JP7299226B2 - 単色x線撮像システム及び方法 - Google Patents

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Description

単色X線源に関する。
従来の診断用X線撮影は、広いエネルギバンドにわたってX線を放射するX線発生装置を使用する。このバンドの大部分は、それらのエネルギが検査中の組織内で相互作用するには高すぎるか、又はそれらを記録するために使用されるX線検出器又はフィルムに到達するには低すぎるために、医用画像には有用でないX線を含む。検出器に到達するにはエネルギが低すぎるX線は、特に問題である。正常組織を不必要に露光し、患者が受ける放射線量を上昇させるからである。単色X線の使用は、適当なエネルギで利用可能であれば、放射線量を最小にしながら最適な診断画像を提供することが、長い間認識されてきた。かかる単色X線源は、今日まで日常的な(routine)の臨床診断には利用できていない。
単色性放射線は、特殊な設定で使用されている。しかしながら、単色放射線を発生させるための従来のシステムは、その極端なサイズ、コスト及び/又は複雑さのために、臨床的又は日常的な商業的使用には適さない。例えば、単色X線は、フィルターとして非効率的なブラッグ結晶を利用するか、又は固体の平坦なターゲットX線蛍光体を使用するシンクロトロン線源で多量に生成することができるが、これらは病院及び診療所での日常的使用には非常に大きく、実用的ではない。
単色X線は、入射電子ビームに応答して広帯域スペクトル放射を発生するターゲット(アノードとも称される)と、その後、入射した広帯域スペクトル放射に応答して、単色X線を発生する蛍光ターゲットを連続的に設けることによって生成される。用語「広帯域スペクトル放射」は、本明細書では、アノード材料の特性放出ライン(characteristic emission lines)を伴うか又は伴わない制動放射(Bremsstrahlung radiation)を説明するために使用される。簡潔には、X線蛍光を介して単色X線を生成する原理は、以下の通りである。
厚いターゲットの制動放射(Thick Target Bremsstrahlung)
X線管内では、図1に模式的に示すように、カソードと称される加熱されたフィラメントから電子が遊離され、高電圧(例えば、~50kV)によってアノードと称される金属ターゲットに向かって加速される。高エネルギ電子は、アノードの原子と相互作用する。エネルギE1を有する電子は、しばしばターゲットの核に近づき、その軌道が電磁気的相互作用によって変化する。この偏向プロセスにおいて、電子は核に向かって減速する。エネルギE2まで減速するにつれて、それはエネルギE2-E1を有するX線光子を放出する。この放射は制動放射(braking radiation)と称され、運動学が図2に示される。
放出された光子のエネルギは、入射電子の最大エネルギEmaxまでの任意の値を取ることができる。電子は破壊されないので、エネルギの全てを失うか、アノードの原子と結合するまで、複数の相互作用を受けることができる。初期の相互作用は、実際の角度及び核への近接度に応じて小さなエネルギ変化から大きなエネルギ変化まで変化する。結果として、制動放射は、図3に示すように、概ね連続したスペクトルを有する。制動放射生成の確率はZに比例し、ここでZはターゲット材料の原子番号であり、生成効率はZ及びX線管電圧に比例する。以下に詳細に説明するように、低エネルギの制動放射X線は、深い内部から逃れようとして、厚いターゲットアノードによって吸収され、強度曲線を最低エネルギにおいて屈曲させることに留意されたい。
特性ライン放出(Characteristic Line Emission)
大部分の電子は減速し、軌跡を変化させるが、ターゲット原子の核を取り巻くそれぞれの軌道や殻の中で、エネルギBEによって拘束されている電子と衝突する電子もある。図4に示すように、これらの殻は、K、L、M、Nなどによって示される。入射電子と拘束電子(the bound electron)との衝突において、入射電子のエネルギが軌道を回る電子のBEよりも大きいと、拘束電子は原子から射出される。例えば、エネルギE>BEKを有する衝突電子は、図4に示されるように、K殻電子を射出させ、K殻内に空格子点を残す。結果として生じる、励起されイオン化された原子は、外部軌道の電子が空格子点を充填するにつれて脱励起される。脱励起の間、X線は、脱励起に関与する電子の初期エネルギ準位と最終エネルギ準位の差に等しいエネルギで放出される。軌道殻のエネルギ準位は周期表の各元素に固有であるので、X線のエネルギは元素を識別する。エネルギは単一エネルギ的(monoenergetic)であり、スペクトルは広い連続帯ではなく単色(monochromatic)を呈する。ここで、単色とは、放出ラインのエネルギ幅が、関係する原子遷移に関連する自然ライン幅(the natural line width)に等しいことを意味する。銅のKαX線に対しては、自然ライン幅は、約4eVである。ZrKα、MoKα及びPtKαに対しては、それぞれ、線幅は、約5.7eV、約6.8eV及び約60eVである。アノードとしてのモリブデンターゲットを有するX線管からの完全なスペクトルは、図5に示される。モリブデンの原子エネルギ準位特有の特性放出ラインを厚いターゲットの制御照射上に重ね合わせて示した。
X線吸収及びX線蛍光(X Ray Absorption and X Ray Fluorescence)
任意の種類のX線源からのX線が試料に当たる場合、X線は原子に吸収されるか、又は材料中に散乱される。図6Aに示すように、X線が、そのエネルギの全てを最も内側の電子に伝達することによって原子に吸収されるプロセスは、光電効果と呼ばれる。これは、衝突時に遭遇する軌道電子の結合エネルギよりも、入射X線の方がエネルギが大きいときに起こる。この相互作用において、光子は存在しなくなり、そのエネルギの全てを軌道電子に与える。X線エネルギの大部分は軌道電子の結合エネルギを克服するのに必要であり、残りは電子の放出時に電子に与えられ、殻に空格子点を残す。放出された自由電子は光電子と呼ばれる。光電相互作用は、入射光子のエネルギが、それが当たる電子の結合エネルギを超えるが、比較的近いときに最も起こりやすい。
例えば、結合エネルギが23.2keVのK殻電子では、入射光子が、50keVのときよりも、25keVのときに光電相互作用が起こりやすい。これは、光電効果がX線エネルギの約3乗に反比例するからである。X線エネルギが吸収体中の電子殻(K、L、Mなど)の結合エネルギに等しいとき、この低下は急激な上昇によって中断される。空格子点の最低エネルギは、特定の殻において形成されることができ、エッジと称される。図7は、スズ(Sn)の吸収をX線エネルギの関数として示す。吸収は、縦軸上に、その質量減衰係数によって定められる。L軌道とK軌道の結合エネルギに対応する吸収エッジは、それぞれ約43.4keVと29keVの不連続なジャンプで示されている。周期表の各要素は、X線エネルギの関数として吸収を表す同様の曲線をもっている。
原子の内殻の空格子点は原子の不安定な状態を示す。原子が安定な状態に戻るように、外殻からの電子は内殻に移り、その過程で特性X線を放出する。そのエネルギは、上記の特性ライン放出の項で説明したように、対応する殻の2つの結合エネルギの差である。このX線放出の光子誘起プロセスは、X線蛍光又はXRFと呼ばれる。図6Bは、K殻からのX線蛍光を模式的に示し、図8は、アルミニウムの試料からの典型的なX線蛍光スペクトルを示す。スペクトルは、固体光子計数検出器で測定され、そのエネルギ分解能がL‐K遷移の自然ライン幅を支配する。これらの単一エネルギの放出ラインは、広帯域連続放射のバックグラウンドの頂部上には存在せず、むしろ、スペクトルは制動放射フリーであることに留意することが重要である。
いくつかの実施態様は、単色X線源であって、電子を生成するように構成された電子源と、一次ターゲットであって、電子源から電子を受け取り、一次ターゲットに衝突する電子に応答して広帯域X線放射を発生するように配置された一次ターゲットと、一次ターゲットによって放出される入射広帯域X線放射を吸収することに応答して単色X線放射を生成することができる少なくとも1つの材料層を含む二次ターゲットと、を備える単色x線源を含む。
いくつかの実施形態は、広帯域X線源とともに使用するように構成されたキャリアであって、広帯域X線源は、電子源と、一次ターゲットであって、電子源から電子を受け取り、一次ターゲットに衝突する電子に応答して広帯域X線放射を発生するように配置された一次ターゲットと、を備え、キャリアは、X線放射がキャリアを出ることを可能にする開口を有する先端部分と、基端部分と、を有し、基端部分は、広帯域X線放射の入射を吸収することに応答して、蛍光X線放射を発生できる少なくとも1つの材料層を有する二次ターゲットと、少なくとも1つの材料が適用される少なくとも1つの支持部であって、基端部分が先端部分に結合されることを可能にする協働部分を含む、前記少なくとも1つの支持部と、を有する。
いくつかの実施態様によれば、広帯域X線源とともに使用するように構成されたキャリアであって、広帯域X線源は、電子源と、一次ターゲットであって、電子源から電子を受け取り、一次ターゲットに衝突する電子に応答して広帯域X線放射を発生するように配置された一次ターゲットと、を備えるキャリアが提供される。キャリアはハウジングを有し、ハウジングは、広帯域X線供給源に着脱自在に連結されるように構成されるとともに、広帯域X線放射の入射に応答して単色X線放射を生成することができる二次ターゲットを収容するように構成されており、ハウジングは、存在する場合には、広帯域X線放射を二次ターゲットへ透過させる透過部分と、広帯域X線放射を吸収するように構成された遮断部分と、
を備える。
いくつかの実施態様は、広帯域X線源とともに使用するように構成されたキャリアであって、広帯域X線源は、電子源と、一次ターゲットであって、電子源から電子を受け取り、一次ターゲットに衝突する電子に応答して広帯域X線放射を発生するように配置された一次ターゲットと、を備え、キャリアはハウジングを有し、ハウジングは、広帯域X線放射の入射に応答して単色X線放射を生成する二次ターゲットを収容するように構成されており、ハウジングはさらに、広帯域X線源に着脱自在に連結され、その結果、ハウジングが広帯域X線供給源に連結されて二次ターゲットを収容するときに、一次ターゲットからの広帯域X線放射の少なくとも一部が二次ターゲットに入射して単色X線放射を生成するように二次ターゲットが配置されるように構成されており、ハウジングは、広帯域X線放射に対して実質的に透明な第1材料を有する第1部分と、広帯域X線放射に対して実質的に不透明な第2材料を有する第2部分と、を有する。
いくつかの実施態様は、単色X線装置であって、電子を放出するように構成された電子源と、電子源からの電子の入射に応答して広帯域X線放射を生成するように構成された一次ターゲットと、広帯域X線放射の入射に応答して、蛍光を介して単色X線放射を生成するように構成された二次ターゲットと、二次ターゲットから放出される単色X線放射を通過させるアパーチャを有する二次ターゲットのためのハウジングと、を備え、ハウジングは、一次ターゲットによって放出される広帯域X線放射のうちの少なくとも一部が二次ターゲットに入射して、その結果、単色X線装置が動作する場合、少なくとも約15度の視野にわたって0.7以上の単色性を有する単色X線放射が前記アパーチャを介して放出されるように、二次ターゲットを配置するように構成されており、いくつかの実施態様によれば、単色X線装置が動作する場合、少なくとも約15度の視野にわたって0.8以上の単色性を有する単色X線放射がアパーチャを介して放出される。いくつかの実施態様によれば、単色X線装置が動作する場合、少なくとも約15度の視野にわたって0.9以上の単色性を有する単色X線放射がアパーチャを介して放出される。いくつかの実施態様によれば、単色X線装置が動作する場合、少なくとも約15度の視野にわたって0.95以上の単色性を有する単色X線放射がアパーチャを介して放出される。
いくつかの実施態様は、単色X線装置であって、電子を放出するように構成された電子源と、電子源からの電子の入射に応答して広帯域X線放射を生成するように構成された一次ターゲットと、広帯域X線放射の入射に応答して、蛍光を介して単色X線放射を生成するように構成された二次ターゲットと、を備え、装置は、二次ターゲットの吸収エッジのエネルギの2倍より大きな、電子源と一次ターゲットとの間の電位差を用いて動作する。いくつかの実施態様によれば、X線装置は、二次ターゲットの吸収エッジのエネルギの3倍より大きい、電子源と一次ターゲットとの間の電位差を使用して動作する。いくつかの実施態様によれば、X線装置は、二次ターゲットの吸収エッジのエネルギの4倍より大きい、電子源と一次ターゲットとの間の電位差を使用して動作する。いくつかの実施態様によれば、X線装置は、二次ターゲットの吸収エッジのエネルギの5倍より大きい、電子源と一次ターゲットとの間の電位差を使用して動作する。
いくつかの実施態様は、単色X線装置であって、トロイダルカソードを有し、電子を放出するように構成された電子源と、電子源からの電子の入射に応答して広帯域X線放射を生成するように構成された一次ターゲットと、一次ターゲットに向かって電子をガイドするために、トロイダルカソードに同心状に配置された少なくとも1つのガイドと、広帯域X線放射の入射に応答して、蛍光を介して単色X線放射を生成するように構成された二次ターゲットと、いくつかの実施態様によれば、少なくとも1つのガイドは、トロイダルカソードの内側で同心状に配置される少なくとも1つの第1内側ガイドを有する。
いくつかの実施態様によれば、少なくとも1つのガイドは、トロイダルカソードの外側で同心状に配置される少なくとも1つの第1外側ガイドを備える。
開示される技術の様々な態様及び実施形態は、以下の図を参照して説明される。図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。
広帯域X線源を模式的に示す図である。 電子(核よりはるかに軽い)が核に非常に近づき、電磁気的相互作用が軌跡の偏向を生じさせ、そこで電子がエネルギを失い、X線光子が放出されるシナリオを示し、最も単純な形で制動放射を説明する図である。 典型的なX線管によって生成された制動放射スペクトルを示す図であり、ターゲットから逃れようとするより低いエネルギのX線が吸収され、低エネルギでスペクトルの特徴的なロールオーバーを引き起こすことを示す図である。 特性線放出を起こす物理現象を示す図である。 モリブデンの特性ライン放射及び厚いターゲットの制動放射を示すモリブデンアノードを有するX線管からの組み合わされたスペクトルを示す図である。 光電効果を示す図である。 K殻からのX線蛍光の原理を示す図である。 スズの吸収係数をX線エネルギの関数として示す図であり、不連続なジャンプ又はエッジは、スズ中の電子の結合エネルギのすぐ上でどのように吸収が強化されるかを示す図である。 銅のアノードを有するX線管によって生成された銅X線でアルミニウム(Al)のターゲットを照射することによって作られるX線蛍光スペクトルを示す図である。 単色X線を生成するためのX線装置を示す。 従来の単色X線装置から放射されるX線放射の軸上及び軸外X線スペクトルを示す図である。 いくつかの実施態様による単色X線装置を示す図である。 図11Aに示される単色X線装置の構成要素を拡大して示す図である。 いくつかの実施態様による、ハイブリッド材料インタフェース部分を用いる図11Aの単色X線装置の構成要素を拡大して示す図である。 単色X線装置のレセプタクルに挿入され、レセプタクルから取り外されることができるように構成される着脱可能なキャリアを示す図である。 いくつかの実施形態による、二次ターゲットキャリアを示す図である。 図13A、13B及び13Cに示される例示的キャリアを用いる単色X線装置から放出されるX線放射の軸上及び軸外X線スペクトルを示す図である。 図13A、13B及び13Cに示される例示的キャリアを用いる単色X線装置から放出されるX線放射の軸上及び軸外X線スペクトルを示す図である。 図10A乃至10B及び図14A乃至14Bに示されるX線スペクトルの視野特性を示す。 低エネルギスペクトル及び高エネルギスペクトルでの積分パワー比を視角の関数として示す図である。 単色度を視角の関数としての示す図である。 いくつかの実施形態による二次ターゲットキャリアを示す図である。 いくつかの実施形態による二次ターゲットキャリアを示す図である。 いくつかの実施形態による二次ターゲットキャリアを示す図である。 図17A、17B及び17Cに示される例示的キャリアを用いて単色X線装置から放出されるX線放射の軸軸上及び軸外のX線スペクトルを示す図である。 図17A、17B及び17Cに示される例示的キャリアを用いて単色X線装置から放出されるX線放射の軸軸上及び軸外のX線スペクトルを示す図である。 4つの例示的材料の二次ターゲットの蛍光X線スペクトルを示す図である。 2つの異なる幾何学的形状の二次ターゲットについてのX線強度を、複数の一次電圧に対する放出電流の関数として示す図である。 金の一次ターゲットから放出されるX線スペクトルを示す図である。 図17A、17B及び17Cに示されるキャリアを用いたスズの二次ターゲットに対する一次電圧の関数として、軸上及び軸外の単色性を示す図である。 図17A、17B及び17Cに示されるキャリアを用いた銀の二次ターゲットに対する一次電圧の関数として、図23は、軸上及び軸外の単色性を示す図である。 図24A及び24Bは、いくつかの実施態様による、改善された電子光学を有する単色X線源2400の断面を示す図である。 図24A及び24Bは、いくつかの実施態様による、改善された電子光学を有する単色X線源2400の断面を示す図である。 図24A及び24Bに示される単色X線源において、電子が一次ターゲットに当たる点の軌跡を示す図である。 図24A及び24Bに示される単色X線源において、電子が一次ターゲットに当たる点の軌跡を示す図である。 ハイブリッドインタフェース構成要素を含む単色X線源を示す図である。 カソードが一次ターゲットから遠ざかるように移動され、その結果、発散電子軌跡が生じ、単色性が低下する別の構成を示す図である。 本明細書に記載される単色X線源を使用して撮像実験を実施するために使用されるマンモグラフィファントムを示す図である。 図29に示されるファントムの埋め込まれたブロックの線形アレイのヒストグラムを示す図である。 市販の広帯域X線システム及びいくつかの実施形態による単色X線システムを用いた図29のファントムの画像を、対応するヒストグラムとともに示す図である。 厚い***組織をモデル化するための積層型マンモグラフィファントムを示す図である。 市販の広帯域X線システム及びいくつかの実施形態による単色X線システムを用いる図32のファントムの画像を、対応するヒストグラムとともに示す。 従来の広帯域マンモグラフィと、いくつかの実施形態による単色マンモグラフィとの対比を示す図である。 市販の広帯域X線システム及びいくつかの実施形態に係る単色X線システムを用いた微小石灰化の画像を、対応するヒストグラムとともに示す図である。 市販の広帯域X線システム及びいくつかの実施形態による単色X線システムを用いた微小石灰化の画像を、対応するヒストグラムとともに示す図である。 異なる二次ターゲット及び市販の広帯域X線システムに対するライン解像度を示す図である。 単色機器の変調伝達関数(MTF)を示す図である。 異なる露光時間及びコーンの幾何学的形状に対して、所望の信号対雑音比のために必要とされる電力要件を示す図である。 異なる露出時間及びコーンの幾何学的形状に対して、所望の信号対雑音比のために必要とされる電力要求を、市販の機械の表示とともに示す図である。 中実二次ターゲットから放出され、中実二次ターゲットによって吸収される蛍光X線を概略的に示す図である。 いくつかの実施形態による、層状の二次ターゲットを示す図だである。 X線透過及び吸収の物理学を示す図である。 複数のエネルギについての蛍光X線放出対材料厚さのプロットを示す図である。 複数のエネルギについての蛍光X線放出対材料厚さのプロットを示す図である。 対応するシミュレーション及び実験において使用される層状二次ターゲットを示す図である。 対応するシミュレーション及び実験において使用される層状二次ターゲットを示す図である。 図45Aに示される二次ターゲット及び中実二次ターゲットからのシミュレートされた蛍光X線放射を示す図である。 図45Bに示される二次ターゲット及び中実二次ターゲットからの測定された蛍光X線発光を示す図である。 いくつかの実施形態による、円錐シェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施態様による、入れ子状の円錐シェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施態様による、入れ子状の円錐シェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、入れ子状の円錐及び/又は截頭円錐シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、入れ子状の円錐及び/又は截頭円錐シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による反転及び/又は開放幾何学的形状を有する層状二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による反転及び/又は開放幾何学的形状を有する層状二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による反転及び/又は開放幾何学的形状を有する層状二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、円筒状シェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、円筒状シェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、円筒状シェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、スパイラルシェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、スパイラルシェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、スパイラルシェルの二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、開放基端端部を有する層状二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、開放基端端部を有する層状二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、開放基端端部を有する層状二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、開放基端端部を有する層状二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状開放シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状開放シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、層状開放シェル二次ターゲットを示す図である。 いくつかの実施形態による、複数の例示的な幾何学的形状からの相対的な蛍光X線出力を示す図である。 いくつかの実施形態による、層状二次ターゲットに対する支持体を例示的に示す図である。 いくつかの実施形態による、層状二次ターゲットに対する支持体を例示的に示す図である。 いくつかの実施形態による、キャリア内に配置された層状二次ターゲットを例示的に示す図である。 いくつかの実施形態による、キャリア内に配置された層状二次ターゲットを例示的に示す図である。 いくつかの実施形態による、層状二次ターゲットのためのキャリアを示す。 いくつかの実施形態による、層状二次ターゲットのためのキャリアを示す。 いくつかの実施形態による、複数の二次ターゲット形状及びカソード‐アノード電位に対する蛍光X線束対発光電流の曲線を示す図である いくつか実施形態による、複数の二次ターゲット形状のためのパワー要求量対信号対雑音比を示す図である。 いくつか実施形態による、複数の二次ターゲット形状のためのパワー要求量対信号対雑音比を示す図である。 いくつか実施形態による、複数の二次ターゲット形状のためのパワー要求量対信号対雑音比を示す図である。 いくつか実施形態による、複数の二次ターゲット形状のためのパワー要求量対信号対雑音比を示す図である。 ヨウ素の質量吸収係数曲線を示す図である。 22keVにおけるのAgK X線及びOxilan350と呼ばれるヨウ素造影剤を使用する造影剤増強イメージングの例を示す図である。
