水性層をEtOAc(3×10ml)で抽出し、有機層を合わせて濃縮し、粗生成物をシリカゲルで精製し、10~50%EtOAcで溶離して4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-1-カルボン酸tert-ブチル(114)を白色固体として得た(214mg,収率88%)。TLC(50%EtOAc/石油エーテル) Rf 0.4;
下記の実施例は、メソッドC、ならびに1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1C)を製造するのに使用した手順、を使用して製造した。下記の実施例は、実施例-1Cを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例-4をもたらす。しかしながら、この実施例は、スルホンの形成が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(エテニルスルホニル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン(実施例-4)の製造
8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(115)(145mg,0.37ミリモル)をTHF(50ml)とEt3N(432mg,4.27ミリモル)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに塩化エテンスルホニル(46.4mg,0.37ミリモル)のTHF(20ml)溶液を0~5℃にて加えた。添加後、混合物を同じ温度で15分撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を水(60ml)中に注ぎ込み、EtOAc(3×50ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を、Gemini-C18カラム(100×21.2mm,5μm)を使用して分取HPLCにより精製し、40~50%アセトニトリル/H2O(0.05%NH3)勾配で溶離して、8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(エテニルスルホニル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン(実施例-4)を白色粉末として得た(32mg,収率18%)。
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに類似した経路を介して実施例-5をもたらす。しかしながら、この実施例は、ビアリールアミン形成が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)アミノ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-5)の製造
工程1:
Pd[P(o-tol)3]2(7.3mg)とCyPF-t-Bu(1-ジシクロヘキシルホスフィノ-2-ジ-t-ブチルホスフィノエチルフェロセン)(5.6mg)を含有する2.5×10-3M触媒貯蔵液を、NaO-t-Bu(300mg,1.0ミリモル)のTHF溶液(2.0M)と4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)(300mg,1.0ミリモル)との混合物に、マイクロ波バイアル中にて窒素雰囲気下で加えた。気密シリンジを介してアンモニア(ジオキサン中0.5M溶液10.2ml)を加えた。テフロンライニングしたキャップでバイアルをシールし、100℃で一晩保持した。粗反応混合物をEtOAcと水で希釈した。水性層をEtOAcで抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、減圧にて濃縮した。粗生成物を、シリカゲル(ISCO12gカラム)を使用して精製し、0~65%EtOAc/ヘプタン勾配で溶離して、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-アミン(116)を淡褐色固体として得た(209g,収率89%)。
工程2:
5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-アミン(116)(195mg,0.6ミリモル)、4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)(129mg,0.6ミリモル)、及びSK-CCO2-A(24mg,0.04ミリモル,cas614753-51-4)をトルエン(10ml)中に混合して得た混合物にLiO-tBu(134mg,1.7ミリモル)のTHF溶液(1.0M)を加えた。得られた褐色溶液を窒素で3分パージし、100℃で18時間撹拌し、115℃でさらに2時間撹拌した。粗反応混合物を室温に冷却し、EtOAcとNH4Cl水溶液で希釈した。水性層をEtOAcで抽出し、有機層を合わせて減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲル(ISCO24gカラム)で精製し、5~10%イソプロパノール/EtOAc勾配で溶離して4-(8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(117)を得た(145mg,収率48%)。
工程3:
N-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8-アミン(118)(97mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程4:
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)アミノ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-5)(32mg,収率29%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を製造するのに使用した手順に従って製造した。粗生成物は、SFC(ZymorSPHER HADPカラム)を使用してメタノールで精製した。
下記の実施例は、一般的なメソッドDに従って製造した。
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1D)の製造
工程1:
8-ブロモ-4-クロロキナゾリン(119)(2g,8ミリモル)、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.7g,90ミリモル)、及びDIPEA(2.0g,16ミリモル)をBuOH(25ml)中に混合して得た混合物を90℃で6時間加熱した。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0~30%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-(8-ブロモキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(120)を白色固体として得た(3.0g,収率90%)。
工程2:
4-(8-ブロモキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(120)(1.0g,2.5ミリモル)、アクリル酸tert-ブチル(489mg,3.81ミリモル)、Pd(OAc)2(57mg,0.25ミリモル)、DABCO(57mg,0.51ミリモル)、及びK2CO3(351mg,2.54ミリモル)を乾燥DMF(12ml)中に混合して得た混合物を、窒素雰囲気下にて120℃で16時間加熱した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を濃縮し、H2O(50ml)で希釈した。水性層をEtOAc(3×40ml)で抽出し、有機層を合わせてH2O(2×50ml)とブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0~35%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-{8-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(121)をオフホワイト色固体として得た(850mg,収率77%)。
工程3:
4-{8-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(121)(700mg,1.59ミリモル)をDCM(35ml)とメタノール(35ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにオゾンガスを-50℃にて吹き込んだ。約30分後、LCMS分析により出発物質が消費されたことを確認した。粗反応混合物中に、撹拌しながら窒素ガスを約20分吹き込み、次いでPPh3(625mg,2.4ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0~40%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-(8-ホルミルキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(122)を白色固体として得た(448mg,収率82%)。
工程4:
4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)(940mg,3.2ミリモル)を乾燥THF(28ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに2.4MのBuLi(1.6ml,3.8ミリモル)を-80℃で滴下した。得られた混合物を-80℃で40分撹拌した。次いで、4-(8-ホルミルキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(122)(436mg,1.27ミリモル)を乾燥THF(5ml)中に混合して得た溶液を滴下した。得られた混合物を-80℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、約50%の標的化合物が形成されたことがわかった。反応混合物をNH4Cl水溶液(20ml)でクエンチした。有機層を分離し、水性層をEtOAc(2×30ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0~60%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-(8-{ヒドロキシ[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(123)を白色固体として得た(330mg,収率18%)。
工程5:
4-(8-{ヒドロキシ[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(123)(120mg,0.22ミリモル)とAc2O(84mg,1.1ミリモル)をピリジン(8ml)中に混合して得た溶液を80℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことがわかった。減圧にて溶媒を除去して4-(8-{(アセチルオキシ)[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(124)を油状物として得た(129mg,収率100%)。この粗生成物を、さらなる精製を行うことなく次の工程に使用した。
工程6:
4-(8-{(アセチルオキシ)[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(124)(129mg,0.22ミリモル)、Et3N(65mg,0.64ミリモル)、及び10%Pd/C(30mg)をメタノール(25ml)中に混合して得た混合物を、水素雰囲気下で5時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0~30%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-(8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(125)を無色ガムとして得た(90mg,収率77%)。
工程7:
8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(126)(59mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程8:
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1D)(40mg,収率61%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A) を製造するのに使用した手順に従って製造した。粗生成物を、Gemini-C18(100×21.2mm,5μmカラム)を使用して分取HPLCにより精製し、15~25%アセトニトリル/H2O(0.1%ギ酸)で溶離した。
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2D)の製造
工程1:
4-{8-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(127)(880mg,収率14%)は、4-{8-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(121)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程2:
4-(8-ホルミルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(128)(630mg,収率64%)は、4-(8-ホルミルキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(122)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程3:
4-(8-{ヒドロキシ[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(129)(200mg,収率10%)は、4-(8-{ヒドロキシ[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(123)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程4:
4-(8-{(アセチルオキシ)[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(130)(130mg,収率70%)は、4-(8-{(アセチルオキシ)[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(124)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程5:
4-(8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(131)(28mg,収率26%)は、4-(8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(125)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程6:
8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(132)(19mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程7:
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2D)(6mg,収率19%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
下記の実施例は、一般的なメソッドEに従って製造した。
1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1E)の製造
工程1:
3-アミノ-2-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチルピリジン-4-カルボン酸メチル(133)(424mg,0.98ミリモル)をAcOH(15ml)中に混合して得た溶液にKOCN(904mg,11.1ミリモル)の水(1ml)溶液を80℃にて加え、得られた黄色溶液を80℃で30分撹拌した。30分後、LCMSにより出発物質と生成物が認められた。出発物質が全て消費されるまで、追加の固体KOCNを(11ミリモルのアリコートにて)30分ごとに加えた。反応混合物を冷却し、水で希釈して懸濁液を得た。固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥した。得られた固体をジエチルエーテルとDCMの混合物中に溶解し、濃縮し、水中スラリーにした。混合物を濾過し、乾燥して8-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(134)をクリーム色固体として得た(426mg,収率98%)。
工程2:
8-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(134)(426mg,0.96ミリモル)をPOCl3(6ml)とジメチルアニリン(0.05ml)中に混合して得た溶液を100℃で6時間撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、トルエンと共に共沸させた。粗生成物に氷を加え、混合物を重炭酸ナトリウムで塩基性にした。粗生成物をDCM中に抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して2,4-ジクロロ-8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン(135)を褐色泡状物として得た(278mg,収率73%)。
工程3:
2,4-ジクロロ-8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン(135)(278mg,0.70ミリモル)、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(157mg,0.84ミリモル)、及びジイソプロピルエチルアミン(273mg,2.11ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液を一晩撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(12gISCOカートリッジ)を使用して精製し、EtOAc/ヘプタン(0~100%)で溶離して4-{2-クロロ-8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(136)を褐色固体として得た(57mg,収率15%)。
工程4:
4-{2-クロロ-8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(136)(57mg,0.10ミリモル)、N,N-ジメチルアゼチジン-3-アミンジハイドロクロライド(109mg,0.63ミリモル)、DIEA(0.13ml,0.73ミリモル)、及びKF(12mg,0.21ミリモル)をDMSO(2ml)中に混合して得た混合物を115℃で5時間撹拌した。粗反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水(2×)とブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(137)を褐色泡状物として得た(49mg,収率77%)。
工程5:
1-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチル-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-N,N-ジメチルアゼチジン-3-アミン(138)(87mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程6:
1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1E)(7mg,収率15%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
下表に記載の実施例は、メソッドEならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1E)を製造するのに使用した手順、を使用して製造した。下記の実施例は、実施例-1Eを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
下表の実施例は、メソッドEならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1E)を製造するのに使用した手順を使用して、類似のライブラリー・フォーマット(library format)にて製造した。下記の実施例は、実施例-1Eを製造するのに使用した典型的な手順への重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
