JP7313802B2 - 防汚性布帛およびその製造方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、下記に掲げる(1)~(5)の態様の発明を提供する。
(1) ポリエステル系繊維からなる布帛の表面に、親水性セグメントを有するフッ素系撥水剤と、親水性モノマーを重合してなる親水性ポリマーとを、含有する樹脂組成物からなる一層の被膜を含み、
前記被膜における前記フッ素系撥水剤の固形分と前記親水性ポリマーとの質量比が、(フッ素系撥水剤固形分)/(親水性ポリマー)=1/5~1/30であり、
前記被膜はトリメチロールメラミンを含有し、
JIS L 1096のF-2法にしたがって30回洗濯を行い、乾燥させた後の汚れ除去性の等級が3級以上であり、
JIS L1907滴下法による吸水性が110秒以下であることを特徴とする、防汚性布帛。
(2) 前記フッ素系撥水剤の固形分および前記親水性ポリマーの付着量の合計が、前記ポリエステル系繊維からなる布帛の質量に対して0.5~10質量%であることを特徴とする、(1)に記載の防汚性布帛。
(3) 前記親水性ポリマーが、構成単位として、2官能ビニル系モノマーを主体とするポリマーであることを特徴とする、(1)または(2)の何れか1項に記載の防汚性布帛。
(4) (1)~(3)に記載の防汚性布帛を製造する方法であって、
ポリエステル系繊維からなる布帛の表面に、親水性セグメントを有するフッ素系撥水剤、親水性モノマー、トリメチロールメラミン、および重合開始剤を含む水溶液を接触させた後に、蒸気加熱処理を行い、次いで液流染色機で高速液流処理により洗浄処理する工程を含み、
前記高速液流処理が、
布帛を滞留させる染色槽と、
前記染色槽の両端部を連結している移送管と、
前記移送管の先端に設けられ、通過している織編物に対して全方向から洗浄液を噴射するフィラメントノズルと、を有する液流染色機を用いて行われ、かつ無端ループ状に連結された布帛が、前記染色槽の出口部から移送管に移動し、前記移送管内を洗浄液と共に移送され、再び前記染色槽染色槽に戻るように循環させて行われることを特徴とする防汚性布帛の製造方法。
(5) 前記水溶液中の前記フッ素系撥水剤の固形分と前記親水性モノマーとの質量比が、(フッ素系撥水剤固形分)/(親水性モノマー)=1/5~1/30であることを特徴とする、(4)に記載の防汚性布帛の製造方法。
本発明の防汚性布帛は、ポリエステル系繊維からなる布帛(本明細書においては、「ポリエステル系繊維布帛」と称する場合がある)の表面に、親水性セグメントを有するフッ素系撥水剤および親水性ポリマーを含有する被膜を含むものである。被膜中の親水性ポリマーはポリエステル系繊維表面において親水性モノマーを重合してなる。このような構成を有することにより、本発明の防汚性布帛は、洗濯耐久性に優れた防汚性を満足するものとなる。
本発明の製造方法は、ポリエステル系繊維からなる布帛の表面に、親水性セグメントを有するフッ素系撥水剤および親水性モノマーを含有と重合開始剤を含む水溶液を接触させた後、蒸気加熱処理を行い、次いで液流染色機で洗浄処理をほどこすものである。
以下の実施例及び比較例における測定及び評価は下記の方法に従って行った。
1.試料
測定に供すべき試料として、JIS L 1096のF-2法に従って、30回洗濯をしたもの(以下、「30回洗濯後」と称する場合がある)と、当該洗濯前のもの(以下、「加工上がり」と称する場合がある)との2種を用意した。これら2種類の試料について、評価を行った。
2-1.口紅に対する汚れ除去性
10cm×10cmの試料を採取した。そして、ポリエチレン製のフィルム表面上に直径1.5cmの円を描き、当該円の中を、口紅(カネボウ化粧品社製)0.03gを均一に塗布した。そして、口紅を塗布したフィルム表面に、試料の上にゴムブロック(直径24mm、質量26.4g)を置き、指で7kgの圧力で10秒間押し当てた。その後、JIS L 0217の103法にしたがって洗濯を1回行い、乾燥させた後、汚れの程度を汚染用グレースケールにて判定した。
3級以上であるものを実使用に耐えうるものであると判断した。
縦5cm×横5cmの試料を採取した。そして、マイクロピペッターで食品用油を0.4μL量り取り、試料の中心に付着させ、24時間放置した。その後、JIS L 0217の103法にしたがって洗濯を1回行い、乾燥させた後、汚れの程度を汚染用グレースケールにて判定した。