上述のように、診断画像を生成するための単色放射を生成することができる従来のX線システムは、かかるシステムの製造、動作及び維持のコストが極めて高いこと、及び/又は、システムの設置スペース(footprints)が臨床及び病院での使用には大きすぎるために、臨床及び/又は商業的使用には典型的には適さない。その結果、これらのシステムを用いた研究は、大規模で複雑かつ 高価な機器に投資している比較的少数の研究機関での研究に限定されている。
臨床現場における費用対効果の高い単色X線画像法は、多くの物理学者及び医療従事者の数十年にわたる目標であったが、日常的な診断用途のために診療所で採用できる単色X線装置の実行可能な選択肢を有さないままの病院及び診療所などの医療施設が依然として存在している。
本発明者は、比較的大きな視野(FOV)にわたって選択可能な単色X線を生成するための方法及び装置を開発した。多くの用途は、医学及び非医学分野の両方において、かかる単色X線源から利益を得ることができる。医学的用途には、***組織、心臓、前立腺、甲状腺、肺、脳、胴体及び四肢の撮像が含まれるが、これらに限定されない。非医学分野には、X線吸収、X線回折及びX線蛍光による非破壊材料分析が含まれるが、これらに限定されない。本発明者は、日常的な乳癌スクリーニングのための、二次元及び三次元X線マンモグラフィが、かかる単色源の存在から直ちに利益を得ることができることを認識している。
いくつかの実施形態によれば、異なる解剖学的特徴を最適に撮像するために、選択可能なエネルギ(例えば、100kevまで)が提供される。いくつかの実施形態は、比較的短い露光時間を可能にする強度を有する単色X線を提供することを容易にし、イメージングを受ける患者に与える放射線量を減少させる。いくつかの実施形態によれば、単色X線が放射される比較的小さなコンパクト領域を使用して、比較的高いレベルの強度を維持することができ、これにより、高品質の撮像に適した空間分解能でのX線撮像(例えば、***撮像)が容易になる。比較的小さなコンパクト領域から比較的高強度の単色X線を発生させる能力は、比較的高空間分解能での短時間の低線量撮像を容易にし、これは、他の複数の利点のうちでとりわけ、(例えば、いくつかの実施形態によれば、放射線量レベルを規制当局によって設定された 制限以下に依然として維持しながら、厚い***組織における癌性病変を検出することの困難性を克服することによって、)従来のX線撮像システムの1つ以上の問題に対処する。
従来のマンモグラフィシステムでは、大きい(厚い)かつ高密度の***は、より小さい通常密度の***組織と同程度の信頼性で検査することは不可能ではないにしても困難である。このことは、乳癌発生率が6倍高い女性集団である、大きい及び/又は高密度の***を有する女性(人口の30~50%)に対するマンモグラフィの価値を著しく制限している。検出感度は、高密度の***を有する女性では85%から64%に低下し、極めて高密度の***を有する女性では45%に低下する。さらに、従来のX線撮像システム(すなわち、広帯域X線撮像システム)を使用すると、不満足なレベルで偽陽性及び不必要な生検が発生する。本明細書に記載される技術は、慢性的に診断未確定であり、過剰スクリーニングされ、かつ、乳癌のリスクが最も高い、大きい及び/又は高密度の***を有する女性に対してより良い診断ソリューションを提供することができる単色X線撮像を容易にする。いくつかの実施形態に関連する利点は、厚い及び/又は高密度の***に対して特定の利点を有するが、単色X線撮像のために本明細書で提供される技術は、任意のサイズ及び密度の***のスクリーニングに対する利点を提供するとともに、他の臨床診断用途に対する利点を提供することも認識されるべきである。例えば、本明細書に記載される技術は、現在臨床環境で展開されている従来のX線撮像システムよりも、全ての患者に対する患者放射線照射量(patient radiation dose)を組織密度に依存して1/6~1/26に低減することを容易にし、患者の生涯放射線被曝を大幅に低減しつつ、年次検査及び反復検査を可能にする。さらに、いくつかの実施形態によれば、スクリーニングは、特定の状況において、***の痛みを伴う圧迫なしに実施され得る。さらに、本明細書に記載の技術は、現在臨床マンモグラフィに使用されている広帯域X線システムの現在のコスト制約内に維持される、比較的低コストの単色X線システムの製造を容易にする。
単色X線撮像は、低減された線量での組織異常の検出をさらに強化するために、承認済みの造影剤を用いて実施することができる。本明細書に記載される技術は、同様に低線量での三次元3Dトモシンセシスとともに使用され得る。本明細書に記載の技術を用いる単色放射線は、例えば、2017年11月28日に出願され、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/825787号に記載された、「X線放射を用いた化学組成に関する情報を特定するための方法及び装置」というタイトルの化学分析技術を改良するために、その場化学分析(例えば、腫瘍の化学組成のその場分析)を実施するためにも使用することができる。
従来の単色X線源は、医用撮像以外の目的のために以前から開発されており、その結果、一般に臨床目的には適さない。特に、単色性、強度、空間分解能、及び/又はパワーレベルは、医用撮像の目的のためには不十分であり得る。本発明者は、***及び他の組織の撮像のような臨床目的を含む、多数の用途に適した単色X線を生成するための技術を開発した。その態様を以下にさらに詳細に説明する。本発明者は、従来の単色X線源が、放出された単色X線に加えて、かなりの量の広帯域X線を放出することを認識した。その結果、かかる単色X線源から放出されるX線は、X線源から放射されてX線スペクトルを汚染する、かなりの量の広帯域放射線のため、単色性が乏しい。
本発明者は、軸上及び軸外の両方において、比較的広い視野にわたって高い単色度(例えば、以下でさらに詳細に述べられるように、広帯域放射に対する単色X線放射の比によって測定される)を有するX線放射を生成するための技術を開発した。本明細書に記載される技術は、広帯域X線放射による汚染を著しく増加させることなく(すなわち、単色性を実質的に減少させることなく)、 広帯域X線源の出力を増加させる能力を可能にする。その結果、より高強度の単色X線が、高い単色度を維持しつつ、増加した出力レベルを用いて生成されることができる。
発明者は、画質を劣化させるか又はパワーレベルを上昇させることのなく、単色のX線強度を著しく増加させ、減少した露光時間を可能にする、二次ターゲット(すなわち、入射広帯域X線放射に応答して単色放射を放出するように調整される蛍光ターゲット)のための幾何学的形状をさらに開発した。いくつかの実施例によれば、従来行われているような中実二次ターゲットを使用する代わりに、二次ターゲット材料の1つ以上の層を使用して構成される。
いくつかの実施形態によれば、マンモグラフィのための?秒未満の露光時間、いくつかの実施形態によれば、10秒未満の露光時間、及び、いくつかの実施形態によれば、20秒未満の露光時間を可能にする特性(例えば、単色性、強度など)を有する単色X線放射を生成することができる単色X線装置が提供される。
いくつかの実施形態によれば、診断に適した空間分解能(例えば、100ミクロン以上の空間分解能)で画像を生成するために、単一の露光においてターゲット臓器(例えば、***)を撮像するのに十分な視野にわたって高い単色度(例えば、90%以上の純度)を有する単色X線を放射する単色X線装置が提供される。
以下に、単色X線システム及びそれに関する技術に関連する様々な概念及び実施形態のより詳細な説明を示す。本明細書に記載される実施形態は、多数の方法のいずれかで実施可能であることを理解されたい。具体的な実装の例は、例示的な目的のためにのみ、以下に提供される。本明細書に記載される技術の態様がこの点に関して限定されないので、実施形態及び提供される特徴/能力は、個別に、全て合わせて、又は2つ以上の任意の組み合わせで、使用され得ることを 理解されたい。
図9は、X線蛍光を介して単色X線を生成するための従来のX線装置の二次元(2D)概略切断を示す。図9に示されるX線装置は、「基本的に単色のX線を生成するための放射線源」と題する、米国特許第4,903,287号に図示され記載されているX線装置、及び、Marfeld, et al., Proc. SPIE Vol. 4502, p. 117-125, Advances in Laboratory-based X-ray Sources and Optics II, Ali M. Khounsayr; Carolyn A. MacDonald; Edsに図示され記載されている単色X線源の幾何学的形状に類似する。図9を参照すると、X線装置900は、カソードとして動作するトロイダル状フィラメント905と、広帯域X線を発生するための回路のアノードとして動作する一次ターゲット910とを含む真空管950を備える。真空管950は、ハウジング955、フロント部分965(例えば、銅フェイスプレート)及びウインドウ930(例えば、ベリリウムウインドウ)によって全体的に形成される真空シールされるエンクロージャを含む。
動作において、フィラメント905(カソード)からの電子(例えば、例示的電子907)は、カソードとアノードとの間の高電圧バイアスによって確立される電場のために、一次ターゲット910(アノード)に向かって加速される。電子が一次ターゲット910によって減速されると、広帯域X線放射915(すなわち、図3に示すような制動放射)が生成される。また、電圧が光電子を生成するのに十分大きい場合には、アノード材料の電子衝撃によって、一次ターゲット材料に固有の特性放出ラインを生成することもできる。したがって、広帯域X線放射(又は代替的に広帯域スペクトル放射)は、一次ターゲットの特性放出ラインを伴うか又は伴わない制動放射を指す。一次ターゲット910から放出される広帯域放射915は、副ターゲット920を照射するために真空エンクロージャのウインドウ930を通って伝播する。ウインドウ930は、一次ターゲット910によって生成された広帯域X線放射を原則的に透過させ、かつ、不所望な制動放射を生成することを阻止するために、電子が二次ターゲット920上に入射しすることを遮断する材料(例えばベリリウム)から作製される、真空エンクロージャの透過部分を提供する。ウインドウ930は、二次ターゲット920を真空エンクロージャの外側に収容するようにカップ状であてもよく、X線管950の真空シールを破ることなく、二次ターゲットを取り除き、置き換えることができる。
一次ターゲット910からの入射広帯域X線放射に応答して、二次ターゲット920は、蛍光を介して二次ターゲット中の(複数の)元素に特有の単色X線放射925を生成する。二次ターゲット920は、円錐形状であり、以下でさらに詳述するように、所望のエネルギで蛍光単色X線を発生するように選択される材料から作製される。広帯域X線放射915及び単色X線放射925は、蛍光を介して単色X線放射を生成するために、一次ターゲット及び二次ターゲットを使用する基本原理を示すために、図9に模式的に示されている。広帯域及び単色X線放射は、一次ターゲット及び二次ターゲットによって、それぞれ4π方向に放射されることが認識されるべきである。したがって、X線放射は、X線管950の開口の中心を通る長手軸に対応する軸955に対して異なる角度θでX線管950から放出される。
上述したように、本発明者は、単色X線を発生させるための従来のX線装置(本明細書では単色X線源とも称される)が、かなりの量(significant amounts)の広帯域X線を放射することを認識している。すなわち、従来の単色X線源は、単色X線を生成する能力を報告しているが、実際には、これらの従来の装置によって放出されるX線の単色性(monochromaticity)は低い(すなわち、従来の単色源は、低い単色度(degrees of monochromaticity)を示す)。例えば、Marfeldに記載された従来の単色源は、165kVで作動するタングステン(W)の二次ターゲットを有する線源を用い、約50%の純度の単色X線を放出する(すなわち、X線放出は、約50%広帯域X線放射である)。別の例として、図9に示す一般的な幾何学形状の従来の単色X線源は、-50kVの負電圧のカソードと、接地電位の金製一次ターゲット(Au;Z=79)及びスズ製二次ターゲット(Sn;Z=50)と、で動作し、図10A(軸上)及び図10B(軸外)に示すX線スペクトルを放射する。上述のように、X線放射は、X線管の長手軸(図9に示される軸955)に対して異なる角度θでX線管から放出される。
軸上のスペクトル及び軸外スペクトルは単色線源の有効性に役割を果たすので、軸内及び軸外X線スペクトルの両方が示されている。特に、視角θの関数としてのX線放射の単色性の変化は、結果として得られる画像に不均一性をもたらす。加えて、医療用撮像の用途では、軸外角度でのX線スペクトルの単色性の減少(すなわち、広帯域X線の相対量の増加)は、患者に照射される線量を増加させる。したがって、軸上スペクトル及び軸外スペクトルの両方の単色度は、X線装置のX線放出の重要な特性であり得る。図10Aにおいて、軸上(on-axis)とは、X線管の軸周りの狭い角度範囲(約0.5度未満)をいい、軸外(off-axis)とは、X線管の軸外の約5度をいう。図10A及び10Bに示すように、従来の単色X線源から放出されるX線スペクトルは、実際には単色ではなく、かなりの量の広帯域X線放射で汚染されている。
特に、二次ターゲットの特性放出ライン(すなわち、それぞれ、図10A及び10BにおいてSn Kα及びSn Kβとしてラベリングされた、L殻及びM殻からの遷移から生じる、スズ(Sn)二次ターゲットからのK殻蛍光を介して放出される単色X線)に加えて、図10A及び10Bに示されるX線スペクトル1000a及び1000bは、かなりの量の広帯域X線放射も含む。具体的には、X線スペクトル1000a及び1000bは、一次ターゲットの特性放出ラインにおける顕著なピーク(すなわち、図10A及び10BにおいてAu Kα及びAu Kβとしてラベリングされた、金の一次ターゲットのK殻放出に相応するエネルギにおけるX線放射)、及びかなりの量の制動放射バックグラウンドを含む。図10A及び10Bの矢印1003によって示されるように、SnKαピークは、軸上方向では、制動放射バックグラウンドよりも(約)8.7倍だけ大きく、軸外方向では、制動放射バックグラウンドよりも約7倍だけ大きい。したがって、この従来の単色X線源は、以下に定量化されるように、軸上及び軸外の両方において、著しく低い単色性を示すX線を放出することは、調査のみからも明らかである。
単色性は、広帯域X線放射の全積分エネルギに対する、二次ターゲットの特性蛍光放出ラインにおける積分エネルギの比に基づいて計算されることができる。例えば、ここではPlowと称される、低エネルギ広帯域X線放射の積分エネルギ(例えば、図10A及び10Bにおいて概して矢印1001により示されるSnKαピークより下のX線スペクトルの積分エネルギ)、及び、ここではPhigと称される、高エネルギ広帯域X線放射の積分エネルギ(例えば、図10A及び10Bにおいて概して矢印1002により示されるSnKβピークより上のX線スペクトルの積分エネルギ)が計算されることができる。Plow及びPhighに対する、特性K殻放出ラインの積分エネルギ(ここでは、Pkと称し、これは、図10A及び10BにおけるSn Kα放出及びSn Kβ放出の積分エネルギに相応する)の比は、X線源によっ て放出される単色X線の量に対する広帯域X線の量の尺度(a measure)を提供する。図10Aの例では、比Pk/Plowは0.69であり、比Pk/Phighは1.7である。図10Bの例では、比Pk/Plowは0.9であり、比Pk/Phighは2.4である。Plow及びPhighの比が増加すると、線源のスペクトル出力が単色である度合いが増加する。ここで用いられるように、X線スペクトルの単色性Mは、M=1/(1+1/a+1/b)として計算される。但し、a=Pk/Plow、b=Pk/Phighである。従来のX線装置によって生成される図10Aの軸上X線スペクトルについては、M=0.33であり、従来のX線装置によって生成される図10Bの軸外X線スペクトルについては、M=0.4である。したがって、X線スペクトルのエネルギの大部分は、広帯域X線放射線であって、単色X線放射線ではない。
本発明者は、著しく高い単色性を有するX線放射の生成を容易にする技術を開発し、それにより、X線装置からのX線放射の特性を改善し、改善されたX線撮像を容易にする。図11Aは、本発明者が開発した技術を組み込んだX線装置1100を示し、図11Bは、いくつかの実施形態に従った、X線装置1100のコンポーネントの視点でズームされたものを示す。X線装置1100は、X線装置の電子光学系1105及び一次ターゲット1110のための真空封止されたエンクロージャを提供する真空管1150を含む。真空シールされたエンクロージャは、実質的にハウジング1160(前方部分1165を含む)及びインタフェース又はウインドウ部分1130によって形成される。フェイスプレート1175は、フロント部分1165の外面を形成するように設けられてもよい。フェイスプレート1175は、概して広帯域X線放射に対して不透明な材料、例えば、少なくとも一部の広帯域X線放射がX線装置1100から放射されるのを防止する、鉛、タングステン、厚肉ステンレス鋼、タンタル、レニウムなどの高Z材料から構成されてもよい。
インタフェース部分1130は、一次ターゲット1110からの広帯域X線放射が真空エンクロージャの外側に通過して二次ターゲット1120を照射することができるように、概してX線透過性の材料(例えば、ベリリウム)から構成されてもよい。このようにして、インタフェース部1130は、真空エンクロージャの内側と外側との間に「ウインドウ」を提供し、これを通して広帯域X線は透過することができ、したがって、本明細書では、ウインドウ又はウインドウ部分1130とも称される。ウインドウ部分1130は、真空エンクロージャの内側に面する内面表と、真空管1150の真空エンクロージャの外側に面する外表面(例えば、図12に示す内部表面1232と外表面1234)とを含んでもよい。ウインドウ部分1130は、二次ターゲット(例えば、二次ターゲット1120)が、一次ターゲット1110から放出される少なくともいくつか の広帯域X線放射が二次ターゲットに衝突する位置において、真空エンクロージャの外側に位置するように、二次ターゲットキャリア1140を保持するように構成されたレセプタクル(図12の符号を付されたレセプタクル1235参照)を形成するように成形されてもよい。
いくつかの実施態様によれば、キャリア1140は、着脱可能(removable)である。着脱可能なキャリア1140を利用することによって、以下でさらに詳細に説明するように、真空シールを破る必要なく、異なる二次ターゲットがX線システム1100で使用されることができる。しかしながら、いくつかの実施態様によれば、キャリア1140は、取り外すことができない。