さらなる中間体の製造:
3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(139)の製造
工程1:
4-ブロモ-5-メチル-1H-インダゾール(140)(3.0g,14.2ミリモル)をアセトニトリル(50ml)中に混合して得た溶液にNCS(2.1g,15.6ミリモル)を少量ずつ加えた。添加後、反応混合物を65℃で6時間加熱した。LCMSにより、生成物だけが得られたことを確認した。粗反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100ml)を加えた。有機層を1NのNaOH溶液(20ml)とブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧にて濃縮して4-ブロモ-3-クロロ-5-メチル-1H-インダゾール(141)を得た(3.3g,収率90%)。
工程2:
4-ブロモ-3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(142)(2.5g,収率56%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
工程3:
4-ブロモ-3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(142)(1.9g,5.8ミリモル)をDMF(60ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.2g,8.6ミリモル)、KOAc(1.7g,17.3ミリモル)、及びPd(dppf)Cl2(442mg,0.58ミリモル)を窒素雰囲気下で加えた。粗反応混合物を105℃で6時間撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化が確認された。冷却後、水(50ml)を加え、混合物をEtOAc(2×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/石油エーテル(1/9)で溶離して3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(143)を得た(1.3g,収率60%)。
工程4:
3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(143)(1.3g,3.4ミリモル)をEtOH(30ml)中に混合して得た溶液にmCPBA(893mg,5.2ミリモル)とH2O(15ml)を加えた。反応混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、ほとんどが生成物であることを確認した。粗反応混合物をNaHCO310%溶液(10ml)で希釈し、水性層をEtOAc(2×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/石油エーテル(1/5)で溶離して3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(139)を得た(180mg,純度80%,収率20%)。
5,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(163)の製造
工程1:
3-ブロモ-1,2-ジクロロ-5-フルオロ-4-メチルベンゼン(147)(4.7g,18.3ミリモル)を水/BuOH(1/1,45ml)中に混合して得た混合物にKMnO4(8.7g,54.8ミリモル)を80℃にて加えた。混合物を90℃で一晩加熱した。さらに4.5gのKMnO4を加え、105℃で一晩撹拌した。混合物をEtOHで希釈し、セライトパッドを介して濾過した。濾液を減圧にて濃縮して白色固体を得、これをエーテル/水で希釈した。凍結乾燥器を使用して水性層を乾燥して白色固体(4.9g)を得た。白色固体をEtOAc/EtOH中に懸濁し、不溶性物質を濾過により除去した。濾液を濃縮して3.7g(収率70%)の2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロ安息香酸(148)を白色固体として得た。
工程2:
2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロ安息香酸(148)(2.2g,7.8ミリモル)をTHF(11ml)中に混合して得た溶液を、窒素雰囲気下にて0℃に冷却した。この混合物に、BH3・SMe2のTHF溶液(THF中2.0M,112ml,24.1ミリモル)を滴下した。ガスの発生が認められた。添加完了後、混合物を0℃でさらに1.5時間撹拌し、次いで70℃で18時間加熱した。粗反応混合物をLCMSにより分析し、所望の生成物が形成されたことがわかった。反応混合物を氷浴で冷却し、EtOHで慎重にクエンチした。反応混合物を濾過して不溶性物質を除去し、濃縮した。残留物をEtOAc(130ml)と酸性水(130ml)に分配した。有機層をNH4Cl飽和溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して青白い固体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,0~30%EtOAc/ヘプタン)により精製して1.5g(収率71%)の(2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロフェニル)メタノール(149)を青白い固体として得た。
工程3:
(2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロフェニル)メタノール(149)(315mg,1.15ミリモル)をCHCl3(12ml)中に混合して得た溶液に、MnO2(700mg,8.05ミリモル)を少量ずつ加えた。混合物を20時間加熱還流した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。混合物を、セライトを介して濾過した。黒色濾液を濃縮して粗残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,0~10%EtOAc/ヘプタン)により精製して215mg(収率68%)の2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロベンズアルデヒド(150)を白色固体として得た。
工程4:
2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロベンズアルデヒド(150)(761mg,2.80ミリモル)を入れたバイアルに、無水ヒドラジン(628mg,19.6ミリモル)とスルホラン(14ml)を加えた。得られた溶液を130℃で20時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。反応混合物を水(2×)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,5~50%EtOAc/ヘプタン)により精製して448mg(収率56%)の4-ブロモ-5,6-ジクロロ-1H-インダゾール(151)を白色固体として得た。
工程5:
4-ブロモ-5,6-ジクロロ-1H-インダゾール(151)(123mg,0.46ミリモル)をTHF(5ml)中に混合して得た溶液に、PPTS(8.1mg,0.03ミリモル)とDHP(156mg,1.85ミリモル)を加えた。反応混合物を50℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が完全に消費されて生成物に転化したことを確認した。反応混合物を濃縮し、残留物をEtOAcと水に分配した。有機層をブラインで洗浄し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,0~25%EtOAc/ヘプタン)により精製して150mg(収率93%)の4-ブロモ-5,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(152)を白色固体として得た。
工程6:
4-ブロモ-5,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(152)(423mg,1.21ミリモル)とCsOH(543mg,3.63ミリモル)をジオキサン/水中に溶解し、これに触媒Pd2(dba)3(55.3mg)とリガンドtBu-XPhos(51.3mg)を加えた。反応混合物を窒素ストリームで脱気し、80℃で2.5時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物をEtOAcとNH4Cl水溶液に分配した。水相を2NのHClでやや酸性にし、次いでEtOAcで抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,10~90%EtOAc/ヘプタン)により精製して307mgの5,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(153)(収率88%,純度約80%)を褐色固体として得た。これをさらなる精製なしに次の工程に使用した。
6-クロロ-5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(157)の製造
工程1:
6-クロロ-4-フルオロ-1H-インダゾール(154)(606mg,3.55ミリモル)とPTSA一水和物(67.6mg,0.36ミリモル)をTHF中に混合して得た混合物にDHP(359mg,0.39ml,4.26ミリモル)を加え、反応混合物を2時間撹拌還流した。LCMS分析により、所望の生成物への転化を確認した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗油状物をクロマトグラフィー(ISCO,SiO2,0~100%DCM/ヘプタン)により精製して816mgの6-クロロ-4-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(155)(収率90%)を無色油状物(ゆっくりと結晶化した)として得た。
工程2:
6-クロロ-4-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(155)(273mg,1.07ミリモル)をTHF(10.7ml)中に混合して得た溶液に、LDAの溶液(THF中1.0M,1.5ml,1.5ミリモル)を-70℃にて加えた。得られた淡黄色反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。NFSI(473mg,1.5ミリモル)のTHF(1.5ml)溶液を滴下した。LCMS分析により、所望の生成物が形成され、出発物質が幾らか残存していることを確認した。反応混合物をNH4Cl飽和水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,0~20%EtOAc/ヘプタン)により精製して6-クロロ-4,5-ジフルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(156)を得た(152mg,収率52%)。
工程3:
6-クロロ-4,5-ジフルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(156)(151mg,0.554ミリモル)、水(40μl,2.22ミリモル)、及びKOH(124mg,2.22ミリモル)をDMSO(1.85ml)中に混合して得た混合物を100℃で3.5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費と所望の生成物の形成を確認した。EtOAcと水を加え、層分離を起こさせた。水性層を2N塩酸でやや酸性に調整した。水性層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(SiO2,ISCO, 5~65%EtOAc/ヘプタン)により精製して6-クロロ-5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(157)を白色固体として得た(110mg,収率73%)。
[(2S,4R)-4-フルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(161)の製造
工程1:
(4S)-4-ヒドロキシ-L-プロリン酸メチル(19g,10ミリモル)とTEA(17.2g,170ミリモル)をTHF(400ml)中に混合して得た混合物に(Boc)2O(31.4g,7.58ミリモル)を0℃にて0.5時間で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を分液漏斗に移し、500mlのEtOAcで希釈し、H2O(3×300ml)で洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して(2S,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(159)(21g,収率65%)を得た。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程2:
(2S,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(159)(16.4g,20ミリモル)をDCM(400ml)中に混合して得た溶液にDAST(32.3g,201ミリモル)を-78℃で加えた。反応混合物を1時間撹拌し、次いで室温に加温し、さらに24時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化を確認した。NaHCO3飽和水溶液(300ml)を加えることによって反応混合物をクエンチした。反応混合物をEtOAc(3×300ml)で抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~10%EtOAc/石油エーテル)によって精製して(2S,4R)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(160)(10g,収率70%)を無色油状物として得た。
工程3:
(2S,4R)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(160)(6.92g,28ミリモル)をTHF(100ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(3.19mg,84ミリモル)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。混合物をNa2SO4・10H2Oで乾燥し、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮して[(2S,4R)-4-フルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(161)を無色油状物として得た(3.7g,収率99%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
[(2S,4R)-4-フルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(163)の製造
(2S,4S)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(162)(8.8g,36ミリモル)をTHF(400ml)中に混合して得た溶液に、LiAlH4(4.05mg,107ミリモル)を窒素雰囲気下にて20℃で少量ずつ加えた。2時間撹拌した後、NaHCO3飽和水溶液(8.2ml)を滴下して反応をクエンチした。EtOAc(500ml)を加え、混合物を濾過した。濾液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,9:1DCM/MeOH)によって精製して[(2S,4S)-4-フルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(163)を得た(3.1g,収率65%)。
[(2S,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(166)の製造
工程1:
(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(164)(6g,24.5ミリモル)をCH3CN(120ml)中に混合して得た溶液にAg2O(17.0g,73.4ミリモル)とCH3I(27.76g,196ミリモル)を加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が形成され、出発物質が幾らか残存していることがわかった。追加のCH3I(6.94g,49ミリモル)を加え、反応混合物を20℃でさらに16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,8:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(165)を無色油状物として得た(4.6g,収率73%)。
工程2:
(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(165)(1.6g,6.2ミリモル)をTHF(30ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(703mg,18.5ミリモル)を加え、混合物を80℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が形成されていることがわかった。反応混合物を室温に冷却した。Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過して[(2S,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(166)を無色油状物として得た(0.85g,収率95%)。
[(2S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(169)の製造
工程1:
(2R,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(167)(3g,12.23ミリモル)をCH3CN(80ml)中に混合して得た溶液にAg2O(8.5g,36.7ミリモル)とCH3I(17.4g,122ミリモル)を加え、混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が残存していることがわかった。さらにAg2O(4g)とCH3I(9g)を加え、反応混合物を20℃でさらに16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。反応混合物を濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して(2R,4S)-4-メトキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(168)を無色油状物として得た(2.5g,収率79%)。
工程2:
(2R,4S)-4-メトキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(168)(2g,7.71ミリモル)をTHF(80ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(879mg,23.1ミリモル)を加え、反応混合物を80℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化を確認した。20℃に冷却した後、Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過し、濃縮して[(2R,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(169)を無色油状物として得た(1.1g,収率79%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
(3R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(173)の製造
工程1:
(2S,4R)-4-シアノピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(170)(2g,7.86ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液にTFA(5ml)を加え、混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。混合物を濃縮して(4R)-4-シアノ-L-プロリン酸メチル(171)を無色油状物として得た(2.11g,収率100%)。
工程2:
(4R)-4-シアノ-L-プロリン酸メチル(171)(2.11g,7.86ミリモル)とHCHO(4ml)をDCM(15ml)とTHF(5ml)中に混合して得た混合物にNaBH3CN(990mg,15.7ミリモル)を加え、混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成を確認した。H2O(50ml)を加え、混合物をDCM(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して(4R)-4-シアノ-1-メチル-L-プロリン酸メチル(172)を黄色油状物として得た(1.32g,収率100%)。