3級以上であるものを実使用に耐えうるものであると判断した。
縦9cm×横9cmの試料を採取した。また、グリースの質量に対して5質量%の関東ローム層を練り込み汚染源を作成した。そして、汚染源を0.1g試料に測りとったのち指の腹でサンプルの上に塗り広げる。2時間放置後、家庭洗濯103法(浴比1:100)で洗濯を1回行い、乾燥させたのち、汚れの程度を汚染用グレースケールにて判定した。
3級以上であるものを実使用に耐えうるものであると判断した。
縦20cm×横20cmの試験片を採取した。試験片に、JIS L-1907:2010の「7.1.1 滴下法」に規定されている方法により測定した。
実施例および比較例にて得られた布帛について、以下の式に従って、フッ素系撥水剤の固形分および親水性ポリマーの付着量の付着率(%)を求めた。
付着率(%)={(W1-W0)/W0}×100
W0:水溶液による処理前の布帛の単位面積当たりの質量
W1:水溶液による処理および高速液流処理を行って得られた布帛の単位面積当たりの質量
経糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸(167dtex/48f)を用い、緯糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸(334dtex/96f)を用いて、綾織物(経糸密度:128本/2.54cm、緯糸密度:58本/2.54cm、目付:200g/cm2)を製織した。この綾織物に対して通常の方法で精練し、テンター(株式会社市金工業社製)にて190℃で30秒間プレセットを行った。次いで、液流染色機(「サーキュラーMF」、株式会社日阪製作所製)を用いて、下記染色処方で、温度130℃、時間30分の条件で染色し、目付180g/m2の白色の綾織物を得た。
<染色処方>
・蛍光染料 1%o.m.f
・酢酸(48%) 0.2cc/l
・水 残部
なお、蛍光染料は、「Hakkol STR」(昭和化学工業株式会社製)を使用した。
Claims (5)
- ポリエステル系繊維からなる布帛の表面に、親水性セグメントを有するフッ素系撥水剤と、親水性モノマーを重合してなる親水性ポリマーとを、含有する樹脂組成物からなる一層の被膜を含み、
前記被膜における前記フッ素系撥水剤の固形分と前記親水性ポリマーとの質量比が、(フッ素系撥水剤固形分)/(親水性ポリマー)=1/5~1/30であり、
前記被膜はトリメチロールメラミンを含有し、
JIS L 1096のF-2法にしたがって30回洗濯を行い、乾燥させた後の汚れ除去性の等級が3級以上であり、
JIS L1907滴下法による吸水性が110秒以下であることを特徴とする、防汚性布帛。 - 前記フッ素系撥水剤の固形分および前記親水性ポリマーの付着量の合計が、前記ポリエステル系繊維からなる布帛の質量に対して0.5~10質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の防汚性布帛。
- 前記親水性ポリマーが、構成単位として、2官能ビニル系モノマーを主体とするポリマーであることを特徴とする、請求項1または2の何れか1項に記載の防汚性布帛。
- 請求項1~3に記載の防汚性布帛を製造する方法であって、
ポリエステル系繊維からなる布帛の表面に、親水性セグメントを有するフッ素系撥水剤、親水性モノマー、トリメチロールメラミン、および重合開始剤を含む水溶液を接触させた後に、蒸気加熱処理を行い、次いで液流染色機で高速液流処理により洗浄処理する工程を含み、
前記高速液流処理が、
布帛を滞留させる染色槽と、
前記染色槽の両端部を連結している移送管と、
前記移送管の先端に設けられ、通過している織編物に対して全方向から洗浄液を噴射するフィラメントノズルと、を有する液流染色機を用いて行われ、かつ無端ループ状に連結された布帛が、前記染色槽の出口部から移送管に移動し、前記移送管内を洗浄液と共に移送され、再び前記染色槽染色槽に戻るように循環させて行われることを特徴とする防汚性布帛の製造方法。 - 前記水溶液中の前記フッ素系撥水剤の固形分と前記親水性モノマーとの質量比が、(フッ素系撥水剤固形分)/(親水性モノマー)=1/5~1/30であることを特徴とする、請求項4に記載の防汚性布帛の製造方法。
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