本発明者は、透過部分と遮断部分とを含むハイブリッドインタフェース部分を設けることにより、X線装置から放出される広帯域X線放射の量をさらに低減させることができることを認識した。例えば、図11Cは、いくつかの実施形態による、透過部分1130a(例えば、ベリリウム部分)及び遮断部分1130b(例えば、タングステン部分)を含むインタフェース部分1130’を示す。したがって、いくつかの実施形態によれば、インタフェース部分1130’は、図11Cの破線より下の第1材料を含んでもよく、かつ、破線より上の第1材料とは異なる第2材料を含んでもよい。この態様は任意の特定の材料とともに使用するために限定されないので、透過部分1130a及び遮断部分1130bは、意図される透過及び吸収機能を十分に果たすのに適した、任意のそれぞれの材料を含んでもよい。
いくつかの実施形態によれば、透過部分と遮断部分との間のインタフェースの位置(例えば、図11Cの破線の位置)は、キャリアがインタフェース部分によって形成されたレセプタクル内に挿入される場合の、キャリアの透過部分と遮断部分との間のインタフェースの位置にほぼ対応する。いくつかの実施形態によれば、透過部分と遮断部分との間のインタフェースの位置(例えば、図11Cの破線の位置)は、キャリアがインタフェース部分によって形成されたレセプタクル内に挿入される場合の、キャリアの透過部分と遮断部分との間のインタフェースの位置に対応しない。ハイブリッドインタフェースコンポーネントは図28Aにも示されており、以下でさらに詳細に説明する。
図11A及び11Bに示される実施形態では、二次ターゲット1120は、円錐形状を有し、広帯域X線の入射に応答して所望のエネルギでX線を蛍光を発する材料で作製される。二次ターゲットは、スズ(Sn)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、若しくは任意の他の適切な材料又は材料の組合せを含むが、これらに限定されない、任意の適切な材料で作製され得る。図19は、上に列挙した4つの例示的な材料の二次ターゲットコーンを照射することによって得られるX線スペクトルを示す。以下にさらに詳細に説明するように、良好な空間分解能を提供するために、二次ターゲット1120は、小さなコンパクト領域を提供し、そこから蛍光を介して単色X線を放射することができる。
本発明者は、着脱可能なキャリア1140が、真空管1150から放射されるX線放射の特性を改善するように(例えば、X線放射放射の単色性を改善するように)設計され得ることを認識している。単色性を改善する技術はまた、以下でさらに詳細に述べられるように、高強度単色X線を生成する能力を促進する。図11A及び11Bに示される実施形態では、取り外し可能なキャリア1140は、一般にX線放射に透過性である材料を含む透過部分1142を有し、これにより、ウインドウ部分1130を通過する、一次ターゲット1110によって放射される広帯域X線放射の少なくとも一部は、透過部分1142をも通過して、二次ターゲット1120を照射する。透過部分1142は、二次ターゲット1120を収容するように構成された筒状部分(a cylindrical portion)1142aを含んでもよく、異なる材料の二次ターゲットがそれぞれの材料の単色X線を生成するために用いられることができるように、二次ターゲットを除去及び配置できるように構成されてもよいが、態様は、二次ターゲットを交換(例えば、除去及び配置)できるキャリアとの使用に制限されない。透過部分1142に好適な例示的材料は、アルミニウム、炭素、カーボンファイバ、ホウ素、窒化ホウ素、酸化ベリリウム、シリコン、窒化シリコンなどを含むが、これらに限定されない。
キャリア1140は、X線放射線に対して概ね不透明な材料(すなわち、入射X線放射線を実質的に吸収する材料)を含む遮断部分1144をさらに有する。遮断部分1144は、二次ターゲットによって変換されない及び/又は二次ターゲットに入射しない、ウインドウ1130を通過する、少なくとも一部の広帯域X線を吸収するように構成される、及び/又は、さもなければ真空エンクロージャから逃れ得る、広帯域X線の少なくとも一部を吸収するように構成される。従来のX線源(例えば、図9に示す従来のX線装置900)では、装置からかなりの量の広帯域X線が放射されることができ、二次ターゲットによって放射される蛍光X線放射線を損ない、放射されるX線放射の単色性を実質的に低下させる。図11A、図11B、図12、図13A~図13C及び図17A~図17Cに示す実施形態では、透過部分及び遮断部分は、二次ターゲットを収容するように構成されたハウジングを形成する。
いくつかの実施態様によれば、遮断部分1144は、筒状部分1144a及び環状部分1144bを含む。筒状部分1144aは、上述のように、少なくとも一部の広帯域X線を吸収しつつ、一次ターゲット1110からの入射広帯域X線放射に応答して、二次ターゲット1120によって蛍光放出されるX線放射を透過させることを可能にする。環状部分1144bは、さもなければX線装置1100によって放射されるであろう付加的な広帯域X線放射を吸収するために表面積を増大させる部分を提供する。図11A及び11Bに示される実施形態では、環状部分1144bは、可能な限りまで吸収される広帯域X線の量を概して最大化するために、X線管のフロント部分の凹部内にぴったりと嵌合するように構成される。環状部分1144bは、後述の図13B及び17Bにも示されるように、二次ターゲット1120から蛍光放出された単色X線がX線装置1100から放出されることを可能にするために、筒状部分1144b及び1142aを通る開口に対応する開口部分1144cを含む。遮断部分1144に好適な例示的材料は、鉛、タングステン、タンタル、レニウム、白金、金などを含むが、これらに限定されない。
図11A及び11Bに示される実施形態では、キャリア1140は、二次ターゲットの一部が遮断部分1144内に収容されるように構成される。具体的には、図11A及び11Bに示される実施形態に示されるように、円錐形の二次ターゲット1120の先端は、二次ターゲットがキャリア1140の透過部分1142に挿入されると、筒状部分1144b内に延在する。本発明者は、以下でさらに述べるように、遮断部分1144内に収容される二次ターゲットの部分を有することにより、X線装置から放出される単色X線放射の特性が改善されることを認めた。しかしながら、いくつかの実施形態によれば、二次ターゲットキャリアは、二次ターゲットの部分がキャリアの遮断部分に収容されないように構成されてもよく、その例は、以下にさらに詳細に説明される図13A~図13Cに示される。キャリア1140の両方の構成(例えば、二次ターゲットキャリアの遮断オーバーラップを有する場合と有さない場合)は、以下でさらに詳細に説明するように、放出されるX線放射の特性を著しく改善する(例えば単色性を改善する)。
図12に示されるように、キャリア1240(図11A及び11Bに示されるキャリア1140と類似又は同一であってもよい)は、着脱可能に構成される。例えば、キャリア1240は、例えば、概して矢印1205で示される方向において、それぞれキャリアを挿入及び除去することによって、インタフェースコンポーネント1230(例えば、透過ウインドウを含むインタフェース)によって形成されるレセプタクル1235内に着脱可能に挿入されてもよい。すなわち、いくつかの実施形態によれば、キャリア1240は、(例えば、着脱可能なキャリア1240をレセプタクル1235に挿入すること、及び/又は、レセプタクル1235から除去することによって)X線装置内に挿入され、X線装置から除去され得る別個のコンポーネントとして構成される。
図12に示すように、キャリア1240は、X線装置に挿入されるように構成された近位端1245と、そこから単色X線がキャリア1240の中心を通って開口1244dを介して放出される遠位端1247とを有する。図12に示される実施形態では、筒状遮断部1244aは、筒状透過部1242aに隣接して、筒状透過部1242aから遠位に配置される。環状遮断部分1244bは、遮断部分1244aに隣接して、遮断部分1244aから遠位に配置される。図示されるように、環状遮断部分1244bは、筒状遮断部分1244a(及び、2つの筒状部分がほぼ同じ直径を有する実施形態では、筒状透過部1242a)の直径dよりも大きい直径Dを有する。近位端及び遠位端の両端からの距離は、図12では高さHとして示されている。キャリア1240の寸法は、キャリアが収容するように構成される二次ターゲットの寸法に依存してもよい。例えば、4mmベースを有する二次ターゲットを収容するように構成される例示的キャリア1240については、直径dは約4~5mm、直径Dは約13~16mm、高さHは約18~22であってもよい。別の例として、8mmベースを有する二次ターゲットを収容するように構成される例示的キャリア1240については、直径dは約8~9mm、直径Dは約18~22mm、高さHは約28~32であってもよい。態様は、特定の寸法又は寸法のセットとともに使用するために制限されないので、提供されるキャリア及び二次ターゲットの寸法は、単に例示的なものであり、任意の適切な値であり得ることが理解されるべきである。
いくつかの実施形態によれば、キャリア1240は、例えば、レセプタクル1235内の協働するネジに手でねじ込まれることができるネジをキャリア1240に設けることによって、レセプタクル1235にねじ込まれるように構成されてもよい。あるいは、キャリア1240が所定の位置に保持されることができるように、解除可能な機械的キャッチが設けられてもよく、レセプタクルから外向きに力を加えることによってキャリア1240を除去できるようにする。別の代替例として、キャリア1240とレセプタクル1235とのフィッティングの密接性は、動作中にキャリアを所定の位置に保持するのに十分であり得る。例えば、キャリア1240の側面とレセプタクル1235の壁との間の摩擦は、キャリア1240を所定位置に保持するのに十分であり得るので、追加の固定機構は必要とされない。キャリアがレセプタクル内に挿入されるときに、キャリア1240を所定の位置に保持するのに十分な任意の手段が使用されてもよいことを理解されたい。なぜなら、この態様は、この点に関して限定されないからである。
上述のように、本発明者は、改善された単色X線放出を容易にする複数のキャリア構成を開発した。図13A及び13Bは、いくつかの実施形態による、キャリア1340の三次元図及び二次元図を示す。図13Aの三次元図は、例示的構成部分に分離されたキャリア1340を示す。特に、図13Aは、遮断部分1344から分離された透過部分1342を示す。上述のように、透過部分1342は、少なくとも関連する関心対象のエネルギにおいて、概して広帯域X線を透過する材料(すなわち、アルミニウム、炭素、カーボンファイバ、ホウ素、窒化ホウ素、酸化ベリリウム、シリコン、窒化シリコン等の、少なくとも関連する関心対象のエネルギにおいて実質的な吸収なしに、広帯域X線を通過させることができる材料)を含んでもよい。 他方、遮断部分1344は、少なくとも関連する関心対象のエネルギにおいて、概して広帯域X線放射線に対して不透明な材料(すなわち、、例えば、鉛、タングステン、タンタル、レニウム、白金、金等の、少なくとも関連する関心対象のエネルギにおいて、広帯域X線放射線を実質的に吸収する材料)を含んでもよい。
このようにして、一次ターゲットによって放出される広帯域X線放射の少なくとも一部は、透過部分1342を通過して二次ターゲットを照射することができ、一方、一次ターゲットによって放出される(及び/又は、X線管の他の表面から放出又は散乱される)広帯域X線放射の少なくとも一部は、遮断部分1344によって吸収され、不所望な広帯域X線放射線がX線装置から放出されるのを防止する。その結果、キャリア1340は、広帯域X線放射による汚染が低減された単色X線放射を提供することを容易にし、X線装置のX線放射の単色性を著しく改善する。図13A~図13Cに示す実施形態では、より広範囲の角度にわたって放出され、及び/又は、より広範囲の位置に由来する広帯域X線放射を吸収し、X線装置のX線放射発光の単色性を改善するために、遮断部分1344は筒状部分1344a及び筒状部分1344aよりも大きな直径を有する環状部分1344bを含む。
いくつかの実施形態によれば、透過部分1342及び遮断部分1344は、種々の技術のいずれかを使用して、互いに結合又は係合する(couple together or mate)ように構成されてもよい。例えば、図13Aの実施形態において筒状セグメントとして示される透過部分1342は、遮断部分1344の筒状部分1344aの対応する端部において係合部分1342bと係合するように構成される筒状セグメントの一端に係合部分1343aを含んでもよい。係合部1343a及び1343bは、適切に寸法設定されてもよく、例えば、透過部分1342及び遮断部分1344が、2つの部分を互いにねじ込むことによって係合することを可能にするためのネジ山を備えてもよい。あるいは、係合部分1343a及び1343bは、2つの部分を一緒に結合するように、係合部分1343aが係合部分1343bの上をスライドするように、又はその逆に寸法設定されてもよい。透過部分1342及び遮断部分1344が分離され、一緒に結合されることを可能にするために、任意の機構が使用され得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態によれば、透過部分1342及び遮断部分1344は、分離可能ではない。例えば、いくつかの実施形態によれば、キャリア1340は、遮断部分1344に固定的に結合された透過部分1342を有する単一のコンポーネントとして製造されることができ、そうすると、概して当然ながら、互いに分離可能ではない。
透過部分1342はまた、二次ターゲット1320を収容するように構成された部分1325を含んでもよい。例えば、透過部分1342の一端は、二次ターゲット1320が透過部分1342内に位置することができるように、適切に開放されてもよく、それにより、キャリア1340がX線装置に結合される(例えば、透過ウインドウなどの真空管のインタフェース部分によって形成されるレセプタクルに挿入される)場合に、二次ターゲット1320は、一次ターゲットから放出される広帯域X線の少なくとも一部が、二次ターゲット1320を照射し、選択された材料の特性エネルギにおいて、二次ターゲットが単色X線を蛍光を発するように位置決めされてもよい。このように、異なる複数の二次ターゲット1320は、単色X線のエネルギが選択可能であるように、キャリア1340内に位置決めされ、及び/又はキャリア1340によって保持され得る。いくつかの実施形態によれば、二次ターゲット1320は、二次ターゲット1320とキャリア1340との嵌合又は結合を容易にする部分1322を含んでもよい。例えば、部分1322及び1325は、キャリア1340の透過部分1342内の適所に二次ターゲットをねじ込むことを可能にする協働するネジ山を備えることができる。あるいは、部分1322及び1325は、二次ターゲットが透過部分内にぴったりと嵌合し、嵌合の密接度によって(例えば、2つの構成要素間の摩擦によって)保持されるように寸法設定されることができ、及び/又は、部分1322及び/又は部分1325は、二次ターゲットが所定の位置に保持されることを可能にする機械的フィーチャを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、別個のキャップ片が、二次ターゲットがキャリア内に挿入された後に透過部分1342上に嵌合するように含まれてもよく、及び/又は他の任意の適切な技術が、二次ターゲット1320がキャリア1340内に挿入され、キャリア1340によって十分に保持されることを可能にするために使用されてもよい。なぜなら、この態様はこの点に関して制限されないからである。
図13Bに示される実施形態では、二次ターゲット1320は、遮断部分1344とのオーバーラップ無しで、透過部分1342内に収容される。すなわち、二次ターゲット1320の最も遠い延在部(the furthest extent)(例えば、図13Bに示される実施形態における円錐形ターゲットの先端)は、遮断部の筒状部分1344a(又は遮断部分の他の部分)内に延在しない。二次ターゲット1320をキャリアの透過部分内に排他的に収容することによって、広帯域X線放射に曝露され、したがって単色X線放射を蛍光放出することができる二次ターゲット1320の体積は、概して最大化され、所与の二次ターゲット及び X線装置の動作パラメータの所与のセット(X線管のパワーレベルなど)に対して生成される単色X線放射の強度を概して最適化する機会をもたらし得る。すなわち、二次ターゲットの曝露容積(the exposed volume)を増加させることによって、単色X線強度を増加させることができる。
図13Bに示されるブロッキング部分1334の環状部分1344bの正面図は、環状部分1344bが、二次ターゲット1320から蛍光放出された単色X線がX線装置から放出されることを可能にする筒状部分1344a(及び筒状部分1342)の開口に対応する開口1344cを含むことを示す。遮断部分1344は、概して(generally)不透明な材料から作られるので、遮断部分1344は、ある閾値角度よりも大きい軸外角度で放出される二次ターゲットから蛍光放出される単色X線の一部を吸収する。この閾値角度は、二次ターゲットの容積のどこに単色X線が起因するのかに依存する。したがって、遮断部分1344は、図13A~Cの実施形態では、キャリア1340の中心を通る縦軸に対応する、X線管の軸に対する角度範囲に放出される単色X線を制限するコリメータとしても動作する。
図13Cは、X線装置内に配置された(例えば、図11A、11B、及び12に示された例示的なウインドウ部分1130及び1230等の真空管のインタフェース部分によって形成されたレセプタクル内に挿入された)キャリア1340の概略図を示す。部分1365は、従来銅等の材料で構成された真空管のフロント部分に対応する。さらに、概ね不透明な材料(例えば、鉛、タングステン、タンタル、レニウム、プラチナ、金など)で作られた、キャリア1340の開口に対応する開口を有するカバー又はフェイスプレート1375が設けられる。フェイスプレート1375は、広帯域X線のさらなる吸収を提供して、疑似(spurious)広帯域X線放射がX線装置から放出されるX線放射を汚染するのを防ぐために任意で含まれてもよい。
いくつかの実施形態によれば、例示的なキャリア1340は、単色X線発光特性を改善するために使用されてもよい。例えば、図14A及び14Bは、図13A、13B及び/又は13Cに示されるキャリア1340の使用から生じる軸上X線スペクトル1400a及び軸外X線スペクトル1400bを示す。図示のように、得られたX線スペクトルは、単色X線を生成するように構成された従来のX線装置(例えば、図9に示されている従来のX線装置900)によって生成され、図10A及び10Bに示される軸上及び軸外X線スペクトルに比べて著しく改善される。図14Aの矢印1403によって示されるように、軸上のSn Kαピークは、図10Aに示される軸上スペクトルの約8.7から増加し、制動放射バックグラウンドの約145倍大きい。図14Bの矢印1403によって示されるように、軸外Sn Kαピークは、図10Bに示す軸外スペクトルの約7.0から増加し、制動放射バックグラウンドの約36倍大きい。さらに、Plow(図14A及び14Bの矢印1401で示される、SnKαより低い低エネルギX線スペクトルの積分エネルギ)及びPhigh(矢印1402で示されるSnKβピークより上の高エネルギスペクトルの積分エネルギ)に対する、Pk(SnKα及びSnKβとしてラベルされた特性K殻放出線の積分エネルギ)の比は、それぞれ、図10Aの軸上スペクトルについての0.69及び1.7から増加して、図14Aに図示される軸上スペクトルについて、21及び62であり、。比Pk/Plow及びPk/Phighは、図10Bの軸外スペクトルについての0.9及び2.4から増加して、図14Bに示される軸外スペクトルについてそれぞれ12.9及び22である。これらの増加した比は、それぞれ、図10A及び10BのX線スペクトルについての軸上単色度0.33及び軸外単色度0.4から増加して、軸上単色度0.94(M=0.94)及び軸外単色度89(M=0.89)になる。
この単色性の顕著な改善は、より均一であり、より良好な空間分解能を有し、医用撮像用途において患者に顕著に少ないX線照射量を供給するX線画像の取得を容易にする。例えば、マンモグラフィの場合、図10A及び10Bに示されるX線放射スペクトルは、図14A及び14Bに示されるX線放射スペクトルによって供給されるよりも4倍の平均腺照射量を、通常の厚さ及び密度の***組織に供給する。図14Cは、図10A及び10Bに示されるX線スペクトルを生成するために使用される従来のX線源の視野を、図14A及び14Bに示されるX線スペクトルを生成するために使用されるX線装置の視野とともに示す。従来のX線装置の半値全幅(FWHM)は約30度であり、改良型X線装置のFWHMは約15度である。従って、視野は例示的なキャリア1340を介して縮小されるが、得られる視野は、コンパクトな線源検出器の距離(例えば、約760mm)で単一の曝露において***等の臓器を画像化するのに十分以上であり、しかも、増加した均一性及び空間分解能と、減少した放射線照射量とを有し、顕著に改善された安全なX線撮像を可能にする。図15は、視角θの関数としての低エネルギX線放射及び高エネルギX線放射の積分パワー比(Pk/Plow及びPk/PHigh)を示し、図16は、従来のX線装置(1560a、1560b及び1660)及び例示的なキャリア1340(1570a、1570b及び1670)を使用する改善されたX線装置のX線放射の単色性を示す。プロット1570a、1570b及び1670によって示されるように、単色性は視角の関数として減少する。キャリア1340を用いて、単色X線放射は、15度の視野にわたって少なくとも0.7の単色光度、及び長手軸まわりの10度の視野にわたって少なくとも0.8の単色光度を有して放出される。プロット1560a、1560b及び1660に示すように、従来のX線装置の単色光度は、全視角にわたって極めて劣っている(すなわち、全ての視野全体にわたって0.4未満)。