工程3:
(4R)-4-シアノ-1-メチル-L-プロリン酸メチル(172)(1.32g,8.56ミリモル)をTHF(20ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(377mg,17.1ミリモル)を加え、混合物を50℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費と生成物の形成を確認した。H2O(10ml)を加え、混合物を10分撹拌した。混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して(3R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(173)を無色油状物として得た(472mg,収率39%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(177)の製造
工程1:
(3S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピロリジン-3-カルボン酸(174)(WO2013072813)(1.25g,5.38ミリモル)を乾燥THF(18ml)中に混合して得た溶液に、窒素雰囲気下でBH3の溶液(THF中1.0M,17.2ml)を滴下して処理した。添加後、混合物を16LCMS時間加熱還流した。LCMS分析により、出発物質が全て消費されて、所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を25℃に冷却し、MeOH(10ml)を滴下した。混合物を2時間撹拌し、0℃に冷却し、次いで0.5M塩酸(3ml)で処理した。この溶液を0.5時間撹拌した。NaHCO3飽和水溶液を加えて、反応混合物をpH>7に調整した。混合物を濃縮してMeOHを除去した。残留物をH2O(30ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,10~70%EtOAc/石油エーテル)によって精製して(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(175)を無色油状物として得た(1.1g,収率93%)。
工程2:
(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(175)(1.09g,5.0ミリモル)を1,4-ジオキサン(4ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,8ml)を0~10℃にて加えた。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジニウム(176)を白色固体として得た(740mg,収率95%)。
工程3:
塩化(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジニウム(176)(740mg,4.76ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(5ml)、及びギ酸(10ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で48時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が全て消費され、所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。得られた残留物に濃塩酸(5ml)を加えた。混合物を2時間撹拌し、濃縮した。残留物にH2O(15ml)を加えた。混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にし、EtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~15%MeOH/DCM)によって精製して、[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(177)を淡黄色油状物として得た(630mg,収率100%)。
[(3R)-3-フルオロ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(181)の製造
工程1:
(3R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピロリジン-3-カルボン酸(178)(WO2013072813)(1.79g,7.65ミリモル)を乾燥THF(24ml)中に混合して得た溶液に、BH3の溶液(THF中1.0M,30ml)を窒素雰囲気下で滴下して処理した。添加後、混合物を16時間加熱還流した。LCMS分析により、出発物質が全て消費され、所望の生成物形成されたことを確認した。反応混合物を25℃に冷却し、MeOH(10ml)を滴下した。混合物を2時間撹拌し、0℃に冷却し、次いで0.5M塩酸(3ml)で処理した。得られた溶液を0.5時間撹拌した。NaHCO3飽和水溶液を加えて、反応混合物をpH>7に調整した。混合物を濃縮してMeOHを除去した。残留物をH2O(30ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,10~70%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(179)を無色油状物として得た(1.33g,収率79%)。
工程2:
(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(179)(1.33g,6.061ミリモル)を1,4-ジオキサン(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,10ml)を0~10℃にて加えた。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジニウム(180)を白色固体として得た(892mg,収率95%)。
工程3:
塩化(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジニウム(180)(892mg,5.73ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(5ml)、及びギ酸(10ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で48時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が全て消費され、所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。残留物に濃塩酸(5ml)を加えた。得られた混合物を2時間撹拌し、濃縮し、残留物にH2O(15ml)を加えた。混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にし、EtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~15%MeOH/DCM)によって精製して、[(3R)-3-フルオロ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(181)を淡黄色油状物として得た(630mg,収率100%)。
[(3R)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(184)の製造
工程1:
(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(182)(500mg,2.14ミリモル)をDCM(3ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,3ml)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジニウム(183)を白色固体として得た(360mg,収率99%)。
工程2:
塩化(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジニウム(183)(360mg,2.12ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(3ml)、及びギ酸(6ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で23時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。残留物に濃塩酸(5ml)を加え、2時間撹拌し、混合物を濃縮した。残留物にH2O(30ml)を加えた。混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にし、10:1DCM/MeOH(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮して[(3R)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(184)を淡黄色油状物として得た(220mg,収率70%)。
[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(187)の製造
工程1:
(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(185)(500mg,2.14ミリモル)をDCM(3ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,3ml)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジニウム(186)を白色固体として得た(360mg,収率99%)。
工程2:
塩化(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジニウム(186)(230mg,0.75ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(2ml)、及びギ酸(4ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で23時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。残留物に濃塩酸(5ml)を加え、2時間撹拌し、混合物を濃縮した。残留物にH2O(30ml)を加えた。混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にし、10:1DCM/MeOH(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮して[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(187)を淡黄色油状物として得た(160mg,収率80%)。
[(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(190)の製造
工程1:
(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(188)(J.Med.Chem.2016,59,2005-2024)(1.85g,8.0ミリモル)を1,4-ジオキサン(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,10ml)を0~10℃にて加えた。添加後、混合物を20~25℃にて16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジニウム(189)を褐色油状物として得た(1.34g,収率100%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程2:
塩化(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジニウム(189)(1.34g,8.0ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(7ml)、及びギ酸(14ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で4日間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費され、生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を25℃に冷却した。減圧にて溶媒を除去した。残留物に濃塩酸(10ml)を加え、混合物を2時間撹拌し、濃縮した。混合物をK2CO3水溶液で慎重に塩基性にし、DCM(3×50ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して[(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(190)を褐色油状物として得た(1.12g,収率96%)。
[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(193)の製造
工程1:
(3R,4R)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(191)(J.Med.Chem.2016,59,2005-2024)(1.90g,8.22ミリモル)を1,4-ジオキサン(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,10ml)を0~10℃にて加えた。添加後、混合物を20~25℃にて16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して粗製の塩化(3R,4R)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジニウム(192)を褐色油状物として得た(1.38g,収率100%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程2:
塩化(3R,4R)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジニウム(192)(1.38g,8.2ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(7ml)、及びギ酸(14ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で4日間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費され、生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を25℃に冷却した。減圧にて溶媒を除去した。残留物に濃塩酸(10ml)を加え、混合物を2時間撹拌し、濃縮した。混合物をK2CO3水溶液で慎重に塩基性にし、DCM(3×50ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(193)を褐色油状物として得た(1.12g,収率96%)。
(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(196)の製造
工程1:
(3R,4R)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(194)(400mg,1.97ミリモル)とCH3I(838mg,5.90ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(2.95ml,2.95ミリモル,THF中1.0M)を加え、混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が約50%、残留している出発物質が30%、そしてジメチル副生物が痕跡量存在していることがわかった。H2O(10ml)を加え、混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(195)を無色油状物として得た(140mg,収率33%)。
工程2:
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(195)(140mg,0.64ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(49mg,1.29ミリモル)を加え、混合物を70℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。20℃に冷却した後、Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過して、(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(196)を無色油状物として得た(70mg,収率83%)。
(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)の製造
工程1:
(3S,4S)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(197)(500mg,2.46ミリモル)とCH3I(1.05mg,7.38ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(3.69ml,3.69ミリモル,THF中1.0M)を加え、混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が約50%、残留している出発物質が30%、そしてジメチル副生物が痕跡量存在していることがわかった。H2O(10ml)を加え、混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、(3S,4S)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(198)を無色油状物として得た(240mg,収率45%)。
工程2:
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(199)(240mg,1.104ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(84mg,2.21ミリモル)を加え、混合物を70℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。20℃に冷却した後、Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過して、(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)を無色油状物として得た(120mg,収率83%)。
6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(202)の製造
工程1:
ジイソプロピルアミン(3.18g,31.5ミリモル)をTHF(100ml)中に混合して得た溶液に、n-BuLi(2.5M,10.5ml,26.25ミリモル)を窒素雰囲気下にて-70℃で滴下した。混合物を同じ温度で30分撹拌し、4,6-ジフルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(200)(5g,21ミリモル)のTHF(3ml)溶液を-78℃で滴下した。0.5時間後、CH3I(5.96g,42ミリモル)を加えた。混合物を1時間撹拌した。混合物をNH4Cl飽和水溶液でクエンチし、EtOAc(3×200ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,10:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、4,6-ジフルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(201)を白色固体として得た(2g,収率38%)。出発物質(200)を30%含有する、さらなる2gの混合フラクションを捕集した。
工程2:
4,6-ジフルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(201)(2g,7.93ミリモル)をDMSO(24ml)中に混合して得た溶液に、KOH(1.78g,31.7ミリモル)とH2O(571mg,31.7ミリモル)を加えた。混合物を100℃で6時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。反応混合物をH2O(30ml)でクエンチし、次いでEtOAc(3×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して固体を得、これを5:1石油エーテル/EtOAcですりつぶして6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(202)を白色固体として得た(730,g,収率37%)。
(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(207)の製造
工程1:
2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-カルボン酸(203)(21.6g,103ミリモル)をSOCl2(75ml)中に混合して得た混合物を撹拌し、これにDMFを3滴加えた。混合物を80℃に加熱し、この温度で3時間加熱した。MeOHでのLCMS分析により、メチルエステルの形成が確認された。混合物を濃縮し、トルエンと共沸して粗製の2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-カルボニルクロライド(204)を得た(23.5g,収率100%)。これを直ちに次の工程に使用した。
工程2:
NaOH(18.5g,463ミリモル)のH2O(400ml)溶液に2-メチル-2-チオプソイドウレア硫酸塩(51.5g,185ミリモル)を0℃にて少量ずつ加えた。混合物を10分撹拌し、2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-カルボニルクロライド(204)(23.5g,103ミリモル)の乾燥Et2O(300ml)溶液を滴下した。添加後、反応混合物を0~5℃で30分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費され、所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物を分離した。水性層をEtOAc(2×300ml)で抽出した。有機層を合わせてH2O(2×200ml)とブライン(200ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して粗製のN-[(2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)カルボニル]カルバミミドチオ酸メチル(206)を黄色固体として得た(25.0g,収率86%)。これを、精製を施すことなく次の工程に直接使用した。
工程3:
N-[(2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)カルボニル]カルバミミドチオ酸メチル(206)(28.9g,102ミリモル)とCs2CO3(46.7g,143ミリモル)を乾燥DMF(150ml)中に混合して得た混合物を90℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費され、所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物を25℃に冷却し、H2O(800ml)で希釈し、3MのHOAc水溶液を加えることによってpH<7の酸性にした。得られた固体を濾過によって捕集した。濾過ケークをH2O(3×100ml)で洗浄し、減圧乾燥した。粗生成物をEtOAc(60ml)中にて30分スラリーにしてから濾過した。固体を濾過により捕集し、乾燥して6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(207)を淡黄色固体として得た(19.8g,収率74%)
実施例の製造:
下記の実施例は、一般的なメソッドGに従って製造した。
1-[4-(6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例1G)の製造
工程1:
6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(207)(10.0g,38ミリモル)をPOCl3(70ml)中に混合して得た混合物を130℃で3時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことが確認された。混合物を25℃に冷却し、減圧にて溶媒を除去して、粗製の4,6,8-トリクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(208)を黄色固体として得た(11.0g,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程2:
4,6,8-トリクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(208)(10.7g,38.1ミリモル)を乾燥DMF(60ml)中に混合して得た懸濁液を撹拌し、これにDIPEA(246mg,1.91ミリモル)を0℃にて加え、次いでピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(8.52g,45.8ミリモル)を加えた。得られた混合物を20~25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。混合物をH2O(500ml)で希釈し、30分撹拌し、次いで濾過した。濾過ケークをDCM(500ml)中に溶解した。混合物をH2O(2×400ml)とブライン(400ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をEtOAc(50ml)で1時間スラリーにし、次いで0℃に冷却した。固体を濾過によって捕集し、減圧乾燥して4-[6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(209)を黄色固体として得た(12.6g,収率76%)。
工程3:
5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(72)(4.19g,15.5ミリモル)、4-[6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(209)(6.99g,16.3ミリモル)、及びCs2CO3(7.57g,23.2ミリモル)を乾燥DMA(50ml)中に混合して得た混合物を95℃で16時間加熱した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。反応混合物を25℃に冷却し、H2O(300ml)で希釈し、EtOAc(3×200ml)で抽出した。有機層を合わせてH2O(2×200ml)とブライン(200ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~50%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(210)を黄色固体として得た(8.37g,収率81%)。
工程4:
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(210)(9.33g,14ミリモル)をDCM(100ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにm-CPBA(7.7mg,37.9ミリモル)を25℃で少量ずつ加えた。反応混合物を25℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。反応混合物をDCM(100ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(200ml)、Na2SO3水溶液(100ml)、及びブライン(100ml)で逐次洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,10~80%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(211)を黄色固体として得た(7.5g,収率77%)。
工程6:
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(211)(200mg,0.287ミリモル)と(S)-(1-メチルピロリジン-2-イル)メタノール(165mg,1.44ミリモル)をTHF(3ml)中に混合して得た溶液にLiHMDS(THF中1.0M,0.373ml,0.373ミリモル)を0℃で加え、混合物を室温で1時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液を加えることによってクエンチした。反応混合物をEtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮して溶媒を蒸発除去した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~10%MeOH/DCMによって精製して、4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(212)を黄色固体として得た(200mg,収率95%)。
工程7:
4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(212)(200mg,0.237ミリモル)をDCM(2ml)中に混合して得た混合物にHClの溶液(1,4-ジオキサン中4.0M,2ml)を加えた。反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が全て消費されたことを確認した。混合物を濃縮し、溶媒を蒸発除去して6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(213)を黄色固体として得た(150mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程8:
6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(213)(150mg,0.274ミリモル)をEtOAc(20ml)とNaHCO3飽和水溶液(20ml)中に混合して得た溶液に塩化アクリロイル(37.2mg,0.41ミリモル)を加え、混合物を室温で30分撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化が確認された。混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC〔カラム:Gemini-C18;100×21.2mm,5μm;移動相:ACN-H2O(0.1%FA);勾配:15~25%ACN;流量:25ml/分〕によって精製して、6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(実施例-1G)を白色固体として得た(23mg,収率14%)。
1-{4-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(実施例2G)の製造
工程1:
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(211)(900mg,1.29ミリモル)、塩化3-シアノ-3-メチルアゼチジニウム(343mg,2.58ミリモル)、及びDIPEA(668mg,5.17ミリモル,0.900ml)をt-BuOH(12.9ml,c=0.1M)中に混合して得たスラリーを、密閉された20ドラムバイアル中にて75℃で1時間加熱した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。減圧にて溶媒を除去した。残留物をEtOAcと水で希釈した。有機相をブラインで洗浄し、濃縮して溶媒を除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,24gSiO2,20~60%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(3-シアノ-3-メチルアゼチジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(214)を青白い固体として得た(519mg,収率56%)。
工程2:
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(3-シアノ-3-メチルアゼチジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(214)(100mg,0.140ミリモル)をDCM(0.52ml)中に混合して得た溶液にTFA(708mg,6.31ミリモル,0.475ml)を加えて褐色溶液を得、これを室温で40分撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化が確認された。反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。得られた固体をMTBEでスラリーにし、次いで遠心分離にかけた。溶媒をデカントし、固体を乾燥して1-{6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(215)を青白い固体として得た(131mg,収率100%)。
工程3:
1-{6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(215)(74.0mg,0.140ミリモル)とトリエチルアミン(46.8mg,0.46ミリモル,64μl)をDCM(1ml)中に混合して得た溶液に、塩化アクリロイル(12.7mg,0.140ミリモル,11.4μl)のDCM(0.3ml)溶液を-65℃で加えた。温度を1.5時間で-10℃に上昇させた。LCMS分析により、所望の生成物への転化と痕跡量の出発物質が確認された。反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残留物を、Phenomenex Luna Omega Polar C18カラム(21×250mm,5μm粒径)を組み込んだISCO ACCQPrep HP-125システムによる逆相分取HPLCによって、35ml/分の流量及び30~75%MeCN/水(+1%AcOH)の25分勾配にて精製した。捕集したフラクションを凍結乾燥機で乾燥して、1-{4-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(実施例2G)を青白いコットン状物として得た(32.1mg,収率46%)。
1-[4-(6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-29G)の製造
工程1:
4-[6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(209)、5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(153)、Cs2CO3(2.18g,6.69ミリモル)、及びDMA(12.1ml)をバイアルに加えた。混合物を窒素で脱気し、90℃で一晩撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、水を加えた。得られた沈殿物を濾過により捕集した。濾過ケークを水で充分に洗浄し、減圧にて50℃で一晩乾燥して4-[6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(216)をオフホワイト色の固体として得た(2.33g,収率77%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に直接使用した。
工程2:
4-[6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(216)(700mg,1.03ミリモル)をDCM(20.6ml)中に混合して得た溶液にm-CPBA(622mg,2.78ミリモル)を加えた。混合物を室温で2.5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物をNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。有機相を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,12gのSiO2,40~80%EtOAc/ヘプタン)により精製して、4-[6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(217)を青白い固体として得た(480mg,収率66%)。
工程3:
4-[6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(217)(1.57g,2.2ミリモル)と(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(491mg,3.74ミリモル)をTHF中に混合して得た溶液にLHMDS(3.74ml,3.74ミリモル,THF中1.0M)を加えた。得られた赤色溶液を40℃で20分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物をEtOAc(40ml)と水(15ml)で希釈した。層を分離した。水性層をEtOAc(40ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,40gのSiO2,10%EtOH/EtOAc)によって精製して、4-(6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(218)を得た(1.24g,収率72%)。
工程4:
4-(6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(218)をHFIP中に混合して得た溶液を氷浴で0℃に冷却し、HClの溶液(0.33ml,1.31ミリモル,1,4-ジオキサン中4.0N)を加えた。得られた溶液を0℃でさらに10分撹拌してオレンジ色溶液を得、これを室温に自然加温した。1時間後、LCMS分析により、生成物への転化を確認した。粗反応混合物を0℃に冷却した。MTBE(5ml)を徐々に加えて白色沈殿物を得た。減圧にて溶媒を除去した。追加のMTBE(5ml)を加え、混合物を濃縮して6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(219)をオレンジ色固体として得た(90mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程5:
6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(219)(89.6mg,0.13ミリモル)をHFIP(1.3ml)中に混合して得たスラリーにNaHCO3(109mg,1.3ミリモル)を加えた。得られた懸濁液を15時間撹拌して褐色溶液を得た。塩化アクリロイル(11μl,0.13ミリモル)を加えた。5分後、LCMS分析により、生成物への転化を確認した。反応混合物を濾過して不溶物を除去した。濾過ケークをEtOAcで洗浄した。有機層を合わせ、濃縮して溶媒を除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,10gのSiO2,2~10%MeOH/DCM+0.1%NH3)によって精製して1-[4-(6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-29G)を白色固体として得た(37mg,収率45%)。
1-[4-(6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-24G)の製造
工程1:
(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(3.2g,24.4ミリモル)をTHF(25ml)中に混合して得た溶液を、氷浴で0℃に冷却した。LHMDSの溶液(THF中1.0M,24.4ml,24.4ミリモル)を滴下して淡黄色溶液を得た。0℃で30分後、この溶液を、4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(211)(12.8g,18.8ミリモル)のTHF(50ml)溶液に、窒素雰囲気下にて0℃で滴下した。得られた赤色溶液を同じ温度で15分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が全て消費されたことを確認した。混合物をEtOAcで希釈し、水とブラインで洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,300gのSiO2,100:0:0~95:5:2DCM:MeOH:TEA)によって精製して4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(220)を黄色油状物として得た(6.9g,収率38%)。これをEt2Oと共沸させてオフホワイト色の固体を得た。
工程2:
4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(220)(50mg,0.07ミリモル)をHFIP(0.7ml)中に混合して得た溶液を0℃に冷却した。HClの溶液(1,4-ジオキサン中4M,0.1ml,0.4ミリモル)を加えて黄色溶液を得た。0℃にて10分後、オレンジ色溶液を室温に自然加温した。1時間後、LCMS分析により、出発物質の残留が確認された。追加のHCl(1,4-ジオキサン中4M,0.05ml)を加えた。さらに30分撹拌した後、LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。固体NaHCO3(70.6mg,12ミリモル)を加え、混合物を18時間撹拌した。塩化アクリロイル(0.006ml,0.07ミリモル)を加えた。5分後、反応混合物をEtOAc(20ml)と水(20ml)で希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(20ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,10gのSiO2,2~10%MeOH/DCM+0.1%NH4OH)によって精製して、1-[4-(6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-24G)を白色固体として得た(20mg,収率50%)。