本発明者は、X線管から放出されるX線放射の単色性の態様に対するさらなる改善は、二次ターゲットキャリアの幾何学的形状を変更することによって改善され得ることを認めた。いくつかの実施形態によれば、単色性は、特に軸外X線放射に対して劇的に改善され得る。例えば、本発明者は、二次ターゲットの一部がキャリアの遮断部分内にあるようにキャリアを変更することによって、X線装置によって放出されるX線放射線の単色性が、特に軸外X線放射に関して改善され得ることを認識した。図17A及び17Bは、いくつかの実施形態による、キャリア1740の三次元及び二次元図を図示する。例示的なキャリア1740は、図17Aに示されるように、二次ターゲット1720を収容するための透過部分1742と、遮断部分1744(筒状部分1744a及び中央を貫通する開口1744cを有する環状部分1744bを含んでもよい)とを含む、キャリア1340に類似する部分を含んでもよい。
しかし、図17A~図17Cに示される実施形態では、キャリア1740は、二次ターゲット1720が透過部分1742内に位置決めされると、二次ターゲット1720の一部が遮断部分1744内に延在するように構成される。特に、遮断部分は、二次ターゲット1720の一部とオーバーラップするオーバーラップ部分1744dを含み、従って、二次ターゲットの少なくとも一部が遮断部分1744内に含まれる。いくつかの実施形態によれば、オーバーラップ部分1744dは、二次ターゲットの約0.5~5mmにわたって延在する。いくつかの実施形態によれば、オーバーラップ部分1744dは、二次ターゲットの約1~3mmにわたって延在する。いくつかの実施形態によれば、オーバーラップ部分1744dは、二次ターゲットの約2mmにわたって延在する。いくつかの実施態様によれば、オーバーラップ部分1744dは0.5mm未満にわたって延在し、及びいくつかの実施形態においては、オーバーラップ部分1744dは、5mmを超える範囲にわたって延在する。オーバーラップの量は、二次ターゲット、キャリア及びX線装置の寸法及び幾何学的形状に部分的に依存する。図17Cは、X線装置内に配置されたキャリア1740(例えば、真空管のインタフェースに形成されたレセプタクルに挿入されたもの)を示し、フェイスプレート1775が真空管(例えば、図11Aに示された真空管1150)のフロント部分1765上に設けられている。
いくつかの実施形態によれば、例示的なキャリア1740は、単色X線発光特性をさらに改善するために使用されてもよい。例えば、図18A及び18Bは、図17A~Cに示されるキャリア1740の使用から結果として生じる軸上X線スペクトル1800a及び軸外X線スペクトル1800bを示す。図示されるように、結果として生じるX線スペクトルは、図10A及び10Bに示される従来のX線装置で生成される軸上及び軸外のX線スペクトルと比較して著しく改善されるとともに、図13A~Cに示される例示的なキャリア1340を使用して生成されるX線スペクトルと比較して改善された特性を示す。図18Aの矢印1803によって示されるように、軸上のSn Kαピークは、図14Aの軸上スペクトルについての145及び図10Aに示される軸上スペクトルについての8.7と比較して、制動放射バックグラウンドよりも160倍大きい。図18Bの矢印1803によって示されるように、軸外のSn Kαピークは、図14Bの軸外スペクトルについての36及び図10Bに示される軸外スペクトルについての7.0と比較して、制動放射バックグラウンドよりも84倍大きい。
Plow(図18A及び18Bの矢印1801で示される、SnKαより低い低エネルギX線スペクトルの積分エネルギ)及びPhigh(矢印1802で示されるSnKβピークより上の高エネルギスペクトルの積分エネルギ)に対する、Pk(図18A及び18BにSnKα及びSnKβとしてラベルされた特性K殻放出線の積分エネルギ)の比は、図10Aの軸上スペクトルについての0.69及び1.7及び図14Aに図示される軸上スペクトルについての21及び62と比較して、それぞれ31及び68である。
比Pk /Plow及びPk /Phighは、図18Bの軸外スペクトルについてはそれぞれ29及び68であり、図14Bに示される軸外スペクトルについてはそれぞれ12.9及び22であり、図10Bの軸外スペクトルについては0.9及び2.4である。これらの増加した比は、図14AのX線スペクトルについての軸上単色度0.94(M=0.94)、図14BのX線スペクトルについての軸外単色度0.89(M=0.89)、図10A及び10BのX線スペクトルについての軸上単色度0.33及び軸外単色度0.4と比較して、それぞれ、軸上単色度0.96(M=0.96)及び軸外単色度95(M=0.95)になる。
再び図15及び16を参照すると、スターは、例示的なキャリア1640を使用して放出されるX線放射の、軸上及び軸外低エネルギ比(1580a)及び高エネルギ比(1580b)、並びに軸上及び軸外単色度(1680)をそれぞれ示す。図示されるように、X線放射は、基本的に、軸上及び軸外の5度において同一特性を示す。したがって、例示的なキャリア1740は、後に詳述するように、軸上単色度及び軸外の単色度の両方を改善するが、図17A~Cに示される例示的なキャリアの使用は、軸外単色度の実質的な増加を示し、例えば、単色強度を増加させ、空間分解能及び能力を改善するために、均一性を改善し、照射量を低減し、より高いX線管電圧の使用を可能にすることによって、単色X線を使用するX線撮像に実質的な利益を提供する。キャリア1740を用いて、単色X線放射は、15度の視野にわたって少なくとも0.9の単色光度及び長手軸まわりの10度の視野にわたって少なくとも0.95の単色光度を有して放出される。
本願明細書において記載される例示的なキャリアは、着脱可能なハウジングとして構成されてもよく、又はX線装置に一体化されてもよいことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載される例示的なキャリアの1つ以上の態様は、この態様がこの点に関して限定されないので、例えば、固定的コンポーネントとして、X線装置に一体化され、組み込まれ、又は、別様にX線装置の一部を構成することができる。
周知のように、カソード-アノード電圧(例えば、フィラメント1106と、図11A及び11Bに示される主ターゲット1100との間の電圧電位)を増加させることによって、及び/又は、フィラメント電流を増加させて、放出電流を増加させることによって、単色X線発光の強度を増加させることができるが、後者の技術は、カソードの特性に大きく依存するので、制限された制御を提供する。X線放射強度、カソード-アノード電圧、及び放出電流の間の関係が図20に示されており、これは、銀(Ag)の二次ターゲット及び750mmのソース-検出器間距離を使用して生成されたX線強度を、2つの異なる二次ターゲット形状(すなわち、直径4mmの基部を有するAg円錐及び直径8mmの基部を有するAg円錐)を使用する複数の異なるカソード-アノード電圧における放出電流についてプロットする。
従来、カソード-アノード電圧は、十分な単色X線強度を生成するために、二次ターゲットにおいてX線蛍光を誘導することができる吸収エッジ上に十分な高エネルギ広帯域X線を生成することと、所望の単色X線放射線を汚染する過剰な高エネルギ広帯域X線を生成することと、のバランスとして、二次ターゲットによって蛍光放出されるべき所望の単色X線の特性放出線のエネルギの約2倍であるように選択された。例えば、Ag二次ターゲットの場合には、図19(左下)に示される22keVのAgK単色X線を生成するために、図21に示されるように、従来は、十分な高エネルギ広帯域X線が銀のKエッジ(25keV)の上方に生成されることを確実にするために、45kVのカソード‐アノード電位(電子光学系はー45kVに設定され得る)が選択され得る。同様に、Sn二次ターゲットの場合には、図19(右下)に示される25keVのSnK単色X線を生成するために、図21に示されるように、従来は、十分な高エネルギ広帯域X線が錫のKエッジ(29keV)の上に生成されることを確実にするために、50kVのカソード‐アノード電位が選択され得る。カソード-アノード電圧のこの2つの制限は、従来、X線装置から放出される単色X線の高エネルギ汚染を制限するために用いられてきた。
本発明者は、本明細書に記載された技術により、2つの制限ファクタが除去され、広帯域X線放射汚染を顕著に増加させることなく(すなわち、単色性を実質的に減少させることなく)、単色X線強度を増加させるために高いカソード-アノード電圧が使用されることを可能にすることを認識した。特に、本発明者らが開発した例示的な二次ターゲットキャリアを含む広帯域X線放射線を遮断する技術は、優れた単色性を維持しつつ、高強度単色性放射線を生成するために使用されることができる。例えば、図22は、本発明者が開発した例示的なキャリア1740を使用するSn二次ターゲットによる、複数のカソード-アノード電圧(一次電圧)について、軸上単色度2200a及び軸外単色度2200bを示す。同様に、図23は、本発明者が開発した例示的なキャリア1740を使用するAg二次ターゲットによる、複数のカソード-アノード電圧(一次電圧)について、軸上単色度2300a及び軸外単色度2300bを示す。図示のように、図示される高電圧の範囲にわたって高い単色性が維持され、図示される範囲にわたってわずか1.5%しか変化しない。したがって、単色性に実質的に影響を及ぼすことなく、単色X線強度を(例えば、図20に示す線に沿って)増加させるために、より高い電圧を使用することができる。例えば、純度が90%を超える単色X線(M>0.9)は、最大100KeV以上(up to and exceeding 100 KeV)の一次電圧を用いて発生させることができ、単色X線強度を著しく増加させる。
いくつかの実施形態によれば、所与のターゲットから蛍光放出されるX線放射のエネルギ2倍よりも大きい一次電圧(例えば、図11A及び11Bに示されるX線管1150のフィラメント1106と一次ターゲット1110との間の電圧ポテンシャル等のカソード-アノード電圧ポテンシャル)が、単色X線放射を生成するために使用される。いくつかの実施態様によれば、所与のターゲットから蛍光放出される所望の単色X線のエネルギの約2倍以上約3倍以下の一次電圧が、単色X線を生成するために使用される。いくつかの実施態様によれば、所与のターゲットから蛍光放出される所望の単色X線のエネルギの約3倍以上約4倍以下の一次電圧が、単色X線を生成するために使用される。いくつかの実施態様によれば、所与のターゲットから蛍光放出される所望の単色X線のエネルギの約4倍以上約5倍以下の一次電圧が、単色X線を生成するために使用される。いくつかの実施態様によれば、所与のターゲットから蛍光放出される所望の単色X線のエネルギの5倍以上の一次電圧が、単色X線を生成するために使用される。いずれの場合においても、視野にわたる軸上及び軸外において、0.9以上の単色度を有するX線放射線が達成されることができるが、これらの単色度のレベルを達成することは要件ではないことを理解されたい。
本発明者は、X線管の幾何学的形状が、広帯域X線放射汚染に寄与し得ることを認識している。本発明者は、X線管の電子光学系を改善することによって、X線装置から放出される単色X線を汚染する可能性がある、生成される広帯域X線放射線の量を、さらに減少させ得ることを認識している。再び図11A及び11Bを参照すると、X線デバイス1100は、X線放射を生成するために、一次ターゲット1110に入射する電子を生成するように構成される電子光学系1105を含む。本発明者は、真空エンクロージャ内の一次ターゲット以外の表面の衝撃を低減及び/又は除去するように構成された電子光学系の幾何学的形状を開発した。また、この幾何学的形状は、従来のシステムでは追加の冷却によって除去しなければならないであろう他の表面の寄生加熱を低減及び/又は除去する。
一例として、不所望な広帯域X線が発生し、X線管から潜在的に放出されて、放出されたX線放射スペクトルの単色性を低下させることを防止するために、電子光学系1105の幾何学的形状は、ウインドウ部分1130及び/又は真空管1150内の他の表面への衝撃を低減及び/又は排除するように構成される。図11A及び11Bに示される実施形態では、電子光学系1105は、略トロイダル状であり得るフィラメント1106と、トロイダル状フィラメント1106の内側及び外側に配置されたガイド1107、1108及び/又は1109とを備える。例えば、以下に詳述するように、ガイド1107、1108、1109は、フィラメント1106の両側に壁を設けて、少なくともいくつかの電子が一次ターゲット1110以外の表面に衝突するのを防止するために、トロイダル状フィラメント1106と同心円状に配置され得る(例えば、フィラメントトーラス内に配置された内側ガイド1107と、フィラメントトーラスの周囲に配置された外側ガイド1108、1109)。
いくつかの実施形態によれば、電子光学系105は、高負電圧(例えば、40kV、50kV、60kV、70kV、80kV、90kV以上)で動作するように構成される。すなわち、フィラメント1106、内部ガイド1107、及び外部ガイド1108、1109は全て、装置の動作中に高い負電位で提供されてもよい。したがって、これらの実施形態では、フィラメント1106から放出される電子が一次ターゲット1110に向かって加速されるように、一次ターゲット1110は、接地電位で提供されてもよい。しかしながら、真空エンクロージャ内のX線管の他のコンポーネント及び表面もまた、典型的には、接地電位にある。その結果、電子は、X線管1150の他の表面、例えば、真空エンクロージャの内側と外側との間の透過インタフェース(例えば、図11a及び11bのウインドウ1130)にも向かって加速し、衝突する。従来の電子光学系を使用すると、意図しない表面へのこの衝撃は、X線装置から放出される不所望な広帯域スペクトルに寄与する広帯域X線放射線を生成し、X線管の不所望な加熱を引き起こす。本発明者は、一次ターゲット1110以外の表面のこの不所望な衝撃は、フィラメント1106によって放出される電子のためのより制限された経路を提供する内部ガイド1107及び外部ガイド1108及び/又は1109を使用して低減及び/又は除去され得ることを認めた。
いくつかの実施形態によれば、ガイド1107~1109は、筒状の形状であり、電子を一次ターゲット1110に導くフィラメント1106によって放出される電子のための制限された経路を提供するように同心状に配置され、真空エンクロージャ内の他の表面への不所望な衝撃の少なくとも一部を回避する(例えば、ウインドウ部分1130の電子衝撃を低減及び/又は排除する)。しかしながら、任意の所与の実施形態で使用されるガイドは、この観点で限定されないので、任意の好適な形状であってもよいことを理解されたい。いくつかの実施態様によれば、ガイド1107、1108及び/又は1109は、銅を含むが、導電性(好ましくは非磁性)である任意の適切な材料、例えば、ステンレス鋼、チタン等を使用することができる。任意の数のガイドが使用され得ることを理解されたい。例えば、内部ガイドを単一の外部ガイド(例えば、ガイド1108又は1109のいずれか)とともに使用することができ、カソードの内側に1つとカソードの外側に1つのペアガイドを提供することができる。別の例として、真空管の内側と外側との間のインタフェースに不所望な電子の少なくとも一部が衝突することを防止するために、単一の内部ガイドを設けることができ(例えば、図11A及び11Bのウインドウ部1130)、又は不所望な電子の少なくとも一部が真空管の他の内側表面に衝突することを防止するために、単一の外部ガイドを設けることができる。さらに、態様がこの点で制限されないので、一次ターゲットへの電子の経路を制限し、真空エンクロージャ内の表面の不所望な衝撃を低減及び/又は排除するために、3つ以上のガイドが用いられ得る。
図24A及び24Bは、いくつかの実施形態による、改善された電子光学系を有する単色X線源2400の断面を示す。図示の実施形態では、カソードとアノードとの間に80kVの電位が存在する。具体的には、タングステン・トロイダルカソード2406は、-80kVでバイアスされ、金コーティングされたタングステン一次ターゲット2410は、接地電位にある。銅の内部ガイド2407及び外部ガイド2408及び2409もまた、-80kVで提供され、カソードから放出される電子をガイドし、少なくとも一部の電子が一次ターゲット2410以外の表面に衝突するのを防止し、疑似広帯域X線放射(spurious broadband x-ray radiation)の量を減少させる。単色X線源2400は、銀の二次ターゲット2420及びベリリウムのインタフェースコンポーネント2430を使用する。図24Bは、単色X線源2400が作動されるときの、トロイダルカソードと一次ターゲットとの間の電子の軌跡を示す。図25及び26は、電子が一次ターゲット2410に衝突する点の部位を示し、電子がこの構成においてインタフェースコンポーネント2430に衝突するのガイドが防止することを表す。図27は、本明細書に記載の他の技術と組み合わせた(すなわち、本明細書に記載の例示的なキャリアを使用した)場合に、純度97%(M=0.97)の単色X線放射を生成するベリリウムの透過部分及びタングステンの遮断部分を有するハイブリッド・インタフェースコンポーネントを含む単色X線源を示す。カソードが一次ターゲットから遠ざかるように移動され、その結果、発散電子軌跡が生じ、単色性が低下する別の構成を示す図である。
本明細書に記載される単色X線源は、高い単色度を有する比較的高強度の単色X線を提供することができ、高い信号対雑音比を有する画像を得ながら、撮像を受ける患者に提供される放射線照射量を低減する比較的短い露光時間を可能にする。以下に、マンモグラフィに関連して本明細書に記載の技術を用いて得られた結果を提供する。これらの結果は、本明細書に記載される1つ以上の技術を用いて得られる顕著な改善を例示するために提供されるが、しかしながら、結果は、例として提供されるに過ぎない。というのは、態様は、マンモグラフィでの使用に限定されるものではなく、本明細書に記載されている実施形態のいずれかに関する要件を得る結果でもないからである。
図29は、本明細書に記載される技術を組み込む、本発明者によって開発された単色X線装置の性能の態様をテストするために使用されるマンモグラフィファントム(CIRSモデル011a)2900を示す。ファントム2900は、図29に示されるファントム2900の内部図によって示されるように、変化するサイズ及び異なる吸収特性を有する多数の個々のフィーチャを含む。図30は、5ブロックの線形アレイを含むファントム2900の埋め込まれたフィーチャのいくつかをハイライトし、ブロックは、各々1cmの厚さであり、各々が***組織の異なる密度をシミュレートする組成を有する。最も左側のブロックは100%の乳腺組織、最も右側は100%の脂肪性(脂肪)組織、残りの3つは70:30(腺:脂肪)から50:50、30:70までの範囲にある比での腺と脂肪の混合物を有する。5つのブロックはすべて、50:50の腺対脂肪の混合物から作られたファントム内に埋め込まれる
ファントムの総厚は4.5cmである。
図30はまた、X線ビームがファントムに入り、ブロック及びファントムを通過し、透過X線強度がグレイカウントの積分値に変換される撮像検出器へと向かう際の、一次元の撮像プロセスの概略説明を示す。(この場合の強度は、各検出器ピクセルに到達するX線エネルギの和である。各ピクセルの電子素子(The electronics)は、このエネルギの和を0から7000の間の数に変換する。7000は、電子素子が飽和する前に許容される最大のエネルギの和である。
この数は、グレイカウントと呼ばれる)。
図30のa)に赤色の水平線によって示されるデータは、50:50腺脂肪混合物のバックグラウンドを通って測定されたX線強度Bである。黒い曲線で示されたデータは、50:50混合物及び1cmブロックを通って透過するX線強度Wである。変化するステップサイズは、ブロックにおけるX線吸収の、それらの異なる組成のために異なる量を表す。図30のプロットb)は、信号SをW-Bとして定義し、図30のプロットc)は、コントラストをS/Bとして定義する。撮像システムの検出可能性を特定するために最もよく使用される性能指数は、信号対雑音比、SNRである。ここでの説明では、SNRは、S/noiseとして定義され、ここで、ノイズは、図30のプロットa)に示されるバックグラウンド強度の変動の標準偏差である。画像は、本明細書に記載の技術を用いて、22keVのX線及び25keVのX線によって生成され、本明細書に提示され、SNR値が市販の広帯域X線マンモグラフィ装置からのものと比較される。
マンモグラフィ検査における放射線被曝は、1994年に米国議会によって制定されたマンモグラフィ品質基準法(MQSA)によって厳しく規制されている。MQSAは、1つのスクリーニングマンモグラムにおける平均腺照射量(mgd)に対して3ミリグレイ(mGy)の制限を設定し、グレイはジュール/キログラムである。この3mGyの制限は、以下でさらに詳細に述べられるように、市販のマンモグラフィ装置の動作に重要な影響を及ぼす。***組織は、腺組織と脂肪性組織(脂肪)から構成されている。腺組織の密度(ρ=1.03gm/cm)は脂肪組織の密度(ρ=0.93gm/cm)とあまり変わらない。このことは、SNRを最適化するために最良の単色X線エネルギを選択することは***組織のタイプに有意に依存しないことを意味する。その代わり、最適な撮像のための単色エネルギの選択は、主に***の厚さに依存する。薄い***は、厚い***よりも減衰させるX線がより少なく、それにより、X線のより多くの部分が検出器に到達できる。これは、より高い品質の画像及びより高いSNR値をもたらす。これらの考察から、従来の市販のマンモグラフィ装置を用いたマンモグラフィ検査中に***圧迫を必要とする主な理論的根拠が得られる。