下表の実施例は、メソッドGならびに6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(実施例1G)、1-{4-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(実施例2G)、1-[4-(6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-24G)、及び1-[4-(6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-29G)を製造するのに使用した手順を使用して製造された。下記の実施例は、実施例-1G、実施例-2G、実施例-24G、及び実施例-29Gを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
下記の実施例は、一般的なメソッドHに従って製造した。
1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1H)の製造
工程1:
4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(212)(437mg,0.597ミリモル)をEtOH(10ml)中に混合して得た混合物にPd/C(10%組み込み,100mg)を加えた。H2のバルーン(balloon)を加え、混合物を一晩撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化率が60%であることがわかった。DIPEA(0.21ml,1.19ミリモル)を加え、混合物をH2のバルーン下で一晩撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費され、生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濾過し、濃縮して溶媒を除去した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,40gのSiO2,100:0:0~95:5:2 DCM/MeOH/TEA)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(222)をオフホワイト色の泡状物として得た(130mg,収率31%)。
工程2:
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(222)(130mg,0.186ミリモル)をDCM(2.0ml)中に混合して得た溶液にTFA(213mg,0.139ml,1.86ミリモル)を加えた。反応混合物を一晩撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。反応混合物を濃縮して溶媒を除去して8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(223)を褐色のガムとして得た(159mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施さずに次の工程に使用した。
工程3:
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(223)(236mg,0.265ミリモル)をDCM(2.0ml)中に混合して得たスラリーにDIPEA(192mg,0.258ml,1.48ミリモル)を加えた。混合物を-50℃に冷却し、これに塩化アクリロイル(19.6mg,0.212ミリモル,20μl)のDCM(0.3ml)溶液を滴下した。混合物を室温にゆっくり加温した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。混合物を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。Princeton HA-Morpholineカラム(150×21.1mm,粒径5μm)を組み込んだWaters SFC200 Glacierシステムを使用する分取SFCによって精製し、12~60%MeCN/H2Oにより35℃で溶離して1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1H)を白色固体として得た(13.9mg,収率12%)。
1-[4-(8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-19H)の製造
工程1:
4-(6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(218)をTHF(7.3ml)中に混合して得た溶液に、NaBH4(47.1mg,1.25ミリモル)、PdCl2(dppf)(53.6mg,0.0733ミリモル)、及びTMEDA(0.187ml,1.25ミリモル)を窒素雰囲気下で加えた。得られた暗紫色溶液を室温で33時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を、セライトを介して濾過し、濃縮して溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,24gのSiO2,15%IPA/EtOAc)によって精製して300mgの物質を得た。分取HPLC(ISCO ACCQ Prep HP-125システム,Phenomenex Luna Omega Polar C18,21×250mm,粒径5μm,流量35ml/分,注入量1ml)によって物質を再度精製して、4-(8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(224)を白色コットン状物として得た(105mg,収率39%)。
工程2:
4-(8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(224)(101mg,0.138ミリモル)をHFIP(1.48ml)中に混合して得た溶液を0℃に冷却した。HClの溶液(1,4-ジオキサン中4.0M,0.346ml,1.38ミリモル)を滴下した。混合物を0℃でさらに10分、次いで室温で45分撹拌した。淡褐色溶液のLCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。粗反応混合物を0℃に冷却し、MTBE(5ml)をゆっくり加えて白色沈殿物を得た。減圧にて溶媒を除去した。追加のMTBE(5ml)を加え、次いで濃縮して8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(225)を褐色油状物として得た(75.3mg,収率99%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程3:
8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(225)(75.3mg,0.138ミリモル)をHFIP(1.38ml)中に溶解した。固体NaHCO3(116mg,1.38ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。得られた褐色スラリーに塩化アクリロイル(11.2μl,0.138ミリモル)を加えた。LCMS分析により、生成物への転化を確認した。粗反応混合物を濾過して白色固体を除去した。濾過ケークをEtOAcで洗浄し、減圧にて濾液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,12gのSiO2,2~10%MeOH/DCM+0.1%NH3)によって精製して、1-[4-(8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-19H)を白色固体として得た(26.3mg,収率32%)。
下記表中の実施例は、メソッドA、ならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1H)及び1-[4-(8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-19H)を製造するのに使用した手順を使用して製造された。下記の実施例は、実施例-1H及び実施例-19Hを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
以下の実施例は、一般的なメソッドIに従って製造した。
(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(プロプ-2-エノイル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(実施例1I)の製造
工程1:
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(210)(35.0g,52.8ミリモル)を乾燥THF(595ml)中に混合して得た混合物を、窒素を20分吹き込むことによって脱気した。Pd(dppf)Cl2(3.86g,5.28ミリモル)、TMEDA(12.0g,14.8ml,100ミリモル)、及びNaBH4(3.51g,92.4ミリモル)を逐次加えた。混合物を油浴中50℃(内部温度40℃)で1.2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、600mlのブラインと595mlのEtOAcを加えた。層を分離し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(3:5:2 EtOAc/石油エーテル/DCM)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(226)を淡黄色固体として得た(34g,収率100%)。
工程2:
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(226)をDCM(30ml)中に混合して得た溶液を、氷浴で0℃に冷却した。この溶液にm-CPBA(1.92g,8.57ミリモル)を加えた(発熱反応が起きた)。得られた懸濁液を一晩撹拌した。LCMS分析により、スルホキシド中間体が残存していることがわかった。追加のm-CPBA(100mg,4.29ミリモル)を加えた。3時間後、LCMS分析により、所望の生成物への完全な転化が確認された。反応混合物をNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。水性層をDCMで抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,80gのSiO2,0~100% EtOAc/ヘプタン)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(227)を白色固体として得た(900mg,収率48%)。
工程3:
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(227)(400mg,0.604ミリモル)と(3R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(173)(169mg,1.21ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(0.785ml,0.785ミリモル、THF中1.0M)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化が確認された。H2O(5ml)を加え、混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2:3石油エーテル/EtOAc)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S,4R)-4-シアノ-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(228)を黄色油状物として得た(120mg,収率28%)。
工程4:
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S,4R)-4-シアノ-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(228)(120mg,0.166ミリモル)をDCM(3ml)中に混合して得た溶液にTFA(1.5ml)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮して(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(229)を黄色油状物として得た(108mg,収率100%)。これを、精製せずに次の工程に使用した。
工程5:
(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(229)(90mg,0.166ミリモル)をEtOAc(40ml)とNaHCO3飽和水溶液(40ml)中に混合して得た溶液に塩化アクリロイル(15mg,0.166ミリモル)を加え、混合物を20℃で30分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。混合物をEtOAc(3×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を、C-18カラムでの分取HPLCによって精製し、MeCN/H2O(+0.05%ギ酸)で溶離して、(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(プロプ-2-エノイル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(実施例1I)を白色固体として得た(5.5mg,収率6%)。
(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(プロプ-2-エノイル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(実施例2I)の製造
工程1:
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(226)(10.0g,15.9ミリモル)をDCM(100ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにm-CPBA(純度85%,9.68g,47.6ミリモル)を5℃にて少量ずつ加えた。反応混合物を同温度で2時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。混合物をDCM(100ml)で希釈し、NaHCO3(100ml)飽和水溶液、Na2SO3飽和水溶液(100ml)、及びブライン(100ml)で順次洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(230)を淡黄色固体として得た(9.04g,収率86%)。これを、さらなる精製を施すことなく使用した。
工程2:
[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(187)(50mg,0.34ミリモル)をTHF(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(230)(146mg,0.226ミリモル)とLHMDS(56.8mg,0.340ミリモル,THF中1.0M)を加えた。得られた混合物を25℃で1.5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費を確認した。反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液を加えることによってクエンチした。粗反応混合物をH2O(30ml)中に注ぎ込み、EtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して溶媒を除去した。粗残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー〔0~100%MeCN/H2O(+0.05%FA)〕によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(231)を白色固体として得た(50mg,収率20%)。
工程3:
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(231)(50mg,0.069ミリモル)をDCM(3ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにTFA(1ml)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、生成物への完全な転化を確認した。減圧にて溶媒を除去して、8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(232)を褐色ガムとして得た(37mg,収率100%)。
工程4:
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(232)(37mg,0.068ミリモル)をEtOAc(30ml)とNaHCO3飽和水溶液(30ml)中に混合して得た溶液に、塩化アクリロイル(6.14mg,0.0679ミリモル)のEtOAc(5ml)溶液を25℃にて滴下した。得られた混合物を25℃で10分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が全て消費されたことを確認した。反応混合物を、数滴のMeOHを加えることによってクエンチした。混合物をEtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して溶媒を除去した。粗生成物を、Kromasil-C18カラム(100×21.2mm,粒径5μm)による分取HPLCによって精製し、20~30%MeCN/H2O(+0.05%NH3)で溶離して、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2I)を白色固体として得た(15.2mg,収率37%)。
1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-10I)の製造
工程1:
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(227)(236mg,0.356ミリモル)と(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(70mg,0.536ミリモル)の混合物にLHMDS(THF中1.0M,0.462ミリモル)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物をH2O(5ml)に加え、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,20:1DCM/MeOH)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(233)を褐色固体として得た(120mg,収率47%)。
工程2:
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(233)(120mg,0.168ミリモル)をDCM(4ml)中に混合して得た溶液にTFA(2ml)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去して、8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(234)を黄色油状物として得た(108mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程3:
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(234)(89mg,0.15ミリモル)とNaHCO3飽和水溶液(40ml)を混合して得た溶液に塩化アクリロイル(17mg,0.186ミリモル)を加えた。混合物を20℃で30分撹拌した。混合物をEtOAc(3×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を、C18カラムによる分取HPLCによって精製し、20~30%MeCN/H2O(+0.005%ギ酸)で溶離して、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-10I)を白色固体として得た((6mg,収率6%)。
下記表中の実施例は、メソッドI、ならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1I)、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2I)、及び1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-10I)を製造するのに使用した手順を使用して製造された。下記の実施例は、実施例-1I及び実施例-2Iを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
下記表中の実施例は、類似したライブラリー・フォーマットでのメソッド、ならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1I)、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2I)、及び1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-10I)を製造するのに使用した手順に従って製造された。下記の実施例は、実施例-1I、実施例-2I、及び実施例-10Iを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
以下の実施例は、一般的なメソッドKに従って製造した。
1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1K)の製造
工程1:
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(235)(500mg,0.752ミリモル)、トリメチルボロキシン(236mg,1.88ミリモル)、K2CO3(311mg,2.26ミリモル)、及びPd(PPh3)4(86.9mg,0.0752ミリモル)を1,4-ジオキサン(10ml)とH2O(1ml)中に混合して得た混合物をN2で2分脱気した。反応混合物を、マイクロ波照射により100℃にて3時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~60%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチル-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(236)を黄色固体として得た(340mg,収率70%)。
工程2:
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチル-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(236)(430mg,0.528ミリモル)をDCM(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにm-CPBA(80%,114mg,0.528ミリモル)を加えた。4時間後、LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物をNa2SO3(10ml)飽和水溶液でクエンチし、H2O(20ml)で希釈した。二相混合物を分離した。水性層をDCM(2×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNaHCO3(20ml)飽和水溶液とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~100%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(237)を黄色油状物として得た(275mg,収率79%)。
工程3:
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(237)(267mg,0.404ミリモル)と(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(79.6mg,0.607ミリモル)を乾燥THF(4ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLHMDS(THF中1.0M,0.607ml,0.607ミリモル)を室温にて滴下した。混合物を室温で3時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物をNH4Cl(10ml)飽和水溶液でクエンチし、水性層をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0~100%MeCN/H2O+0.05%ギ酸)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(238)を黄色固体として得た(120mg,収率41%)。
工程4:
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(238)(120mg,0.165ミリモル)をDCM(4ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにTFA(2ml)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を濃縮して、8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチル-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(239)を褐色油状物として得た(89.6mg,収率100%)。
工程5:
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチル-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(239)(89.6mg,0.136ミリモル)をDCM(4ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにDIPEA(213mg,1.65ミリモル)を加えた。混合物を-40℃に冷却し、塩化アクリロイル(17.9mg,0.198ミリモル)のDCM(1ml)溶液を滴下した。添加後、混合物を同温度でさらに20分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物をNaHCO3(20ml)飽和水溶液(20ml)でクエンチし、DCM(3×10ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0~100%MeCN/H2O+0.05%ギ酸)によって精製して、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1K)を白色固体として得た(11mg,収率11%)。
以下の実施例は、一般的なメソッドLに従って製造した。
1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例1L)の製造
工程1:
3-フルオロ-2-ニトロベンゾニトリル(240)(4.0g,24.1ミリモル)と5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(72)(6.5g,24.1ミリモル)をDMA(20ml)中に混合して得た混合物を、N2雰囲気下にて100℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,7:3石油エーテル/EtOAc)によって精製して、3-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-ニトロベンゾニトリル(241)を黄色固体として得た(8.7g,収率87%)。
工程2:
3-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-ニトロベンゾニトリル(241)(8.5g,20.4ミリモル)をEtOAc(200ml)中に混合して得た溶液にPd/C(10重量%,850mg)を加え、混合物を50℃で6時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、2-アミノ-3-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ベンゾニトリル(242)を白色固体として得た(6.6g,収率84%)。
工程3:
2-アミノ-3-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ベンゾニトリル(242)(6.6g,17.2ミリモル)とK2CO3(7.1g,51.2ミリモル)をDMSO(40ml)中に混合して得た混合物にCS2(13g,171ミリモル)を加え、混合物を50℃で2時間撹拌した。混合物を水(300ml)中に注ぎ込み、25℃で30分撹拌し、濾過した。濾過ケークをH2O(50ml)で洗浄し、乾燥して、8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジチオン(243)を黄色固体として得た(6.0g,収率76%)。
工程4:
8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジチオン(243)(6.0g,13.0ミリモル)をNaOH水溶液(15ml,1M)中に混合して得た溶液にH2O(20ml)を加え、混合物を25℃で10分撹拌した。ヨウ化メチル(3.7g,1.6ml,25.9ミリモル)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。黄色の固体が生成した。混合物を酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,4:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2,4-ビス(メチルスルファニル)キナゾリン(244)を黄色固体として得た(4.7g,収率74%)。
工程5:
8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2,4-ビス(メチルスルファニル)キナゾリン(244)(2.0g,4.1ミリモル)とピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.5g,8.2ミリモル)をDMA(15ml)中に混合して得た混合物にK2CO3(562mg,4.1ミリモル)を加え、混合物を120℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,3:2石油エーテル/EtOAc)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)キナゾリン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(245)を黄色固体として得た(1.1g,収率41%)。
工程6:
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)キナゾリン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(245)(1.0g,1.6ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液にm-CPBA(274mg,1.6ミリモル)を加え、混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化を確認した。混合物をDCM(20ml)で希釈し、Na2SO3飽和水溶液(2×20ml)、NaHCO3飽和水溶液(20ml)、及びブライン(20ml)で洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)キナゾリン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(246)を黄色固体として得た(960mg,収率94%)。
工程7:
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)キナゾリン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(246)(250mg,0.388ミリモル)と(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(67mg,0.504ミリモル)をTHF(5ml)中に混合して得た混合物にLiHMDS(0.5ml,0.5ミリモル,1M)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を水(2ml)で希釈し、濃縮した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(C18,40g,50%MeCN/H2O+0.1%ギ酸)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(247)を白色固体として得た(130mg,収率47%)。
工程8:
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(247)(130mg,0.18ミリモル)をDCM(4ml)中に混合して得た溶液にTFA(2ml)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮して、8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(248)を黄色油状物として得た(117mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程9:
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(248)(117mg,0.18ミリモル)をEtOAc(40ml)とNaHCO3飽和水溶液(40ml)中に混合して得た溶液に塩化アクリロイル(33mg,0.36ミリモル)を加え、混合物を25℃で30分撹拌した。混合物をEtOAc(3×40ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(C18,0~25%MeCN/H2O+0.1%ギ酸)によって精製して、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例1L)を白色固体として得た(16mg,収率15%)。
下表の実施例は、メソッドL、ならびに1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例1L)を製造するのに使用した手順を使用して製造した。下記の実施例は、実施例-1Lを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
さらなる中間体の製造:
(3R,4R)-1-エチル-4-メトキシピロリジン-3-オール(250)の製造
工程1:
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(198)(1.3g,5.98ミリモル)をDCM(20ml)中に混合して得た溶液にHCl(10ml,1,4-ジオキサン中4M)を加え、混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化を確認した。混合物を濃縮・乾燥して(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オール塩酸塩(249)を白色固体として得た(919mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
工程2:
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オール塩酸塩(249)(100mg,0.651ミリモル)をMeOH(1.5ml)中に混合して得た溶液にアセトアルデヒド(40重量%)(0.754ml)を加え、0℃にてNaBH3CN(115mg,1.82ミリモル)を少しずつ加えた。混合物を0℃にてさらに5分撹拌し、次いで20℃にて2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。1.0MのKOH水溶液を加えて、混合物をpH=9に調整した。混合物をDCM(5×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して(3R,4R)-1-エチル-4-メトキシピロリジン-3-オール(250)を黄色油状物として得た(68mg,収率72%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
(3R,4R)-4-メトキシ-1-(プロパン-2-イル)ピロリジン-3-オール(251)の製造
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オール塩酸塩(249)(100mg,0.651ミリモル)をMeOH(1.5ml)中に混合して得た溶液に、NaBH3CN(115mg,1.82ミリモル)を0℃にて少しずつ加えた。混合物を0℃にてさらに5分撹拌し、次いで20℃にて2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。1.0MのKOH水溶液を加えて、混合物をpH=9に調整した。混合物をDCM(5×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して(3R,4R)-4-メトキシ-1-(プロパン-2-イル)ピロリジン-3-オール(251)を黄色油状物として得た(254mg,収率82%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
(3R,4R)-4-メトキシ-1-(2-メトキシエチル)ピロリジン-3-オール(252)の製造
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オール塩酸塩(249)(100mg,0.651ミリモル)と1-ブロモ-2-メトキシエタン(113mg,0814ミリモル)をMeCN(2ml)中に混合して得た溶液にK2CO3(180mg,1.3ミリモル)を20℃にて加えた。混合物を65℃で7時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物にMeCN(10ml)とDCM(10ml)を加えた。混合物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して(3R,4R)-4-メトキシ-1-(2-メトキシエチル)ピロリジン-3-オール(252)を黄色油状物として得た(102mg、収率90%、純度75%)。
(3R,4R)-4-エトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(253)の製造
工程1:
(3R,4R)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(197)(1g,4.92ミリモル)とヨードエタン(2.3g,14.8ミリモル)をTHF(30ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(7.38ml,7.38ミリモル,THF中1.0M)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、殆どが出発物質であることがわかった。混合物を50℃で48時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却した。反応混合物を水で洗浄した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2:3石油エーテル/EtOAc)によって精製して、(3R,4R)-3-エトキシ-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(253)を無色油状物として得た(435mg,収率38%)。
工程2:
(3R,4R)-3-エトキシ-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(253)(435mg,1.88ミリモル)をTHF(15ml)中に混合して得た溶液にLAH(143mg,3.76ミリモル)を加え、混合物を70℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、生成物が形成されていることを確認した。混合物を室温に冷却し、Na2SO4・10H2O(2g)を加えた。混合物を30分撹拌し、セライトを介して濾過した。濾液を濃縮して、(3R,4R)-4-エトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(254)を無色油状物として得た(215mg,収率79%)。
rac-(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(257)の製造
工程1:
rac-(3R,4S)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(255)(500mg,2.46ミリモル)とCH3I(1.05g,7.38ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(3.69ml,3.69ミリモル,THF中1M)を加え、混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、生成物が約60%で出発物質が約30%残留しており、ジメチル化副生物が痕跡量存在していることを確認した。反応混合物にH2O(10ml)を加えた。反応混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、rac-(3R,4S)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(256)を無色油状物として得た(260mg,収率49%)。