撮像実験は、図29に示されている業界標準ファントムで行った。このファントムは、厚さが4.5cmであり、典型的な圧迫下の***を表している。ファントム2900は、50:50の腺対脂肪組織混合物の均一な分布を有する。22keV及び25keVの単色エネルギで得られたCIRSファントム画像について、SNR及び平均腺照射量を以下に詳述する。また、図32に示すように、二重ファントムを用いて実験を行い、厚さ9cmの圧縮下の厚い***をシミュレートした。二重ファントムもまた、50:50の腺対脂肪組織混合物の均一な分布を有する。25keVの単色エネルギを用いて二重ファントムのSNRと平均腺照射量を示した。以下でさらに詳しく論じるように、厚い***のこのモデルで得られた高いSNRは、単色X線が、低減された圧迫によって又は全く圧迫しないで、女性を検査できることを示している。なぜなら、概して、厚さ4.5cmの圧迫***が厚さ8~9cmの非圧迫***と同等だからである。
実験は、単色測定のための平均腺照射量が、同じSNRのための市販の機械のそれより常に低いことを示した。換言すると、単色測定のSNRは、同じ平均腺照射量の場合、市販の機械のSNRより有意に高い。したがって、単色X線マンモグラフィは、従来の広帯域X線マンモグラフィ法よりも大きな発展をもたらし、すべての女性、特に、厚い又は高密度の***組織を有する女性の***病変の診断に顕著な意味をもつ。高密度の***は、腺組織の不均一な分布を特徴とし、この不均一性又は変動性は、画像にアーチファクトを導入し、病変の識別をより困難にする。以下でさらに詳細に述べるように、単色画像が提供するSNRの増大により、高密度の***に固有の組織変動が存在する場合であっても病変を容易に見ることができる。
図31は、単色AgK(22keV)及びSnK(25keV)X線を使用する本明細書に記載の単色X線源から得られたファントム2900の画像、及び、広帯域発光を使用する従来の市販のマンモグラフィ装置から得られた画像を、軟組織ブロックを通るそれぞれのヒストグラムとともに示す。市販の装置からの画像が図31の(a)に示されている。100%腺ブロックのSNRは8.4であり、平均腺照射量(mgd)は1.25mGy(1Gy=1ジュール/kgm)である。図31の画像(b)は、22keVのX線を用いた単色画像を示し、図31の画像(c)は、25keVのX線を用いて得られた。22keVで測定した100%腺ブロックに対する平均腺線量は0.2mGyであり、25keVで測定したものは0.08mGyであり、SNR値は両エネルギで8.7であった。市販の装置と同じSNRを達成するために、22keVを使用する単色システムは1/6.7より低い(6.7 times lower)照射量を供給し、25keVを使用するシステムは1/15より低い線量を供給する。
単色X線技術による照射量低減は、市販の広帯域システムよりも顕著に良好な診断検出能を提供する。なぜならば、スクリーニングのための規制照射量限度3mGyをかなり下回るままで、SNRを3~6倍のファクタで増加させることができるからである。例えば、22keV画像についてのSNR値は、市販の装置によって供給されるのと同じ線量(1.25mGy)では21.8であり、2.75mGyの照射量では32である。同様に、25keVのエネルギを用いると、SNR値は、平均腺照射量1.25mGy及び2.75mGyに対して、それぞれ34及び51である。このSNRが顕著に強調される範囲は、高密度***組織を有する女性の診断に非常に大きな利点がある。先に述べたように、かかる組織は非常に不均一であり、ファントム及び通常密度の組織を有する女性の均一な性質とは異なり、高密度***における腺分布のばらつきは、アーチファクト及び画像ノイズを導入し、それによって病変の識別をより困難にする。本明細書に記載する技術によって提供されるより高いSNRは、これらの問題を克服することができる。
ここに表示される画像を生成するために使用される本明細書に記載される技術を組み込む単色X線装置は、市販の広帯域X線マンモグラフィシステムとサイズ及び設置スペースが同等であり、初めて、95%の単色度の単色X線でマンモグラフィファントムの、低照射量、高SNR、均一な画像を生成する。実際、従来の単色X線装置は、これらのレベルの単色性にさえ近づかない。
厚い***マンモグラフィをシミュレートするために、2つのファントムを互いに重ねて配置することによって、厚い***組織のモデルを作成した(総厚9.0cm)。図32に示すように、18-220ACRマンモグラフィ認証ファントム(3200)がCIRSモデル011Aファントム(2900)の上に配置された。この一連の実験のために、CIRSファントム上に埋め込まれた複数のブロックの1cmアレイによって表される軟組織内の良好なコントラストを維持しつつ、透過を最適化するために25keVのX線が選択された。25keV単色X線の画像は、以前の実験で使用した同じ市販の広帯域マンモグラフィ装置から得た画像と比較されている。得られた画像は、軟組織ブロックを通るコントラストのヒストグラムとともに、図33に示される。
厚い***組織の画質は、現在市販されている広帯域システムで得られるものよりも優れている。市販の装置によって供給される照射量は2.75mGyであり、100%腺ブロックでは3.8のSNRしか達成しない。図33の単色画像は、0.43mGyの線量に対してSNR=7.5を有する。市販の広帯域X線システムがSNR8.5に到達するのに必要な照射量として、厚さ4.5cmのより薄い組織での検出に成功した放射線科医の認めた値は14mGyであり、通常密度の***組織の撮像に用いられる市販の照射量(1.25mGy)の11倍である。これは、スクリーニングのためには極端に高く、安全ではなく、規制されたMQSAスクリーニング制限の4.7倍である。一方、SNR=8.5を達成するために必要な単色システムからの照射量は、わずか0.54mGyであり、これは市販の機械が必要とする線量の1/26より低い。単色X線を使用する必要な照射量は安全で、規制値の1/5より低く、市販の広帯域X線マンモグラフィ装置を使用した通常の厚さ4.5cmの***に対する照射量の1/2.5より低い。単色X線と市販の広帯域X線装置を最大許容曝露量(2.75mGy)に近いところで比較すると、単色X線技術は5倍のSNRを提供する。上記の説明は、図34に概略的にまとめられている。
厚さ9cmの***ファントムでの測定は、本明細書に記載の単色技術がマンモグラフィスクリーニング中の***圧迫の除去を容易にすることを示す。4.5cmの圧迫された***は、圧迫されていない場合、9cmの厚さであり得る。市販のX線装置は、SNRを維持するのに、規制された線量限度を下回ったままで、照射量を十分高く増加させることができないので、***の厚さが増すにつれて感度が低下するが、単色X線システムは、必要なSNRを非常に容易に提供する。例えば、単色***撮影法では、***がテーブルの切り欠きを通って延在するようにデザインされた診療台の上に腹臥位になることがある。単色X線システムは、X線をテーブルの下側に平行に向けるように設計することができる。このテーブルはまた、テーブルの水平表面の下側に鉛の層を組み込むことにより、患者のための改善された放射線遮蔽を容易にする。
本発明者は、本明細書に記載された単色X線装置の幾何学的形状の空間分解能は、マンモグラフィ用途に優れていることを認識している。いくつかの実施形態によれば、単色X線システムは、760mmの線源-検出器間距離、4mmのベース直径及び8mmの高さを有する二次ターゲットコーン、及び85ミクロンの画素サイズを有するアモルファスシリコンの撮像検出器を有する。本明細書に記載される技術を使用するこの例示的な単色X線装置は、CIRS及びACRファントム中の直径100~200ミクロンの微小石灰化を容易に解像することができる。図35及び36は、この例示的な単色X線照射装置を使用して得られた画像及び関連するヒストグラムを、同じ市販の装置を使用して得られた画像と比較して示している。単色25keV X線ラインを用いて前述した二重ACR-CIRSファントム(スタックド2900及び3200ファントム)実験で測定した微小石灰化は、市販の装置のSNRよりも50%高いSNRを有し、その平均腺照射量(mgd)はこれらの画像の1/6より低い。もし、単色のSNRを市販の機械で測定されたものと同じにするならば、単色の平均腺照射量(mgd)は、さらに1/2に小さくなり、合計で1/11に低くなる。
単純な幾何学的考察は、二次コーンの有効投影スポットサイズが1~2mmであることを示している。図37は、CIRSファントムに埋め込まれたラインペア・ターゲット(line-pair targets)を介して測定された強度スキャンのヒストグラムを示す。ラインペア・ターゲットの間隔は、5ライン/mmから20ライン/mmまでの範囲である。上の4つのヒストグラムは、上で簡単に説明した4mmの二次コーンを用いた18keV、21keV、22keV、及び25keVのエネルギのスキャンが、110ミクロンの空間分解能FWHMと一致する9ライン/mmまでの交互強度構造を識別できることを示している。18keVのエネルギでも10ライン/mmで構造を識別することができる。図37の一番下のヒストグラムは、一般的に使用されている市販の広帯域マンモグラフィシステムを使用した同じラインペア・アンサンブルを介した強度スキャンである。市販のシステムの構造識別能力は、8ライン/mmを超えない。この性能は、撮像システム又はコンポーネントの空間周波数応答を表すために一般的に使用される特性である、システムの変調伝達関数(MTF)と一致する。これは、低周波数に対する所与の空間周波数におけるコントラストとして定義され、図38に示される。9ライン/mmでの0.25の値は、直接検出器システムを有する他のシステムと同等であり、フラットパネル検出器よりも優れている。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される例示的な単色システムは、連続モードで最高2000ワットで動作され、すなわち、一次アノードは水冷され、高電圧及びフィラメント電流は連続的にオンされ、タイマー制御の機械的シャッターを用いて画像が得られる。図20のX線束データは、図31及び33に示されたファントム画像とともに、異なる圧縮厚の***組織において特定の曝露時間に所望の信号対雑音を得るために必要なパワーに関するスケーリングガイドラインを提供する。Agの二次材料を用いて、図39において、4mm及び8mmのコーン状アセンブリを、4.5cmの圧縮厚及び50:50の腺脂肪混合物について比較する。上述の実験によって定義された9cmの圧縮厚(50:50の腺脂肪混合物)に対するパワー必要量は、Sn製の4mm、8mmのコーンについて図40で比較される。
結果は、4.5cmに圧縮された通常***密度のCIRSファントムに埋め込まれた100%腺ブロックの測定で得られたSNR8.5は、4mmコーン(図39上)を使用して一次側で9.5kWのパワーを消費する5秒間の曝露で達成でき、8mmコーン(図39下部)を使用する場合は、3.7kWが必要であることを示している。いずれの場合も、線源‐検出器間(S-D)は760mmである。8mmコーンを使用する場合、又は、760mmではなく471mmの線源-検出器(S-D)距離で、4mmコーンを使用できる場合には、2秒が必要な場合に、9.2kWが必要である。空間分解能依存性はS-Dに線形であるため、4mmコーンを試料に近づけると、空間分解能は1/1.6だけ低下するが、依然として760mmの距離での8mmコーンよりも良好である。一般に、空間分解能と露出時間との間にはトレードオフが存在し、2つの線源-検出器間距離での4mm又は8mmの実施形態が、用途に最適であるかどうかを決定する。このデータは、単色X線源を設計するためのガイドとして役立ち、他の様々なターゲットサイズ及び線源‐検出器間距離の可能性を除外しない。
9cmに圧縮された厚い***組織について、パワーへのSNRの依存性が図40に示されている。7秒間の曝露では、4mmのSnコーンを471mmの線源-検出器間距離で使用するか、又は8mmのコーンを760mmで使用すると、11kWで8.5のSNRが得られる。従来の市販の広帯域マンモグラフィシステムでは、この同じSNRを達成するために14mGyの照射量を供給しなければならないが、25keVの単色のシステムでは0.54mGyしか供給せず、1/26だけ低く、4.5cmに圧縮された通常密度の***組織を有する女性のスクリーニングにおいて、市販の装置によって供給される1.25mGyの従来の照射量よりも、さらに1/2.3だけ低い。
本発明者は、医用画像における用途のために、コンパクトなX線発生器において単色X線強度を最大化することの重要性を認識した。増加した強度は、より短い曝露を可能にし、モーションアーチファクトが減少し、患者の快適性が向上する。あるいは、増加した強度は、より明白でないフィーチャの検出を可能にするために、SNRを増大させるために使用されることができる。単色のフラックスを増加させる3つの基本的な方法がある:1)ターゲットの幾何学的形状を介した蛍光効率の最大化、2)定常モードでの一次側へのトータルパワー入力の増加、及び3)パルスモードでの一次側へのトータルパワー入力の増加。本発明者は、それぞれに対応する単色束を増加させる技術を開発した。
蛍光効率をターゲットの幾何学的形状を介して改善すること(二次ターゲットによって生成される蛍光X線の量を増加させること、及び/又は二次ターゲットによって吸収される蛍光X線の量を減少させることを含む)に関して、X線蛍光現象の分析において、本発明者は、従来の中実又は固体(solid)二次ターゲットが、二次ターゲットから放出される単色蛍光X線束を生成することにおける非効率性に寄与することを認識した。特に、二次ターゲット(例えば、前述の二次ターゲット)に入射する広帯域X線は、一次ターゲットから放出される制動放射スペクトル及び特性ラインによって説明される。例えば、図21は、100kVpカソード-アノード電圧のための金(Au)一次ターゲット(アノード)によって放出されるスペクトル2100を示し、それぞれ、制動放出2100c及び特性金L及びK殻放出2100a及び2100bを含む。また、図21には、それぞれ、Ag(25keV)及びSn(29keV)のK吸収エッジ2110a及び2110bも示されている。それぞれの吸収エッジエネルギから100 keVまで延在する水平矢印2115a及び2115bは、それぞれの吸収エッジより上のエネルギを有するスペクトル2100の光子を示しており、これらは、したがって、それぞれ、Ag及びSnターゲットからのX線蛍光を誘導する候補である。
前述のように、蛍光は、光子が原子に吸収され、電子が原子から放出されるときに生じる。原子の内殻の空孔は外殻の電子で満たされるので、対応する殻の2つの結合エネルギの差(すなわち、電子が離れた外殻の結合エネルギと空孔が満たされた内殻の結合エネルギの差)をエネルギとする特性蛍光X線が原子から放出される。光子が二次ターゲット材料に吸収される確率は、光子エネルギの三乗にほぼ比例して減少し、したがって、二次ターゲットにおける吸収長は、光子エネルギに比例して増加する。例えば、40keVの光子の63%は、Agの最初の60ミクロンで吸収され、一方、それぞれ60keV及び80keVの光子の63%を吸収するために170ミクロン及び360ミクロンが必要とされる。本発明者は、吸収の確率の低下及び光子エネルギの関数としての吸収長の増加のために、従来の中実二次ターゲットは、二次ターゲット自体が、二次ターゲットの内部で発生するかなりの量の蛍光X線を吸収するので、蛍光X線束を有意に減少させることを認識したる。
図41は、この原理を概略的に示す。特に、図41において、2つの例示的なX線光子4115a及び4115bは、中実二次ターゲット4120上に入射される。例えば、X線4115a及び4115bは、図9に示すX線源の一次ステージのカソードからの電子が衝突した一次ターゲットから放出され得る(例えば、カソード905から放出された電子907に応答して一次ターゲット910によって放出されたX線915)。図21に示される例示的なスペクトルを参照すると、X線4115a及び4115bは、金表面を含む一次ターゲットから放射されるものであり得、したがって、一次ターゲット材料の吸収エッジより上のエネルギを有する例示的なX線4115a及び4115b(例えば、銀の吸収エッジ2110aより上のエネルギ、錫の吸収エッジ2110bより上のエネルギ)であり得、したがって、両方とも、二次ターゲット材料の特性蛍光X線を生成する候補である。
図41に示されるように、X線光子4115aは、二次ターゲット4120の表面近傍で吸収され、吸収事象によって生成された蛍光X線4125aが、吸収される前に、二次ターゲット4120から逃れることを可能にする(例えば、X線光子4115aは、二次ターゲット材料の吸収エッジの比較的近くにあり得、したがって、表面近傍で吸収される可能性がより高い)。その結果、蛍光X線4125aは、二次ターゲットから放出され、撮像を行うために利用され得る単色X線束に寄与する。すなわち、最初の吸収事象は、二次ターゲット4120の表面近傍で生じたため、単色蛍光X線4125aは、二次ターゲット4120を出る。
一方、X線光子4115bは、吸収される前に、さらに二次ターゲット4120に浸透する(例えば、X線光子4115bは、二次ターゲット材料の吸収エッジから離れたエネルギを有し得、従って、表面近傍で吸収される可能性がより低い)。二次ターゲットの内部に吸収される結果、蛍光X線4125bは二次ターゲット4120に吸収されて、二次ターゲットから放出され、撮像のため利用可能な単色X線束に寄与することを防止する。すなわち、元の(original)吸収事象は、二次ターゲット4120の内部のより深くにおいて生じたため、単色蛍光X線4125bは、それが二次ターゲット4120を出る前に吸収される。
本発明者は、従来の中実二次ターゲットの幾何学的形状は、実際に、かなりの量の蛍光X線が二次ターゲットから出て、利用可能な単色X線束に寄与することを防止することを認め、異なる幾何学的形状は、二次ターゲットから放出されるべき単色X線束の実質的な増加を可能にすることを認識した。したがって、本発明者は、二次ターゲットによって蛍光放出された単色X線が二次ターゲットによって吸収される確率を実質的に低減し、それによって、二次ターゲットから放射され、撮像を行うために利用可能な単色X線束を増加させる二次ターゲット幾何学を開発した。
いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットの幾何学的形状は、二次ターゲットの表面又はその近傍で元の吸収事象が発生する確率を増加させる。例えば、いくつかの実施形態によれば、X線光子が二次ターゲットの表面近傍で吸収されなければならない機会の数は、増加される。別の例として、いくつかの実施形態によれば、X線光子が、二次ターゲットの表面から十分に離れた二次ターゲットの内部で吸収されなければならない機会の数は、減少され及び/又は除去される。本発明者は、上記の利点は、従来行われているような中実バルクターゲットの代わりに、1つ以上の材料層を含む二次ターゲットを使用することによって達成され得ることを認識している。層とは、本明細書では、バルク材料として提供される従来の中実ターゲットとは対照的に、塗布、堆積、又は他の方法で比較的薄いように製造することができる、例えばシート、箔、コーティング、膜又はベニヤとして提供される材料を指す。いくつかの実施形態によれば、二次ターゲットは、複数の層を含み、各層は、入射X線が二次ターゲットの表面又はその近傍で吸収される機会を提供し、そのいくつかの例は、以下でさらに詳細に議論される。
図42は、いくつかの実施形態による、二次ターゲットから放出される単色X線束を増加させるように構成された二次ターゲットの断面図を示す。図42に示される例において、二次ターゲット4220は、図41に示される中実ターゲット4120と実質的に同じ形状及びサイズであり得る。しかしながら、二次ターゲット4220は、中実ターゲット(例えば、バルク材料)として構成される代わりに、二次ターゲット材料の円錐シェル4220aとして構成される。用語「シェル」は、本明細書では、所与の幾何学的形状を形成する1つ以上の層(例えば、円錐シェル、截頭円錐シェル、円筒シェルなど)を指すために使用される。シェルは、開放又は閉鎖(open or closed)していてもよく、任意の好適な形態(例えば、箔、シート、コーティング、膜、ベニヤ又は他の材料層として)で提供されてもよく、その例を以下にさらに詳細に説明する。
例示的な二次ターゲット4220は、所望の二次ターゲット材料の箔構造であり得る。用語「箔」とは、本明細書においては、所望の幾何学的形状に従って提供され得る材料の薄層を指し、そのさらなる例を以下に説明する。(例えば、箔構造を介した)二次ターゲット4220の層状の性質の結果として、二次ターゲット4220の内部4222は、円錐シェルの層を通過するX線のための実質的に遮られない透過経路を提供する。例えば、内部4222は、空気であり得、又はX線放射に対して実質的に透過性の材料を含み得る(例えば、内部は、(複数の)二次ターゲット材料層(例えば、箔)を支持する基板を含み得、又は、以下にさらに詳細に説明するように、スパッタリング又は他のコーティング若しくは堆積技術を介するなどして、他の方法で二次ターゲット材料がその上に適用される基板であり得る)。