工程2:
rac-(3R,4S)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(256)(256mg,1.18ミリモル)を乾燥THF(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLAH(157mg,4.12ミリモル)を25℃にて加えた。得られた混合物を70℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を10℃に冷却し、Na2SO4・10H2O(2g)を加えた。混合物を20分撹拌し、セライトを介して濾過した。濾過液を濃縮して、rac-(3R,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(257)(130mg,収率84%)。
rac-(3S,4R)-4-エチル-1-メチルピロリジン-3-オール(259)の製造
rac-(3S,4R)-4-エチルピロリジン-3-オール(258)(50mg,0.43ミリモル)(J.Med.Chem.2010,53,6730-6746)、ホルムアルデヒド水溶液(3ml)、及びギ酸(6ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で60時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。残留物に濃塩酸(30ml)を加えた。混合物を2時間撹拌してから濃縮した。残留物にH2O(30ml)を加え、混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にした。混合物を10:1DCM/MeOH(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、rac-(3S,4R)-4-エチル-1-メチルピロリジン-3-オール(259)を淡黄色油状物として得た(505mg,収率93%)。
rac-(3S,4R)-4-シクロプロピル-1-メチルピロリジン-3-オール(261)の製造
rac-(3S,4R)-4-シクロプロピルピロリジン-3-オール(260)(532mg,4.18ミリモル)(J.Med.Chem.2010,53,6730-6746)を乾燥MeOH(10ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにホルムアルデヒド(628mg,20.9ミリモル)とNaBH3CN(736mg,11.7ミリモル)を10℃にて加えた。得られた混合物を25℃で6時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物にNaHCO3飽和水溶液(10ml)を加えた。混合物をDCM(3×15ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、rac-(3S,4R)-4-シクロプロピル-1-メチルピロリジン-3-オール(261)を得た(591mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
rac-(3S,4R)-1,4-ジメチルピロリジン-3-オール(263)の製造
rac-(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(262)(469mg,2.33ミリモル)を乾燥THF(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLAH(310mg,8.16ミリモル)を25℃にて加えた。得られた混合物を70℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を10℃に冷却してからNa2SO4・10H2O(2g)を加えた。混合物を20分撹拌してからセライトを介して濾過した。濾液を濃縮して、rac-(3S,4R)-1,4-ジメチルピロリジン-3-オール(263)を得た(225mg,収率84%)。
rac-(3S,4S)-1,4-ジメチルピロリジン-3-オール(265)の製造
rac-(3S,4S)-3-ヒドロキシ-4-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(264)(500mg,2.48ミリモル)を乾燥THF(8ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLAH(236mg,6.21ミリモル)を25℃にて加えた。得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を10℃に冷却してからNa2SO4・10H2O(2g)を加えた。混合物を20分撹拌してからセライトを介して濾過した。濾液を濃縮して、rac-(3S,4S)-1,4-ジメチルピロリジン-3-オール(265)を得た(230mg,収率80%)。
rac-(4R)-4-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチルピロリジン-3-オール(267)の製造
rac-(4R)-4-(2,2-ジフルオロエトキシ)ピロリジン-3-オール(266)(595mg,3.56ミリモル)をMeOH(10ml)中に混合して得た溶液に、ホルムアルデヒド水溶液(2ml)とNaBH3CN(626mg,9.97ミリモル)を0℃にて加えた。混合物を0℃でさらに5分、次いで20℃で1時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。H2O(10ml)を加え、混合物をDCM(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~10%DCM/MeOH)によって精製して、rac-(4R)-4-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチルピロリジン-3-オール(267)を褐色油状物として得た(425mg,収率66%)。
rac-(3R,4R)-1,3-ジメチルピペリジン-4-オール(269)の製造
rac-(3R,4R)-3-メチルピペリジン-4-オール塩酸塩(268)(200mg,1.32ミリモル)をMeOH(1.5ml)とアセトアルデヒド(37~40重量%)(0.781ml)中に混合して得た溶液にNaBH3CN(233mg,3.70ミリモル)を0℃にて少しずつ加えた。混合物を0℃でさらに5分、次いで20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。1.0MのKOH水溶液を加えて、混合物をpH=9に調整した。混合物をDCM(5×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、rac-(3R,4R)-1,3-ジメチルピペリジン-4-オール(269)を黄色油状物として得た(150mg,収率90%)。
rac-(3R,4R)-1-(2-メトキシエチル)-3-メチルピペリジン-4-オール(270)の製造
rac-(3R,4R)-3-メチルピペリジン-4-オール塩酸塩(268)(100mg,0.659ミリモル)と1-ブロモ-2-メトキシエタン(110mg,0.791ミリモル)をMeCN(2ml)中に混合して得た溶液にK2CO3(164mg,1.19ミリモル)を20℃にて加えた。混合物を50℃で7時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を室温に冷却した。MeCN(10ml)とDCM(10ml)を加えた。混合物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、rac-(3R,4R)-1-(2-メトキシエチル)-3-メチルピペリジン-4-オール(270)を黄色油状物として得た(114mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-7-オール(272)の製造
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-7-オール(271)(200mg,1.77ミリモル)を、MeOH(1.5ml)とアセトアルデヒド(37~40重量%)(1.13ml)と酢酸(0.1ml)の混合物中に混合して得た溶液に、NaBH3CN(311mg,4.95ミリモル)を0℃にて少しずつ加えた。反応混合物を0℃でさらに5分、そして20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。1.0MのKOH水溶液を加えて、混合物をpH=9に調整した。混合物をDCM(5×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-7-オール(272)を黄色油状物として得た(200mg,収率89%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
(3R,4R)-1-メチルピロリジン-3,4-ジオール(273)の製造
(3R,4R)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(197)(922mg,4.24ミリモル)をTHF(15ml)中に混合して得た溶液(c=0.28M)に、LAH(THF中2.0M,8.5ml,17.0ミリモル)をN2雰囲気下にて室温で加えた。ガスの発生が確認された。混合物を60℃で9時間撹拌した。0℃に冷却した後、THF(10ml)中H2O(0.65ml)を加え、わずかな発熱とガスの発生が認められた。15%NaOH水溶液(0.65ml)とH2O(1.95ml)を加えた。15分後、混合物を、セライトを介して濾過した。濾過ケークをTHFで充分に洗浄した。濾液を濃縮して、(3R,4R)-1-メチルピロリジン-3,4-ジオール(273)をオフホワイト色固体として得た(481mg,収率97%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
2-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-オール(275)の製造
2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-オール塩酸塩(274)(100mg,0.583ミリモル)をMeOH(5ml)中に混合して得た溶液に、ホルムアルデヒド水溶液(0.3ml)とNaBH3CN(293mg,4.66ミリモル)を0℃にて加えた。反応混合物を0℃でさらに5分、そして20℃で1時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物をH2O(10ml)に加え、DCM(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~10%MeOH/DCM)によって精製して、2-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-オール(275)を白色固体として得た(80mg,収率98%)。
2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(277)の製造
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(276)をMeOH(3ml)中に混合して得た溶液に、ホルムアルデヒド(151mg,5.03ミリモル)、NaBH3CN(177mg,2.82ミリモル)、及び酢酸(1ml)を0℃にて加えた。混合物を0℃で5分、次いで20℃で1時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物をH2O(5ml)とNaHCO3飽和水溶液(2ml)との混合物中に注ぎ込み、DCM(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(5ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(277)を黄色固体として得た(143mg,収率87%)。
(3R,4R)-4-メトキシ-1-(プロプ-2-イン-1-イル)ピロリジン-3-オール(278)の製造
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オールトリフルオロアセテート(249)(200mg,0.23ミリモル)とK2CO3(236mg,1.71ミリモル)をMeCN(3ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに3-クロロプロプ-1-イン(127mg,1.71ミリモル)を加えた。得られた混合物を16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濾過して濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~8%MeOH/DCM)によって精製して、(3R,4R)-4-メトキシ-1-(プロプ-2-イン-1-イル)ピロリジン-3-オール(278)を黄色油状物として得た(85mg,収率32%)。
(3R,4R)-1-(ブト-3-イン-1-イル)-4-メトキシピロリジン-3-オール(279)の製造
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オールトリフルオロアセテート(249)(550mg,2.38ミリモル)、KI(790mg,4.76ミリモル)、及びK2CO3(1.31g,9.52ミリモル)をアセトン(15ml)中に混合して得た混合物に、4-ブロモブト-1-イン(475mg,3.57ミリモル)を加えた。混合物を80℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濾過して濃縮した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(40g C18,5%MeCN/H2O+0.1%ギ酸)によって精製して、(3R,4R)-1-(ブト-3-イン-1-イル)-4-メトキシピロリジン-3-オール(279)を無色油状物として得た(360mg,収率70%)。
(3R,4R)-1-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-メトキシピロリジン-3-オール(280)の製造
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オールトリフルオロアセテート(249)(196mg,1.67ミリモル)をMeCN(15ml)中に混合して得た溶液に、(2-ブロモエトキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(2.0g,8.37ミリモル)とEt3N(847mg,8.37ミリモル)を加えた。混合物を70℃で6時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化が確認された。溶媒を除去し、残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(40g C18,20~50%MeCN/H2O+0.1%ギ酸)によって精製して、(3R,4R)-1-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-メトキシピロリジン-3-オール(280)を淡黄色油状物として得た(164mg,収率36%)。
1,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-オール(282)の製造
1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-オールハイドロブロマイド(281)(Albany Molecular)(130mg,0.555ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(1ml)、及びギ酸(3ml)を封管中に入れて得た混合物を90℃で19時間加熱した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。反応混合物を濃縮した。濃塩酸(3ml)を加えた。反応混合物を2時間撹拌してから濃縮した。H2O(30ml)を加え、混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にした。混合物を10:1のDCM/MeOH(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をKromasil-C18カラム(100×21.2mm,粒径5μm)による分取HPLCによって精製し、MeCN/H2O(+0.1%ギ酸)で溶離して、1,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-オール(282)を白色固体として得た(80mg,収率86%)。
rac-(3S,4R)-4-(ジフルオロメチル)-1-メチルピロリジン-3-オール(290)の製造
工程1:
rac-(1R,5S)-6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボン酸tert-ブチル(283)(7.6g,41ミリモル)とCuI(1.56g,8.2ミリモル)を乾燥THF(100ml)中に混合して得た懸濁液に、臭化ビニルマグネシウム(THF中1.0M,82.1ミリモル,82.1ml)を窒素雰囲気下にて-30℃で滴下した。3時間後、TLC分析(3:1石油エーテル/EtOAc)により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液(100ml)を加えることによってクエンチし、濾過した。濾液を分離し、水性層をEtOAc(2×100ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,SiO2,3:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して黄色油状物(10g)を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,SiO2,3:1石油エーテル/EtOAc)によって再度精製して、rac-(3R,4S)-3-エテニル-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(284)を淡黄色油状物として得た(7.2g,収率82%)。
工程2:
rac-(3R,4S)-3-エテニル-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(284)(7.2g,33.8ミリモル)をTHF(100ml)中に混合して得た溶液に、NaH(鉱油中60%,2.7g,67.5ミリモル)を0℃にて加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでBnBr(6.9g,40.5ミリモル)を加えた。添加後、反応混合物を25℃に加温し、この温度で16時間撹拌した。TLC分析(4:1石油エーテル/EtOAc))により、出発物質が消費されたことがわかった。反応混合物をH2O(100ml)で希釈し、EtOAc(2×200ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,SiO2,10~25%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-エテニルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(285)を黄色油状物として得た(7.55g,収率74%)。
工程3:
rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-エテニルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(285)とNaIO4(11.7g,54.7ミリモル)をMeOH(90ml)とH2O(30ml)中に混合して得た溶液に、OsO4(63.3mg,0.25ミリモル)を0~5℃にて加えた。反応混合物を0~5℃でさらに2時間撹拌し、次いでゆっくりと25℃に加温した。25℃で16時間後、TLC分析(3:1石油エーテル/EtOAc)により、出発物質が消費されたことがわかった。反応混合物を濾過し、濾過ケークをEtOAcで洗浄した。濾液をロータリーエバポレーター(rotovap)で濃縮して、MeOHとEtOAcを除去した。水溶液をブライン(100ml)で希釈し、EtOAc(45ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(2×100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,3:1~10:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-ホルミルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(286)を淡黄色油状物として得た(5.9g,収率78%)。