図41に示されるX線4115aと同様に、X線4215aは、二次ターゲット4220の表面又はその近傍で初期(元の又は第1のとも称される)吸収事象を受け、その結果、蛍光X線4225aは、吸収されることができる前(すなわち、第2の吸収事象が生じる前)に、二次ターゲットから放出される。図42に示される例示的実施形態では、X線4215aは、円錐シェル4220aの材料厚さ内で吸収される。また、図41に示されるX線4115bと同様に、X線4215bは、二次ターゲット4220の内部に浸透する。しかしながら、内部4222は、X線に対して実質的に透明な素材(例えば、空気、プラスチック、炭素繊維など)で作られるため、X線4215aは、内部を通って透過し、図41に示される従来の中実二次ターゲット4120の場合と同様に、二次ターゲットの内部の代わりに、二次ターゲット4220の別の表面(すなわち、円錐シェル4220aの反対側の材料の層)において又はその近傍で初期吸収事象を受ける。具体的には、X線4215は、円錐シェル4220aの1つの層及び内部4222を通って透過され、円錐シェル4220aの他方の側の材料層によって吸収される。二次ターゲット4220の表面において又はその近傍で生じるこの初期吸収事象の結果として、蛍光X線4225cは、この吸収事象に応答して生成され、二次ターゲット4220を出て二次ターゲットから放出される単色束に寄与する。
本発明者は、二次ターゲットの材料層の厚さが蛍光X線生成の効率に影響することを認識している。中実二次ターゲットと比較して蛍光X線束を増加させる二次ターゲット層の任意の厚さが適切であり得るが、材料層の厚さは、一般に、X線透過及び吸収の物理学を考慮することによって最適化され得る。図43は、厚さtを有する材料層に関連するX線吸収及び蛍光事象を概略的に示す。図43を参照すると、薄い材料層(例えば、箔)、を透過したX線の強度Itransmitは、以下のように表すことができる:
Figure 0007299226000001
式(1)において、Eincidentは入射X線のエネルギであり、μはエネルギEincidentでの吸収係数であり、tは二次ターゲット層の厚さであり、θは垂直方向に対する層の頂角である。材料層に吸収されるX線の量Iabsorbは、式(2)で以下のように表される:
Figure 0007299226000002
吸収されたX線は、上述のように、二次ターゲットの吸収材料の特性蛍光X線を生成する。
位置t/cos(θ)に由来し、二次ターゲットからの脱出に由来する蛍光X線の量は、式(3)及び(4)において以下のように表される:
Figure 0007299226000003
Figure 0007299226000004
式(3)及び(4)において、Fεは蛍光X線生成の効率である。したがって、材料の層の厚さ、tが、脱出する蛍光X線の強度を最大化する。これは、以下の式(5)に示すように、比Iescape/Iinciveεに正規化することができる:
Figure 0007299226000005
上記の方程式を使用して、それぞれ、図44A及び44Bにおいて示されるプロット4400a及び4400bが得られた。プロット4400a及び4400bは、銀(Ag)及びスズ(Sn)をそれぞれ二次ターゲット材料層として使用する、いくつかの例示的な入射X線光子エネルギにおける材料の厚さの関数としての蛍光X線放出(すなわち、二次ターゲット材料の層を出る蛍光X線強度)を示す。具体的には、プロット4400aは、40keV、50keV、60keV、80keV、及び100keVの例示的一次X線エネルギに対して、垂直に対して14度の頂点角度(すなわち、θ=14度)で配置されたAg材料層の厚さの関数として、蛍光X線放出を示す。同様に、プロット4400bは、同じ配置(幾何学的形状)についての蛍光X線放出であるが、代わりにSn材料の層を使用する。プロット4400a及び4400bによって示されるように、異なる一次X線エネルギにおける各曲線は、対応する材料層の最適厚さに対応するピークを示す。示されるように、各例示的エネルギにおける最適厚さは、比較的狭い範囲内にある。特に、各エネルギについての最適厚さは、Ag層については17~19ミクロン、Sn層については24~25ミクロンの範囲である。
したがって、本発明者は、二次ターゲットのためにこれらの範囲内の厚さを選択することは、広範囲の入射X線エネルギにわたって優れた蛍光X線放出特性を提供することを認めた。しかしながら、態様はは、特定の二次ターゲット材料に対する最適範囲はもちろんのこと、任意の特定の範囲内の値を選択することに限定されないので、最適範囲外の厚さを使用してもよいことが理解されるべきである。とはいえ、最適範囲内の厚さを選択することにより、より良好な蛍光X線放出特性を有する二次ターゲットを生成することができ、そのいくつかの例については、以下でさらに詳細に論じる。したがって、二次ターゲット材料の層の厚さは、材料の種類、単色X線源の動作パラメータ、及び/又は単色X線の意図される用途に基づいて選択され得る。例えば、ウランの蛍光放出対厚さの曲線は、約60ミクロンの最適厚さに対応するピークを有するが、特性曲線は、図44A及び44Bに示されるAg及びSnの特性曲線よりも広く、大幅に改善された蛍光X線発光特性を示す、より広い範囲の厚さを提供する。別の例として、モリブデンは、その放出対厚さの曲線において約13ミクロンの特徴的なピークを有する。材料の厚さの選択は、単色X線源の動作パラメータに基づき得る。例えば、放射されるより高いエネルギのX線の多くを変換するために、より高いパワーのデバイスを使用する場合には、より厚い材料層が好ましい場合がある。このように、、例示的な二次ターゲット材料層は、5ミクロン以下(例えば、ミクロン以下)から200ミクロン以上までの範囲であり得る。マンモグラフィ診断用途のための典型的な二次ターゲット材料の厚さは、一例として、約10ミクロン以下から50ミクロン以上の範囲であり得る。所望の蛍光X線放射特性を得るために、提供される材料層の数に基づいて(例えば、材料厚さを減らし、追加の層を加えることができる)、二次ターゲット材料厚さを選択することもできる。
図45Aは、図42に示される二次ターゲット4220と幾何学的に類似した例示的二次ターゲット4520を図示する。特に、二次ターゲット4520は、28度の全体包囲角(すなわち、垂直に対して14度(θ=14°)の頂角の2倍)、その基部において4ミリメートルの幅(b=4mm)、及び25ミクロン(t=25μm)の材料厚さを有するSnの円錐シェルである。二次ターゲット4520(及び図45Bの4520’)は、二次ターゲットの先端側に頂部を、ターゲットの基端側に底部を有するように配向される。「先端(distal)」及び「基端(proximal)」という用語は、本明細書では、単色源の出口開口(例えば、図45Bに示される出口開口部4544)からより近い端部又は側部、及び、より離れた端部又は側部を指す。したがって、二次ターゲットの先端側又は先端端部は、基端側又は基端端部と称される反対側よりも出口開口により近い側である。図45Aでは、二次ターゲット4520の先端端部は、矢印4247で示され、二次ターゲット4520の基端端部は、矢印4245で示される。同様に、本明細書では、「先端」及び「基端」という用語は、出口開口に向かう方向及び出口開口方離れる方向(それぞれ、矢印4247及び4245で示される方向)を指す。
図45Aに示される例示的な二次ターゲットからの蛍光X線放出は、シミュレートされ、実験的に測定され、その結果は、それぞれ、図46及び47に示される。具体的には、シミュレーションのために、X線蛍光は、以下で議論される対応する実験のために実際のX線蛍光放出を生成するために使用される単色X線源のモデルに基づいて上記の方程式を使用して計算された。さらに、蛍光X線放出を、同じ寸法の従来の中実スズ二次ターゲット(すなわち、頂角が14度、底面が4mmのスズの中実コーン)に対して同じ方法でシミュレート(すなわち、計算により特定)した。シミュレートされたSn箔の二次ターゲット(例えば、二次ターゲット4520)及び中実Snターゲットからの蛍光X線放出は、以下にさらに詳細に説明される図46に示される。
実験測定を得るために、図45Aに示される二次ターゲット4520aの近似寸法を有するSn箔を用いて、円錐シェル二次ターゲット4520’を構築した。具体的には、図45Bに示される二次ターゲット4520’によって概略的に示されるように、ベース幅約4mm、頂角約14度を有する厚さ約25ミクロンのSn箔円錐シェルが形成された。Sn箔二次ターゲットは、キャリア内に配置され、単色X線源(すなわち、本明細書に記載の例示的な単色X線源の態様によって具体化される単色X線源)に挿入される。具体的には、図45Bに概略的に示すように、Sn箔ターゲット4520’が、キャリア4540内に配置され、トロイダル状フィラメントによって形成されたカソード4506及び一次ターゲット4510(金メッキタングステン)を含む単色X線源の一次ステージとインタフェースするベリリウムウインドウ4530に挿入された。単色X線源は、0.33mAの放出電流で、カソード4506と一次ターゲット4510との間で80kVを使用することで動作させた。単色源から放出される蛍光X線をテルル化カドミウム(CdTe)光子計数検出器を用いて検出された。さらに、同じ実験を行って、4mmのベースを有する従来の中実Snターゲットを用いてX線蛍光測定を行った。上述のように、シミュレーションは、同じ物理システム(すなわち、同じ単色X線源及び検出器)のモデル、及び実際の蛍光X線放出測定値を得るために使用される動作パラメータを使用して実施され、シミュレーション結果を実際の測定値と比較した。
図46及び47は、それぞれ、上述のシミュレーション及び実際の実験によって得られた蛍光X線放出を示す。具体的には、シミュレートされた放出4625a及び4625bは、それぞれ、Sn円錐シェル二次ターゲット(すなわち、図45Aに概略的に示される二次ターゲット4520)に対するシミュレートされたKα及びKβ蛍光X線放出を示す。シミュレートされた放出4625a’及び4625b’は、それぞれSn中実コーン二次ターゲットに対するシミュレートされたKα及びKβ蛍光X線放出を示す。同様に、測定された放出4725a及び4725bは、Sn円錐シェル二次ターゲット(すなわち、図45Bに概略的に示される二次ターゲット4520’)についてそれぞれ測定された実際のKα及びKβ蛍光X線放出を示し、測定された発光4725a’及び4725b’は、Sn中実二次ターゲットについてそれぞれ測定された実際のKα及びKβ蛍光X線放出を示す。示されるように、Sn円錐シェル二次ターゲットについてのシミュレートされた蛍光X線放出及び測定された蛍光X線放出は、Sn中実円錐二次ターゲットについての対応する放出に比べて著しく増加する。特に、シミュレーションと実験結果は実質的に一致し、シミュレーションの正確さを実証した。
上述の二次ターゲットの寸法は単に例示的なものであり、所望に応じて選択されることができることを理解されたい。例えば、二次ターゲットの最大直径(例えば、二次ターゲット4220のベースの直径)は、単色X線源の要件に基づいて選択され得る。特に、二次ターゲットが大きいほど、生成可能な単色X線束が大きくなる。しかしながら、二次ターゲットが大きいほど、蛍光X線源の「スポットサイズ」が大きくなり、結果として得られる画像の空間分解能が低下する。このように、二次ターゲットのサイズの増加又は減少において、典型的にはトレードオフが存在する(すなわち、他の全ての動作パラメータが同じに保持されると、二次ターゲットが大きいほど、蛍光X線強度が大きく、二次ターゲットが小さいほど、結果として得られる空間分解能が良好である)。したがって、蛍光X線強度が最適な空間分解能よりも重要であり得る用途に対しては、より大きな二次ターゲット、例えば、最大直径が8mm、10mm、15mm又はそれ以上の二次ターゲットが好ましい。対照的に、空間分解能が最優先される用途では、より小さい二次ターゲット、例えば、最大直径が4mm、2mm、1mm又はそれ以下の二次ターゲットが好ましい。本明細書の図面に示されるように、最大直径は、(例えば、二次ターゲットの縦軸に直交する方向での)最大の二次ターゲットの幅を指す。例えば、円錐状、円筒状、又は螺旋状のシェルの最大直径は、基部が先端に向いているか基端に向いているかにかかわらず、その基部におけるシェルの直径に対応する。
いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、約10mmの以下かつ約8mm以上の最大直径を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、約8mmの以下かつ約6mm以上の最大直径を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、約6mmの以下かつ約4mm以上の最大直径を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、約4mmの以下かつ約2mm以上の最大直径を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、約2mmの以下かつ約1mm以上の最大直径を有する。他の実施形態によれば、二次ターゲットは、10mmを超える最大直径を有し、他の実施形態によれば、二次ターゲットは、1mm未満の最大直径を有する。
上記の寸法は単に例示的なものであり、態様はこの点で限定されるものではないので、より大きい又はより小さい二次ターゲットが使用され得ることが理解されるべきである。さらに、二次ターゲットのサイズは他の方法で、例えば、高さ(すなわち、長手方向軸に平行な方向の最大寸法)の基部に対するアスペクト比(例えば、高さの最大直径に対する比)を変化させることによって、変化させることができる。アスペクト比の変化は、一般に、頂角に対応する変化を有する。態様はこの点で限定されるものではないので、したがって、異なる頂角は、0度(すなわち、垂直層)から90度(すなわち、水平層)の範囲で、所望に応じて選択され得ることが理解されるべきである。
いくつかの実施態様によれば、
二次ターゲットは、1:2と1:1との間のアスペクト比(例えば上記の例示的な直径のいずれかを使用して)を有する、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、1:1と2:1との間のアスペクト比を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、2:1と3:1との間のアスペクト比を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、3:1と4:1との間のアスペクト比を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、4:1と5:1との間のアスペクト比を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、5:1と6:1との間のアスペクト比を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、6:1と7:1との間のアスペクト比を有し、いくつかの実施態様によれば、二次ターゲットは、7:1と8:1との間のアスペクト比を有する。態様はこの点で限定されるものではないので、したがって、上記のアスペクト比は例示的なものであり、他のアスペクト比が選択され得ることは、理解されるべきである。
上述のように、中実ターゲットの代わりに二次ターゲット材料の層を使用することは、上述のシミュレーション及び実験によって実証されるように、蛍光X線束を顕著に増加させることができる。しかしながら、本発明者は、二次ターゲット材料に対して最適な厚さであっても、入射X線の一部が二次ターゲットに吸収されることなく二次ターゲットを通過し、したがって、これらの透過X線から単色X線を生成する可能性が失われることを認めた。例えば、図48は、図42に示される二次ターゲット4220と類似又は同一の円錐シェル二次ターゲット4820を示す。示されるように、入射X線のいくつかは蛍光X線に変換され、多くの入射一次X線は吸収されることなく二次ターゲットを通過する。その結果、これらの透過X線から単色蛍光X線を生成する可能性が失われる(例えば、一次ターゲットから放出される入射X線4815a~fは、吸収されることなく、二次ターゲット4820を通って透過される)。
本発明者は、より多くの利用可能な入射X線(例えば、一次ターゲットから放射される広帯域X線)が、二次ターゲット材料の追加の層を含むことによって、単色蛍光X線に変換され得、それによって、X線が二次ターゲットの表面近傍で初期吸収事象を受ける追加の機会を提供することを認識している。より詳細には、本発明者は、二次ターゲット材料の複数の層を使用することは、二次ターゲットを出射するために結果として得られる蛍光X線の短い経路長を維持しながら、入射X線の全吸収確率を増加させることを認識している。この多層構造はまた、入射広帯域スペクトル(すなわち、制動放射スペクトルにおけるより高いエネルギの光子)に存在するより高いエネルギのX線のより良い利点を利用することを可能にし、このX線は、通常、得られた蛍光X線が、逃げる可能性が非常に低い中実二次ターゲット内で深く吸収される(すなわち、単色X線束に寄与するために二次ターゲットから出る)。いくつかの実施態様によれば、二次ターゲット材料の複数の入れ子状の層を使用して、二次ターゲットからの単色X線束放出を増加させる。
図49A及び49Bは、二次ターゲット材料の複数の層を提供する、入れ子状の円錐シェルを含む例示的な二次ターゲットの断面を図示し、二次ターゲット材料の表面又はその近傍で生じる吸収事象の確率を増加させる。特に、二次ターゲット4920は、外側円錐シェル4920a及び内側円錐シェル4920bを含み、両者は、図49A及び49Bに示される実施形態において、実質的にコーン形状に形成される。複数のシェルを入れ子状にすることによって、二次ターゲット材料の追加の層が、二次ターゲットに入射するX線の透過経路に配置され、入射X線が、二次ターゲット材料の複数の層のうちの1つにおいて初期吸収事象を受ける機会の数、したがって、入射X線が生じる確率を増加させる。複数の層の各々は、比較的薄い(例えば、対応する材料に対して最適な範囲内にある)ため、二次ターゲット材料の表面又はその近傍で生じる初期吸収事象の数が増加し、それによって、二次ターゲットから出る単色X線束の量が増加する。
いくつかの実施形態によれば、複数の層の各々は、上述の方法で特定されるように、最適な範囲に入る厚さ、例えば、使用されるそれぞれのタイプの材料に対して蛍光X線放出を概して最大化する厚さを有する。しかしながら、複数の層の厚さは、この点では態様が限定されないため、最適な範囲外であり得、任意の厚さであり得ることが理解されるべきである。さらに、複数の層は、同一の、実質的に同一の、又は異なる厚さを有し得る。この点に関して態様は限定されないので、例えば、図49A及び49Bに図示される実施形態において、外側円錐シェル4920a及び内側円錐シェル4920bは、同じ厚さ(又は実質的に同じ厚さ)を有するように構成され得、又は異なる厚さを有するように構成され得る。
上述のように、入れ子状の円錐シェルを使用すると、入射X線が二次ターゲットに吸収される確率が高くなる。例えば、図48と図49Aを比較すると、二次ターゲット4820を透過した広帯域X線4815a、4815c、4815d、4815e、及び4815fは、二次ターゲット4920によって、より具体的には、内側円錐シェル4920bによって吸収され、それによって、二次ターゲット4920を出る可能性を有するさらなる蛍光X線を生成する。しかしながら、本発明者は、二次ターゲット材料の層は、広帯域X線が初期吸収事象を受ける追加の機会を提供するが、追加の層は、二次ターゲットを出る前に結果として得られる蛍光X線が吸収されるさらなる機会も提供することを認識した。例えば、図49Bに示されるように、二次ターゲット4820を通って透過したが、内側の円錐シェル4920bによって吸収された広帯域X線4815d及び4815eは、二次ターゲットを出る前に、二次ターゲット4920の材料層によって吸収される蛍光X線4925d及び4925eを生成する。すなわち、図42、48、及び49に示される例示的な入れ子状の円錐シェルの先端は、概ね閉じているので、ある量の蛍光X線が吸収され、二次ターゲットから出ることが妨げられる。したがって、広帯域X線4815d及び4815eは、二次ターゲット4920の表面又はその近傍(すなわち、内側円錐シェル4920bの表面又はその近傍)で初期吸収事象を受けたが、結果として得られた蛍光単色X線4925d及び4925eは、二次ターゲット4920を出る前に、それぞれ、内側円錐シェル4920b及び外側円錐シェル4920aによって吸収された。
二次ターゲットを出射する蛍光X線束のさらなる増加を促進するために、本発明者は、二次ターゲットを出射し、単色X線束に寄与する前に、蛍光X線が二次ターゲット材料によって吸収される確率を低下させる幾何学的形状を開発した。いくつかの実施形態によれば、二次ターゲットは、蛍光X線が妨害されずに(すなわち、さらなる材料層を通過する必要なく)二次ターゲットから出ることを可能にするために、二次ターゲット材料の少なくとも1つの層に1つ以上の開口を有するように構成される。例えば、二次ターゲットの先端端部は、入射X線の初期吸収事象に応答して生成される少なくともいくつかの蛍光X線の妨害されない透過を可能にするために、開放され又は部分的に開放され得る。いくつかの実施形態によれば、1つ以上の円錐シェルを反転させて、蛍光X線透過障害を低減することができる(例えば、1つ以上の円錐シェルを、二次ターゲットの基部側にその頂点を有するように配置することができる)。いくつかの実施形態によれば、円筒状又は螺旋状のシェルが設けられ、二次ターゲットの先端端部を概ね開放する。開放した幾何学的形状を有する二次ターゲットのいくつかの例示的な例は、以下でさらに詳細に議論される。
図50Aは、入れ子状のシェル5020a及び5020bを含む二次ターゲット5020を示し、外側シェル5020aは、二次ターゲットの内側の層で生成される(例えば、内側円錐シェル5020bによる広帯域X線吸収の結果として生成される)増加した数の蛍光X線のための妨害されない透過経路を提供するために、先端端部で開放された截頭円錐シェルとして構成される。図49A及び49Bに示される二次ターゲット4920に吸収される例示的な蛍光X線4925eと比較して、蛍光X線4925eは、外側シェル(例えば、図49A及び49Bに示される二次ターゲット4920の外側シェル4920a)に吸収される代わりに、截頭円錐シェル5020aの開放先端端部を介して妨げられることなく、二次ターゲット5020を出射し、それによって、二次ターゲット5020によって放出される蛍光X線束を増加させる。しかしながら、蛍光X線4925dは、依然として内側の円錐シェル5020bに吸収される。