工程4:
rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-ホルミルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(286)(5.9g,19.3ミリモル)をDCM(120ml)中に混合して得た溶液に、内部反応温度を5℃未満に保持しつつDAST(9.34g,58ミリモル)を滴下した。添加後、反応混合物を0~5℃でさらに2時間撹拌した。反応混合物を室温に加温し、17時間撹拌した。TLC分析(4:1石油エーテル/EtOAc)により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を氷水(40ml)でクエンチした。有機層を分離し、水性層のpH値を、Na2CO3飽和水溶液を加えることによって約8に調整した。水性混合物をDCM(2×60ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2CO3飽和水溶液(40ml)とブライン(40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,SiO2,10~25%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-(ジフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(287)を淡黄色油状物として得た(5.0g,収率79%)。
工程5:
rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-(ジフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(287)(4.6g,15ミリモル)とPd(OH)2/C(10重量%組み込み,1.97g)をMeOH(80ml)中に混合して得た混合物を、50psiの水素雰囲気下にて50℃で17時間撹拌した。TLC分析(2:1石油エーテル/EtOAc)により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を濾過して濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,7:1~4:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、rac-(3R,4S)-3-(ジフルオロメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(288)を淡黄色油状物として得た(2.4g,収率72%)。
工程6:
rac-(3R,4S)-3-(ジフルオロメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(288)(920mg,3.88ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液に、TFA(4ml)を25℃にて加えた。得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濃縮してrac-(3S,4R)-4-(ジフルオロメチル)ピロリジン-3-オール(289)を得た(532mg,収率100%)。
工程7:
rac-(3S,4R)-4-(ジフルオロメチル)ピロリジン-3-オール(289)(532mg,3.88ミリモル)をMeOH(10ml)中に混合して得た溶液に、ホルムアルデヒド(582mg,19.4ミリモル)とNaBH3CN(683mg,10.9ミリモル)を10℃にて加えた。混合物を25℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。NaHCO3飽和水溶液(10ml)(10ml)を加え、混合物をDCM(3×15ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0~10%DCM/MeOH)によって精製して、rac-(4R)-4-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチルピロリジン-3-オール(290)を黄色油状物として得た(472mg,収率81%)。
(3R,4R)-1-tert-ブチル-4-メトキシピロリジン-3-オール(292)の製造
工程1:
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オールハイドロクロライド(249)(617mg,2.67ミリモル)を乾燥アセトン(20ml)中に混合して得た溶液に4Åモレキュラーシーブ(1.0g)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。混合物を、セライトプラグを介して濾過し、濾液を濃縮して、(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシ-1-(プロパン-2-イリデン)ピロリジン-1-イウムクロライド(291)を褐色ガムとして得た(700mg,収率96%)。
工程2:
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシ-1-(プロパン-2-イリデン)ピロリジン-1-イウムクロライド(291)(800mg,5.1ミリモル)を乾燥THF(12ml)中に混合して得た溶液に、MeMgCl(THF中3.0M,11.8ml,35.4ミリモル)を窒素雰囲気下にて-20℃で加えた。得られた溶液を、18~20℃で18時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が形成され、出発物質が痕跡量残存していることを確認した。反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液(6ml)を加えることによってクエンチし、Na2CO3飽和水溶液を加えることによってpH値を約9に調整した。混合物をEtOAc(4×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage, 10~45%MeOH/DCM + 0.1%NH4OH)によって精製して、(3R,4R)-1-tert-ブチル-4-メトキシピロリジン-3-オール(292)を黄色油状物として得た(150mg,収率17%)。
rac-(3S,4R)-1,4-ジメチルピペリジン-3-オール(294)の製造
rac-(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(293)(500mg,2.32ミリモル)をTHF(7ml)中に混合して得た溶液にLAH(177mg,4.64ミリモル)を加えた。混合物を80℃に加熱し、この温度で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(20ml)で希釈した。Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークをEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮してrac-(3S,4R)-1,4-ジメチルピペリジン-3-オール(294)を無色油状物として得た(201mg,収率70%)。
(3R,4R)-4-メトキシ-1-(
2
H
3
)メチルピロリジン-3-オール(295)の製造
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(249)(1.0g,4.6ミリモル)をTHF(15ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、70℃に加熱し、LiAlD4(386mg,9.2ミリモル)を滴下した。混合物を70℃でさらに30分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。室温に冷却した後、この反応混合物を、200mgの(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを使用して得られた並行の反応混合物と合わせた。反応混合物を15%NaOH水溶液でクエンチし、濾過した。濾過ケークをEtOAcで洗浄した。合わせた濾液を濃縮して(3R,4R)-4-メトキシ-1-(2H3)メチルピロリジン-3-オール(295)を無色油状物として得た(690mg,収率93%)。
rac-(3S,4R)-1-メチル-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン-3-オール(300)の製造
工程1:
還流冷却器を取り付けた100mlフラスコに、({[(1E)-3,3,3-トリフルオロプロプ-1-エン-1-イル]オキシ}メチル)ベンゼン(296)(2.0g,9.9ミリモル)とN-ベンジル-1-メトキシ-N-[(トリメチルシリル)メチル]メタンアミン(297)(12.2g,51.4ミリモル)を加えた。混合物を150℃に加熱し、TFAを、還流冷却器を通して3時間かけて滴下した。添加後、暗色の反応混合物を150℃でさらに1時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が完全に消費されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,10%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、rac-(3S,4R)-1-ベンジル-3-(ベンジルオキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン(298)を無色油状物として得た(3.1g,収率93%)。
工程2:
rac-(3S,4R)-1-ベンジル-3-(ベンジルオキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン(298)(3.6g,10.7ミリモル)をMeOH(85ml)中に混合して得た溶液に、Pd(OH)2/C(2.26g,16.1ミリモル)とBoc2O(2.47g,11.3ミリモル)を加えた。混合物をH2の雰囲気下で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化率が約50%であることを確認した。追加バッチのPd(OH)2/C(2.26g,16.1ミリモル)を加え、混合物を、5気圧でのH2雰囲気下で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化率が約65%であることを確認した。反応混合物を、セライトを介して濾過し、濾液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,20~50%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、rac-(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(299)を無色油状物として得た(1.6g,収率58%)。この無色油状物は、静置すると固化して白色固体となった。
工程3:
rac-(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(299)をTHF(10ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLiAlH4(149mg,3.92ミリモル)を20~25℃で少しずつ加えた(激しいガスの発生と発熱が認められた)。添加後、反応混合物を20~25℃で5分撹拌してから80℃に加熱し、この温度で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が完全に消費されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却した。Na2SO4・10H2O(300mg)を加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、rac-(3S,4R)-1-メチル-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン-3-オール(300)を無色油状物として得た(285mg,収率86%)。
5-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(302)の製造
5-フルオロ-8-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボン酸tert-ブチル(301)(200mg,0.75ミリモル)(US20170348313)をTHF(5ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(57mg,1.5ミリモル)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物を室温に冷却し、Na2SO4・10H2O(8g)を加えた。混合物を10分撹拌し、濾過し、濃縮して、5-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(302)を白色固体として得た(136mg,収率100%)。
2-シクロプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-オール(304)の製造
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-オール(303)(186mg,1.0ミリモル)と[(1-エトキシシクロプロピル)オキシ](トリメチル)シラン(210mg,1.2ミリモル)をMeOH(8ml)中に混合して得た混合物に、NaBH3CN(76mg,1.2ミリモル)とAcOH(73mg,1.2ミリモル)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下にて60℃で4時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を濃縮した。残留物をDCM(80ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(2×20ml)とブライン(20ml)で洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1/15のDCM/石油エーテル)によって精製して、2-シクロプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-オール(304)を黄色固体として得た(200mg,収率71%)。
生物学的実施例と生化学的アッセイ法
マススペクトロメトリー反応性アッセイ(Mass Spectrometry Reactivity Assay)(MSRA)
本発明において提示の化合物は、代表的化合物とKRAS G12Cとの共有結合付加体を検出すべくMSRAを使用すると、KRAS G12Cに共有結合することがわかる。
GDPを組み込んだKRAS(1-169)G12C、C51S、及びC118Sを、タンパク質アッセイ緩衝液(25mM Hepes pH7.5,200mM NaCl,5%グリセロール)中に5μMの濃度にまで希釈し、20μlのタンパク質を96ウェルプレート中に移した。初期化合物原液は、所望のアッセイ濃度より100倍高い濃度にて生成させた。“K-Ras(G12C) inhibitors allosterically control GTP affinity and effector interactions; Ostrem JM,Peters U,Sos ML,Wells JA,Shokat KM;Nature.2013,Nov28;503(7477):548-51”を参照。
DMSO中に溶解した代表的化合物を、96ウェルプレートにおける5μMKRASタンパク質を20μl含有する溶液中に100倍希釈して反応を開始させた。Mosquito(TPP Lab tech)液体ハンドリングロボットを使用して、化合物をタンパク質溶液に加えた。化合物の典型的な最終濃度は5μMまたは10μMであった。プレートをシェーカー上に室温で1分置き、シールし、室温で規定時間インキュベートした。5μlの反応混合物を10μlの0.2%ギ酸停止溶液に加え、充分に混合した。典型的な終点は、1分、15分、30分、及び60分であった。
データは、Waters Acquity H-class UPLCシステム/Xevo G2-XS TOFマススペクトロメーターを使用して収集した。タンパク質を、Bruker Microtrapタンパク質カラムTR1/15109/03上にて液相中に注入した。次の緩衝液を使用してLC勾配を設定した:緩衝液A:0.2%ギ酸H2O;緩衝液B:0.2%ギ酸CAN。次のLC勾配を使用して、カラムからタンパク質を溶離した:0~0.4分,10%B~30%B;0.4分~2.4分,90%B;2.5分,10%B;3分,10%B。初期データ解析は、データ取得の直後にMaxEntソフトウェアを使用して行った。
標準的な自動処理機能を利用し、データ取得の直後にMexEntソフトウェアを使用して、未変性KRASタンパク質と変性KRASタンパク質のパーセント値を明らかにした。最も高いピークを100%と定義する一方、より小さなピークは、自動処理機能によって決定された数として割り当てた。KRAS GDPを組み込んだ未変性のKRAS(1-169)G12C、C51S、C80L、及びC118Sと代表的化合物とを使用して変性させたことに対応する変性パーセントを、エクセルデータ解析ソフトウェアにエクスポートした。
代表的化合物の規定濃度における変性タンパク質のパーセントを、次の式を使用して算出した:変性率%=(変性ピークの数)/(変性ピーク+未変性ピークの合計数)。変性パーセント(Percent Modification;PM)と定義される値そしてPMの増大は、特定の化合物が、ある時点での特定の化合物濃度にて他の化合物より優れている、ということを示している。
細胞活性アッセイ
本発明において提示の化合物は、ヒトのガン細胞株の処置に使用すると、GDP結合Rasの蓄積をもたらす。
細胞環境におけるGDP結合KRAS G12Cの蓄積は、KRAS G12Cだけが、その活性GTP結合状態にあるときに、その下流のキナーゼRaf-1(MAPキナーゼ)に結合するという原理に基づいて測定した。この状態では、RasはRaf-1キナーゼのドメイン〔Ras結合ドメイン(RBD)と呼ばれる〕に結合した。
10%ウシ胎仔血清と1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補足したRPMI1640培地にてMIAPaCa-2細胞を培養した。細胞を96ウェル組織培養プレートに30,000細胞/ウェルの密度で供給し、16~24時間接着させた。試験化合物は、DMSO中10mMストックとして調製し、3倍希釈スキームを使用して100%DMSO中に連続的に希釈した。完全生育培地に中間の5倍濃縮プレートを作製し、100μlの細胞に1ウェル当たり25μlを、最終濃度が0.3%DMSOとなるように加えた。代表的化合物の各濃度を2回分析した。ネガティブコントロールのウェルは、10μMにてコントロールインヒビターを含んだ細胞であり、ポジティブコントロールのウェルは、薬物を含まない、DMSOだけの細胞であった。プレートを、5%CO2にて37℃で6時間インキュベートした。処理に続いて、細胞を氷冷PBSで3回洗浄し、そしてプロテアーゼインヒビターを含んだ、1ウェル当たり115μlの氷冷 1X アッセイ/溶解.緩衝液を加えた(25mM HEPES,pH7.5,150mM NaCl,1%NP-40,10mM MgCl2,1mM EDTA,2%グリセロール)。溶解後、サンプルを-80℃にて凍結させた。
Raf-1 RBD(LJIC-1988A1)を、PBS中において100ng/ウェルに希釈し、5μl/ウェルを、MSD高結合SECTORプレート上にスポット塗布した。プレートを、環状シェーカー上にて室温で1時間インキュベートした。プレートをPBS/0.05%Tween-20で洗浄し、解凍された溶解物サンプルを50μl/ウェル加え、次いでPBS/0.05%Tween-20中1%MSDブロッカー A(R93BA)を50μl加えた。プレートを環状シェーカー上で1時間インキュベートし、PBS/0.05%Tween-20で洗浄した。1:3000希釈のAnti-pan-Ras抗体(Cell Biolabs 244003)25μl/ウェルを1%MSDブロッカーA溶液中に加え、プレートを環状シェーカー上で1時間インキュベートし、PBS/0.05%Tween-20で洗浄した。SULFO-TAGヤギ抗マウス二次抗体(MSD R32AC)をMSDブロッカーA溶液中に1:500希釈し、25μl/ウェルにて加えた。プレートを環状シェーカー上で1時間インキュベートし、PBS/0.05%Tween-20で洗浄した。H2O中に1:3希釈したRead Buffer T(MSD R92TC)を150μl/ウェル加え、プレートをMeso Scale Discovery Sector Imager S600により読み取った。
KRASシグナルを最大阻害とDMSO対照標準値に対して正規化し、用量反応曲線の4パラメーターフィットを使用してIC50値を生成させた。IC50値が低下するということは、該代表的化合物が、ガン細胞株の治療の特定の時点において、他の代表的化合物より高レベルのGDP結合KRAS G12Cの蓄積をもたらす、ということを示している。
MSRAデータと細胞活性アッセイデータ