図50Bは、内側シェル及び外側シェル(例えば、内側シェル5020b’及び外側シェル5020a)の両方が截頭円錐形である二次ターゲット5020’を示し、両シェルの内側から妨げられない少なくとも一部の透過経路を提供し、それによって、蛍光単色X線が二次ターゲットによって吸収される確率を低下させる。例えば、図50aの内側円錐シェル5020bに吸収されるように示される蛍光X線4925dは、内側截頭円錐シェル5020b’の先端端部の開口部を介して妨害されずに出射する。したがって、1つ以上の入れ子状のシェルを開放することによって、蛍光X線が二次ターゲットによって吸収される確率を低下させることができる。しかしながら、截頭円錐形のシェルは、蛍光X線吸収の確率を減少させるが、入射X線(例えば、一次ターゲットによって放射される広帯域X線)の初期吸収事象に利用可能な二次ターゲットの表面積も減少させ、したがって、二次ターゲットによって生成される蛍光X線の数を潜在的に減少させることが認識されるべきである。本発明者は、二次ターゲットの1つ以上の円錐シェルを反転させることによって、妨害されていない伝送経路の量を、表面積の対応する損失なしに増加させることができることを認めた。
図51は、外側シェルが反転されて、二次ターゲット材料の層によって生成される蛍光X線が、それらの層によって吸収もされる確率を低下させる二次ターゲット5120を示す。特に、二次ターゲット5120は、内側円錐シェル5120b(例えば、図49A、49B、及び50Aに示される例示的な内側円錐シェルと幾何学的に類似した円錐シェル)を使用して構成される。外側シェル5120aは、内側円錐シェル5120bに対して反転された円錐又は截頭円錐シェルによって形成され、それによって、二次ターゲット5120によって生成される(例えば、一次ターゲットからの広帯域X線を吸収することに応答して生成される)増加した数の蛍光X線のための妨害されない透過経路を提供する。外側シェル5120aを反転することによって(例えば、シェルの頂点側が、二次ターゲットの先端端部の代わりに基端端部にあるように、外側シェルを配向することによって)、一次X線(一次ターゲットによって放出される広帯域X線)を吸収するために利用可能な二次ターゲットの表面積を減少させることなく、蛍光X線吸収の確率を低下させることができる。したがって、例示的な二次ターゲット5120の概ね「W」形状の幾何学的形状は、以下でさらに詳細に実証されるように、二次ターゲットによって放出される蛍光X線強度を著しく増加させることを容易にする。
図52は、内側シェルと外側シェルの両方が、それぞれのシェルの頂部側が、二次ターゲットの基端端部に向かうように、反転された二次ターゲット5220を示す。具体的には、二次ターゲットの基端端部に向けられた頂部を有する(すなわち、二次ターゲット5120の内側の円錐シェル5120bの配向に対して概ね反転された)内側円錐シェル5220b、及び例示的な二次ターゲット5220の外側シェル5120aの方向において基端端部に向けられた外側シェル5220aを使用して二次ターゲット5220が構成される。開放する幾何学的形状を使用する別の変形例として、図53は、外側シェル5320a及び内側シェル5320bの両方が、概ね円錐形状を有し、それぞれの頂部が二次ステージの基端端部に向けられて配向される二次ターゲット5320を図示する。図51、52、及び53に示される例示的な二次ターゲットは、2つの入れ子状シェルを有するが、単一のシェルを含む任意の数のシェルが使用されてもよいことに留意されたい。(図45Bに図示された例示的な二次ターゲット4520bの単一円錐シェルは、その頂部が先端端部に向けられるのではなく、二次ターゲットの基端端部に向けられるように反転され得、基部は任意に開放され得る)。
本発明者によって提供された洞察に基づいて、多数の他の開放する幾何学的形状(open geometries )もまた可能である。例えば、図54A~図54Cは、概ね円筒状のシェルから形成される例示的な二次ターゲットを図示する。特に、例示的な二次ターゲット5420及び5420’は、先端端部で開放された外側円筒シェル5420a及び内側円筒シェル5420bを使用して構成され、広帯域X線の初期吸収から生成される蛍光X線が、二次ターゲットによって吸収される確率を低下させる。図54Bは、外側円筒シェル5420a及び内側シェル5420bを示す、二次ターゲット5420及び5420’の上面図を図示する。さらに図示されるように、図54Aに示される二次ターゲット5420は、二次ターゲットの基端端部に二次ターゲット材料を含むが(例えば、内側シェル及び外側シェルは、基端端部で閉鎖又は実質的に閉鎖され得る)、図54Cに示される二次ターゲット5420’は、基端端部で開放される。円錐形又は截頭円錐形シェルに関連して上述したように、態様はこの点で限定されないので、任意の数の円筒シェルを使用して、二次ターゲットを構築することができる。
別の概ね開放する幾何学的形状の変化として、図55A~55Cは、スパイラル形状を使用して構築される二次ターゲットを図示する。特に、図55Aに示される二次ターゲット5520は、円筒スパイラル5520aを含み、図55Cに示される二次ターゲット5520’は、円錐スパイラル5520a’を含む。円錐スパイラルが図55Cに示されているが、截頭円錐スパイラル(図示せず)は、より容易に製造され得る。図54Bは、二次ターゲットの特徴的なスパイラル螺旋状の幾何学的形状を示す、二次ターゲット5520及び5520’の断面の上面図を示す。入れ子状のシェルの数と同様に、スパイラル状の幾何学的形状は、所望の数の二次ターゲット材料層を提供するための任意の回数の巻きを有することができ、これにより、入射する広帯域放射線が、二次ターゲットの表面又はその近傍で初期吸収事象を受けるのに十分な機会(すなわち、二次ターゲットを形成する材料層のうちの1つによって吸収されるのに十分な機会)を提供することができる。
前述の例示的な二次ターゲットの多くは、二次ターゲットの基端側(例えば、図42に示される二次ターゲット4220の側面4220c)の二次ターゲット材料を含む。しかしながら、代替として、二次ターゲットの基端側は、開放されたままであってもよく、及び/又は、概して、二次ターゲット材料を含まなくてもよい。例えば、図56~59は、二次ターゲットの基端側に実質的に開口する二次ターゲット5620、5720、5820、及び5920を図示する。これにより、二次ターゲットの構築が簡単になる可能性がある。
また、前述したように、複数の層が、広帯域X線が吸収される確率を高めるために使用され得、任意の数の層が採用され得る。例えば、図60A~60C及び図61A~61Cは、それぞれ、円錐形状及び逆円錐形状を使用して、異なる層数の二次ターゲット材料で構成される二次ターゲットを示す。特に、図60Aは、単一の円錐シェル二次ターゲット6020を示し、そこでは二次ターゲットを通過するX線(例えば、単色X線源の縦軸6055に直交する軸6053に沿う)が、典型的には、二次ターゲット材料の2つの層に遭遇する。図60Bに示される二次ターゲット6020’は、2つの入れ子状の円錐シェルから構成され、したがって、ターゲットを通過するX線用の4つの層の二次ターゲット材料を提供し、図60Cに示される二次ターゲット6020”は、広帯域X線を吸収する機会を提供する6つの層の第2のターゲット材料を提供する3つのネスト化された円錐シェルから構成される。
同様に、図61A~61Cは、開放する(例えば、反転したシェル)幾何学的形状を使用して構築された二次ターゲットを示す。特に、図61Aに示される二次ターゲット6120は、入射広帯域X線を吸収するための4層の二次ターゲット材料(例えば、多くの(ほとんどではないにしても)入射X線が初期吸収事象を受ける機会を4回有するように、二次ターゲットの長手軸に直交する方向に4つの別々の層を含む)を提供する、概ね「W」形状を使用して構成される。図61B及び61Cにそれぞれ示される二次ターゲット6120’及び6120”は、入れ子状の逆円錐シェルで構成され、両方とも、入射広帯域X線を吸収することができる二次ターゲット材料の6層を提供する。図55Cを参照すると、スパイラル形状を使用して構築される二次ターゲット5520’は、蛍光X線を生成するために、一次ターゲットから放出される一次X線を吸収することが可能な二次ターゲット材料の7つの層を提供する。上述したように、本明細書に示された二次ターゲットは例示的であり、任意の数の層を使用して、二次ターゲットを構築することができるが、この観点では限定されない。層の数を増やすことは、より高エネルギの入射X線を蛍光X線に変換することを容易にし得る。
図60A~60C及び図61A~61Cに示される例示的な二次ターゲットによって示されるように、各連続するシェルは、(例えば、異なるアスペクト比を有することによって)異なる頂部角を有する。頂角のこの変化は、図60D及び60Eにおける例示的な二次ターゲット6220及び6220’によってより明確に示され、ここでは、比較的広い頂角が、略円錐シェルを構成するために使用される。特に、図60Dに示される例示的ターゲット6220の外側シェル6220aは、約60度の頂角を有し、内側シェル6220bは、約30度の頂角を有する。比較的大きな頂角からより小さな頂角への経過は、図60Eに示される例示的な二次ターゲット6220’の外側、中間、及び内側シェル6220a’、6220b’、及び6220c’の頂角を減少させることによっても見られる。図60Fは、外側シェル6220a”及び内側シェル6220b”の両方について、頂角が実質的に同じである複数の入れ子状シェルを有する例示的な二次ターゲット6220”を図示する。二次ターゲットは、0度(すなわち、(複数の)垂直層が、例えば、図54A~54Cに示される円筒シェルによって、又は水平方向に二次材料層の平面層を並べることによって)及び90度(すなわち、例えば、54A~54Cに示される円筒シェルを90度回転させることによって、又は、二次ターゲット材料の平面層を、連続する層間に所望の量の間隔を置いて垂直方向に積層することによって)の境界角を含む1つ以上のシェルの幾何学的形状に応じた頂角又は任意の所望の頂角を有するように構成され得ることが理解されるべきである。頂部角度を変化させることは、図61A~図61Cに示される「W」形状の幾何学的形状を含む、他の幾何学的形状にも適用されることが理解されるべきである。
層状二次ターゲットを使用することの有効性を示すために、図62は、従来の中実コーン二次ターゲットから発せられる単色蛍光X線束に比較して、多数の異なる幾何学形状を使用して二次ターゲットから放出される単色蛍光X線束出力を示す。図62に示す単色蛍光X線強度は、二次ターゲット材料として銀(Ag)を使用してシミュレートされ、層状二次ターゲットは、厚さ17ミクロンのAg箔によって形成された各層でシミュレートされた。図62に示されるように、中実円錐形二次ターゲット6220Aによって放出される単色蛍光X線束は、1に正規化された。単一円錐シェルを含む二次ターゲット6220Bは、単色蛍光X線強度の2倍を生成し、入れ子状円錐シェルを含む二次ターゲット6220Cは、従来の中実二次ターゲット6220Aよりも単色蛍光X線強度の2.5倍を生成する。略「W」形状の反転又は逆入れ子状シェル(inverted nested shells )を含む二次ターゲット6220Dは、従来の中実コーン二次ターゲット6220Aと比較して、単色蛍光X線束の3.2倍を提供した。本明細書に記載された技術を用いて生成された単色蛍光X線強度の増加は、X線源のパワー要求に重大な影響を及ぼし、以下にさらに詳細に説明するように、単色X線源の出力において同じ単色X線束を生成するために一次カソード-アノードステージで必要とされる入力パワーを減少させる。
前述の例示的な幾何学的形状で提供される二次ターゲット材料は、単色X線源の二次ステージを形成するように比較的容易に取り扱われ、位置決めされ得る二次ターゲットを提供するために、支持体又は基板上に提供され得る。
図63A及び63Bは、いくつかの実施形態による、例示的な支持二次ターゲット材料を図示する。図63A及び63Bに示される例では、外側円錐シェル6320aのための外側支持体6322a及び内側円錐シェル6320bのための内側支持体6322bを備える、二次ターゲット材料の入れ子状円錐シェルのための支持体6322が提供される。外側支持体6322aは基板6324aを含み、内側支持体6322bは基板6324bを含み、その上に、二次ターゲット材料(例えば、金属蛍光体)が、それぞれ、内側及び外側入れ子状円錐シェルを形成するために適用され得る。支持体6322(例えば、内側及び外側支持体6322a及び6322b)は、任意の適切な材料、例えば、入射広帯域X線及び二次ターゲットによって生成される蛍光X線の両方に対して十分に透過性である、一般的に原子番号の低い材料で作製され得る。例えば、支持体は、炭素繊維、ナイロン、ポリエチレン、窒化ホウ素、アルミニウム、シリコン、又は任意の他の適当な材料を用いて構成することができる。二次ターゲット材料(例えば、支持体6322)に対する支持体は、任意の適切な技術、例えば、3D印刷、機械加工、材料成長、鋳造、成形などを使用して製造され得る。
さらに、二次ターゲット材料は、任意の適切な方法で、二次ターゲット支持体の基板表面に適用され得る。例えば、二次ターゲットを形成するために(例えば、内側及び外側の円錐状の入れ子状の箔を形成するため)、薄箔を支持体の基板に取り付けるか、又は別の方法で固定し得る。あるいは、自立型箔が最適な選択でない場合、例えば、二次ターゲット材料は、蒸着、スパッタリング、エピタキシャル成長、電気メッキ、又は他の任意の適切な材料堆積プロセスなどの任意の適切な堆積技術を用いて塗布され得る。例えば、いくつかの二次ターゲット材料は、薄箔形態で製造することが困難であり得るが、半導体及びMEMS製造において一般的に使用される堆積技術を使用して容易に堆積し得る。したがって、堆積方法は、独立した薄箔として入手できない、又は容易に機械加工できない材料、例えば、X線マンモグラフィに有用なアンチモン、テルルを二次ターゲットに利用することを可能にする。心臓又は胸部画像化に適用可能であるが、これらに限定されない高次Z材料は、希土類元素(例えば、ジスプロシウム、ホルミウム)又は高Z元素(例えば、タンタル、タングステン、白金又は劣化ウラン)から製作することができる。
図63A及び63Bに示される例示的な支持体は、中空の円錐支持体6322a及び6322bを使用して構築され得るが、支持体は、中実の支持体ピース又は中実及び中空の支持体ピースの組み合わせを使用して形成されてもよい。図63Bに示されるように、外側支持体6322aは、(二次ターゲット材料が適用される基板部分6324aに加えて)ベース部分6324cを含み、ベース部分6324cは、溝又はインターロック部分6324dと、プラットフォーム部分6324eとを有し、内部支持体6322bと協働して、内部支持体が正しく位置決めされ、所定の位置にスナップされることを可能にする。特に、プラットフォーム6324eは、内側支持体6322bのベース部分6324fと係合し、内側支持体6322bが、矢印6355によって示される方向に、外側支持体6322a内に挿入され得る距離を制限する。加えて、協働部分6324gは、ベース6324cのインターロック部分6324dと係合し、内側支持体を外側支持体にスナップ止めし、内側円錐シェル6320bを外側円錐シェル6320a内に入れ子に資、それによって、入れ子状の円錐シェル二次ターゲットを形成する。支持体は、単一の一体化された材料片から形成され得、又は、他の方法で二次ターゲット材料を適用するための基板を提供し得るが、この観点において限定されない、ことを理解されたい。
図64及び図65は、単色X線源のウインドウ内に配置されたキャリア内に配置された2つの例示的な二次ターゲットを示す。具体的には、キャリア6440は、第2ターゲットを収容する場合、単色X線源の二次ステージを形成する、本明細書に記載されるキャリアのいずれかと同一又は類似であり得る。キャリア6440は、本明細書に記載される任意の技術を利用し得ることが理解されるべきである。例えば、キャリア6440は、遮断部分6444と、二次ターゲット(例えば、例示的な二次ターゲット6420及び6520)が位置決めされる透過部分6442とを含み得る。遮断部分は、X線放射を遮断する材料を含み得、その結果、単色X線源から放出されるX線の実質的に全てが、出口開口6544cを介して出射される。その詳細は、前述のとおりである。透過性部分6442は、本明細書にさらに詳述されるように、X線に対して概ね透明である材料で構成されて得る。
キャリア6440は、単色X線源の第1ステージから取り外し可能であり得、又は、概ね取り外し可能ではない単色X線源の一体的な構成要素として提供され得ることを理解されたい。さらに、層状二次ターゲット(例えば、例示的な二次ターゲット6420及び6520)は、本明細書に記載される例示的キャリアを使用することなく、単色X線源において他の方法で採用され得ることが理解されるべきである。図64及び65では、例示的なキャリア6440は、単色X線源の第1ステージ、より詳細には、第1ターゲット6410及びカソード6406へのインタフェースを提供するウインドウ6430内に配置される。図64では、二次ターゲット6420は、例えば、図49A~49B、50A~50B、図60A~60Cに示される幾何学的形状のいずれかなどの、入れ子状の円錐シェル形状を使用して構成される。図65では、二次ターゲット6520は、例えば、図51~53、61A~61Cに示される開口幾何学的形状のいずれかなどの、逆又は「W」形状の幾何学的形状を使用して構成される。
図65を参照すると、二次ターゲット6520の反転形状又は逆形状は、例えば、二次ステージのキャリアの少なくとも一部の必要性を排除することによって、キャリアに対する有利な変更を可能にし得る。特に、二次ターゲット6520(又は他の反転された幾何学的形状)の最大寸法は、二次ターゲットの先端端部にあるため、先端端部は、キャリアの先端端部(例えば、キャリアの遮断部分)によって支持され得る。その結果、いくつかのの実施形態では、透過部分(例えば、図13A~C及び17A~Cにそれぞれ示される透過部分1342及び1742)を除去し、一次ターゲットからの一次X線、二次ターゲットからの蛍光X線、又はその両方と相互作用する可能性のある材料を除去することができる。特に、二次材料が適用される支持体又は基板はまた、キャリアの先端部分(例えば、かかる技術が使用される実施形態における遮断部分)に接続し又はキャリアの先端部分と結合するキャリアの基端部分を提供し得る。
例えば、図66A及び66Bは、ターゲットの最大直径が二次ターゲットの先端側にある逆の又は反転された(inverted)幾何学的形状を有する層状二次ターゲット6620用のキャリア6640を示す。キャリア6640は、出口アパーチャ6644cを含む先端部分6644を含み、その出口アパーチャ6644cを介して、蛍光X線が単色X線源から放出される。先端部分は、任意の適切な方法で構成することができ、例えば、前述のように遮蔽材料で構成することができる。キャリア6640は、二次ターゲット6620を含む基端部分6642も含む。具体的には、二次ターゲット自体は、概して、キャリア6640の基端部分を形成する。例えば、図66Bに示されるように、基端部分6642は、外側支持体6642と内側支持体6642bとを含み得、外側支持体6642は、その上に二次ターゲット材料が適用されており、外側シェル6620aを形成し、内側支持体6642bは、その上に二次ターゲット材料が適用されており、内側シェル6620bを形成する。
支持体6642a及び6642bは、本明細書に記載される任意の技術(例えば、3D印刷、機械加工、鋳造など)を使用して構成され得、本明細書に記載される任意の材料(例えば、X線放射に対して実質的に透明である比較的低い原子番号の材料)を使用して形成され得ることが理解されるべきである。同様に、二次ターゲット材料は、本明細書に記載される任意の技術を使用して、二次ターゲットの層を形成するために適用されてもよい(例えば、図66A及び66Bに図示される例示的な外側シェル6620a及び内側シェル6620bを形成するために)。キャリア6640の先端及び基端部分は、2つの部分が結合されることを可能にする協働部分を含み得る。例えば、異なる二次ターゲットがキャリア6640の先端部分6644に結合され得るように、着脱可能に結合(例えば、一緒にスナップ結合)され得る、協働部分6642dを基端部分6642が含み得、協働部分6644dを先端部分6644含み得る。かくして、図66A及び66Bに示される例示的なキャリア6640では、二次ターゲット6620がキャリアの透過部分とは別の構成要素であるのとは対照的に、基端部分の一部である。
上述のように、単色X線放出の強度は、単色源の第1ステージの動作パラメータを変化させることによって、例えば、カソード-アノード電圧(例えば、図64及び65に示されるフィラメント6406と一次ターゲット6410との間の電圧電位)を増加させることによって、及び/又はフィラメント電流を増加させることによって、増加し得、これによって、フィラメントによって放出される電子の放出電流が順次増加される。層状二次ターゲットを用いて単色X線束増加をさらに説明するために、図67は、3つの異なる二次ターゲットタイプを用いて、複数の異なるカソード-アノード電圧での放出電流に対するX線強度をプロットする:
1)直径4mmの基部を有するAg中実コーン(線65a、65b及び65cを参照);
2)直径8mmの基部を有するAg中実コーン(線67a、67b及び67cを参照);
3)直径4mmの基部、すなわち、反転シェルの先端における直径を有する「W」成形薄箔ターゲット(線69a、69b及び69cを参照)。
示されるように、層状の二次ターゲットの「W」形状の幾何学的形状は、同じカソード-アノード電圧において実質的により多くの蛍光X線束を生成し、実際に、60kVpで、4mmの中実コーンが100kVpで生成するより高い蛍光X線束を生じる。層状の二次ターゲット(すなわち、4mmの「W」形状のターゲット)もまた、8mmの中実コーンの表面積がより大きいにもかかわらず、60kVpにおいて8mmの中実コーンよりも多い単色のX線束を生成する。したがって、層状二次ターゲットは、蛍光X線強度生成に関して、従来の二次ターゲットよりも著しい進歩を提供する。より具体的には、図67の曲線は、直径4mmの円錐台に対して「W」形状を有する層状二次ターゲットが、直径8mmの中実円コーン錐からの強度より25%大きい強度を提供することを示している。直径4mmの円錐は、8mmの中実コーンよりも良好な空間画像解像度を提供するため、「W」形状の形状は、直径4mmの中実コーンの空間画像解像度を維持しつつ、増加した蛍光X線強度を提供する。
パワーを増加させ、露光時間をさらに減少させるために、10kW~50kWのパワーレベルが用いられることができる。「W」成形された幾何学的形状の実施形態による層状二次ターゲットに対する予測されるパワー要求は、図68~71に示される中実円錐ターゲットのパワー要求と比較され、中実円錐ターゲットは調査され、図39及び40の市販の機械と比較されたた。図39は、4.5cmの圧縮***に対するパワー要求を示し、図40は、9cmの圧縮***に対する要求を示した。図68~71に示されるように、(「W」成形された幾何学的形状の)層状二次ターゲットに対する電力要求は、既に市販の機械よりも有意に改善されていた信号対雑音比を達成する中実二次ターゲットから大幅に低減された。図68及び69は、4.5cmの圧縮***に対する改善を示し、図70~71は、9cmの圧縮***に対する改善を示す。
上記のように、パワーを増加させ、露光時間をさらに減少させるために、10kW~50kWのパワーレベルが用いられることができる。例えば、高出力の市販の医療用X線管(すなわち、広帯域X線管)中の電子ビームは、10,000rpmで回転するアノードに衝突すると、約1×7mmのファン形状を有する。アノードは電子ビームに対して急角度であるので、観察者によって見える長手方向に投影されるスポットサイズは約1mmに減少する。1秒間の露出では、ファンビームによって掃引された環全体が電子衝撃の入射面と見なすことができる。直径70mmのアノードでは、このトラック長は210mmであるので、入射アノードの総表面積は約1400mmである。直径36mm、高さ6mmの円錐アノードを用いた単色システムでは、電子の総入射面積は1000mmである。したがって、陽極材料を損傷することなく、強力な医療源の出力の70%の出力レベルで1秒の曝露を行うのは簡単であり、100Wは、最高出力の医療機器の一般的な出力である。最高出力の50%という非常に控えめな値を仮定すると、50kWで動作する複合材料製のアノードは、短時間の曝露で達成可能であるはずである。これは、厚い及び/又は高密度の***の診断に必要な出力よりも多いが、二次コーンの有効サイズを縮小することが優先事項となる場合は顕著な柔軟性を提供する。
50kWで1秒間曝露すると、アノードに50kJの熱が発生する。
アノードがタングステンの場合、比熱は0.134J/g/Kである。アノードを変形又は溶融させないために、1000℃以下に保つためには、アノード質量は少なくとも370gmである必要がある。金の厚層でコーティングされた銅のアノードは130gmしか有さないであろう。これらのパラメータは、線源のサイズ又は設置スペースを大幅に変更することなく、少なくとも2~3倍に増やすことができる。繰り返し曝露又は長時間曝露のために、このシステムのアノードは能動的に冷却されることができるが、回転アノードシステムは、蓄熱と、スリップリングによる非効率的な冷却と、真空容器からの熱のゆっくりとした放射伝達と、のためにアノード質量に依存しなければならない。上述の単色X線システムは、水で能動的に冷却されることができる。
いくつかの実施形態によれば、一次アノード材料は、二次からの蛍光強度を最大化するように選択されることができる。現在までの試験では、一次材料はタングステン(W)又は金(Au)のいずれかであった。それらはそれぞれ59keVと68keVで特徴的なK放出ラインを放出した。これらのエネルギは、銀(Ag;25.6keV)又はスズ(Sn;29keV)の吸収エッジと比べて比較的高く、それによって、Ag又はSnの二次ターゲットにおけるX線蛍光の誘導において、いくぶん効果が劣る。これらのレインは、一次電圧が59keVより低い場合には、励起さえされないことがある。この状況では、制動放射のみが蛍光を誘導する。一次材料は、二次材料の吸収エッジにより近いエネルギを有する特性ラインを用いて選択されることができ、それによって、X線蛍光の確率を増大させる。例えば、バリウム、ランタン、セリウム、サマリウムの元素又はこれらの元素を含む化合物は、それらが適切な形状に形成され得る限り使用され得る。いずれも融点が1000°Cを超える。最も効率的な方法では、50keVを超える単色ラインの生成を増強したい場合、より高いZ要素が必要とされる。例えば、劣化ウラン(K線=98keV)を用いて、Au(吸収エッジ=80.7keV)中にX線蛍光を効果的に誘起することができる。160kVで一次側を作動させると、制動放射とウランKの特性ラインは、胸部/胸部撮像、頭部撮像、又は非破壊工業材料分析のための単色Auラインを生成することができる。
マンモグラフィを含む多くのX線撮像用途に対して、X線検出器は、吸収された光子のエネルギを積分する撮像アレイである。全ての分光情報は失われる。分光撮像素子が特定の状況について利用可能である場合、二次ターゲットは、複数の材料の複合体であり得る。試料の材料特性を特定するために、最低2つのエネルギで同時分光撮像を行うことができた。たとえ分光能力を有する撮像検出器が、疑わしい病変の化学組成を特定する目的のために、従来のX線マンモグラフィシステムで使用される広帯域線源とともに使用されることが可能であったとしても、分光撮像装置の使用は組織(又は一般に試料)への線量を低減させないであろう。広帯域線源は単色スペクトルよりも高い照射量を試料に供給するからである。
単色X線を用いる造影マンモグラフィは、広帯域X線放射を用いるよりも優れている。低線量で単色X線を選択的に吸収することにより、画像の細部を著しく増強する(increase)ことができる。ターゲット化された(targeted)造影剤の選択的X線吸収はまた、***腫瘍の高度にターゲット化されたX線治療を促進する。従来のX線管からの広帯域X線放射を用いて現在まで実施されている造影デジタルマンモグラフィ撮像(the contrast enhanced digital mammographic imaging)において、ユーザは、フィルタリングを調節し、電子加速電圧を増加させてヨウ素の33 keVのK吸収エッジを超える十分なX線蛍光を生成することにより、ヨウ素等の造影剤中の強化された吸収の利点を得ようと試みている。図72は、X線エネルギの関数としてのヨウ素の質量吸収曲線を示す。不連続なジャンプはL及びK吸収エッジである。従来のソースからの広帯域スペクトルが、これらのエッジを組み込むエネルギ範囲にわたる場合、造影剤はより大きな吸収特性を提供する。その結果、検出性は改善されるはずである。
ここで述べたマンモグラフィシステムで使用される単色放射は、造影撮像のための多くの選択肢を提供する。通常、ヨウ素吸収エッジをわずかに超える単色エネルギを生成するために蛍光ターゲットを選択することができる。この意味で、管からの単色X線放射は、造影剤の吸収特性に調整される。感度のさらなる改善のために、造影剤の吸収エッジの下及び上にあるエネルギを有する単色X線を放出する2つの別々の蛍光二次ターゲットを選択することができる。エッジの上下で得られた吸収の差は、造影剤が蓄積しない隣接組織からの影響を効果的に除去することにより、画像コントラストをさらに改善することができる。現在、マンモグラフィで使用されているX線画像検出器の大部分は、検出器に同時に照射される場合、これらの2つのエネルギを識別するためのエネルギ分解能を有していないことに留意されたい;これらの2つの測定は、連続して2つの異なる蛍光ターゲットで別々に行われなければならない。これは確かに可能性であり、我々のシステムに組み込まれている。
造影剤は、周囲の組織と比較してX線吸収を強調するので、吸収を最大化するために、Kエッジの上方に単色エネルギを選択する必要はない。例えば、図72は、Kエッジより下であるPd Kα21.175keVエネルギの吸収係数が、Kエッジより上であるNd Kα37.36keVエネルギの吸収係数と同等であることを示す。造影剤の原子が周囲の組織の原子よりも十分に重い(原子番号、Z>45)限り(C、O、N、P、S;Z<10、微量のFe、Ni、Znなど、Z<30)、単色X線法は、将来的に、造影剤の潜在的選択肢を増加させる。Pd、Ag、及びSnの二次ターゲットは、この用途のための完全なオプションである。例えば、ヨウ素の吸収エッジより下の単色エネルギを使用すると、典型的なマンモグラフィ画像検出器の量子吸収効率をより良く利用することができる。37 keV(ヨウ素の端より上)での吸収は、22 keV(端より下)での吸収の約1/2より低い。また、低エネルギは、同時に、周囲の組織においてより良好な検出可能性を有することが証明され得る。図73は、ACRファントム上にスーパーインポーズされた、ゲルベ(Guerbet)によって製造された既承認ヨウ素造影剤であるオキシラン350の3滴のリニアセット(a linear set)を示す。各滴中のヨウ素の量はヨウ素約1mgである。
このように、本開示に記載された技術のいくつかの態様及び実施形態を説明したが、種々の変形、変更、及び改良が当業者に容易に生じることは理解されるべきである。かかる変形、変更、及び改良は、本明細書に記載した技術の思想及び範囲内にあることが意図されている。例えば、当業者は、本明細書に記載した機能を実行し、及び/又は結果及び/又は1つ以上の利点を得るための種々の他の手段及び/又は構造を容易に想像することができ、そのような変形例及び/又は変更のそれぞれは、本明細書に記載した実施形態の範囲内であるとみなされる。当業者は、日常的な実験のみを用いて、本明細書に記載の特定の実施形態の多くの同等物を認識するか、確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は、単なる例示として示されており、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内で、本発明の実施形態は、具体的に記載されている以外の方法で実施することができることを理解されたい。さらに、本明細書に記載される2つ以上の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
本明細書で定義及び使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれた文書の定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味を制御すると理解されるべきである。
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び特許請求の範囲において用いられるように、明瞭に反対のことが示されるのでなければ、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
本明細書及び特許請求の範囲において用いられる「及び/又は」語句は、複数の要素、すなわち、ある場合には連言的に存在し、他の場合には選言的に存在する要素。の「何れか又は両方」を意味すると解されるべきである。「及び/又は」で挙げられた複数の要素は、同じように、つまり、そのように結合された要素の「1つ又は複数」として解釈されるべきである。「及び/又は」の句によって具体的に特定される要素以外に、具体的に特定される要素に関連するかどうかに関係なく、他の要素が任意に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「含む」などの非制限的文言と組み合わせて使用する場合の「A及び/又はB」への言及は、一実施形態では、Aのみ(任意でB以外の要素を含む);別の実施形態では、Bのみ(任意でA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、A及びBの両方(任意で他の要素を含む);等を指す。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、1つ又は複数の要素のリストに関する「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の任意の1つ以上の要素から選択される少なくとの1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリストに具体的に挙げられる各要素及び全要素の少なくとも1つ(at least one of each and every element)を必ずしも含む必要はなく、かつ、要素のリスト内の要素の組み合わせを除外しない。この定義は、「少なくとも1つ」という語句が参照する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外に、具体的に特定された要素に関連するかどうかに関係なく、任意の要素が存在することを許す。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうち少なくとも1つ」(又は、同等に「A又はBの少なくとも1つ」、又は同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bの無い、少なくとも1つのA、任意には1つより多いA(及び任意でB以外の要素を含む);他の実施形態では、Aの無い、少なくとも1つのB、任意には1つより多いB(及び任意でA以外の要素を含む);また別の実施形態では、少なくとも1つのA、任意には1つより多いA、及び、少なくとも1つのB、任意には1つより多いB(及び任意には他の要素を含む);等を指す。
また、本願明細書において使用する語法及び用語は、説明のためのものであり、制限的に理解されるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」又は「有する(having)」、「含有する(containing)」及びそれらの変形の使用は、その後に列挙されている項目、均等物及びその他の付加的項目を包囲する。
特許請求の範囲及び上記の明細書中において「備える(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「包含する(involving)」、「支持する(holding)」、「から構成される(composed of)等のような全ての移行句(transitional phrases)は、非制限的(open-ended)であると理解されるべきである、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味する。
「から成る(consisting of)」及び「から実質的に成る(consisting essentially of)」の移行句のみは、それぞれ、制限的又は半制限的(closed or semi-closed)移行句であべきである。

Claims (28)

  1. 単色X線源であって、
    電子を生成するように構成された電子源と、
    一次ターゲットであって、前記電子源から電子を受け取り、前記一次ターゲットに衝突する電子に応答して広帯域X線放射を発生するように配置された一次ターゲットと、
    前記一次ターゲットによって放出される入射広帯域X線放射を吸収することに応答して単色X線放射を生成することができる少なくとも1つの材料層を含む二次ターゲットと、
    を有し、
    前記二次ターゲットは、少なくとも1つの層によって、少なくとも部分的に形成される少なくとも1つの円錐形状又は截頭円錐形状のシェルを備える、単色X線源。
  2. 前記少なくとも1つの材料層は、複数の材料層を備える、
    請求項1記載のX線源。
  3. 前記複数の材料層は、少なくとも3つの材料層を備える、
    請求項2記載のX線源。
  4. 前記複数の材料層は、少なくとも4つの材料層を備える、
    請求項3記載のX線源。
  5. 前記複数の材料層は、少なくとも6つの材料層を備える、
    請求項4記載のX線源。
  6. 前記少なくとも1つの円錐形状又は截頭円錐形状のシェルは、前記二次ターゲットの先端において、少なくとも部分的に開口している、
    請求項1記載のX線源。
  7. 前記少なくとも1つの円錐形状又は截頭円錐形状のシェルは、前記二次ターゲットの基端において、少なくとも部分的に開口している、
    請求項1記載のX線源。
  8. 前記少なくとも1つの円錐形状又は截頭円錐形状のシェルは、前記二次ターゲットの先端に向かってその頂点を有するように配向されている、
    請求項1記載のX線源。
  9. 前記少なくとも1つの円錐形状又は截頭円錐形状のシェルは、前記二次ターゲットの基端に向かってその頂点を有するように配向されている、
    請求項1記載のX線源。
  10. 前記少なくとも1つの円錐形状又は截頭円錐形状のシェルは、複数の円錐形状又は截頭円錐形状のシェルを備え、
    前記複数の円錐形状又は截頭円錐形状のシェルのうちの少なくとも1つは、前記二次ターゲットの先端に向かってその頂点を有するように配向されており、
    前記複数の円錐形状又は截頭円錐形状のシェルのうちの少なくとも1つは、前記二次ターゲットの基端に向かってその頂点を有するように配向されている、
    請求項1記載のX線源。
  11. 前記二次ターゲットは、複数の入れ子状のシェルを備える、
    請求項1記載のX線源。
  12. 前記複数の入れ子状のシェルは、前記二次ターゲットが前記単色X線源の長手軸に直交する軸に沿った少なくとも2つの層を有するように配置されている、
    請求項11記載のX線源。
  13. 前記複数の入れ子状のシェルは、前記二次ターゲットが前記単色X線源の長手軸に直交する軸に沿った少なくとも4つの層を有するように配置されている、
    請求項12記載のX線源。
  14. 前記少なくとも1つの材料層は、15ミクロンと30ミクロンとの間の厚さを有する、
    請求項1記載のX線源。
  15. 前記少なくとも1つの材料層は、20ミクロンと25ミクロンとの間の厚さを有する、
    請求項1記載のX線源。
  16. 前記二次ターゲットは、mm以下かつmm以上の最大直径を有する、
    請求項1記載のX線源。
  17. 前記二次ターゲットは、mm以下かつmm以上の最大直径を有する、
    請求項1記載のX線源。
  18. 前記二次ターゲットは、mm以下かつmm以上の最大直径を有する、
    請求項1記載のX線源。
  19. 少なくとも1つのシェルが、少なくとも1:1の高さ対基部アスペクト比及び/又は5度以下の頂点角度を有する、
    請求項1記載のX線源。
  20. 少なくとも1つのシェルが、少なくとも2:1の高さ対基部アスペクト比及び/又は0度以下の頂点角度を有する、
    請求項19記載のX線源。
  21. 少なくとも1つのシェルが、少なくとも4:1の高さ対基部アスペクト比及び/又は5度以下の頂点角度を有する、
    請求項20記載のX線源。
  22. 前記少なくとも1つの材料層は、銀、スズ、モリブデン、パラジウム、アンチモン、ジスプロシウム、ホルミウム、タンタル、タングステン、金、プラチナ及び/又はウランを含む、
    請求項1記載のX線源。
  23. 前記少なくとも1つの材料層は、少なくとも1つの箔層を備える
    請求項1記載のX線源。
  24. 前記少なくとも1つの材料層は、少なくとも1つの堆積された材料層を備える、
    請求項1記載のX線源。
  25. 前記少なくとも1つの堆積された材料層は、スパッタリングプロセス、蒸着プロセス又は電気めっきプロセスを介して提供される、
    請求項24記載のX線源。
  26. 前記単色X線源はさらに、
    前記少なくとも1つの材料層を支持するように構成された少なくとも1つの基板を備え、
    前記少なくとも1つの基板は、X線放射を実質的に透過する材料を含む、
    請求項1記載のX線源。
  27. 単色X線源であって、
    電子を生成するように構成された電子源と、
    一次ターゲットであって、前記電子源から電子を受け取り、前記一次ターゲットに衝突する電子に応答して広帯域X線放射を発生するように配置された一次ターゲットと、
    前記一次ターゲットによって放出される入射広帯域X線放射を吸収することに応答して単色X線放射を生成することができる少なくとも1つの材料層を含む二次ターゲットと、
    を有し、
    前記二次ターゲットは、少なくとも一つの層によって、少なくとも部分的に形成される少なくとも1つの円筒形状のスパイラルシェルを備える、
    単色X線源。
  28. 単色X線源であって、
    電子を生成するように構成された電子源と、
    一次ターゲットであって、前記電子源から電子を受け取り、前記一次ターゲットに衝突する電子に応答して広帯域X線放射を発生するように配置された一次ターゲットと、
    前記一次ターゲットによって放出される入射広帯域X線放射を吸収することに応答して単色X線放射を生成することができる少なくとも1つの材料層を含む二次ターゲットと、
    を有し、
    前記二次ターゲットは、少なくとも1つの層によって、少なくとも部分的に形成される少なくとも1つの円錐形状のスパイラルシェルを備える、
    単色X線源。
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